第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)経営成績の状況

    当中間連結会計期間におけるわが国経済は、トランプ関税の影響によって不確実性が顕在化すると共に、エネル

   ギー・食料品の物価高止まりや企業の人手不足等が景気の足枷となっている状態が続いております。今後は新政権

   による景気刺激策や実質賃金上昇による個人消費の回復が期待されているものの、引続き景気動向を注視する必要

   があります。

    また、世界経済につきましては、米国の追加関税に備えた生産や貿易の前倒しに加えて、人工知能(AI)関連の

   活発な投資等に支えられて堅調な伸びを示しているものの、地政学的リスク拡大や不確実性の長期化、保護主義の

   拡大は成長を阻害しかねない状況です。

    国内のコンタクトレンズ市場におきましては、一人当たりの購入価格の上昇により、市場は拡大を続けておりま

   す。タイプ別では、衛生面や取扱いやすさ等のメリットから1日使い捨てタイプのシェアが伸長しております。

   また、コンタクトレンズ装用者のシニア世代移行を見据えて、各社が遠近両用コンタクトレンズの新商品を投入

   した結果、市場も急速に拡大しております。就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロ

   ジーレンズにつきましても、さらなる成長性が見込まれております。

    海外のコンタクトレンズ市場におきましても、デジタルデバイス普及等のライフスタイルの変化による近視率上

   昇によって、特に若年層の近視人口が増加していることから、今後も市場の拡大が期待できます。中国は景気後退

   による停滞があるものの、東南アジアやインド地域における潜在ニーズは増しており、中長期的な成長が期待され

   ております。

    このような状況の下、当社グループでは、「まだみぬ、世界は、美しい」をパーパスのキャッチコピーに掲げ、

   多様な「みえる」喜びを創造できる社会の実現を目指し、ニーズに合った満足いただける安全で高品質な製品、サ

   ービス等をお客様へご提供できるよう努めております。

    中期経営計画(2024年4月~2027年3月)におきましては、「連結売上高500億円を達成し、世界のコンタクト

   レンズ市場でプレゼンスを発揮するための生産基盤を確保する」ことを掲げており、特に「省人化生産体制の構築

   による競争力維持」「品質向上による安全安心の追求」「コーポレートブランド再構築による企業価値向上」「環

   境経営の推進」「人的資源強化による事業基盤の整備」を企業目標達成に向けた重点課題として取り組んでおりま

   す。

    生産につきましては、競合他社の欠品に端を発する納期遅延が生じた経験から、新商品を含めた量産体制の整備

   を早急に進めております。約2年にわたり商品供給が遅延していた遠近両用レンズ、乱視用レンズは各々2025年2

   月、5月に遅延を解消し、段階的にお客様への供給能力の向上を実現させております。生産拠点である鴻巣研究所

   では、2026年3月生産開始予定の4号棟第1期計画が完了することで、月間最大生産能力が6,500万枚から7,900万

   枚(対比121%)へと大きく引き上げられる見込みです。さらに、4号棟第2期工事についても準備を進めており、

   当計画が完了することにより、月間最大8,950万枚(年間最大10億7,400万枚)まで生産力が増強できることを想定

   しております。

    物流につきましても、2025年7月より株式会社メニコンと九州エリアにおいて両社商品の共同配送の実証実験を

   開始しております。効率的な物流の仕組みとして、複数社が共同で荷物を配送する「共同配送」が注目されてお

   り、トラックの積載効率向上により、環境への配慮やドライバー不足の解消等が期待されております。

    国内における商品戦略としては、主力商品である国産の「シード1dayPureシリーズ」の中でも、特に乱視用や

   遠近両用コンタクトレンズといった高付加価値レンズの販売に力を入れております。ニーズが高まっているシリコ

   ーンハイドロゲルレンズ素材につきましては、「シード1daySilfa(シルファ)」、「シードAirGrade 1day UV

   W-Moisture(エアグレード ワンデー UV ダブルモイスチャー)」「シードAirGrade 2week UV W-Moisture(エア

   グレード ツーウィーク UV ダブルモイスチャー)」の3商品を展開しております。また、次世代シリコーンハイ

   ドロゲルレンズの新商品上市に向けての準備も進めております。サークル・カラーレンズにつきましては、「シー

   ド Eye coffret 1day UV M」「ベルミー」等の商品バリエーションを揃えており、Pureシリーズ同様に乱視用や

   遠近両用といった高付加価値レンズの拡充も進めております。また、近視進行抑制効果の承認取得を進めているオ

   ルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト」につきましても、引続き取扱施設の拡大による拡販を目指してま

   いります。

    海外市場におきましては、アジアやヨーロッパを中心に50以上の国と地域で販売しており、それぞれの国の市場

   特性に沿った商品展開を行っております。

    さらに新たな取組みとして、電子デバイス内蔵型コンタクトレンズ(スマートコンタクトレンズ)における先進

   的な汎用プラットフォームを2025年2月に公開し、世界中の先進技術企業や研究機関に向けてアイデアや共同開発

   の提案を募っております。このプラットフォームの提供によって、高額な開発投資が必要だった分野への参入障壁

   が下がり、スマートコンタクトレンズ市場の成長を促進するものとなります。通信、エンターテインメント、教育

   等の様々な分野において、新たなビジネスの創出を強く期待しております。

    これらの事業活動の結果、当中間連結会計期間において、国内における販売は、納期遅延の影響が残りつつも、

   前年同期と比べて売上増加となりましたが、一方で海外におきましては、中国の景気低迷による販売量減少、ま

   た、海外向け商品での納期遅延の影響が残っており、売上高17,144百万円(前年同期比1.9%増)となりました。利

   益につきましては、歩留まりの改善による原価低減や2025年7月からの値上げによって、利益率が改善しました。

   販売費及び一般管理費につきましては、人員増加やベースアップを行ったことにより人件費が増加、また、CM投下

   等により広告宣伝費も増加しました。結果として、営業利益1,132百万円(前年同期比29.4%増)、経常利益1,124

   百万円(前年同期比47.1%増)、親会社株主に帰属する中間純利益831百万円(前年同期比51.6%増)となりまし

   た。

 

セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

(コンタクトレンズ・ケア用品)

国内のコンタクトレンズ販売につきましては、国産の「シード1dayPureシリーズ」を柱としながら、特長の異なる2種類のシリコーンハイドロゲルレンズや、市場の伸長が見込まれる遠近両用コンタクトレンズ等の高付加価値商品の拡販にも注力してまいりました。「シード1dayPureシリーズ」につきましては、乱視用と一部遠近両用における納期遅延が2025年5月に正常化したことで売上が回復しつつありますが、単焦点レンズにおきましては、他社商品との販売競争の影響を受けており、前年同期比3.5%増加に留まりました。就寝時に装用し日中裸眼で視力矯正効果が得られるオルソケラトロジーレンズにつきましては、前年同期比13.8%増と伸長が続いております。サークル・カラーコンタクトレンズにつきましては、ウェブ広告配信等の販売促進を展開しましたが、販売チャネルの多様化や競合商品増加の影響もあり、前年同期比1.4%減となりました。

ケア用品につきましては、オルソケラトロジーレンズ販売増加によって専用ケア用品の販売も伸長しており、前年同期比5.5%増となっております。

海外へのコンタクトレンズ輸出につきましては、中国の景気低迷や海外向け商品における納期遅延の影響が残っており、前年同期比3.2%減となりました。

その結果、セグメント全体の売上高は17,100百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益2,125百万円(前年同期比33.8%増)となりました。

(その他)

その他につきましては、眼内レンズやその他売上が減少した結果、売上高は43百万円(前年同期比36.3%減)となりましたが、利益率が改善したため、営業利益は4百万円(前年同期比35.4%増)となりました。

 

(2)資産、負債及び純資産の状況

当中間連結会計期間末における資産の残高は、52,321百万円となり、前連結会計年度末から560百万円増加いたしました。主な要因としては、在庫数量適正化のために製品ならびに商品が増加したことが挙げられます。負債につきましては、33,543百万円となり、前連結会計年度末から167百万円増加しております。主な要因としては、未払法人税等が増加したことが挙げられます。純資産につきましては、18,778百万円となり、前連結会計年度末から393百万円増加しております。主な要因としては、利益剰余金が増加したことが挙げられます。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、5,848百万円となりました。当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果増加した資金は、1,760百万円(前年同期1,750百万円の増加)となりました。税金等調整前中間純利益の計上1,205百万円や減価償却費の計上1,526百万円により資金が増加しております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果減少した資金は、1,016百万円(前年同期3,257百万円の減少)となりました。これは主に、鴻巣研究所の新規設備導入等に関する有形固定資産の取得496百万円が要因となります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果減少した資金は、2,108百万円(前年同期175百万円の減少)となりました。資金減少の主な要因は長期借入金の返済924百万円やリース債務の返済730百万円です。

 

(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

前事業年度の有価証券報告書に記載した「4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(6)研究開発活動

当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,010百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 

3【重要な契約等】

該当事項はありません。