当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識しているリスクの発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」について重要な変更はありません。
① 経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するなか、景気は緩やかな回復基調となった一方、不安定な国際情勢や、日米の金利差等を主因とした円安の長期化等に伴う原材料価格、エネルギー価格の高止まり、物流や建設業界の2024年問題等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
当社グループ関連の建設・住宅業界は、住宅の新設着工戸数が戸建を中心に伸び悩んでおり、長期的に見ても世帯数の減少や住宅の長寿命化等により年々減少傾向にある等、厳しい環境となっております。
このような環境の下、当社グループは、2023年12月期から2025年12月期までの中期経営計画「タチカワビジョン2025~継続と進化~」の実現に向けて、今後も安定した収益を確保できる事業体制の構築や、建築物内外の生活環境の改善による社会貢献を継続しながら、「ものづくりとマーケティング」「経営基盤の強化」「サステナビリティへの取組み」に注力し、時代のニーズに応じて進化させてまいります。
当期の室内外装品関連事業においては、生活様式や働き方が大きく変化する中、多様化するニーズに応じた、より安心・安全で快適な住空間づくりを目指し、顧客満足度の高い製品の開発等に注力したほか、高付加価値製品の訴求による新規マーケットの開拓にも注力してまいりました。技術面においては、新技術や新素材、新製法を活用した研究開発拠点として、2024年9月の竣工を目指し、技術研究棟の建設を進めております。
駐車場装置関連事業においては、くし歯式の強みを活かした営業展開により新規開拓に取り組むとともに、既設物件に対する計画的な改修提案や付加価値提案の推進による受注の獲得と、高騰する原価管理を徹底することで、収益の獲得に努めてまいりました。
減速機関連事業においては、顧客ニーズに応えた個別製品の開発による提案営業を進め、新規顧客獲得に注力するとともに、原価高騰の影響下においても、生産体制の改善等により収益獲得に努めてまいりました。
なお、1月1日付で事業譲受したサーボモータ事業については、1月から生産体制を整備し、新規顧客開拓とあわせ販売活動を開始致しました。
サステナビリティへの取組みについては、サステナビリティ基本方針を踏まえ特定したマテリアリティに対し、CO2排出量削減等の課題解決に向け、アクションプランを実行に移し、目標達成に向けた取組みを推進しております。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は20,169百万円(前年同期比1.2%減)、営業利益は2,175百万円(前年同期比2.1%増)、経常利益は2,284百万円(前年同期比0.9%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は1,539百万円(前年同期比3.9%増)となりました。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
「安心・安全・快適・環境・健康」をキーワードに、多様化するニーズを的確に捉えた製品開発に努めると共に、新たな需要喚起による市場開拓、新製品の早期市場浸透を進めてまいりました。
カーボンニュートラルへの意識の高まりを背景に、環境に配慮した木製素材への注目が集まっていることを受け、木製ブラインド「フォレティア」シリーズにおいて、国産木材を使用したスラット(羽根)、自然由来の塗料を使用した桐製スラット、環境配慮型スラット等を追加しリニューアルした他、併せて自分らしいスタイルのある空間を表現できるデザインブラインド「アフタービート」シリーズもリニューアルしました。更に、フォレティアとアフタービートにおいては、リモコンやスイッチで簡単に操作できる電動製品「ホームタコス」を新たにラインナップし、充電式のバッテリーを搭載した「バッテリー仕様」も拡充いたしました。
また、調光ができるファブリック製品の需要の高まりに対応するため、タテ型ブラインドのスタイリッシュさと、カーテンのやさしい雰囲気を併せ持ち、採光と眺望を自由にコントロールできる調光タテ型ブラインド「エアレ」を発売し、当社の強みである製品バリエーションを更に拡大させ、プロダクトミックス提案の強化を図っております。
その他、「タチカワブラインド新製品発表会」を開催し、“広がる、彩り豊かな暮らし方”をテーマに、今年発売の新製品をはじめ、新たな価値観や多様化するニーズに対応する製品を訴求してまいりました。
以上の結果、売上高は17,318百万円(前年同期比1.5%増)となり、営業利益につきましては、コスト低減活動等の収益改善に努めたことにより、2,004百万円(前年同期比5.5%増)となりました。
既存納入物件に対する付加価値提案による改修や保守の受注獲得に努めましたが、主力の「パズルタワー」の新築工事が減少したことにより、売上高は1,327百万円(前年同期比8.4%減)となりました。営業利益につきましては、原価低減活動に努めたことにより、136百万円(前年同期比135.7%増)となりました。
[減速機関連事業]
工作機械需要に弱さがみられる中、一部の客先における在庫調整影響もあり、各種減速機の受注が低調に推移したことにより、売上高は1,523百万円(前年同期比20.1%減)となりました。営業損益につきましては、経費節減等に取り組みましたが、原材料価格の高止まりや売上高の減少により、34百万円(前年同期比80.1%減)となりました。
② 財政状態の分析
当中間連結会計期間末の総資産は62,744百万円で、前連結会計年度末と比較し397百万円の減少となりました。
(資産)
流動資産は38,456百万円で、前連結会計年度末と比較し654百万円の減少となりました。これは主に、電子記録債権、棚卸資産が増加した一方で、現金及び預金、受取手形、売掛金及び契約資産が減少したことによるものであります。
固定資産は24,288百万円で、前連結会計年度末と比較し256百万円の増加となりました。これは主に、株価上昇に伴う投資有価証券の増加によるものであります。
(負債)
負債は10,816百万円で、前連結会計年度末と比較し1,882百万円の減少となりました。これは主に、支払手形及び買掛金、電子記録債務、未払金が減少したことによるものであります。
(純資産)
純資産は51,928百万円で、前連結会計年度末と比較し1,485百万円の増加となりました。これは主に、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純利益の計上により増加したことによるものであります。なお、自己資本比率は75.6%と、前連結会計年度末と比較し、2.7ポイントの増加となりました。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ、1,003百万円減少し、14,398百万円となりました。
営業活動による資金は、467百万円の増加(前年同期は1,355百万円の増加)となりました。
これは税金等調整前中間純利益2,381百万円に対し、減価償却費578百万円、売上債権の減少額1,073百万円等による増加があった一方で、棚卸資産の増加額821百万円、仕入債務の減少額1,108百万円、法人税等の支払額844百万円等による減少があったことによるものであります。
投資活動による資金は、1,013百万円の減少(前年同期は1,295百万円の減少)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出668百万円によるものであります。
財務活動による資金は、485百万円の減少(前年同期は997百万円の減少)となりました。
これは主に、配当金の支払465百万円等によるものであります。
当中間連結会計期間において、当連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は317百万円であります。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当中間連結会計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
重要な設備の新設
(注)当中間連結会計期間において、投資予定額、完了予定年月を変更しております。
当社は、2024年8月1日開催の取締役会において、当社を株式交換完全親会社、富士変速機株式会社を株式交換完全子会社とする株式交換(効力発生日:2024年10月28日)を行うことを決議し、両社の間で、株式交換契約を締結しました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」をご参照ください。