第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当グループは、印字記録媒体、事務用消耗品等のメーカーとして「技術力と行動力で顧客の満足を得て国際社会に貢献し充実発展する」を基本理念としております。人間性の尊重、合理性の追求を柱とし、新技術に対する挑戦を通じて、独創的なアイデアを製品化し世に広めていくことで社会に貢献することを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当グループは、新製品開発と既存事業の拡充により利益ならびに売上高を極大化することを経営方針の一つとしております。これらを反映する売上高および営業利益を主な経営指標とし、継続的な向上に努めております。 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

当グループでは、長期化する米中貿易摩擦や不安定な中東情勢等の地政学リスクなど海外の懸念材料を中心に先行き不透明感が強まるなど、一層厳しさを増す経営環境に対応すべく、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~ありたい姿、志~」を掲げるとともに、こうした経営環境下においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込めて、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけた中期経営計画を打ち立てました。

 

『FCL VISION ~ありたい姿、志~』

「先端コンバーティング技術で社会に貢献するエクセレントカンパニー」

*コンバーティング=プラスチックフィルム・シート、金属箔、紙・板紙、不織布、繊維、鋼板、ガラスなど

          の基材に限らずあらゆる物質に、コーティング、ラミネーティング、プリンティング等の

           新たなプロセスを経て表面・内面を改質し、新たな価値を生み出す行為。

 

 

『中期経営計画(挑戦する3年)における重点課題』

1.新製品・新規事業の開発

  ・新製品・新規事業開発

  ・品群活動の強化(スピードアップ)

   *品群活動=製品群ごとに体制を確立し、各製品群における戦略・戦術および行動計画を策定のうえ、

          遂行する活動。

2.ものづくり力・生産性の強化

   ・生産性のさらなる強化

    ・生産技術革新(生産技術力の強化、新規事業に向けた生産体制の構築)

3.人財育成

   ・人への投資の拡充(人財確保のための採用政策の実行等)

  ・投資した「人材」を「人財」に(運用/活用の強化)

      *人財=能力や資質を発揮・活用し、価値の高い仕事をする人

     人材=今後、様々な能力を開発できるポテンシャル(潜在力)を持つ人

4.基幹系システムの再構築による業務改革

   ・経営意思決定を支援する機能の実装(スピード化)

   ・業務およびシステムのシンプル化/基本に立ち返った効率化(標準化、平準化、可視化)

 

 

 

 

 

 

 

2020年度は、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動停滞の影響を受け、上記重点課題の取り組みは大きな制約を受けた中でのスタートを余儀なくされました。

そうした中、グループを挙げた生産の効率化や経費抑制など徹底したコスト削減に努めてまいりましたが、2020年度の連結売上高は7,544百万円(前期比16.0%減)、連結営業損失は115百万円(前期営業利益429百万円)と、中期経営計画はその初年度から一頓挫をきたすに至りました。

加えて、新型コロナウイルス感染症の再拡大により再び世界レベルでの経済への影響が懸念されるなど、極めて厳しい経営環境が続くと予想されることから、今般、中期経営計画の数値目標について見直しをすることといたしました。

見直し後の数値目標および各重点課題における2020年度の主な取り組み実績と今後の取り組み方針について以下のとおりお示しいたします。

見直し後の中期経営計画におきましても、サーマルトランスファーメディア、テープ類に続く「第3の柱」として、機能性フィルム「FIXFILM」の新製品・新用途開発を推し進めるなど、事業ポートフォリオの見直しを中心とした重点課題である点は踏襲しておりますが、いわゆる「ウィズコロナ」、「アフターコロナ」による大きな時代の変革を見据え、取り組みをさらに加速してまいる所存でございます。

 

【中期経営計画における数値目標の見直しについて】

(当初計画における2022年度の目標)

 

2022年度 目標

連結売上高

9,700百万円

(2019年度比 8.0%アップ)
 

連結営業利益

700百万円

(連結売上高営業利益率 7.2%)

 

 

 

  (見直し後計画による2022年度の目標)

 

2022年度 目標

連結売上高

9,100百万円

(2019年度比 1.4%アップ)
 

連結営業利益

400百万円

(連結売上高営業利益率 4.4%)

 

 

 

【中期経営計画における重点課題について】

重点課題項目

2020年度の主な取り組み実績

今後の取り組み方針

1.新製品・新規事業

    の開発

・コロナ禍により、新製品・新規事業

  にかかるターゲット市場・販売先の

  動きが停滞し、開発案件等が大幅に

  遅れるなど甚大な影響を受けまし

  た。

・急速に変化するビジネス環境に対応

  すべく、優先度を再検討し、成長可

  能性の高い分野に対し柔軟かつス

  ピーディーに経営リソースを配置し

  ます。

・進行中のテーマ実現に全力を挙げる

  一方、新たなテーマ探索を継続しま

  す。

・産学連携等により新技術の探索を進

  めます。

2.ものづくり力・生

    産性の強化

・生産性のさらなる強化については、

  コストダウン目標を概ねクリアしま

  した。

一方で、一部取り組み途上のテーマがあります。

・生産技術革新について、プロジェク

  トを組成して省人化にかかるテーマ

  が進捗中です。

・左記の取り組み途上のテーマ完遂の

  ほか、工程内ロスの極小化など、さ

  らなるコストダウンテーマの洗い出

  しと実現を加速します。

・生産技術革新にかかるプロジェクト

  を継続、完遂します。

・新規事業に向けた生産体制の構築を

  行います。

3.人財育成

・人事担当ラインの体制強化を実施し

  ました。

・コア人財(次世代のマネジメント人

  財、スペシャリスト人財)の育成およ

  び女性活躍推進を企図した「人財育

  成検討会」(対象者にかかる個人育成

  方針を経営陣が検討する会議体)を開

  始しました。

・環境変化を踏まえた「求められる人

  財」の再定義を実施しました。

・中途採用等による人財確保を継続し

  ます。

・「人財育成検討会」の継続によるコ

  ア人財育成と女性活躍を推進しま

  す。

  また、検討結果を踏まえた個別育成

  方針を実現します。

・「求められる人財」の再定義を踏ま

  えた人事評価制度の見直しを行いま

  す。

4.基幹系システムの

    再構築による業務

    改革

・コロナ禍により、ベンダー側の動き

  が制約を受けたこともあり、ベン

  ダー選定が特に入り口段階で計画比

  大幅に遅れました。

・一方で、精緻な当社機能要件一覧を

  策定し、その後のベンダー候補の絞

  り込みを加速することができまし

  た。

・ベンダー決定と具体的な要件定義の

  実施により、早期の新システム本稼

  動を目指します。

 

 

 

 

(4) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

経営環境につきましては、わが国経済は新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響により、極めて厳しい状況となっております。また、世界経済も同様に大きな影響を受けており、その終息時期が見通せない中、引き続き不透明な状況が続いております。当社の主力製品であるサーマルトランスファーメディアは市場における在庫調整の影響を受け、テープ類や機能性フィルムの市場においても価格競争等、市場環境の厳しさが一層増しております。激しい経営環境変化の中においても、当グループの持続的な成長、発展を実現していくため、当グループの有するインク製造技術、塗布技術を活かした製品開発、グローバルな販売網などの優位性を活かしてまいります。

優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、国内外の拠点を積極的に活用し、販売の拡大を図るとともに特徴ある付加価値の高い製品の開発および販売に注力し、収益を確保するべく、(3) 中長期的な会社の経営戦略にも掲げております重点課題に優先的に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また、以下のリスクに関する記載は、当グループに関するリスクのすべてを網羅しているものではございません。

当社は、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して的確な管理および対応を行うため「リスク管理規程」を制定しております。また、「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクの早期発見に努めるとともに、対応策を準備する一方、緊急時の対応を迅速に取ることができる体制を整えております。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 経済環境の変化について

当グループの連結売上高に占める海外売上高比率は約2割であり、一定の重要性があるため、為替変動により当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当グループの製品は石油化学製品などを広く使用しており、これらは市場の状況により価格が変動するため、原材料価格の高騰が当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当グループは為替変動については為替予約および外貨建債権債務の両建てなどによるリスクヘッジを行い、また原材料価格の変動については調達先の複数化、分散化やグローバル化等によりサプライチェーンの強化を図ることでリスク回避に努めております。

 

(2) 競合の影響について

当グループの一部の事業については、競合他社の取扱う商品との差別化が困難であり各製品市場および地域市場における競争の激化が予想されます。価格競争が当グループの予想を超えて販売価格の下落をまねく可能性もあり、売上高の減少や単位当たりの利益および利益率の低下など、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループは技術力を活かした新製品の開発や独自のサービスによる差別化と競争力の向上を図っております。

 

(3) 海外での事業について

当グループは、北米、欧州、アジアなどにおいて事業展開を図っております。これらの地域における予期しない法律または規制の変更、政治または経済要因の変動、テロや戦争などによる国際社会の混乱により材料の調達、製品の安定的供給に支障をきたし、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループは在外子会社や現地の専門家などから、迅速に正確な情報収集に努めることにしております。

 

(4) 生産設備の集中について

当グループの生産活動は効率性の観点から、岡山工場を中核工場として主要な生産設備を集中させております。このため、岡山工場に自然災害その他による不測の事故などが発生した場合には、当グループの生産活動全体が制約を受け、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループは事業継続計画(BCP)の策定や訓練などにより被害を最小限に回避できるよう対策を講じております。

 

(5) 感染症の流行について

当グループは、今般の新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行により、経済活動が制限され、サプライチェーンの分断、工場の生産停止、急激な需要の減少等が発生した場合、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当グループでは、感染拡大防止への対策として、マスク、消毒液等必要な感染拡大防止用品の備蓄や、時差出勤、在宅勤務等の実施、リモートワークツール等の積極的な活用により、業務を継続できる環境を確保しております。

 

(6) 法的リスクについて

当グループは、事業の特性上、環境、化学物質、安全衛生などの法規制を受けております。昨今の環境問題などに対する意識の高まりなどから、各種規制はますます強まる傾向にあり、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当グループはこれら法規制に対し、規制を順守するとともに、ISO14001の認証を取得するなど環境に配慮した事業活動に取り組んでおります。

 

(7) 訴訟・知的財産権について

当グループは事業戦略上重要な製品または技術に関しては、知的財産権を取得しておりますが、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟の提起、あるいは当グループが所有する知的財産を第三者に侵害される可能性があり、このような場合、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループでは、開発および製品化に際して、新たに第三者の知的財産権を侵害しないように特許事務所を通じて特許調査を随時行っております。

 

(8) 情報セキュリティについて

当グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報および機密情報を入手することがあり、また、当グループ自身の経営上、技術上の機密情報を有しております。サイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入などにより、万一、これらの情報が流出した場合や、重要なデータの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、事業活動の停止や、当グループの社会的信用が失墜すること等により、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループでは、これらの情報についての厳格な管理体制を構築し、情報管理に関する規程の整備・充実や訓練を通じた従業員等への周知、徹底、また、ウイルス撃退ソフトの導入など、情報セキュリティを強化しております。

 

(9) 資金調達について

当グループは、金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、金融市場環境に変化があった場合、当グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当グループの業績悪化等により、資金調達コストが上昇した場合、当グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループは緊急時の流動性確保に備えて、取引金融機関との間に借入枠を確保するとともに、有利子負債の削減を中心に財務体質の強化に努めております。

 

(10) 退職給付債務について

当グループの従業員退職給付費用および債務は、主として、割引率、長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件にもとづいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なり、割引率や運用利回りの変動は、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

これに対して、当グループは退職給付債務や運用状況などの定期的なモニタリングに努めております。

 

 

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

  当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい

 う。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により経済活動が停滞し、厳しい状況が続きました。経済活動の段階的な再開により一部で持ち直しの動きがみられたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大による緊急事態宣言の再発出や米中貿易摩擦問題への懸念などから、先行きは極めて不透明な状況にあります。

当グループを取り巻く事業環境におきましても、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大にともない、国内外の移動制限や取引先の生産活動の減少などにより事業活動に多大な影響が生じました。

こうした状況のもと、主力のサーマルトランスファーメディアの市場をはじめ、修正テープや機能性フィルム「FIXFILM」の市場においても環境の厳しさが一層増してきております。

また、当グループの強みである創造型企業としての技術基盤をもとに、新製品の開発および新市場の開拓を重点課題とし、多様化・高度化する顧客のニーズに対応する開発に努めてまいりましたが、上記のとおり、新型コロナウイルス感染拡大にともなう様々な制約を受けた中での活動を余儀なくされました。

一方、生産面におきましては、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高が75億4千4百万円(前年同期比16.0%減)となり、営業損失は1億1千5百万円(前年同期 営業利益4億2千9百万円)経常損失は8千万円(前年同期 経常利益4億5千3百万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純損失は法人税等の計上などにより、1億8千万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純利益3億1千4百万円)となりました。

また財政状態については次の通りです。

当連結会計年度末の総資産は、159億4百万円(前連結会計年度末比5.7%減)と、前連結会計年度末に比べ9億5千5百万円の減少となりました。

負債は、58億1千2百万円(前連結会計年度末比8.9%減)と、前連結会計年度末に比べ5億7千1百万円の減少となりました。

純資産は、100億9千2百万円(前連結会計年度末比3.7%減)と、前連結会計年度末に比べ3億8千4百万円の減少となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首残高に比べ1億9千万円減少し、45億7千8百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の回収、減価償却費の内部留保などにより、7億9千4百万円の収入となり、前年同期比では1億1千4百万円の収入の増加となりました。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、6億7千3百万円の支出となり、前年同期比では1億2千5百万円の支出の減少となりました。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入があった一方で、長期借入金の返済などもあり、3億9百万円の支出となり、前年同期比では5億4百万円の支出の減少となりました。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

当グループは、インク製造技術、塗布技術を技術基盤として、印字記録媒体および事務用消耗品関連事業を主な業務とした単一セグメントで事業活動を行っておりますので、生産、受注及び販売の状況につきましては品目別に記載しております。

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

品目別

生産高(千円)

前年同期比(%)

サーマルトランスファーメディア

4,149,386

△16.9

インパクトリボン

537,661

△29.5

テープ類

1,454,892

△14.0

機能性フィルム

363,545

△12.7

その他

588,762

△9.0

7,094,249

△16.6

 

(注) 1 金額は販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

b. 受注実績

当連結会計年度における受注実績は次のとおりであります。

 

品目別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

サーマルトランスファーメディア

4,212,706

△15.9

398,181

△14.7

インパクトリボン

680,925

△18.1

101,310

△11.7

テープ類

1,484,542

△8.9

331,598

7.5

機能性フィルム

392,318

△2.9

37,763

109.4

その他

725,541

△18.0

72,238

△11.4

7,496,035

△14.4

941,092

△4.9

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

品目別

販売高(千円)

前年同期比(%)

サーマルトランスファーメディア

4,281,498

△16.8

インパクトリボン

694,310

△18.4

テープ類

1,461,364

△13.3

機能性フィルム

372,588

△10.5

その他

734,856

△16.3

7,544,618

△16.0

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

まず、当グループは、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~ありたい姿、志~」を掲げ、一層厳しさを増す経営環境においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込めて、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけ、新たな中期経営計画を打ち立てました。この計画目標を達成するべく、重点経営課題として、「新製品・新規事業の開発」、「ものづくり力・生産性の強化」、「人財育成」および「基幹系システムの再構築による業務改革」の4つに取り組みました。

 

『目標』 (2020年2月14日公表)

 

2020年度 目標

連結売上高

9,050百万円
連結売上高0.8%アップ
(2019年度比)

連結営業利益

460百万円
連結売上高営業利益率5.1%

 

『実績』

 

2017年度

2018年度

2019年度

2020年度

連結売上高

8,740百万円

9,383百万円

8,977百万円

7,544百万円

 

(2019年度比増減率)

(―)

(―)

(―)

(△16.0%)

連結営業利益

358百万円

650百万円

429百万円

△115百万円

 

(連結売上高営業利益率)

(4.1%)

(6.9%)

(4.8%)

(―)

 

 

 

しかしながら、2020年度は、長期化する米中貿易摩擦問題に加え、新型コロナウイルス感染症の流行拡大の影響により経済活動が停滞し、経済環境が急激に悪化いたしました。当グループを取り巻く事業環境におきましても、新型コロナウイルス感染症の流行拡大にともない、国内外の移動制限により取引先が生産量を減少させるなど、事業活動に多大な影響が生じました。こうした状況の下、主力のサーマルトランスファーメディアでは市場における在庫調整の影響を受け、テープ類や機能性フィルムの市場においても環境の厳しさが一層増しました。

また、当グループの強みである創造型企業としての技術基盤をもとに、新製品の開発および新市場の開拓を重点課題とし、多様化・高度化する顧客のニーズに対応する開発に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大にともなう様々な制約を受けた中での活動を余儀なくされました。なお、研究開発費の総額は3億8千8百万円となり、前年同期から3千6百万円減少しました。新型コロナウイルスの影響による移動制限等により、前年同期に比べて減少となりましたが、将来の成長に向けた投資を引き続き継続してまいります。

一方、生産面におきましては、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。

しかしながら、売上高減少の影響は大きく、固定費の削減では吸収できず、2020年度の連結売上高、連結営業利益(率)のいずれにつきましても、目標(2020年2月14日公表)に大きく届かない結果となりました。

中期経営計画2年目である2021年度の数値目標といたしましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大により再び世界レベルでの経済への影響が懸念されるなど、極めて厳しい経営環境が続くと予想されることから、連結売上高81億円、連結営業利益1億5千万円としております。この目標達成に向けて、新製品、新規事業の開発や新規顧客開拓を従来にもましてスピードを上げ、全社一丸となって取り組んでまいります。また、国内外の拠点を活用して、特長ある付加価値の高い新製品を積極的に市場投入していくほか、既存製品のコストダウン実現によるシェアアップなどにより、販売拡大を図るとともに収益の確保に努めてまいります。

 

 

次に、当連結会計年度における当グループの経営成績の分析は次のとおりです。

a. 売上高

当連結会計年度の売上高は、75億4千4百万円(前年同期比16.0%減)と、前連結会計年度に比べ14億3千2百万円の減収となりました。これは主として、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行拡大が、当グループの事業活動に様々な影響を与えた結果、主力製品を中心に販売が低迷したことなどによるものであります。

また、品目別売上高の状況は、次のとおりであります。

サーマルトランスファーメディアは、主力のバーコード用リボンを中心に拡販に努めましたが、42億8千1百万円(前年同期比16.8%減)となりました。

インパクトリボンは、市場の縮小傾向が続くなか、選択と集中にもとづく営業活動を展開しましたが、6億9千4百万円(前年同期比18.4%減)となりました。

テープ類は、市場環境が厳しいなか、14億6千1百万円(前年同期比13.3%減)となりました。

機能性フィルムは、電子材料分野を中心に拡販に努めたものの、3億7千2百万円(前年同期比10.5%減)となりました。

その他は、7億3千4百万円(前年同期比16.3%減)となりました。

b. 営業損益

売上原価は、生産面において、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進に努めたなかで、売上高が減収となり、58億4千4百万円(前年同期比11.4%減)と、前連結会計年度に比べ7億4千9百万円の減少となりました。

販売費及び一般管理費は、18億1千5百万円(前年同期比7.1%減)と、前連結会計年度に比べ1億3千8百万円の減少となりました。

営業損失は、グループを挙げた生産の効率化、販売費及び一般管理費の抑制等によるコスト削減に取り組んでまいりましたが、売上高減少の影響が大きく、また高付加価値製品の販売鈍化により、1億1千5百万円(前年同期 営業利益4億2千9百万円)となりました。

c. 営業外損益および経常損益

営業外損益は、円高による為替差損の発生の一方で、受取配当金の計上などにより3千5百万円の利益(純額)となり、前連結会計年度に比べ1千1百万円の増加となりました。

この結果、経常損失は8千万円(前年同期 経常利益4億5千3百万円)となりました。

d. 特別損益および税金等調整前当期純損益

特別損益は、固定資産廃棄損ならびに投資有価証券評価損の計上により、4千6百万円の損失(純額)となり、前連結会計年度に比べ1千6百万円の損失の増加となりました。

この結果、税金等調整前当期純損失は1億2千6百万円(前年同期 税金等調整前当期純利益4億2千3百万円)となりました。

e. 法人税等(法人税等調整額を含む)および親会社株主に帰属する当期純損益

法人税等(法人税等調整額を含む)は5千4百万円と、前連結会計年度に比べ5千4百万円の減少となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1億8千万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純利益3億1千4百万円)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析、検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 

当グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、次の通りです。

営業活動による資金の増加は、売上債権の回収、減価償却費の内部留保などによるものです。

投資活動による資金の減少は、有形固定資産の取得による支出などによるものです。

財務活動による資金の減少は、長期借入金の返済などによるものです。

これらの影響により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首残高に比べ1億9千万円減少し、45億7千8百万円となりました。

 

当グループの資本の財源及び資金の流動性の分析につきましては、次の通りです。

当グループにおける運転資金需要の主なものは、製品を製造するための原材料および部品の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費(研究開発費を含みます。)の営業費用によるものです。また当グループの投資資金需要の主なものは、国内の製造拠点である岡山工場での生産性向上のための設備投資であります。

また、株主への配当金については、将来の成長に必要なキャッシュ・フローや内部留保等を勘案しつつ、経営成績に応じ、安定した配当を実施することを基本方針としております。連結配当性向25%から30%程度を目安に、安定的な配当を維持していくこととしております。

続いて、当グループの資金調達は、主として営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入となります。

流動性につきましては、新型コロナウイルス感染症等により先行きが不透明な中、不測の事態に備え、金融機関からの長期借入金を行うなど、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、金融機関からの借入金につきましては、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えております。また、緊急時の流動性確保に備えて、金融機関との間に借入枠を確保しており、機動的な資金調達に備えております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって見積りが必要な事項につきましては合理的な基準にもとづき会計上の見積りを行っております。当グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。

当グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。

なお、新型コロナウィルス感染症に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

(繰延税金資産)

当グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画にもとづいて課税所得を見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当グループは、固定資産のうち減損の兆候が認められる資産または資産グループについて、回収可能価額(当該資産または資産グループから得られる割引後将来キャッシュ・フローの総額もしくは当該資産または資産グループの正味売却価額のいずれか高い方の金額)が帳簿価額を下回った場合、帳簿価額を回収可能価額まで減損し、減損した当該価額を減損損失として計上することになります。そのため、経営環境の著しい変化や収益状況の悪化等により、見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損損失が発生する可能性があります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

(1) 当グループの研究開発は、コア技術である処方設計・精密塗工・転写技術を強化し、顧客の企画に最も適した機能性材料の開発を共同して行うことおよび当グループ独自の企画・開発による機能性材料を提案することを基本としております。

熱転写分野において、印字の高速化・高感度化・高堅牢化を目指し、印字条件の研究や各種リボンの開発を行っております。とりわけバーコードや軽包装の印字に用いられるリボンは市場からのニーズも大きく、積極的に開発を行っております。また、金属等の機能性材料を転写することが可能な熱転写技術の特長を生かし、産業用途へのオンデマンド印刷システムの提案およびそれに使用する各種機能を有するリボン等の開発を行っております。

文具分野では、修正テープ、テープのりのさらなる高品質化を推進するとともに、カセット開発技術を活用し、新規機構およびデザインの修正テープ、テープのりの製品化提案を行っております。また、本分野で培った粘着剤技術を利用し、その高機能化や各種基材との組み合わせにより工業用粘着フィルムをはじめとする製品の各種産業分野への応用展開を推進しております。

その他分野では、機能性フィルムを統一ブランドである「FIXFILM」として展開し、特長ある付加価値の高い製品を開発推進しており、各種産業向けに生産工程内のプロセスで使用される消耗品分野をはじめとする様々な独自製品の開発を行っております。また、注目されている環境・エネルギー分野やエレクトロニクス分野へも当社のコア技術を活かした受託塗工を含めて積極的に展開し、開発を推進しております。

なお、当連結会計年度の主な研究開発は、次のとおりであります。

<サーマルトランスファーメディア>

高品質なバーコード用、軽包装用リボンの開発

装飾性の高い印字が可能なシステム提案およびリボンの開発

熱転写技術の新たな用途展開

<テープ類>

次世代修正テープの開発

修正テープ、テープのりの新規カセット機構提案および商品の開発

<機能性フィルム「FIXFILM」>

粘着・接着機能や光学機能を有する材料の開発

ディスプレイや各種産業分野に使用される各種機能を有するフィルムおよびシートの開発

機能性フィルムの統一ブランドである「FIXFILM」として、各種機能を付与した製品の開発

各種機能を有する材料を転写するフィルムおよびシートの開発

 

(2) 当連結会計年度の研究開発費は、388百万円となりました。