Ⅰ 会社の経営の基本方針
当社グループの経営理念は、社名の「リンテック」すなわち"リンケージ(結合)"と"テクノロジー"、および社是「至誠と創造」に裏付けされる人の和、技術開発力を基軸とし、国内・海外の業界において、だれからも信頼される力強い躍動感あふれる会社として社会に貢献し、株主各位・顧客・社員家族の期待にこたえる斬新な経営を推進するというものであります。
当社グループは、粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、ならびに特殊紙・剥離材製造技術という四つの固有技術を基盤とし、さらにそれらを高次元で融合させることによって、より差別化された独自性の高い製品創りを進めてまいります。また、高い倫理観のもと、CSRの精神を徹底し、社会から信頼される会社たるべく邁進してまいります。
Ⅱ 中長期的な会社の経営戦略と会社の対処すべき課題
2020年3月期を最終年度とした中期経営計画「LIP-2019」は「イノベーションをさらに深化させ、新たな成長にチャレンジ」という基本方針のもと、4つの重点テーマを掲げ、意欲的に諸施策に取り組んでまいりました。
<重点テーマ>
1.地域戦略の強化
2.新たな価値の創造
3.企業体質の強靭化
4.持続可能な社会の実現に向けた取り組み
しかしながら、「LIP-2019」の2年目以降、米中貿易摩擦の影響による中国経済の鈍化やIT需要の減速など、世界経済の先行き不透明感が強まり、加えて、国内において天候不順や自然災害の影響を受けたことなどにより、連結業績については当初掲げた最終年度の目標を大きく下回る結果となりました。
本来であれば、2020年4月から新たな中期経営計画をスタートさせる予定でありましたが、2021年4月から「収益認識に関する会計基準」が強制適用となり、売上高や利益率への大きな影響が想定されることから、2021年3月期は単年度計画とし、次期中期経営計画は2021年4月にスタートすることといたしました。
今後10年先を見据えた長期ビジョンを掲げるとともに、3年ごとの中期経営計画はそれを着実に実現するためのマイルストーンと位置づけてまいります。
また、引き続き当社グループが中・長期的に成長を遂げていくため、CSRを経営の根幹に置き、2015年に国連で採択されたSDGs*1の17の目標を具現化させていくとともに、ESG*2に対する取り組みも一層強化してまいります。
*1 SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略称。
社会課題などを解決するための17の目標と169のターゲットで構成。
*2 ESG :Environment (環境)、Social (社会)、Governance (企業統治)
企業が持続的に成長できるか否かを判断する指標として用いられる3要素の総称。
〔印刷材・産業工材関連〕
(印刷・情報材事業部門)
昨今の脱プラスチックの動きや、それに伴うプラスチックラベル全廃などの動きは、特にフィルムベースのラベル素材分野で強みを有する当社グループにとっては脅威といえ、こうした環境配慮ニーズにより幅広く、迅速に対応していくことが大きな課題であると考えています。当事業部門では現在、洋紙事業部門と連携して特殊機能紙ベースの代替品の開発を積極的に進めているほか、再生PETフィルムやバイオマス素材などを用いたアイテムのラインアップ強化を図っています。また紙ベースのラベル素材についても、FSC森林認証紙への切り替えなどを順次拡大させていく方針です。
(産業工材事業部門)
当事業部門では収益性向上のため、主力製品であるウインドーフィルムについて、米国子会社のMADICO,INC.と連携しつつ、世界シェアのさらなる拡大に向けた戦略展開を図っていきます。特に東南アジア市場における自動車用ウインドーフィルムの認知度向上と普及促進に取り組んでいきます。また、中・長期的な視点からは米国子会社であるVDI,LLCとの連携強化がウインドーフィルム事業にとどまらず、幅広い分野への事業拡大に向けた課題となっています。同社が有するフィルムへの金属蒸着といった川上分野の独自技術との相乗効果によって、より付加価値の高い新製品開発を目指していきます。
〔電子・光学関連〕
(アドバンストマテリアルズ事業部門)
当社グループは、半導体関連事業においてフリップチップ裏面保護テープをはじめとする高シェア製品を各種有していますが、5年後、10年後も現在の高収益体質を維持していくためには、新たなオンリーワン・ナンバーワン製品の開発は不可欠になります。また将来を見据えて、例えばエネルギー分野、あるいは環境・医療関連など、現在の半導体関連や電子部品関連事業の延長線上にない全く新しい分野への進出も模索しています。さらに、欧米において自動車の基幹部品メーカーなどに求められる品質管理規格の取得に向けた取り組みも推進していく予定です。
(オプティカル材事業部門)
光学ディスプレイ関連市場の変化が加速する中、当社グループは協業する偏光フィルムメーカーと連携しつつ、引き続き日本・韓国・台湾の各生産拠点でさらなる効率化に向けた生産体制の構築を目指していきます。また、これまで開発を続けてきた新規製品の早期の事業化も大きな課題となっています。その中で、現在の注力アイテムであるタッチパネルなどの構成部材の貼合に最適な厚手の光学粘着シートとディスプレイ用のガラス飛散防止対策フィルムは、それぞれ中国を中心に車載用途などで採用実績が出てきています。ディスプレイメーカーに加え、今後は部材の抜き加工メーカーへの販促強化も図っていきます。
〔洋紙・加工材関連〕
(洋紙事業部門)
国内市場が縮小する中、今後も当事業部門が成長を遂げていくためには積極的な新製品開発が不可欠であり、特に昨今の脱プラスチックの動きなどをビジネスチャンスと捉え、紙ストロー用原紙などの環境配慮ニーズに対応した製品の開発・拡販が課題となっています。また、印刷・情報材事業において表面基材として使われているPETフィルムや合成紙の代替素材となる機能紙の開発などにも積極的に取り組んでいます。さらに、アジア地域をはじめとする海外展開の強化も大きな課題の一つであり、当社グループが得意とする特殊機能紙の採用拡大に一層注力していきます。
(加工材事業部門)
新型コロナウイルスの感染拡大などの影響を受けて厳しい事業環境下にある工程紙については、それを打開するための新たな施策を展開していく必要があると考えています。合成皮革用工程紙では、人件費の高騰や環境規制強化、米中貿易摩擦の影響などによって、合成皮革の大きな生産基地であった中国のメーカーがベトナムなどに生産拠点を移す動きがあります。これにしっかりと追随していくため、これまで中国国内向けに展開していた生産子会社の琳得科(蘇州)科技有限公司の製品を今後は積極的に国外へも販売を強化していきます。また炭素繊維複合材料用工程紙についても、レジャー用品向けなども含め、海外市場での拡販強化を図ってく方針です。
当社グループは、グループ全体におけるリスクの把握と発生の防止に努め、チャンス(機会)を捉えて活かす行動を根付かせていくために、全社リスクマネジメントシステムの構築を推進する「全社リスク管理委員会」を設置し、グループ全社でのリスク管理体制構築に向けてシステムづくりから管理・運用までを担い、継続的に改善活動を行っております。
当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性がある主要なリスクには、以下のようなものがあると認識しておりますが、これらは想定される主要なリスクを例示したものであり、すべてのリスクを網羅したものではありません。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの事業は、あらゆる産業に展開しており、国内外の経済情勢、市場環境の影響を直接及び間接的に受けます。国内においては、少子高齢化の進展や人口減少社会の到来によって市場の縮小が進み、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がありますが、新たな需要の開拓を進め、既存事業のシェア拡大と新市場の創出を図っていきたいと考えております。また、電子・光学関連においては、世界のIT産業の動向の影響を受けます。今後のIT産業の動向によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、2020年年初に顕在化した新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動への影響、それらに関わる数多くのリスクが存在するなど、これまでに増して先行き不確実性が高まっています。当社グループでは、2021年3月期の第1四半期、第2四半期はさまざまな事業領域での需要環境悪化による受注減少などが予想され、第3四半期以降については正常な事業活動に向かうことを前提としておりますが、感染の影響が長期化した場合、当社グループの事業環境、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業を展開する市場は、国内外において厳しい競合状態にあり、十分な利益を確保するに足る販売単価の維持や販売シェアの確保ができない場合があります。競合に対する差別化やきめ細かい顧客サービスによるシェアの維持、コスト削減による利益の確保に努めてまいりますが、これらが困難になる場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製紙用パルプや各種石化製品などを原材料、燃料として多く使用しており、その価格は在庫水準や需給バランスによって変動する市況製品であります。原材料等の購入に際しては、市況動向を見極めた発注に努めてはおりますが、価格の急激な変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、世界各地で生産・事業展開を進めており、2020年3月期の海外売上高比率は49.4%になっております。生産・事業展開をする各国において、テロ、政変、クーデター等による政情不安や治安の悪化、従業員による労働争議、感染症、予期せぬ税制、外為、通関等に関する法律、規制の変更など不測の事象が発生した場合、海外における当社グループの事業活動に支障をきたし、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、為替変動リスクも高まっており、米ドルのみならず、韓国ウォンや中国元、台湾ドルなどアジアの主要通貨の動向も注視するとともに、為替予約などを行うことでリスクの軽減を図っておりますが、想定以上の為替相場の変動によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、総合技術力で市場ニーズに対応し、競争力のある高付加価値製品を市場に投入していくことを目標に研究開発を推進しており、研究スタッフの増員や、産学共同研究等への経営資源投入を強化しております。
しかしながら、このような研究開発への経営資源の投入が必ずしも新製品の開発さらには営業収入の増加に結びつくとは限らず、開発期間が長期に亘ったことなどにより、開発を中止せざるを得ないような事象が発生した場合は、製品開発コストを回収できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、独自に蓄積してきた様々な製造技術について国内外において必要な知的財産権保護手続きを行っておりますが、法的制限だけでは完全な保護は不可能であり、取得した権利を適切に保護できない場合があります。また、当社グループの製品に関して第三者より知的財産権侵害の提訴を受ける場合があります。このような場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが国内外で事業活動を行うにあたり、製造物責任(PL)関連、環境関連、知的所有権関連等に関し、訴訟その他の請求が提起される可能性があり、その内容によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループが事業活動を展開する各国において、各種法規制の適用を受けております。これらの規制の遵守に努めておりますが、規制の強化または変更がなされた場合には、当社グループの事業活動が制限されたり、業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、米国では良好な雇用や所得環境を背景に底堅く推移し、欧州では個人消費が緩やかながらも増加しました。中国では米中貿易摩擦の影響により外需・内需ともに減速が続きました。一方、我が国においては、雇用や所得環境の改善が見られたものの、海外経済の減速による輸出の鈍化に加え、大型台風などの自然災害や消費増税によって個人消費が低迷しました。さらに年度末にかけて新型コロナウイルス感染症の拡大により世界経済に厳しさが増してきました。
このような経営環境の下、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は240,727百万円(前年同期比4.1%減)となりました。
営業利益は、パルプ価格の下落による増益要因があったものの、米中貿易摩擦の影響などによる販売数量の減少をカバーするまでには至らず15,440百万円(前年同期比14.1%減)となりました。
経常利益は、前連結会計年度は為替差益の計上であったことに対し、当連結会計年度は為替差損の計上となったことなどにより14,484百万円(前年同期比19.5%減)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、当連結会計年度に米国子会社においてのれんの減損損失545百万円を計上したこともあり9,620百万円(前年同期比25.6%減)となりました。
セグメント別の概況は以下のとおりです。
〔印刷材・産業工材関連〕
(注)2019年4月よりラベリングマシンの一部を産業工材事業部門から印刷・情報材事業部門へ移管しました。前連結会計年度の実績は組み替えて記載しております。
当セグメントの売上高は122,436百万円(前年同期比0.4%減)、営業利益は928百万円(同75.3%減)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(印刷・情報材事業部門)
シール・ラベル用粘着製品は、国内では天候不順の影響を受け食品・飲料関連や化粧品などのアイキャッチラベルが低調に推移しました。海外では中国で景気減速の影響を受けましたが、米国では新規顧客への拡販効果もあり堅調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は86,819百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
(産業工材事業部門)
ウインドーフィルムは国内外ともに順調に推移しましたが、二輪を含む自動車用粘着製品がインド市場低迷の影響を受け低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は35,617百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
〔電子・光学関連〕
(注)2019年4月より光デバイス関連製品をアドバンストマテリアルズ事業部門からオプティカル材事業部門へ移管しました。前連結会計年度の実績は組み替えて記載しております。
当セグメントの売上高は81,929百万円(前年同期比9.3%減)、営業利益は10,981百万円(同1.5%減)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(アドバンストマテリアルズ事業部門)
半導体関連粘着テープは、第3四半期に入り需要が回復したことなどにより増加しましたが、半導体関連装置は、設備投資抑制の影響を受け大幅な減少となりました。また、積層セラミックコンデンサ関連テープについても、自動車用、スマートフォン用ともに市場の生産調整の影響を受け大幅な減少となりました。この結果、当事業部門の売上高は47,654百万円(前年同期比8.9%減)となりました。
(オプティカル材事業部門)
光学ディスプレイ関連粘着製品は、大型テレビ用は堅調であったものの、スマートフォン用などの中小型向けが需要低迷の影響を受け低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は34,274百万円(前年同期比9.8%減)となりました。
〔洋紙・加工材関連〕
当セグメントの売上高は36,361百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益は3,502百万円(同17.9%増)となりました。
当セグメントの事業部門別の売り上げの概況は次のとおりです。
(洋紙事業部門)
主力のカラー封筒用紙が堅調に推移したほか、建材用紙やファストフード向けの耐油耐水紙などが順調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は16,744百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(加工材事業部門)
電子材料用剥離紙は堅調であったものの、一般粘着製品用剥離紙や光学関連製品用剥離フィルムが低調に推移しました。この結果、当事業部門の売上高は19,616百万円(前年同期比6.7%減)となりました。
2021年3月期における世界経済につきましては、米中貿易摩擦が長期化していることに加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による経済活動への影響、それらに関わる数多くのリスクが存在するなど、これまでに増して先行き不確実性が高まっています。
そのような経営環境の中、2021年3月期の連結業績予想につきましては、現時点において新型コロナウイルス感染症の収束時期を正確に見通すことは困難ではありますが、第1四半期、第2四半期はさまざまな事業領域での需要環境悪化による受注減少などが予想され、第3四半期以降については正常な事業活動に向かうことを前提としています。
以上のことから、2021年3月期の連結業績予想は、売上高は2,400億円(当期比0.3%減)、営業利益は150億円(同2.9%減)、経常利益は150億円(同3.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は110億円(14.3%増)を予想しております。
(2)財政状態の状況
〔資産〕
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため減少したほか、のれんが償却および減損損失の計上により減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて11,348百万円減少の278,972百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
〔負債〕
当連結会計年度末の負債は、支払手形及び買掛金が前連結会計年度末日が金融機関の休日であったため減少したことなどにより、前連結会計年度末に比べて13,420百万円減少の86,674百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
〔純資産〕
当連結会計年度末の純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2,071百万円増加の192,298百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は52,260百万円となり、前連結会計年度末に比べて6,042百万円の減少となりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して4,356百万円減少の18,501百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して3,518百万円減少の△13,818百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比較して2,038百万円減少の△10,284百万円となりました。主な増減要因は以下のとおりです。
また、資本の財源及び資金の流動性につきましては、営業キャッシュ・フロー内において、主な設備投資や借入金の返済などを実施しており、自己キャッシュ・フローにより流動性は確保できております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
〔のれんの減損〕
当連結会計年度末ののれん残高は21,350百万円であります。主なものは2016年12月に買収したMACTAC AMERICAS, LLCにおいて20,821百万円の残高を計上しており、同社は、米国におけるTopic350「無形資産-のれん及びその他」を適用し、のれんを10年間の定額法で償却しています。また、年4回(四半期決算期末)減損の兆候の判定をおこなっております。
減損の兆候の判定には、将来の事業計画、米国経済や同社製品の市場の動向、事業戦略の見直しなどを判断材料としており、これらの判断材料が大きく変化した場合、のれんの減損損失を認識する可能性があります。
当連結会計年度における減損の兆候を判定した結果、減損の兆候はなく、のれんの減損損失を認識することはありませんでした。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。
(5)生産、受注及び販売の実績
〔生産実績〕
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間およびセグメント内の取引が多様で、各セグメントの生産高を正確に算出することが困難であるため、概算金額を表示しております。また、セグメント間の内部振替高に伴う生産高を含めております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 金額の表示には消費税等は含まれておりません。
〔受注実績〕
製品及び商品の大部分が受注即出荷となりますので、受注状況は販売実績とほぼ同じであります。
〔販売実績〕
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額の表示には、消費税等は含まれておりません。
3 主な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10未満であるため記載を省略しております。
該当事項はありません。
当社グループは、粘着応用技術、表面改質技術、システム化技術、ならびに特殊紙・剥離材製造技術を基盤に、印刷・情報材料、産業工業材料、半導体関連材料、光学機能材料などの多岐にわたる製品の開発・製造・販売を行っており、その研究開発活動の大部分を提出会社である当社が行っております。当期は、前期に引き続き、中・長期研究開発計画に基づいた技術開発ならびに新製品開発活動、特に機能性材料の素材開発とその加工技術開発に積極的に取り組み、ユーザーニーズを重視したマーケット対話型の研究開発に努めてまいりました。
また、当社グループの海外における研究機関であるNano-Science & Technology Center(米国テキサス州)では、近未来の新製品創出に向けて、カーボンナノチューブ関連や人工筋肉関連の研究とそれぞれの応用開発に取り組んでおります。
当連結会計年度における当社グループ全体での研究開発費の総額は
なお、セグメント別の主な研究開発活動の状況は次のとおりです。
多様化する用途に適したラベル素材をタイムリーに提供することを目指し、顧客の要求特性を実現する機能性ラベル素材の開発を継続しています。当期は、化石資源の保護や二酸化炭素の排出量削減に貢献する植物由来の原料を活用したバイオマス粘着剤使用ラベル素材のラインアップを拡充しました。また、米国のMACTAC AMERICAS, LLCのホットメルト粘着剤を用いたラベル素材の東南アジアへの横展開を加速しています。
さまざまな産業向け、あるいは建築物用の機能性粘着素材の開発を継続しています。ブラックアウトテープに続き、易施工性を付与したマーキングフィルムや内装用化粧フィルムの開発に注力し、幅広い易貼付製品の提供を目指しています。また、トラックの荷台などコルゲート状被着面に最適な強粘再剥離型のデジタルプリント対応ビジュアルマーキングフィルムや自動車の塗装面を汚れや傷から守る保護フィルムの改良開発も継続しています。
その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は
スマートフォンなどのモバイル機器の小型・薄型化を実現するウェハレベルパッケージ向けに、生産性向上に寄与するチップ裏面保護フィルムを開発したほか、塩ビ基材のダイシングテープでは環境に配慮したRoHS2対応の製品群を開発しました。薄型ウェハが使用されるインテリジェントセンサーや3D NANDフラッシュメモリーの製造に不可欠な高機能ダイシングテープ、バックグラインドテープ、ダイシング・ダイボンディングテープを開発し、IoT(Internet of Things)社会拡大の一翼を担っています。
さまざまなディスプレイに使用されている各種光学フィルムやタッチパネル、ガラス飛散防止対策フィルムなど向けの粘着剤と機能性コート剤の開発を継続しています。大型テレビやタブレット、スマートフォンの表示部に用いられるLCDやOLEDディスプレイ製品をはじめ、車載ディスプレイ用のプラスチックパネルに対する耐ブリスター性と耐湿熱白化性を付与した機能性粘着剤の開発に成功し、拡販が進んでおります。また、タッチセンサーに使用されるITO(酸化インジウムスズ)や銅、銀などの金属細線の腐食を抑制し、かつ紫外線の遮蔽性を兼ね備えた機能性粘着剤、フレキシブルディスプレイに使用される耐折り曲げ性を付与した粘着剤など、新規のディスプレイ製品に対応した開発も進めています。
また、光の拡散領域を制御可能な特殊な光拡散フィルムは、その用途や顧客要求にマッチした特性へのカスタマイズによりさらに優位性を発現し、スマートウォッチなどの反射型ディスプレイ用に採用が加速しました。そのほか、プロジェクションスクリーンや反射型サインとしてのデモ試験が活発になっています。中でもプロジェクションスクリーンは既存構造物の側面に設置可能で、国際スポーツイベントなどに伴う普及促進が見込まれています。
その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は
靴やかばんなどに使われる合成皮革には、その製造過程で合成皮革の表面に光沢感や柄を付与する高品質な工程紙が使われており、当社はその開発・拡販を進めています。当期は従来の高光沢なエナメル調に加え、真珠のような高級感のある光沢感が得られるアイテムを新たに発売し、靴やかばん用途で注目を集めました。また、エンボス柄もトレンドに合わせたさまざまな柄を開発し、工程紙の品ぞろえを拡充しています。
剥離紙や剥離フィルムに加工される剥離処理剤は、ナノメートルオーダーという極薄膜である必要性から、これまでは有機溶剤希釈による塗布・乾燥での製膜が主流でした。しかし、環境保全が強く求められる昨今、当社としても積極的に高濃度化や無溶剤化によるVOC排出量の削減に取り組んでおり、当期もその処方開発に注力しました。
その他の研究開発活動を含め、当セグメントの研究開発費は