第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

当社グループは、建築物の開口部、とりわけ窓まわり製品を事業の核とする建築内装品の総合メーカーとして、また、長年培ってきた歯車技術、動力伝導技術を活かした機械式立体駐車装置、減速機メーカーとして、今日に至っております。
  その時代の要請に応え、顧客の皆様の信頼を得ることを第一に、国内外の多様な要望に応えることのできる製品の研究開発・生産の充実と高品質なサービスの提供により、生活環境の改善を図り、一般消費者、取引先ならびに株主の皆様の期待に応えると共に、社会に貢献することを経営の基本方針としております。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、今後も安定した収益を確保できる事業体制の構築に向けて、2023年度からの3年間を対象とする中期経営計画「タチカワビジョン2025~継続と進化~」を策定しております。

収益の源泉となる売上高ならびに各段階の利益を重視しており、本中期経営計画期間中の連結業績目標は、以下のとおりであります。

 

連結業績目標

 

2023年12月期

実績

2024年12月期

業績予想

 

2025年12月期

売上高

413.1億円

428.0億円

 

445億円

営業利益

40.5億円

41.8億円

 

44億円

経常利益

43.3億円

43.6億円

 

46億円

当期純利益

27.1億円

27.6億円

 

29億円

 

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 

・建築物内外の生活環境の改善による社会貢献を継続しながら、今後「ものづくりとマーケティング」、「経営基盤の強化」、「サステナビリティへの取組み」に注力し、環境や時代のニーズに応じて進化させていくことを基本方針としており、主な取組みは、以下のとおりであります。

 


 

中期経営計画の詳細は、こちらをご覧ください。

https://www.blind.co.jp/_assets/img/company/ir/library/tyuukikeieikeikaku23-25.pdf

 

 

 

①ものづくりとマーケティング

「マーケティングの継続と進化」「技術革新」「生産体制の強化」を三位一体に、メーカーとして、企画、開発、生産、販促を強化してまいります。

 

Ⅰ.マーケティングの継続・進化

・安心・安全・快適・環境を基本とした製品開発と販売促進

・電動製品、間仕切り製品による新たな快適な住空間の提案

・デジタルマーケティングの強化と、リアルとデジタルを融合させたマーケティングの進化

・利益体質強化に向けた基盤づくり

 

「安心・安全・快適・環境・健康」をキーワードに、多様化するニーズを的確に捉えた製品開発に努めると共に、リアルとデジタルを融合させたマーケティングの進化とプロダクトミックス提案の強化、電動製品、間仕切製品の拡販、取扱商材の拡大、販売価格の見直しを視野に入れた収益改善等にも努めてまいります。

 

Ⅱ.技術革新

・技術研究棟の新設により、当社独自の新技術、新素材、新製法等の研究を推進

・メーカーとしての開発基盤を強化

 

2024年9月竣工予定の技術研究棟を本稼働させ、当社独自の新技術、新素材、新製法等を幅広く研究し、メーカーとしての開発基盤を強化することで、技術力の向上を図ると共に、環境負荷低減に繋がる製品開発にも注力いたします。

 

Ⅲ.生産体制の強化

・生産・物流拠点の最適化と設備の計画的更新

・拠点毎の生産品目を見直し、主力製品、電動製品、間仕切り製品の生産体制を最適化

 

原材料の価格高騰等が続く中においても、高品質かつ安定供給を維持し、また、長期的な視野のもと、市場環境に応じた生産拠点の整備や生産品目の適正化、並びに在庫の適正化に注力してまいります。

 

②経営基盤の強化

当社グループの中長期的な成長に向けた事業戦略、マーケティングの強化を図るために必要不可欠な人材の確保と育成を推進し、また事業拠点等の整備も含め、経営資源を計画的に強化してまいります。

 

Ⅰ.戦略に必要な人材の確保と育成

・新卒・中途採用強化と、社員の年齢構成是正、処遇改善推進

・社員の定着率向上や人材活用に向けた研修プログラムの見直し

・社員の多様性拡大、健康経営の推進

 

Ⅱ.計画的な事業拠点整備

・エリアマーケティングの強化に向けた事業所の最適化

・働きやすい職場環境の整備

・太陽光発電装置の設置や照明LED化等環境対策の推進

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

(1)サステナビリティ全般

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取り組みは、次のとおりです。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。

①ガバナンス

当社グループでは、サステナビリティに関する基本方針や重要課題(マテリアリティ)の特定、重要課題に基づく目標設定等の重要事項の審議を行うため、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し、年2回以上の頻度で実施しています。

サステナビリティ委員会は、社長を委員長とし、委員は各本部長により構成されております。重要課題への取組を推進するため、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ推進委員会を設置し、それらの運営支援のためサステナビリティ推進室を設置しています。

サステナビリティ委員会はサステナビリティ推進委員会と連携し、当社グループに関連するリスク、機会の特定と評価、対応策検討と推進を行います。サステナビリティ推進室はサステナビリティ推進委員会の運営を支援するとともに、重要課題への取組状況を取り纏め、月次で経営会議に報告し、助言を受けています。

サステナビリティ推進委員会での検討結果はサステナビリティ委員会に報告され、サステナビリティ委員会での検討内容は年2回以上、取締役会に報告されています。

 

《サステナビリティ推進体制》


 

②戦略

当社グループは、サステナビリティ基本方針を踏まえ、重点的に取り組む課題として、6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しました。

マテリアリティの解決に取り組むことにより、グループの継続的な成長と持続可能な地球環境・社会の実現を目指してまいります。

 

(サステナビリティ基本方針)

タチカワブラインドグループは、事業を通じてE(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)に関する重要課題解決に取り組むことにより、グループの継続的な成長と持続可能な地球環境・社会の実現を目指します。

 

・E(環境)

タチカワブラインドグループは、人にも環境にもやさしいものづくりを追求し、事業活動における環境負荷低減を推進いたします。

・S(社会)

タチカワブラインドグループは、人々の安心・安全・快適な暮らしや産業社会の発展、都市問題の解決に貢献する各事業を通じて、会社の繁栄と社員個人の幸福が一致する経営を目指します。

・G(ガバナンス)

タチカワブラインドグループは、持続的成長に向けて、グループガバナンスをさらに強化し、すべてのステークホルダーにとって透明性・信頼性の高い経営に努めます。

 

タチカワブラインドグループのマテリアリティ(重要課題)


(環境)

・事業活動における環境負荷低減


(社会)

・安心・安全・快適で環境に配慮した住空間の提供

・働きやすく働きがいのある職場環境の実現

・ステークホルダーとの協働とサプライチェーンマネジメント

・技術力を通じた多様な産業と暮らしへの貢献


(ガバナンス)

・持続的成長に向けたガバナンスの充実・強化

 

 

特定した6つのマテリアリティ(重要課題)解決のために、マテリアリティ毎に具体的な取組み項目(マテリアリティ詳細)・目標・KPIを設定し、サステナビリティの取り組みを推進しています。具体的な取り組み項目等については、④指標及び目標に記載しております。

また、これらの取組状況については、当社ホームページ掲載の統合報告書をご参照ください。

 

 

③リスク管理

当社グループでは、②戦略で特定したマテリアリティについては、サステナビリティ推進委員会を中心に活動を推進し、それらの活動状況はサステナビリティ推進室を通して月次で経営会議に報告されるとともに年2回以上サステナビリティ委員会に報告され、サステナビリティ委員会での審議を経たうえで取締役会に付議、報告されています。

マテリアリティの特定プロセスは、以下のとおりです。

サステナビリティテーマの抽出・整理

 

GRIやSASB等のガイドラインや事業環境におけるリスク・機会等を踏まえ、当社の価値創造プロセスに関連性のあるサステナビリティテーマを抽出しました。

自社及びステークホルダーにとっての重要度評価

 

「自社にとっての重要度」と「ステークホルダーにとっての重要度」の2つの評価軸に沿って、抽出したサステナビリティテーマの重要度評価を行いました。

マテリアリティ案の特定

 

重要度評価をもとにマテリアリティ(重要課題)となるテーマ候補を絞り込み、自社の価値創造プロセスとの関連性を踏まえてマテリアリティ案を特定しました。

マテリアリティの審議・決定

 

特定したマテリアリティ案について、サステナビリティ委員会にて審議を行い、取締役会に付議・決議いたしました。

 

 

④指標及び目標

当社グループは、特定した6つのマテリアリティごとに目標・KPIを設定し、サステナビリティの取り組みを推進しています。

 

ESG

マテリアリティ

マテリアリティ詳細

目標(あるべき姿)

主なKPI(目標管理指標)

(環境)

事業活動に
おける
環境負荷低減

GHG排出量30%削減

Scope1、2について、2030年度に2021年度比で30%削減する

GHG排出量

資源の有効活用、廃棄物の削減

製造拠点における廃棄物リサイクル率95%以上を継続し、資源の循環を図る

リサイクル率

製品製造段階の廃棄量を削減し、CO2排出量削減に貢献する

製造段階における廃棄物総排出量

(社会)

安心・安全・

快適で環境に

配慮した住空間の提供

環境の変化や時代のニーズに応じたマーケティング

デジタルを活用したマーケティング体制を構築し、販売促進強化と事務生産性の向上を図る

デジタルを活用した販売促進

環境配慮型製品の開発

安心・安全・快適を基本とした製品を市場導入する

環境配慮型製品の開発体制の構築と市場導入

技術研究棟を活用し、建築物の省エネに繋がる製品の研究開発やノウハウの蓄積、サステナブルな製品の開発をスピーディーに推進・市場導入できる体制を構築する

働きやすく
働きがいのある
職場環境の実現

人材の育成

研修や資格取得支援の内容見直し、新規企画実行により、人材の育成を図る

研修実施回数
研修受講者数

社員の多様性拡大(ダイバーシティ)

再雇用社員や地域限定社員の見直し、新規企画実行、女性社員の積極活用により社員の多様性拡大を図る

女性管理職比率
男性育休取得率

健康経営の推進

ワークライフバランス向上、健康管理強化により、社員の活力と健康増進に繋げる

年次有給休暇取得日数
定期健康診断受診率
ストレスチェック受検率

職場環境の整備

社員が安心して働ける環境の整備や制度の新規導入および既存制度の加入拡大を図る

団体長期障害所得補償保険
(GLTD)加入率

ステークホルダーとの協働と

サプライチェーンマネジメント

取引先との関係強化

外注委託先(製品製造)および工事業者(製品取付)の事業承継状況を正確に把握し、適時・適切な対応・連携を行い、事業の安定性・持続性の向上を図る

事業承継アンケートの実施

当社製品の付加価値を訴求(環境・社会課題解決製品)し、取引先での当社製品の取扱いを拡大する

新製品発表会・展示会を通じた環境配慮型製品の訴求

技術力を通じた多様な産業と

暮らしへの貢献

個別製品強化による多様な産業と暮らしへの貢献

少子高齢化進展に伴う社会課題の解決に貢献する個別減速機を提供し、持続可能な社会発展に貢献する

社会課題解決に貢献する製品の市場導入

駐車場装置利用者の安全性や快適性の追求

駐車場装置への安全性と快適性を追求し、付加価値提案の強化を図ることで、利用者の安心・安全・快適性の向上を図る

保守・改造業者への立会指導回数

電気自動車(EV)の普及への対応

脱炭素施策であるEV車シフトを踏まえた駐車場装置の開発・改良により、車両の多様化に対応できる製品を提供する

EV車対応機能の市場導入

(ガバナンス)

持続的成長
に向けた
ガバナンスの
充実・強化

サステナビリティ情報の積極的開示

投資家をはじめとした様々なステークホルダーに当社のサステナビリティへの取り組みを定期的にわかりやすく発信し、投資家からの持続的経営支援体制の強化を図る

英文開示対応

ステークホルダーとのエンゲージメントの強化

投資家との対話の機会を定期的に設け、企業認知度の向上を図る

投資家向け説明会実施回数
IRミーティング実施回数

プライム市場上場維持基準の達成・維持

プライム市場上場維持基準を、毎年末確実に達成する

1日平均売買代金
流通株式時価総額

コンプライアンスの強化

社員のコンプライアンス意識を高め、違反や不正の起きない組織風土を醸成する

コンプライアンス研修の
実施

 

 

(2)TCFD (気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示

当社グループは、企業の継続的成長と持続可能な地球環境・社会を同時に目指すサステナビリティ経営の一環として気候変動への対応を一層推進していくため、2023年2月に気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate‐related  Financial Disclosures :TCFD) 提言への賛同を行い、TCFD提言の推奨する「ガバナンス」、「戦略」、「リスク管理」及び「指標と目標」のフレームワークに基づき、サステナビリティ委員会をはじめとした推進体制の構築を図るとともに、リスクと機会の抽出と評価、対応案の立案を行いました。

また事業活動により排出される温室効果ガス(以下、GHG)についても算定を行い、2030年に向けた削減目標の立案をいたしました。

 

①ガバナンス

当社グループでは、気候関連問題への対応方針や施策の検討のため、取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置し、年2回以上の頻度で実施しています。

サステナビリティ委員会は、気候関連問題の責任者である社長を委員長とし、各本部の本部長により構成されております。

気候関連問題への取り組みを推進するため、サステナビリティ委員会の下にサステナビリティ推進委員会を設置しています。

サステナビリティ推進委員会での検討結果は、サステナビリティ委員会に報告され、サステナビリティ委員会での検討内容は、年2回取締役会に報告されています。

 

②戦略

気候変動による事業インパクト分析を行い、特に当社事業への影響が大きく、発生の可能性が高いと想定されるリスク7項目と機会5項目を特定し、それぞれの対応策を検討しました。

 

③リスク管理

サステナビリティ委員会はサステナビリティ推進委員会から報告されたリスクと機会を統合し、それぞれを発生の可能性、影響度、対応策の有無などで評価し、重要度の決定、優先順位付けを行っています。

 

④指標及び目標

気候関連のリスクと機会を管理するための指標として、Scope1、2について、2030年度に2021年度比でGHG排出量30%削減とする目標を設定しております。

目標達成に向け、製造工程の省エネルギー化の推進、各事業拠点のLED照明への移行等による電気使用量の削減、営業車両の電気自動車等への移行をはじめとした具体的な取り組みを実施し、脱炭素社会への実現に貢献して参ります。

 


 

<気候変動による事業インパクト分析>

想定されるリスク(気候変動影響)

事業インパクト

重要度

移行リスク

政策

CO2排出量・省エネ規制強化

CO2排出量規制等の強化により発電コストが割高な再生可能エネルギーの比率が高まることで、エネルギーコストの増加が想定される。

技術

低炭素技術活用への移行

低炭素生産設備等への更新や太陽光発電の導入等、設備投資コストの増加が想定される。

市場

原材料等調達価格の上昇

石油由来の燃料から電力や水素等の代替エネルギーへの切替や既存設備の更新等、仕入れ先の脱炭素に向けた投資により、原材料等への価格転嫁、調達コストの増加が想定される。

評判

投資家の評判変化

環境対応への取組みが不十分な場合、企業のブランド価値が毀損し、投資家からの投資に悪影響(株価下落等)が生じる可能性がある。

環境配慮型製品の需要増加

(消費者の行動変化)

環境配慮型製品の開発(環境対応)が遅れた場合、企業のブランドイメージに悪影響を及ぼす可能性がある。

物理リスク

急性

自社拠点の被災による操業停止サプライチェーン寸断による操業停止

生産・販売拠点及び取引先・物流拠点で気象災害が発生し、営業活動や生産が滞る可能性がある。

慢性

気候変動による原材料入手困難

気候変動により生物由来の原材料の調達が困難となることで、木部材などの仕入れコストの増加が想定される。

 

 

 

 

 

想定される機会(気候変動影響)

事業インパクト

重要度

機会

資源効率

省エネの推進、廃棄物処理効率化によるコストの減少

材料のロス率低減による廃棄物削減等を推進することで製造コストの減少が想定される。

サプライチェーンの見直し物流の効率化によるコストの減少

生産拠点毎の生産品目や物流拠点の見直しによるCO2排出量削減に向けた輸配送の効率化を推進することで、物流コストの減少が想定される。

エネルギー源

再生可能エネルギーの効率化、安定化によるエネルギーコストの低下

太陽光発電設備の導入等の再生可能エネルギーの利用拡大により、化石燃料価格の上昇リスクを低減することで、収益性が向上することが想定される。

製品と

サービス

環境配慮型製品の需要増加

(消費者の行動変化)

遮熱や断熱といった省エネに寄与する製品や素材の開発など、環境の変化に対応した新製品の市場導入により、成長機会の獲得を図ることができると想定される。

レジリエンス

気象災害への対応策実施による被害の極小化

事業所や生産拠点の気候変動への対応推進により、気象災害に伴う被害の回避、復旧にかかるコストの極小化に繋がると想定される。

 

※TCFD提言に基づく開示内容の詳細については、当社ホームページをご参照下さい。

 

 

(3)人的資本・多様性への取組

①戦略

〈人材育成方針〉

将来にわたって企業が成長していくために最も重要な資産は人材であり、社員個々の能力を十分に発揮できるよう、適材適所の配置を行い、組織に良い循環を作ることが企業の成長に繋がると考えております。

人材育成にあたっては、研修や資格取得支援などの充実を図るとともに、キャリアのロードマップを示すことで、社員が安心感とビジョンを持って仕事ができるような育成体制を構築してまいります。

 

〈社内環境整備方針〉

社員の個々の個性や価値観を尊重し、特に女性社員の活躍推進に向けた体制整備に注力することで、男女がともに活躍できる職場環境づくりを推進してまいります。

また、社員の心身の健康を第一に考え、健康経営の実現とワークライフバランスの最適化に向けた取り組みを強化し、社員の家族まで幸福になる経営を目指してまいります。

 

②指標及び目標

a.人材の育成

研修をはじめとした育成体制を充実させ、働く社員の不安を取り除き、安心感とビジョンを持って仕事ができる環境を整えてまいります。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

研修受講者数

88人

65人

107人

90人

59人

 

 

b.社員の多様性拡大

個性や価値観を尊重し、より多くの人材が活躍できる環境を作り、組織に良い循環をもたらすよう努めております。特に、女性社員に適した営業機会に新たな職種を新設する等、より一層の活躍が期待できる環境を整えており、管理職の登用にも積極的に取り組んでおります。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

女性管理職比率

1.2%

1.2%

1.2%

1.2%

1.8%

男性育児休業取得率

0.0%

7.1%

6.7%

0.0%

0.0%

 

 

c.健康経営の推進

社員本人や家族のためにも「心身の健康」を第一に考えており、ワークライフバランスの最適化に向けた取り組みを強化し、社員の活力向上と健康増進に繋げてまいります。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

年次有給休暇取得日数

11.3日

10.4日

10.2日

10.6日

11.6日

定期健康診断受診率

98.0%

98.7%

98.6%

98.3%

99.8%

ストレスチェック受検率

99.8%

100.0%

100.0%

100.0%

100.0%

 

 

d.職場環境の整備

社員が働きやすい環境の整備を計画的に進めており、労働環境の改善に努めております。

また、社員が病気・けが等により働けなくなった場合でも生活できる経済的基盤が持てるよう、就業障害が発生した際の所得補償保険制度として「団体長期障害所得補償保険(GLTD制度)を導入しております。

※会社が全社員の基本給の20%を補償。買増しオプション(20%、40%、60%)の加入を推奨。

 

2019年

2020年

2021年

2022年

2023年

団体長期障害所得補償保険

(GLTD制度)オプション

加入率

57.1%

55.6%

54.5%

52.9%

50.9%

 

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、事業等のリスクはこれらに限定されるものではありません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

①事業環境の変化による影響について

当社グループの売上高の約83%を占める室内外装品関連事業において、ブラインド等の窓まわり製品と間仕切製品等の製造販売を行っておりますが、建設業界における景気動向や住宅着工戸数等の変動は、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、付加価値と品質向上により他社製品との差別化を図った高機能製品の拡販に努める他、電動製品や間仕切製品による新たな需要創造、リフォーム市場等の成長分野の攻略を進めてまいります。

 

②原材料価格の変動による影響について

当社グループの取扱製品の原材料である鋼材やアルミ材等の価格は、市況の変化等により変動する可能性があり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、原材料の調達先を複数確保する等、適正な価格での仕入れに努めておりますが、原材料高騰の影響が大きく、生産の効率化やコスト削減などで吸収しきれなくなった場合には、販売価格の見直しを検討し、収益確保に努めてまいります。

 

為替相場の変動による影響について

当社グループの製品および材料等につきましては、海外からの輸入商品が含まれているため、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、為替予約等により為替相場の変動リスク軽減に努めております。

 

④株価の下落について

当社グループは取引先を中心に市場性のある株式を保有しております。国内外の情勢の変化により株価が大幅に下落した場合には、評価損失の計上など、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。保有株式については、保有の合理性を定期的に検証し、保有数を見直しております。

 

⑤経営成績の季節変動による影響について

当社グループの売上高の約83%を占める室内外装品関連事業においては、市場である戸建住宅・マンションやオフィスビル・商業店舗等の建築物件が、年末及び年度末における完成・改装等の需要が比較的多く、当社グループの売上高も第1・第4四半期において他の四半期に比べ多くなり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥自然災害の影響について

当社グループは国内7箇所に主要な生産拠点を配置しておりますが、地震等の自然災害や感染症により、当社グループの生産設備等が多大な被害を受けた場合は、生産活動に支障をきたしたり、復旧費用等が経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループや取引先企業が被害を受け、事業活動に支障をきたした場合、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、事業継続計画書(BCP)を策定し、地震等の自然災害や感染症が発生した場合の緊急対応と早期の事業復旧へ向けた方策を遂行する体制を整えております。

 

 

⑦貸倒れリスクについて

当社グループは債権の貸倒れによる損失に備えるため貸倒引当金を計上しておりますが、経済情勢悪化の影響等により重要な取引先が破綻した場合、貸倒引当金を大幅に超える貸倒損失が発生する等、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、当社グループでは取引先別に設定した与信限度額の範囲内で取引を行うことで、貸倒による損失回避に努めております。

 

⑧情報セキュリティについて

当社グループは事業活動を通じ、個人情報をはじめとする多数の重要な機密情報を保有しておりますが、不測の事態により情報漏洩等が発生した場合、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすだけでなく、損害賠償責任の発生等により経営成績および財政状態に重要な影響を及ぼす可能性があります。

当該リスクの対応策として、当社グループでは情報セキュリティ対策ツールの導入と、社内情報のアクセス制御を行い、機密情報を適切に管理しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行し、景気に持ち直しの動きが見られたものの、円安やウクライナ情勢の長期化等に伴う原材料価格、エネルギー価格の高止まり等により景気後退への懸念が高まり、先行きは依然として不透明な状況であります。

当社グループ関連の建設・住宅業界は、住宅の新設着工戸数が戸建を中心に伸び悩んでおり、長期的に見ても世帯数の減少や住宅の長寿命化等により年々減少傾向にある等、厳しい環境となっております。

このような環境の下、当社グループは、2023年12月期から2025年12月期までの中期経営計画「タチカワビジョン2025~継続と進化~」を策定いたしました。今後も安定した収益を確保できる事業体制の構築に向けて、建築物内外の生活環境の改善による社会貢献を継続しながら、「ものづくりとマーケティング」「経営基盤の強化」「サステナビリティへの取組み」に注力し、時代のニーズに応じて進化させてまいります。

当期の室内外装品関連事業においては、生活様式や働き方が大きく変化する中、多様化するニーズに応じた、より安心・安全で快適な住空間づくりを目指し、顧客満足度の高い製品の開発および新製品発表会の開催等による新製品の市場浸透に注力したほか、当社ウェブサイトやSNSを活用した情報発信等により、デジタルマーケティングの強化を図りました。営業拠点においては、営業機能の効率化およびサービスの向上を目的に、ショールームを備えた関東支店を建設し、営業を開始したほか、技術面においては、新技術や新素材、新製法を活用した研究開発拠点として、技術研究棟の建設を進めております。生産面においては、連結子会社の立川機工株式会社にて、最新設備を備えた成形棟を新設し、動線の改善や生産品目の拡大による生産性の向上、外注部品の内製化等によるコストダウンを進めました。

駐車場装置関連事業においては、くし歯式の強みを活かした営業展開により新規開拓に取り組むとともに、既設物件に対する計画的な改修提案や付加価値提案の推進による受注の獲得と、高騰する原価管理を徹底することで、収益の獲得に努めてまいりました。

減速機関連事業においては、顧客ニーズに応えた個別製品の開発による提案営業を進め、新規顧客獲得に注力するとともに、原価高騰の影響下においても、生産体制の改善等により収益獲得に努めてまいりました。また、既存事業とシナジー効果が見込めるサーボモーター事業を2024年1月に譲り受けており、今後更なる減速機事業の拡大を目指してまいります。

サステナビリティへの取組みについては、E(環境)・S(社会)・G(ガバナンス)に関する重要課題の解決に向けて「サステナビリティ委員会」を設置し、サステナビリティ基本方針の策定、マテリアリティ(重要課題)の特定を行うと共に、TCFD提言に賛同し、気候変動に関連するリスク・機会および対応策を分析・評価し、活動を開始いたしました。

以上の結果、当連結会計年度における売上高は41,305百万円(前期比100.0%)、営業利益は4,046百万円(前期比5.9%増)、経常利益は4,327百万円(前期比8.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,708百万円(前期比7.5%増)となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

 

 [室内外装品関連事業]

安心・安全で快適な住空間づくりを目指す中、ヨコ型ブラインド『パーフェクトシルキー』や『シルキー RDS』等において、直射光の反射を抑えるスラットや需要が高まる遮熱性能を有するスラット等機能性が高いスラットを拡充すると共に、ライフスタイルに合わせて選べるカラーラインナップをリニューアルしました。

さらに、2枚のレースの間にドレープを配した立体構造の調光ロールスクリーン『ルミエ』を新発売したほか、電動製品『スマートインテリアシェード ホームタコス』では、家庭内エネルギーを節約するための管理システムとして近年需要が高まっているHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)に対応したアダプタの発売や電動製品共通の赤外線リモコンのリニューアルを行い、電動製品の更なる普及に努めました。

また、リフォーム需要や非住宅向け需要の拡大等、多様化するニーズに対応するため、『プレイス』『プレイススウィング』に新たなラインナップを追加し、デザイン性と機能性の向上を図りました。

その他、「タチカワブラインド新製品発表会」を4年ぶりに全国13会場で開催し、“これからの暮らしをかなえる” をテーマに、近年発売した当社製品を展示し、多様化するニーズに対応する製品を訴求してまいりました。

以上の結果、売上高は34,323百万円(前期比1.0%増)となり、営業利益につきましては、コスト低減活動や一部製品の価格改定等の収益改善に努めた結果、3,484百万円(前期比6.3%増)となりました。

 

[駐車場装置関連事業]

既存納入物件に対する付加価値提案による改修や保守が順調に推移した一方、主力の「パズルタワー」の新築工事が減少したことにより、売上高は3,179百万円(前期比9.9%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少や資材価格高騰影響等により、226百万円(前期比22.9%減)となりました。

 

[減速機関連事業]

産業用機械需要に弱さがみられる中、定番製品に加え、無人搬送台車駆動用減速機等の各種産業用減速機の受注が堅調に推移したことにより、売上高は3,801百万円(前期比1.0%増)となりました。営業利益につきましては、原材料価格高騰の影響もありましたが、価格改定等の収益改善により335百万円(前期比34.6%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
 現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の期末残高は、15,402百万円(前期末 15,978百万円)となりました。これは営業活動、投資活動、財務活動によるキャッシュ・フロー等の合計が575百万円減少したことによるものであります。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動による資金は、4,314百万円の増加(前期は2,140百万円の増加)となりました。
 これは税金等調整前当期純利益4,342百万円に対し、仕入債務の減少額1,044百万円、法人税等の支払額1,084百万円等による減少があった一方で、減価償却費1,205百万円等による増加があったことによるものであります。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動による資金は、2,928百万円の減少(前期は3,040百万円の減少)となりました。

これは主に、有形固定資産の取得による支出2,866百万円によるものであります。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動による資金は、1,978百万円の減少(前期は1,064百万円の減少)となりました。

これは主に、配当金の支払672百万円、自己株式の取得による支出818百万円、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出299百万円等によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

(千円)

前期比(%)

室内外装品関連事業

29,109,282

+0.4

駐車場装置関連事業

3,174,855

△8.3

減速機関連事業

3,791,778

+2.0

合計

36,075,916

△0.3

 

(注)生産実績金額の算出は、販売価格によっております。

 

 

b. 受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

受注高(千円)

前期比(%)

受注残高(千円)

前期比(%)

室内外装品関連事業

33,770,166

+11.4

駐車場装置関連事業

3,182,659

+3.0

2,088,892

+0.1

減速機関連事業

2,936,257

△29.5

729,486

△54.3

合計

39,889,083

+6.2

2,818,378

△23.4

 

 

室内外装品関連事業については、見込生産もしくは製品出荷まで通常3~4日程度の短納期受注生産によっているため、受注残高は省略しております。

 

c. 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  2023年1月1日

至  2023年12月31日)

(千円)

前期比(%)

室内外装品関連事業

34,323,611

+1.0

駐車場装置関連事業

3,179,951

△9.9

減速機関連事業

3,801,858

+1.0

合計

41,305,422

+0.0

 

(注)主な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a. 財政状態の分析

当連結会計年度の総資産は63,142百万円で、前連結会計年度末と比較し555百万円の増加となりました。

(資産)

流動資産は39,110百万円で、前連結会計年度末と比較し855百万円の減少となりました。これは主に、現金及び預金、棚卸資産が減少したことによるものであります。

固定資産は24,031百万円で、前連結会計年度末と比較し1,411百万円の増加となりました。これは主に、有形固定資産の取得や、株価上昇に伴う投資有価証券の増加によるものであります。

(負債)

負債は12,699百万円で、前連結会計年度末と比較し1,255百万円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金が減少したことによるものであります。

(純資産)

純資産は50,442百万円で、前連結会計年度末と比較し1,810百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上により増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は72.9%と、前連結会計年度末と比較し2.8ポイントの増加となりました。

 

b. 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は41,305百万円と前連結会計年度と比較し9百万円の増加となりました。

主力事業である室内外装品関連事業では、住宅着工戸数が減少傾向にある中、品質や機能性を向上させた新製品の投入、及び他社との差別化を図った高付加価値製品の拡販等、売上拡大に注力した結果、売上高は34,323百万円で前連結会計年度と比較し323百万円の増加となりました。

駐車場装置関連事業では、改修改造案件が好調に推移しましたが、新築工事におけるパズルタワーの大型物件が減少した結果、売上高は3,179百万円で前連結会計年度と比較し350百万円の減少となりました。

減速機関連事業では、機械需要に弱さがみられる中、無人搬送台車駆動用減速機等の各種産業用減速機が堅調に推移し、売上高は3,801百万円で前連結会計年度と比較し36百万円の増加となりました。

売上原価は、一部製品の価格改定等の収益改善に努めましたが、原材料を中心とした物価の高騰により、売上高に対する売上原価の比率は59.1%と前連結会計年度を0.1ポイント上回って24,432百万円となりました。この結果、売上総利益は16,873百万円と、前連結会計年度と比較し56百万円の減少となりました。

販売費及び一般管理費は、コスト削減に努めた結果、12,826百万円と前連結会計年度と比較し280百万円の減少となりました。この結果、営業利益は4,046百万円となり、前連結会計年度と比較し223百万円の増加、経常利益は4,327百万円となり、前連結会計年度と比較し321百万円の増加となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、2,708百万円と前連結会計年度と比較し188百万円の増加となり、1株当たり当期純利益は143円20銭と前連結会計年度と比較し13円46銭の増加となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a. キャッシュ・フローの分析

 キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標は次のとおりであります。

 

(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2019年12月

2020年12月

2021年12月

2022年12月

2023年12月

自己資本比率

67.0

69.2

70.1

70.1

72.9

時価ベースの自己資本比率

45.0

42.2

36.4

34.6

41.0

キャッシュ・フロー対有利子
負債比率

インタレスト・カバレッジ・
レシオ

134,662.7

226,312.8

434,851.8

378,038.9

382,650.7

 

(注)1 各指標は、いずれも連結ベースでの財務数値を用いて、以下の計算式により算出しております。

自己資本比率            :自己資本÷総資産
時価ベースの自己資本比率      :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ  :営業キャッシュ・フロー÷利払い

2 株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。

3 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。

4 営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息支払額」を用いております。

 

b. 資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、事業運営上必要な資金を確保し、安定した財務基盤を維持することに努めております。
  主な資金需要は、原材料購入等の製造費用、販売費及び一般管理費の営業費用のための運転資金および設備投資資金であり、全て自己資金で賄っております。資本の財源は、主として営業活動により得られた資金であります。

 

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

この連結財務諸表作成にあたって重要となる会計方針については、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表  注記事項  連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。当社グループは、過去の実績や当該取引の状況に照らして、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債の帳簿価額及び収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しております。なお、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた特に重要な会計上の見積り及び仮定については、下記のとおりであります。

 

a.棚卸資産の評価

当社グループは、棚卸資産について正味売却価額が簿価を下回った場合に簿価の切り下げを行っております。また、一定期間以上滞留が認められる棚卸資産については、販売の実現可能性が低下しつつあると仮定し、期間の経過に応じ規則的に簿価を切り下げる方法で早期に費用化を行っております。さらに、販売が困難と認められる場合などには、個別に簿価の切下げも実施しております。

しかしながら、将来の予測不能な環境変化等により、価格下落など当社グループに不利な状況が生じた場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

b.繰延税金資産の回収可能性

当社グループは、繰延税金資産の回収可能性について、将来の課税所得の見積額及び実行可能なタックス・プランニング等を踏まえ、合理的と考えられる様々な要因を考慮したうえで判断しております。

しかしながら、将来の課税所得の見積額は業績等により変動するため、実際の課税所得の金額が見積りと異なった場合や、タックス・プランニング等に変更が生じた場合には、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

c.固定資産の減損

当社グループは、減損損失の認識において使用される将来キャッシュ・フロー、成長率、割引率等の前提条件について、一定の仮定に基づき設定しております。これらの仮定は、経営者が最善と判断した見積りに基づいて決定しております。

しかしながら、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更が生じた場合には、固定資産の減損処理を行い、翌連結会計年度以降の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、建築物内外の生活環境の改善を通じて社会に貢献することを目的とし、ユーザーのニーズや社会の要請に応えるべく、新製品の開発と改良および生産技術の向上に努めております。常にユーザーに満足いただける製品を提供していくために、室内外装品関連事業では当社の技術本部を中心として、また、駐車場装置関連事業および減速機関連事業では富士変速機株式会社を中心として、グループ各社の特徴ある技術力を活かした研究開発活動を推進しております。

なお、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は614百万円であります。

また、セグメントごとの研究開発活動は次のとおりであります。

 

[室内外装品関連事業]

当社を中心として、新素材の研究、新技術の開発に力を注ぎ、品質・価格・機能・インテリア性等において魅力ある製品の開発や改良を行っております。
  主なものとして、安心・安全で快適な住空間づくりを目指す中、ヨコ型ブラインド『パーフェクトシルキー』や『シルキー RDS』等において、直射光の反射を抑えるスラットや需要が高まる遮熱性能を有するスラット等機能性が高いスラットを拡充すると共に、ライフスタイルに合わせて選べるカラーラインナップをリニューアルしました。

また、2枚のレースの間にドレープを配した立体構造の調光ロールスクリーン『ルミエ』を新発売したほか、電動製品『スマートインテリアシェード ホームタコス』では、家庭内エネルギーを節約するための管理システムとして近年需要が高まっているHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)に対応したアダプタの発売や電動製品共通の赤外線リモコンのリニューアルを行いました。

そのほか、リフォーム需要や非住宅向け需要の拡大等、多様化するニーズに対応するため、『プレイス』『プレイススウィング』に新たなラインナップを追加し、デザイン性と機能性の向上を図りました。

当事業に係る研究開発費は511百万円であります。

 

[駐車場装置関連事業]

富士変速機株式会社において、主力のパズルタワーを中心に「くし歯技術」の価値観を提案するとともに、多様化するお客様の要求に対応した機械式立体駐車装置の開発および改良に努め、優れた耐震性・ハイスピード・環境にやさしい省エネ設計により、市場競争力の強化を図っております。

当事業年度では、市場環境動向を踏まえ、車両の大型化に対応した「パズルタワービヨンド」開発、AI画像処理と人感センサにより安全に自動でゲートを閉める「オートゲートクローズシステム」、スマートフォンやタブレットによる「Web出庫管理システム」など利用者の利便性向上に取り組んできました。また、今後需要が増加すると考えられる電気自動車(EV車)の入庫対応として、カーボンニュートラルを意識した小電力で入庫可能な仕組みの構築、車種拡大にも取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は64百万円であります。

 

[減速機関連事業]

富士変速機株式会社において、長年培ってきた歯車技術を活かしながら、さまざまな用途・仕様・環境に適合したオリジナル製品の開発に注力し、品質・価格・機能において、「お客様の理想をカタチに」を事業コンセプトに差別化した製品開発とより確かなモノづくりを行っております。

当事業年度では、カタログ標準品のアレンジ対応に加え、当社の得意とする特定ユーザー向けの個別製品の商品化を推進してきました。半導体関連および、物流倉庫向け搬送システムに関わる無人搬送台車駆動(AGV)用減速機の開発では構造の最適化を図りました。その他、食品機械・医療機器用減速機の開発に取り組むなど、各分野において新たな付加価値の提案を行っております。

既存機種については、改良により品質向上を図ると共に、法規制への対応と地球環境に配慮したモノづくりに取り組んでおります。

当事業に係る研究開発費は37百万円であります。