第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年4月1日から平成29年3月31日まで)におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、緩やかな回復基調で推移しましたが、天候不順による生鮮野菜の高騰や漁獲量減少による鮮魚の高騰及び消費者の生活防衛意識の高まりもあり、個人消費は低迷しております。また、英国のEU離脱問題、米国経済や新興国をはじめとする海外経済の動向などの懸念材料もあり、先行きは依然として不透明な状況となっております。

このような状況下、当社グループの販売面では、当社オリジナル製品であるマルチFP容器、マルチソリッド容器、OPET透明容器、新透明PP容器やリサイクル原料製品(エコトレー、エコAPET容器)の販売数量を伸ばしており、当連結会計年度の当社オリジナル製品の販売比率は53%となりました。当社オリジナル製品を中心とした新デザイン容器や新機能容器は、容器としての機能や働きはもとより、耐油・耐酸性や耐熱性等の素材機能の優位性もお客様に評価していただいております。特にマルチFP容器は、鍋・スープ容器、温惣菜容器やチルド弁当容器などとして採用されており、新たに耐熱の中皿をセットした蓋付深型耐熱容器を開発したことで、新透明PP容器とともに、電子レンジ加熱による今までにない商品開発が可能となり、食品小売店での新しい売り場づくりの提案と合わせて採用が広がっております。透明蓋やフードパック等の透明容器においては、OPET透明容器や新透明PP容器の品揃えを充実し、従来品であるOPS透明容器からの切り替えを進めており、エコAPET容器は、野菜サラダ容器や青果用容器などとして採用が広がっております。また、消費者の値ごろ感を求める動きもあり、売り場で食材の見栄えがする蓋付精肉容器や惣菜容器など新製品も販売数量を伸ばしております。さらに、外食産業の中食進出が進んでおり、大手外食チェーンで容器の採用が広がっております。その結果、当社グループにおいて生産する製品の当連結会計年度の売上数量は、ケース数で前期比105.3%、枚数で前期比103.1%、売上高は前期比101.3%となりました。

また、当社グループ外より仕入販売する商品は、プライベートブランド品の取扱量の増加を図るなど商品調達力の強化と同時に不採算取引の見直しを行い、当連結会計年度の売上高は前期比102.1%となりました。

以上により、当連結会計年度の売上高は1,728億58百万円、前期に比べ25億65百万円の増収(前期比101.5%)となり過去最高となりました。

利益面におきましては、当社が生産する製品の原材料価格が、当第3四半期連結会計期間以降(平成28年10月1日から平成29年3月31日まで)相次いで値上がりしたほか、新たな拠点や設備の稼働開始、販売量増加に伴う物流費の上昇などによるコストの増加が約14億60百万円となり、補助金収入が約2億89百万円減少したものの、当社オリジナル製品や新製品の販売が好調に推移したこと、グループ全体で収益改善に努めたことにより、利益改善は総額で約34億60百万円となり、当連結会計年度の営業利益は、前期に比べ19億28百万円の増益となる過去最高の151億76百万円(前期比114.6%)、経常利益は前期に比べ17億15百万円の増益となる過去最高の157億42百万円(前期比112.2%)、償却前経常利益は過去最高の269億26百万円(前期比114.3%)、親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高の109億53百万円(前期比117.8%)となりました。

営業面では、食品小売店による惣菜を中心とした「中食」のマーケットが拡大しており、消費者のライフスタイルに合わせた付加価値の高い新製品の開発と品揃えのスピードを加速し、当社オリジナル製品の販売構成を高めることにより、製品売上高の増加と利益率の向上を図っております。加えて、CO2削減による環境への取組みや人手不足に対応した作業生産性向上のための改善提案とともに、リサイクル原料製品や汎用製品の拡販にも努めております。また、平成28年7月1日、株式会社上田包装企業の発行済株式を100%取得して同社を連結子会社とし、同日をもって、同社社名をエフピコ上田株式会社に変更いたしました。同社は、山陰地方のスーパー並びに食品加工会社に食品用包装資材を販売しております。当社グループに参画することで、当社の販売・物流ネットワークを活用し、お客様に付加価値の高いサービスを提供してグループ間の相乗効果を高めてまいります。この他、平成29年3月15・16・17日には「新しい商品、売り方を創り、消費者を魅了する売り場」をメインテーマとした「エフピコフェア2017 ちがうネいいネおいしいネ展」を開催し、全国より食品小売りの方々を中心に過去最多の1万5千人のお客様に来場いただき、全国の売り場情報や大手食品メーカーとのコラボレーションによる最新の商品情報をお客様へ提案させていただきました。特にこの度のエフピコフェアでは、「その壁をブッ飛ばせ」と題し、食品小売業界が抱えている課題を様々な工夫で解決した事例をご紹介し、大変ご好評をいただきました。

生産面では、平成28年3月に、中部PETリサイクル工場隣接地で中部エコペット工場の稼働を開始いたしました。これにより、中部PETリサイクル工場で回収したPETボトルやPET透明容器からリサイクルPETフレークを生産し、これを中部エコペット工場に空送した後、シートの押出を経てエコAPET容器を成形しており、回収したPETボトル・PET透明容器をエコAPET容器の原料として再利用するボトルtoトレーのエフピコ方式リサイクルを推進する一貫生産を行っております。加えて、中部エコペット工場では、OPETシート押出3号機及び製品成形機を設置し、OPET透明容器の生産拠点としても機能しております。さらに、エコAPET容器の生産能力の拡大を図るため、関東八千代工場の敷地内に、中部エリアのリサイクル施設と同様に回収したPETボトルやPET透明容器からリサイクルPETフレークを生産し、これを原料としてシート押出を経てエコAPET容器を成形するPETリサイクルプラントとシート押出・成形設備を併せ持った一貫生産を行う新たな工場の建設を進めております。当社グループにおいて生産するAPET透明容器のうち、エコAPETの販売ケース数比率を前第4四半期連結会計期間(平成28年1月1日から平成28年3月31日まで)の71%から当第4四半期連結会計期間(平成29年1月1日から平成29年3月31日まで)には82%まで引き上げてまいりました。また、全国の成形工場においては、産業用ロボットの導入を推進し、生産工程の省人化・自動化に取り組んでおります。平成29年3月までに自動包装機及び除塵包装機が26台、ケース梱包ロボットが9台稼働し、省人化効果が75名となっております。今後も産業用ロボットを導入し、生産工程の省人化・自動化に取り組んでまいります。

 また、連結子会社であるエフピコアルライト株式会社(以下「エフピコアルライト」といいます。)のフィルム供給能力を増強するため、岡山県笠岡市に新本社を兼ねた新たなフィルム工場の建設を進めております。

 この他、印刷フィルム調達コストの低減を主目的として、当社と有限会社川本化学(岡山県浅口市)(以下「川本化学」といいます。)との合弁会社であるエフピコグラビア株式会社(以下「エフピコグラビア」といいます。)を平成29年2月に設立いたしました。エフピコグラビアが岡山県浅口市に新たなグラビア印刷工場を建設し、川本化学とエフピコアルライトの印刷事業を譲り受け、平成30年4月から事業開始の計画となっております。

 物流面では、全国を網羅する強固で柔軟な物流ネットワークの構築が一段落し、今後の市場拡大や繁忙期にも安定的に供給できる体制が確立できました。新たな取組みでは、BCP(事業継続計画)の一環として、災害などにより停電が発生した際にも重要な事業活動を継続するため、平成28年9月までに、全国21ヶ所すべての拠点に非常用発電設備の設置と72時間(3日間)の電力を確保するための燃料の備蓄が完了いたしました。これにより、お客様の事業活動の継続に寄与し、「必要な時に確実にお届けする」体制をより一層強固なものといたします。また、音声ピッキングシステムを導入し、ピッキング作業の生産性を向上させております。これらの施策により、製品及び商品をお客様にお届けするまでの流通全体のコスト抑制と安定供給を提供してまいります。

 平成28年6月には、生産面における産業用ロボット導入や物流面における音声ピッキングシステム導入などIT活用が評価され、経済産業省と東京証券取引所が共同で選ぶ「攻めのIT経営銘柄」に2年連続で選定されました。

 この他、雇用環境の改善を受け、人手不足による人件費高騰が深刻化し人材確保に苦慮する状況の下、当社グループは、関東エリアにおいて、広域から人材を確保するため、茨城県筑西市に150戸のワンルームタイプの社宅「PicoHouse1号館」を建設し、平成29年1月に完成いたしました。また、中部エリアにも、岐阜県安八郡輪之内町に102戸の同様の施設「PicoHouse2号館」を建設し、平成29年3月に完成いたしました。

 研究・開発分野においては、新素材・新製品の研究や製品開発のスピードアップと充実を図っており、研修施設を活用した人材育成にも従来以上に注力しております。

 社会的責任としての障がい者雇用の促進につきましては、平成29年3月末現在グループ全体で374名(障がい者雇用換算数644名)及び業務提携先に64名の雇用の機会を提供しております。平成28年10月には、東洋経済新報社が発表した「障がい者雇用率ランキング」において、当社が3年連続で第1位にランクインいたしました。また、平成29年1月に連結子会社の特例子会社である株式会社ダックス四国が同じく連結子会社の特例子会社である株式会社ダックス(以下「ダックス(千葉)」といいます。)、株式会社ダックス佐賀、株式会社茨城ピジョンリサイクルの吸収合併を行い、商号をエフピコダックス株式会社(以下「エフピコダックス」といいます。)に変更するとともに、就労継続支援A型事業所である連結子会社のエフピコ愛パック株式会社が北海道で行っていた折箱タイプ容器製造をエフピコダックスに移管いたしました。昭和61年にダックス(千葉)を設立して障がいのある人の雇用を本格的に始めて以来30年が経過し、特例子会社の最適な組織形態や事業領域を再検討した結果、障がいのある従業員の雇用管理ノウハウを共有して効果的な人材活用を行い、北海道から九州まで6工場に障がいのある従業員が従事する全国規模の特例子会社となりました。引き続き、障がいのある従業員の能力を大きな戦力として活かせる安定的な職場を提供してまいります。

 

(用語説明)

マルチFP

(MFP)容器

-40℃~+110℃の耐寒・耐熱性、耐油・耐酸性及び断熱性に優れた発泡PS(ポリスチレン)容器

マルチソリッド

(MSD)容器

マルチFPの端材を活用し、その特性を維持しつつシャープな形状を実現した非発泡PS(ポリスチレン)容器 耐熱温度+110℃

OPET透明容器

二軸延伸PETシートから成形した、耐油・耐酸性に優れ、透明度も高くOPSと同等の耐熱性を実現したPET(ポリエチレンテレフタレート)透明容器

耐熱温度+80℃

新透明PP容器

標準グレードのPP(ポリプロピレン)原料からOPSと同程度の透明度を実現した透明PP容器 耐熱温度+110℃

OPS透明容器

従来からの二軸延伸PS(ポリスチレン)シートから成形した透明容器

耐熱温度+80℃

エコトレー

スーパーで店頭回収されたPS容器と工場内端材を原料とするリサイクル発泡PS容器(平成4年販売開始)

エコAPET容器

スーパーで店頭回収されたPET透明容器、PETボトル及び工場内端材を原料とするリサイクルPET透明容器(平成24年販売開始)

フードパック

:

スーパーの揚げ物バイキングコーナーなどで使用される、蓋(フード)と本体が一体となった汎用透明容器

グラビア印刷

版上の小さなくぼみの深浅でインキ層の厚みを変えることによって濃淡を表現する凹

版印刷の一種

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より30億54百万円増加し、181億44百万円となりました。

  営業活動により獲得した資金は、259億12百万円(前期に比べ50億79百万円の資金増加)となりました。

 投資活動により支出した資金は、219億32百万円(前期に比べ40億9百万円の支出増加)となりました。

 財務活動により支出した資金は、9億24百万円(前期に比べ6億5百万円の支出減少)となりました。

 なお、キャッシュ・フローの詳細は、7 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)財政状態に関する分析②キャッシュ・フローの状況に記載しております。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

    製品別生産実績

品目

生産高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

17,800

100.9

 弁当容器

47,658

111.7

 その他製品

4,369

103.0

合計

69,828

108.2

 (注)1 生産高は、主として生産数量に見積り製造原価(単価)を乗じて算定しておりますが、その他製品の一部については、販売価格によっております。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

製品・商品仕入実績

品目

仕入高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

979

105.6

 弁当容器

13,801

94.0

 その他製品

1,261

98.6

小計

16,042

94.9

商品

 

 

 包装資材

28,690

97.7

 その他商品

8,188

100.3

小計

36,879

98.2

合計

52,922

97.2

 (注)1 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

 当社グループは、主として需要見込による生産方式のため、受注状況については特記すべき事項はありません。

(3) 販売実績

品目

販売高(百万円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 トレー容器

29,303

99.2

 弁当容器

92,844

102.4

 その他製品

5,776

95.5

小計

127,924

101.3

商品

 

 

 包装資材

36,335

102.6

 その他商品

8,598

99.9

小計

44,933

102.1

合計

172,858

101.5

 (注)1 総販売実績に対し、10%以上に該当する販売先はありません。

2 当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、品目別に記載しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

 当社グループは、「顧客第一主義」を経営理念に掲げ、常に「環境、安全、安心、健康」を追求し、お客様の立場に立った製品づくり、お客様のご期待にお応えする提案とサービスの提供を実践しております。

 企業としての社会的責任を果たすべく、環境マネジメントシステムを推進し、循環型社会の構築に向けて「エフピコ方式リサイクル(トレーtoトレー)(ボトルtoトレー)」の普及に努めております。

 当社グループの中長期的な経営戦略は、企業価値の最大化を追求することにあり、そのための積極的な戦略投資を推進してまいります。そしてこの戦略投資により、「食品トレー容器を通じて、お客様の快適な食生活を創造する企業グループ」を目指し、メーカーとして「もっとも高品質な製品」を「どこよりも競争力のある価格」で「必要なときに確実にお届けする」という基本3本柱を追求してまいります。

 食環境の一翼を担う企業としての責任を果たすべく、素材開発力・製品開発力・販売力・物流力の強化及び品質、生産性、サービスの向上を図り、トータルコストの低減に努め、確固たる経営基盤づくりを進めてまいります。

 その他、顧客、取引先、社会、従業員、株主など、各ステークホルダーと良好かつ円滑な関係の維持に努め、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を目指した経営に努めてまいります。

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの連結経営目標は、経常利益200億円の達成を目指しております。株主本位の経営を実践するために、グループ経営計画の諸施策を着実に実行することにより企業価値を高め、目標とする経営状況の指標を連結売上高経常利益率10%以上、目標とする連結経営指標を1株当たり純利益330円とし、株主還元方針としては、当社グループの親会社株主に帰属する当期純利益に対して、連結配当性向30%を目途にしております。

(3) 経営環境

 近年の高齢化社会、女性有職者の増加、単身世帯の増加などを背景に、消費者のライフスタイルが変化し、食スタイルは「内食」から「外食」・「中食」へと変化し、簡易食品容器の市場はその裾野を広げ成長しております。スーパーマーケットをはじめとする食品小売業界では、生鮮食品売場中心から、惣菜売り場を拡大し調理済みの商品を陳列販売する等の変化が見られ、加えて弁当・惣菜の専門店、コンビニエンスストア、デパ地下といったテイクアウト業態が広がりを見せるなど、特に「中食」市場は拡大を続けてまいりました。

 新聞報道によると、日本チェーンストア協会が発表した2016年の全国スーパー売上高は、既存店ベースで前年比0.4%減と2年ぶりにマイナスとなったものの、食料品は1.1%増と3年連続のプラスで、総菜の拡充やカット野菜を増やすなど、単身や少人数世帯の“個食”のニーズに対応したとありました。食品の売上に関係のあるライフスタイルは、夫婦のみ、ひとり親と子、単独の世帯数の比率が増加して全世帯数は増加基調が続き、4人に1人が65歳以上の人口構成となり、小分けにパックされた商品や、高齢者向けの宅配給食、さらには電子レンジで簡単に調理可能な商品など、必要な時に必要な量だけ食べられる商品のニーズが高まっており、弁当・惣菜を中心とした「中食」市場のさらなる拡大が想定されます。

 一方で、人手不足による人件費や物流費等のコスト増加、食の安心安全といった衛生面での要求の高まり、CO2削減をはじめとする環境問題への対応など、食品小売業界は変化の時期を迎えております。

 このような状況下、食品小売業界が抱える様々な課題に対し、当社グループにはますます大きな役割が求められています。

(4) 対処すべき課題等

① 技術革新と製品開発

 最新鋭の生産設備の導入と更新を行うとともに、製品の軽量化、新機能開発、新素材開発など、総合的な技術革新を推し進め、高品質で高付加価値な製品、低価格でありながら品質と機能を兼ね備えた製品等、お客様のニーズに対応した製品開発のスピードを早めてまいります。

② 提案型企業(問題解決型企業)の実現

 ライフスタイルが「内食」から「中食」へ、そして「外食」から「中食」へシフトしている現在、高齢者や働く女性が増加する時代背景もあり、食品小売店では、惣菜を中心とした「中食」の販売が伸びております。

 これら食環境の変化を先取りし、電子レンジ対応容器などお客様のニーズに即した製品を提供し、容器を通じて売り場の差別化を図ってまいります。

 また、CO2削減による環境への取組みや人手不足に対応した作業生産性向上のための改善提案、流通コストの削減に対してエフピコのもつ物流ネットワークの提供等、小売業界が抱える問題解決に対しトータルで提案してまいります。

③ 供給体制の強化

 サプライチェーンマネジメント(SCM)のさらなる充実に努め、生産部門において産業用ロボットの導入、物流部門における音声ピッキングシステムの導入や自動ソーターシステムの配置など、省人化を図るとともに作業生産性を向上させてまいります。生産・物流コスト抑制に向けた施策を展開し、トータルコストの最適化と低減を目指した調達・生産及び物流体制の整備に取り組んでまいります。

 また、全国を網羅する物流ネットワークを最大限に活用し、より高い次元で合理化された物流サービスを提供し、安定供給を図るべく鋭意努力してまいります。

④ 環境経営の推進

 「環境経営5カ年計画」を発展させた環境経営の新中期計画「エフピコ・エコアクション50」を実行してまいります。

 また、業界のリーディングカンパニーとして、エフピコ方式のリサイクル「トレーtoトレー」「ボトルtoトレー」を柱にした事業活動により、循環型社会の実現による持続可能な社会の構築を目指し、リサイクル原料を使った製品「エコトレー」「エコAPET」を積極的に拡販してCO2削減に貢献してまいります。リサイクルによるCO2排出抑制効果は、リサイクル原料未使用のバージン製品と比較して「エコトレー」の場合30%の低減、「エコAPET」の場合33%の低減を実現しております。

 さらに、環境配慮設計による業界トップクラスの環境負荷の低い容器の開発を通し、事業活動に伴う廃棄物の発生抑制及び再資源化の取組みなど、各種施策を実施してまいります。

⑤ 社会的責任を重視した活動

 障がい者就労支援に積極的に参画し、地域社会からの信頼を得るための活動を進めてまいります。

 また、お客様の事業活動の継続に寄与するため、災害などにより停電が発生した際に物流業務を継続するための非常用発電設備を設置し、72時間(3日間)の電力を確保できる体制を整えております。

 この他、数字では表せられない無形な価値が社会的責任を全うするための価値として捉え、顧客、取引先、社会、従業員、株主など、各ステークホルダーとの適切な協働を実践し、リサイクル工場や選別センターのほか、障がいのある従業員が働く工場を見学していただくなど、様々な機会を通じて各ステークホルダーとのコミュニケーションを深めてまいります。

⑥ 知的財産権の強化

 当社グループの独自性・差別化を市場においてより確実なものとするため、特許や実用新案・意匠登録などの申請を進め、知的財産権の取得により企業価値を高めてまいります。

⑦ マーケット拡大への備え

 開発力・生産力・物流力・情報力・リサイクル、物流・情報ネットワーク、これらエフピコの培ってきたリソースとインフラを有機的に結合し、マーケットの拡大に備えてまいります。

⑧ ダイバーシティ(多様性)の推進

 当社グループの社員がやりがいや充実感を持ちながらいきいきと働き、個々の能力や特性を最大限に発揮し役割を果たすことが、企業価値の向上を目指した経営の一つと考えております。

 ダイバーシティの推進に向け、性別、年齢、国籍や障がいの有無にかかわらず多様な人材が活躍できる企業文化を醸成し、さまざまな取組みを行ってまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 原材料価格のリスクについて

 当社製品原料であるポリスチレン樹脂、PET樹脂やポリプロピレン樹脂等が急激かつ大幅に価格高騰した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 自然災害などのリスクについて

 近年、地震、台風をはじめとする自然災害が各地で多発しております。

 当社グループは、日本全国に工場、配送センター等の事業所を配置しております。これらの拠点設備が地震等による自然災害や火災などの事故で壊滅的な被害を受けた場合にも重要な事業を継続し、お客様が必要とする高品質の製品を安定供給できるように努めております。しかしながら、想定外の自然災害や事故等が発生し、操業に重大な影響が発生した場合には、原材料の確保、生産、市場への製品供給に支障をきたし、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

(3) 製造物責任のリスクについて

 当社グループは、製品の開発と生産にあたっては、社内規格、関連法令を遵守してお客様への安全性、品質等に配慮して事業活動を行っております。しかしながら、予期しない製品の欠陥が生じ、損害賠償につながるリスクが顕在化する可能性があります。これに対応するために保険に加入し賠償への備えを行っておりますが、保険により補填できない重大な事態が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 経済状況、競合のリスクについて

 当社グループは、市場における経済状況や景気の動向に影響を受けないように、販売力、開発力の強化に努めております。しかしながら、景気動向などによる需要の縮小、他社との競合による需給バランスや価格の変動によって、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 有価証券の時価変動リスクについて

 当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有していませんが、時価を有するものについては全て時価評価を行っており、株式市場における時価の変動が当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 貸倒れのリスクについて

 当社グループは、得意先の信用不安等により、予期せぬ貸倒れリスクが顕在化し、重大な貸倒損失、または引当金の追加計上が発生する場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

(1) 基本方針

 当社グループの研究開発は、多様化するお客様のニーズにお応えできる簡易食品容器を提供することを基本として、汎用トレー、刺身容器、寿司容器、惣菜容器、オードブル容器、耐熱容器などの各カテゴリ別に新たな容器及び新素材の開発に取り組んでおります。

当連結会計年度は昨年に引き続き、CO2の削減および独自開発素材の研究、リサイクル原料を有効活用した素材の研究、高透明・高耐熱などの機能性容器の研究、生産性向上のための成形・押出・金型技術の開発に努めてまいりました。

(2) 研究開発の体制

 研究開発の体制としては、製品開発部、基礎技術研究室及び生産技術部が各々製品等の改良、開発を担当し、他社が追随できない当社オリジナル製品の開発・改良を行っております(生産技術部は平成29年4月に、成形技術部と押出技術部に組織改編しております)。また、平成26年12月にエフピコ総合研究所が完成したことにより、研究開発のための設備面がより一層充実したのみならず、それに従事する人材の育成を図っていく環境も整備されております。

 なお、当社グループは、簡易食品容器関連事業の単一セグメントであるため、開発部門の経費を研究開発費として記載しております。当連結会計年度における研究開発費の総額は、12億23百万円であります。

(3) 成果

① 生産技術及び素材

1) 安全性を確保した「トレーtoトレー」および「ボトルtoトレー」PETリサイクルシステムの生産性向上

2) マルチFPシートの素材を有効活用した、「耐熱・断熱に優れた容器シリーズ」など、品種拡充

3) 耐熱耐油性能を備えたPET素材のOPETシートの増産と新シリーズの生産体制の構築

4) 透明性と耐熱性を兼ね備えた「透明PPシリーズ」の透明性の向上、シリーズ商品ラインナップ化

② 新製品の開発状況

省資源化の推進とCO2削減はもちろんのこと、軽量化、ロースタック化など市場がどのような機能を求めているのかを重視した製品開発を行ってまいりました。

 主な成果として以下の製品を上市しました。

1)

 寿司、刺身容器では、PSP素材で中身のズレを防止する機能容器「Sステージ枠盛」、「Sステージ枠盛段シリーズ」を製品化。「鮨台シリーズ」は非発泡素材で上質感を出しています。また、アウトパックに適し汎用性の高い「元助シリーズ」を製品化。用途に合わせて形状が選べるラインナップにしました。

2)

 精肉容器では、ラップ専用の新シリーズ「メガプレートシリーズ」を製品化。アーチ状の底面で中身のボリューム感を引き立てるデザイン形状となっています。

3)

 弁当容器では、MSD素材で「MSDフレームシリーズ」「MSDプライムシリーズ」、MFP素材で「MFPかすがシリーズ」を製品化。

 丼容器では、「MSDこはく重シリーズ」「MSDリーゾシリーズ」を製品化。米飯の拡充をしました。

4)

 惣菜容器では、MSD素材で機能性のある「MSDプレインAG」を製品化。底面のアーチ状のリブに“油切り”の機能を持たせ、ベタつきを防止しています。

5)

 APET素材では、需要の高まる容器自動供給機に対応した「APユーズシリーズ」を製品化。

 エコAPET素材では「エコブルーシリーズ」を製品化。汎用トレーの「APFCシリーズ」をはじめ、新シリーズの「APパレシリーズ」を加えて、清涼感あるシリーズラインナップにしました。

6)

 青果容器では、PSP素材で「FPフルーツシリーズ」を製品化。カラフルな柄で中身を引き立てます。非発泡素材では「コリーナシリーズ」を製品化。汁漏れや嚙み込みし難い内嵌合機能となっています。

7)

 オードブル容器では、MSD素材の内嵌合容器「MSDピザ丸シリーズ」、PP素材で嵌合折蓋式の「PPSAピザ」を製品化。MFP素材では「シェルトプラッター角シリーズ」を追加。シリーズ全体の拡充をしています。

8)

 OPET素材では、折蓋式嵌合容器「OSAシリーズ」を製品化。耐油・耐酸に優れた汎用性のある嵌合フードパックとして幅広く使用可能なラインナップとなっています。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営成績

 「第2[事業の状況]1[業績等の概要]」をご参照ください。

 なお、「第2[事業の状況]3[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]及び4[事業等のリスク]」をあわせてご参照ください。

 

(2) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5(経理の状況)の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 有価証券の減損処理

 金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、将来、株式市場が悪化した場合には多額の有価証券評価損を計上する可能性があります。

② 繰延税金資産の回収可能性の評価

 繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積っております。繰延税金資産の回収可能性は課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(3) 財政状態に関する分析

① 資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて104億28百万円増加し、2,194億81百万円となりました。

 これは、主に現金及び預金30億61百万円、有形固定資産93億74百万円の増加、他方、受取手形及び売掛金32億6百万円の減少によるものであります。

 負債合計は、前連結会計年度末に比べて22億97百万円増加し、1,197億59百万円となりました。これは、主に借入金73億80百万円の増加、他方、未払金33億16百万円及びリース債務21億48百万円の減少等によるものであります。

 また、純資産合計は、前連結会計年度末に比べて81億30百万円増加し、997億21百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益109億53百万円の計上、他方、剰余金の配当31億2百万円による減少等によるものであります。

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より30億54百万円増加し、181億44百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動により獲得した資金は、259億12百万円(前期に比べ50億79百万円の資金増加)となりました。

 これは、主に税金等調整前当期純利益155億91百万円、減価償却費111億83百万円、売上債権の減少32億96百万円などによる資金の増加、他方、法人税等の支払額53億94百万円などによる資金の減少によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動により支出した資金は、219億32百万円(前期に比べ40億9百万円の支出増加)となりました。

 これは、主に中部エコペット工場、関東エコペット工場及び生産設備等の有形固定資産の取得による支出225億57百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動により支出した資金は、9億24百万円(前期に比べ6億5百万円の支出減少)となりました。

 これは、主に長期借入れによる収入215億円と、短期借入金の純減少による支出18億86百万円、長期借入金の返済による支出135億49百万円、リース債務の返済による支出38億29百万円及び配当金の支払額31億2百万円などによるものであります。

③ 資金需要について

 当連結会計年度において実施いたしました新規設備投資の総額は210億60百万円であり、当該支出は自己資金及び借入金によりまかないました。