第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

Ⅰ 会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、社名の「リンテック」すなわち"リンケージ(結合)"と"テクノロジー"、および社是「至誠と創造」に裏付けされる人の和、技術開発力を基軸とし、国内・海外の業界において、だれからも信頼される力強い躍動感あふれる会社として社会に貢献し、株主各位・顧客・社員家族の期待にこたえる斬新な経営を推進するというものであります。

当社グループは、「粘・接着応用技術」「材料改質・機能化技術」「特殊紙・加工材製造技術」「システム化技術」という四つの固有技術を基盤とし、さらにそれらを高次元で融合させることによって、より差別化された独自性の高い製品創りを進めてまいります。また、高い倫理観のもと、CSRの精神を徹底し、社会から信頼される会社たるべく邁進してまいります。

 

Ⅱ 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題

平成26年4月にスタートした3か年の中期経営計画「LIP-2016」では、「攻めの経営と間断なきイノベーションで成長軌道を取り戻す」という基本方針の下、国内事業の持続的な成長を図りつつ、経済発展が見込まれる国や地域での事業規模の拡大や、次世代を担う革新的新製品の創出、事業戦略をスピーディーに実現するためのM&Aの推進など、各重点テーマについて積極果敢に取り組んでまいりました。

引き続き、当社グループが将来にわたり持続的な成長・発展を遂げていくために、改めて新中期経営計画「LIP-2019」を策定し、平成29年4月からスタートさせております。

 

1.「LIP-2019」の概要

新中期経営計画「LIP-2019」では、「LIP-2016」の成果と反省を踏まえて「イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ」という基本方針を掲げ、各重点テーマに積極的に取り組んでまいります。

平成28年に買収した欧米3社との販売面・技術面での相乗効果を最大限に引き出していくことや、平成27年に完成させた研究開発本部の先端技術棟をフルに活用し、新製品投入のスピードアップや次世代を見据えた新素材の開発強化を図っていくことなど、取り組むべき課題は多岐にわたります。企業体質の強化や社会的課題への取り組みなども含め、グループ一丸となって新たな成長への挑戦を続けてまいります。

 

2.「LIP-2019」の基本方針

「イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ」

 

3.重点テーマ

(1)地域戦略の強化

①国内におけるシェア拡大と新市場・新需要の開拓

②アジア地域における戦略的投資と事業拡大

③欧米における既存領域の拡大と、買収子会社との相乗効果の追求

(2)新たな価値の創造

①顧客ニーズを超える差別化製品の創出

②市場の変化を先取りした次世代製品の開発

(3)企業体質の強靭化

①グループ会社の健全化と持続的な収益拡大

②組織横断的な業務改革の推進

③コスト構造改革のさらなる推進

(4)持続可能な社会の実現に向けた取り組み

①社会的課題の解決に寄与する事業活動の推進

②働き方改革と多様な人材の育成・活躍促進

 

 

 

Ⅲ 株式会社の支配に関する基本方針

当社は、株式会社の支配に関する基本方針に基づく「大規模買付ルール」を、有効期間が満了となる平成30年6月21日開催の第124期定時株主総会終結の時をもって廃止といたしました。

これに伴い株式会社の支配に関する基本方針も廃止といたしましたが、当社は廃止後においても、当社株式への大規模買付行為を行いまたは行おうとする者に対しては、当社の企業価値および株主共同の利益を確保する観点から、関係する法令に従い、株主の皆様が大規模買付行為の是非を適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求めてまいります。併せて当社取締役会の意見等を開示するとともに、株主の皆様の検討のために必要な時間と情報の確保に努めるものといたします。

また、仮に大規模買付行為に対する速やかな対抗措置を講じなければ、当社の企業価値および株主共同の利益が毀損されるおそれがあると合理的に判断されるときには、株主から経営を負託された当社取締役会の当然の責務として、関連する法令の許容する範囲内において、当該時点で最も適切と考えられる具体的な措置の内容を速やかに決定し、実行することにより、当社の企業価値および株主共同の利益の確保に努めるものといたします。

 

以下は平成30年3月31日現在における当社の株式会社の支配に関する基本方針であります。

 

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号に定義されるものをいい、以下「基本方針」といいます。)並びに基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針が支配されることを防止するための取り組み(会社法施行規則第118条第3号ロ(2))の一つとして、次の①または②に該当する買付またはその提案(以下、このような買付行為等を「大規模買付行為」といい、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)への対応方針として、大規模買付行為時における事前の情報提供に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます。)を導入しております。

①当社が発行する株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付

②当社が発行する株券等について、公開買付け後の公開買付者の株券等所有割合および
  その特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け

  1.大規模買付ルール継続の必要性

平成27年3月末現在の当社の株主構成上、株主共同の利益を毀損するような大規模買付行為がなされる可能性は低いと考えておりますが、今後、当社グループが成長していく過程で、資本市場からの資金調達を行う可能性もあり、その場合には株主の持株比率が希釈化されることになります。また、近年、外国人持株比率が増加するなど、株式並びに株主の流動化が進む傾向も見られています。

このような情勢に鑑みると、株主、顧客、取引先、従業員その他利害関係者の利益を含む、当社の企業価値を毀損しひいては株主共同の利益を毀損するような大規模買付行為がなされる可能性も決して否定できない状況にあるといわざるをえません。

将来、既存株主に思わぬ損害が発生することを避けるために「大規模買付ルール」を継続すべきと考えております。

  2.大規模買付ルールに対する当社の基本的な考え方

当社取締役会は、大規模買付行為がなされた場合、これに応じて当社株式の売却を行うか否かは、最終的には当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えております。しかしながら、その前提として、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するためには、大規模買付者および当社取締役会双方からの適切な情報提供が不可欠であると考えております。逆に、株主の皆様が不十分な情報しか提供されないまま、大規模買付行為に応じるか否かの判断を迫られるような事態に陥ることは、株主共同の利益に反するものと考えております。

なかでも大規模買付行為が当社に与える影響や、大規模買付者が考える将来の経営方針や事業計画の内容等は、当社株主の皆様が大規模買付行為を受け入れるかどうかを検討するうえで重要な判断材料であると考えられ、同様に、当社取締役会が大規模買付行為について評価、検討を行ったうえでどのような意見を有しているかということも、当社株主の皆様にとっては重要な判断材料になると考えております。

当社取締役会は、このような基本的な考え方に立脚し、株主の皆様に大規模買付者および当社取締役会双方からの適切な情報提供と、判断するための十分な時間を確保するため、下記「5.大規模買付ルールの内容」で後述する「大規模買付ルール」を設定・開示し、大規模買付者に対して「大規模買付ルール」の遵守を求めるとともに、「大規模買付ルール」が遵守されない場合には、大規模買付者を株主共同の利益を害する者と判断し、当社取締役会として必要な対抗措置を講じる方針であります。

なお、「大規模買付ルール」の有効期限の延長につきましては、当社および当社株主の皆様にとって非常に重要な決定事項であり、株主総会決議にて行うべきと考えております。

  3.大規模買付ルールの合理性

当社取締役会は、「大規模買付ルール」が会社法施行規則第118条第3号ハに定める要件、すなわち、

  ①基本方針に沿うものであること

  ②当社の株主の共同の利益を損なうものではないこと

  ③当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないこと

に該当していると判断しております。その理由は、次の各項目に記載するとおりであります。

   (1)買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること

「大規模買付ルール」は、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める次の三原則を全て充たしております。

  ①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則

  ②事前開示・株主意思の原則

  ③必要性・相当性確保の原則

また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も踏まえたものとなっております。

   (2)当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

「大規模買付ルール」は、上記「2.大規模買付ルールに対する当社の基本的な考え方」に記載のとおり、株主の皆様に対し、大規模買付者および当社取締役会双方からの適切な情報と、判断するための時間を確保し、また、当社が株主の皆様のために大規模買付者と交渉等を行うことを可能とするために定めているものであり、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させる目的として導入しているものであります。

   (3)株主の意思を重視するものであること

「大規模買付ルール」は、株主総会にて導入・廃止・有効期限の延長を行うものであり、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっております。

   (4)独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

「大規模買付ルール」では、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを排除するため、弁護士・公認会計士・学識経験者・実績ある会社経営者、上場取引所の基準において独立性があると認められる社外役員等、当社取締役会で選任された委員3名以上で構成された独立委員会を設置いたします。

また、独立委員会による勧告は必ず公表することにしており、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上するため、株主の皆様には公正な判断を下せるよう、透明性を高める運営の仕組みを構築しております。

   (5)合理的な客観的発動要件の設定

「大規模買付ルール」は、下記「6.大規模買付行為がなされた場合の対応方針」に記載のとおり合理的かつ客観的な発動要件が充たされない限り、対抗措置が発動されないように規定しており、独立委員会による勧告など、当社取締役会によって恣意的な発動がなされることを排除するための仕組みを確保しております。

   (6)デッドハンド型もしくはスローハンド型買収防衛策でないこと

「大規模買付ルール」は、下記「8.大規模買付ルールの有効期限」に記載のとおり、当社取締役会によりいつでも廃止することができるものとされており、大規模買付者等が自己の指名する取締役を当社株主総会で選任し、かかる取締役で構成される当社取締役会により廃止することが可能です。従って「大規模買付ルール」は、取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではございません。

また、当社は期差任期制を採用しておりませんので、取締役会の構成員の交代を一度に行うことができずにその発動を阻止するのに時間を要する、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもございません。

  4.当社グループの企業価値の向上のために行う取り組み

(1)会社の経営の基本方針

当社グループの経営理念は、社名の「リンテック」すなわち"リンケージ(結合)"と"テクノロジー"、および社是「至誠と創造」に裏付けされる人の和、技術開発力を基軸とし、国内・海外の業界において、誰からも信頼される力強い躍動感あふれる会社として社会に貢献し、株主各位・顧客・社員家族の期待にこたえる斬新な経営を推進するというものであります。

当社グループは、「粘着応用技術」「表面改質技術」「特殊紙・剥離材製造技術」「システム化技術」という四つの固有技術を基盤とし、さらにそれらを高次元で融合させることによって、より差別化された独自性の高い製品創りを進めてまいります。また、高い倫理観のもと、CSRの精神を徹底し、社会から信頼される会社たるべく邁進してまいります。

(2)中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題

当社グループは、平成29年4月から平成32年3月までの3か年を対象とする中期経営計画「LINTEC INNOVATION PLAN 2019(LIP‐2019)」を策定し、スタートさせております。

その概要については、上記「Ⅱ 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題」を参照ください。

(3)コーポレート・ガバナンスの充実・強化のための取り組み

当社グループは、法令遵守を徹底し、経営の透明性、企業倫理の意識を高め、迅速な意思決定および効率的な業務執行を行っていくことが、コーポレート・ガバナンスの基本と考え、その充実・強化を通じて当社グループの企業価値および株主共同利益の更なる向上を目指してまいります。

その具体的な取り組みとして、取締役の任期を1年とし、株主の皆様に対する取締役の責任を明確にしているほか、平成23年6月24日開催の当社第117期定時株主総会および同日開催の当社取締役会において執行役員制度を導入し、経営の重要な意思決定を行う取締役と業務の執行を行う執行役員とを分離いたしました。これにより、取締役会の活性化、意思決定の迅速化を通して経営の効率化を図っております。

また、取締役会の監督機能を強化するため、平成27年6月24日開催の当社第121期定時株主総会において監査等委員会設置会社に移行いたしました。コーポレート・ガバナンスのより一層の充実と経営のさらなる効率化を目指してまいります。

なお、当社においては、上場取引所の基準において独立性の認められる社外取締役が複数おります。

  5.大規模買付ルールの内容

   (1)意向表明

大規模買付者が大規模買付行為を行おうとする場合には、まず当社代表取締役宛に、①大規模買付者の名称および住所、②設立準拠法、③代表者の氏名、④国内連絡先、⑤提案する大規模買付行為の概要並びに、⑥「大規模買付ルール」に従う旨の誓約を明示した書面(以下「意向表明書」といいます。)を提出していただきます。

なお、意向表明書における使用言語は日本語に限ります。

   (2)情報提供

次に、当社取締役会は、かかる意向表明書の受領後7営業日以内に、大規模買付者に対して、大規模買付行為に関する情報として当社への提供を求める必要情報のリストを交付します。大規模買付者に提供を求める情報は、当社株主の皆様の適切な判断ならびに当社取締役会および下記「6.大規模買付行為がなされた場合の対応方針」で後述する独立委員会(以下「独立委員会」といいます。)による適切な評価・検討のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます。)とします。大規模買付者には、本必要情報のリストの受領後、速やかに本必要情報を書面にて当社取締役会に対して提供していただくこととし、当社取締役会は本必要情報の記載書面を受領後、直ちに独立委員会にも提供いたします。

なお、本必要情報の記載書面における使用言語は日本語に限ります。

   (3)情報提供の内容

本必要情報の具体的内容は、大規模買付者の属性および大規模買付行為の内容によって異なりますが、主な項目は以下のとおりであります。

  ①大規模買付者およびそのグループの概要(大規模買付者の事業内容、資本構成、当社の事業と同種の事業についての経験等に関する情報を含みます。)

  ②大規模買付行為の目的および具体的内容

  ③大規模買付行為における当社株式等の取得対価の算定根拠、取得資金の裏付け並びに資金調達の具体的内容および条件

  ④大規模買付行為の完了後に想定している当社の経営方針、事業計画、資本政策、配当政策、労務政策および資産活用策

  ⑤大規模買付行為の完了後における従業員、取引先、その他の当社に係る利害関係者に対する対応方針

なお、大規模買付者に当初提供していただいた情報が、大規模買付行為に関する当社株主の皆様の適切な判断または当社取締役会もしくは独立委員会による適切な評価、検討のための情報として不十分と認められる場合には、当社取締役会は、合理的な回答期限(60日間を上限とします。)を定めたうえで、大規模買付者に対して追加的に情報提供を求めることがあります。大規模買付行為の提案があった事実および当社取締役会に提供された本必要情報は、当社株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、当社取締役会が適切と判断する時点でその全部または一部を開示いたします。

また、本必要情報の提供が完了したとき、当社取締役会は大規模買付者にその旨通知するとともに、その事実を開示いたします。

   (4)評価期間

次に当社取締役会は、大規模買付行為の評価、検討の難易度に応じ、大規模買付者が当社取締役会に対し本必要情報の提供を完了した後、最大60日間(対価を現金(円貨)のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合)または最大90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による大規模買付行為の評価、検討、大規模買付者との条件に関する交渉、大規模買付行為に対する意見形成、代替案の立案等のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます。)として確保されるべきものと考えております。従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後に開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は必要に応じて外部専門家の助言を受けながら、提供された本必要情報を十分に評価・検討し、大規模買付行為に対する当社取締役会としての意見をとりまとめ、公表いたします。

   (5)交渉・代替案の提示

当社取締役会は、必要に応じて、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として当社株主の皆様に対し代替案を提示することがあります。

  6.大規模買付行為がなされた場合の対応方針

   (1)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合

大規模買付者により、「大規模買付ルール」が遵守されなかった場合には、独立委員会は当社取締役会に対して発動の勧告をするものといたします。当社取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重し、当社の株主全体の利益を守ることを目的として、新株予約権の発行等、会社法その他の法律および当社定款が認める対抗措置をとることがあります。その場合に具体的にいかなる手段を講じるかについては、その時点で最も適切と当社取締役会が判断したものを選択することといたします。なお、対抗措置として新株予約権を発行する場合の概要は下記のとおりとし、かかる新株予約権には対抗措置としての効果を勘案した行使期間および行使条件などを設けることがあります。

①新株予約権割当の対象となる株主およびその発行条件

当社取締役会において定める割当日における最終の株主名簿に記録された株主に対し、その所有する当社普通株式(ただし、当社の所有する当社普通株式を除く。)1株につき1個の割合で新たに払込みをさせないで新株予約権を割当てる。

②新株予約権の目的となる株式の種類および数

新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権の目的となる株式の数は、定款に規定される発行可能株式総数から発行済株式(当社の所有する当社普通株式を除く。)総数を控除した数を上限とする。新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株とする。ただし、当社が株式分割または株式併合を行う場合は、所要の調整を行うものとする。

③発行する新株予約権の数

発行する新株予約権の数は、当社取締役会が定める数とする。当社取締役会は、複数回にわたり新株予約権の割当を行うことがある。

④新株予約権の払込価額

新株予約権と引換えに金銭の払込みを要しないものとする。

⑤各新株予約権の行使に際して出資される財産の内容およびその価額

各新株予約権の行使に際して出資される財産は、1円以上で当社取締役会が定める額とする。

⑥新株予約権の譲渡制限

新株予約権の譲渡による新株予約権の取得については、当社取締役会の承認を要する。

⑦新株予約権の行使条件等

大規模買付者等に行使を認めないこと等を行使の条件として定めることがある。

また、取得条項および取得条件を設けることがあり、大規模買付者と他の株主とで、取得の対価等に関し、異なる取り扱いをすること、あるいは大規模買付者が保有する新株予約権は取得の対象としないことがある。

なお、大規模買付者が保有する新株予約権を取得の対象とする場合、その対価として現金の交付は行わないこととする。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとする。

⑧新株予約権の行使期間等

新株予約権の割当がその効力を生ずる日、新株予約権の行使期間、取得条件その他必要な事項については、当社取締役会が定めるものとする。

また、大規模買付者が「大規模買付ルール」を遵守したか否かを判断するに当たっては、大規模買付者が当社に関する詳細な情報を有していない場合など、大規模買付者側の事情をも合理的な範囲で十分勘案するものとし、少なくとも、当社取締役会が提供を求めた必要情報の一部が大規模買付者より提供されていないことのみをもって、大規模買付者による「大規模買付ルール」の不遵守を認定することはしないものといたします。

   (2)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合

大規模買付者が「大規模買付ルール」を遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、当該買付提案についての反対意見を表明したり、代替案を提示することにより、当社株主の皆様を説得するに留め、原則として当該大規模買付行為に対する対抗措置はとりません。大規模買付者の買付提案に応じるか否かは、当社株主の皆様において、当該買付提案および当社取締役会が提示する当該買付提案に対する意見、代替案等をご考慮のうえ、ご判断いただくことになります。もっとも「大規模買付ルール」が遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社株主全体の利益を著しく損なうと認められる場合、例えば、

①大規模買付行為の目的が、真に会社経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価をつり上げて高値で株式等を当社関係者に引き取らせることにある場合(いわゆるグリーンメーラーである場合)

②大規模買付行為の目的が、主として会社経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を当該大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させること(いわゆる焦土化経営)にある場合

③大規模買付行為の目的が、主として会社経営を支配した後に、当社の資産を当該大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用することにある場合

④大規模買付行為の目的が、主として会社経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券など高額資産等を売却等処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるかあるいは一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って株式等の高価売り抜けをすることにある場合

⑤大規模買付行為の方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付で当社の株式等の全部の買付を勧誘することなく、二段階目の買付条件を不利に設定し、または明確にしないで、公開買付等の株式等の買付を行うことをいいます。)等の、当社株主の判断の機会または自由を制約し、事実上当社株主に当社の株式等の売却を強要するものである場合

⑥大規模買付行為の結果、当社の従業員・取引先・顧客その他の利害関係者の利益が損なわれ、それによって当社株主全体の利益が著しく毀損されることが合理的な根拠をもって判断される場合

などについては、当社取締役会は当社株主の皆様の利益を守るため、例外的に適切と考える方策を取ることがあります。当該大規模買付行為が当社株主全体の利益を著しく損なうか否かの検討および判断については、その客観性および合理性を担保するため、当社取締役会は、当該大規模買付者および大規模買付行為の具体的内容(目的、方法、対象、取得対価の種類・金額等)や当該大規模買付行為が当社株主全体の利益に与える影響を踏まえたうえで、対抗措置を発動することの適否について独立委員会に必ず諮問することとし、かかる独立委員会は、諮問を受けた事項について勧告することといたします。独立委員会の行った勧告は公表することとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重したうえで、対抗措置の発動または不発動を決議し、その内容を公表するものといたします。

また、当社取締役会が対抗措置の発動を決議した後、または発動後においても、大規模買付者が大規模買付行為を中止した場合や対抗措置を発動するか否かの判断の前提になった事実関係等に変動が生じた場合は、当社取締役会は独立委員会に諮問し、その勧告を受け、株主共同の利益を守るために発動した対抗措置を維持することが相当ではないと判断した場合は、対抗措置を中止または発動の停止をするものとし、その内容を公表いたします。

  7.独立委員会

当社取締役会は、「大規模買付ルール」を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを排除し、その判断の客観性および合理性を担保するため、独立委員会を設置します。独立委員会は、公正で中立的な判断を可能とするため、弁護士・公認会計士・学識経験者・実績ある会社経営者、上場取引所の基準において独立性の認められる社外役員等、当社取締役会で選任された委員3名以上で構成されます。

当社取締役会は、意向表明書が提出されたとき、または大規模買付行為の動向が明らかになったときに独立委員会を招集し、大規模買付者が「大規模買付ルール」を遵守しているかどうかのチェックや、対抗措置発動の適否などを諮問し、独立委員会は、次の①から⑥の諮問を受けた事項について、原則として取締役会評価期間内に当社取締役会に対して勧告を行います。

①大規模買付ルールを遵守しているか否かの判断

②大規模買付行為の該当性の判断

③対抗措置の発動または不発動

④対抗措置の発動の中止または停止

⑤対抗措置の発動または不発動における各種条件の設定

⑥その他当社取締役会が独立委員会に諮問すべきと決議した事項

また、当社取締役会が対抗措置の発動を決議した後、または発動後においても、大規模買付者が大規模買付行為を中止したときや対抗措置を発動するか否かの判断の前提になった事実関係等に変動が生じたときは、当社取締役会は独立委員会を招集し、対抗措置の発動の中止や停止の適否などを諮問し、独立委員会は当社取締役会に対して勧告を行います。

独立委員会は、大規模買付者が提供した本必要情報に不足があるとき、または提供された情報につき補足の情報が必要であると判断したときは、直接または当社取締役会を通じて大規模買付者に対し、合理的に必要と考える情報の提供を求めることができるものといたします。

独立委員会が上記勧告を行うにあたっては、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の向上の観点から大規模買付行為について慎重に評価・検討のうえ、独立委員会が独自の判断で行うものといたします。また、独立委員会は、必要に応じて当社の費用により独立した第三者である専門家の助言を得ることができるものといたします。

対抗措置の発動または不発動、対抗措置の発動の中止や停止は、最終的には当社取締役会の決定事項となりますが、当社取締役会の決定に際しては独立委員会による勧告を最大限尊重し、かつ必ずこのような独立委員会の勧告手続きを経なければならないものとすることにより、独立委員会が当社取締役会の判断の公正さを確保する手段として機能するよう位置づけております。

  8.大規模買付ルールの有効期限

「大規模買付ルール」の有効期限は、平成27年6月24日開催の定時株主総会の日から平成30年6月開催予定の定時株主総会終結の時までといたします。ただし、当該株主総会において「大規模買付ルール」の継続が承認可決された場合、かかる有効期限はさらに3年延長されるものとし、以後も同様といたします。

なお、有効期限の到来前であっても、当社株主総会または当社取締役会において「大規模買付ルール」を廃止する旨の決議がなされた場合は、「大規模買付ルール」はその時点で廃止されるものといたします。

また、当社取締役会は、有効期限の到来前であっても、企業価値および株主価値向上の観点から、会社法を含めた関係法令の整備等を踏まえ、「大規模買付ルール」を随時見直し、当社株主総会の承認可決を得て、「大規模買付ルール」の改定を行うことがあります。

その場合には、その変更内容を速やかにお知らせいたします。

  9.株主に与える影響等

   (1)大規模買付ルールが株主に与える影響等

「大規模買付ルール」は、当社株主の皆様が大規模買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や、現に当社の経営を担っている当社取締役会の意見を提供し、さらには、当社株主の皆様が代替案の提示を受ける機会を保証することを目的としています。これにより、当社株主の皆様は、十分な情報のもとで、大規模買付行為に応じるか否かについて適切な判断をすることが可能となり、そのことが当社株主全体の利益の保護につながるものと考えております。従いまして、「大規模買付ルール」の設定は、当社株主の皆様が適切な投資判断を行ううえでの前提となるものであり、当社株主の皆様の利益に資するものであると考えております。

   (2)対抗措置発動時に株主に与える影響等

当社取締役会は、当社株主全体の利益を守ることを目的として、会社法その他の法律および当社定款により認められている対抗措置をとることがありますが、当該対抗措置の仕組み上、当社株主の皆様(「大規模買付ルール」を遵守しなかった大規模買付者を除きます。)が法的権利または経済的側面において格別の損失を被るような事態が生じることは想定しておりません。なお、当社取締役会が具体的対抗措置をとることを決定した場合には、法令および証券取引所規則に従って適時適切な開示を行います。

なお、当社は、新株予約権の割当の基準日や新株予約権の割当の効力発生後においても、例えば、大規模買付者が大規模買付行為を撤回したり、大規模買付行為の条件等を変更するなどの事情により、対抗措置の発動の中止または停止を当社取締役会が決議したときは、新株予約権の行使期間開始日の前日までに、新株予約権の割当を中止または当社が新株予約権者に当社株式を交付することなく無償にて新株予約権を取得することがあります。これらの場合には、1株当たりの価値の希釈化は生じませんので、1株当たりの株式の価値の希釈化が生じることを前提にして売付等を行った投資家の皆様は、株価の変動により相応の損害を被る可能性がございます。

  

2 【事業等のリスク】

当社及び当社グループの事業に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがありますが、以下の内容は、予想される主なリスクを具体的に例示したものであり、すべてのリスクではありません。

(1) 経済情勢の変動

当社グループの事業は、あらゆる産業に展開しており、国内外の経済情勢の影響を直接及び間接的に受けます。今後の経済情勢の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 また、当社の新規事業分野であるIT関連事業においては、世界のIT産業の動向の影響を直接受けます。今後のIT産業の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 販売価格の変動

当社グループが事業を展開する市場は、国内外において厳しい競合状態にあり、十分な利益を確保するに足る販売単価の維持や、販売シェアの確保が出来ない場合があります。コスト削減による利益の維持ときめ細かい顧客サービスによるシェアの回復が困難である場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 原材料等価格の変動

当社グループは、製紙用パルプや各種石化製品などを原材料、燃料として多く使用しており、その価格は在庫水準や需給バランスによって変動する市況製品であります。原材料等の購入に際しては、市況動向を見極めた発注に努めてはおりますが、価格の急激な変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動

当社グループは、海外からの外貨建てによる資材の調達、海外への外貨建ての販売及び海外を含むグループ会社間でのファイナンスを行っており、為替相場の変動によっては当社グループの業績へ影響を及ぼす可能性があります。

(5) 海外事業展開について

当社グループは、世界各地で生産・事業展開を進めております。これらの国において次のような事象が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

① テロ、政変、クーデター等による政情不安と治安悪化

② 従業員のスト、ボイコット等による労働争議の発生

③ 電力、用水、通信等のインフラの障害

④ 伝染病の発生

⑤ その他予期せぬ税制、外為、通関等に関する法律、規制の変更など不測の事象

⑥ 文化や商慣習の違いによる売掛金回収、取引先との関係における問題の発生

(6) 新製品開発について

当社グループは、総合技術力で市場ニーズに対応し、競争力のある高付加価値製品を市場に投入していくことを目標に研究開発を推進しており、研究スタッフの増員や、産学共同研究等への経営資源投入を強化しております。
 しかしながら、このような研究開発への経営資源の投入が必ずしも新製品の開発さらには営業収入の増加に結びつくとは限らず、開発期間が長期に亘ったことなどにより、開発を中止せざるを得ないような事象が発生した場合は、製品開発コストを回収できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 知的財産権について

当社グループは、独自に蓄積してきた様々な製造技術について国内外において必要な知的財産権保護手続きを行っておりますが、法的制限だけでは完全な保護は不可能であり、取得した権利を適切に保護できない場合があります。また、当社グループの製品に関して第三者より知的財産権侵害の提訴を受ける場合があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 重要な訴訟等について

当社グループが国内外で事業活動を行うにあたり、製造物責任(PL)関連、環境関連、知的所有権関連等に関し、訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 法規制について

当社グループが事業活動を展開する各国において、各種法規制の適用を受けております。これらの規制の遵守に努めておりますが、規制の強化または変更がなされた場合には、当社グループの事業活動が制限されたり、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

当連結会計年度における世界経済は、米国では企業業績や個人消費の改善により景気拡大基調が持続し、欧州においても緩やかな回復基調が継続しました。中国をはじめとするアジア地域では内需や輸出の増加などを背景に景気は持ち直しの動きが続きました。一方、我が国においては、好調な外需などにより企業業績が改善したことに加え、雇用環境の改善を背景に個人消費も緩やかに持ち直すなど、総じて堅調に推移しました。

このような経営環境の中、当社グループでは新中期経営計画「LIP-2019」を昨年4月からスタートさせ、「イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ」という基本方針の下、重点テーマに積極的に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度における売上高は、アドバンストマテリアルズ事業部門が好調に推移したことに加え、一昨年末に買収した欧米子会社の売上高37,654百万円(前年同期2,793百万円)が加わったことにより249,030百万円(前年同期比20.9%増)となりました。

営業利益は、原燃料価格の上昇や固定費の増加などの減益要因はあったものの、販売数量の増加や原価低減の効果などの増益要因により20,095百万円(前年同期比21.1%増)となりました。

経常利益は、為替差損が増加したことなどにより18,389百万円(前年同期比17.2%増)となりました。

親会社株主に帰属する当期純利益は、米国連結子会社Madico,Inc.において経営合理化に伴う事業構造改善引当金繰入額1,024百万円を、また、米国連結子会社VDI,LLCにおいて買収時に想定した事業計画の業績を下回る見込みであることから、のれんの減損損失1,041百万円をそれぞれ特別損失に計上したことなどもあり11,257百万円(前年同期比1.7%減)となりました。

 

 セグメント別の概況は以下のとおりです。

 

〔印刷材・産業工材関連〕

当セグメントの売上高は121,691百万円(前年同期比42.1%増)、営業利益は3,040百万円(同81.8%増)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。

(印刷・情報材事業部門)

シール・ラベル用粘着製品については、国内では粘着紙は天候不順の影響を受け食品関連が低調であったものの、医薬・物流関連が堅調に推移し、粘着フィルムは飲料用キャンペーンラベルや化粧品などのアイキャッチラベル需要によって順調に推移しました。海外ではアセアン地域において堅調であったほか、一昨年末に買収した欧米子会社の売り上げが加わりました。この結果、当事業部門の売上高は87,132百万円(前年同期比58.2%増)となりました。

(産業工材事業部門)

国内で通販向け装置が堅調であったほか、二輪を含む自動車用粘着製品やウインドーフィルムがアジア地域において堅調に推移しました。また、一昨年末に買収した欧米子会社の売り上げが加わりました。この結果、当事業部門の売上高は34,558百万円(前年同期比13.1%増)となりました。

 

〔電子・光学関連〕

当セグメントの売上高は88,882百万円(前年同期比6.8%増)、営業利益は11,972百万円(同30.8%増)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。

(アドバンストマテリアルズ事業部門) 

半導体関連粘着テープおよび関連装置は、スマートフォン用やクラウドサーバー用などの需要が好調であったことにより大幅に増加しました。また、積層セラミックコンデンサ関連テープについても、スマートフォン用や自動車用などの需要が好調であったことにより増加しました。この結果、当事業部門の売上高は51,633百万円(前年同期比20.0%増)となりました。

(オプティカル材事業部門)

液晶ディスプレイ関連粘着製品は、販売数量は堅調に推移したものの、品種構成と販売単価下落の影響を大きく受けました。この結果、当事業部門の売上高は37,249百万円(前年同期比7.3%減)となりました。

  

〔洋紙・加工材関連〕

当セグメントの売上高は38,456百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益は4,996百万円(同13.4%減)となりました。当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。

(洋紙事業部門) 

工業用特殊紙や耐油紙が堅調であったものの、主力のカラー封筒用紙が低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は16,441百万円(前年同期比0.1%減)となりました。

(加工材事業部門)

FPCカバーレイ用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムが好調であったほか、合成皮革用工程紙も堅調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は22,015百万円(前年同期比6.6%増)となりました。

 

平成31年3月期の連結業績予想は、原燃料価格の上昇や固定費の増加が予想されますが、さらなる拡販や原価低減に努めていくほか、業績が低迷していた海外グループ会社の改善も見込んでいます。以上のことから、売上高は2,570億円(当期比3.2%増)、営業利益は230億円(同14.5%増)、経常利益は220億円(同19.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は160億円(42.1%増)を予想しております。

 

(2)財政状態の状況

〔資産〕

当連結会計年度末の総資産は、当連結会計年度末日が金融機関の休日であった影響などにより、前連結会計年度末に比べて18,536百万円増加の292,735百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「現金及び預金」の増加

13,554百万円

・「受取手形及び売掛金」の増加

5,789百万円

・「たな卸資産」の増加

3,921百万円

・「有形固定資産」の増加

1,465百万円

・「のれん」の減少

△5,369百万円

 

 

〔負債〕

当連結会計年度末の負債は、当連結会計年度末日が金融機関の休日であった影響などにより、前連結会計年度末に比べて10,806百万円増加の106,314百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「支払手形及び買掛金」の増加

9,620百万円

・「短期借入金」の増加

1,709百万円

・「長期借入金」の減少

△3,399百万円

 

 

〔純資産〕

当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、前連結会計年度末に比べて7,729百万円増加の186,420百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「利益剰余金」の増加

6,495百万円

・「為替換算調整勘定」の増加

1,201百万円

 

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は55,042百万円となり、前連結会計年度末に比べて13,757百万円の増加となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

 

〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して2,457百万円増加の26,819百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「税金等調整前当期純利益」の増加

1,268百万円

・「減価償却費」の増加

1,564百万円

・「のれん償却額」の増加

3,112百万円

・「売上債権の増減額」の減少

△3,664百万円

・「たな卸資産の増減額」の減少

△4,495百万円

・「仕入債務の増減額」の増加

5,497百万円

・「減損損失」の増加

1,007百万円

 

 

〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して40,845百万円増加の△7,532百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「定期預金の預入による支出」の増加

3,266百万円

・「定期預金の払戻による収入」の減少

△4,065百万円

・「有形固定資産の取得による支出」の増加

4,964百万円

・「連結の範囲の変更を伴う子会社株式及び子会
  社持分の取得による支出」の増加

36,601百万円

 

 

〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して11,621百万円減少の△6,363百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。

・「短期借入金の純増減額」の増加

3,441百万円

・「長期借入れによる収入」の減少

△20,850百万円

・「長期借入金の返済による支出」の増加

6,194百万円

 

 

また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業キャッシュ・フロー内において、主な設備投資や借入金の返済などを実施しており、自己キャッシュ・フローにより流動性は確保できております。

  

(4)生産、受注及び販売の実績

〔生産実績〕

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

印刷材・産業工材関連

86,585

53.5

電子・光学関連

60,983

4.2

洋紙・加工材関連

43,055

4.3

合計

190,624

22.0

 

(注) 1 セグメント間およびセグメント内の取引が多様で、各セグメントの生産高を正確に算出することが困難であるため、概算金額を表示しております。また、セグメント間の内部振替高に伴う生産高を含めております。

 2 金額は、製造原価によっております。

 3 金額の表示には消費税等は含まれておりません。

 4 平成28年10月にVDI, LLCの全持分を、平成28年12月にMACtac Americas, LLCの全持分を取得し連結子会社
 としたことにより、「印刷材・産業工材関連」の生産高が著しく増加しております。

 

〔受注実績〕

製品及び商品の大部分が受注即出荷となりますので、受注状況は販売実績とほぼ同じであります。

 

〔販売実績〕

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

印刷材・産業工材関連

121,691

42.1

電子・光学関連

88,882

6.8

洋紙・加工材関連

38,456

3.6

合計

249,030

20.9

 

 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 2 金額の表示には、消費税等は含まれておりません。

3 平成28年10月にVDI, LLCの全持分を、平成28年12月にMACtac Americas, LLCの全持分を取得し、また、平成28年11月にLintec Graphic Films Limited(現 LINTEC EUROPE (UK) LIMITED)の全株式を取得し連結子会社としたことにより、「印刷材・産業工材関連」の販売高が著しく増加しております。

4 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度については、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

住友化学㈱

22,210

10.8

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、粘着応用技術、特殊紙・剥離材製造技術、表面改質技術ならびにシステム化技術を基盤に、印刷・情報材料、産業工業材料、半導体関連材料、光学機能材料などの多岐にわたる製品の開発・製造・販売を行っており、その研究開発活動の大部分を提出会社である当社が行っております。当期は、前期に引き続き、中・長期研究開発計画に基づいた技術開発ならびに新製品開発活動、特に機能性材料の素材開発とその加工技術開発に積極的に取り組み、ユーザーニーズを重視したマーケット対話型の研究開発に努めてまいりました。

また、当社グループの海外における研究機関であるNano-Science & Technology Center(米国テキサス州)では、近未来の新製品創出に向けて、カーボンナノチューブ関連や人工筋肉関連の研究とそれぞれの応用開発に取り組んでおります。

当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発費の総額は7,925百万円となりました。

なお、セグメント別の主な研究開発活動の状況は次のとおりです。

(印刷材・産業工材関連)

(1) 印刷・情報材料分野

多様化する用途に適したラベル素材をタイムリーに提供することを目指し、顧客の要求特性を実現する機能性ラベル素材の開発を継続しています。当期は、超強粘着ラベル素材や非転着タイプの改ざん防止用ラベル素材、三次曲面追従ラベル素材などを開発し、サンプルワークを開始しました。

(2) 産業工業材料分野

さまざまな産業用・工業用の機能性粘着素材の開発を継続しています。当期は、映り込みを低減する建物用ウインドーフィルムを開発しました。夜間に室内から屋外を見た際の映り込みや、ショーウインドーの光の反射を低減し、良好な視界を確保します。また、トラックの荷台など波形の被着面に最適な強粘再剥離型のデジタルプリント対応ビジュアルマーキングフィルムや、自動車の塗装面を汚れや傷から守る保護フィルムも開発しました。

その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は2,980百万円となりました。

 

(電子・光学関連)

(1) 半導体関連材料分野

LSIチップの薄型化を可能にするDBG(Dicing Before Grinding)システムとダイシング・ダイボンディング機能を有するLEテープを融合したDBG+LEシステムの開発を進め、LSIチップの多積層化やソリッドステートドライブ(SSD)への適応など、LSIパッケージの高密度化に貢献しています。

スマートフォンなどの電子機器の高機能化に伴い、バンプ電極によるフリップチップ接合の半導体パッケージが普及する中、さまざまな高さのバンプに対応するバックグラインド用ウェハ表面保護テープの開発をさらに進めました。また、薄型ウェハが使用されるインテリジェントセンサーや3D NANDフラッシュメモリの製造に不可欠な高機能ダイシングテープ、ウェハ表面保護テープ、ダイシング・ダイボンディングテープの開発・改良を通じて、IoT(Internet of Things)社会拡大の一翼を担っています。

(2) 光学機能材料分野

さまざまなディスプレイに用いられている各種光学フィルムやタッチパネル、ガラス飛散防止対策フィルムなどに用いられる粘着剤と機能性コート剤の開発を継続しています。大型テレビやタブレット、スマートフォンの表示部に用いられるLCDやOLEDディスプレイをはじめ、車載ディスプレイ用のプラスチックパネルに対する耐ブリスター性や耐湿熱白化性を付与した機能性粘着剤の拡販が進んでいます。また、タッチセンサーに使用されるITOや銅メッシュ、銀ナノワイヤーなどの腐食を抑制し、かつ紫外線とブルーライトの遮蔽性を兼ね備えた機能性粘着剤などの開発により、ディスプレイの世代交代に対応しています。

さらに、光の拡散領域を制御可能な特殊光拡散フィルムは、その用途や顧客要求にマッチした特性へのカスタマイズにより優位性を発現し、反射型ディスプレイのほか、プロジェクションスクリーンや反射型サインとしての試験運用が活発になってきています。中でもプロジェクションスクリーンは既存構造物の側面に設置可能で、東京オリンピック・パラリンピックでの普及が見込まれています。

その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は3,665百万円となりました。

 

 

(洋紙・加工材関連)

靴やかばんなどに使われる合成皮革の製造工程で使用される合成皮革用工程紙は、合成皮革の表面に柄や光沢感を付与する工程用剥離紙です。当期は、従来のエンボス柄に加えソフトな手触りと陰影による立体感を特徴とする新柄を開発し、車両内装用途を中心に積極提案しました。また、エンボス柄以外にもさまざまな光沢感やツヤを付与できる工程紙の開発を進めています。

剥離紙や剥離フィルムに使われる剥離処理剤は、極薄膜である必要性からこれまで有機溶剤希釈による塗布が主流でした。しかし、環境保全が強く求められるようになった昨今、当社としても積極的に無溶剤化などによるVOC排出量の低減に取り組んでおり、当期はその処方開発にも注力しました。引き続き、無溶剤化された剥離紙の展開を推進してまいります。

その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は1,278百万円となりました。