第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」を経営の基本理念として、株主・取引先・社員など当社グループを支えていただいている全ての関係者の信頼と期待に応え、共に栄えることを日々の経営活動の指針としております。

 

(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。販売拡大並びにコストの削減及び品質強化などに伴う利益の最大化を図ることにより、中期経営計画(2018年4月~2021年3月)においてROE12%以上を中期的な目標としております。

当連結会計年度においては、ROE11.8%の実績となりました。今後も引き続き、持続的な企業成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。また、健全な財務体質を維持するため、適正な自己資本の充実を図る方針であります。

 

(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは、国内外の政治・経済情勢や市場の変化を注視し、中長期的な人口減少に伴う戸建住宅市場の縮小という問題を克服すべく、中期経営計画(2018年4月~2021年3月)に基づき、重点課題である「シェアアップ」、「コストダウン」、「ニューマーケットの開拓」に一層注力し、安定的に利益を創出できる企業体質への変革を進めてまいります。

具体的には、まず「シェアアップ」につきましては、生産効率改善にかかる各種施策の徹底により生産・供給体制の強化を図るとともに、窯業系サイディングで業界初となる塗膜30年保証の新シリーズをはじめ、高付加価値商品の拡販により、さらなるシェア拡大に繋げてまいります。

次に「コストダウン」につきましては、業務効率化に向けたシステム投資などの合理化投資を推進するとともに、ITを活用した生産や品質に関わる業務効率化に積極的に取り組み、さらなる経費の圧縮に努めていく所存です。

そして「ニューマーケットの開拓」につきましては、米国における市場開拓を一段と強化するため新工場の建設を進めており、供給能力の増強と現地ニーズに即した製品のタイムリーな開発により、業績拡大に繋げてまいります。また、昨年5月、オーストラリアにおいて耐火に関する性能試験に合格しましたが、この耐火性能の優位性をアピールし、米国以外の成長が見込まれる有望市場における新規開拓にも注力してまいります。一方、国内においては、中高層建築物対応の新工法採用に向けた提案営業を一層強化するなど、非住宅市場の開拓に傾注してまいります。

当社グループといたしましては、これらの施策を引き続き強力に推進し、持続的な成長を可能とする態勢をより一層強化してまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 住宅着工の動向が業績に影響を及ぼすことについて

主力製品である窯業系外装材を始め、当社グループの製品はその多くが国内住宅産業向けであるため、当社グループの業績は住宅着工戸数の動向に影響を受けます。新設住宅着工戸数については、わが国の少子高齢化や人口減少などの構造的要因により、中長期的には減少が避けられない状況にあります。当社グループとしては、従前より海外市場への進出や店舗・公共施設などの非住宅市場開拓にも注力しており、最近では中高層の商業施設市場へ参入するなどリスク分散を図っておりますが、国内新築住宅向け市場規模の占める割合は大きく、その動向に影響を受けることになります。

特に窯業系外装材は、主に木造及び鉄骨造の建築物に使用されるため、戸建及び低層アパートの新設着工戸数と相関関係が認められます。従って、同着工戸数が窯業系外装材業界全体の出荷量の先行指標でもあり、当社グループの業績もその動向に大きく影響を受けることになります。

 

(2) 景気動向と競合等について

住宅関連業界では厳しい企業間競争が続く中、窯業系外装材業界は過去に提携・再編・統合などの動きがありました。最近はこれら業界再編の動きは一段落しておりますが、販売価格については今後も一部で企業間での価格競争が発生する可能性もあり、価格競争にさらされるリスクがあります。

当社グループといたしましては、業界トップ企業として今後も商品力を背景に価格をリードする意向であり、高付加価値品を中心とする高級品化への移行を推進するとともに、一層のコストダウン・合理化に努め対応していく方針ですが、価格低下が進めば今後の業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 原材料・エネルギー価格等の変動について

当社グループの製品製造における原材料・エネルギーは、その多くは塗料を始めとする原油からの生成品・セメント・パルプなどから構成されております。近年、これら諸資材の価格が短期間に大きく変動する傾向にあり、この傾向は今後も続くことが考えられ、従前のように比較的安価な材料等を安定的に調達できなくなるリスクがあります。

当社グループでは対策として、調達先の多様化や一括調達の検討、あるいは材料配合の見直しなど様々な合理化策を講じる一方で、次期の業績予想においても、一定の前提の下、資材価格の変動の影響を織り込むなどしておりますが、諸資材の価格が予想を上回ったり、販売価格への転嫁が困難な場合や転嫁時期が遅れた場合には当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(4) 製品の欠陥及び製造物責任について

当社グループは、従来より製造業の原点として製品の品質管理を徹底しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。

大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じれば、多額の費用を要するのはもちろん、当社グループの製品に対する信頼性を損ない、それにより売上額が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 海外市場での新規事業について

当社グループは、海外事業を「次の成長エンジンの一つ」に位置付けております。元来、大きな戸建住宅需要を有する米国については、主として現地工場にて生産した窯業系外装材を住宅市場向けに販売する事業を展開しております。米国住宅市場は堅調に推移しており、今後は現地工場における安定生産体制を確立し、さらなる増産や高付加価値品の生産に取り組み、米国事業の拡大を図ります。この一環として、2018年7月には高付加価値品を生産する新工場建設を決定しました。本工場は総額約150億円を投じて、日本で生産しているものと同等の高付加価値品を生産できる工場です。この工場建設によって、供給余力を確保するとともに、現地顧客ニーズに寄り添った製品の開発とタイムリ-な上市が可能となります。

また、市場としての可能性を有する中国市場については、浙江省にある生産子会社2社が窯業系外装材を製造・加工しており、その大半を当社及び米国子会社に供給しているほか、一部は中国国内でも販売しております。

海外進出に際しては、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より相当以前から多額の投資を行う必要が生じます。このような立ち上がり期の投資額の増大によって、利益を上回る費用が必要となることがあります。さらに、海外における事業展開には、市場開放の問題、予期しない法律又は諸規制の変更、不利な税制や政治的・経済的要因など様々なリスクが内在すると考えられ、それら要因が障壁となり、当社グループの事業成長が妨げられる可能性があります。

海外における事業活動の結果は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 為替変動の影響について

当社グループの業績及び財政状態は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替の変動は、①当社及び在外子会社間の外貨建取引における資産・負債、収益・費用及びキャッシュ・フローに影響する場合、②連結財務諸表における在外連結子会社の資産・負債、収益・費用の円貨への換算額に影響する場合の二つの側面において影響を及ぼします。

当社グループは、為替予約などの方法により為替相場の変動リスクを限定的にとどめるための手段を講じておりますが、ヘッジ会計を適用していない在外子会社への外貨建貸付金の時価評価に伴う円貨への換算を始めとして、これらの為替変動は当社グループの業績及び財政状態に重要な影響を及ぼすことがあります。

 

(7) 東南海地震を始めとする震災等の影響について

2011年3月11日に発生した東日本大震災後、国内では大地震に対するリスク認識が強まっており、かかる状況下、報道等によれば、東南海地震等の大地震が近い将来に発生する可能性が高いことが改めて指摘されております。当社グループでは、東南海地震が発生した際に「震度6弱」の揺れが予測される地域内に、当社名古屋工場、ニチハマテックス株式会社衣浦工場・大江工場等が存在します。

当社グループは、将来予想される大地震の発生に備え、人的被害対応の訓練を実施するほか、建物の補強工事を行うなどの対策を講じております。また、万一被災した場合にあっても、一日も早く通常の生産体制に復旧することが出来るよう原材料等の受給体制を見直すなどの対策を計画しておりますが、それらの対応には限界もあります。ひとたび大地震が発生すれば、当社グループの生産設備等に重大な影響を及ぼすことが想定され、一時的に生産活動が停止する可能性があるとともに、一方では、国内における経済活動の停滞に伴う消費動向の悪化により、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、設備投資は堅調に推移したものの、鉱工業生産は海外経済の減速に伴う輸出の低迷などから弱含み、個人消費は緩やかな持ち直しにとどまるなど、景気は緩やかな回復基調で推移する一方で一部に弱さも見られました。

住宅産業におきましては、新設住宅着工戸数は貸家の減少傾向が続いたものの、持家及び分譲住宅が下半期に入って増加したため、2018年度の全体の新設住宅着工戸数は953千戸と前年度比0.7%、特に当社グループ事業との関係が強い戸建住宅に限れば同2.8%の増加となり、市場は回復基調で推移しました。

一方、当社グループの主力製品である窯業系外装材の2018年度における業界全体の国内販売数量は、2018年度下半期では前年同期比0.5%の増加と回復傾向にあるものの、貸家向けの減少に加え、戸建住宅着工との数ヵ月のタイムラグもあり、前年度比1.7%(JIS規格対象外の12mm厚製品を含む基準)の減少となりました。

このような市場環境の下、当社グループは、引き続き耐候性等に優れた新世代外装材「Fu-ge(フュージェ)」などの顧客ニーズに沿った高付加価値商品の拡販を図るとともに、窯業系サイディングとしては業界初となる塗膜30年保証に対応した新商品を投入するなど、メンテナンスコスト面での優位性をアピールしました。また、非住宅市場向けの営業施策の強化や、成長を続けている米国を始めとする海外マーケットのさらなる開拓に努める一方、各種合理化や生産性向上によるコスト削減にも注力いたしました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。

 

(金額単位:百万円)

 

 

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

金額

率(%)

売上高

116,144

119,160

3,015

2.6

営業利益

13,232

12,720

△511

△3.9

経常利益

13,796

13,137

△659

△4.8

親会社株主に帰属する当期純利益

11,151

9,915

△1,235

△11.1

 

売上高につきましては、主力の国内事業は業界全体の落ち込みを高付加価値商品を中心としたシェアアップで吸収して増収となったほか、米国窯業系外装材事業は引き続き堅調に推移し増収となったことから、全体の売上高は1,191億60百万円と前連結会計年度比30億15百万円(2.6%)の増収となりました。

一方で損益につきましては、国内におけるエネルギーや物流のコストのアップに加え、米国窯業系外装材事業での営業体制強化に伴う先行費用の発生などにより減益となったことから、営業利益は127億20百万円と前連結会計年度比5億11百万円(△3.9%)、経常利益は131億37百万円と同6億59百万円(△4.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に米国子会社で新たに繰延税金資産を計上した影響もあり、99億15百万円と同12億35百万円(△11.1%)の減益となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

外装材事業

売上面では、前記のとおり、国内外装材事業・米国窯業系外装材事業のいずれも増収となったことから、売上高は1,096億30百万円と前連結会計年度比29億1百万円(2.7%)の増収となりました。

また、損益面では、国内外装材事業は増益となったものの、米国窯業系外装材事業の減益などにより、セグメント利益(営業利益)は152億56百万円と同7億48百万円(△4.7%)の減益となりました。

 

当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。

前連結会計年度末に比し純資産が69億7百万円、総資産が64億63百万円それぞれ増加した結果、自己資本比率は64.5%と2.0ポイントの増加となりました。

増減の主なものは、流動資産では現金及び預金が53億85百万円、受取手形及び売掛金が15億87百万円、商品及び製品が7億22百万円それぞれ増加したことなどにより、流動資産全体で81億93百万円増加しております。また、固定資産では有形固定資産が8億95百万円、投資その他の資産が4億43百万円それぞれ減少するなど、全体では17億29百万円減少しております。

負債では、流動負債が8億28百万円減少した一方で、固定負債が3億85百万円増加したことにより、負債合計は4億43百万円減少しております。

キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し47億38百万円増加し、当連結会計年度末には325億25百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は129億73百万円(前連結会計年度比18億70百万円の増加)となりました。これは、主に、償却前利益(税金等調整前当期純利益+減価償却費)で179億19百万円を計上した一方で、売上債権が16億51百万円、たな卸資産が15億16百万円それぞれ増加し、法人税等の支払額が31億48百万円となるなど資金の減少要因もあったことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は35億95百万円(前連結会計年度比21億5百万円の減少)となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出が29億46百万円(前連結会計年度比25億15百万円減少)あったことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は45億53百万円(前連結会計年度比2億3百万円の増加)となりました。これは、主に、長期・短期合わせた借入金を21億34百万円減少させたほか、配当金の支払額が22億74百万円あったことなどによるものであります。

 

生産、受注及び販売の実績

ⅰ.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

外装材事業(百万円)

94,061

103.1

報告セグメント計(百万円)

94,061

103.1

その他(百万円)

9,212

105.1

合計(百万円)

103,273

103.3

 (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅱ.製品商品仕入実績

 当連結会計年度における製品商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

外装材事業(百万円)

10,021

97.7

報告セグメント計(百万円)

10,021

97.7

その他(百万円)

897

103.0

合計(百万円)

10,919

98.2

        (注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

ⅲ.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前年同期比

(%)

受注残高

(百万円)

前年同期比

(%)

その他

733

133.0

199

402.1

 (注)1.その他における注文住宅、住宅リフォームに係るものであります。なお、上記以外については、主として見込み生産によっており、受注生産はほとんど行っておりません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

ⅳ.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

外装材事業(百万円)

108,790

102.8

報告セグメント計(百万円)

108,790

102.8

その他(百万円)

10,369

100.8

合計(百万円)

119,160

102.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

SMB建材(株)

30,777

26.5

31,212

26.2

住友林業(株)

26,708

23.0

27,135

22.8

伊藤忠建材(株)

12,581

10.8

13,875

11.6

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたりましては、たな卸資産、繰延税金資産、製品保証引当金、退職給付引当金につき、過去の実績や状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果を基礎として金額を算出し計上しております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに、特に影響を及ぼす重要な会計方針は、次のとおりであります。

 

ⅰ.たな卸資産

当社及び連結子会社は総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)又は移動平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)により評価しており、在庫の経過期間、市場価値に基づく時価の見積額と原価との差額について評価減を計上しております。将来における実際の需要、市場価値が当社グループの見積りより悪化した場合には、追加の評価減が必要となる可能性があります。

 

ⅱ.繰延税金資産

繰延税金資産については、確実な将来回収可能性に基づき計上しております。回収可能性を判断するに際し、将来の課税所得を慎重に見積もり、実現可能性の高い継続的な税務計画を作成検討し、回収可能性が低いと考えられるものについては評価性引当額を計上しております。繰延税金資産の全部又は一部について、将来実現不可能と判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として税金費用を計上します。同様に、計上額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現可能と判断した場合には、繰延税金資産の調整額を法人税等調整額として当該判断を行った期間において税金費用を減額させることとなります。

 

ⅲ.製品保証引当金

当社及び一部の連結子会社は、製品保証引当金として製品に関する保証費発生見積額を計上しております。当該会社の保証費発生見積額は、過去の発生実績率に基づいて計算した額に発生した製品保証費用の実情を考慮して計上しておりますが、実際の発生実績率又は製品保証費用が見積りと異なる場合、保証費発生見積額の修正が必要となる可能性があります。

 

ⅳ.退職給付に係る負債

従業員の退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の給与水準、退職率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率などが含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は退職給付の支払見込期間及び支払見込期間ごとの金額を反映した単一の加重平均割引率を使用して算出しております。長期期待運用収益率は、年金資産が投資されている資産の種類ごとの長期期待運用収益率の加重平均に基づいて計算されます。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合、当該事業年度においてその影響は退職給付に係る負債の一部として累積され、償却を通じて将来に亘って規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される退職給付費用に影響を及ぼします。割引率の低下及び年金資産運用での損失は、当社グループの退職給付費用に対して悪影響を及ぼすことになり、その場合には退職給付費用の見積額の追加が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析

当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」の項に記載のとおりであります。

 

③ 経営成績に重要な影響を与える要因について

「2 事業等のリスク」の項で前述した各リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。

また、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の業績等の内的要因や地価の下落等の外的要因を含め、当社グループが所有する固定資産につき、将来キャッシュ・フローが十分に見込めない資産又は資産グループが存在すると判定された場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことがあります。

 

④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

ⅰ.キャッシュ・フローの状況

当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。

 

ⅱ.資金調達と資金需要

当社グループはメイン銀行をはじめ取引金融機関と良好な関係を維持しております。当連結会計年度には設備投資資金の調達及び長期安定資金の確保のため、30億円の長期借入を行いました。一方、長期借入金の約定返済が進んだことなどから、長期・短期合わせた借入金残高は、前連結会計年度末に比し、21億34百万円減少して161億79百万円となりました。

 

⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について

経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは、「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、循環型社会の実現に貢献する創造開発型企業として、新しい建築材料の可能性を探る基礎研究から高品質・低コストを両立するための生産技術、さらには施工技術の開発に至るまで、時代を先取りする新商品の開発を目指して研究開発活動を行っております。

当社グループにおける研究開発活動は、主として当社並びに子会社(株)チューオー及び子会社(株)FPコーポレーションが行っております。

当連結会計年度には、当社は中期経営計画の目標である「世界で通用する建物の壁材専業メーカー」を目指し、商品構成の充実を図るとともに、従来にない新タイプの外装材を追求する開発にも積極的に取り組みました。(株)チューオーにおいては金属を素材とする壁と屋根の外装材の総合メーカーを目指して、また、(株)FPコーポレーションにおいては生産技術面を主体として、それぞれ活発な研究開発活動を展開しております。

なお、当連結会計年度末現在の研究開発人員は107名、当連結会計年度の研究開発費は1,470百万円であります。

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。

(1) 外装材事業

窯業系外装材については、当社独自の技術を活かし、環境負荷低減と住宅性能向上に貢献できる商品開発を基本として、機能や工法においても時代のニーズに応えるべく、様々な商品を開発し発売いたしました。

住宅の長寿命化に貢献するべく、2018年2月に発売いたしました塗膜30年保証に対応した「プラチナコート30」について、次のとおり新商品を投入しラインナップを充実いたしました。2018年7月に四方合いじゃくり商品「Fu-ge(フュージェ)」シリーズより18㎜厚品「ビレリス」「スプラン」「レイシェイド」「アコルド」の4柄及びモエンエクセラード16シリーズから「マグート」柄を発売、2019年1月には「グランスペック60」シリーズより「無垢板型枠RCウォール16」柄を発売いたしました。

また、新内外壁材「COOL(クール)」シリーズにおいては、「イルミオ」柄に「グラニットホワイト」「ウェーブブラウン」の2色を追加いたしました。そのほか、幅広い市場ニーズの高級化・多様化に併せて「プラチナコート」仕様の「オペリア」「ニューグランドールⅠ」各シリーズより、それぞれ新商品を発売いたしました。

加えて、新市場獲得への取り組みとして、2018年7月より鉄筋コンクリート(RC)造について、モエンサイディングの施工高さ制限を45m規模まで拡大可能とした重ね張り工法を開発いたしました。

また、かねてより取り組んでいた端材回収システムに加えて、建築現場で発生する製品端材を大幅に低減する「出荷段階での工場内プレカット(ラフカット)サービス」を開始し、この活動が「持続的な完全循環型リサイクル事業モデル」として高く評価され「2018年度 グッドデザイン賞」を受賞いたしました。

一方、金属系外壁材についても、金属感を全面に出したシャープなラインで流れる葉を表現した「N型カーレンリーフプレミアム」柄を発売、加えて「ST型センターストライプUプレミアム」柄にストライプ調を引き立てる新色「ネイビーブルー」を追加いたしました。ともにフッ素塗装高耐食GLめっき鋼板を使用し、塗膜変褪色10年保証を実現しております。

 

 以上の外装材事業に係る研究開発費は1,453百万円であります。

 

(2) その他

当社グループは、その他の事業においても研究開発に積極的に取り組んでおります。FP事業においては、2016年度に業界初となる筋交いなしウレタン断熱パネルで2.1倍の壁倍率大臣認定の取得をし、販売をしておりますが、更なる普及を目指すため省施工化を目的とした気密機能付きパネルと、リフォームに特化した専用パネルの開発を行いました。今後も市場の変化に対応すべく、開発を進めております。

 

 以上のその他に係る研究開発費は16百万円であります。