第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、円高の一巡や海外経済回復に伴う企業収益の改善を受け、設備投資等で回復の動きが見られ、個人消費も雇用所得環境の改善を背景に持ち直しており、景気は緩やかな回復基調が続いております。

コンタクトレンズ業界におきましては、視力補正が必要な方々の生活においてコンタクトレンズが“必需品”として定着している環境を背景にして、1日使い捨てタイプへのシフトが続いていることや、遠近両用やサークルレンズの伸長もあり、市場は緩やかながら成長基調にあるものと推測されます。しかしながら、シリコーンハイドロゲル素材の新商品投入や乱視用、遠近両用のラインアップ強化等、メーカー間の競合環境は激化しております。

このような状況の中、当社グループは、3ヶ年中期経営計画の中間期である今年度につきましても前期から引き続き、「販売戦略」、「商品戦略」、「生産・開発力強化」、「管理体制強化」を最重要施策として、変化する市場や将来の競争力強化に結実すべく積極的に経営資源を投下していくこととし、既存商品のスペック拡充やブランド認知度向上を図り、国産ならではの開発力、品質・安全性の高さを、お客様より信頼をいただくことでシェア拡大に繋げ、収益性の改善、事業基盤の強化に努めてまいりました。

この結果、当連結会計年度の売上高は24,463百万円(前期比12.1%増)と増収となり、利益につきましても、営業利益1,518百万円(前期比69.6%増)、経常利益1,364百万円(前期比63.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益876百万円(前期比77.9%増)と増益となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

(コンタクトレンズ・ケア用品)

純国産使い捨てコンタクトレンズであるピュアシリーズを中心に、国産の品質力やきめ細やかな対応力を国内外に積極的にアピールしてまいりました。また、瞳を際立たせるサークルレンズ「シードアイコフレワンデーUV」と「ヒロインメイクワンデーUV」等サークルレンズにつきましても、国内外において積極的な営業・広告活動を展開してまいりました。

この結果、主力カテゴリーである1日使い捨てコンタクトレンズにおいては、前期より注力しておりますスペック拡充や広告宣伝効果等により「ワンデーピュアシリーズ」の乱視用を中心に伸長しており、「ワンデーピュアシリーズ」が前期対比で23%の増加となりました。また、サークルレンズの主力商品である「アイコフレワンデーUV」についても前期対比で5%上回りました。(※比率は卸売ベース)

ケア用品につきましても、流通在庫の消化や新規導入企業の獲得により前年同期を上回り、これによりセグメント全体の売上高は23,249百万円(前期比12.8%増)と増収となりました。

人件費や研究開発費の増加に伴い、販管費全体も増加しておりますものの、売上高伸長に伴う粗利益増加により営業利益につきましては、2,243百万円(前期比38.2%増)と増益となりました。

(眼鏡)

主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心に、代理店の効率的な活用や展示会に出展する等、新販路の開拓や既存得意先での取引量拡大とともに、眼鏡レンズの販売終了により事業損益の改善に努めてまいりました。

この結果、主力フレーム新作モデルの配荷等が進み、フレーム単体では前年を上回る売上を計上できたものの、眼鏡レンズ終売による減収分をカバーするまでには至らず、売上高全体は884百万円(前期比1.0%減)となりました。また、フレーム事業一本化による経費削減や合理化策の効果は第3四半期累計期間まで着実に現れていたものの、当期末において在庫の評価減を約36百万円計上したことで、営業損失41百万円(前期営業損失98百万円)となりました。

(その他)

その他につきましては、売上高は329百万円(前期比0.4%減)とほぼ前年同期並みとなり、営業損失6百万円(前期営業損失71百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて151百万円減少し1,877百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、2,158百万円(前期4,217百万円の収入)となりました。資金増加の主な要因は、税金等調整前当期純利益に加えて、減価償却費の1,906百万円の計上が挙げられます。また、資金減少の主な要因は、決算月に向けサークルレンズ等商品在庫を厚くしたことによるたな卸資産の増加338百万円や未払消費税等の減少646百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、4,643百万円(前期811百万円の支出)であります。これは主に、鴻巣研究所の生産設備導入や研究棟建設に伴う有形固定資産の取得2,858百万円や、事業譲受による支出1,171百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は、2,322百万円(前期2,548百万円の支出)であります。これは主に、短期借入金の純増額2,997百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 本報告書のこの項以下に記載する金額は、消費税等を抜きで表示しております。

 

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

コンタクトレンズ・ケア用品(千円)

6,219,634

109.4

合計(千円)

6,219,634

109.4

 (注) 金額は製造原価によっております。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

コンタクトレンズ・ケア用品(千円)

8,177,640

124.3

眼鏡(千円)

531,762

124.4

その他(千円)

239,651

88.4

合計(千円)

8,949,054

123.0

 (注) 金額は仕入価額によっております。

(3)受注状況

 当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成28年4月1日
 至 平成29年3月31日)

前年同期比(%)

コンタクトレンズ・ケア用品(千円)

23,249,288

112.8

眼鏡(千円)

884,115

99.0

その他(千円)

329,872

99.6

合計(千円)

24,463,275

112.1

 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

HOYA株式会社

2,705,526

12.4

2,962,052

12.1

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

今後の景気見通しにつきましては、物価上昇に伴う実質所得の低下が個人消費を下押しすることが懸念されますが、円安、海外経済の回復を背景とした輸出の増加、企業収益の改善に伴う設備投資の持ち直し等、緩やかな回復が続くものと思われます。

このような状況の下、コンタクトレンズ業界につきましては、装用人口の増加はほぼ横ばいと推測されるものの、1日使い捨てタイプへのシフトは引き続き進み、また、遠近両用等の高付加価値アイテムも伸長することから、金額ベースの市場規模は緩やかながら成長するものと見込まれます。

その一方で、機能・品質、販路、広告戦略等々、各メーカー間における競争は激化することが必至であり、当社は、「販売戦略」、「商品戦略」、「生産・開発力強化」、「管理体制強化」を最重要施策として、それぞれの各方針に基づき、将来の競争力強化、新規分野での事業確立等に結実すべく、引き続き、積極的に経営資源を投下してまいります。2018年3月期につきましては、新商品投入の予定がなく、既存アイテムのスペック拡充や海外事業の拡大、3号棟の本稼働によるさらなる生産能力の拡大と多品種少量生産体制の確立、研究開発案件の的確な管理・進行等、これらの施策を着実に遂行し、事業基盤の強化に努めてまいります。

以上により、グループ全体の2018年3月期の業績は、売上高26,500百万円(前期比8.3%増)、営業利益1,800百万円(前期比18.5%増)、経常利益1,750百万円(前期比28.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,150百万円(前期比31.2%増)と増収増益を見込んでおります。また、2018年3月期は2015年6月1日付発表の中期経営計画(2016年8月10日付アップデート)の最終年度となりますが、売上高をはじめとした各目標値は、2017年3月期までの状況や足下の景況感、市場動向等を鑑みますと見直しが必要であり、前述の業績予想をもって中期経営計画最終年度のアップデートとさせていただきます。これらにより、2017年のコンタクトレンズ全体(メーカー出荷額ベース)の当社シェア目標で10%を目指すこととしております。当該事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報及び当社の計画・戦略に基づいて判断したものであります。

中長期的には、日本国内の少子高齢化がさらに加速することは必定であり、コンタクトレンズユーザーの主要部分を占める若年層は減少することは否めず、メーカー各社の競争が激化することが想定されます。

このような状況で企業として勝ち残っていくためには、新素材を活用した、より高機能で良好な装用感を得られるコンタクトレンズの開発、コンタクトレンズのノウハウを生かした医療医薬分野関連商品の開発に加えて、細分化するニーズを着実に捉えた商品スペックの整備が必要であります。このため、鴻巣研究所敷地内に医薬品治験薬GMP施設の基準を満たす研究棟を建設し、研究開発の質・幅を広げ、さらには業務の効率化や情報の共有化を図っております。

ケア用品においても、さらに高い洗浄消毒効果等を提供する商品の開発が求められ、眼鏡にあってはファッションニーズにあった眼鏡フレームの開発も課題であろうと考えております。

また、海外市場における更なる業容拡大・販路開拓も企業の成長を継続させるうえでは重要、かつ急務の課題であり、これらを踏まえた成長戦略・施策を立案、遂行してまいります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性のある事項については以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)業界動向

当社グループが事業を営む、コンタクトレンズ業界につきましては、長期的な視点に立ちますと、日本の人口減少は否めず、市場の縮小や構造変化等が予想されます。眼鏡業界においても、均一価格販売の浸透で低価格化が進み、価格競争が激化をしており、市況環境は厳しさを増しております。このような状況の中、国内シェアの向上や海外販路を開拓する等により、グループの業績向上のために事業活動を行っておりますが、予期せぬ市況環境の変化等に的確に対応できない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

また、コンタクトレンズ・ケア用品事業は、高度管理医療機器、医薬部外品に該当し、薬機法等の規制を受けており、その法改正の内容によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(2)新製品開発力

当社グループは、眼科領域におけるデバイス及びその周辺技術に関する研究開発を実施し、使用者の「Quality of Life」、「Quality of Vision」の向上に貢献できる高品質、高付加価値製品を提供することを基本方針として活動に取り組んでおります。これらの活動によって製造された製品は、当社グループにとって核となる事業であり、市場のニーズに的確に合致するものでなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 研究の成果が、新技術や新製法の確立に必ずつながるとは限りませんし、研究期間が長期に亘り開発費の増加や販売機会の損失を招く可能性もあります。また、開発した新製品や新技術等が、独自の知的財産権として保護される保証もなく、当初に意図した結果や成果が得られない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)製品の欠陥

当社グループのコンタクトレンズは、製造販売承認許可を薬事審議会での審査を経て取得し、QMS省令での滅菌医療機器製造業許可、ISO13485:2003の認証を取得している鴻巣研究所において、これら許認可による製法に基づき製造をしております。しかしながら、国から承認許可を取得した製品であっても、市場で発生している医薬品と同様に様々な事象(副作用等)が生じない保証はありません。また、海外での生産品については、国際規格に基づいて製造されておりますが、全ての製品に欠陥がないという保証はありません。

製造物賠償責任についてはPL保険に加入しておりますが、全てをカバーできるとは考えられず、今後、大規模な製造物賠償責任につながる製品欠陥等が発生した場合には、回収費用、代替品への対応費用等、多額のコスト負担が想定されるばかりでなく、企業評価や信頼を損なうこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(4)知的財産保護の限界

当社グループは、特許権、意匠権、商標権の知的財産権の出願、管理、運用等を海外子会社、海外向け商品に関するものも含めて一元で管理し、知的財産の保護に努めておりますが、第三者が当社製品や技術に類似した、もしくは、当社グループよりも優れた製品を製造することを阻止できない可能性があります。また、当社グループの将来の技術や製法、製品が、認識の範囲外で第三者の知的財産権を侵害する可能性も考えられ、損害賠償請求権を行使された場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(5)災害や停電等

当社鴻巣研究所は、製造ラインの中断による生産能力の低下を抑止するため、また、周辺地域への安全対策として、災害防止検査や設備点検等を定期的に実施し、また、非常用自家発電装置を導入する等し、万全を期してはおりますが、完全に防止・軽減ができるという保証はありません。

万が一、大規模な地震の発生や近隣の火災等により操業を中断するような事象が発生した場合は、コンタクトレンズの生産能力が低下する可能性があります。

 

(6)情報漏洩

当社グループは、個人情報や研究開発情報等の機密情報の取扱いについては、個人情報保護規程、営業秘密管理規程、アクセス管理規程等の制定・運用による管理や、内部監査の実施等により、厳重な管理体制を敷いておりますが、何らかの原因により、漏洩事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うばかりか社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

(7)海外での事業展開

当社グループは、連結子会社、あるいは現地の専任代理店により、アジア(中国、ベトナム、モンゴル、シンガポール他近隣国)や欧州におきまして、販売事業(卸売)展開を行なっております。これらの地域における予期せぬ政治的・経済的な社会情勢の変化、ならびに各政府当局が課す法的規制等によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(8)為替変動

当社グループは、コンタクトレンズの一部を海外の協力工場から仕入ており、また、海外において販売活動等を展開していることから、外貨建ての決済を行っております。また、海外連結子会社の現地通貨建ての決算数値につきましても、連結財務諸表作成時に円換算しております。これらから生じる為替変動リスクにつきましては、為替予約等により軽減させる措置をとっておりますが、急激な為替変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(9)金利情勢

当社グループは、設備資金及び運転資金について、金融機関からの借入による資金調達を実施しており、今後も資金需要に対応して調達を行う可能性があります。一部固定金利借入の導入等により、短期的な金利変動リスクの軽減を図っておりますが、今後の金融情勢の変化により金利が大きく上昇した場合には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

(10)法規制・法令遵守

当社グループが事業活動を行うには、薬機法に基づく医療機器製造販売業や医療機器製造業、高度管理医療機器販売業等の許可が必要となり、該当拠点においてその許可を取得しております。これらの許可を受けるため、または更新するための諸条件及び関連法令の遵守に努めており、現時点において、当該許可が取消しになる事由の発生は認識しておりません。しかしながら、法令に抵触し当該許可が取消しになる事態となった場合には、規制の対象となる製品を回収し、加えて、その製品の販売中止及び対象事業の活動中止が求められる可能性が生じ、回収損失等が発生するだけでなく、主業であるコンタクトレンズ・ケア用品事業の活動に支障を来すこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

    (コンタクトレンズ・ケア用品事業に係る主要な許認可、免許及び登録等)

取得年月

(初回)平成17年4月

(直近)平成25年1月

(初回)平成23年11月

(直近)平成28年11月

許認可等の名称

医療機器製造販売業

医薬部外品製造販売業

製造販売業の名称

株式会社シード

株式会社シード

所管官庁等

東京都

東京都

許認可等の内容

医療機器の製造品質確保及び市販後安全性情報収集

医薬部外品の製造品質確保及び市販後安全性情報収集

有効期限

平成30年1月

平成33年11月

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

申請内容と異なる製品に対して、出荷可否判定を偽り、出荷を認めてしまう、また、重大な障害に対し虚偽の報告や隠ぺいする等

 

取得年月

(初回)平成19年1月

(直近)平成24年10月

(初回)平成4年1月

(直近)平成25年1月

許認可等の名称

医療機器製造業

医療機器製造業

製造所の名称

株式会社シード鴻巣研究所

株式会社シード総合研究所

所管官庁等

埼玉県

埼玉県

許認可等の内容

医療機器の製造(コンタクトレンズ)

医療機器の製造(コンタクトレンズ)

有効期限

平成29年10月

平成30年1月

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

申請内容と異なる製品を製造すること等

 

 

取得年月

(初回)平成17年4月

(直近)平成29年4月

許認可等の名称

高度管理医療機器販売業

販売業の名称

株式会社シード

所管官庁等

東京都

許認可等の内容

医療機器の販売

有効期限

平成35年3月

法令違反の要件

及び主な許認可取消事由

医療機器の品質確保、トレーサビリティを怠る等

(注)高度管理医療機器販売業については、各営業所において許認可を取得しております。

 

(11)商品・資材・原材料調達

商品や製品製造に必要な資材、原材料は、当社グループにて調達を行っておりますが、供給先とは、生産数の変動や供給体制等の情報を常に共有し、安定的な供給が受けられるよう努めております。しかしながら、外的要因により不測の事態が発生した場合には、必要な商品、資材、原材料の調達が困難になることも考えられ、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

(12)棚卸資産の劣化

当社グループの製品には、有効期限の設定をしております。当社グループの棚卸水準は比較的低水準でありますが、市場環境の急激な変化、競合商品の参入等により販売環境が変化し棚卸資産が長期間滞留してしまった場合、有効期限が到来する棚卸資産については棚卸資産評価損を計上する可能性があり、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

(13)減損損失

当社グループは、主に連結子会社が運営する販売事業(小売り)において店舗展開している1店舗毎を基本単位として、固定資産の減損に係る会計基準を適用して、小売店舗の収益性が著しく低下した場合は、店舗資産やのれんの帳簿価額を回収可能価額まで減額するとともに、当該減少額を減損損失として計上しております。この際には、当社グループの経営成績及び財政状況に影響を与える可能性があります。

 

(14)小売販売事業

当社グループは、高度管理医療機器であるコンタクトレンズの販売については、医師による処方箋の発行は法律上必要とされておりませんが、薬機法の法規制の下、各法令を遵守し、かつ、一般社団法人日本コンタクトレンズ協会が制定する「コンタクトレンズの販売自主基準」に基づき、使用者がコンタクトレンズを正しく、安全に使用できるよう努めております。

当該販売事業(小売り)を主事業とする連結子会社においては、使用者の目の安全性を最優先に考え、運営する販売店の近隣にて開業する眼科の医師や医療法人と提携し、医師が発行する処方箋(指示書)に基づき、使用者それぞれに適した最良のコンタクトレンズを提供することとしております。しかしながら、万が一、当該眼科や販売店における誤った処方や説明等により重篤な眼疾患を引き起こすような医療事故が発生した場合は、当社グループの社会的信用を失うこととなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

当社グループの連結子会社は、提携する医師または医療法人に対して、従業員の派遣や開設する際に必要な資金の貸付等を行っており、医師法が禁止する、医療機関以外の医行為の実施や医療機関による非営利性の確保等に抵触又は該当しない範囲で眼科運営をバックアップしております。特に、検眼や指示書の発行、装用指導等は医師法の規定に基づく医師でなければ行えない行為とされており、派遣している従業員がこのような医療行為を行わないよう指導しておりますほか、人員の派遣等に係る契約上でも、当該行為を行わないことを明示しております。また、各医療機関とも良好な関係を構築しており、法令等に疑義が生じない様対応しております。しかしながら、法令改正や法解釈の変更等により、現バックアップ行為・体制を変更する必要が生じた場合、又は医療法人等への貸付け返済の滞りや医師や医療法人との間における予期せぬ運営上や会計上の対応等が必要となる場合には、小売販売事業の運営上の対策を講じる必要が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、連結子会社における販売店の出店に応じて、近隣での開設意思や計画のある医師または医療法人に対して眼科開設を誘致する場合がありますが、誘致できない場合または誘致開設後に予期せぬ閉院等があった場合にも、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(15)重要な訴訟

当連結会計年度において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりません。また、提起される恐れは認識しておりませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に重大な影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、皆様の「見える」をサポートするため、コンタクトレンズを核とし、ケア用品・眼鏡・医薬品・医療用機器等、技術に裏打ちされた高品質で安全な「眼」に関する製品技術・研究開発を進めております。

現在の研究開発は、主に鴻巣研究所研究棟で進められており、研究開発スタッフは57名であります。

なお、当連結会計年度の研究開発費は927,357千円であり、セグメント別の研究開発費については、コンタクトレンズ・ケア用品に係るものであります。

 

コンタクトレンズ・ケア用品

①1日使い捨てコンタクトレンズ「シードワンデーピュアうるおいプラス」の生産効率向上のための工程改善ならびに、鴻巣2号棟への新規設備の導入を行い、3号棟に導入する設備の検討を進めております。商品ラインアップ充実のため「シードワンデーピュアうるおいプラス乱視用」の乱視度数拡大の開発をさらに進めております。また、遠近両用コンタクトレンズの新規デザイン検討を進めております。

②薬物放出制御(DDS:薬物伝送システム)を可能としたソフトコンタクトレンズにつきましては、治療対象となる疾患、薬物の選定を終了し、早期の承認取得に向けて当局との協議を行っております。また、難治性眼疾患を対象にした次世代DDSソフトコンタクトレンズについても、大学・製薬メーカーとの共同体制による研究開発と早期の治験に向けた準備を進めております。

③ケア用品は、市場の価格変動が激しく、近年低価格化する傾向にあります。これに対応すべく、高品質低価格の製品化に向けた研究開発を進めております。

④高酸素透過性などの付加価値の高い新素材のソフトコンタクトレンズの開発を進めております。また、新しい素材の基礎研究を大学・公的研究機関などと共同で開始しています。

⑤コンタクトレンズ及びケア用品の、中国、東南アジア、欧州への展開のために各国の承認取得を進めております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

(1)財政状態の分析

資産、負債及び純資産の状況

当連結会計年度末における資産の残高は、29,222百万円となり、前連結会計年度末から4,454百万円増加いたしました。主な要因として、研究棟の竣工や2号棟の製造ラインの増設等により有形固定資産が2,101百万円(13,752百万円から15,853百万円)増加したことや、関西地区の小売事業を継承したことによるのれん1,020百万円が新たに発生したことが挙げられます。

負債につきましては、当連結会計年度末の残高は20,215百万円となり、3,399百万円増加いたしました。主な要因として、小売事業の継承や2号棟の製造ラインの増設等により、長短の合計借入金が3,479百万円(7,174百万円から10,654百万円)増加していることが挙げられます。

純資産につきましては、当連結会計年度末の残高は9,007百万円となり、1,054百万円の増加となりました。これは、利益剰余金が688百万円増加したことや、繰延ヘッジ損益が303百万円(△277百万円から25百万円)増加したことによるものであります。

 

(2)キャッシュ・フローの分析

キャッシュ・フローの概要に関しては、第2[事業の状況]1[業績等の概要]の(2)を参照ください。

指標

 

平成27年3月期

平成28年3月期

平成29年3月期

自己資本比率(%)

33.8

32.1

30.8

時価ベースの自己資本比率(%)

51.1

43.7

71.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

7.2

37.8

20.2

※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出

※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

(3)経営成績の分析

売上高・売上総利益

当連結会計年度における売上高は24,463百万円となり、前連結会計年度に比べ2,636百万円増加いたしました。

これは、「シードワンデーピュアうるおいプラス乱視用」が着実に伸長し、主力アイテムであるシードワンデーピュアシリーズが約23%(卸売ベース)の増加となりました。また、サークルレンズやファインシリーズ等も底堅く推移したため、コンタクトレンズ全体で前期比13.5%の増収となったためであります。

売上総利益は10,050百万円(売上総利益率41.8%)となり、前連結会計年度に比べ1,362百万円増加(売上総利益率2.0ポイントアップ)いたしました。これは、売上高の増加と原価低減に伴う増益によるものであります。

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は8,531百万円となり、前連結会計年度に比べ739百万円増加いたしました。主として、研究開発費(前期対比259百万円増)や人件費(前期対比242百万円増)、業務委託費(前期対比129百万円増)が、増加したためであります。