第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

①人を育てる

②技術を育てる

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

 

当社グループは、『クリーン、ヘルス、セーフティ』を事業領域とし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を供給して社会に貢献することを経営の基本方針としております。

この方針の下、「世の中にない」「真に役立つ」を研究開発の出発点とし、“大きい企業”ではなく、規模の拡大はゆっくりであっても、世界にない、当社にしかできない「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品をもつ“強い企業” =「技術立社」になることが私たちの目標です。そして、市場や顧客の“ニーズ”に素早く対応することよりも、顧客が未だ気づいていない“ウォンツ”を他社に先駆けて見出して製品化を行い、市場そのものを創造することを常に目指します。

その実現の為に、人間の尊厳である“イマジネーション”と“クリエーション”の発揮を社員全員に求め、結果として「他社に追随しない」「徹底して研究する」ことで、新たな技術革新と独創的な製品開発を続けて参ります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、堅実性と成長性をともに重視し、企業収益の拡大を目指しております。そして、その事業展開に際し、営業利益の拡大及び営業利益率の向上を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

マスク関連事業においては、国内産業用マスクのトップメーカーとしての地位を一層強固なものにするとともに、医療及び一般市場におけるマスクシェアの安定的拡大を図って参ります。

その他事業(環境関連事業等を含む)においては、オープンクリーンテクノロジーという考えに基づく気流制御とナノファイバーフィルタ製造という2つの世界初の新技術を用いたクリーン分野での成長を促進させて参ります。また、医療現場に存在する健康被害リスクを低減する内視鏡洗浄消毒装置や換気装置等を医療市場で浸透させること、新開発の抗菌剤による、既存製品の高付加価値化、医療機器や抗菌製品の開発、抗菌剤としての素材提供などを行い、事業の柱として育成して参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは、企業価値の更なる向上と持続的な発展・成長を実現するために、3つの経営理念「人を育てる」「技術を育てる」「クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる」を基に、それぞれの課題に継続して取り組んでおります。

 

①人を育てる

当社グループは、社員の生きがいと企業の存続を両立させてこそ企業としての存在価値があり、また社員の幸福や生きがいは、雇用された社員の尊厳が、企業の活動の中にも存在していることが重要との考えに立った人事管理制度「興研トータル人事システムHOPES(ホープス)」を確立し、20年以上に亘って運用して参りました。

この人事制度「HOPES」は、専門能力、業務実績達成能力、管理能力をそれぞれ別の能力と見て、社員一人ひとりを3つの角度(3軸)で独立して評価・運用した多様性を受容する人事システムで、年齢、性別、勤続年数を問わず活躍の場が与えられ、常に意欲のある人材を適所に登用しております。

事業の発展・拡大には、適所適材の人材配置が必要であり、そのための継続的育成が不変の課題となります。当社グループは、専門知識・能力向上を図る社内研修プログラムによって計画的に人材育成を進めております。

管理職を目指す女性社員が少ないという現状に合わせて、かねてより「HOPES」の3軸の評価と昇格制度を有する人事制度を運用してきたことにより、今では女性社員のうち45%が主任以上の資格役職者となり、42%がマイスターという専門能力の資格を取得しています。資格役職者の比率は現在男性社員を上回っておりますが、更に管理職を含めて、女性がより総合的に活躍できる企業体となることを目指し、取り組んでおります。

 

 

②技術を育てる

当社グループが創業以来、守り続けてきた「他社に追随しない」「徹底的に研究する」という研究開発の理念を技術開発員一人ひとりに徹底・浸透させるため、マトリクス型の研究開発体制や技術専門能力を高めるマイスター制度、技術開発員と取締役が全員参加する月例研究発表会といった当社グループ独自の仕組みを作り、運用しています。その結果、オンリーワン、ナンバーワン製品が次々と生まれ、特許、意匠、商標、先使用権を合わせた知的財産権は、2018年12月末現在、国内167件、海外120件を保有するに至っております。

技術立社としての成長を目指す当社グループにとって知的財産は事業戦略・経営戦略上、常に重要課題です。社内に「知財会議」「発明審査委員会」を設け、出願方針の決定はもとより職務発明の評価及び知的財産に関わる規程類を整備・確立し、開発段階からの保有特許技術の活用についても常に検討を重ねております。

現在も国内20件、海外61件を特許出願中であり、引き続き知的財産の質・量ともに向上させ、新技術の実用化・事業化に向けた戦略的取り組みを実行して参ります。

2018年9月、当初の計画通り興研株式会社「先進技術センター」を竣工いたしました。当センターは、各事業所に分散していた研究開発部門の集結による経営の効率化、社外の諸機関・企業との連携や共同研究の推進及び研究開発の強化と人材育成を主たる目的として建設したものです。

今後、当センターを中心として「技術を育てる」力を大きく成長させ、持続的な発展、企業価値の向上を目指します。

 

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

当社グループは、独自技術を「クリーン、ヘルス、セーフティ」の各分野に提供することで、新しい市場の開拓とその発展に貢献し続けます。

 

<クリーン> 技術・生産の飛躍的進化への貢献を目指します

オープンクリーンシステム「KOACH(コーチ)」は、『スーパークリーン(世界最上級の清浄度)』を、周りを囲うことなく短時間かつ低消費電力で形成する革新的なクリーンシステムです。当社グループは、この「KOACH」を先進的技術開発を支える必須デバイスとして世界最先端の研究機関・施設から、クリーンルームを高嶺の花と捉えていた中小企業に至るまで、広く普及させることを使命的課題として取り組んでおります。

市場投入時は「KOACH」が作り出す『スーパークリーン』という特長を訴求する営業展開を行い、そのスペックを渇望していた研究機関・施設など、限られた分野での先行導入が進みました。

そして現在は、「KOACH」によってもたらすことができる、本質的要求である『アクチュアルクリーン(実際の作業時の清浄度)』が各導入先で実証されて「KOACH」の評価が更に高まり、その採用分野、市場は確実に拡大しています。

従来のクリーンルームはその清浄度を維持するには、汚染物質を「持ち込まない」、「発生させない」、「堆積させない」という原則を守るための『厳格なクリーン管理』が求められ、大きな負担がかかっていました。それに対し「KOACH」は、独自のクリーン化技術によって、汚染物質を「持ち込んでも直ちに排出できる」、「発生させても直ちに排出できる」、「空気が滞留しないため堆積しない」ことから、その管理は簡便で済み、その負担は極めて少なくなります。「KOACH」はクリーンルームの原則のあり方そのものを覆してしまうクリーンデバイスであり、この特長が高く評価され需要が拡大しています。

当社グループは今後も作業中の清浄度を重視する『アクチュアルクリーン』の啓発を続けて参ります。そして従来型のクリーンデバイスに必要な『厳格なクリーン管理』に伴う大きな負担に対し、「KOACH」導入による負担緩和で大きな顧客メリットが得られる提案営業など、「KOACH」が持つ様々な新技術の革新性を訴求することで、科学技術や日本の製造業の飛躍的進化に大いに貢献できるものと確信しております。

 

<ヘルス> 製品開発を加速させ新事業の展開を図ります

使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズは、フィット性能の高さが認められ、医療機関向けとして販売が着実に拡大しています。フィット性能の高いマスクが必要なお子様や妊婦の方々、鼻・咳アレルギー症状に悩む方々への普及拡大に努めて参ります。

確実な洗浄消毒と低ランニングコストを実現する全自動内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍(かがみないし)」については、次世代機の開発にも取り組み、ユーザー満足度の高いサービスの提供をベースに、積極的な営業展開を図ります。

高い抗菌作用、防カビ性、抗ウイルス性を持ち合わせながら、生体安全性が高く、環境にも優しい乳酸銅塩系抗菌剤「イマディーズ®」については、他の多くの抗菌剤との差別的な特長を見出して、共同研究を含め市場化に向けた研究を続けて参ります。

 

 

<セーフティ> マスクの更なる普及を目指します

本分野の主力製品であるマスクは、製造業が主要顧客ですが、近年、その就業者数は漸減傾向にあります。一方、昨年厚生労働省より示された第9次粉じん障害防止総合対策では電動ファン付き呼吸用保護具の使用が勧奨されるなど、有害物質の規制及び呼吸用保護具の使用の徹底・強化は年々高まっており、電動ファン付き呼吸用保護具をはじめとする高機能・高付加価値製品の需要が見込まれます。

女性の社会進出によって、最近では製造業、建設・土木業など作業用マスクを必要とする現場にも女性の姿が見られるようになってきました。当社グループは、そこで働く女性も安全で快適に作業できるマスクが必要と考え、開発に着手しました。既に製品化を完了しており、まもなく発売を開始する予定です。

当社グループは、今後も女性を含めた働く人々のより安全で快適な作業を支えるため、需要拡大が見込まれる電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズや使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズをはじめとした高機能・高付加価値製品の開発・普及を通じ、これまで培ってきた安全・安心の興研ブランドを更に高めることに注力して参ります。

また、これまで自衛隊装備品である防護マスクを「4形(1985年~1999年)」、「00式(2000年~2018年現在)」と2世代に亘って製造・納入して参りましたが、この度次世代防護マスクの開発が進められることとなり、当社グループでは、独自技術“呼吸追随システム”など、様々な革新的技術を搭載した試作マスクの納入を行いました。その結果、“呼吸追随システム”などの新技術を採用した次世代防護マスク「18式個人用防護装備防護マスク」が仕様書化され、先般、当「18式防護マスク」の契約締結に至りました。これで、「4形」「00式」に次いで「18式」と3世代の防護マスクを続けて納入することになります。

昨今の震災や台風被害など、自然災害の復旧・復興作業において、フィットするマスクの重要性が益々認識される中、当社グループは、全国各地の自治体等に対し、エマージェンシー対策製品の備蓄、装着訓練の推奨活動を続けております。

2018年5月には、福島県と災害時の物資調達に関する協定を締結するなど、今後も官民を問わず国民の安全・安心に役立つマスクの開発、供給に努めて参ります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書の提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

①研究開発について

当社グループは、研究開発型企業として『クリーン、ヘルス、セーフティ』に係わる革新性の高い製品を市場に供給することを目的に経営資源を投入しておりますが、研究開発の全てが、新製品の開発や営業収益の増加に結びつくとは限らず、また、諸事情により研究開発を中止せざるを得なくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはオリジナリティの高い技術をベースとした製品開発について、必要な知的財産の保護手続きを行い既に特許等の知的財産も多数保有しておりますが、その独自の技術を法的制限のみで完全に保護することには限界があり、第三者が当社の知的財産を用いた模倣品や類似品の製造、販売を防止できない可能性があります。そうした事象が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②法的規制について

当社グループの事業は、「労働安全衛生法」「医薬品医療機器等法」「製造物責任法」等の様々な法規制に関連しており、これら法規制を遵守すべくコンプライアンス体制並びに内部統制の強化に努めて参ります。

万一、これら法規制に適合しない事象が発生した場合、製品の回収に加え当社グループが進めている事業に制限が出る可能性があります。また、新たな法規の制定や改正がなされた場合は、設備投資等の新たな費用が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③品質保証・品質管理について

当社グループの製品は、過酷な環境下での使用が想定されることに加え、使用者の安全と健康を守るという目的から、より高い耐久性、信頼性が求められます。当社グループは、社長直轄の品質に関わる独立した部門である品質保証室を設置するとともに、ISO 9001に基づく品質マネジメントシステムを構築及び維持することにより、万全な品質保証体制を取っています。そして品質保証室は、各テクノヤード(製造拠点)に製品検査員を配置し、テクノヤードの製造工程、検査工程の監視を行っております。当然のことながら各テクノヤードは、日本工業規格、厚生労働省国家検定規格及び当社独自の厳格な品質保証・品質管理基準による製品の製造を行っております。

以上、万全な品質保証・品質管理体制を維持、強化しておりますが、万一、厚生労働省の呼吸用保護具買取り試験による不適合の指摘を予期せぬ要因で受けたり、製品の欠陥及び故障が発生したりした場合は、回収、修理費用等の負担などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④災害及び感染症等について

社グループの製造拠点であるテクノヤードでは、従前より地震リスクの調査を受診し、その結果に基づいた事業継続計画を実行し、震災時においても混乱なく生産が再開できる体制を整えております。しかしながら、拠点近辺を震源地とする直下型の大地震や自然災害、その他予期せぬ事故及び新型インフルエンザ等の感染症の拡大によって、生産活動の停止等、事業活動の継続に支障をきたす事象が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、感染症対策として自社製の感染対策用マスクを従業員全員へ配布するとともに、各事業所での備蓄を行っております。

 

⑤環境問題について

当社グループの研究所とテクノヤードの計2ヶ所において、これまでに発生したトリクロロエチレンによる土壌・地下水汚染の浄化対策を継続的に実施しておりますが、浄化が完了する時期の想定が現在の段階では難しく、浄化対策が長期間を要した場合、その対策に関わる費用は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報セキュリティについて

当社グループは、事業遂行に関連して、技術、営業、その他、事業に関する機密情報を多数有しております。情報管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦内部統制について

当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。しかしながら、内部統制システムには一定の限界があり、構築した内部統制システムにおいて想定する範囲外の事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧海外子会社について

生産子会社としてタイに設立したSIAM  KOKEN LTD.は、順調なマスク製造を続け、当社グループの利益拡大に寄与し始めておりますが、タイに関する政治・社会情勢及び法規制や為替動向などによって予測し得ない事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(2018年1月~12月)における我が国経済は、自然災害の影響によって国内景気は一時鈍化を見せたものの、好調な企業業績に支えられた設備投資の増加や雇用・所得環境の改善を背景とし、総じて緩やかな回復基調で推移しました。一方で、貿易摩擦を背景とした通商問題の不確実性は世界経済や金融資本市場に悪影響を色濃く顕わし、先行きへの懸念は更に高まっています。

このような経営環境の中、当社グループでは『クリーン、ヘルス、セーフティ』各市場において掲げた重点施策への取り組みを進めました。当年度は、期初計画に官需(自衛隊用防護マスク等)の納入数量減と中国向け大気汚染対策用マスクの需要減を織り込み、産業向けの防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズ及びオープンクリーンシステム「KOACH」の拡販に注力することで増収を見込み取り組んで参りましたが、中国向けマスクの販売がほぼゼロとなったことに加え「KOACH」の販売が期初計画まで至らなかったことから、売上高は前連結会計年度実績、期初計画数値を下回る83億26百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。

利益につきましては、材料等の値上げによる原価アップや9月に竣工した先進技術センターに関わる費用計上も加わり、営業利益4億66百万円(同35.7%減)、経常利益4億20百万円(同36.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3億58百万円(同27.1%減)となりましたが、全社を挙げた調達の最適化、生産の効率化、その他業務全般の合理化に取り組んだ結果、それぞれ期初計画を上回る額を確保いたしました。

セグメント別の業績は以下の通りです。

 

(マスク関連事業)

当事業の主要顧客である国内製造業は、設備、雇用、生産ともに後半弱含みながらも総じて増勢傾向にあり、これを防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズの販売増につなげました。また使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズの販売は、中国向け大気汚染対策用を除けば、産業用、医療機関用ともに順調に推移しました。これらにより、当事業の売上高は71億64百万円(同5.5%減)となりました。

 

(その他事業/環境関連事業等を含む)

オープンクリーンシステム「KOACH」については、『アクチュアルクリーン(実際の作業中の清浄度)』を訴求する営業活動を代理店、販売店と協働で行った結果、前連結会計年度実績に対し販売台数を3割強伸ばしました。ルーム型のフロアーコーチという大型機種の販売比率が高かったことと、第2四半期に市場投入した高付加価値製品である“ステンレス仕様”“防爆環境仕様”の実績が加わったことにより、売上高は4割増の成果が得られ、当事業の売上高は過去最高の11億62百万円(同32.8%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、189億15百万円(前連結会計年度末173億54百万円)となり15億60百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が20億42百万円増加したこと等によるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、93億28百万円(前連結会計年度末79億26百万円)となり14億2百万円増加いたしました。これは主に、固定負債が長期借入金の増加等により14億17百万円増加したこと等によるものです。

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、95億87百万円(前連結会計年度末94億28百万円)となり、自己資本比率は50.7%(前連結会計年度末54.0%)となりました。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、11億80百万円となり、前連結会計年度末と比較して6億27百万円減少いたしました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は4億90百万円(前連結会計年度は9億19百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が4億77百万円となったこと等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は22億7百万円(前連結会計年度は11億23百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出24億78百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は10億84百万円(前連結会計年度は1百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入25億23百万円及び長期借入金の返済による支出12億17百万円等によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

前年同期比

(%)

マスク関連事業(千円)

8,801,855

96.2

その他事業(千円)

1,147,583

132.2

合計(千円)

9,949,438

99.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

前年同期比

(%)

マスク関連事業(千円)

7,164,217

94.5

その他事業(千円)

1,162,439

132.8

合計(千円)

8,326,657

98.4

 (注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ミドリ安全用品㈱

1,437,978

17.0

1,373,870

16.5

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

(経営成績の分析)

当連結会計年度は、売上高83億26百万円(前連結会計年度比1.6%減)、営業利益4億66百万円(同35.7%減)、経常利益4億20百万円(同36.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3億58百万円(同27.1%減)となりました。

a.売上高

期初計画に官需(自衛隊用防護マスク等)の納入数量減と中国向け大気汚染対策用マスクの需要減を織り込み、産業向けの防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズ及びオープンクリーンシステム「KOACH」の拡販に注力することで増収を見込み取り組んで参りましたが、中国向けマスクの販売がほぼゼロとなったことに加え「KOACH」の販売が期初計画まで至らなかったことから、売上高は前連結会計年度実績、期初計画数値を下回る83億26百万円(前連結会計年度比1.6%減)となりました。

 

b.売上原価

売上原価は、前連結会計年度比1.1%増44億41百万円となりました。

これは材料等の値上げによる原価アップ等によるものです。

 

c.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比2.3%増34億18百万円となりました。

これは9月に竣工いたしました先進技術センターの開設に伴う諸経費を計上したこと等によるものです。

 

d.営業利益

営業利益は、4億66百万円となり、前連結会計年度に比べ2億59百万円の減益となりました。

 

e.営業外損益

営業外収益は、26百万円となり、前連結会計年度に比べ1百万円増加いたしました。

営業外費用は、72百万円となり、前連結会計年度に16百万円減少比べいたしました。これは主に前期に計上した支払手数料が22百万円減少したこと等によるものです。

 

f.経常利益

経常利益は、4億20百万円となり、前連結会計年度に比べ2億41百万円の減益となりました。

 

g.特別損益

特別利益は、60百万円となり、前連結会計年度に比べ60百万円増加いたしました。これは新株予約権戻入益60百万円によるものです。

特別損失は、3百万円となり、前連結会計年度に比べ3百万円増加いたしました。

 

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億58百万円となり、前連結会計年度に比べ1億33百万円の減益となりました。

 

(財政状態の分析)

 a.総資産

総資産は、前連結会計年度に比べ15億60百万円増加し、189億15百万円となりました。

 

b.流動資産

流動資産は、前連結会計年度に比べ4億93百万円減少し、66億62百万円となりました。

これは主に、現金及び預金が6億27百万円減少したことと、受取手形及び売掛金が1億81百万円増加したこと等によるものです。

 

c.固定資産

固定資産は、前連結会計年度に比べ20億53百万円増加し、122億52百万円となりました。

これは主に、先進技術センター竣工に伴い有形固定資産が20億42百万円増加したこと等によるものです。

 

d.流動負債

流動負債は、前連結会計年度に比べ15百万円減少し、37億67百万円となりました。

これは主に、1年内返済予定の長期借入金が1億31百万円増加したことと賞与引当金が82百万円減少したこと、及び未払法人税等が20百万円減少したこと等によるものです。

 

e.固定負債

固定負債は、前連結会計年度に比べ14億17百万円増加し、55億60百万円となりました。

これは主に、先進技術センター竣工に伴い長期借入金が11億73百万円増加したことと、リース債務が1億80百万円増加したこと等によるものです。

 

f.純資産

純資産合計は、前連結会計年度に比べ1億58百万円増加し、95億87百万円となりました。

これは主に、利益剰余金合計が2億7百万円増加したこと等によるものです。

 

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の54.0%から50.7%となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

a.キャッシュ・フローの状況分析

営業活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ4億29百万円減少し、4億90百万円の収入となりました。前連結会計年度との差額は、主に税金等調整前当期純利益が1億85百万円減少したことと賞与引当金の増減額が1億34百万円減少したこと、及び仕入債務の増減額が86百万円減少したこと等によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ10億84百万円減少し、22億7百万円の支出となりました。前連結会計年度との差額は、有形固定資産の取得による支出が13億11百万円増加したこと等によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ10億86百万円増加し、10億84百万円の収入となりました。前連結会計年度との差額は、長期借入れによる収入が11億6百万円増加したこと等によるものであります。

 

b.資金需要

運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の購入のほか、製造費、営業費用及び法人税等の支払等によるものであります。投資の目的とした資金需要の主なものは、建物、機械設備等の購入など設備投資です。

 

c.財務政策

当社グループは、通常の事業活動に必要な流動性を確保しつつ、機動的な設備投資を実施する為の資金需要にも対応できる資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

運転資金及び設備投資資金については自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は75億33百万円、現金及び現金同等物の残高は11億80百万円であります。

 

(5)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りです。

 

(6)経営戦略の現状及び見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発は、当社の事業領域である『クリーン、ヘルス、セーフティ』に対し、自由で独創的な技術開発とその多面的応用を目指して活動しております。そして未来技術の基礎開発・応用開発にプロジェクトチームを含めマトリクス型の研究体制を敷いております。なお、研究開発担当人員は77名、当連結会計年度の研究開発費は、総額6億35百万円であります。

 当連結会計年度中の主な開発製品は以下の通りです。

 

◇使い捨て式防じんマスク サカヰ式ハイラック330型・335型

 製造業や建設業の発塵現場で働く女性も、安全で快適に作業できる使い捨て式防じんマスクとして開発いたしました。

 

<主な特長>

 ・使い捨て式防じんマスク厚生労働省国家検定合格品

   合格番号 330型(第TM729号)、335型(第TM730号)

 ・小さな顔にもフィットするサイズ、形状(FFリップ採用)

 ・ヘルメット着用時でも着脱が容易で耳が痛くなりにくいフック式のしめひも

 ・マスクを着用したまましめひもの調節が可能

 ・標準タイプの330型と排気弁から呼気を排出し蒸れにくい335型の2種類あり

 

 

◇オープンクリーンシステム「KOACH」《ステンレス仕様品、防爆環境仕様品》

 オープン状態でも清浄空間を形成できる「KOACH」シリーズのラインナップに“ステンレス仕様”と“防爆環境対応仕様”を加えました。これまでの「KOACH」では対応できていなかった作業環境でもご使用頂けます。

 

<ステンレス仕様品の主な特長>

・錆が発生しやすく腐食が心配といった現場での使用を考慮し、筐体にステンレスを採用

 ・テーブルコーチ「KOACH T 500-F-SUS」、スタンドコーチ「KOACH C 645-F-SUS」・「KOACH C 900-F-SUS」の3機種あり

・装置表面を水や消毒剤で払拭作業することが必要な食品や製薬などの分野でも使用可能

 

 

<防爆環境仕様品の主な特長>

・ファン等の電気系統を防爆環境のエリア外に設置する構造

・スタンドコーチ「KOACH C 900-F-D」・「KOACH C 645-F-D」、テーブルコーチ「KOACH T 500-F-D」の3機種あり

・揮発性ガスが発生する半導体や有機溶剤を使用する精密塗装などの防爆環境下でも使用可能