第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 また、当社の経営に重要な影響を及ぼす事象は存在しておりません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

① 事業全般の概況

 当中間連結会計期間における我が国の経済は、個人消費に持ち直しの動きがみられるなど緩やかな回復基調で推移しました。一方で、緊迫化する中東情勢の影響を注視する状況が続いております。世界経済においては、一部の地域で弱さがみられるものの緩やかな持ち直しが続く一方、地政学的リスクの顕在化や金融資本市場の変動、米国の政策動向等により、先行きは依然として不透明な状況が続いております。

 このような状況の中、当社グループは、2026年12月期を初年度とする「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」をスタートいたしました。本計画においては、これまでの「事業構造改革」から得た知見を活かし、「収益性を伴う持続的な成長」という新たな目標に向けた施策を遂行しております。

 具体的には、3つの基本戦略(商品戦略、地域戦略、経営基盤の強化・ESGの着実な取り組み)に基づき、既存事業領域での抜本的な収益性向上に加え、10年後の哺乳器グローバル市場シェア20%達成に向けた集中投資や、米州・欧州事業、シンガポール事業の成長加速と日本事業、中国事業の安定的な成長により収益性を確保するとともに、迅速な意思決定による戦略遂行等を実現する経営基盤の強化を推進しております。

 そして、事業の成長はもとより、私たちの存在意義である「赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします」を実現させるため、各施策の実行に取り組んでおります。

 当中間連結会計期間において、売上高は、日本事業の育児家電、ベビーフード、スキンケア等の高付加価値品が好調だったことに加え、中国事業をはじめとする海外事業においても哺乳器・乳首等の主力商品が堅調に推移したことにより、全事業において増収となり、589億77百万円(前年同期比9.8%増)となりました。利益面では、増収による売上総利益の増加に加え、売上総利益率が前年同期比で改善したことで、成長投資等の販売費及び一般管理費の増加を吸収し、営業利益は78億78百万円(同17.9%増)、経常利益は79億86百万円(同16.2%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は52億21百万円(同12.9%増)となりました。

 なお、当中間連結会計期間の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替換算レートは次のとおりです。

・米ドル: 158.13円(148.50円)

・中国元:  23.04円( 20.47円)

注:( )内は前年同期の為替換算レート

 

② セグメント別の概況

 当社グループの報告セグメントは「日本事業」、「中国事業」、「シンガポール事業」及び「米州・欧州事業」の計4セグメントとなっております。

 なお、当中間連結会計期間より、従来「ランシノ事業」としていた報告セグメントの名称を「米州・欧州事業」に変更しております。当該変更は報告セグメント名称の変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

 各セグメントにおける概況は以下のとおりです。

 

<日本事業>

 当事業は、「ベビーケア」、「子育て支援」、「ヘルスケア・介護」等で構成されております。当事業全体の売上高は197億80百万円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益は17億44百万円(同57.5%増)となりました。

 ベビーケア(育児及び女性向け用品)の売上高は、育児家電やベビーフード、スキンケアの伸長をはじめとする高付加価値品の牽引により、前年同期を上回りました。また新商品として、透き通るようなデザインに加え、乳首の素材として環境に配慮したシリコーン原料を使用した哺乳器・乳首「母乳実感®Sheer」のほか、野菜が不足しがちな幼児期のお子さまに向けた「すくすくタブレット いちご味」、親子の時間を彩るベビーマッサージオイル「kaorigocochi(カオリゴコチ)」、ピジョンキッズより「魔法のあわあわボディソープ」「魔法のあわあわシャンプー」の販売を開始する等、ベビー向けに加えてエイジアップ商品によるLTV(顧客生涯価値)の拡大も強化しております。

 販売チャネルにおいては、オフラインでの販売が改善したことに加え、自社ECが前年と比較して力強い成長を見せました。

 また、コミュニケーション施策の一環として、新商品先行体験会やSNSを活用した商品紹介や販売促進に加え、医療従事者向けセミナーを開催する等、継続的なブランド強化に取り組んでおります。

 ヘルスケア・介護については、主力ブランド「ハビナース」の既存品における付加価値提案の強化と、効率的な事業運営による収益性の向上に注力いたしました。

 子育て支援については、事業所内保育施設等51箇所にてサービスを展開しており、今後もサービス内容の質的向上を図りながら事業を展開していきます。

 当事業の利益については、高付加価値品の販売拡大等による売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費率の改善もあり、前年同期を大幅に上回りました。

 

<中国事業>

 当事業の売上高は240億72百万円(前年同期比13.2%増)、セグメント利益は61億36百万円(同7.7%増)となりました。

 中国本土では、消耗品類等において減少が見られた一方、主力の哺乳器・乳首、スキンケアの伸長等もあり、現地通貨ベースの売上高は前年同期並みの水準を維持しました。また新商品として、日本事業と同じく新素材の乳首を使用した哺乳器・乳首や、好評を博している「桃の葉シリーズ」よりUVケア商品やシャンプー等の販売開始等、競争力を強化しております。

 販売チャネルとしては、オンラインを中心に成長が継続しており、当中間連結会計期間における最大のEC商戦である「618」に向けて新商品などのプロモーション強化を徹底した結果、大手EC自社旗艦店等の消費者向け販売(セルアウト)は前年同期を上回って推移しました。

 なお、当事業が管轄する韓国及び北米市場(ピジョンブランド)においては、現地販売子会社を起点としたブランド強化及び販売・マーケティング活動に取り組んだほか、特に北米市場においては、哺乳器・乳首を中心としたピジョンブランドの育児用品の販売が好調に推移しました。

 当事業の利益については、増収による売上総利益等の増加により販売費及び一般管理費を吸収し、前年同期を上回りました。

 

<シンガポール事業>

 当事業の売上高は72億87百万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益は10億59百万円(同4.9%減)となりました。

 当事業が管轄するASEAN地域及びインド等では、中東情勢の影響により中東向け出荷の一部停止に見舞われた一方、哺乳器・乳首を中心とした主力商品の販売は堅調に推移し、売上高は概ね前年同期並みとなりました。特にマレーシアやオーストラリアでの販売が引き続き好調に推移したほか、インドネシア市場向けには広口哺乳器の販売強化へ向けた戦略商品の投入を開始しております。引き続き、上位中間層以上のお客様をターゲットとし、基幹商品である哺乳器・乳首及びベビースキンケアを中心とした積極的な販売・マーケティング活動の展開や広口哺乳器・乳首の更なる浸透を図ってまいります。

 当事業の利益については、収益性の高い広口哺乳器・乳首の伸長による売上総利益率の改善等はありましたが、中東情勢の影響もあり、前年同期を下回りました。

 

<米州・欧州事業>

 当事業の売上高は122億39百万円(前年同期比15.3%増)、セグメント利益は9億28百万円(同90.9%増)となりました。

主力市場である北米においては、新規獲得及び認知度向上のためのプロモーション施策を強化した結果、哺乳器・乳首の販売が大幅に伸長したほか、主力商品の乳首ケアクリームも堅調に推移しました。一方、さく乳器カテゴリや消耗品等における競争激化等の影響もあり、現地通貨ベースの売上高は前年同期を下回りました。欧州では、主要国(ドイツ、イギリス、トルコ、フランス等)全てで大幅に売上高が伸長しました。哺乳器・乳首、さく乳器の販売が好調に推移し、現地通貨ベースの売上高は前年同期を上回りました。

当事業の利益については、哺乳器・乳首の米国市場攻略に向けたマーケティング費用等を吸収し、前年同期を上回りました。

 

(資産)

 当中間連結会計期間末における資産の残高は1,152億67百万円となり、前連結会計年度末と比べ51億78百万円の増加となりました。流動資産は47億49百万円の増加、固定資産は4億29百万円の増加となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が33億38百万円減少したものの、受取手形及び売掛金が49億6百万円、原材料及び貯蔵品が17億45百万円、その他流動資産が7億63百万円増加したことによるものです。

 固定資産の増加の主な要因は、建物及び構築物が2億67百万円、投資その他の資産が1億89百万円増加したことによるものです。

(負債)

 当中間連結会計期間末における負債の残高は269億34百万円となり、前連結会計年度末と比べ27億32百万円の増加となりました。流動負債は22億32百万円の増加、固定負債は5億円の増加となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が14億84百万円、その他流動負債が7億78百万円増加したことによるものです。

 固定負債の増加の主な要因は、その他固定負債が4億77百万円増加したことによるものです。

(純資産)

 当中間連結会計期間末における純資産の残高は883億33百万円となり、前連結会計年度末と比べ24億45百万円の増加となりました。

 純資産の増加の主な要因は、為替換算調整勘定が21億96百万円増加したことによるものです。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ33億38百万円減少し、362億71百万円となりました。

 当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は31億46百万円(前年同期は39億67百万円の獲得)となりました。これは主に売上債権の増加額37億50百万円、棚卸資産の増加額18億82百万円、その他の増加額11億61百万円等の減少要因に対し、税金等調整前中間純利益78億95百万円、減価償却費23億95百万円等の増加要因によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果支出した資金は19億2百万円(前年同期は17億45百万円の支出)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出15億47百万円等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果支出した資金は55億42百万円(前年同期は57億84百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額45億48百万円、その他5億11百万円等によるものです。

 

(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(4)経営方針・経営戦略等

① 経営方針

 当社グループでは、社員一人ひとりが大切にする企業理念として「Pigeon DNA・Pigeon Way」を設定しております。「Pigeon DNA」は経営理念と社是で構成され、ピジョンの核であり、この先も貫いていくものです。「Pigeon Way」は、存在意義、基本となる価値観、行動原則で構成されており、私たちの“心”と“行動”の拠り所であり、すべての活動の基本となる考え方です。

 私たちピジョングループは、Pigeon Wayの軸である存在意義(赤ちゃんをいつも真に見つめ続け、この世界をもっと赤ちゃんにやさしい場所にします)の実現に向けて、5つの重要課題(マテリアリティ)を設定し、事業活動を行うすべての国・地域において、環境負荷を減らし、赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題の解決をすること、さらに新しいビジネスにも挑戦することで、社会になくてはならない存在として持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。

 

② 事業環境

 当社グループを取り巻く事業環境は、主力市場である日本・中国をはじめ世界的に出生数が減少する中、原材料及びエネルギー価格等の高騰による物価高等の影響を受けております。また、世界経済の先行きに対する不透明感の増加や地政学的リスクの高まりなどもある中、各種環境の変化は目まぐるしく、将来の予測が非常に困難な状況にあります。

 一方、当社グループにおける主要市場の一角を担う中国では少子化が進行しているものの、経済力や出生数からも依然として巨大市場であることに変わりは無く、それに加えてアジア各国やその他新興国等においても出生数の大きな市場が複数存在し、中長期的にはEコマースの浸透・発達や経済成長に伴う消費の拡大等が見込まれております。さらに、世界的には当社グループが未参入の市場も多く、これら既存及び新規市場における事業活動の強化・深耕によって、今後の成長が十分期待できるものと考えております。

 

③ 経営戦略

 このような環境の中、当社グループは2026年12月期を初年度とする「第9次中期経営計画(2026年12月期~2028年12月期)」をスタートいたしました。本計画においては、これまでの「事業構造改革」から得た学びを活かした上で、「収益性を伴う持続的な成長」という新たな目標に向けた施策を遂行してまいります。存在意義を常に起点とし、中長期的な企業価値向上を実現するため、以下の戦略を重点的に推進します。

 

1.商品戦略:

・哺乳器を中心とした基幹商品群(基幹商品、サブ基幹商品)の成長加速

・エイジアップ商品によるLTV※の拡大

 ※LTV:Life Time Value(顧客生涯価値)

 

2.地域戦略:

・最重点地域である米州・欧州※、成長余地の大きいシンガポール事業での成長を加速

・日本、中国事業の安定的な成長によるグループ収益性の確保

 ※2026年3月27日付で、「ランシノ事業」は「米州・欧州事業」へ名称を変更いたしました。

 

3.経営基盤の強化・ESGの着実な取組:

・地域軸 x 機能軸での経営体制を推進

・成長戦略を支える着実なESGの取組を強化

 

 当社グループの最大の強みである哺乳器・乳首を含む主力商品カテゴリを「最優先投資領域(基幹商品)」、さらに過去の学びから特定した当社の知見やブランド力を活かして今後の売上・利益成長が期待できる商品カテゴリを「次なる成長領域(サブ基幹商品)」と位置付け、経営資源を集中投下します。

 哺乳器・乳首については、既存展開市場での圧倒的シェアを盤石なものにするだけでなく、これまで十分にアプローチできていなかった未開拓領域(ホワイトスペース)への攻勢を強め、10年後の圧倒的な哺乳器グローバル市場シェア(20%)達成を目指します。あわせて、哺乳器・乳首で培った強力なブランド力を活かし、収益性の高い基幹商品群への優先的な資源配分を推進することで顧客生涯価値を高めると同時に企業価値向上のドライバーへと育成し、経済価値と社会価値の最大化を図ります。

 地域戦略では、ピジョンブランド・ランシノブランドのシナジーを創出しつつ、各市場の特性に応じた「選択と集中」を徹底いたします。出生数減少に直面する日本、中国事業においては、ブランド価値の再定義とオペレーションの効率化により安定した収益基盤を構築します。一方で、哺乳器・乳首カテゴリの本格展開を開始する米州・欧州市場、及び成長余力の大きいASEAN・インド市場においては、機動的な投資によるブランド認知拡大や高単価・高付加価値化等を推進し、グローバルでの持続的な成長加速を目指します。

 そして、これら戦略の着実な遂行とともに、グローバルでの事業拡大と経営基盤の強化のため、新たな役員体制を構築いたします。各事業本部の責任者となる事業役員と、代表取締役社長直下に設置した5つの専門領域を管掌する経営役員(CxO)の各役割・責任を明確にした上で相互連携を強化していくことで、事業本部横断での機能の高度化や各々の専門性を活かした迅速な意思決定、そしてガバナンスの向上につなげてまいります。当社グループにおける事業継続計画につきましては、既に構築されておりますグローバルリスクマネジメント体制をより一層充実させてまいります。

 また、重要課題(マテリアリティ)への取組を着実に行い、環境(E)、社会(S)及びガバナンス(G)の観点から持続可能なオペレーションを追求してまいります。「社会的価値が経済価値をリードする」という二項共創の考え方に基づき、当社グループが事業活動を行う全ての国・地域において、環境負荷等の低減に対しては“あたりまえ”の活動として取り組み、加えて赤ちゃんとご家族を取り巻く社会課題を解決することや未開拓の市場・商品領域へのビジネス拡大に挑戦することで、当社グループは社会になくてはならない存在として持続的な成長を通じた「存在意義」の実現と一層の企業価値向上を目指してまいります。

 

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はなく、また、新たな発生もありません。

 

(6)研究開発活動

 当中間連結会計期間における当社グループの研究開発費の総額は、18億8百万円です。

 なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

3【重要な契約等】

 該当事項はありません。