第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は合成樹脂の積層・加工技術をコア・テクノロジーとして、建築・内装・電子・家具業界向けに多様な素材をお届けすることを使命と考えております。その実現のために、環境に配慮し社会的責任を果たすとともに、顧客の視点から新たな価値を創出し続けるベンチャースピリットにあふれる企業を目指すことを経営方針としています。

 

(2)経営戦略等

 今後の成長の期待がもてる市場ととらえているリフォーム市場へは不燃メラミン化粧板を、キッチン・洗面市場へは「バイオマーブルカウンター」を、インフラ市場ヘはケミカルアンカー製品を投入し、売上・利益の拡大を推進いたします。また、環境配慮型商品の開発及び顧客の期待を上回るサービスの開発を積極的に推進し、シェア拡大を推進いたします。生産部門においても環境に配慮すべく、省エネや廃棄物のリサイクルを推進し、ゼロエミッション工場を目指します。

 

(3)経営環境

 わが国の経済は、新型コロナウイルス感染症(以下「感染症」)による個人消費、企業活動の収縮、雇用環境の悪化等の影響が長期化する中、政府や地方自治体による経済対策等により回復の兆しも見られたものの、感染症の再拡大により先行きが不透明な状況が続いております。変異株の感染による重症化の可能性はありますが、ワクチン接種による感染症の鎮静化の可能性もあり先行きについては予断を許さない状況となっております。

 感染症の影響により、政府が「緊急事態宣言」を複数回発出する事態に至り、多くの企業が休業や時短営業を余儀なくされ、企業収益が悪化し、従業員の解雇も発生しております。建材や住宅設備の納期の遅延による販売数量減少などの影響は、今後も継続する場合があります。

 

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社としては、自然災害、新型コロナウイルス感染症拡大等の外的要因及び競合を含めた市場環境の変化などにより生じる、経営環境の変化、消費者のライフスタイルや消費マインドの変化への対応力を上げることが重要であると認識しております。

 このような環境の下、当社はDX化の推進により、ケミカルアンカーの強度計算及び容量計算をスマホでできるサービスを開始します。また、新製品の開発にも注力し、不燃メラミン化粧板「パニート モザイコ」では25mm角格子エンボス「ヴァンサンク」、ケミカルアンカーでは無機系注入型製品「MLタイプ」、「バイオマーブルカウンター」では天板の柄に合わせた一体感のあるデザインの前垂れ付きカウンターを発売いたします。工場においては、更なる品質向上と省力化のための設備投資を継続してまいります

 

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、企業価値の向上を意識した経営を推進すべく「自己資本当期純利益率(ROE)」を経営指標として採用しております。当社のROEの目標値は2.70%程度に設定しております。

 

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の概況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中における将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。

 

(1)経済状況に伴うリスク

 当社は、建築・土木業界、電子・プリント基板業界、不動産業界、公共事業の動向に影響を受ける可能性があります。各業界の景気後退は、当社の業績、財務状況に悪影響を与える可能性があります。現在、新型コロナウイルス感染症の拡大により、景気の後退に至っておりますが、今後も様々な外的要因により、景気の下振れによる不況に陥った場合、当社グループの財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

(2)原材料に伴うリスク

 当社は、プラスチック製品の製造が主体であるため原油価格に影響を受ける可能性があります。原油価格の上昇は、当社の調達コストの上昇をもたらし、当社業績に悪影響をもたらす可能性があります。

(3)為替レートの変動リスク

 当社が生産を行うための調達コストは直接・間接的に為替レートに影響を受けております。当社は、為替予約等によりリスクヘッジを行っておりますが、他の通貨に対する円安は、当社業績に悪影響をもたらす可能性があります。

 

(4)新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク

 当社は、複数の事業拠点、営業所等を使用し事業運営をしております。新型コロナウイルス感染症拡大のようなパンデミックや大規模な自然災害等の異常事態が当社の想定を超える規模で発生し、事業運営が困難になった場合、当社の財政状態や経営成績等に大きな影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の概要

当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。

 

a.財政状態

 当事業年度末の総資産は前事業年度末より161百万円減少して16,491百万円となりました。

 流動資産は前事業年度末より438百万円減少の6,098百万円、固定資産は前事業年度末より277百万円増加の10,393百万円となりました。

 流動資産減少の主な原因は、有価証券及び売掛金の減少等によるものです。固定資産増加の主な原因は、投資有価証券の購入等によるものです。

 当事業年度末の負債は前事業年度末より348百万円減少して1,661百万円となりました。

 流動負債は前事業年度末より359百万円減少の1,077百万円、固定負債は前事業年度末より11百万円増加の584百万円となりました。

 流動負債減少の主な原因は、電子記録債務、設備支払手形及び未払消費税等の減少等によるものです。固定負債増加の主な原因は、役員退職慰労引当金の増加等によるものです。

 当事業年度末の純資産は前事業年度末より187百万円増加して14,829百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は87.9%から89.9%になり、1株当たり純資産は18,026円83銭から18,258円72銭となりました。

 

b.経営成績

 当事業年度の雇用環境の悪化等の影響が長期化する中、政府や地方自治体による経済対策等により回復の兆しも見られたものの、新型コロナウイルス感染症(以下、「感染症」)の再拡大により先行きが不透明な状況が続いております。

 このような状況の下、当社も予定していたケミカルアンカーの省力化設備投資の延期及び新商品の販売の延期を余儀なくされました。しかし、工場の操業度を上げるために輸入していた商品の内製化を開始及び新製品の開発に重点的に取り組みました。

 以上の結果、当事業年度の業績といたしましては、売上高は4,706百万円(前期比86.8%)、営業利益は447百万円(前期比102.1%)、経常利益は453百万円(前期比101.9%)、当期純利益は309百万円(前期比94.4%)となりました。

 

次にセグメント別の業績を述べます。

 

<建築材料事業セグメント>

化粧板製品

 高圧メラミン化粧板において、店舗市場とトイレブース市場は、感染症の影響により工事物件が減少したことと、物件の延期、中止が相次ぎ販売が減少しました。オフィス市場は、新築改装需要の減少と感染症による在宅勤務の普及により、オフィス家具の販売が減少しました。

 不燃メラミン化粧板は、感染症の影響を受け、住宅着工件数が減少し、またアパート等の賃貸住宅向け及び住宅リフォームや店舗改修の需要も減少したため、販売が減少しました。

 その結果、化粧板製品の売上高は3,021百万円(前期比83.2%)となりました。

 

電子部品業界向け製品

 電子部品業界向け製品は、米中貿易摩擦の影響による国内のプリント基板業界の景気悪化が続いておりましたが、感染症の抑制に成功した中国市場向けが増加したことと自動車の電装化、巣篭もり需要によるパソコン、ゲーム機や5G(第5世代移動通信システム)基地局の整備やスマートフォン向けのプリント基板用フェノール積層板の需要が増加しました。

 その結果、電子部品業界向け製品の売上高は582百万円(前期比95.9%)となりました。

 

ケミカルアンカー製品

 ケミカルアンカー製品は、公共工事による土木工事(道路・港湾・河川等)への販売は比較的順調に推移しましたが、民間の建築耐震工事、設備工事への販売は、感染症の影響により、工事物件の一部が中断、延期、中止となり販売が減少しました。

 その結果、ケミカルアンカー製品の売上高は716百万円(前期比91.4%)となりました。

 

 この結果、当セグメントの売上高は4,320百万円(前期比86.0%)となりました。

 

<不動産事業セグメント>

 不動産事業は、感染症の影響により賃貸取引が減少する状況のなか、前期に1物件売却した影響で売上高が減少した以外は順調に推移いたしました。

 その結果、不動産事業セグメントの売上高は386百万円(前期比96.9%)となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は営業活動により627百万円増加、投資活動により581百万円減少、財務活動により194百万円減少したこと等により、前事業年度末に比べ149百万円減少し、当事業年度末には3,861百万円となりました。

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は627百万円(前期比59.1%)となりました。これは、主に税引前当期純利益が452百万円であったことと、減価償却費を355百万円計上したことに対し、法人税等の支払額が137百万円であったこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は581百万円(前年同期は685百万円の獲得)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出が496百万円であったこと、有形固定資産の取得による支出が82百万円あったこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は194百万円(前期比85.8%)となりました。これは、配当金の支払額が194百万円であったことによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当事業年度の生産実績については、建築材料事業セグメントの製品区分別に記載しております。なお、不動産事業セグメントの生産実績はありません。

製品区分別

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

化粧板製品(千円)

2,777,593

83.4

電子部品業界向け製品(千円)

583,068

97.3

ケミカルアンカー製品(千円)

688,498

88.1

合計(千円)

4,049,160

85.9

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

 当事業年度の商品仕入実績については、建築材料事業セグメントの製品区分別に記載しております。なお、不動産事業セグメントの商品仕入実績はありません。

製品区分別

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

化粧板製品(千円)

290,646

76.1

ケミカルアンカー製品(千円)

20,561

38.7

合計(千円)

311,208

71.5

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.受注実績

 当事業年度の受注実績については、建築材料事業セグメントの製品区分別に記載しております。なお、不動産事業セグメントは該当事項はありません。

製品区分別

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

化粧板製品(千円)

2,979,427

83.2

88,478

115.4

電子部品業界向け製品(千円)

593,060

97.5

30,733

149.6

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.ケミカルアンカー製品については、主として、見込生産方式によっております。

 

d.販売実績

 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

製品区分別

当事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

建築材料事業

 

 

化粧板製品(千円)

3,021,155

83.2

電子部品業界向け製品(千円)

582,867

95.9

ケミカルアンカー製品(千円)

716,449

91.4

小計(千円)

4,320,472

86.0

不動産事業(千円)

386,097

96.9

合計(千円)

4,706,569

86.8

 (注)  上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社の当事業年度の財政状態及び経営成績は次のとおりであります。

a.経営成績等の状況

 当事業年度の経営成績は、高圧メラミン化粧板において、店舗市場とトイレブース市場は、感染症の影響により工事物件が減少したことと、物件の延期、中止が相次ぎ販売が減少しました。オフィス市場は、新築改装需要の減少と感染症による在宅勤務の普及により、オフィス家具の販売が減少しました。不燃メラミン化粧板は、感染症の影響を受け、住宅着工件数が減少し、またアパート等の賃貸住宅向け及び住宅リフォームや店舗改修の需要も減少したため、販売が減少しました。電子部品業界向け製品は、米中貿易摩擦の影響による国内のプリント基板業界の景気悪化が続いておりましたが、感染症の抑制に成功した中国市場向けが増加したことと自動車の電装化、巣篭もり需要によるパソコン、ゲーム機や5G(第5世代移動通信システム)基地局の整備やスマートフォン向けのプリント基板用フェノール積層板の需要が増加しました。ケミカルアンカー製品は、公共工事による土木工事(道路・港湾・河川等)への販売は比較的順調に推移しましたが、民間の建築耐震工事、設備工事への販売は、感染症の影響により、工事物件の一部が中断、延期、中止となり販売が減少しました。

 その結果、売上高は前事業年度より716百万円減少の4,706百万円となりました。業績につきましては、売上高売上原価率は60.7%と前事業年度より2.6ポイント改善し、売上高販管費比率は29.8%と前事業年度より1.2ポイント悪化した結果、営業利益は前事業年度より9百万円増加の447百万円となりました。当期純利益は前事業年度より18百万円減少の309百万円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

 当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、四つあると考えております。一つ目は、建築・土木業界、電子・プリント基板業界、不動産業界、公共工事の動向に影響を受けます。住宅着工件数や公共投資の増加、減少により当社の業績は大きく影響を受けます。二つ目は、原油価格に影響を受けます。当社はプラスチック製品の販売製造が主体であるため、原油価格の上昇、下落により原材料及び燃料の調達コストが変動し、当社の業績は大きく影響を受けます。三つ目は、為替レートの変動に影響を受けます。為替レートの円安、円高により原材料及び燃料の調達コストが変動し、当社の業績は大きく影響を受けます。四つ目は、新型コロナウイルス感染症等の異常事態が発生した場合に、大きく影響を受けます。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当社の資本の財源及び資金の流動性については、当社では、運転資金および設備投資資金については基本的に自己資金にてまかなうこととしております。

 当事業年度において営業活動の結果得られた現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は627百万円(前期比59.1%)となりました。これは、主に税引前当期純利益が452百万円であったことと、減価償却費を355百万円計上したことに対し、法人税等の支払額が137百万円であったこと等によるものであります。投資活動の結果使用した資金は581百万円(前年同期は685百万円の獲得)となりました。これは、主に投資有価証券の取得による支出が496百万円であったこと、有形固定資産の取得による支出が82百万円あったこと等によるものであります。財務活動の結果使用した資金は194百万円(前期比85.8%)となりました。これは、配当金の支払額が194百万円であったことによるものであります。

 これらの結果、当事業年度における資金は前事業年度末に比べ149百万円減少し、3,861百万円となりました。

 

 

③重要な会計上の見積及び当該見積に用いた仮定

 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計方針)」に記載のとおりであります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響等不確実性が大きく将来等の見込み数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。

 

④経営方針・経営戦略、経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、企業価値の向上を意識した経営を推進すべく「自己資本当期純利益率(ROE)」を経営指標として採用しております。当社のROEの目標値は2.70%程度に設定しており、当事業年度におけるROEは2.10%(目標比0.6ポイント減)となりました。これは、売上高の減少と輸送費の高騰等により当期純利益が減少したことが主な要因であります。引き続き、ROEの目標を達成できるよう取り組んでまいります。

4【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

 当社は「新たなる価値の創出と環境負荷の低減」をテーマに、新製品の研究開発活動を推進しております。
 研究開発活動と致しましては、化粧板製品では、植物由来の原材料を50%以上使用した木目調人工大理石「バイオマーブルⓇカウンター」について、従来の10mm厚に加え、より軽量で取扱いやすい6mm厚を開発しました。反りにくい設計になっており、施工現場では、テープと接着剤だけで簡単に施工することが可能な製品です。また、10mm厚製品にもその技術を採用して改良致しました。
 不燃板製品では、モザイク柄同調エンボスメラミン不燃板「モザイコ」シリーズについて、従来の8mm角タイル「トレリス」に加え、優しい色合いで使いやすい意匠の25mm角タイル「ヴァンサンク」を開発しました。
 現在の研究開発は主に当社の研究開発部において推進しており、当事業年度における研究開発費は総額127百万円であります。なお、当社の研究開発活動は建築材料事業セグメントのみであるため、研究開発費については総額のみを表示しております。