文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当グループが判断したものであります。
当グループは、印字記録媒体、事務用消耗品等のメーカーとして「技術力と行動力で顧客の満足を得て国際社会に貢献し充実発展する」を基本理念としております。人間性の尊重、合理性の追求を柱とし、新技術に対する挑戦を通じて、独創的なアイデアを製品化し世に広めていくことで社会に貢献することを目指しております。
当グループは、新製品開発と既存事業の拡充により利益ならびに売上高を極大化することを経営方針の一つとしております。これらを反映する売上高および営業利益に加え、13頁に記載のとおり自己資本利益率(ROE)を主な経営指標とし、継続的な向上に努めております。
当グループでは、新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動への影響や原油価格や原材料価格の高騰、
米国や欧州のインフレ加速懸念、一部地域における地政学リスクなど海外の懸念材料を中心に先行き不透明感が強
まるなど、一層厳しさを増す経営環境に対応すべく、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~
ありたい姿、志~」を掲げるとともに、こうした経営環境下においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込め
て、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけた中期経営計画を打ち立てました。
『FCL VISION ~ありたい姿、志~』
「先端コンバーティング技術で社会に貢献するエクセレントカンパニー」
*コンバーティング=プラスチックフィルム・シート、金属箔、紙・板紙、不織布、繊維、鋼板、ガラスなど
の基材に限らずあらゆる物質に、コーティング、ラミネーティング、プリンティング等の
新たなプロセスを経て表面・内面を改質し、新たな価値を生み出す行為。
『中期経営計画(挑戦する3年)における重点課題』
1.新製品・新規事業の開発
・新製品・新規事業開発
・品群活動の強化(スピードアップ)
*品群活動=製品群ごとに体制を確立し、各製品群における戦略・戦術および行動計画を策定のうえ、
遂行する活動。
2.ものづくり力・生産性の強化
・生産性のさらなる強化
・生産技術革新(生産技術力の強化、新規事業に向けた生産体制の構築)
3.人財育成
・人への投資の拡充(人財確保のための採用政策の実行等)
・投資した「人材」を「人財」に(運用/活用の強化)
*人財=能力や資質を発揮・活用し、価値の高い仕事をする人
人材=今後、様々な能力を開発できるポテンシャル(潜在力)を持つ人
4.基幹系システムの再構築による業務改革
・経営意思決定を支援する機能の実装(スピード化)
・業務およびシステムのシンプル化/基本に立ち返った効率化(標準化、平準化、可視化)
現行の中期経営計画「挑戦する3年」(2020年12月期~2022年12月期)における4つの重点課題(ⅰ) 新製品・新
規事業の開発、(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化、(ⅲ) 人財育成、(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改
革につきまして、2021年度までの取り組み実績、最終年度である2022年度の取り組み方針は、それぞれ以下のとお
りであります。
(ⅰ) 新製品・新規事業の開発
<事業ポートフォリオの変革について(補足)>
・現行の中期経営計画とは別に、子会社エフシー ベトナム コーポレーションでは、2014年度からプラスチック成形関連事業を本格開始するなど、従来の当グループにはなかった新規事業を展開しております。
・エフシー ベトナム コーポレーションにおける2021年度のプラスチック成形関連事業の売上実績は、円貨ベースで468百万円で、連結売上高に対する比率で5.5%となっており、利益面でも貢献しております。
・このように、当グループ全体で新規事業による事業ポートフォリオ変革への取り組みを進めております。
(ⅱ) ものづくり力・生産性の強化
(ⅲ) 人財育成
(ⅳ) 基幹系システムの再構築による業務改革
経営環境につきましては、わが国経済は輸出の増加や生産の持ち直しの動きがみられたものの、変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動の制限を受けるなか、原油価格や原材料価格の高騰、米国の金融政策の影響などから先行き不透明な状況が継続することが見込まれます。こうした環境において、当グループでは持続的な成長および企業価値の向上を推し進めるべく、重点課題であります新製品、新規事業の開発や新規顧客開拓のスピードを上げ、事業ポートフォリオの変革を促進してまいります。
優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題につきましては、国内外の拠点を活用して、特長ある付加価値の高い新製品を積極的に市場投入していくほか、既存製品のコストダウン実現によるシェアアップなどにより、販売拡大を図るとともに、収益を確保するべく、(3) 中長期的な会社の経営戦略にも掲げております重点課題に優先的に取り組んでまいります。
また当社は、2022年4月に予定される東京証券取引所の市場区分の見直しに関して、「スタンダード市場」を選択する旨を申請のうえ承認されました。
一方で、当社は移行基準日時点(2021年6月30日)において、当該市場の上場維持基準を充たしていないことから、2021年12月14日付で「新市場区分の上場維持基準の適合に向けた計画書」(以下、「適合計画書」といいます。)を東京証券取引所に提出・開示いたしました。
当社における「対処すべき課題」は、「適合計画書」に記載の取り組み課題に集約されておりますので、「適合計画書」の開示後の情報を含め、以下にその概要を記載いたします。
① 上場維持基準の適合状況および計画期間
a.上場維持基準の適合状況(移行基準日:2021年6月30日現在)
b.計画期間
次期中期経営計画(注4)の最終年度(予定)となる「2025年12月期まで」に、「適合計画書」に記載の各種取り組みを進めてまいります。
(注4)次期中期経営計画の実施期間は2023年12月期~2025年12月期を予定。2023年3月公表予定。
② 取り組みの基本方針、課題および取り組み内容
a.取り組みの基本方針
当社が持続的な成長および企業価値の向上を推し進め、株式市場において「魅力のある銘柄」との評価を得ることにより、流通株式時価総額の上場維持基準の適合を目指します。
b.課題および取り組み内容
「流通株式時価総額=時価総額×流通株式比率」
上記のとおり、流通株式時価総額の構成要素が「時価総額」と「流通株式比率」であることから、それぞれについて以下の課題に応じた取り組みを進めてまいります。
(ⅰ)「時価総額」の向上
・課題:持続的な成長および企業価値の向上による株価の向上
・取り組み:「中期経営計画の着実な実行」
「コーポレートガバナンスのさらなる充実」
「株主還元の一層の強化」
(ⅱ)「流通株式比率」の向上
・課題:需要面・供給面双方での改善
・取り組み:「IR活動の強化(情報開示の充実)」
「資本政策の検討」
以下、当社の持続的な成長および企業価値の向上にかかる課題に重点を置く観点から、前記② b.(ⅰ)における「中期経営計画の着実な実行」、「コーポレートガバナンスのさらなる充実」および「株主還元の一層の強化」の3点に焦点を当てた記載といたします。
① 中期経営計画の着実な実行
a.当社連結経営指標と株価の関係
《当社の連結経営指標推移》
・2021年12月期は、前年度に続く新型コロナウイルスの世界的感染拡大、原油価格の高止まりによる原材料費の上昇、世界的な海上コンテナ需要の逼迫による物流コストの高騰など厳しい環境下にありましたが、全体として、テープ類の販売が好調であったこと、サーマルトランスファーメディア
において新型コロナウイルスの影響を受けにくい分野への拡販活動を展開したこと、また、徐々
にではありますが新規開発案件が売上および利益に貢献したこと、さらにグループを挙げたコスト
減に取り組んだこと等により業績は回復基調にあります。
・2022年12月期も引き続き厳しい環境が予想されますが、付加価値の高い新製品創出と市場浸透、さらなるコストダウン等により、2021年3月に見直した現行の中期経営計画の目標(2022年12月期 連結売上高9,100百万円、連結営業利益400百万円)に対し、前掲の表のとおり利益面での上方修正をおこないました。
b.自己資本利益率(以下、「ROE」といいます。)および株価の目標について
上場維持基準を安定的に充足すべく、ROEおよび株価の目標を以下のとおり設定いたします。
目標 ROE:5.0%以上、株価:2,000円以上
・当社における2016年12月期以降のROE、株主資本コスト(CAPMにより算定)およびエクイティスプレッド(注5)の推移を前掲の表に示しております。
(注5)エクイティスプレッド=ROE-株主資本コスト(CAPM)
なお、株主資本コスト(CAPM)=リスクフリーレート+β(ベータ値)×リスクプレミアム
・この間の当社の株価実績の推移として、エクイティスプレッドがゼロに近似またはプラスの決算期に株価が上昇基調もしくは相対的に高値で推移しております。
・また、ROEが5.0%に近似した水準(4.8%)であった2018年12月期以降、2019年12月期までの間、具体的には2018年1月~2019年12月における月間終値平均は1,956.1円であり、11頁の「上場維持基準の適合状況」の表をもとに算定すると、流通株式時価総額は11億円となります。これはスタンダード市場の上場維持基準を充足する水準です。
・以上より、上場維持基準を安定的に充足するために、ROE 5.0%以上、株価2,000円以上を目標値として設定いたしました。
・目標達成のためには、中期経営計画の着実な実行による業績の向上が必須要件と認識しておりますが、現行の中期経営計画の最終年度である2022年12月期でのROE 5.0%の達成は困難な見通しです。
・2023年12月期から実施予定の次期中期経営計画において、当社のさらなる成長のための施策・戦略を立案・実践し、目標達成に向け全社一丸となって邁進する所存です。
② コーポレートガバナンスのさらなる充実
とくに、2021年6月の改訂コーポレートガバナンス・コードにおいて大きな論点となる「サステナビリティ」に関する課題として、以下の取り組みを進めます。
a.気候変動問題への対応
・2021年6月に当社内で「カーボンニュートラル検討会」を立ち上げたうえで、現状把握と主要施策の検討を行い、CO2排出量削減について以下の目標を設定しました。
・対象範囲:日本国内拠点(国内子会社を含む)
・排出対象:Scope1、Scope2(注6)
・削減目標:2019年度を基準として、2030年度にCO2排出量を30%削減する。
・外部の専門機関のコンサルティングを活用のうえ、Scope3(注6)の算出を含め、さらに具体的な施策検討を進め実行に移してまいります。
(注6)Scpoe1:燃料の燃焼などによる直接排出。 Scope2:電力や蒸気の使用による間接排出。
Scope3:Scope1、2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動。
b.人的資本への投資およびダイバーシティ(女性活躍推進を中心に)
・10頁に記載のとおり、中期経営計画の重点課題「人財育成」において取り組みを進めております。
c.知的財産への投資について
・当社は1950年の創業以来、画期的な製品開発を実現することにより市場を切り拓き、「開発志向型企業」としてのスタイルを確立してまいりました。
・従いまして、当社にとって知的財産は何ものにも代えがたい重要な資産であります。
・現在、原則2ヶ月に1度、関係取締役・執行役員による「特許出願審査委員会」を開催しており、新たな開発技術について特許出願の是非を議論したうえで特許を出願しております。
・その結果、この約10年間、国内外の特許保有件数は常に200件程度をキープしており、研究開発費はもちろんのこと、特許についても相応の出願・維持コストをかけるなど、知的財産への投資を続けております。
今後も、質の高い特許を数多く出願できるよう開発技術力の向上に努めてまいります。
《当社における国内外の特許保有件数推移》(単位:件)
③ 株主還元の一層の強化
連結配当性向に関する方針について、2022年12月期決算にかかる配当より以下のとおり変更いたします。
《当社の1株当たり配当金および連結配当性向の推移》
(注7)2017年7月に10株を1株とする株式併合を実施。2016年12月期の1株当たり配当金は株式併合があったものと仮定して算定。
(注8)2020年12月期については、当期純損失を計上したため配当性向を記載せず。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
また、以下のリスクに関する記載は、当グループに関するリスクのすべてを網羅しているものではございません。
当社は、事業を取り巻くさまざまなリスクに対して的確な管理および対応を行うため「リスク管理規程」を制定しております。また、「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスクの早期発見に努めるとともに、対応策を準備する一方、緊急時の対応を迅速に取ることができる体制を整えております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。
当グループの連結売上高に占める海外売上高比率は約3割であり、一定の重要性があるため、為替変動により当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当グループの製品は石油化学製品などを広く使用しており、これらは市場の状況により価格が変動するため、原材料価格の高騰が当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループは為替変動については為替予約および外貨建債権債務の両建てなどによるリスクヘッジを行い、また原材料価格の変動については調達先の複数化、分散化やグローバル化等によりサプライチェーンの強化を図ることでリスク回避に努めております。
当グループの一部の事業については、競合他社の取扱う商品との差別化が困難であり各製品市場および地域市場における競争の激化が予想されます。価格競争が当グループの予想を超えて販売価格の下落をまねく可能性もあり、売上高の減少や単位当たりの利益および利益率の低下など、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループは技術力を活かした新製品の開発や独自のサービスによる差別化と競争力の向上を図っております。
当グループは、北米、欧州、アジアなどにおいて事業展開を図っております。これらの地域における予期しない法律または規制の変更、政治または経済要因の変動、テロや戦争などによる国際社会の混乱により材料の調達、製品の安定的供給に支障をきたし、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループは在外子会社や現地の専門家などから、迅速に正確な情報収集に努めることにしております。
当グループの生産活動は効率性の観点から、岡山工場を中核工場として主要な生産設備を集中させております。このため、岡山工場に自然災害その他による不測の事故などが発生した場合には、当グループの生産活動全体が制約を受け、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループは事業継続計画(BCP)の策定や訓練などにより被害を最小限に回避できるよう対策を講じております。
当グループは、新型コロナウイルス感染症等、大規模な感染症の流行により、経済活動が制限され、サプライチェーンの分断、工場の生産停止、急激な需要の減少等が発生した場合、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループでは、感染拡大防止への対策として、マスク、消毒液等必要な感染拡大防止用品の備蓄や、時差出勤、在宅勤務等の実施、リモートワークツール等の積極的な活用により、業務を継続できる環境を確保しております。
(6) 法的リスクについて
当グループは、事業の特性上、環境、化学物質、安全衛生などの法規制を受けております。昨今の環境問題などに対する意識の高まりなどから、各種規制はますます強まる傾向にあり、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当グループはこれら法規制に対し、規制を順守するとともに、ISO14001の認証を取得するなど環境に配慮した事業活動に取り組んでおります。
当グループは事業戦略上重要な製品または技術に関しては、知的財産権を取得しておりますが、第三者から知的財産権の侵害を理由とする訴訟の提起、あるいは当グループが所有する知的財産を第三者に侵害される可能性があり、このような場合、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループでは、開発および製品化に際して、新たに第三者の知的財産権を侵害しないように特許事務所を通じて特許調査を随時行っております。
当グループは、事業活動を通して、お客様や取引先の個人情報および機密情報を入手することがあり、また、当グループ自身の経営上、技術上の機密情報を有しております。サイバー攻撃や不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入などにより、万一、これらの情報が流出した場合や、重要なデータの破壊、改ざん、システム停止等が生じた場合には、事業活動の停止や、当グループの社会的信用が失墜すること等により、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループでは、これらの情報についての厳格な管理体制を構築し、情報管理に関する規程の整備・充実や訓練を通じた従業員等への周知、徹底、また、ウイルス撃退ソフトの導入など、情報セキュリティを強化しております。
(9) 資金調達について
当グループは、金融機関からの借入により資金調達を行っておりますが、金融市場環境に変化があった場合、当グループの資金調達に影響を及ぼす可能性があります。また、当グループの業績悪化等により、資金調達コストが上昇した場合、当グループの資金調達に悪影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループは緊急時の流動性確保に備えて、取引金融機関との間に借入枠を確保するとともに、有利子負債の削減を中心に財務体質の強化に努めております。
当グループの従業員退職給付費用および債務は、主として、割引率、長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件にもとづいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なり、割引率や運用利回りの変動は、当グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
これに対して、当グループは退職給付債務や運用状況などの定期的なモニタリングに努めております。
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」とい
う。)の状況の概要は次のとおりであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の増加や生産の持ち直しの動きがみられたものの、変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動の制限を受け、2021 年7~9月期のGDPはマイナス成長となるなど、厳しい状況が続きました。ワクチンの追加接種や治療薬の開発に伴い、経済活動の回復期待が高まる一方で、海外における感染の再拡大、米国や欧州のインフレ加速懸念、中国経済の減速懸念、一部地域による地政学リスクなどから、依然として先行きは不透明な状況にあります。
当グループを取り巻く事業環境におきましては、各種政策効果や感染拡大防止策による経済活動活性化の期待感はあるものの、新型コロナウイルスの変異株の世界的な感染再拡大、とくにベトナムの一部地域における一時的な都市封鎖が実施されたことにより、エフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の生産体制が影響を受けたほか、原油価格の高止まりによる原材料費の上昇、世界的な海上コンテナ需要逼迫による物流の混乱やそのコストの高騰など、主力のサーマルトランスファーメディアの市場をはじめとして厳しい環境が継続しております。
こうした状況のもと、当グループの強みである創造型企業としての技術基盤をもとに、新製品の開発および新市場の開拓を重点課題とし、多様化・高度化する顧客のニーズに対応する開発に努めてまいりました。
とくに、当連結会計年度における販売面につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を比較的受けにくい市場への販売に注力するなどの拡販活動を展開いたしました。
一方、生産面におきましては、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーションの活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高が85億9千8百万円(前年同期比14.0%増)となり、営業利益は3億4千9百万円(前年同期 営業損失1億1千5百万円)、経常利益は4億2千5百万円(前年同期 経常損失8千万円)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は法人税等の計上などにより、3億6千9百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失1億8千万円)となりました。
また、財政状態については次の通りです。
当連結会計年度末の総資産は、162億2千1百万円(前連結会計年度末比2.0%増)と、前連結会計年度末に比べ3億1千6百万円の増加となりました。
負債は、57億4千2百万円(前連結会計年度末比1.2%減)と、前連結会計年度末に比べ6千9百万円の減少となりました。
純資産は、104億7千8百万円(前連結会計年度末比3.8%増)と、前連結会計年度末に比べ3億8千6百万円の増加となりました。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントを「印字記録媒体および事務用消耗品関連事業」の単一セグメントから、「印字記録媒体および事務用消耗品関連事業」、「プラスチック成形関連事業」の2区分に変更しております。前連結会計年度との比較・分析は変更後の区分に基づいて記載しております。セグメント別の業績は、次のとおりであり、売上高についてはセグメント間の内部売上高又は振替高を除いた売上高で表示しております。
印字記録媒体および事務用消耗品関連事業は、売上高81億2千9百万円(前年同期比13.5%増)、セグメント利益(売上総利益)は21億4千7百万円(前年同期比36.6%増)となりました。
プラスチック成形関連事業は、売上高4億6千8百万円(前年同期比21.9%増)、セグメント利益(売上総利益)は1億4千4百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首残高に比べ2億5千2百万円減少し、43億2千5百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費の内部留保などにより、8億9千8百万円の収入となり、前年同期比では1億3百万円の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより、7億2千8百万円の支出となり、前年同期比では5千4百万円の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などにより、4億5千1百万円の支出となり、前年同期比では1億4千1百万円の支出の増加となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
まず、当グループは、目指すべき長期ビジョンとして「FCL VISION ~ありたい姿、志~」を掲げ、一層厳しさを増す経営環境においても体幹をきたえつつ成長するとの決意を込めて、2020年度から2022年度までの3年間を「挑戦する3年」と位置づけ、新たな中期経営計画を打ち立てました。この計画目標を達成するべく、重点経営課題として、「新製品・新規事業の開発」、「ものづくり力・生産性の強化」、「人財育成」および「基幹系システムの再構築による業務改革」の4つに取り組みました。
『目標』 (2021年2月12日公表)
『実績』
2021年度は、米国や欧州のインフレ加速懸念、中国経済の減速懸念、一部地域における地政学リスクなどに加え、変異株による新型コロナウイルス感染症の再拡大による経済活動の制限を受け経済活動が停滞し、経済環境が引き続き悪化いたしました。当グループを取り巻く事業環境におきましても、各種政策効果や感染拡大防止策による経済活動活性化の期待感はあるものの、新型コロナウイルスの変異株の世界的な感染再拡大、原油価格の高止まりによる原材料費の上昇、世界的な海上コンテナ需要逼迫による物流の混乱やそのコストの高騰など、主力のサーマルトランスファーメディアの市場をはじめとして厳しい環境が継続いたしました。
こうした状況のもと、当グループの強みである創造型企業としての技術基盤をもとに、新製品の開発および新市場の開拓を重点課題とし、多様化・高度化する顧客のニーズに対応する開発に努めてまいりました。なお、研究開発費の総額は、新型コロナウイルスの影響による移動制限等の緩和もあり、4億1千2百万円と前年同期に比べて2千4百万円増加となりましたが、引き続き将来の成長に向けた投資を継続してまいります。
一方、生産面におきましては、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進による収益の改善に取り組んでまいりました。
この結果、2021年度の連結売上高、連結営業利益(率)のいずれにつきましても、目標(2021年2月12日公表)を上回る結果となりました。
中期経営計画最終年度である2022年度の数値目標といたしましては、新型コロナウイルス感染症の再拡大により再び世界レベルでの経済への影響が懸念されるなど、極めて厳しい経営環境が続くと予想されますが、連結売上高91億円、連結営業利益4億5千万円としております。この目標達成に向けて、新製品、新規事業の開発や新規顧客開拓を従来にもましてスピードを上げ、全社一丸となって取り組んでまいります。また、国内外の拠点を活用して、特長ある付加価値の高い新製品を積極的に市場投入していくほか、既存製品のコストダウン実現によるシェアアップなどにより、販売拡大を図るとともに収益の確保に努めてまいります。
次に、当連結会計年度における当グループの経営成績の分析は次のとおりです。
当連結会計年度の売上高は、85億9千8百万円(前年同期比14.0%増)と、前連結会計年度に比べ10億5千3百万円の増収となりました。これは主として、主力製品を中心に新型コロナウイルス感染拡大の影響を比較的受けにくい市場への販売に注力するなどの拡販活動を展開したことなどによるものであります。
また、当連結会計年度より「印字記録媒体および事務用消耗品関連事業」は売上高81億2千9百万円(前年同期比
13.5%増)における品目別売上高の状況は、次のとおりであります。
サーマルトランスファーメディアは、新型コロナウイルスの影響を受けにくい分野に対して、主力のバーコード用リボンを中心に拡販に努めました結果、47億8千4百万円(前年同期比11.8%増)となりました。
インパクトリボンは、市場の縮小傾向が続くなか、選択と集中にもとづく営業活動を展開し、7億2千2百万円(前年同期比4.1%増)となりました。
テープ類は、主要顧客を中心に需要が回復基調にあり、19億2千5百万円(前年同期比31.8%増)となりました。
機能性フィルムは、電子材料分野を中心に拡販に努めるとともに、新規開発分野の売上が徐々に寄与しはじめて
おり、4億4千2百万円(前年同期比18.7%増)となりました。
その他は、2億5千3百万円(前年同期比27.5%減)となりました。
プラスチック成形関連事業は、取引先各社の需要が総じて好調に推移したことから、4億6千8百万円(前年同
期比21.9%増)となりました。
売上原価は、生産面において、海外生産拠点であるエフシー ベトナム コーポレーション(当社子会社)の活用強化による生産効率化、グループ全体でのコスト削減の推進に努めたなかで、売上高増収にともない、63億6百万円(前年同期比7.9%増)と、前連結会計年度に比べ4億6千2百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は、19億4千2百万円(前年同期比7.0%増)と、前連結会計年度に比べ1億2千6百万円の増加となりました。
営業利益は、高付加価値製品の販売増加およびグループを挙げた生産の効率化によるコスト削減などにより3億4千9百万円(前年同期 営業損失1億1千5百万円)となりました。
営業外損益は、前年同期に比べ為替差損益が好転したことなどにより7千6百万円の利益(純額)となり、前連結会計年度に比べ4千万円の増加となりました。
この結果、経常利益は4億2千5百万円(前年同期 経常損失8千万円)となりました。
特別損益は、固定資産廃棄損の計上により、1千1百万円の損失(純額)となり、前連結会計年度に比べ3千5百万円の損失の減少となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は4億1千4百万円(前年同期 税金等調整前当期純損失1億2千6百万円)となりました。
法人税等(法人税等調整額を含む)は4千4百万円と、前連結会計年度に比べ9百万円の減少となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は3億6千9百万円(前年同期 親会社株主に帰属する当期純損失1億8千万円)となりました。
当グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析につきましては、次の通りです。
営業活動による資金の増加は、売上債権の増加、減価償却費の内部留保などによるものです。
投資活動による資金の減少は、有形固定資産の取得による支出などによるものです。
財務活動による資金の減少は、長期借入金の返済などによるものです。
これらの影響により、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、期首残高に比べ2億5千2百万円減少し、43億2千5百万円となりました。
当グループにおける運転資金需要の主なものは、製品を製造するための原材料および部品の購入のほか、製造費用や販売費及び一般管理費(研究開発費を含みます。)の営業費用によるものです。また当グループの投資資金需要の主なものは、国内の製造拠点である岡山工場での生産性向上のための設備投資であります。
また、株主への配当金については、将来の成長に必要なキャッシュ・フローや内部留保等を勘案しつつ、経営成績に応じ、安定した配当を実施することを基本方針としております。これまで、連結配当性向25%から30%程度を目安に、安定的な配当を維持していくこととしておりましたが、2022年12月期決算以降につきましては、株主還元の一層の強化により企業価値の向上を図るため、連結配当性向30%以上を方針といたします。
続いて、当グループの資金調達は、主として営業活動によるキャッシュ・フローおよび金融機関からの借入となります。
流動性につきましては、新型コロナウイルス感染症等により先行きが不透明な中、不測の事態に備え、金融機関からの長期借入金を行うなど、事業活動を行う上で十分な運転資金を有するとともに、金融機関からの借入金につきましては、引き続き今後の成長に必要となる資金を適切に調達することが可能であると考えております。また、緊急時の流動性確保に備えて、金融機関との間に借入枠を確保しており、機動的な資金調達に備えております。
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準にもとづき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって見積りが必要な事項につきましては合理的な基準にもとづき会計上の見積りを行っております。当グループは、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、これらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
該当事項はありません。
(1) 当グループの研究開発は、コア技術である処方設計・精密塗工・転写技術を強化し、顧客の企画に最も適した機能性材料の開発を共同して行うことおよび当グループ独自の企画・開発による機能性材料を提案することを基本としております。
熱転写分野において、印字の高速化・高感度化・高堅牢化を目指し、印字条件の研究や各種リボンの開発を行っております。とりわけバーコードや軽包装の印字に用いられるリボンは市場からのニーズも大きく、積極的に開発を行っております。また、金属等の機能性材料を転写することが可能な熱転写技術の特長を生かし、産業用途へのオンデマンド印刷システムの提案およびそれに使用する各種機能を有するリボン等の開発を行っております。
文具分野では、修正テープ、テープのりのさらなる高品質化を推進するとともに、カセット開発技術を活用し、新規機構およびデザインの修正テープ、テープのりの製品化提案を行っております。また、本分野で培った粘着剤技術を利用し、その高機能化や各種基材との組み合わせにより工業用粘着フィルムをはじめとする製品の各種産業分野への応用展開を推進しております。
その他分野では、機能性フィルムを統一ブランドである「FIXFILM」として展開し、特長ある付加価値の高い製品を開発推進しており、各種産業向けに生産工程内のプロセスで使用される消耗品分野をはじめとする様々な独自製品の開発を行っております。また、注目されている環境・エネルギー分野やエレクトロニクス分野へも当社のコア技術を活かした受託塗工を含めて積極的に展開し、開発を推進しております。
この他、新たな事業を生み出す市場創造型の製品づくりのため、大学と新素材に関する共同研究もスタートしております。
なお、当連結会計年度の主な研究開発は、次のとおりであります。
<サーマルトランスファーメディア>
高品質なバーコード用、軽包装用リボンの開発
装飾性の高い印字が可能なシステム提案およびリボンの開発
環境配慮型リボンの開発
熱転写技術の新たな用途展開
<テープ類>
次世代修正テープの開発
修正テープ、テープのりの新規カセット機構提案および商品の開発
<機能性フィルム「FIXFILM」>
粘着・接着機能や光学機能を有する材料の開発
ディスプレイや各種産業分野に使用される各種機能を有するフィルムおよびシートの開発
機能性フィルムの統一ブランドである「FIXFILM」として、各種機能を付与した製品の開発
各種機能を有する材料を転写するフィルムおよびシートの開発
(2) 当連結会計年度の研究開発費は、