(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、好調な企業収益を背景とした設備投資の回復や実質所得の押し上げ等に伴う個人消費の底堅さなどにより、景気は総じて緩やかな回復基調が続きましたが、一方では中国を中心とした新興国経済の失速、資源価格の大幅下落、地政学的リスクの高まりなどから期後半には減速感も強まりました。
住宅産業におきましては、平成26年度の消費増税に伴う大幅な落ち込みから持ち直しつつあり、平成27年度の全体の新設住宅着工戸数は92万戸と前年度比4.6%、当社グループ事業との関係が特に強い戸建て住宅に限っても同2.2%と増加に転じました。
当社グループの主力製品である窯業系外装材の販売は、戸建て住宅の着工から遅行するため、平成27年度も前半は前年度の着工数減の影響を受けるかたちで回復が遅れ、業界全体の国内販売数量は、前年度に比し2.4%(JIS規格の改正に伴い平成21年度よりJIS規格対象外となった12mm厚製品を含む従来基準)の減少となりました。
このような市場環境の下、当社グループは、耐候性・メンテナンスコストなどの面で優れた新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」などの顧客ニーズに沿った高付加価値商品のアピールに努めるとともに、各種販売施策を講じて積極的な拡販を図りました。また、公共施設・商業施設などの非住宅市場や将来的に成長が期待できる有望な海外マーケットの開拓のほか、生産性・効率性・採算性の向上を目指し合理化とコスト削減に注力いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
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(金額単位:百万円) |
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前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
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金額 |
率(%) |
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売上高 |
106,730 |
111,324 |
4,593 |
4.3 |
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営業利益 |
6,746 |
8,349 |
1,603 |
23.8 |
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経常利益 |
7,421 |
8,212 |
790 |
10.6 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
4,878 |
5,373 |
495 |
10.1 |
売上高につきましては、国内事業において、主力の窯業系外装材が高付加価値商品の拡販などにより業界内シェアを順調に上昇させたことから、業界全体での回復が遅れる中で増収に転じたほか、米国窯業系外装材事業は引き続き好調に推移し売上高を伸ばした結果、全体の売上高は1,113億24百万円と前連結会計年度比45億93百万円(4.3%)の増収となりました。
損益につきましては、国内外装材事業が増収と合理化効果やエネルギー単価下落などによるコストダウンから増益となったほか、米国窯業系外装材事業も増益となり、営業利益は83億49百万円と前連結会計年度比16億3百万円(23.8%)の増益、経常利益は前連結会計年度に計上した為替差益が為替差損に転じたことなどから82億12百万円と同7億90百万円(10.6%)の増益となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別損益で2億11百万円の損失となったこともあり、53億73百万円と同4億95百万円(10.1%)の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
外装材事業
売上面では、前記のとおり、国内外装材事業・米国窯業系外装材事業のいずれも増収となったことから、売上高は1,020億81百万円と前連結会計年度比47億13百万円(4.8%)の増収となりました。
また、損益面では、前記のとおり、国内外装材事業・米国窯業系外装材事業の増収に伴う増益やコストダウンなどにより、セグメント利益(営業利益)は100億68百万円と同15億6百万円(17.6%)の増益となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動の結果得られた資金が108億27百万円、投資活動の結果使用した資金が41億14百万円、財務活動の結果使用した資金が55億33百万円となり、前連結会計年度末に比し11億92百万円増加し、当連結会計年度末には172億18百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動の結果得られた資金は108億27百万円となりました。これは、主に、償却前利益(税金等調整前当期純利益+減価償却費)で129億6百万円を計上したほか、たな卸資産が8億47百万円減少、仕入債務が5億円増加するなど資金の増加要因があった一方で、売上債権が17億71百万円増加、法人税等の支払額が21億36百万円となるなど資金の減少要因もあったことによるものであります。この結果、前連結会計年度との比較においては、償却前利益で8億88百万円、仕入債務の増減額で20億95百万円、それぞれ増加したことなどにより、前連結会計年度に比し22億56百万円の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は41億14百万円と前連結会計年度比1億12百万円の増加となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出が37億19百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は55億33百万円と前連結会計年度比8億1百万円の増加となりました。これは、主に、長期・短期合わせた借入金を42億87百万円減少させたほか、配当金の支払額が10億89百万円あったことなどによるものであります。
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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外装材事業(百万円) |
86,806 |
103.1 |
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報告セグメント計(百万円) |
86,806 |
103.1 |
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その他(百万円) |
9,234 |
98.1 |
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合計(百万円) |
96,040 |
102.6 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 製品商品仕入実績
当連結会計年度における製品商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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外装材事業(百万円) |
10,087 |
111.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
10,087 |
111.7 |
|
その他(百万円) |
920 |
110.8 |
|
合計(百万円) |
11,008 |
111.6 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
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その他 |
987 |
129.2 |
312 |
299.4 |
(注)1.その他における注文住宅、住宅リフォームに係るものであります。なお、上記以外については、主として見込み生産によっており、受注生産はほとんど行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4) 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
前年同期比(%) |
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外装材事業(百万円) |
101,021 |
104.9 |
|
報告セグメント計(百万円) |
101,021 |
104.9 |
|
その他(百万円) |
10,302 |
98.7 |
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合計(百万円) |
111,324 |
104.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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三井住商建材(株) |
28,112 |
26.3 |
28,973 |
26.0 |
|
住友林業(株) |
24,578 |
23.0 |
25,755 |
23.1 |
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伊藤忠建材(株) |
10,890 |
10.2 |
11,708 |
10.5 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループは、国内外の政治・経済情勢や市場の変化を注視し、中長期的な少子高齢化・人口減少による戸建住宅市場の縮小という問題を克服すべく、「新中期経営計画(平成27年4月~平成30年3月)」に基づき、各種課題に積極的に取り組み、安定的に利益を創出できる企業体質への変革を進めてまいります。
具体的には、国内の住宅市場においては、引き続き、耐候性・メンテナンスコストなどの面で優れた新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」のように、顧客ニーズを反映した付加価値の高い製品を積極的に開発して拡販することにより、市場における優位性を一段と高めていく所存です。
また、非住宅市場(公共施設・商業施設・内装等)においては、鏡面フルグロス仕上げの洗練された新外壁材「ミライア」や、各種カラーの組合せによるオリジナルの外観デザインが可能な新外壁材「メモリア」をCOOL(クール)シリーズとして市場に投入し、さらなる販売戦略の強化を図り、販売拡大に繋げてまいります。
次に、海外市場では、米国を含め潜在的に需要が見込まれる有望市場において、従来以上にマーケティングを強化するとともに、当社グループ商品の認知度向上に努め、新たな販路の開拓に取り組んでまいります。
最後に、当社グループは、生産性・効率性・採算性の向上を重要事項に位置づけ、生産・調達・開発・物流・営業の各部門の連携体制をより一層強化して既存の各種システムの抜本的な見直しを行うことにより、グループ全体で合理化とコスト削減を徹底的に進めていく所存です。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 住宅着工の動向が業績に影響を及ぼすことについて
主力製品である窯業系外装材を始め、当社グループの製品はそのほとんどが国内住宅産業向けであるため、当社グループの業績は住宅着工戸数の動向に影響を受けます。新設住宅着工戸数については、わが国の少子高齢化や人口減少などの構造的要因により、中長期的には減少が避けられぬ状況にあります。当社グループとしては、従前より海外市場への進出やリフォーム業界、店舗・公共施設などの非住宅市場開拓にも注力しリスク分散を図っておりますが、国内新築住宅の市場規模の占める割合は大きく、その動向に影響を受けることになります。
特に窯業系外装材は、構造体が木造及び鉄骨造の建築物に使用が限定され、鉄筋コンクリート造には使用できないため、戸建及び低層アパートの新設着工戸数と相関関係が認められます。従って、同着工戸数が窯業系外装材業界全体の出荷量の先行指標でもあり、当社グループの業績もその動向に大きく影響を受けることになります。
(2) 景気動向と競合等について
住宅関連業界では厳しい企業間競争が続く中、窯業系外装材業界は過去に提携・再編・統合などの動きが急ピッチで進みました。最近はこれら業界再編の動きは一段落しておりますが、販売価格については今後も一部で企業間での価格競争が発生する可能性もあり、価格競争にさらされるリスクがあります。そして、かかる競合状態は、当社グループの利益に対し圧力となり、この圧力は市場が低迷したときに顕著となります。
当社グループといたしましては、業界トップ企業として今後も商品力を背景に価格をリードする意向であり、たとえ価格低下が進んだとしても、それをシェア拡大による販売数量増や高付加価値品を中心とする高級品化への移行で補うとともに、一層のコストダウン・合理化に努め対応していく方針ですが、価格低下に伴う粗利益率の低下が生じれば、今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料・エネルギー価格等の変動について
当社グループの製品製造における原材料・エネルギーは、その多くは塗料を始めとする原油からの生成品・セメント・パルプなどから構成されております。近年、これら諸資材の価格が短期間に大きく変動する傾向にあり、この傾向は今後も続くことが考えられ、従前のように比較的安価な材料等を安定的に調達できなくなるリスクがあります。
当社グループでは対策として、調達先の多様化や一括調達の検討、あるいは材料配合の見直しなど様々な合理化策を講じる一方で、次期の業績予想においても、一定の前提の下、資材価格の変動の影響を織り込むなどしておりますが、諸資材の価格が予想を上回ったり、販売価格への転嫁が困難な場合や転嫁時期が遅れた場合には当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4) 製品の欠陥及び製造物責任について
当社グループは、従来より製造業の原点として製品の品質管理を徹底しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じれば、多額の費用を要するのはもちろん、当社グループの製品に対する信頼性を損ない、それにより売上額が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5) 海外市場での新規事業について
当社グループは、海外事業を「次の成長エンジンの一つ」に位置付けております。元来、大きな戸建住宅需要を有する米国については、主として現地工場にて生産した窯業系外装材を住宅市場向けに販売する事業を展開しております。米国住宅市場は着実に回復しつつあり、今後は現地工場における安定生産体制を確立し、さらなる増産や高付加価値品の生産に取り組み、米国事業の拡大を図ります。
また、市場としての可能性を有する中国市場については、浙江省にある生産子会社2社が窯業系外装材を製造・加工しており、現在は主に日本市場向けの製品の生産を補完する拠点として活動しております。
海外進出に際しては、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当以前から多額の投資を行う必要が生じます。このような立ち上がり期の投資額の増大によって、利益を上回る費用が必要となることがあります。さらに、海外における事業展開には、市場開放の問題、予期しない法律又は諸規制の変更、不利な税制や政治的・経済的要因など様々なリスクが内在すると考えられ、それら要因が障壁となり、当社グループの事業成長が妨げられる可能性があります。
海外における事業活動の結果は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動の影響について
当社グループの業績及び財政状態は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替の変動は、①当社及び在外子会社の外貨建取引における資産・負債、収益・費用及びキャッシュ・フローに影響する場合、②連結財務諸表における在外連結子会社の資産・負債、収益・費用の円貨への換算額に影響する場合の二つの側面において影響を及ぼします。
当社グループは、為替予約などの方法により為替相場の変動リスクを限定的にとどめるための手段を講じておりますが、ヘッジ会計を適用していない在外子会社への外貨建貸付金の時価評価に伴う円貨への換算を始めとして、これらの為替変動は当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼすことがあります。
(7) 東南海地震を始めとする震災等の影響について
平成23年3月11日に発生した東日本大震災後、国内では大地震に対するリスク認識が強まっており、かかる状況下、報道等によれば、東南海地震等の大地震が近い将来に発生する可能性が高いことが改めて指摘されております。当社グループでは、東南海地震が発生した際に「震度6弱」の揺れが予測される地域内に、当社名古屋工場、ニチハマテックス株式会社衣浦工場・大江工場等が存在します。
当社グループは、将来予想される大地震の発生に備え、人的被害対応の訓練を実施するほか、建物の補強工事を行うなどの対策を講じております。また、万一被災した場合にあっても、一日も早く通常の生産体制に復旧することが出来るよう原材料等の受給体制を見直すなどの対策を計画しておりますが、それらの対応には限界もあります。ひとたび大地震が発生すれば、当社グループの生産設備等に重大な影響を及ぼすことが想定され、一時的に生産活動が停止する可能性があるとともに、一方では、国内における経済活動の停滞に伴う消費動向の悪化により、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループは、「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、循環型社会の実現に貢献する創造開発型企業として、新しい建築材料の可能性を探る基礎研究から高品質・低コストを両立するための生産技術、さらには施工技術の開発に至るまで、時代を先取りする新商品の開発を目指して研究開発活動を行っております。
当社グループにおける研究開発活動は、主として当社並びに子会社(株)チューオー及び子会社(株)FPコーポレーションが行っております。
当連結会計年度には、当社は新中期経営計画の目標である「世界で通用する建物の壁材専業メーカー」を目指し、商品構成の充実を図るとともに、従来にない新タイプの外装材を追求する開発にも積極的に取り組みました。(株)チューオーにおいては金属を素材とする壁と屋根の外装材の総合メーカーを目指して、また、(株)FPコーポレーションにおいては生産技術面を主体として、それぞれ活発な研究開発活動を展開しております。
なお、当連結会計年度末現在の研究開発人員は139名、当連結会計年度の研究開発費は18億42百万円であります。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 外装材事業
窯業系外装材については、建物の長寿命化・機能性向上・工期省力化の各分野をさらに向上させる商品開発に加え、既成概念にとらわれない独自の意匠性の開発に積極的に取り組みました。
平成28年7月発売予定の新外壁材「COOL(クール)」シリーズは、業界初となる鏡面フルグロス仕上げの「ミライア」と、豊富なカラーバリエーションにより記憶に残る印象的な壁面を創造する「メモリア」の2種類の製品を準備し、既成概念にとらわれない独自の意匠性を実現するとともに、どちらもフルオーダーの特注色対応をすることで、大手建設会社やデザイン事務所はもとより全国各地の設計事務所への販路開拓に寄与いたします。
平成26年に発売した新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」は、ロングメンテナンス化とメンテナンスコストを大幅に削減できる経済性の高さが、オフセットサイディングによる環境貢献度の見える化と融合したことが評価され、ジャパン・レジリエンス・アワードにて最優秀レジリエンス賞を受賞いたしました。
また、機能性向上の分野では、平成24年に製品化した遮熱外装材ソルガードの進化版「ソルガードプラス」を発売いたしました。遮熱機能効果のある表層の下に、赤外線の反射性能の向上効果を持った別の反射層を加え、2つの反射層を持つダブル反射機構で、遮熱効果をさらに向上させた商品であります。さらには省力化をコンセプトとした純正付属部材を発売し、最大で約5時間程度の工期時間短縮を実現いたしました。
平成27年度も幅広い市場ニーズの高級化・多様化に合わせた商品を多数発売いたしました。国内の住宅市場においても当社グループ独自の意匠性を生かし、14mm厚商品にて当社独自技術であるワイピング塗装を用いた木目調・砂岩調の2柄を発売いたしました。
一方、金属系外装材については、市場のニーズに対応すべくラインナップ拡大を図りました。金属サイディングにおいては、平成27年3月に新商品5柄を発売し、10月には「プレミアムシリーズ」においてより深い陰影が特徴である「ネオレリーフ」を発売するとともに、同シリーズの「センタースパンNプレミアム」に4色の新色を追加いたしました。また金属屋根材では、「横暖ルーフα」に塗膜及び変褪色に対する20年保証を付加した最上位モデルである「プレミアムシリーズ」を追加いたしました。
以上の外装材事業に係る研究開発費は18億17百万円であります。
(2) その他
当社グループは、その他の事業においても研究開発に積極的に取り組んでおります。FP事業においては、FPウレタン断熱パネルについて、筋交いなし断熱材では業界初となる壁倍率認定取得2.1倍の壁倍率大臣認定を取得し、断熱性能に加え、耐久性・省エネ・耐震性・省施工にも優れた住宅建材として幅広く提案可能な商品となりました。
以上のその他に係る研究開発費は25百万円であります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたりましては、たな卸資産、繰延税金資産、製品保証引当金、退職給付引当金につき、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出し計上しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに、特に影響を及ぼす重要な会計方針は、次のとおりであります。
①たな卸資産
当社及び連結子会社は総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)又は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しており、在庫の経過期間、市場価値に基づく時価の見積額と原価との差額について評価減を計上しております。将来における実際の需要、市場価値が当社グループの見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。
②繰延税金資産
繰延税金資産については、確実な将来回収可能性に基づき計上しております。回収可能性を判断するに際し、将来の課税所得を慎重に見積もり、実現可能性の高い継続的な税務計画を作成検討し、回収可能性が低いと考えられるものについては評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部について、将来実現不可能と判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として税金費用を計上します。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現可能と判断した場合には、繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として当該判断を行った期間において税金費用を減額させることとなります。
③製品保証引当金
当社及び一部の連結子会社は、製品保証引当金として製品に関する保証費発生見積額を計上しております。当該会社の保証費発生見積額は、過去の発生実績率に基づいて計算した額に発生した製品保証費用の実情を考慮して計上しておりますが、実際の発生実績率又は製品保証費用が見積りと異なる場合、保証費発生見積額の修正が必要となる可能性があります。
④退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、当該事業年度においてその影響は退職給付に係る負債の一部として累積され、償却を通じて将来に亘って規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される退職給付費用に影響を及ぼします。割引率の低下及び年金資産運用での損失は、当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼすことになり、その場合には退職給付費用の見積額の追加が必要となる可能性があります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績につきましては、「1 業績等の概要 (1) 業績」の項に記載のとおりであります。
(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について
「4 事業等のリスク」の項で前述した各リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の業績等の内的要因や地価の下落等の外的要因を含め、当社グループが所有する固定資産につき、将来キャッシュ・フローが十分に見込めない資産又は資産グループが存在すると判定された場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことがあります。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」の項に記載のとおりであります。
(5) 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。