文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社および連結子会社)が判断したものであります。
(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府による各種経済政策や金融政策を背景に、雇用や所得環境の改善が見られ、緩やかながら回復基調の兆しが見られました。しかしながら、中国をはじめとした新興国経済の減速や英国のEU離脱問題に加え、米国経済政策の不確実性の高まりもあり、先行きは不透明な状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社では数多くの新製品を発売し、新たな市場の創出と獲得に注力してまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は 252億707万円(前年同期比 0.9%増)となりました。利益面では、売上原価率の低減や、開発費、のれん償却額等の減少を主要因とする販売費及び一般管理費の減少により、営業利益は 11億6,376万円(前年同期比 47.2%増)、経常利益は 13億3,097万円(前年同期比 56.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は8億4,802万円(前年同期比 43.5%増)となりました。
なお、平成28年12月には、キングジムグループ各社の商品を集めた初の展示イベント「キングジムフェア」を東京 秋葉原のベルサール秋葉原にて開催いたしました。2日間で1万人超のお客様にご来場いただき、当社グループ商品を実際にご体感いただくことができました。
今後もこのようなイベントを通じて市場への一層の浸透を図り、需要の拡大に取り組んでまいります。
セグメントの業績は次のとおりであります。
① 文具事務用品事業
ステーショナリーにおきましては、シックな色合いのクリアーファイル「フォーマット」を発売し、「暮らしのキロク」と「ペンサム」のラインアップ拡大を図りました。また、平成28年12月にはマスキングテープの新たな活用方法をご提案する商品として、マスキングテープを切り貼りしてオリジナルシールを作れる「マスリエ」を発売いたしました。
電子製品におきましては、7インチワイド画面や、専用ATOKを搭載した「ポメラ」DM200を発売いたしました。オフィス環境改善用品では、軽量で安価な案内表示ツール「インフォメーションポール」や、デスクトップパネル「タテテ」を発売し、店舗や公共施設等、幅広いお客様からご支持をいただいております。その他、災害発生時に、自宅までの帰宅を支援する「災害帰宅セット」と、避難先での滞在を支援する「災害備蓄セット」を発売し、防災用品のラインアップ拡大を図りました。
この結果、売上高は 195億5,035万円(前年同期比 0.5%増)、営業利益は9億5,999万円(前年同期比 19.1%増)となりました。
② インテリアライフスタイル事業
㈱ぼん家具では、年末の需要期にあわせて冬物の商材を拡充し、年末に開催された楽天スーパーセール、Amazonでのサイバーマンデー、Yahoo!ショッピングでの年末大感謝祭セールにあわせて、値下げやクーポン配布、ポイント還元など、各モールの特性を活かしたセールを実施し、拡販してまいりました。㈱アスカ商会では、最新のインテリアやファッションのトレンドに調和する高品質なアーティフィシャル・フラワーやアーティフィシャル・グリーン商品の拡充を図り、拡販してまいりました。㈱ラドンナでは、「Toffy」ブランドのキッチン家電シリーズとして、近年話題の全自動ミル付コーヒーメーカーを発売いたしました。その他、素材に磁器を使用したアロマディフューザーや、フォトフレーム開発のノウハウを活かした置時計など、幅広いカテゴリーの新商品を積極的に展開、拡販してまいりました。
この結果、売上高は 56億5,672万円(前年同期比 2.1%増)、営業利益は1億9,475万円(前年同期は 2,788万円の営業損失)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比較して、20億2,839万円増加し、290億2,155万円となりました。これは主に、文具事務用品事業の需要期により受取手形及び売掛金が増加したことによるものであります。
負債合計は、前連結会計年度末と比較して、12億3,690万円増加し、89億8,264万円となりました。これは主に、短期借入金が増加したことによるものであります。
純資産合計は、前連結会計年度末と比較して、7億9,148万円増加し、200億3,891万円となりました。これは主に、利益剰余金やその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
① 基本方針の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討しあるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
当社は、企業価値の確保・向上に努めておりますが、特に、当社の企業価値の源泉は、(イ)情報活用環境での、秀でた商品開発力・提案力、(ロ)安心のブランド力、(ハ)広い販売力と顧客サポート力、さらには(ニ)全員経営の風土と堅実経営にあります。当社株式の大量買付を行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。
当社としては、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては必要かつ相当な対抗をすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。
② 基本方針実現のための具体的取組みの概要
(イ)基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
当社は、中長期的に成長できる強固な経営基盤を確立するため、「大胆な市場開拓」、「堅固な収益構造の確立」を目指し、変化する経済環境に対応しつつ、便利で快適な商品とサービスを提供し、お客様のニーズに応えてまいります。
「大胆な市場開拓」
・「ポメラ」に代表されるデジタル文具市場においては、当社の持つ商品企画力を発揮した新製品の投入により、新たな顧客・市場の創造を目指してまいります。
・テプラ事業においては、新しい機能性テープなどの投入や東京オリンピックに向けた新たな表示需要を取り込むことにより、「テプラ」が使用されるシーンを増やすことで、テープ需要を拡大してまいります。
・ファイル事業においては、「キングファイル」を中心とするステーショナリーは、すでに成熟市場ではあるものの、新領域を開拓することで売上の拡大に努めてまいります。また、当社の海外生産拠点(ベトナム・インドネシア・マレーシア)の競争優位性を活かして、カテゴリー別にターゲットを定めた新製品の投入などによるシェアアップ施策を推進してまいります。
・海外市場においては、東南アジアに生産拠点があることを活かして、アジア市場に相応しい機能・デザイン・価格を実現した新製品の投入を図る一方、海外販売拠点(上海・香港・ジャカルタ・ホーチミン)を活かした営業活動の強化により、アジアでの当社ブランドを確固たるものにしてまいります。
・インテリアライフスタイル事業においては、既存の生活雑貨品の新製品開発とその販売に加え、株式会社ぼん家具のネット通販のノウハウをグループ会社で相互に活用することによるシナジー効果の強化を目指してまいります。
・「こはる」や「ガーリーテプラ」で獲得した女子文具市場に、女性開発・営業プロジェクトチームによる斬新なアイデアの新製品を投入し、当社にとって新しい顧客の獲得に注力してまいります。
・新規事業にも積極的に取り組み、M&Aについても常に検討を重ねてまいります。
「堅固な収益構造の確立」
・ステーショナリー事業の海外生産拠点が自社工場であることを活用し、新たな設備投資による合理化、新工場建設による生産能力の拡大、新製品を生産できる新規技術の獲得といった戦略の方向性を海外生産拠点・本社とで一致させることで無駄のないコストの実現を目指してまいります。
・人事・財務管理では、グローバル人材の育成、海外現地子会社スタッフの育成を図るとともに、グループ会社を含めた連結ベースでの資金管理の効率化、持ち合い株の一部解消などにより、さらなる財務体質の強化にも取り組んでまいります。
当社は監査役会設置会社を選択しており、コーポレート・ガバナンスの充実に努めております。
取締役会は、原則月1回開催し、「独創的な商品を開発し、新たな文化の創造をもって社会に貢献する」という当社の経営理念の下、株主価値の向上のための経営方針、事業計画、組織、財務状況、投資案件などの諸施策および取締役会規程に基づく案件等に関し、ビジョンと実施可能性、リスク回避などを出席役員による十分な議論により審議しております。また、当社および子会社を含めた業務の執行状況は、取締役会にて各担当役員が報告し、役員による監督・監査を行っております。平成27年9月17日より社外取締役を2名体制とし、コーポレート・ガバナンスを強化しております。
当社では執行役員制度を採用しており、各執行役員は担当部門の業務執行責任者として、当該部門の業務を迅速、的確に執行しております。また、重要事項に関しては執行役員が取締役会にて説明を行い、各取締役が審議、決議、監督をしております。
監査役会は、原則月1回開催しております。監査役は、平成24年9月19日より常勤監査役1名および社外監査役3名の4名体制であります。常勤監査役は、監査計画に基づき重要な意思決定の過程を把握するため、社内各部門および子会社の業務執行状況の調査、重要な書類の閲覧、重要な会議への出席などにより取締役の職務の監査を行い、その内容を監査役会に報告しております。また、各監査役は取締役会に出席し、意見の陳述を行うほか、取締役会の運営、決議、審議の方法などの監査をしております。なお、社外監査役3名は、財務および会計に関する相当程度の知見を有する税理士、法律の高度かつ専門的な知識および豊富な経験を有する弁護士、高い見識と豊富な経験を有する弁理士であります。
当社は、役員報酬に関する決定プロセスの一層の透明化を図るため、平成27年9月に、社外取締役2名および社内取締役2名の計4名で構成される「指名・報酬委員会」を設置しており、当該「指名・報酬委員会」にて、取締役、執行役員および監査役の候補者、報酬等を検討し、取締役会に提案しております。その上で、最終的には取締役の報酬については取締役会で決定し、監査役の報酬については監査役の協議により決定しております。
上記体制により、経営監視機能・監督機能を十分機能させ、意思決定の透明性の向上を図り、ステークホルダーの視点を活かす仕組みを構築してまいります。
当社は、平成28年8月1日開催の取締役会において、株主総会の承認を条件に、「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」を更新することを決議し(以下「本更新」といい、更新後のプランを「本プラン」といいます。)、同年9月15日開催の第68回定時株主総会において本プランの更新について承認を得ております。
本プランの概要は以下のとおりであります。
本プランは、次のⅠ又はⅡに該当する当社株券等の買付その他の取得又はこれらに類似する行為(これらの提案を含みます。)(当社取締役会が本プランを適用しない旨別途決定したものを除くものとし、以下「買付等」といいます。)がなされる場合を適用対象とします。買付等を行おうとする者(以下「買付者等」といいます。)には、予め本プランに定められる手続に従っていただくこととします。
Ⅰ.当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他の取得
Ⅱ.当社が発行者である株券等について、公開買付けを行う者の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
本プランは、これらの買付等が行われようとする際に、それに応じるべきか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とするものです。また、上記基本方針に反し、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止することにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保・向上させることを目的としております。
当社の株券等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、買付内容等の検討に必要な情報および本プランを遵守する旨の法的拘束力のある誓約文言等を記載した書面の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報や当社取締役会からの意見や根拠資料、代替案(もしあれば)が、業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役〔もしくはこれに準ずる監査役(過去に当社又は当社の子会社の社外取締役であったために、会社法第2条第16号の要件を充足しない監査役を含みます。以下同様とします。)〕、又は社外の有識者(現時点においては業務執行を行う経営陣から独立している社外取締役2名および社外監査役1名)から構成される独立委員会に提供され、その評価、検討を経るものとします。独立委員会は、外部専門家等の助言を独自に得た上、買付内容の評価・検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、買付者等との交渉、ならびに以下の勧告等を行います。
独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を遵守しなかった場合、または当該買付等の内容の検討、買付者等との協議・交渉等の結果、当該買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など本プランに定める要件に該当し、後述する新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、独立委員会規則に従い、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。
また、当社取締役会は、本プランに定める場合には、本プランに従った新株予約権の無償割当てを実施するに際して、実務上可能な限り最短の期間で株主総会を開催できるように、速やかに株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することができるものとします。
この新株予約権には、買付者等による権利行使が認められないという行使条件、および当社が買付者等以外の者から当社株式等と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されております。この新株予約権を割り当てられた株主は、原則として、1円(を下限として当社株式1株の時価の2分の1の金額を上限とする範囲内で当社取締役会が新株予約権無償割当ての決議において定める金額)を払い込むことにより、新株予約権を行使し、当社株式1株を取得することができます。当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施又は不実施等の決議を行うものとします。
本プランの運用に際しては、当社取締役会は、適用ある法令又は東京証券取引所の諸規程等に従い、本プランの各手続の進捗状況、独立委員会による勧告等の概要、当社取締役会の決議の概要、当社株主総会の決議の概要、その他独立委員会又は当社取締役会が適切と判断する事項について、適時に情報開示を行います。
本プランの有効期間は、平成28年9月15日開催の第68回定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会終結の時までです。但し、有効期間の満了前であっても、株主総会または取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。
本更新後であっても、新株予約権無償割当てが実施されていない場合、本プランによって株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が新株予約権行使の手続を行わないとその保有する株式が希釈化される場合があります(但し、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、株主の皆様が保有する株式の希釈化は生じません。)。
なお、本プランの詳細については、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載されている平成28年8月1日付プレスリリースをご覧下さい。(http://www.kingjim.co.jp/)
③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
本プランは、当社の経営計画に基づく各施策、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定され更新されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものです。
また、本プランは、前記②(ロ)記載のとおり、企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって更新されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。特に、本プランは、株主総会で承認を得て導入され更新されたものであること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役、当社社外監査役(もしくはこれに準ずる監査役)、又は社外の有識者によって構成される独立委員会が設置され、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で外部専門家を利用することができるとされていること、有効期間が最長約3年と定められた上、取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではなく、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
(4) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、4億1,302万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。