第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

経営理念

①人を育てる

②技術を育てる

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

 

当社グループは、『クリーン、ヘルス、セーフティ』を事業領域とし、オリジナリティの高い技術をベースとした製品を供給して社会に貢献することを経営の基本方針としております。

この方針の下、「世の中にない」「真に役立つ」を研究開発の出発点とし、“大きい企業”ではなく、規模の拡大はゆっくりであっても、世界にない、当社にしかできない「オンリーワン」「ナンバーワン」の技術・製品を持つ“強い企業” =「技術立社」になることが私たちの目標です。そして、市場や顧客の“ニーズ”に素早く対応することよりも、顧客が未だ気づいていない“ウォンツ”を他社に先駆けて見出して製品化を行い、市場そのものを創造することを常に目指します。

その実現の為に、人間の尊厳である“イマジネーション”と“クリエーション”の発揮を社員全員に求め、結果として「他社に追随しない」「徹底して研究する」ことで、新たな技術革新と独創的な製品開発を続けて参ります。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、堅実性と成長性をともに重視し、企業収益の拡大を目指しております。そして、その事業展開に際し、営業利益の拡大及び営業利益率の向上を目標としております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

マスク関連事業においては、国内産業用マスクのトップメーカーとしての地位を一層強固なものにするとともに、医療及び一般市場におけるマスクシェアの安定的拡大を図って参ります。

その他事業(環境関連事業等を含む)においては、オープンクリーンテクノロジーという考えに基づく気流制御とナノファイバーフィルタ製造という2つの世界初の新技術を用いたクリーン分野での成長を促進させて参ります。また、医療現場に存在する健康被害リスクを低減する内視鏡洗浄消毒装置や換気装置等を医療市場で浸透させること、新開発の抗菌剤による、既存製品の高付加価値化、医療機器や抗菌製品の開発、抗菌剤としての素材提供などを行い、事業の柱として育成して参ります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当社グループは、企業価値の更なる向上と持続的な発展・成長を実現するために、3つの経営理念「人を育てる」「技術を育てる」「クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる」を基に、それぞれの継続的課題に取り組んでおります。

 

①人を育てる

当社グループは、社員の生きがいと企業の存続を両立させてこそ企業としての存在価値があり、また社員の幸福や生きがいは、雇用された社員の尊厳が、企業の活動の中にも存在していることが重要との考えに立った人事管理制度「興研トータル人事システムHOPES(ホープス)」を1995年に確立し、20年以上に亘って運用して参りました。

この人事制度「HOPES」は、業務実績達成能力、専門能力、管理能力をそれぞれ別の能力と見て、社員一人ひとりを3つの角度(3軸)で独立して評価・運用した多様性を受容する人事システムで、年齢、性別、勤続年数を問わず活躍の場が与えられ、常に意欲のある人材を適所に登用しております。

当社グループでは、事業の発展・拡大のため、専門知識・能力向上を図る社内研修プログラムによって計画的に人材育成を進めております。

管理職を目指す女性社員が少ないという現状に合わせて、かねてより3軸の評価と昇格制度を有する人事制度を運用してきたことにより、主任以上の資格役職者の比率は既に女性社員が上回っております。また、女性社員の管理役職者は2年前までは1名でしたが、現在は5名となりました。今後も女性を含め社員全員がそれぞれの特徴を発揮し、総合的に活躍できる企業体となることを目指し取り組んで参ります。

 

 

②技術を育てる

当社グループが創業以来、守り続けてきた「他社に追随しない」「徹底的に研究する」という研究開発の理念を技術開発員一人ひとりに徹底・浸透させるため、マトリクス型の研究開発体制を敷き、技術専門能力を評価するマイスター制度や技術開発員と取締役全員参加による月例研究発表会といった当社グループ独自の仕組みを作り、運用しています。その結果、オンリーワン、ナンバーワン製品が次々と生まれ、特許、意匠、商標、先使用権を合わせた知的財産権は、2019年12月末現在、国内175件、海外152件を保有するに至っております。

今後も取得する知的財産の質・量ともに向上させることを重要課題として取り組んで参ります。

技術立社としての成長を目指す当社グループにとって知的財産は事業戦略・経営戦略上、常に重要課題です。社内に「知財会議」「発明審査委員会」を設け、出願方針の決定はもとより社員個々の職務発明の評価及び知的財産に関わる規程類を整備・確立し、開発段階からの保有特許技術の活用についても常に検討を重ねております。

研究開発部門の集結、研究者間の交流・連携の深耕及び研究開発の強化、人材育成を図ることを主たる目的として建設した「先進技術センター」は、『クリーン、ヘルス、セーフティ』各分野における技術開発、製品開発はもとより、社外の諸機関・企業との連携や共同研究を推進する拠点となっております。

今後、当センターを中心として「技術を育てる」力を大きく成長させ、持続的な発展、企業価値の向上を目指します。

 

③クリーン、ヘルス、セーフティの分野で新市場を育てる

当社グループは、独自技術を『クリーン、ヘルス、セーフティ』の各分野に提供することで、新しい市場の開拓とその発展に貢献し続けます。

 

<クリーン> 技術・生産の飛躍的進化への貢献を目指します

オープンクリーンシステム「KOACH」は、世界最上級の清浄空間を、周りを囲うことなく短時間かつ低消費電力で形成する革新的なクリーンシステムです。当社グループは、この「KOACH」を先進的技術開発を支える必須デバイスとして世界最先端の研究機関・施設から、クリーンルームを高嶺の花と捉えていた中小企業に至るまで、広く普及させることを使命的課題として取り組んでおります。

2019年3月、クリーンルームに関するJISが改正されました。本改正は、クリーンルームの高性能化、管理の厳格化を求めていることから、当社グループがこれまで訴求してきた『スーパークリーン(世界最上級の清浄度)』、『アクチュアルクリーン(実際の作業中の清浄度)』を実現するオープンクリーンシステム「KOACH」の優位性、実用性が更に高まると予想されます。

食品関連市場では、現在、食品ロスの一因とされる浮遊菌・カビ等の微生物の混入対策が進められており、「KOACH」はその対策に寄与する機器・設備として注目を集めております。今後、食品衛生管理のコンサルティングや教育を行う企業と連携した営業活動を進めて参ります。

当社グループは今後も作業中の清浄度を重視する『アクチュアルクリーン』の啓発を続け、従来型のクリーンデバイスに必要な『厳格なクリーン管理』に伴う大きな負担に対し、「KOACH」導入による負担緩和で大きな顧客メリットが得られる提案営業など、「KOACH」が持つ様々な新技術の革新性を訴求することで、科学技術や日本の製造業の飛躍的進化に大いに貢献できるものと確信しております。

 

<ヘルス> 製品開発を加速させ新事業の展開を図ります

使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズは、フィット性能の高さが認められ、医療機関向けとして販売が着実に拡大しています。フィット性能の高いマスクが必要なお子様や妊婦の方々、鼻・咳アレルギー症状に悩む方々への普及拡大に努めて参ります。

新製品の内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」は、業界唯一の自動ブラッシング機能を搭載し、電解水を使用することにより、洗浄消毒時間は業界一の速さを誇ります。誰でも簡単に洗浄消毒でき、洗浄消毒スタッフの方々のご負担を大幅に軽減する機能を有するこれまでにない製品です。発売当初より初見の医師、看護師、洗浄消毒スタッフの方々から高いご評価を頂いております。今後はこうした高いご評価を後ろ楯に既存機器の更新需要に加え、新規導入への普及拡大に注力して参ります。

 

 

<セーフティ> マスクの更なる普及を目指します

本分野の主力製品であるマスクは、製造業が主要顧客ですが、近年、その就業者数は漸減傾向にあります。一方、厚生労働省より示された第9次粉じん障害防止総合対策に加え、化学物質による労働者の健康障害防止措置や化学物質等の管理のあり方に関する検討も続けられています。今後は、対象となる粉じんや化学物質への規制強化、管理強化に対応した新製品開発はもとより、顧客への適正な情報提供を行い、実需の掘り起こしにつなげて参ります。

女性の社会進出によって、最近では製造業、建設・土木業など作業用マスクを必要とする現場にも女性の姿が見られるようになってきました。そうした中、働く女性も安全で快適に作業できるマスクが必要との考えから製品化を行い、2019年4月より「ハイラック330型・335型」として発売しております。

当社グループは、今後も女性を含めた働く人々のより安全で快適な作業を実現するため、需要拡大が見込まれる電動ファン付き呼吸用保護具「ブレスリンク」シリーズや使い捨て式マスク「ハイラック」シリーズをはじめとした高機能・高付加価値製品の開発・普及を通じて、これまで培ってきた安全・安心の興研ブランドを更に高めることに注力して参ります。

 

2【事業等のリスク】

当社グループの事業、経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

 なお、文中における将来に関する事項は、本書の提出日現在において当社グループが判断したものです。

 

①研究開発について

当社グループは、研究開発型企業として『クリーン、ヘルス、セーフティ』に係わる革新性の高い製品を市場に供給することを目的に経営資源を投入しておりますが、研究開発の全てが、新製品の開発や営業収益の増加に結びつくとは限らず、また、諸事情により研究開発を中止せざるを得なくなった場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループはオリジナリティの高い技術をベースとした製品開発について、必要な知的財産の保護手続きを行い既に特許等の知的財産も多数保有しておりますが、その独自の技術を法的制限のみで完全に保護することには限界があり、第三者が当社の知的財産を用いた模倣品や類似品の製造、販売を防止できない可能性があります。そうした事象が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

②法的規制について

当社グループの事業は、「労働安全衛生法」「医薬品医療機器等法」「製造物責任法」等の様々な法規制に関連しており、これら法規制を遵守すべくコンプライアンス体制並びに内部統制の強化に努めて参ります。

万一、これら法規制に適合しない事象が発生した場合、製品の回収に加え当社グループが進めている事業に制限が出る可能性があります。また、新たな法規の制定や改正がなされた場合は、設備投資等の新たな費用が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

③品質保証・品質管理について

当社グループの製品は、過酷な環境下での使用が想定されることに加え、使用者の安全と健康を守るという目的から、より高い耐久性、信頼性が求められます。当社グループは、社長直轄の品質に関わる独立した部門である品質保証室を設置するとともに、ISO 9001に基づく品質マネジメントシステムを構築及び維持することにより、万全な品質保証体制を取っています。そして品質保証室は、各テクノヤード(製造拠点)に製品検査員を配置し、テクノヤードの製造工程、検査工程の監視を行っております。当然のことながら各テクノヤードは、日本産業規格、厚生労働省国家検定規格及び当社独自の厳格な品質保証・品質管理基準による製品の製造を行っております。

以上、万全な品質保証・品質管理体制を維持、強化しておりますが、万一、厚生労働省の呼吸用保護具買取り試験による不適合の指摘を予期せぬ要因で受けたり、製品の欠陥及び故障が発生したりした場合は、回収、修理費用等の負担などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

④災害及び感染症等について

社グループの製造拠点であるテクノヤードでは、従前より地震リスクの調査を受診し、その結果に基づき、震災時においても混乱なく生産が再開できる体制の構築に努めております。しかしながら、拠点近辺を震源地とする直下型の大地震や台風などの自然災害、その他予期せぬ事故及び新型コロナウイルス等による感染症の拡大によって、生産活動の停止等、事業活動の継続に支障をきたす事象が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、感染症対策として自社製の感染対策用マスクを従業員全員へ配布するとともに、各事業所での備蓄を行っております。

 

⑤環境問題について

当社グループの研究所とテクノヤードの計2ヶ所において、これまでに発生したトリクロロエチレンによる土壌・地下水汚染の浄化対策を継続的に実施しておりますが、浄化が完了する時期の想定が現在の段階では難しく、浄化対策が長期間を要した場合、その対策に関わる費用は当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥情報セキュリティについて

当社グループは、事業遂行に関連して、技術、営業、その他、事業に関する機密情報を多数有しております。情報管理には万全を期しておりますが、予期せぬ事態により情報が流出した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦内部統制について

当社グループは、業務の有効性及び効率性、財務報告の信頼性、事業活動に係る法令等の遵守並びに資産の保全という観点から内部統制システムの充実に努めております。しかしながら、内部統制システムには一定の限界があり、構築した内部統制システムにおいて想定する範囲外の事態が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧海外子会社について

生産子会社としてタイに設立したSIAM  KOKEN LTD.は、順調なマスク製造を続け、当社グループの利益拡大に寄与しておりますが、タイに関する政治・社会情勢及び法規制や為替動向などによる予測し得ない事態の発生及び自然災害や感染症が拡大した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度(2019年1月~12月)は、米中間の貿易戦争とハイテク摩擦の激化が中国経済を下押しし、また、英国のEU離脱をめぐる混乱などによって世界経済は減速して推移する中、国内景気はそれらの影響を色濃く受け、生産・輸出の鈍化を主因に特に後半は弱含みで推移しました。

このように極めて大きく変動した経営環境の中で、当社グループでは『クリーン、ヘルス、セーフティ』各市場において掲げた重点施策への取り組みを徹底して進めました。その結果、産業向けマスクは順調に売上を伸ばし、下半期から市場投入した内視鏡洗浄消毒装置の第2世代機「鏡内侍ⅡG」の販売も好調な滑り出しを見せ、当連結会計年度の実績は、売上高86億5百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益5億67百万円(同21.7%増)、経常利益5億28百万円(同25.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億71百万円(同3.5%増)となりました。売上高、利益ともに期初計画を達成し、前連結会計年度に対し増収増益という結果でした。

セグメント別の業績は以下の通りです。

 

(マスク関連事業)

産業用の防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具の販売が期を通して安定的であったことに加えて、“呼吸追随システム”などの最新技術を搭載した自衛隊装備品次世代防護マスク「18式」も計画通り納入が完了したことにより、売上高は75億12百万円(同4.9%増)となりました。

 

(その他事業/環境関連事業等を含む)

オープンクリーンシステム「KOACH(コーチ)」については、『アクチュアルクリーン(実際の作業時の清浄度)』及び「KOACH」導入による管理・コスト負担の緩和を訴求する営業活動を全国の代理店と協働して行って参りました。年度前半は順調に売上を伸ばしましたが、後半、企業の設備投資に急ブレーキがかかり、それに同調する様に大型機種「フロアーコーチ」において、中止もしくは先送りとなった事象が複数件発生しました。その結果、販売件数、販売台数、売上高、それぞれ前年度を上回る実績を確保いたしましたが、昨年までの伸び率を維持することはできませんでした。

7月発売の内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」は、従来の“自動ブラッシング機能”に加え、医療現場における検査、作業の軽減・効率化及び省スペース化等の新機能が高く評価され、順調に売上を伸ばした一方で、一昨年大きく伸びた官庁向け浄化装置の受注は反動減となりました。その結果、その他事業全体の売上高は10億92百万円(同6.0%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の資産合計は、183億38百万円(前連結会計年度末189億15百万円)となり5億77百万円減少いたしました。これは主に、有形固定資産が減価償却費の計上等により5億17百万円減少したこと等によるものです。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債合計は、85億42百万円(前連結会計年度末93億28百万円)となり7億86百万円減少いたしました。これは主に、長期借入金の返済等によるものです。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産合計は、97億96百万円(前連結会計年度末95億87百万円)となり、自己資本比率は53.4%(前連結会計年度末50.7%)となりました。

 

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、14億92百万円となり、前連結会計年度末と比較して3億11百万円増加いたしました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次の通りです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は17億49百万円(前連結会計年度は4億90百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が5億15百万円となったことと、減価償却費5億88百万円及び売上債権の減少額3億50百万円等によるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は24百万円(前連結会計年度は22億7百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が2億46百万円となったことと、有形固定資産の売却による収入2億69百万円等によるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は14億64百万円(前連結会計年度は10億84百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出11億92百万円等によるものです。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

(%)

マスク関連事業(千円)

9,178,917

104.3

その他事業(千円)

1,075,304

93.7

合計(千円)

10,254,221

103.1

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比

(%)

マスク関連事業(千円)

7,512,544

104.9

その他事業(千円)

1,092,786

94.0

合計(千円)

8,605,330

103.3

 (注)1.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

ミドリ安全用品㈱

1,373,870

16.5

1,331,742

15.5

(注)上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(経営成績の分析)

当連結会計年度は、売上高86億5百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益5億67百万円(同21.7%増)、経常利益5億28百万円(同25.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億71百万円(同3.5%増)となりました。

 

a.売上高

産業用の防じんマスク、防毒マスク、電動ファン付き呼吸用保護具の販売が期を通して安定的であったことに加えて、“呼吸追随システム”などの最新技術を搭載した自衛隊装備品次世代防護マスク「18式」も計画通り納入が完了したこと、また、下半期から市場投入した内視鏡洗浄消毒装置の第2世代機「鏡内侍ⅡG」の販売も好調な滑り出しを見せ、86億5百万円(前連結会計年度比3.3%増)となりました。

 

b.売上原価

売上原価は、前連結会計年度比2.7%増45億62百万円となり、売上原価率は53.0%となりました。

これは、製造経費の圧縮等に取り組んだ結果であり、前連結会計年度の売上原価率53.3%に比べ0.3ポイント減少しております。

 

c.販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度比1.7%増34億75百万円となり、売上高販管比率は40.4%となりました。

これは2018年秋より運用を開始した先進技術センターに関わる費用の増加見込みに対して、全社を挙げた販売費及び一般管理費の圧縮に努めた結果、前連結会計年度の売上高販管費率41.0%に比べ0.6ポイント減少しております。

 

d.営業利益

営業利益は、5億67百万円となり、前連結会計年度に比べ1億1百万円の増益となり、売上高営業利益率は6.6%となりました。前連結会計年度の売上高営業利益率5.6%に比べ1.0ポイント増加しております。

 

e.営業外損益

営業外収益は、54百万円となり、前連結会計年度に比べ28百万円増加いたしました。

営業外費用は、94百万円となり、前連結会計年度に比べ21百万円増加いたしました。

 

f.経常利益

経常利益は、5億28百万円となり、前連結会計年度に比べ1億8百万円の増益となりました。

 

g.特別損益

特別損失は、13百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円増加いたしました。

 

以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億71百万円となり、前連結会計年度に比べ12百万円の増益となりました。

 

(財政状態の分析)

 a.総資産

総資産は、前連結会計年度に比べ5億77百万円減少し、183億38百万円となりました。

 

b.流動資産

流動資産は、前連結会計年度に比べ1億10百万円減少し、63億81百万円となりました。

これは借入金の圧縮を目的とした債権流動化を行ったことにより、現金及び預金が3億11百万円増加し電子記録債権が5億8百万円減少したこと等によるものです。

 

c.固定資産

固定資産は、前連結会計年度に比べ4億67百万円減少し、119億56百万円となりました。

これは自衛隊装備品次世代防護マスク「18式」の製造開始により、製造に係る金型等の減価償却が開始したこと及び前連結会計年度に供用開始した先進技術センターの減価償却が進んだこと等によるものです。

d.負債

流動負債は、前連結会計年度に比べ7億52百万円増加し、45億20百万円となり、固定負債は、前連結会計年度に比べ15億39百万円減少し、40億21百万円となりました。

これは主に固定負債の長期借入金が、流動負債の1年内返済予定の長期借入金に振り替わったことによります。

 

e.純資産

純資産合計は、前連結会計年度に比べ2億9百万円増加し、97億96百万円となりました。

これは主に、利益剰余金合計が2億45百万円増加したこと等によるものです。

 

この結果、自己資本比率は、前連結会計年度の50.7%から53.4%となりました。

 

(資本の財源及び資金の流動性)

a.キャッシュ・フローの状況分析

営業活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ12億59百万円増加し、17億49百万円の収入となりました。前連結会計年度との差額は、主に債権流動化に伴う売上債権の減少により4億44百万円増加したことと減価償却費が1億27百万円増加したこと、及び賞与引当金の増加により1億12百万円増加したこと等によるものであります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ22億32百万円増加し、24百万円の収入となりました。前連結会計年度との差額は、有形固定資産の取得による支出が22億31百万円減少したこと等によるものであります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー:前連結会計年度に比べ25億49百万円減少し、14億64百万円の支出となりました。前連結会計年度との差額は、前連結会計年度は先進技術センターに係る設備投資のための借入れを行っており、当連結会計年度においては新規借入れを実施しなかったことにより収入が25億23百万円減少したこと等によるものであります。

 

b.資金需要

運転資金需要のうち主なものは、原材料及び貯蔵品の購入のほか、製造費、営業費用及び法人税等の支払等であります。投資の目的とした資金需要の主なものは、機械設備及び工具器具備品等の購入などの設備投資です。

 

c.財務政策

当社グループは、通常の事業活動に必要な流動性を確保しつつ、機動的な設備投資を実施する為の資金需要にも対応できる資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としています。

運転資金及び設備投資資金については自己資金のほか必要に応じて金融機関からの借入により調達しております。

当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は63億95百万円、現金及び現金同等物の残高は14億92百万円であります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載の通りです。

 

(4)経営戦略の現状及び見通し

「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の通りです。

 

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社の研究開発は、当社の事業領域である『クリーン、ヘルス、セーフティ』に対し、自由で独創的な技術開発とその多面的応用を目指して活動しております。そして未来技術の基礎開発・応用開発にプロジェクトチームを含めマトリクス型の研究体制を敷いております。なお、研究開発担当人員は77名、当連結会計年度の研究開発費は、総額830百万円であります。

 当連結会計年度中の主な開発製品は以下の通りです。

 

自衛隊装備品「18式個人用防護装備防護マスク」

 当社グループは、これまで自衛隊装備品である防護マスクを1985年度装備化の「4形」、2000年度装備化の「00式」の納入を行って参りましたが、“呼吸追随システム”などの最新技術を搭載した次世代防護マスクが正式採用となり、当連結会計年度に「18式個人用防護装備防護マスク」として納入いたしました。

 

<主な特長>

 ①隊員の方々の更なる防護性・安全性の向上並びに生理的負担の低減を実現する“呼吸追随システム”を搭載

 ②広視界を得るための1眼式のアイピース、吸収缶を左右に分けて装着する仕様

 

自動ブラッシング機能付き内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍ⅡG」

 世界初の「自動ブラッシング機能」と「電解水生成装置」を搭載し、「確実に洗浄消毒でき、安全性にも優れる」、「短時間での洗浄消毒を可能にする」、「洗浄消毒コストを削減」等の特長により大変ご好評を頂いております内視鏡洗浄消毒装置「鏡内侍」を、更なる使い易さの追求と斬新で洗練されたデザインを施してリニューアルし、「鏡内侍ⅡG」として発売いたしました。

 

<主な特長>

①新しく搭載した機能が作業負担を軽減し、ゆとりを生み出す

・内視鏡のセット方式を刷新し初心者でも簡単にセッティングが可能

・オリンパス社製、富士フイルム社製両方の内視鏡に対応

・初心者でも簡単に操作可能な対話型操作パネルを採用

・洗浄槽カバーは自動開閉、電解水は自動生成、有効塩素濃度はリアルタイム表示

 ・以下の機能を追加(予約洗浄消毒機能、内視鏡登録機能、履歴管理機能、漏水検知機能、アルコール送気機能)

 

 ②斬新で洗練された新デザインによって、設置スペースにゆとりができる

・縦型のスリムボディで、設置スペースは従来の半分以下に

・並列設置、壁付け設置が可能

 

 ③従来からの機能が、短時間かつ確実な洗浄消毒を実現し検査にゆとりをもたらす

・業界唯一の自動ブラッシング機能を搭載し、洗浄消毒時間は業界一の速さ(当社グループ調べ)

・強アルカリ性電解水と強酸性電解水で確実に洗浄消毒

・電解水は、通常の消毒薬に比べ低毒性。排水タンク内で2種類の電解水が中和されるのでそのまま排水することが可能