(1)経営方針・理念
当社グループは、『眼』の専門総合メーカーとして、“お客様の『見える』をサポートする“を使命とし、コンタクトレンズ事業を中心に、コンタクトレンズケア用品、眼鏡等、幅広く事業を展開しています。経営理念は以下のとおりであります。
(経営理念)
・専門特化した研究開発力を基盤に安全かつ高品質な製品を提供し、多くの人々の健康と幸せに貢献する
・スピードを重視した経営により、環境変化に先駆けて対応するとともに、お客様のニーズに的確に応える
・社員ひとり一人が自発性と創意工夫を発揮できる場を作り、社員の努力に対してしっかりと報いる
・良き企業市民として、法令を遵守し、環境・社会・地域との調和をはかり、その発展に貢献する
(2)経営環境
当連結会計年度における世界経済及び日本経済は、通期に亘って新型コロナウイルス感染症の周期的拡大により経済活動が繰り返し制限を受ける等、厳しい状況で推移しました。国内においては、ワクチン接種の進行等、同感染症の拡大防止と、社会・経済活動の維持・両立を目指した各種政策の効果により、緊急事態宣言の解除後は段階的な経済活動の再開により景気回復の兆しが見られ、年明け後は今後の経済活動の持ち直しに向けた動きに期待が高まりました。しかし、感染力の強いオミクロン株の感染急拡大により、多くの地域でまん延防止等重点措置が実施されました。また、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発する地政学リスクの高まりとエネルギー価格や原材料価格等の上昇は、企業卸売物価を押し上げ、消費者物価へと波及しています。日本経済の基本的脆弱性と金融政策の差異によって生み出される急激な円安は、国富の流出を招き始めており、消費行動の制約となる等、日本経済の先行きは、低位かつ不安定な状況にあります。
国内のコンタクトレンズ市場におきましても、コロナ禍における在宅勤務の定着やマスク着用によるメイク機会減少、また、中高等学校の部活動や課外活動の停滞がコンタクトレンズ全般の需要を減退させる等、厳しい市場環境は続いておりますが、2022年の卒業・入学シーズンを迎え、消費者の購入活動については回復の兆しが見られております。
海外におきましては、アジア諸国によるワクチン接種の普及、そして、欧米諸国を中心にワクチンのブースター接種の普及等により、「ウィズコロナ」の考えに根差した行動制限の緩和策が取られ、経済・社会活動は国や地域によるばらつきを伴いながらも回復しつつあります。当社が営業を展開している欧州諸国・東南アジア諸国・インド・オーストラリア等では、2021年秋口から順次コンタクトレンズの販売は回復の兆しを見せ始めております。一方、中国市場においては、年明けからのオミクロン株の感染急拡大により、「ゼロコロナ政策」の下の上海の都市封鎖等で物流機能は損なわれ、コンタクトレンズの小売り活動にも大きな支障が出てきております。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
今後の景気見通しにつきましては、新型コロナウイルスの変異株による感染の再拡大リスクや消費者の生活防衛意識の高まりによる価格競争の一層の激化に加え、ロシアのウクライナ侵攻等を受け、原油を中心とした一次産品価格上昇の動向や、エネルギー価格の高止まり、円安の進行が、日本全体の購買力を弱め、経済活動や個人消費に影響を及ぼしており、景気は依然として先行き不透明な状況が続くものと思われます。通年での円相場が130円を超える場合は、一段のコストアップ要因となることが懸念されます。
国内のコンタクトレンズ市場につきましては、在宅勤務の定着等により、需要の低迷が続くことに加え、各種コストの上昇に基づく消費者の購買力の低下が予想され、厳しい市場環境が継続するものと認識しております。海外市場におきましても、最大の中国市場の活動が大きく停滞し、地域によっては感染再拡大の懸念もあります。本格的な、経済活動の再活性化には時間を要するものと思われます。しかしながら、近視率の増加により人口減を上回るコンタクトレンズユーザーが創出され、また、遠近両用コンタクトレンズ、オルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品は継続的に成長するため、感染者数の減少に伴い経済活動制限が緩和されることで、緩やかながら回復基調に向かうことが期待されます。
2023年3月期につきましては、中期経営計画を踏まえつつも外部環境に応じた臨機応変な経営を行ってまいります。2022年4月から、製造原価低減等の企業努力では吸収しえない製造原価の増加や、円安による輸入原価の高騰を吸収すべく、使い捨てコンタクトレンズ商品の大部分での値上げをお客様に順次お願いしております。概ね2022年6月から7月には新価格が適用されると想定しており、これによる採算の改善が段階的に図れると考えておりますが、2023年3月期中においては原価の上昇が先んずる為、値上げによる改善効果との間にはタイムラグが発生します。
商品戦略としては、引き続き主力の「ワンデーピュアシリーズ」を中心として、品質力の高さやきめ細やかな製品ラインナップのアピールに努めるとともに、当社初となる自社オリジナルのシリコーンハイドロゲル素材ワンデーコンタクトレンズ「シード 1day Silfa(シルファ)」や、市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジー等の高付加価値商品の拡販に注力してまいります。サークル・カラーコンタクトレンズにおいては、2022年4月に発売したライフスタイルやトレンドに合わせて“なりたいわたしを選べる”ブランドとして手に取りやすい全5色のブラウン系レンズをラインナップした「Belleme(ベルミー)」の発売により、低迷した市場環境下における需要創設を目指してまいります。また、将来への投資として、スマートコンタクトレンズ事業等の新しい分野にも積極的に経営資源を投下してまいります。海外事業においては、各国の法令や認証制度に対応しながら既存進出地域の売上拡大と新規販売品目の拡大に注力してまいります。
(4)TCFD提言に対する当社の対応
(ガバナンス)
① 気候変動関連のリスク及び機会についての取締役会による監督体制
気候変動関連のリスク及び機会を含む経営上の最重要事項に関する意思決定機能は取締役会が担っており、業務執行状況に関する定期報告やリスク・セキュリティ管理委員会における重要決定事項の報告を受け、業務執行の監督を行っています。
EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクに関して十分な審議を行った上で、環境管理責任者に報告し、リスク・セキュリティ管理委員会に付議されます。リスク・セキュリティ管理委員会はリスク管理プロセスにおいて中心的な役割を果たしており、全社に影響を及ぼすリスクの特定及び対策を策定し、適宜取締役会に付議しています。また、年度毎に各実施責任者が現状のリスク及び機会についての評価案をまとめ、環境管理責任者に報告し、環境管理責任者がリスク・セキュリティ管理委員会に付議し、委員会における討議を経て、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長でもある代表取締役が取締役会に報告を行います。
② 気候変動関連のリスク及び機会を評価・管理する上での経営者の役割
当社のEMSにおけるトップマネジメントは代表取締役が担っております。代表取締役は、取締役会のメンバーであり、リスク・セキュリティ管理委員会の委員長です。EMSのポリシー、リスクと機会、ビジネス戦略、目的、行動計画、及び進捗状況について、リスク・セキュリティ管理委員会で意思決定された事項の報告を受け、EMS推進業務執行及びリスク管理システムの監督を行います。
(戦略)
① 短期・中期・長期のリスクと機会
リスク:TCFDが定義するハイリスクセクターのように、長期的に大規模な事業転換や投資を必要とするような重大な気候関連リスクは認識されていませんが以下のリスクについて今後対応策を検討してまいります。
・物理的リスク
気候変動に伴う製造設備地域での災害リスク、サプライチェーンの寸断リスク等
・移行リスク
カーボンプライシングによるコスト増(炭素税によるコスト増加。排出権取引)
・法令リスク
環境関連法令の厳格化に伴う遵守に向けての体制整備、設備対応等によるコストアップ等
機会:気温上昇に起因する生活環境の変化による、アレルギー罹患率の増加等の事業機会が考えられます。眼におけるアレルギー罹患率も同様に増加すると考えられ、1日使い捨てコンタクトレンズユーザーの増加や、抗アレルギー薬を持続的に投与できる機能性コンタクトレンズへのニーズの増加が予測されます。また、環境意識の高まりによる環境配慮商品への期待等、新たな商品開発や研究開発の機会が増加すると考えております。
② 事業・戦略・財務計画に及ぼす影響
製造業一般に対する新たな規制強化が実施される可能性も念頭に規制動向は注視することが必要であると認識しております。一方で、環境負荷を低減する製造プロセスの構築や、サプライチェーン全体の気候レジリエンス強化への対応による、機会のポテンシャルもあると考えています。
③ 2℃目標等の気候シナリオを考慮した組織戦略の強靭性
現在、検討中でございます。
(リスク管理)
① リスク識別・評価のプロセス
リスク・セキュリティ管理委員会は、EMS(環境マネジメントシステム)における各実施責任者が特定し、環境管理責任者より報告された環境法規におけるリスクや気候変動関連リスクのうち、特に経営に大きな影響を与えるものを全社リスクとして特定します。さらに、リスクの影響度(財務的影響)及び発生可能性(発生頻度)を討議し、高・中・低の3段階で優先順位を決定するとともに、対応する部署を選定し、取締役会へ報告します。
② リスク管理のプロセス
実施責任者は、抽出したリスクの評価と改善を行い、適切なタイミングで環境管理責任者に報告を行います。環境管理責任者は、報告内容を評価し、代表取締役がトップマネジメントを行うリスク・セキュリティ管理委員会に報告します。
③ 組織全体のリスク管理への統合状況
リスク・セキュリティ管理委員会規程に基づく全社的なリスクマネジメント体制を構築しております。気候変動を含む外部環境変化についても、全社的「リスク」、業務別「リスク」の大きさ・発生可能性・発生頻度の評価を行い、重要なリスクの対策及び対応に関しては、取締役会に上程し、取締役会で検討及び関係各署への改善指示を行います。
(指標と目標)
① 組織が戦略・リスク管理に即して用いる指標
当社は中長期的な視点をもって環境保全活動を推進しており、2021年11月に発表した中期経営計画の一つの柱としてSDGsの推進を掲げております。今後、社会からの期待・要望の変化を踏まえ、中長期視点でマテリアリティを設定し対応してまいります。最終的には、2050年カーボンニュートラルの実現を目指しております。
② 温室効果ガス排出量(Scope1、2、3)
Scope1、2についてはすでに算出を終了し、削減計画の検討を行っております。また、Scope3につきましては、現在算出中でございます。
③ リスクと機会の管理上の目標と実績
2022年度を通じて現状把握を行い、目標を策定してまいります。
当社グループは、増大するリスク管理に対応するため、リスク全般について監視・管理する委員会としてリスク・セキュリティ管理委員会を設置し、代表取締役社長を議長として、経営方針・経営戦略等との関連性の程度を考慮して、必要に応じてリスク案件の洗い出し、改善・回避する施策立案の議論を行っております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものです。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、下表「(3)環境・災害リスク」及び「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」を参照ください。
(1)戦略リスク
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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需要動向
※特に重要なリスク |
・日本において、近視率の増加や低年齢化等の需要増加要因を上回る人口減少による市場縮小 ・高齢化の進行によるコンタクトレンズ装用人口の減少 ・生活様式、勤務形態の変更によるコンタクトレンズ需要減 ・特定の取引先に取引が集中 ・大口取引先の急激な方針転換 |
・海外展開の強化により日本の市場縮小リスクをカバー ・高齢化に対応した遠近両用コンタクトレンズの強化 ・オルソケラトロジー・スマートコンタクトレンズ・近視進行抑制関連等の非コモディティ分野の取り組み強化 ・取引先の分散、他社との取引拡大により、特定先との取引集中を回避 ・PB製品の導入に限らず、取引先と長期のコミットメントを得る |
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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ガバナンス
※特に重要なリスク |
・誤った投資判断に基づく損失の発生 ・子会社経営に問題が発生した場合にグループ力が低下 ・海外の子会社のコントロールが不十分なため海外子会社売上・利益の大幅な減少、減損が発生 |
・投資基準の制定による判断の明確化 ・国内外子会社の競争力強化、海外子会社のマネジメント力強化 ・国内外子会社の統制強化、きめ細やかな報告・指導実施 ・グループ内での役割の明確化(コストセンター・プロフィットセンター等) |
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新商品開発力 |
・市場ニーズとの不一致・開発スピードの劣後による販売機会の喪失 ・研究期間の長期化による開発費の増加 |
・市場ニーズに基づいた研究開発テーマの選定強化 ・PDCAサイクルによる進捗確認 ・外部機関との連携やその他オープンイノベーションによる開発スピードのアップ ・戦略的M&Aの推進 |
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後継者問題 |
・後継者の育成プログラムが必ずしも整備されていないため、現経営者の退任の際に対応する人材育成が未整備 |
・新しい人事制度による有能な人材の早期育成の推進 |
(2)ファイナンスリスク
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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為替変動 |
・急激な為替変動が発生した場合、海外からの輸入や販売活動等における外貨建て決済に影響 |
・輸出入バランスの均衡化による為替変動リスクの軽減 ・為替予約の実行 |
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金利情勢 |
・金融情勢の変化により金利が大きく上昇した場合に、資金調達に伴うコストが増大 |
・固定金利・変動金利のミックスによる金利変動リスク軽減 |
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棚卸資産の劣化 |
・販売環境等の変化により棚卸資産が長期滞留した場合、有効期限が到来する棚卸資産について棚卸資産評価損を計上する可能性 ・適正在庫・需要動向の見誤り |
・パラメータごとの有効期限管理 ・出荷数に応じた少量発注・製造 ・在庫・需要動向の適切な見極めとコントロール |
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減損損失 |
・有形固定資産、のれん及び無形資産について、事業環境の変化等により当該資産の収益性が低下した場合に減損損失を計上する可能性 |
・投資基準規程の策定・運用 ・収益性向上による減損リスク低減 |
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債権回収リスク |
・得意先の財務環境悪化による不良債権の増加リスク |
・取引先の状況の早期見極め ・与信状況の定期的な見直し |
(3)環境・災害リスク
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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新型コロナ禍の拡大
※特に重要なリスク |
・外出自粛・販売店舗の閉店要請等の影響によるコンタクトレンズの需要減 ・感染者が発生した場合、製造・受発注・発送業務・営業活動等の停止 ・海外拠点への出荷停止 |
・各販売施設に応じた顧客獲得施策の提案 ・変化する購入チャネルへの対応強化 ・各種感染防止策の推進(体調管理の徹底・在宅勤務の推進等) ・海外進出国の増加によるリスク分散 ・社内外への感染防止と従業員の安全確保、製品供給責任の遂行に向けた対応 ・予防接種の実施 |
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生産拠点における自然災害、及び非自然災害 ※特に重要なリスク |
・鴻巣研究所において大規模な地震・台風・水害・火災等が発生した場合にコンタクトレンズの生産能力が低下 ・富士山噴火 ・事故等による交通機関の混乱 |
・BCP対応の強化 ・災害防止点検や設備点検等の定期的な実施 ・非常用自家発電装置の導入 ・製造棟の分散 |
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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気候変動・環境問題 |
・地球規模での気候変動、環境問題、海洋プラスチック問題等に伴う経済状況の変化 ・サステナビリティに対する取り組みが不十分だと見なされた場合の企業価値低下 ・環境関係の規制強化に伴う負荷増大 |
・CO2排出削減・水使用量削減等、環境に配慮した製造工場、太陽光パネルの設置 ・使用済みブリスターを回収する「BLUE SEED PROJECT」等の環境問題への取り組み強化・発信 ・廃棄資材の有償化 ・老朽化した本社の建替え及び省エネ化推進 ・EMSの運営により適切な対応を促進 |
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海外情勢 |
・海外進出国における予期せぬ政治的・経済的な社会情勢の変化や各政府当局が課す法的規制 ・地政学的リスク ・海外の法規制の改訂による要求事項の大幅な変更への対応ができず、営業活動が維持できなくなる可能性 |
・海外事業部・海外薬事部等の専門部署による情報収集 ・現地パートナー・アドバイザーの活用 ・現地での合弁生産等でのローカライゼーション ・当社グループ間の連携強化 |
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エネルギーの供給リスク |
・エネルギーの供給キャパシティーに起因した停電等による工場操業継続リスク |
・緊急時に備えた在庫の確保 ・太陽光発電等の再生可能エネルギーの活用 ・緊急時の自家発電装置の設置 |
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事業活動に係る人権問題 |
・サプライチェーン等に内包した人権問題によるレピュテーションリスク |
・リスクを踏まえた取引先の選定 ・人権リスクの見極め |
(4)オペレーションリスク
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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製品の欠陥
※特に重要なリスク |
・製品の欠陥による様々な有害事象や不具合の発生 ・大規模な製造物賠償責任の発生による費用発生・企業イメージ低下 |
・各種省令(QMS省令等)の遵守 ・国内外の各種認証・許認可の維持・遵守 ・トレーサビリティ体制強化 ・PL保険への加入 |
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法規制・法令遵守
※特に重要なリスク |
・薬機法に基づく各業許可、及び海外進出国における同種の法令に抵触し、許認可が取消しとなった場合、当該製品の回収、販売中止、対象事業の活動中止となる可能性 ・不正行為、事故等による当社信用の失墜 ・独占禁止法及び関係法令への抵触 ・各種ハラスメントリスク ・内部情報の漏洩リスク ・国内の法令への抵触リスク |
・当該許可を受け、更新するための諸条件及び関連法令の遵守(各種許可一覧は「コンタクトレンズ・ケア用品事業に係る主要な許認可、免許及び登録等」参照) ・薬事部・海外薬事部・品質保証部等によるチェック体制強化 ・コンプライアンス研修の実施 ・法務室を法務部に組織改編し、法務チェック体制を強化、コンプライアンス室の新設 ・独占禁止法及び関係法令遵守の社内徹底 ・責任役員の選任 ・内部通報制度の適切な運営 |
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知的財産保護 |
・第三者による当社製品・技術に類似もしくは優れた製品の製造 ・第三者の知的財産権侵害による損害賠償請求権を行使される |
・特許権・意匠権・商標権を専門部署にて一元管理することによる知的財産保護 ・第三者侵害、被侵害に対して、所管部が法務部と連携して対応 |
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情報セキュリティ |
・サイバー攻撃・内部不正アクセス・情報の滅失・毀損等による個人情報や研究開発情報等の機密情報の漏洩
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・ISMS認証、プライバシーマークの取得・維持 ・個人情報保護規定、営業秘密管理規定、アクセス管理規定等の制定・運用による管理 ・アクセス制限、認証、暗号化等の機能によるセキュリティ対策 ・エンドポイントセキュリティ対策(マルウェア・ウイルス対策) ・内部監査の実施による厳重な管理体制構築 |
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項目 |
リスク内容 |
当社の対策 |
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商品・資材・原材料調達 |
・外的要因により不測の事態が発生した場合、製造に必要な資材、原材料の調達が困難になる可能性 ・資源価格の上昇によるエネルギー価格及び資材・原材料等の高騰リスク |
・供給先との間で、生産数の変動や供給体制等の情報を共有 ・資材・原材料は約3~6ヶ月分を保有 ・複数購買の推進 ・海外子会社・親密企業と連携して、原料の供給ソースを確保 |
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重要な訴訟 |
・重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされる可能性 |
・社内・契約弁護士による法務リスク管理 |
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海外認証制度の変更 |
・ISO(13485)の維持ができなくなる可能性 ・欧州基準で流通する医療機器に関する規則となる医療機器指令(MDD)から医療機器規則(MDR)への移行が期限内に完了しなかった商品の販売継続ができなくなる可能性 ・新規商品にMDR認証が取得できない場合 ・認証機関の基準の強化による既存の認証取り消しのリスク |
・ISO(13485)維持に向けた教育訓練・外部コンサルタントの活用 ・MDRに準拠した社内ライセンス管理体制の整備・実施 ・海外薬事部・海外子会社による情報収集・対応 |
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適切な人材確保 |
・必要な採用数が確保できなかった場合及び休退職者の増加により人員が確保できなかった場合に、事業活動に影響が出る可能性 ・社員の高齢化を伏線とした再雇用者の増大による余剰人員及び要求スペックと能力の質的ミスマッチの発生(雇用の長期化・部署再編等に起因) |
・省人化投資の推進 ・多様な人材の確保 ・ライフワークバランスを考えた働き方の導入 ・企業主導型保育所の設置による育児と仕事の両立を支援 |
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レピュテーションリスク |
・外部からのSNSによる攻撃、風評被害 ・SNSを活用した企業による情報発信時の炎上リスク ・各種の事故等発生時の初動動作に誤りがあることによるレピュテーション低下 |
・SNSによる情報発信時のチェック機能強化 ・コンプライアンス研修の継続 ・当社を理解してもらうための情報発信許可 ・トラブル発生時の基本動作の習得と訓練 |
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労務リスク |
・メンタルヘルスに起因する労務リスク |
・産業医の活用 ・就業規定等の遵守 ・全社員へのストレスチェック継続実施 |
(コンタクトレンズ・ケア用品事業に係る主要な許認可、免許及び登録等)
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取得年月 |
(初回)2005年4月 (直近)2018年1月 |
(初回)2011年11月 (直近)2021年11月 |
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許認可等の名称 |
医療機器製造販売業 |
医薬部外品製造販売業 |
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製造販売業の名称 |
株式会社シード |
株式会社シード |
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所管官庁等 |
東京都 |
東京都 |
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許認可等の内容 |
医療機器の製造品質確保及び市販後安全性情報収集 |
医薬部外品の製造品質確保及び市販後安全性情報収集 |
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有効期限 |
2023年1月 |
2026年11月 |
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法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
申請内容と異なる製品に対して、出荷可否判定を偽り、出荷を認めてしまう、また、重大な障害に対し虚偽の報告や隠ぺいする等 |
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取得年月 |
(初回)2007年10月 (直近)2017年10月 |
(初回)2005年4月 (直近)2017年4月 |
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許認可等の名称 |
医療機器製造業 |
高度管理医療機器販売業 |
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製造所の名称 |
株式会社シード鴻巣研究所 |
株式会社シード |
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所管官庁等 |
埼玉県 |
東京都 |
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許認可等の内容 |
医療機器の製造(コンタクトレンズ) |
医療機器の販売 |
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有効期限 |
2022年10月 |
2023年3月 |
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法令違反の要件 及び主な許認可取消事由 |
申請内容と異なる製品を製造すること等 |
医療機器の品質確保、トレーサビリティを怠る等 |
(注)高度管理医療機器販売業については、各営業所において許認可を取得しております。
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度末における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
新3ヶ年中期経営計画の初年度となる2022年3月期につきましては、主力である純国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心に、日本国内での安定した成長を軸に、海外各国での需要回復を図ることにより同事業規模の拡大と収益基盤の強化を図ってまいりました。当社初となるシリコーンハイドロゲル素材ワンデーコンタクトレンズ「シード 1day Silfa(シルファ)」については、2021年2月から欧州の一部地域で販売を開始し、既に国内での承認を取得し、2022年夏の国内販売に向けて準備をすすめております。また、新しい流行を取り入れたカラーコンタクトレンズ「Belleme(ベルミー)」ブランドを新しく立ち上げ、2022年春の発売開始に向けてマーケティング活動を進めました。
2022年4月4日に実施された東京証券取引所の市場再編において、当社はプライム市場に移行いたしました。現時点ではプライム市場の上場維持基準項目のうち「流通株式時価総額」についてのみ、未達となっております。今後、早期のプライム市場上場維持基準の達成に向けて、企業価値を高める施策に注力しております。具体的には、市場競争力・収益力の強化を進めるとともに、信頼されるモノづくり、SDGsの推進、株主還元施策等の各種取組を進めてまいります。
また、社会の持続可能な発展に貢献することを経営の重要課題の1つと捉え、その実現に向けた行動を企業の行動指針として掲げ、会社運営の全てにわたり、環境と調和した企業活動を遂行していくことを基本とした『環境方針』を策定し、推進体制の整備及び環境経営マネジメントシステムを構築したことを2022年2月に公表いたしました。2022年3月31日には株式会社日本政策投資銀行から「環境への配慮に対する取り組みが十分」であると評価され、格付を取得し、「DBJ環境格付」に基づく融資を受けました。
これらの事業活動の結果、当連結会計年度の業績について、主に国内のコンタクトレンズ販売が前年対比で回復し、売上高は28,835百万円(前年同期比0.8%増)となりました。
利益につきましては、本社建替え計画による現本社社屋の償却年数を短縮したこと等に伴う減価償却費に加え、広告宣伝費・営業経費・人件費等が増加となったこと等により、営業利益1,177百万円(前年同期比1.6%減)、経常利益1,138百万円(前年同期比6.0%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、2021年11月に子会社の事業譲渡に関連する特別利益を計上したこと等により、1,153百万円(前年同期比2.1%増)となりました。尚、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用しているため、上記文章中に記載している前年同期比は参考値となっております。
また、2021年3月期と同様の算出方法とした場合、売上高前年同期比は3.4%増、販売費及び一般管理費については前年同期比3.2%増となります。営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益への影響はありません。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(コンタクトレンズ・ケア用品)
国内のコンタクトレンズにつきましては、コロナ禍においてWEB等を併用した営業活動を展開しました。同時にSNS、雑誌タイアップを通じた広告宣伝を行う等、消費者への直接の需要喚起も行いました。引き続き主力である純国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、特に市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力してまいりました。その結果、新型コロナウイルス感染症の影響によりサークル・カラーコンタクトレンズの伸びは鈍いものの、高付加価値の遠近両用レンズは需要増により前年同期比9.9%増、オルソケラトロジーレンズにつきましては、同感染症拡大の状況下においても市場が着実な進展を示し、前年同期比32.4%増と大きく伸長いたしました。オルソケラトロジーレンズについては、製品開発に迅速に対応できる体制を構築することを目的として、同レンズの製造販売業者であり、100%出資子会社である株式会社ユニバーサルビューを2022年3月31日に吸収合併いたしました。
ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ関連のケア用品は増加したものの、コンタクトレンズの使用機会が減少した影響を受け、前年同期を下回る結果となりました。
海外へのコンタクトレンズ輸出等につきましては、感染症の影響により欧州諸国・東南アジア諸国・台湾・インド等の市場が引き続き厳しい状況で推移している一方、中国市場はいち早い景気回復を示しました。
その結果、セグメント全体の売上高は28,602百万円(前年同期 28,089百万円)、営業利益2,275百万円(前年同期 2,186百万円)となりました。
(眼鏡)
眼鏡につきましては、主力フレームの「ビビッドムーン」や「プラスミックス」を中心として、主に既存在庫の圧縮とアフターサービスの営業活動を行ってまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響により市場の低迷は続き、売上高は145百万円(前年同期 391百万円)、営業損失は88百万円(前年同期営業損失36百万円)となりました。
なお、眼鏡事業につきましては、2022年3月31日をもちまして同事業から撤退いたしました。連結子会社である株式会社シードアイサービスの一部店舗における眼鏡の小売り事業は継続しております。
(その他)
その他につきましては、眼内レンズの売上が減少した結果、売上高は87百万円(前年同期 137百万円)、営業損失は10百万円(前年同期営業損失13百万円)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、3,877百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は、3,266百万円(前年同期3,690百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純利益の計上1,447百万円や減価償却費の計上2,763百万円により、資金が増加しております。また、資金減少の要因は法人税等の支払い373百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、881百万円(前年同期1,663百万円の支出)となりました。これは主に、鴻巣研究所の製造エリア拡大工事と設備導入等に伴う有形固定資産の取得による支出1,097百万円が要因となっています。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は、2,423百万円(前年同期1,726百万円の支出)となりました。資金減少の主な要因は長期借入金の返済1,971百万円やリース債務の返済994百万円です。
(2)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コンタクトレンズ・ケア用品(千円) |
9,505,840 |
98.8 |
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合計(千円) |
9,505,840 |
98.8 |
(注)金額は製造原価によっております。
② 商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コンタクトレンズ・ケア用品(千円) |
8,231,242 |
131.6 |
|
眼鏡(千円) |
22,660 |
13.6 |
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その他(千円) |
50,573 |
78.2 |
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合計(千円) |
8,304,476 |
128.0 |
(注)金額は仕入価額によっております。
③ 受注実績
当社グループは見込生産を行っているため、該当事項はありません。
④ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前年同期比(%) |
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コンタクトレンズ・ケア用品(千円) |
28,602,015 |
101.8 |
|
眼鏡(千円) |
145,731 |
37.3 |
|
その他(千円) |
87,591 |
63.9 |
|
合計(千円) |
28,835,337 |
100.8 |
(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、次のとおりであります。なお、前連結会計年度については、外部顧客への売上高のうち、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
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相手先 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
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株式会社パレンテ |
3,402,595 |
11.8 |
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HOYA株式会社 |
2,900,606 |
10.1 |
(3)経営者の視点による財政状態、経営成績、キャッシュ・フローの状況及びの分析
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑴ 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行っており、そのうち主なものは以下のとおりであります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響等、不確実性が大きく将来事業計画等の見込数値に反映させることが難しい要素もありますが、期末時点で入手可能な情報を基に検証等を行っております。
(棚卸資産の評価)
当社グループの保有する棚卸資産については、「棚卸資産の評価に関する会計基準」に基づき、厳格な処理を実施しております。棚卸資産は、収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により評価しており、取得原価と当連結会計年度末における正味売却価額のいずれか低い方の金額で評価しております。また、収益性の低下に基づき簿価を切り下げた金額は原則として売上原価に含めております。製品及び商品に含まれる長期滞留の棚卸資産に対しては、過去の販売実績を基礎に商品の有効期限内での販売可能性を検討したうえで、現時点において販売が見込まれない棚卸資産の取得価額を切り下げております。
当連結会計年度末において収益性の低下が認められた棚卸資産に対して、上記方法に基づく簿価切下げによる評価損を計上しております。
当該見積りは、景気動向や顧客ニーズの変化等の将来の経済環境の変動等によって影響を受ける可能性があり、実際の将来販売予測が見積りと異なった場合、翌連結会計年度の連結財務諸表において売上原価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
(債権の評価)
当社グループの保有する債権(売上債権、貸付金等)については、回収可能性を検討の上、貸倒引当金を計上しております。なお今後、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、債務者の財務内容、将来業績が低下する場合においては、貸倒引当金の追加計上が必要となる可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについては、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産については、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
② 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における資産の残高は、41,785百万円となり、前連結会計年度末から523百万円増加いたしました。主な要因としては、株式会社ユニバーサルビューの子会社化及び吸収合併に伴いのれん及び無形資産が増加したことが挙げられます。
負債につきましては、29,253百万円となり、前連結会計年度末から353百万円減少しております。主な要因としては短期借入金及び長期借入金の返済による減少が挙げられます。
純資産につきましては、12,532百万円となり、前連結会計年度末から877百万円増加しております。主な要因としては、当期の利益積み上げにより利益剰余金が増加したことが挙げられます。
③ キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析に関しては、第2[事業の状況]3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)[経営成績等の状況の概要]の②を参照ください。
指標
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2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
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自己資本比率(%) |
25.5 |
27.9 |
29.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
53.5 |
47.9 |
31.2 |
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インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
24.1 |
21.8 |
19.0 |
※時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数により算出
※インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
④ 資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための費用や商品仕入代金等の運転資金、中長期的に安定した成長を遂げるためのコンタクトレンズ事業における製造設備投資及び研究開発への継続的な投資であります。設備投資につきましては、「第3 設備の状況」、研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。また、海外市場への進出も積極的に行っており、買収・出資等の資金確保も重点課題であります。
必要資金につきましては、主に手元資金及び金融機関からの借入金にて賄っており、当連結会計年度末の当社グループの短期及び長期借入金の残高は18,239百万円であります。当社グループは、営業活動によるキャッシュ・フローを中心に財務の健全性に取り組みながら、外部からの借入金も活用し資金需要を賄ってまいります。
⑤ 経営成績の分析
売上高・売上総利益
当連結会計年度における売上高は28,835百万円となり、前連結会計年度に比べ217百万円増加いたしました。これは、純国産の「ワンデーピュアシリーズ」を中心とし、特に市場の伸長が最も見込まれる遠近両用コンタクトレンズ及びオルソケラトロジーレンズ等の高付加価値商品の拡販に注力した結果、主に国内のコンタクトレンズ販売が前年対比で回復したためであります。
売上総利益は12,010百万円(売上総利益率41.7%)となり、前連結会計年度に比べ400百万円減少(売上総利益率1.7ポイントダウン)いたしました。これは、主に円安の進行及びエネルギー価格の高騰による製造原価の増加によるものです。
販売費及び一般管理費
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は10,833百万円となり、前連結会計年度に比べ381百万円減少いたしました。これは、広告宣伝費(前期対比493百万円減)等が減少したためであります。
当社は、2021年9月13日開催の取締役会において、連結子会社である株式会社シードアイサービスの一部店舗をHOYA株式会社に対して譲渡することを決議し、2021年10月14日付で譲渡に関する事業譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
当社グループは、皆様の「見える」をサポートするため、コンタクトレンズを核とし、ケア用品・医薬品・医療機器等、技術に裏打ちされた高品質で安全な「眼」に関する製品開発を進めております。
現在の研究開発は、おもに埼玉県の鴻巣研究所、イギリスのContact Lens Precision Laboratories Ltd.(以下CLPL社)、ドイツのWoehlk Contactlinsen GmbH(以下Woehlk社)及び、スイスのSensimed SA(以下Sensimed社)で進められており、研究開発スタッフは、鴻巣研究所及び本社に76名、CLPL社に4名、Woehlk社に4名、Sensimed社に5名が在籍しております。それぞれの事業所が持つ得意とする技術を最大限に生かすため、グループ内での連携を推進しております。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
コンタクトレンズ・ケア用品
①高酸素透過性等の付加価値の高い新素材の開発を進めております。また、新しい素材の基礎研究を国内外の大学、公的研究機関と共同で実施しております。
②乱視、遠近両用等の特殊コンタクトレンズにおける革新的な光学設計に関する研究を進めております。
③持続的に薬剤を放出するソフトコンタクトレンズにつきましては、治療対象となる疾患、薬剤の選定を終了し、治験を開始いたしました。また、難治性疾患を対象とした次世代の医薬品・医療機器の複合型デバイスについても、大学、製薬メーカーと共同で研究開発を進めております。
④生体情報のモニタリングを可能とする新たなスマートコンタクトレンズの研究開発を加速しております。
⑤検査用、治療用、その他特殊用途コンタクトレンズの需要の高まりに対応するため、少量多品種での生産が可能な自動化ラインの検討を進めております。
⑥世界的な近視進行抑制医療への関心の高まりを受け、関連する製品の実用化を目指し、研究開発を加速しております。
⑦ケア用品は、コンタクトレンズの普及が加速度的に進んでいる東南アジアを中心とした市場への展開を目指した検討を進めております。