(1) 経営方針
当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」を経営の基本理念として、株主・取引先・社員など当社グループを支えていただいている全ての関係者の信頼と期待に応え、共に栄えることを日々の経営活動の指針としております。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。販売拡大並びにコストの削減及び品質強化などに伴う利益の最大化を図ることにより、中期経営計画(平成27年4月~平成30年3月)においてROE10%以上を中期的な目標としております。
当連結会計年度においては、ROE14.6%の実績となり、目標を達成しました。今後も引き続き、持続的な企業成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。また、健全な財務体質を維持するため、適正な自己資本の充実を図る方針であります。
なお、「新中期経営計画」(平成30年4月~平成33年3月)においては、ROE12%以上を中期的な目標としております。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、国内外の政治・経済情勢や市場の変化を注視し、中長期的な人口減少に伴う戸建住宅市場の縮小という問題を克服すべく、「新中期経営計画」に基づき、重点課題である「シェアアップ」「コストダウン」「ニューマーケットの開拓」に一層注力し、安定的に利益を創出できる企業体質への変革を進めてまいります。
具体的には、まず「シェアアップ」につきましては、窯業系サイディングで業界初となる塗膜30年保証に対応した新シリーズを本年2月に発売し、メンテナンスコスト面で優位性を訴求できる商品ラインナップを拡充するとともに、テレビCMの放映で認知度の高まった新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」や、その他の高付加価値商品の拡販により、さらなるシェア拡大に繋げてまいります。
次に「コストダウン」につきましては、業務効率化に向けたシステム投資などの合理化投資を推進するとともに、ITを活用した生産効率・業務フローの改善や各種合理化施策に取り組み、さらなる経費の圧縮に努めていく所存です。
そして「ニューマーケットの開拓」につきましては、米国・中国などにおける海外事業の業績が堅調に推移しており、引き続き生産面での改善や商品の拡販などを推進するとともに、米国以外の成長が見込まれる有望市場における新規開拓にも注力してまいります。また、国内では、新内外壁材「COOL(クール)」シリーズの「ミライア」「メモリア」に加え、昨年10月に新商品「イルミオ」を市場に投入しました。この「COOL(クール)」シリーズは、店舗などの商業施設に最適な仕様となっており、積極的な提案営業を通して、さらなる非住宅市場の開拓に傾注してまいります。
今後も、国内外において、これまでに無い斬新な新商品の投入により、ニューマーケットの開拓を進めていく所存です。
当社グループといたしましては、これらの施策を引き続き強力に推進し、持続的な成長を可能とする態勢をより一層強化してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 住宅着工の動向が業績に影響を及ぼすことについて
主力製品である窯業系外装材を始め、当社グループの製品はその多くが国内住宅産業向けであるため、当社グループの業績は住宅着工戸数の動向に影響を受けます。新設住宅着工戸数については、わが国の少子高齢化や人口減少などの構造的要因により、中長期的には減少が避けられない状況にあります。当社グループとしては、従前より海外市場への進出やリフォーム業界、店舗・公共施設などの非住宅市場開拓にも注力しリスク分散を図っておりますが、国内新築住宅向け市場規模の占める割合は大きく、その動向に影響を受けることになります。
特に窯業系外装材は、主に木造及び鉄骨造の建築物に使用されるため、戸建及び低層アパートの新設着工戸数と相関関係が認められます。従って、同着工戸数が窯業系外装材業界全体の出荷量の先行指標でもあり、当社グループの業績もその動向に大きく影響を受けることになります。
(2) 景気動向と競合等について
住宅関連業界では厳しい企業間競争が続く中、窯業系外装材業界は過去に提携・再編・統合などの動きがありました。最近はこれら業界再編の動きは一段落しておりますが、販売価格については今後も一部で企業間での価格競争が発生する可能性もあり、価格競争にさらされるリスクがあります。
当社グループといたしましては、業界トップ企業として今後も商品力を背景に価格をリードする意向であり、高付加価値品を中心とする高級品化への移行を推進するとともに、一層のコストダウン・合理化に努め対応していく方針ですが、価格低下が進めば今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料・エネルギー価格等の変動について
当社グループの製品製造における原材料・エネルギーは、その多くは塗料を始めとする原油からの生成品・セメント・パルプなどから構成されております。近年、これら諸資材の価格が短期間に大きく変動する傾向にあり、この傾向は今後も続くことが考えられ、従前のように比較的安価な材料等を安定的に調達できなくなるリスクがあります。
当社グループでは対策として、調達先の多様化や一括調達の検討、あるいは材料配合の見直しなど様々な合理化策を講じる一方で、次期の業績予想においても、一定の前提の下、資材価格の変動の影響を織り込むなどしておりますが、諸資材の価格が予想を上回ったり、販売価格への転嫁が困難な場合や転嫁時期が遅れた場合には当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4) 製品の欠陥及び製造物責任について
当社グループは、従来より製造業の原点として製品の品質管理を徹底しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じれば、多額の費用を要するのはもちろん、当社グループの製品に対する信頼性を損ない、それにより売上額が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5) 海外市場での新規事業について
当社グループは、海外事業を「次の成長エンジンの一つ」に位置付けております。元来、大きな戸建住宅需要を有する米国については、主として現地工場にて生産した窯業系外装材を住宅市場向けに販売する事業を展開しております。米国住宅市場は好調に推移しており、今後は現地工場における安定生産体制を確立し、さらなる増産や高付加価値品の生産に取り組み、米国事業の拡大を図ります。
また、市場としての可能性を有する中国市場については、浙江省にある生産子会社2社が窯業系外装材を製造・加工しており、その大半を当社及び米国子会社に供給しているほか、一部は中国国内でも販売しております。
海外進出に際しては、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当以前から多額の投資を行う必要が生じます。このような立ち上がり期の投資額の増大によって、利益を上回る費用が必要となることがあります。さらに、海外における事業展開には、市場開放の問題、予期しない法律又は諸規制の変更、不利な税制や政治的・経済的要因など様々なリスクが内在すると考えられ、それら要因が障壁となり、当社グループの事業成長が妨げられる可能性があります。
海外における事業活動の結果は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動の影響について
当社グループの業績及び財政状態は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替の変動は、①当社及び在外子会社間の外貨建取引における資産・負債、収益・費用及びキャッシュ・フローに影響する場合、②連結財務諸表における在外連結子会社の資産・負債、収益・費用の円貨への換算額に影響する場合の二つの側面において影響を及ぼします。
当社グループは、為替予約などの方法により為替相場の変動リスクを限定的にとどめるための手段を講じておりますが、ヘッジ会計を適用していない在外子会社への外貨建貸付金の時価評価に伴う円貨への換算を始めとして、これらの為替変動は当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼすことがあります。
(7) 東南海地震を始めとする震災等の影響について
平成23年3月11日に発生した東日本大震災後、国内では大地震に対するリスク認識が強まっており、かかる状況下、報道等によれば、東南海地震等の大地震が近い将来に発生する可能性が高いことが改めて指摘されております。当社グループでは、東南海地震が発生した際に「震度6弱」の揺れが予測される地域内に、当社名古屋工場、ニチハマテックス株式会社衣浦工場・大江工場等が存在します。
当社グループは、将来予想される大地震の発生に備え、人的被害対応の訓練を実施するほか、建物の補強工事を行うなどの対策を講じております。また、万一被災した場合にあっても、一日も早く通常の生産体制に復旧することが出来るよう原材料等の受給体制を見直すなどの対策を計画しておりますが、それらの対応には限界もあります。ひとたび大地震が発生すれば、当社グループの生産設備等に重大な影響を及ぼすことが想定され、一時的に生産活動が停止する可能性があるとともに、一方では、国内における経済活動の停滞に伴う消費動向の悪化により、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費は夏場以降一進一退の動きとなっているものの、鉱工業生産の増加や高水準にある企業収益を背景とした設備投資の堅調さなどにより、景気は回復基調で推移しました。
しかしながら、住宅産業におきましては、新設住宅着工戸数は貸家を中心に第2四半期から減少基調が続き、平成29年度の全体の新設住宅着工戸数は946千戸と前年度比2.8%、当社グループ事業との関係が特に強い戸建て住宅に限っても同1.7%の減少となり、市場は弱含みに推移しました。
これに伴い、当社グループの主力製品である窯業系外装材の平成29年度における業界全体の国内販売数量は、前年度に比し0.3%(JIS規格の改正に伴い平成21年度よりJIS規格対象外となった12mm厚製品を含む従来基準)の減少となりました。
このような市場環境の下、当社グループは、引き続き耐候性等に優れた新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」などの顧客ニーズに沿った高付加価値商品の拡販を図るとともに、窯業系サイディングとしては業界初となる塗膜30年保証に対応した新商品を投入するなど、メンテナンスコスト面での優位性をアピールしました。また、新外壁材「COOL(クール)」の投入による非住宅市場向けの強化や成長を続けている米国を始めとする海外マーケットのさらなる開拓に努める一方、各種合理化、生産性向上によるコスト削減にも注力いたしました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
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|
(金額単位:百万円) |
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
増減 |
|
|
金額 |
率(%) |
|||
|
売上高 |
118,215 |
116,144 |
△2,071 |
△1.8 |
|
営業利益 |
12,833 |
13,232 |
398 |
3.1 |
|
経常利益 |
13,117 |
13,796 |
679 |
5.2 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
9,594 |
11,151 |
1,557 |
16.2 |
売上高につきましては、主力の国内外装材事業が販売数量の減少により減収、米国窯業系外装材事業も商流再編の過渡期における一時的な減収に加え円高影響もあったことから、全体の売上高は1,161億44百万円と前連結会計年度比20億71百万円(1.8%)の減収となりました。
一方で損益につきましては、国内外装材事業は前期に実施した設備投資に伴う減価償却負担増やエネルギーコストアップなどにより減益となったものの、海外窯業系外装材事業は米国事業での生産性向上、商流再編によるマージン率改善を主因に増益となったことから、営業利益は132億32百万円と前連結会計年度比3億98百万円(3.1%)の増益、経常利益も137億96百万円と同6億79百万円(5.2%)の増益となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、米国子会社で新たに繰延税金資産を計上したこともあり、111億51百万円と同15億57百万円(16.2%)の増益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
外装材事業
売上面では、前記のとおり、国内外装材事業・米国窯業系外装材事業ともに減収となったことから、売上高は1,067億29百万円と前連結会計年度比22億7百万円(2.0%)の減収となりました。
また、損益面では、前記のとおり、国内外装材事業の減益はあったものの、米国窯業系外装材事業の増益などにより、セグメント利益(営業利益)は160億4百万円と同9億41百万円(6.3%)の増益となりました。
当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比し純資産が97億19百万円、総資産が32億54百万円それぞれ増加した結果、自己資本比率は62.4%と6.0ポイントの増加となりました。
増減の主なものは、流動資産では商品及び製品が25億52百万円、現金及び預金が9億32百万円それぞれ増加したことなどにより、流動資産全体で41億60百万円増加しております。また、固定資産では有形固定資産が24億24百万円減少、投資その他の資産が17億10百万円増加するなど、全体では9億6百万円減少しております。
負債では、流動負債が43億59百万円減少、固定負債では長期借入金が20億63百万円減少したことなどにより、負債合計は64億65百万円減少しております。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し9億32百万円増加し、当連結会計年度末には277億86百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は111億3百万円と前連結会計年度比73億8百万円の減少となりました。これは、主に、償却前利益(税金等調整前当期純利益+減価償却費)で190億48百万円を計上した一方で、たな卸資産が31億58百万円増加し、法人税等の支払額が37億91百万円となるなど資金の減少要因もあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は57億円と前連結会計年度比3億2百万円の増加となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出が54億61百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は43億50百万円と前連結会計年度比10億98百万円の増加となりました。これは、主に、長期・短期合わせた借入金を20億36百万円減少させたほか、配当金の支払額が21億62百万円あったことなどによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
外装材事業(百万円) |
91,219 |
104.4 |
|
報告セグメント計(百万円) |
91,219 |
104.4 |
|
その他(百万円) |
8,767 |
99.1 |
|
合計(百万円) |
99,986 |
103.9 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅱ.製品商品仕入実績
当連結会計年度における製品商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
外装材事業(百万円) |
10,253 |
99.3 |
|
報告セグメント計(百万円) |
10,253 |
99.3 |
|
その他(百万円) |
871 |
115.0 |
|
合計(百万円) |
11,125 |
100.4 |
(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅲ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
その他 |
550 |
61.8 |
49 |
15.7 |
(注)1.その他における注文住宅、住宅リフォームに係るものであります。なお、上記以外については、主として見込み生産によっており、受注生産はほとんど行っておりません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ⅳ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
外装材事業(百万円) |
105,852 |
98.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
105,852 |
98.0 |
|
その他(百万円) |
10,291 |
101.2 |
|
合計(百万円) |
116,144 |
98.2 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成28年4月1日 至 平成29年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成29年4月1日 至 平成30年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
SMB建材(株) |
30,451 |
25.8 |
30,777 |
26.5 |
|
住友林業(株) |
27,498 |
23.3 |
26,708 |
23.0 |
|
伊藤忠建材(株) |
12,206 |
10.3 |
12,581 |
10.8 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたりましては、たな卸資産、繰延税金資産、製品保証引当金、退職給付引当金につき、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出し計上しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに、特に影響を及ぼす重要な会計方針は、次のとおりであります。
ⅰ.たな卸資産
当社及び連結子会社は総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)又は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しており、在庫の経過期間、市場価値に基づく時価の見積額と原価との差額について評価減を計上しております。将来における実際の需要、市場価値が当社グループの見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。
ⅱ.繰延税金資産
繰延税金資産については、確実な将来回収可能性に基づき計上しております。回収可能性を判断するに際し、将来の課税所得を慎重に見積もり、実現可能性の高い継続的な税務計画を作成検討し、回収可能性が低いと考えられるものについては評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部について、将来実現不可能と判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として税金費用を計上します。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現可能と判断した場合には、繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として当該判断を行った期間において税金費用を減額させることとなります。
ⅲ.製品保証引当金
当社及び一部の連結子会社は、製品保証引当金として製品に関する保証費発生見積額を計上しております。当該会社の保証費発生見積額は、過去の発生実績率に基づいて計算した額に発生した製品保証費用の実情を考慮して計上しておりますが、実際の発生実績率又は製品保証費用が見積りと異なる場合、保証費発生見積額の修正が必要となる可能性があります。
ⅳ.退職給付に係る負債
従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、当該事業年度においてその影響は退職給付に係る負債の一部として累積され、償却を通じて将来に亘って規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される退職給付費用に影響を及ぼします。割引率の低下及び年金資産運用での損失は、当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼすことになり、その場合には退職給付費用の見積額の追加が必要となる可能性があります。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」の項に記載のとおりであります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」の項で前述した各リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の業績等の内的要因や地価の下落等の外的要因を含め、当社グループが所有する固定資産につき、将来キャッシュ・フローが十分に見込めない資産又は資産グループが存在すると判定された場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことがあります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ.キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。
ⅱ.資金調達と資金需要
当社グループはメイン銀行をはじめ取引金融機関と良好な関係を維持しております。当連結会計年度には設備投資資金の調達及び長期安定資金の確保のため、30億円の長期借入を行いました。一方、長期借入金の約定返済が進んだことなどから、長期・短期合わせた借入金残高は、前連結会計年度末に比し、20億36百万円減少して183億14百万円となりました。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、循環型社会の実現に貢献する創造開発型企業として、新しい建築材料の可能性を探る基礎研究から高品質・低コストを両立するための生産技術、さらには施工技術の開発に至るまで、時代を先取りする新商品の開発を目指して研究開発活動を行っております。
当社グループにおける研究開発活動は、主として当社並びに子会社(株)チューオー及び子会社(株)FPコーポレーションが行っております。
当連結会計年度には、当社は中期経営計画の目標である「世界で通用する建物の壁材専業メーカー」を目指し、商品構成の充実を図るとともに、従来にない新タイプの外装材を追求する開発にも積極的に取り組みました。(株)チューオーにおいては金属を素材とする壁と屋根の外装材の総合メーカーを目指して、また、(株)FPコーポレーションにおいては生産技術面を主体として、それぞれ活発な研究開発活動を展開しております。
なお、当連結会計年度末現在の研究開発人員は113名、当連結会計年度の研究開発費は15億28百万円であります。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 外装材事業
窯業系外装材については、当社独自の技術を活かし、環境負荷低減と住宅性能向上に貢献できる商品開発を基本として、機能や工法においても時代のニーズに応えるべく、様々な商品を開発し発売いたしました。
住宅の長寿命化に貢献するべく、「プラチナコート30」を平成30年2月に発売いたしました。本商品は、無機塗料と有機塗料のバランスの取れた配合を持つ超高耐候塗料を使用し、当社独自の促進耐候性試験をクリヤすることで、業界初の塗膜30年保証を実現しております。四方合いじゃくり商品の「Fu-ge(フュージェ)」シリーズ、60分準耐火構造適合の「グランスペック60」シリーズ、「グッドデザイン賞」を受賞したキャスティングウッド柄に代表される「NOHAS(ノハス)」シリーズなど、幅広いシリーズにラインナップいたしました。
新内外壁材「COOL(クール)」シリーズにおいては、「ミライア」「メモリア」に加えて新たに、梨地仕上げとシックなカラーの組み合わせにより個性を引き出す「イルミオ」を平成29年10月に発売いたしました。
さらに、国産材を原料とした窯業系外壁材を他社に先駆けて製造・販売するなど、温室効果ガスの削減に取り組んだことや、製造及び建築施工過程で発生する端材の独自リサイクルシステムを構築したことが評価され「2018愛知環境賞 銅賞」を受賞いたしました。そのほか部材関連では、平成29年7月よりシーリングの容器について、紙製カートリッジからフィルムパックへの変更を順次実施し、施工現場にて排出される廃棄物の削減を推進しました。
一方、金属系外壁材についても、平成29年4月に上質な素材感とデザインが特徴の「F型しぶきプレミアム」、平成29年6月に石柄の陰影が特徴である「FB型コルモロックプレミアム」を発売いたしました。ともにフッ素塗装高耐食GLめっき鋼板を使用し、塗膜変褪色10年保証を実現いたしました。
以上の外装材事業に係る研究開発費は15億3百万円であります。
(2) その他
当社グループは、その他の事業においても研究開発に積極的に取り組んでおります。FP事業においては、平成28年度にFPウレタン断熱パネルについて、筋交いなし断熱材で壁倍率認定取得2.1倍の壁倍率大臣認定を取得しましたが、更に高倍率仕様となる壁パネルの開発に加え、より一層の普及を目指し、省施工化を目的とした気密機能付きパネル、汎用性のある一般向けパネルやリフォームに特化した専用パネルの開発などを進めております。
以上のその他に係る研究開発費は24百万円であります。