当連結会計年度におけるわが国経済は、金融政策を主とした経済政策などを背景に企業業績、雇用情勢に改善が見られ、景気は全体として緩やかな回復基調となりました。しかしながら、米国が利上げ時期を模索していたことや、中国経済の減速懸念が強まったことなどから、景気の動向は依然として先行き不透明な状況で推移しました。
当グループを取り巻く事業環境は、主力のバーコード用リボン、修正テープの市場は堅調に推移している反面、スマートフォン・タブレット端末等の電子材料分野向けの機能性フィルム「FIXFILM」の市場においては、依然、厳しい販売競争・価格競争が続いております。
このような環境のなか、当グループは、経営基盤の強化、技術革新による新製品の開発および新市場の開拓を重点課題とし、多様化・高度化する顧客のニーズに対応するための新規・新製品開発およびバーコード用リボン、修正テープ、「FIXFILM」など主力製品の国内外での拡販活動に積極的に努めてまいりました。
また、生産面におきましては、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産の効率化、グループ全体でのコスト削減の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。
この結果、連結売上高は、主力製品を中心とした拡販活動に努めましたが、84億9千8百万円(前年同期比9.0%減)となりました。
利益面におきましては、円安による原材料価格の上昇などがありましたが、グループを挙げた生産の効率化によるコスト削減に努めた結果、営業利益は1億4千3百万円(前年同期比47.2%増)、経常利益はユーロ安による為替差損の計上などがあり、1億1千8百万円(前年同期比40.4%減)となりました。当期純利益は当社のソフトウエアの廃棄等による固定資産廃棄損の計上などがあった一方で、当社の固定資産(土地)の譲渡等にともなう固定資産売却益の計上などにより、2億8百万円(前年同期比78.0%増)となりました。
品目別売上高の状況は、次のとおりであります。
サーマルトランスファーメディアは、主力のバーコード用リボンを中心に拡販に努めましたが、43億5千4百万円(前年同期比3.4%減)となりました。
インパクトリボンは、市場の縮小傾向が続くなか、選択と集中にもとづく営業活動を展開しましたが、11億9千3百万円(前年同期比18.8%減)となりました。
テープ類は、市場価格の低下などがあり、18億4千4百万円(前年同期比1.8%減)となりました。
機能性フィルムは、電子材料分野を中心とした拡販活動に努めましたが、販売競争、価格競争の激化により、3億6千8百万円(前年同期比41.9%減)となりました。
その他は、7億3千8百万円(前年同期比13.1%減)となりました。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の内部留保などにより、4億9千1百万円の収入となり、前年同期比では5億5千8百万円の収入の減少となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などがある一方で、有形固定資産の売却による収入などもあり、1千1百万円の収入となり、前年同期比では3億8千万円の収入の増加となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入による収入などにより8億4千7百万円の収入となり、前年同期比では2億8千4百万円の収入の減少となりました。
この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、期首残高に比べ13億1千7百万円増加し、69億5千3百万円となりました。
今後につきましては、当グループはキャッシュ・フローの健全化の維持・改善に向け、収益性の向上、経営活動の効率化に取り組み、財務体質のさらなる強化を図ってまいります。
当グループは、インク製造技術、塗布技術を技術基盤として、印字記録媒体および事務用消耗品関連事業を主な業務とした単一セグメントで事業活動を行っておりますので、生産、受注及び販売の状況につきましては品目別に記載しております。
当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。
品目別 | 生産高(千円) | 前年同期比(%) |
サーマルトランスファーメディア | 4,247,458 | △4.7 |
インパクトリボン | 1,021,782 | △13.3 |
テープ類 | 1,769,658 | △2.4 |
機能性フィルム | 382,599 | △39.7 |
その他 | 456,217 | △12.5 |
計 | 7,877,717 | △8.5 |
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。
品目別 | 受注高(千円) | 前年同期比(%) | 受注残高(千円) | 前年同期比(%) |
サーマルトランスファーメディア | 4,322,399 | △4.9 | 381,450 | △7.7 |
インパクトリボン | 1,168,390 | △19.4 | 160,299 | △13.3 |
テープ類 | 1,812,212 | △11.8 | 386,741 | △7.7 |
機能性フィルム | 326,251 | △50.1 | 2,636 | △94.1 |
その他 | 758,382 | △11.1 | 75,289 | 35.9 |
計 | 8,387,635 | △12.2 | 1,006,415 | △9.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。
品目別 | 販売高(千円) | 前年同期比(%) |
サーマルトランスファーメディア | 4,354,410 | △3.4 |
インパクトリボン | 1,193,086 | △18.8 |
テープ類 | 1,844,601 | △1.8 |
機能性フィルム | 368,130 | △41.9 |
その他 | 738,482 | △13.1 |
計 | 8,498,712 | △9.0 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
今後の経営環境につきましては、国内では緩やかな景気の回復基調が続くものの、不安定な為替の動向、中国経済の減速が国内外の経済に与える影響など懸念材料も多く、予断を許さない状況が続くものと思われます。
こうした環境のなか、当グループは、技術を基礎として顧客・市場のニーズを掘り起こす創造型企業として、顧客満足の一層の向上とともに収益の拡大に努めてまいります。生産面におきましては国内外の拠点について、より効率的な活用を推進するとともに、当社固有技術を活かした特長ある製品の開発に注力し、付加価値の高い製品の販売による収益の確保を図ってまいります。
具体的展開は以下のとおりであります。
① 費用対効果(コスト/収益)を検証し、全部門での企業活動の効率化を徹底
② 徹底したムダ取りにより現場改善を継続
③ 業務の目的と費用対効果を明確にすることで業務削減を実現
① 顧客・市場の動向を的確に捉え、事業化に重点を置いた計画的な活動を実施
② 当社の技術力(開発・製造)を再整理し、市場・顧客・競合他社の動向を勘案し、成長分野への展開を実施
① 目標利益を基準として、開発・営業活動対象の絞り込みを実施
② 市場の状況、顧客の動向を把握・分析して、マーケットに合った戦略を立案し、営業・開発・製造一体となった活動の実施
① 企業活動の基盤である人材の活性化
② 会社運営のキーとなる幹部社員のレベル向上
内部統制システムの運用を充実しコンプライアンスを強化
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
当グループの連結売上高に占める海外売上高の割合は、金額的に重要性があるため、為替変動により当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
為替予約および外貨建債権債務の両建てなどによるリスクヘッジを行いリスク回避に努めておりますが、急激な為替変動によって当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当グループの製品は石油化学製品などを広く使用しており、これらは市場の状況により価格が変動するため、原材料価格の高騰が当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの一部の事業については、競合他社の取扱う商品との差別化が困難であり各製品市場および地域市場における競争の激化が予想されます。当グループは技術力を活かした新製品の開発や独自のサービスによる差別化と競争力の向上を図っておりますが、価格競争が当グループの予想を越えて販売価格の下落をまねく可能性もあり、売上高の減少や単位当たりの利益および利益率の低下など、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは、北米、欧州、アジアなどにおいて事業展開を図っております。これらの地域における予期しない法律または規制の変更、政治または経済要因の変動、テロや戦争などによる国際社会の混乱により材料の調達、製品の安定的供給に支障をきたし、当グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの従業員退職給付費用および債務は、主として、割引率、長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件にもとづいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なり、割引率や運用利回りの変動は、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは事業戦略上重要な製品または技術に関しては、知的財産権を取得しております。
また、開発および製品化に際して、新たに第三者の知的財産権を侵害しないように特許事務所を通じて特許調査を随時行っております。しかし、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟の提起、あるいは当グループが所有する知的財産を第三者に侵害される可能性があり、このような場合、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループの生産活動は効率性の観点から、岡山工場を中核工場として主要な生産設備を集中させております。このため、岡山工場に自然災害その他による不測の事故などが発生した場合には、当グループの生産活動全体が制約を受ける可能性があります。
該当事項はありません。
(1) 当グループの研究開発は、コア技術である処方設計・精密塗工・転写技術を強化し、顧客の企画に最も適した機能性材料の開発を共同して行うことおよび当グループ独自の企画・開発による機能性材料を提案することを基本としております。
熱転写分野において、印字の高速化・低エネルギー化・高堅牢化を目指し、印字条件の研究や各種リボンの開発を行っております。とりわけバーコードの印字に用いられるリボンは市場からのニーズも大きく、積極的に開発を行っております。また、金属等の機能性材料を転写することが可能な熱転写技術の特長を生かし、産業用途へのオンデマンド印刷システムの提案およびそれに使用する各種機能を有するリボン等の開発を行っております。
文具分野では、修正テープ、テープのりのさらなる高品質化を推進するとともに、カセット開発技術を活用し、新規デザインの修正テープ、テープのりの商品化提案を行っております。また、本分野で培った粘着剤技術を利用し、その高機能化や各種基材との組み合わせにより工業用粘着フィルムをはじめとする製品の各種産業分野への応用展開を推進しております。
その他分野では、機能性フィルムを統一ブランドである「FIXFILM」として展開し、特長ある付加価値の高い製品を開発推進しております。また、注目されている透明導電膜やその周辺部材をはじめ、環境・エネルギー分野や電子材料分野へも当社のコア技術を活かした受託加工を含めて積極的に展開し、開発を推進しております。
なお、当連結会計年度の主な研究開発は、次のとおりであります。
<サーマルトランスファーメディア>
高品質なバーコード用リボンの開発
装飾性の高い印字が可能なシステム提案およびリボンの開発
<テープ類>
高性能で使い易さを追求した修正テープの開発
修正テープ、テープのりの新規カセット機構提案および商品の開発
<機能性フィルム「FIXFILM」>
粘着・接着機能や光学機能を有する材料の開発
包装資材や電子材料に使用される各種機能を有するフィルムおよびシートの開発
機能性フィルムの統一ブランドである「FIXFILM」として、各種機能を付与した製品の開発
各種機能を有する材料を転写するフィルムおよびシートの開発
(2) 当連結会計年度の研究開発費 354百万円
当連結会計年度の売上高は、84億9千8百万円(前年同期比9.0%減)と、前連結会計年度に比べ8億3千9百万円の減収となりました。これは主として、販売競争激化などによる影響であります。
売上原価は、円安による原価の上昇がありましたが、経費の削減および生産の効率化によるコスト削減により64億5千6百万円(前年同期比12.1%減)と、前連結会計年度に比べ8億8千6百万円の減少となりました。
販売費及び一般管理費は、18億9千8百万円(前年同期比0.0%増)と、前連結会計年度に比べ0百万円の増加となりました。
この結果、営業利益は1億4千3百万円(前年同期比47.2%増)となりました。
営業外損益は、ユーロ安による為替差損の発生などにより2千5百万円の損失(純額)となり、前連結会計年度に比べ1億2千6百万円の収益減少となりました。
この結果、経常利益は1億1千8百万円(前年同期比40.4%減)となりました。
特別損益は、当社のソフトウェアの廃棄等による固定資産廃棄損の計上などがあった一方で、当社の固定資産 (土地)の譲渡等にともなう固定資産売却益の計上などにより、1億5千1百万円の利益(純額)となり、前連結会計年度に比べ1億5千5百万円の増加となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は2億6千9百万円(前年同期比38.7%増)となりました。
法人税等および法人税等調整額は6千1百万円と、前連結会計年度に比べ1千5百万円の減少となりました。
この結果、当期純利益は2億8百万円(前年同期比78.0%増)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、181億1千1百万円(前連結会計年度末比7.4%増)と、前連結会計年度末に比べ12億5千1百万円の増加となりました。これは、主に運転資金の借入れによる現金及び預金の増加などによるものであります。
負債は、86億4千1百万円(前連結会計年度末比10.3%増)と、前連結会計年度末に比べ8億6百万円の増加となりました。これは、主に金融機関からの長期借入金が増加したことなどによるものであります。
純資産は、94億6千9百万円(前連結会計年度末比4.9%増)と、前連結会計年度末に比べ4億4千4百万円の増加となりました。これは、主に利益剰余金の増加などによるものであります。
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。