第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

  当第1四半期連結累計期間より、「企業結合による会計基準」(企業会計第21号 平成25年9月13日)等を適用し、

 「当期純利益又は当期純損失」を「親会社に株主に帰属する当期純利益又は親会社に帰属する当期純損失」として

 おります。

 

(1)業績

当期におけるわが国経済は、中国経済の減速や原油価格の下落などを背景に世界経済の先行きに不透明感が広がる中、企業業績の改善が続く一方で個人消費の回復力は弱く、総じて力強さに欠ける状況で推移しました。

当社グループ(当社及び連結子会社)の主要取引先であります鉄鋼業、化学工業、印刷業、紙加工業、電子部材メーカーなどの設備投資に向けた動きも業績改善に伴い広がりを見せたものの、当期後半においては不透明な景気動向を見据えて一部慎重な動きとなりました。

このような情勢の下、当社グループは、付加価値の高い製品・サービスの提供を強化するとともに、全社的なコスト削減に努めてまいりました。

当期における当社グループの業績につきましては、全セグメントで売上高、セグメント利益ともに前年同期を大きく上回った結果、売上高7,472百万円(前年同期比121.7%)、営業利益649百万円(前年同期は営業損失5百万円)、経常利益686百万円(前年同期は経常利益66百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は476百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益9百万円)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。

 

① プロセス事業

当事業の主要取引先であります鉄鋼業界は、世界的に鋼材需給バランスの悪化が進み、鉄鋼メーカーの設備投資動向に影響を及ぼしました。このような状況の下、当社グループは、国内鉄鋼メーカーに対し、生産継続に欠かせない老朽設備の修理・更新、部品販売といったメンテナンス需要の取り込みに注力するとともに、鉄鋼製品の品質と生産効率向上につながる製品群の積極的な提案に努めました。また、海外鉄鋼メーカーに対しては、国内において培った信頼と実績をアピールし、アジアを中心とした新規顧客の獲得に注力しました。

その結果、当事業の売上高は2,610百万円(前年同期比115.2%)、セグメント利益は610百万円(前年同期比198.9%)となりました。

 

② ウェブ事業

当事業の主要取引先であります高機能フィルム業界は、フラットパネルディスプレイ向け電子部材関連設備投資を中心に、当期前半は堅調であったものの、後半は徐々に慎重な傾向となりました。もう一方の主要取引先であります印刷業界は、商業印刷市場の縮小に伴い設備投資も厳しい傾向が続きました。このような状況の下、当社グループは、高機能フィルム業界並びに印刷業界の中でも需要の安定した軟包装や特殊印刷市場に向け、耳端位置制御装置や張力制御装置を中心に積極的な営業活動を展開しました。

その結果、当事業の売上高は3,018百万円(前年同期比113.6%)、セグメント利益は352百万円(前年同期比178.0%)となりました。

 

③ 検査機事業

当事業の主要製品であります無地検査装置は、多様な品質検査ニーズへの対応と対象市場の拡大を狙い製品ラインナップを拡充した結果、フラットパネルディスプレイや二次電池等の電子部材関連設備投資を中心に受注を獲得し、前年同期の売上高を上回りました。

もう一つの主要製品であります選果装置は、老朽設備の更新を求める顧客からの受注を着実に捉え、前年同期の売上高を大幅に上回りました。

その結果、当事業の売上高は1,820百万円(前年同期比153.8%)、セグメント利益は221百万円(前年同期はセグメント損失17百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により794百万円増加し、投資活動により214百万円、財務活動により306百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末と比べて259百万円増加し、4,333百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は794百万円(前年同期比694百万円の増加)となりました。これは主なフローアウトに売上債権の増加195百万円、たな卸資産の増加139百万円、未払消費税等の減少49百万円などがあったものの、主なフローインとして税金等調整前当期純利益686百万円、減価償却費200百万円、その他の増加149百万円などがあった事によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は214百万円(前年同期比691百万円の増加)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入335百万円、投資有価証券の売却による収入37百万円、貸付金の回収による収入26百万円などがあったものの、当社新社屋建設に関するものを主な理由とした固定資産の取得による支出211百万円、定期預金の預入による支出335百万円、投資有価証券取得による支出81百万円などがあった事によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は306百万円(前年同期は210百万円の収入)となりました。これは主に自己株式売却による収入34百万円があったものの、当社新社屋建設に関する資金調達を主な理由とした長期借入金の返済による支出151百万円、配当金の支払147百万円があった事によります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

プロセス事業(千円)

2,754,211

124.2

ウェブ事業(千円)

3,041,932

109.7

検査機事業(千円)

1,774,383

138.0

報告セグメント計(千円)

7,570,526

120.6

その他(千円)

21,315

65.0

合計(千円)

7,591,841

120.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

 当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

プロセス事業

2,656,664

111.7

911,069

105.3

ウェブ事業

3,022,335

129.6

468,130

100.9

検査機事業

1,866,725

126.5

593,970

108.4

報告セグメント計(千円)

7,545,724

122.0

1,973,169

105.1

その他

21,434

70.1

2,055

78.4

合計

7,567,158

121.7

1,975,224

105.1

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

プロセス事業(千円)

2,610,902

115.2

ウェブ事業(千円)

3,018,353

113.6

検査機事業(千円)

1,820,868

153.8

報告セグメント計(千円)

7,450,123

122.0

その他(千円)

22,000

65.9

合計(千円)

7,472,123

121.7

 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの現状の認識について

当社グループが事業の対象としている制御・計測・検査機器市場は、大手から中小に至るまで多数の企業が存在し、その生産形態は少量多品種であることが特徴です。当社グループにおいても基幹技術である制御・計測・検査の技術を生かした幅広い製品ラインナップをセグメントごとに揃え、多様な市場に向けて販売しております。

プロセス事業は、当社グループのルーツ事業として長年の実績で培った製品に対する信頼ときめ細かいサービスが強みです。当事業の主要取引先である鉄鋼メーカーにおいては、老朽設備の更新需要が当面継続するとともに、省力化や品質改善に資する製品のニーズが今まで以上に高まるものと想定しています。また、自動車用鋼板の生産拠点として海外へ進出する国内メーカーを中心に新規設備投資の可能性があると見込んでいます。

ウェブ事業は、豊富な製品ラインアップと充実したサービス体制が強みです。当事業においては、フラットパネルディスプレイや二次電池向け高機能フィルム及び食品向け軟包装関連の設備投資需要がこれまで以上に高まるものと想定しています。

検査機事業は、長年培ってきた画像処理技術の蓄積を活かした高い精度と応答速度の速さが技術的な強みです。無地検査装置は、次世代ディスプレイや次世代電池を対象とした高機能フィルム関連の設備投資が大いに期待されます。一方、選果装置は、安定した国内選果場設備の更新需要に加え、海外市場の開拓余地が相当残されています。また、食の安全や品質が求められる食品関連品質検査市場において検査技術を活かす大きな余地があるものと想定しています。

(2)当面の対処すべき課題及び対処方針

当期は3ヵ年計画の初年度として想定を上回る実績となりましたが、設備投資環境は引き続き予断を許さない状況が想定されます。当社グループは、主要事業対象である鉄鋼製品、高機能フィルム、印刷物、そして、農産物といった既存分野に加え、新たな市場分野に向けて付加価値の高い製品・サービスを提供し続けることにより、いかなる環境下においても成長できる経営の実現を目指していきます。

(3)事業戦略、具体的な取組状況など

具体的な事業戦略としては、以下の通りです。

第一に、競争力のある製品を投入し、既存市場の占有率を高めること

第二に、これまでにない新製品を開発し、新たな市場の開拓を進めること

第三に、開発効率の向上とコストの低減により、収益力を高めること

第四に、安定した自己資本の有効活用により、これら戦略を早期推進すること

各事業の今後の戦略として、プロセス事業は、国内鉄鋼メーカーに対しては、きめ細かいサービスの提供並びに生産現場のニーズを取り込むことで潜在需要の掘り起しに注力します。また、生産工程の更なる自動化に貢献するべく製品ジャンルの拡大を進めます。一方、海外鉄鋼メーカーに対しては、引き続き国内において長年にわたり培ってきたノウハウを活かした顧客開拓に注力します。

ウェブ事業は、高機能フィルムを主な対象に、機能向上やコストダウンで差別化した製品を投入することにより、シェアの拡大に努めます。また、需要の安定した食品向けなどの軟包装市場の開拓を進めます。

検査機事業は、無地検査装置については、主に次世代ディスプレイや次世代電池を対象とした高機能フィルム関連の設備投資需要の獲得に注力します。また、選果装置については、国内選果設備の更新需要を着実に捉えるとともに、海外市場の開拓も進めます。また、長年培った検査技術を応用した製品の投入により、食品関連品質検査市場の開拓を進めます。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中にある将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1)経済状況による業績への影響について

当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、本資料の発表日現在において入手可能な情報に基づき当社が判断したものであります。

①経済状況による業績への影響について

当社グループは、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、鉄鋼業から製紙・印刷業まで幅広く産業界の合理化、省力化ニーズに応えてきました。このように当社グループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

ⅰ)プロセス事業

当事業の売上高は、鉄鋼業向けが大きな比率を占めております。従いまして、鉄鋼業界における世界規模の設備投資動向が当事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ)ウェブ事業

当事業の売上高は、フラットパネルディスプレイの部材である高機能フィルムのメーカーやそれに関連した製造装置メーカー向けが大きな比率を占めております。従いまして、最終製品であるテレビ、スマートフォンやタブレット端末といった消費者向け製品の販売動向に応じた高機能フィルム関連の設備投資動向が当事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ)検査機事業

当事業の売上高は、その主な構成を無地検査装置及び選果装置が占めております。無地検査装置は高機能フィルム関連メーカーの設備投資動向が、選果装置は、大多数のエンド・ユーザーが農協の運営する共同選果場であるため、政府の農業政策が、それぞれ当事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。

②競合に関するリスク

当社グループは、激しい競争にさらされている製品を有しております。また、アジア諸国を中心に海外での事業展開に伴い、欧米グローバル企業や現地企業との価格面、機能面における競争が熾烈になっております。当社グループとして、このような競合先に打ち克つべく全社一丸となって事業運営に取り組んでおりますが、当社グループが競合相手に比べて優位に展開できない場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

③取引先との関係等に関するリスク

ⅰ)顧客に対する信用リスク

当社グループの顧客の多くは、代金後払いで当社グループから製品・サービスを購入しています。当社グループでは顧客の信用状況に細心の注意を払っておりますが、こうした対策をとっているにも関わらず、当社グループが多額の売上債権を有する顧客に業績の悪化等による信用リスクが発生した場合、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ)資材等の調達

当社グループの生産活動は主にグループ内の生産子会社が担っておりますが、一部の特殊なものについては外注しております。また、資材、部品やその他供給品の中には特殊なものがあり、仕入先の切り替えが困難な場合があります。このような外注先、仕入先による供給の遅延・中断等があった場合に、製品の生産が困難になる恐れがあり、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④製品開発に関するリスク

当社グループの成長は新製品の開発と販売に依存するものと考え、新製品の開発を進めております。当社グループは今後も継続して魅力ある新製品を開発できると考えておりますが、そのすべてが想定通りに進み、販売できるようになるとは限らず、また、途中で開発を断念しなければならない事態に陥る恐れもあります。そのような場合、製品によっては、当社グループの事業、業績及び状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑤製品品質に関するリスク

当社グループは厳しい品質管理基準に従って各種の製品・サービスを提供しておりますが、すべての製品・サービスに欠陥がないという保証はありません。当社グループの製品・サービスの中には顧客の生産ラインにおいて高い安全性が求められるものもあることから、故障が顧客に深刻な損失をもたらす危険があり、欠陥が原因で生じたそのような損失に対する責任を当社グループが問われる可能性があります。また、これらの問題に伴い、当社グループの製品・サービスに対する顧客の信頼を低下させる可能性があります。上記いずれの要因によっても、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。

  ⑥海外進出に潜在するリスク

当社グループは経営方針として「グローバル展開」を掲げ、中国、台湾、韓国に生産及び販売拠点を設立し、また、その他の国々への販売も展開しております。これら進出各国における政情の変化、経済状況の変動、予期せぬ法律や規制の変更、不利な租税制度、未整備の技術インフラ等が、当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

⑦自然災害に関するリスク

地震、火災、洪水等の自然災害により、当社グループの各拠点、あるいは、当社グループの製品ユーザーが壊滅的な損害を受ける可能性があります。そのような場合に、当社グループの事業、業績及び財務状況が重大な影響を受ける可能性があります。

⑧退職給付債務

当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の時価の下落及び運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合、当社グループの業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、鉄鋼業から製紙・印刷業まで幅広く産業界の合理化、省力化ニーズに応えてきました。このように当社グループの事業対象は国内外の産業界であり、その設備投資動向が当社グループの事業、業績及び財務状況に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、制御・計測・検査機器の専門メーカーとして、顧客からの多様なニーズに応えるため、電子、電気、流体、光学などの技術分野を中心として、グループの今後を担う新製品の研究開発及び既存製品の改良研究を進めております。

(1)当社製品と研究開発の特徴

当社グループは、創業以来長年培ってきた制御の技術を進化させるとともに、その過程で派生した技術を成長させていくことにより、工場の生産・加工ラインにおける制御・計測・検査のための様々な製品を創り出してきました。我が国において、戦後の復興から一貫して製造業が経済の牽引役を担ってきた中で、品質の高い製品を効率的に生産するという製造業のニーズに合致するものでありました。このような背景を持った当社グループの研究開発の特徴は以下の点にあります。

①多様な小規模市場に向けて多品種かつ少量に製品を生産・供給すること

②顧客の工場における生産ラインの環境や条件は千差万別で、それぞれの環境や条件の中で正しく稼動し、機能することが求められること

③顧客の生産効率や歩留まり率向上に貢献し、不良品の流出を防ぐ高いレベルの機能が求められること

これらの特徴から、当社グループにおける研究開発が目指しているところは、生産ラインの多様性に対応しつつも、高精度の計測・制御を同時に追求していく点にあります。当社グループの製品は、多様なラインの変化に応じて設定変更を要することなく、一定水準の計測・制御を行うことができる強みを持っています。その強みの鍵となるのが独自のセンサ技術であり、この技術により、対象物の状態(位置、張力、無地)を瞬時に高い精度で捉えることが可能になります。そして、このような強みを各事業で幅広く活かすことが製品の差別化につながるものと考え、研究開発に取り組んでおります。

(2)問題点と今後の課題

当社グループにおける研究開発の問題点として考えられることは、顧客の生産ラインの多様な条件に適応しながら、高精度であるという矛盾する要求に高いレベルで応えることが常に求められている中、開発にかかる時間とコストが増える傾向にあるという点です。

この問題点を解決するには、当社グループのコア技術の中でも特に強みであり、また、開発余地の大きい独自のセンサ技術及び画像処理技術を各事業分野に応用展開することが最も重要だと考えております。他社にはない長年の技術的蓄積とノウハウを活かすことにより、一から開発するよりも時間とコストを節減できるのみならず、競合他社との差別化にもつながると考えております。

(3)研究開発の体制

当社グループの研究開発は当社のみで行っております。製品開発は、プロセス技術部、システム技術部、W&I開発部、W&I技術部が担当しております。各技術部は各営業部との緊密な情報交換により、顧客ニーズにきめ細かく対応した製品をタイムリーに供給することを目指しています。また、当社グループの将来を担う技術開発や各事業の製品開発の基となる技術の改良については各技術部、開発部で特命により進めております。

当社における研究開発体制の特徴は、一つの製品開発に対して1名または数名のチームが担当し、企画、仕様の詰め、設計、製作、テスト、製品据付、試運転、稼働当初の調整まで、開発に関わる全ての工程に携わることです。担当者が直接に製造現場や顧客と関わることにより、現場の声を開発に反映させることができるだけでなく、出来上がった製品が稼動し、顧客の反応を体験することで達成感を持ち、次の研究開発テーマへ意欲的に取り組むことができます。

なお、当連結会計年度における研究開発担当人員は44名にのぼり、これは総従業員数の約12.9%に相当します。

(4)セグメント別の目的、課題、成果等

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要な課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

①プロセス事業

創業以来の基幹事業であるプロセス事業は、鉄鋼業を主体としたプロセス産業の発展とともにその技術を進化させてきました。また、その過程で新たに生まれた制御や画像処理の技術をその他の事業にも活かすことで、事業の多角化にも貢献してきました。現在は、既存技術に新技術を融合させることにより、成熟産業の新たなニーズを掘り起すことを目指して研究開発を進めております。

当連結会計年度については、環境の違いに左右されない、対象物から離れたところでも測定が可能、メンテナンスが不要、従来のセンサと比べて高精度の測定が可能といった多くの特長を持つマイクロ波技術の応用・展開に向けた開発を進めました。

②ウェブ事業

ウェブ事業のコア技術である位置制御技術は、当初、製鉄所での鋼板製造ラインにおける位置制御の技術を、製紙、印刷、フィルムなど帯状素材(ウェブ)の分野に応用・展開したものです。現在、高機能フィルムの製造工程において、耳端位置制御装置や張力制御装置が不可欠の装置となっており、微細レベルの制御と製造コストの削減というユーザーのニーズに応えるため、更なる機能向上を進めております。

当連結会計年度については、耳端位置制御装置の新製品として、印刷絵柄を基準とした制御が可能なデザインポジションコントロールシステムの開発に取り組みました。

③検査機事業

検査機事業のコア技術である画像処理技術は、鉄鋼製品の品質検査向けに開発以来、長年にわたり培われてきた技術です。この技術を活かして、多方面の分野に応用・展開することが重要だと考え、研究開発に取り組んでおります。現在では、液晶パネルや二次電池の部材をはじめとした高機能フィルムなど帯状素材の品質検査をする無地検査装置と、青果物の品質検査をする選果装置を主力としております。

当連結会計年度については、無地検査装置の多機能化、検査技術を応用展開した新製品の開発を進めました。

 

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は483百万円となっており、その内訳は「プロセス事業部」が164百万円、「ウェブ事業部」が146百万円、「検査機事業部」が169百万円、「その他」が3百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループ(当社及び連結子会社)の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されております。なお、これらの会計方針に基づく連結財務諸表上の資産・負債並びに収益・費用の額の決定に際しては、当該取引の実態や過去の実績等に照らし、合理的と思われる見積もりや判断を要することがあります。特に、以下に記載した会計方針及び会計上の見積りが、連結財務諸表作成に重要な影響を及ぼしていると考えております。

① 貸倒引当金

当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金として計上しております。将来、顧客等の財政状況悪化、経営破綻等により、顧客等の支払能力が低下したと判断される場合には、貸倒引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

② 資産の評価

当社グループは、たな卸資産については主として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しておりますが、製品別・品目別に管理している受払状況から、滞留率・在庫比率等を勘案して、陳腐化等により明らかに収益性が低下していると判断される場合には、帳簿価額と正味売却価額との差額を評価損として計上しています。実際の正味売却価額が当社グループの見積もりより悪化した場合には、評価損の追加計上が発生する可能性があります。

当社グループは、長期的な取引関係の維持・構築のため、一部の顧客及び金融機関等の株式を所有しており、金融商品に係る会計基準に基づいて評価しています。市場価格のある株式については将来において時価が著しく下落し、回復する見込があると認められる場合を除き、評価損を計上する可能性があります。一方、市場価格のない株式については、将来において投資先の業績不振等により、帳簿価額に反映されていない損失あるいは帳簿価額の回収不能が発生したと判断された場合には、評価損を計上する可能性があります。

当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しており、将来において、資産の収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった場合には、減損損失の追加計上が必要となる可能性があります。

③ 繰延税金資産

当社グループは、合理的で実現可能な事業計画又は予算に基づき将来の課税所得を見積もり、回収可能性を十分に検討し、繰延税金資産を計上しています。

将来の課税所得の見積もり額が減少した場合には、当該会計期間において、繰延税金資産を取り崩すことにより税金費用が発生する可能性があります。

④ 退職給付費用及び債務

当社グループは、従業員の退職給付費用及び債務を算出するにあたり、採用した数理計算上で設定した基礎率(割引率、昇給率、退職率、死亡率、長期期待運用収益率)は、統計数値等により合理的な見積もりに基づいております。これらの見積りを含む基礎率が実際の結果と異なる場合、その影響額は数理計算上の差異として累積され、将来にわたって償却されるため、今後計上される退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、次のとおりであります。

① 売上高の状況

当連結会計年度における当社グループの売上高は7,472百万円となり、前連結会計年度と比べて121.7%と増収になりました。その背景としては、付加価値の高い製品・サービスの提供を強化した結果、全セグメントにおいて売上高が増収となったことによるものです。なお、セグメント別の詳しい状況については、[業績等の概要]に記載のとおりであります。

また、海外売上高については、海外売上高の90%弱を占める東アジア向け売上高の増加により、前連結会計年度と比べて117.3%の1,215百万円となりました。

② 利益の状況

当連結会計年度における当社グループの利益状況については、649百万円の営業利益となりました(前年同期は営業損失5百万円)。この要因は、全セグメントで増収となったことを主因に、付加価値の高い製品・サービスの売上構成が高まった結果によるものです。また、親会社株主に帰属する当期純利益は476百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益9百万円)と大幅な伸びとなりました。

 

(3)当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて113百万円増加し13,221百万円となりました。これは主に当社新社屋建設に関する建設仮勘定の減少1,071百万円、投資有価証券の売却による減少74百万円、リース資産償却による減少34百万円、繰延税金資産の減少78百万円などがあったものの、当社新社屋建設に関する建物の増加985百万円、現金及び預金の増加254百万円、受取手形及び売掛金の増加189百万円などがあった事によります。また、負債は前連結会計年度末に比べて84百万円減少し、1,823百万円となりました。これは主に未払法人税等の増加148百万円、未払費用の増加66百万円、支払手形及び買掛金の増加20百万円があったものの、長期借入金の減少151百万円、未払金の減少82百万円、繰延税金負債の減少74百万円があった事によります。

純資産は前連結会計年度末に比べて198百万円増加し11,398百万円となりました。これは主にその他有価証券評価差額金の減少79百万円、退職給付に係る調整累計額の減少65百万円、為替換算調整勘定の減少23百万円があったものの、業績好調による利益剰余金の増加327百万円や自己株式の減少34百万円があった事によります。

この結果、自己資本比率は85.3%となりました。

当社グループは工業用計測・検査機器及び制御機器のメーカーとして、様々な製品や素材の生産・加工ラインから注文を受け、それぞれのラインの要請に応じた仕様の機器を納入しております。プロセス事業や検査機事業の場合、機器の規模が比較的大きく、設置するラインの環境や条件の差が大きいため、顧客から受注し、売上計上計上に至るまでの間に設計、製作、据え付け、試運転、検収という手順を踏まざるを得ず、リードタイムが比較的長くなっています。その後の資金回収に要する期間を加えると、さらに長い期間となります。当社グループとしては、この間の製作資金を確保しておかねばなりません。また、ウェブ事業は、比較的リードタイムが短期のためプロセス事業や検査機事業に対して資金回収の面において補完的に機能していますが、主な取引先が電子機器の材料である高機能フィルム関係のため景気変動の影響を短期間で受けるリスクを常に抱えています。

これらの理由から、当社グループは営業活動その他で得た内部留保を常に一定水準の現預金として確保しております。

(4)当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)につきましては、営業活動により794百万円増加し、投資活動により214百万円、財務活動により306百万円減少しました。その結果、当連結会計年度末の資金残高は前連結会計年度末と比べて259百万円増加し、4,333百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの概況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は794百万円(前年同期比694百万円の増加)となりました。これは主なフローアウトに売上債権の増加195百万円、たな卸資産の増加139百万円、未払消費税等の減少49百万円などがあったものの、主なフローインとして税金等調整前当期純利益686百万円、減価償却費200百万円、その他の増加149百万円などがあった事によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は214百万円(前年同期比691百万円の増加)となりました。これは主に定期預金の払戻による収入335百万円、投資有価証券の売却による収入37百万円、貸付金の回収による収入26百万円などがあったものの、当社新社屋建設に関するものを主な理由とした固定資産の取得による支出211百万円、定期預金の預入による支出335百万円、投資有価証券取得による支出81百万円などがあった事によります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は306百万円(前年同期は210百万円の収入)となりました。これは主に自己株式売却による収入34百万円があったものの、当社新社屋建設に関する資金調達を主な理由とした長期借入金の返済による支出151百万円、配当金の支払147百万円があった事によります。

(5)経営戦略の現状と見通し

中国経済の減速懸念や原油価格の動向などを背景に世界経済の先行き不透明感は一層強まっており、わが国経済においても、為替変動に伴う企業業績の減速や個人消費の低迷などによる景気への影響が懸念され、設備投資の動向につきましても引き続き予断を許さない状況が続くものと想定しております。

このような状況において、当社グループは、引き続きいかなる環境下においても成長できる経営の実現を目指し、顧客から信頼される良きパートナーとなるべく、付加価値の高い製品・サービスの提供により顧客の抱える課題を解決するソリューション型ビジネスモデルへの変革に取り組んでいきます。