文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、「お客様本位の姿勢」「創意開発」「明るい風通しのよい職場づくり」を経営の基本理念として、株主・取引先・社員など当社グループを支えていただいている全ての関係者の信頼と期待に応え、共に栄えることを日々の経営活動の指針としております。
(2) 目標とする経営指標
経営指標として当社グループは、自己資本当期純利益率(ROE)を重視しております。販売拡大並びにコストの削減などによる利益の最大化を図ることに加え、資本効率を適正化することにより、中期経営計画(2021年4月~2024年3月)においてROE10%程度を目標としております。
当連結会計年度においては、ROEは7.8%の実績となりました。2024年3月期は中期経営計画の最終年度としての利益目標の未達に加えて、円安による為替換算調整勘定の増加を通じた純資産の増大もあり、中期経営計画の目標である10%を下回る見込みです。
本年3月31日には東証より「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応等に関するお願い」が発信され、PBR1倍割れの企業に対する要請がされております。PBRは「ROE×PER」という算式で算出されますので、ROEとPERを各々増大させることでPBRを増大させることになります。
当社グループとしては、まずは、これまで重視してまいりましたROEの向上に努めていく方針です。また、PERについては、株主・投資家に当社の海外事業や国内非住宅事業の成長性を理解して頂くべく、IR活動等を通じて開示を充実させることで改善を図ってまいります。
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループでは、人口減少に伴う国内住宅市場の縮小やカーボンニュートラルへの取組拡大など社会構造・経営環境が変化する中、持続的な成長を実現するため、「中期経営計画」(2021年4月~2024年3月)に基づき、スピード感を持って次の重点課題に取組んでおります。
① 生産能力の大幅増強
今後の安定したシェアアップと新市場開拓を確固たるものにするため、想定を上回る需要に対しても着実にビジネスチャンスを掴み販売量を伸長できるよう、余力のあるフレキシブルな生産体制の構築を進めており、これまで取組んできた生産効率向上も含め、国内と米国新工場を合わせて生産能力を約20%アップする計画としております。国内においては、2023年3月に当社名古屋工場の生産能力増強工事が完了し、5月より稼働を開始しております。また、米国においては、2022年6月に新工場の稼働を開始し、生産能力の増強を図っております。2024年3月までに目標通りの生産能力増強を達成する見込みです。
② 海外市場開拓
米国新工場が稼働を開始し、主力商品「モエンエクセラード」の生産・供給能力が大幅に増強されました。この増強後の体制のもと、現地の顧客ニーズに寄り添った高付加価値商品の開発を一層推進するとともに、商業施設・公共施設等を対象としたコマーシャル事業に係る営業人員の増強や戦略の強化を図るなど、販売拡大に取組んでおります。
また、米国市場以外では、カナダでの市場開拓を進めつつ、中国・オーストラリア・韓国などの既存の有望市場における販売を伸長させるほか、将来的には南米・欧州の市場も視野に入れた新たな販路の開拓を進めてまいります。
③ 非住宅市場開拓
商業施設や中高層建築物向けなどの非住宅市場をターゲットに、顧客ニーズに即した工法の開発を行うとともに、当社商品のデザイン性や高い環境性能などのメリットをアピールし、非住宅市場の開拓を進めております。
一例としましては、昨年、株式会社長谷工コーポレーションと共同で鉄筋コンクリート造(RC造)建築物における複合外装工法(当社窯業系サイディングの取付工法)を開発し、技術審査証明を取得しました。この工法では、多彩なデザインの外観が可能となるほか、国産の木材チップを原材料とした「モエンエクセラード」を使用することでCO2の固定化を図ることができ、マンションにおいても環境に配慮した外壁を実現することが可能となります。今後は、新築マンションの外装工法として当該工法の使用を推進してまいります。
④ 金属事業拡大
金属サイディングは、新築住宅のほかリフォームにも使用されており、新築住宅が減少する中でストックビジネスとしての安定的な成長が期待されています。加えて、主力の窯業系外装材と同様に非住宅市場においても潜在的な需要が見込まれております。今後は、鉄骨造1時間耐火構造に対応した商品や、2021年度グッドデザイン賞を受賞した商品「スマートフラットプレミアム」のほか、2022年10月に発売した新商品「メタルガード光」シリーズなどを武器に、さらなる市場の開拓を進め、金属事業の拡大に繋げてまいります。
⑤ ESGの取組強化(環境対応)
当社グループは、2022年6月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言への賛同を表明すると同時に、CO2排出量の削減目標として「2030年度に2013年度比50%削減」、「2050年度にカーボンニュートラルとすること」を掲げました。
また、昨今、カーボンニュートラルへの動きが加速する中で、環境に配慮した建材へのニーズが高まっておりますが、当社の窯業系外装材はデザイン性や性能だけでなく環境への貢献という点においても強みを有しております。例えば、「モエンエクセラード」をはじめとするオフセットサイディングは、本来であれば廃材となる国産の木材チップを原材料に使用することでCO2を固定化させております。このように環境対応の観点からも、当社のオフセットサイディングには大きなビジネスチャンスがあると考えております。
さらに、当社グループでは、住宅等の建築時に発生する窯業系外装材の端材を回収し再利用することにより産業廃棄物の発生を抑制するリサイクルシステムを構築し、その普及にも取組んでおります。
今後は、CO2排出量の削減目標達成に向け、生産効率の改善、燃料転換、CCUS(CO2の回収・有効活用・貯留)に注力するなど、環境負荷軽減に対する各種取組を強化してまいります。
当社グループでは、コーポレートスローガンである「素晴らしい人間環境づくり」のもと、経営方針・行動規範・行動基準に基づき、各種ステークホルダー(お客様・株主様・取引先・従業員・地域社会等)の期待と信頼に応えつつ、当社グループの持続的成長と環境との調和を実現することにより、豊かで快適な社会の実現に向けて尽力しています。かかる調和を実現すべく、次に掲げる事項をサステナビリティ基本方針として当社グループ内で共有しております。
・事業活動を通じた地球環境・社会への貢献
グローバルな視点で地球環境問題や社会的な課題の解決に積極的に取り組み、社会の持続的な発展に貢献します。
・公正な事業活動の実施
国内外の法令や社会規範を遵守し、各種ステークホルダーとの間において健全な信頼関係を構築するとともに、公正かつ誠実な事業活動を行います。
・高品質の製品・サービスの提供
お客様及び社会のニーズを追求した高品質の製品・サービスの開発及び市場への提供を通じ、住環境の向上や産業技術の発展に貢献します。
・人権尊重
事業活動に関わる全ての人々の人権及び多様な価値観を尊重し、人権侵害に繋がる不当な取引や行為を排除します。
・人材育成・労働環境の整備
多様性のある人材を新たな価値創造の源泉と考え、社員一人ひとりの人権・個性を尊重し、能力を最大限に発揮できるように人材の育成及び労働環境の整備に取り組みます。
・地域社会との共存
事業活動を行う国や地域の伝統・文化・慣習・価値観等を尊重するとともに、地域社会との連携と協調を図ることにより良好な信頼関係を構築します。
上記基本方針の下、当社グループでは、以下(1)~(4)のような取組を進めております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが合理的と判断した基準に基づいたものであり、様々な要因により実際の結果とは異なる可能性があります。
(1) ガバナンス
当社グループでは、サステナビリティを重要な経営課題として捉え、大きく変化する社会に迅速に対応できるよう、社内のガバナンス体制を構築しております。
当社グループでは、サステナビリティの推進活動の更なる強化を図るため、2022年4月1日付で経営企画部内にサステナビリティ推進室を設置しました。サステナビリティ推進室は、当社を取り巻く社会課題について、国際的なESG開示枠組みなどを参考に評価・分析を行い、当社グループのサステナビリティに係る戦略を立案します。立案された戦略は、経営会議での審議を経て、取締役会にて決議されます。サステナビリティに係る業務執行については、取締役会で決定された方針を基に、各担当部署にて施策が企画、実行されるとともに、サステナビリティ推進室によってその進捗が管理されます。サステナビリティ推進室は、進捗状況や改善措置の必要性について経営会議に諮った上で、取締役会に報告し、取締役会の監督を受ける体制となっております。
(2) リスク管理
リスク管理の体制については、「
管理すべきリスクについては、昨今、企業を取り巻く環境が大きく変化し、想定外の新たなリスクが顕在化するなど複雑化していることから、下記のとおりリスクカテゴリーを設定し、重要リスクの抽出を行うとともに、PDCAサイクルによるリスク管理活動を推進し、リスク低減を図っております。
リスクカテゴリー一覧
上記のうち、特に②環境・気候変動リスク、⑥人事関連(労働安全衛生含む)リスクをサステナビリティに影響を及ぼす重要な項目と捉えております。
(3) 戦略(マテリアリティへの対応)
当社グループは、環境・社会のサステナビリティに影響を与える課題のうち、ニチハの強み、特徴を生かして貢献していくべき重要課題をマテリアティとして特定し、取締役会で決議をしております。具体的には「地球温暖化の防止」、「循環型社会の形成」、「人権の尊重」、「人的資本経営の推進」の4つです。「地球温暖化の防止」、「循環型社会の形成」では、ニチハの特徴である木材利用によるCO2の固定化や持続可能な森林経営への貢献などの環境への訴求のほか、産廃物の原材料利用など資源の有効活用に取り組んでおります。また、全ての人が豊かで快適な生活を送れるような環境を提供することは企業の責務であるという考えのもと、グループの従業員だけでなくサプライヤーにも協力いただき、「人権の尊重」が重視される社会の実現に努めております。そして、人材は企業の成長の源泉であるとして、「人的資本経営の推進」に取り組んでおります。これらのマテリアリティへの対応は、中長期的に競争優位性の確保や、価値創造力の持続化・強化につながり、社会貢献だけでなく、当社グループの持続的成長につながるものと考えております。
マテリアリティ
① 気候変動に係る戦略
(シナリオ分析)
当社グループは、気候変動によるグループの財務影響を把握するため、国内主要5社を対象として、2030年度時点及び2050年度時点の影響を想定しております。シナリオ分析においては、気候変動に伴う影響は不確実性が高いため、2℃未満/1.5℃シナリオ及び4℃シナリオという複数のシナリオを採用しております。移行リスクの分析では、主に国際エネルギー機関(IEA)の2℃未満シナリオ(APS)、1.5℃シナリオ(NZE)を参照し、物理リスクの分析では、4℃シナリオとして、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次評価報告書や第6次評価報告書を参照しております。
出典:気象庁 IPCC 第6次評価報告書 第1作業部会報告書 政策決定者向け要約 気象庁訳(2022年5月12日版)
2℃未満/1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や政府の脱炭素に向けた環境政策と規制が強化されることを想定しております。
一方で、4℃シナリオでは、地球温暖化が進行することにより、自然災害の頻発化・激甚化が進み、当社グループの工場が浸水により物理的な損害が発生する可能性のほか、調達先が被災することによってサプライチェーンが寸断され、当社グループの生産が一時的に停止する可能性を想定しております。
(特定したリスクと機会)
リスク・機会の事業への影響度については、一定の条件のもとに定量的に評価し、大・中・小の3段階に分類しました。ただし、定量的な評価が難しい項目については、定性的な評価としております。
期間:中期 10年以内、長期 30年以内
(対応策)
当社グループは、特定した気候変動に関連するリスクと機会のうち、特に当社グループに重要な影響を及ぼすと判断した項目について、以下のように対応を進めております。
② 人的資本に係る戦略
当社グループでは、マテリアリティの一つとして「人的資本経営の推進」を掲げており、企業価値の向上につながる人材の育成・活用やダイバーシティの推進等に努めております。
ⅰ.人材の育成・活用
2022年に当社グループの中核であるニチハ株式会社で「自走する人材が育つ新生ニチハ」をコンセプトとした新たな人事制度への移行を実施しました。
新たな人事制度では、「Ⅰ.責任と貢献」、「Ⅱ.チャレンジと成長」、「Ⅲ.ダイバーシティと活力」をキーワードに制度設計を行っており、全員がプロフェッショナルな人材となる環境づくりを推進しております。また、研修機会を増やすことや、特に従業員のキャリア形成に役立つように入社年次や等級などで区分した階層別研修の充実化により、必要な役割意識や基礎知識、スキルを身につけられる環境を整備しております。
さらにマネジメント層の育成については、次代の経営を担う人材の育成を重要な課題として取り組んでおります。新たな人事制度では、マネジメント層には自身の課題解決能力だけでなく、配下の人材の育成にも評価軸を置くことにより、部署全体の能力向上を図っております。
ⅱ.ダイバーシティの推進
当社グループでは、人種・国籍・性別などを問わず、多様性のある人材が新たな価値創造の源泉と考え、社員一人ひとりが能力を最大限に発揮できる環境の整備を図るとともに、多様な社員の成長を通じて持続的な発展を目指します。
ア.女性の活躍促進
当社グループでは、女性の活躍促進を重要課題として掲げ、取組を進めております。中長期的には多様な視点の確保のためにも、女性管理職の比率増などを進めていきたいと考えておりますが、現在の状況は、女性の比率が低い状況となっております。当社グループとしては、その対応として、まずは、多様な人材が活躍できるよう職種転換の実施や、女性総合職の採用増に取り組むことで、女性管理職の増加に取り組んでまいります。また、社会全体の女性活躍を推進するため、男性社員の育児休業の取得を奨励しております。
イ.ワークライフバランスの推進
当社グループでは、グループ行動指針の一つとして、「社員一人ひとりの個性・人格を尊重し、それぞれの立場で自己実現を目指せる職場をつくります」と掲げており、これをワークライフバランスについての方針としております。社員一人ひとりの自己実現には、業務自体の働きがいとともにそれぞれの生活の充実や自己研鑽が欠かせないものと考えております。そのための働き方に対する考え方を見直し、有給休暇の促進、育児・介護に関する働き方の整備、在宅勤務の実施などを通じ、社員一人ひとりのワークライフバランスを実現することが、働きがい、ひいては生産性の向上に繋がるものと考えております。
(4) 指標及び目標
当社グループでは、サステナビリティに係る指標として、CO2排出量の削減目標を設定しております。
国内主要5社によるGHG排出量
(単位:千t-CO2)
|
年度 |
Scope1 |
Scope2 |
合計 |
|
2013年度(基準年) |
214.1 |
84.9 |
299.0 |
|
2020年度 |
206.3 |
71.0 |
277.3 |
|
2021年度 |
219.2 |
66.8 |
286.0 |
|
2030年度目標 |
CO2排出量2013年度比50%削減 |
149.5 |
|
(注)国内主要5社はニチハ(株)、ニチハマテックス(株)、高萩ニチハ(株)、八代ニチハ(株)、ニチハ富士テック(株)であります。
人的資本に係る指標については、「
また、目標については、当社グループの人的資本に係る戦略に基づき、人材育成、多様性の確保、女性の活躍推進、ワークライフバランスの推進を促す目標の設定に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。また、本記載は、将来発生しうるすべてのリスクを必ずしも網羅したものではありません。
(1) 住宅着工の動向が業績に影響を及ぼすことについて
主力製品である窯業系外装材を始め、当社グループの製品はその多くが国内住宅産業向けであり、かつ国内窯業系外装材は業界内シェアが50%を超えていることから、当社グループの業績は住宅着工戸数の動向に影響を受けます。新設住宅着工戸数については、中長期的には、わが国の人口減少などの構造的要因により、減少が予想されています。当社グループとしては、従前より海外市場への進出や店舗・公共施設などの非住宅市場開拓にも注力しており、最近では新工法開発を武器として中高層建築物向けにも参入するなど市場開拓を図っておりますが、国内新築住宅向け市場規模の占める割合は大きく、その動向に影響を受けることになります。
特に窯業系外装材は、主に木造及び鉄骨造の建築物に使用されるため、戸建及び低層アパートの新設着工戸数と相関関係が認められます。従って、同着工戸数が窯業系外装材業界全体の出荷量の先行指標でもあり、当社グループの業績もその動向に大きく影響を受けることになります。
(2) 景気動向と競合等について
住宅関連業界では厳しい企業間競争が続く中、窯業系外装材業界は過去に提携・再編・統合などの動きがありましたが、最近はこれら業界再編の動きは落ち着いております。販売価格については、当連結会計年度に業界内で値上げ発表が相次いだことから当面は上昇すると予想されますが、先行きについては需要動向等によっては価格競争が再び激化するリスクがあります。
当社グループといたしましては、業界トップ企業として今後も商品力を背景に価格をリードする意向であり、高付加価値品を中心とする高級品化への移行を推進するとともに、一層のコストダウン・合理化に努め対応していく方針ですが、価格改定が計画通りに進まない場合は業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 原材料・エネルギー価格等の変動と調達について
当社グループの製品製造における原材料・エネルギーは、その多くは塗料を始めとする原油からの生成品・セメント・パルプなどから構成されております。近時、これら諸資材の価格が短期間に大きく変動する傾向にあり、この傾向は今後も続くことが考えられ、従前のように比較的安価な材料等を安定的に調達できなくなるリスクがあります。また、特定の原材料について調達そのものが困難になるリスクもあります。
当社グループでは対策として、調達先の多様化や一括調達の検討、あるいは材料配合の見直しなど様々な調達方法の検討と合理化策を講じる一方で、次期の業績予想においても、一定の前提の下、資材価格の変動の影響を織り込むなどしておりますが、諸資材の価格が予想を上回ったり、販売価格への転嫁が不十分となった場合には当社グループの業績に悪影響が及ぶ可能性があります。
(4) 製品の欠陥及び製造物責任について
当社グループは、従来より製造業の原点として製品の品質管理を徹底しておりますが、すべての製品について欠陥が無く、将来的にもクレームが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
大規模なクレームや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥が生じれば、多額の費用を要するのはもちろん、当社グループの製品に対する信頼性を損ない、それにより売上額が低下し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。
(5) 海外市場での事業展開について
当社グループは、海外事業を「次の成長エンジンの一つ」に位置付けております。米国については、日本国内及び米国で生産した窯業系外装材を住宅市場向け、及び商業施設などの非住宅市場向けに販売しております。人口増を背景に住宅市場は根強い需要があり、非住宅市場も経済成長の下、堅調に推移しております。今後はさらなる増産や高付加価値品の生産に取り組み、米国事業の拡大を図ります。
この方針の下、2021年10月に米国子会社にて高付加価値品を生産する新工場を建設し、2022年6月から生産を開始いたしました。本工場は総額約175億円を投じて、日本で生産しているものと同等の高付加価値品を生産できる工場です。この新工場により、高付加価値商品の現地での供給能力が増大することから、その拡販に一層注力してまいります。
また、市場としての可能性を有する中国市場については、浙江省にある生産子会社2社が窯業系外装材を製造・加工しており、その大半を当社及び米国子会社に供給しているほか、一部は中国国内でも販売しております。
海外進出に際しては、海外市場での成長の機会に乗り遅れないために、収益の計上が見込まれる時期より早期に多額の投資を行う必要が生じます。このような立ち上がり期の投資額の増大によって、利益を上回る費用が必要となることがあります。さらに、海外における事業展開には、市場開放の問題、予期しない法律又は諸規制の変更、不利な税制や政治的・経済的要因、あるいは戦争・テロなど様々なリスクが内在すると考えられ、それら要因が障壁となり、当社グループの事業成長が妨げられる可能性があります。
海外における事業活動の結果は、当社グループの業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
(6) 為替変動の影響について
当社グループの業績及び財政状態は、為替相場の変動によって影響を受けます。為替の変動は、①当社及び在外子会社における外貨建取引や海外との間接的な輸出入取引に関わる資産・負債、収益・費用及びキャッシュ・フローに影響する場合、②連結財務諸表における在外連結子会社の資産・負債、収益・費用の円貨への換算額に影響する場合の二つの側面において影響を及ぼします。
現時点では営業利益段階での為替感応度は大きくありませんが、急激な為替変動によって資材調達額に大きな影響を受けたり、連結に占める米国事業の比率が変化することで為替変動の影響を受けやすくなる可能性があります。
(7) 大規模な自然災害の影響について
大規模な自然災害の影響につきましては、2011年3月11日に発生した東日本大震災後、国内では大地震に対するリスク認識が強まっております。かかる状況下、報道等によれば、東南海地震等の大地震が近い将来に発生する可能性が高いことが指摘されております。当社グループでは、東南海大地震が発生した際に「震度6弱」の揺れが予測される地域内に、当社名古屋工場、ニチハマテックス株式会社衣浦工場・大江工場等が存在します。
当社グループでは、将来予想される大地震の発生に備え、人的被害対応の訓練を実施するほか、建物の補強工事などの対策を講じておりますが、ひとたび大地震が発生すれば、当社グループの生産設備等に重大な影響を及ぼすことが想定されます。一方では、国内における経済活動の停滞に伴う消費動向の悪化により、当社グループの業績にマイナス影響が生じる可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症の影響について
当社グループでは、感染防止のため、衛生管理の徹底や時差出勤、Web会議システムの利用等の効率的な事業運営を推進しております。現時点において国内外の工場の稼働停止は発生しておらず、新型コロナウイルス感染症によるサプライチェーンへの影響はありません。近時は経済活動の停滞から脱して持ち直しつつありますが、感染が再拡大した場合、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞等により、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 工場における火災・事故と設備トラブルについて
生産工場における火災・事故と重大な設備トラブルは、労働災害の発生や稼働停止による製品供給の中断に繋がります。特に、当社グループの一部工場においては、木質系材料の使用に伴う飛散ファイバー(木材ダスト)の発生と現場での高熱利用が相まって火災が発生するリスクがあります。
当社グループは、火災・事故を発生させないための体制や安全防火に係る各種マニュアル等の整備を進めるとともに、ダスト除去設備・モニター設置なども行い現場管理を強化しておりますが、火災・事故が発生した場合は当社グループの業績や財政状態に影響が及ぶ可能性があります。
なお、不測の事態に備え、資産の保全や事業中断に伴う機会損失をカバーするために、損害保険によるリスクヘッジを併せて行っております。
(10) 知的財産について
当社グループでは、事業の優位性を確保するため、開発した製品や技術について知的財産権による保護に努めておりますが、出願する特許等に対して権利が付与されない場合や十分な保護が得られないことが起こり得る可能性があります。
また、知的財産権に関して、第三者の技術を使用したい場合に、その技術が使用できない、若しくは不利な条件で使用せざるを得ない、あるいは第三者から訴訟を提起されたり、第三者に対して訴訟を提起しなければならないことがあります。
当社グループでは、侵害警告等を受けることのないよう、体制・対応を整備して業務にあたっておりますが、万一、当社グループによる第三者の知的財産権侵害が認定された場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(11) 環境保全について
当社グループが製品を製造する過程で使用する材料等の中には、人の健康や自然体系に影響を与える物質等を含んでいるものがあります。
当社グループは、これらの有害物質を扱う社員の健康被害を防止するために作業環境の管理・改善を推進する一方で、大気・土壌汚染、水質汚濁等の環境汚染防止に係る各種環境関連法令を遵守するとともに、法令上使用が認められている材料等であっても、より環境に配慮した材料等の選択・利用にも取り組んでおりますが、万一、当社グループの事業活動に起因する環境汚染が発生した場合には、対応に多額の費用が生じたり、社会的信用が低下することにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(12) 情報システムについて
当社グループは、生産・販売等の各種事業活動を行う上で、コンピュータシステム及び情報通信システムを利用しています。コンピュータシステム上のハードウェア・ソフトウェアの不具合や欠陥、通信ネットワークにおける障害等が生じた場合には当社グループの事業活動に支障が出る可能性があります。
また、これらの障害が生じた場合には、当社グループが保有する各種機密情報が外部に漏洩するリスクがあります。
当社グループでは、効率的で安定した事業活動の遂行と情報の秘密保持のため、適時・適切なシステムの更新やデータ処理能力の増強、障害発生時のバックアップ機能付加など体制を整備しておりますが、テロ、自然災害、ウイルス等による情報通信システムの不具合など、不測の事態が起きた場合には、当社の事業活動継続に影響が及ぶ可能性があります。
(13) 人材確保について
当社グループが継続的に事業を発展させるためには、専門技術に精通した人材、経営戦略や組織運営を企画推進できるマネジメント能力に優れた人材など、多種多様な能力を有する人材の確保・教育を継続的に行っていく必要があります。特に、工場などの現場においては、操業等に必要な有資格者を適切に配置し、運営を管理する必要があります。
当社グループでは、新卒採用のみならず経験者の通年採用を積極的に行うとともに、中長期を見据えた計画的な採用と育成に努めておりますが、これらが計画的に進まない場合には、長期的観点からの事業運営の有効性が損なわれ、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(14) 納期管理・供給責任について
当社グループは、適切な納期を確保すべく事業活動を継続しておりますが、競合企業の価格施策や生産能力の変化などの影響に伴い、当社の供給能力を上回る受注により欠品や納期遅延等が発生するリスクがあります。
当社グループでは、このような状況を生じさせないためにも、販売・生産・調達などの各部門において情報の収集と共有を強化するとともに、中期計画における重点課題として「生産能力の大幅増強」を目標に増産投資を進めておりますが、深刻な欠品や納期遅延が長期間に亘って発生した場合は、顧客からの信用低下により当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(15) 法的規制について
当社グループは、「(5) 海外市場での新規事業について」で前述した規制等の他にも、事業展開をする上で国内外の法令や許認可など様々な法的規制の適用を受けております。
また、これらの法的規制が従来よりも厳格になることも考えられます。
当社グループでは、これらの法規制に加えコンプライアンスを遵守すべく、行動指針を定め、研修等を通じて役職員への徹底を図っておりますが、法令の改変や規制強化に伴い当社グループの事業活動が制限されたり、法的規制に対応するための費用が増加することにより、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
(16) 気候変動について
気候変動に関しては、現状を上回る対策が採られなかった場合には、地球温暖化が進行することにより、自然災害の頻発化・激甚化が進み、当社グループの工場において浸水等による損害が発生するリスクのほか、調達先が被災することによってサプライチェーンが寸断され、当社グループの生産が一時的に停止するリスクがあります。
一方で地球温暖化阻止のための厳しい対策が採られた場合は、炭素税の導入によるコスト負担発生のほか、当社グループを含むサプライチェーン全体で温室効果ガスの排出抑制、カーボンニュートラルが求められることにより、資材・エネルギーコストや脱炭素に向けた設備投資が増加し、当社グループの業績が悪化するリスクがあります。
当社グループとしては、2022年6月に気候変動関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同を表明しました。今後も、脱炭素化の推進や地球環境に配慮した商品の開発などを企業経営の重要課題と位置づけ、取組強化を加速していく方針ですが、想定を超えるような自然災害が発生した場合や当社グループの脱炭素化が計画どおりに進捗しなかった場合には、事業活動の継続や業績に影響を与える可能性があります。
(17) 人権及びコンプライアンスについて
サプライチェーンのグローバル化・複雑化が進む中、取引先において児童労働や強制労働等の人権問題の発生が判明した場合、取引先との取引停止を始め調達活動に大きな支障が生じるリスクがあります。
当社グループとしましては、調達基本方針の一つとして、「人権の尊重と労働安全衛生への配慮」を掲げており、取引先に対しても「基本的人権の尊重」と「安全で衛生的な職場環境の実現および維持」をお願いしております。さらに新たに契約を行う取引先には人権の尊重に関する誓約をお願いするなどの取組を行っております。
また、当社グループにおいて、ハラスメントを始めとする労務関連のコンプライアンス違反が発生した場合、当社グループの企業イメージ低下や争訟の発生等、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
当社グループとしましては、ハラスメントは重大な人権の侵害に繋がる行為として、以前より発生防止に努めておりましたが、2020年の労働施策総合推進法(パワハラ防止法)の改正に伴い、パワハラをはじめとする各種ハラスメントのさらなる発生防止策として、従業員に対してeラーニングや定期的な動画視聴による教育活動を推進しております。
(1)財政状態の状況
当連結会計年度末の財政状態は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比し純資産が84億42百万円、総資産が74億91百万円それぞれ増加した結果、自己資本比率は70.7%と2.0ポイントの増加となりました。
増減の主なものは、流動資産では主として現金及び預金が114億70百万円減少した一方で、商品及び製品が33億13百万円、原材料及び貯蔵品が26億75百万円それぞれ増加したことなどにより、流動資産全体で37億55百万円減少しております。また、固定資産では有形固定資産が95億97百万円、投資その他の資産が17億67百万円それぞれ増加したことなどにより、全体では112億47百万円増加しております。
負債では、流動負債が1億3百万円、固定負債が8億46百万円それぞれ減少したことにより、負債合計は9億50百万円減少しております。
(2)経営成績等の状況
① 事業全体及びセグメントごとの経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に伴う落ち込みから脱して、緩やかに持ち直し始めたものの、資材・エネルギー価格の高騰や急激な為替変動等によって少なからぬ影響が生じる状況となりました。
当社製品の主要マーケットである国内住宅市場における2022年度の新設住宅着工戸数は、住宅価格の上昇などにより主として戸建住宅が減少したことから、861千戸と前年度比0.6%の減少となりました。これに伴い、窯業系外装材の業界全体の国内販売数量は、上期は前期の資材不足による工事遅れ分の取り戻しなどにより増加したものの、下期に入って住宅着工減の影響を受けて減少に転じたため、通期では前年度比0.8%(JIS規格対象外の12mm厚製品を含む基準)の減少となりました。
他方、海外主要マーケットである米国市場については、新型コロナウイルス関連の行動規制緩和を背景に、商業施設等の投資が回復基調となり堅調に推移しました。
このような市場環境下、当社グループの当連結会計年度の連結業績は次のとおりとなりました。
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(金額単位:百万円) |
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前連結会計年度 (2022年3月期) |
当連結会計年度 (2023年3月期) |
増 |
減 |
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金額 |
率(%) |
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売上高 |
128,599 |
138,063 |
9,464 |
7.4 |
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営業利益 |
12,576 |
11,704 |
△872 |
△6.9 |
|
経常利益 |
13,600 |
12,805 |
△794 |
△5.8 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
10,146 |
9,037 |
△1,109 |
△10.9 |
売上高につきましては、国内では、窯業系外装材事業・金属系外装材事業ともに、下期に入って市場の落ち込みなどの影響が出てまいりましたが、昨年8月より実施した価格改定効果により前連結会計年度比増収となりました。また、米国外装材事業は価格改定、円安の影響を含めて35%超の増収となるなど好調に推移したことから、全体の売上高は1,380億63百万円と前連結会計年度比94億64百万円(7.4%)の増収となりました。
損益につきましては、資材・エネルギー価格の高騰によるコストアップが利益を圧迫し、営業利益は117億4百万円と前連結会計年度比8億72百万円(△6.9%)の減益、経常利益は128億5百万円と同7億94百万円(△5.8%)の減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益に計上した債務免除益4億76百万円がなくなったこともあり、90億37百万円と同11億9百万円(△10.9%)の減益となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
外装材事業
売上面では、前記のとおり、国内外装材事業、米国外装材事業のいずれも増収となったことから、売上高は1,292億84百万円と前連結会計年度比92億18百万円(7.7%)の増収となりました。
また、損益面では、米国外装材事業が増収に伴い増益となったものの、国内外装材事業がエネルギーや諸資材の価格高騰の影響を受けて減益となったため、セグメント利益(営業利益)は144億52百万円と前連結会計年度比10億16百万円(△6.6%)の減益となりました。
その他
売上面では、工事事業を中心に増収となったことなどから、売上高は124億22百万円と前連結会計年度比4億58百万円(3.8%)の増収となりました。
また、損益面では、前記のとおり増収にはなったものの、エネルギーや諸資材の高騰により、セグメント利益(営業利益)は1億8百万円と同1億61百万円(△59.7%)の減益となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し114億70百万円減少し、当連結会計年度末には327億40百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は55億43百万円(前連結会計年度比94億50百万円の減少)となりました。これは、主に、償却前利益(税金等調整前当期純利益+減価償却費)で160億79百万円を計上した一方で、棚卸資産が56億53百万円、法人税等の支払額が39億44百万円それぞれ増加するなど資金の減少要因もあったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は126億19百万円(前連結会計年度比48億40百万円の増加)となりました。これは、主に、有形固定資産の取得による支出が100億88百万円(前連結会計年度比26億21百万円の増加)あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は48億94百万円(前連結会計年度比16億81百万円の増加)となりました。これは、主に、配当金の支払額が37億92百万円あったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
ⅰ.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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外装材事業(百万円) |
106,199 |
103.6 |
|
報告セグメント計(百万円) |
106,199 |
103.6 |
|
その他(百万円) |
8,849 |
105.9 |
|
合計(百万円) |
115,049 |
103.8 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ⅱ.製品商品仕入実績
当連結会計年度における製品商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
外装材事業(百万円) |
14,483 |
138.0 |
|
報告セグメント計(百万円) |
14,483 |
138.0 |
|
その他(百万円) |
295 |
68.2 |
|
合計(百万円) |
14,778 |
135.3 |
(注)金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
ⅲ.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (百万円) |
前年同期比 (%) |
|
その他 |
429 |
101.1 |
48 |
60.9 |
(注)その他における注文住宅、住宅リフォームに係るものであります。なお、上記以外については、主として見込み生産によっており、受注生産はほとんど行っておりません。
ⅳ.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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外装材事業(百万円) |
128,274 |
107.7 |
|
報告セグメント計(百万円) |
128,274 |
107.7 |
|
その他(百万円) |
9,789 |
103.7 |
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合計(百万円) |
138,063 |
107.4 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
||
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
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SMB建材(株) |
34,370 |
26.7 |
35,634 |
25.8 |
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住友林業(株) |
29,778 |
23.2 |
29,566 |
21.4 |
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伊藤忠建材(株) |
16,657 |
13.0 |
19,796 |
14.3 |
(3)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析
当連結会計年度の財政状態及び経営成績につきましては、「(1)財政状態の状況 (2)経営成績等の状況 ① 事業全体及びセグメントごとの経営成績の状況」の項に記載のとおりであります。
② 経営成績に重要な影響を与える要因について
「3 事業等のリスク」の項で前述した各リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響が及ぶ可能性があります。
また、「固定資産の減損に係る会計基準」の適用に伴い、今後の業績等の内的要因や地価の下落等の外的要因を含め、当社グループが所有する固定資産につき、将来キャッシュ・フローが十分に見込めない資産又は資産グループが存在すると判定された場合には、当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすことがあります。
③ キャッシュ・フローの状況及び資本の財源及び資金の流動性についての分析
ⅰ.キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「(2)経営成績等の状況 ② キャッシュ・フローの状況」の項に記載のとおりであります。
ⅱ.資金調達と資金需要
当社グループはメイン銀行をはじめ取引金融機関と良好な関係を維持しております。当連結会計年度には設備投資資金の調達及び長期安定資金の確保のため、19億11百万円の長期借入を行いました。一方、長期借入金の約定返済が進んだこともあり、長期・短期合わせた借入金残高は、前連結会計年度末に比し、1億20百万円減少して151億33百万円となりました。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
当社グループは、「素晴らしい人間環境づくり」のスローガンのもと、循環型社会の実現に貢献する創造開発型企業として、新しい建築材料の可能性を探る基礎研究から顧客ニーズに寄り添った商品開発、高品質・低コストを両立するための生産技術、さらには施工技術の開発に至るまで、時代を先取りする新商品・サービスの提供を目指して研究開発活動を行っております。
当社グループにおける研究開発活動は、主として当社並びに子会社(株)チューオー及び子会社(株)FPコーポレーションが行っております。
当連結会計年度には、当社は「世界で通用する建物の壁材専業メーカー」を目指し、商品構成の充実を図るとともに、非住宅市場や海外市場にも適応する外装材の追求・開発に精力的に取り組みました。(株)チューオーにおいては金属を素材とする外壁材と屋根材を中心に、また(株)FPコーポレーションにおいてはウレタン断熱パネルを中心に、それぞれ新商品の上市や画期的な改良に向けて活発な研究開発活動を展開しております。
なお、当連結会計年度末現在の研究開発人員は96名、当連結会計年度の研究開発費は
当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発活動の状況及び研究開発費は次のとおりであります。
(1) 外装材事業
窯業系外装材については、当社独自の技術を活かし、環境負荷低減と住宅性能向上に貢献する機能・工法の開発を基本思想に、様々な商品を開発し発売いたしております。
当社グループは、中期経営計画において非住宅市場開拓を重点課題の一つに掲げております。具体的には、中高層建築物向けの市場開拓に注力しており、これの実現のための新商品開発や工法開発を進めております。
非住宅市場に対する工法面の取組では、株式会社長谷工コーポレーションと鉄筋コンクリート造(RC造)建築物における複合乾式外装工法「RC×EX工法」を共同開発し、新築建築物における一般財団法人日本建築センターの建設技術審査証明(建築技術、BCJ-審査証明-285)を取得しました。本工法は、鉄筋コンクリート造建築物に当社製品である窯業系サイディングを外装材として取り付ける工法です。従来のタイル仕上げで問題となっていた経年劣化によるタイル剥落の危険性を無くすことができるほか、タイル張りや吹付タイル仕上げとは異なる、耐久性・デザイン性・更新性を兼ね備えた全く新しい外装仕上げを中高層建築物向けにもたらすことを可能としました。また、耐燃えひろがり試験により火災に対する安全性を確認しております。
金属系外装材においては、高機能外壁材として「メタルガード光シリーズ」を開発し、2022年10月に発売いたしました。これは、フッ素樹脂鋼板の不足が長期化する中にあって、塗装高耐食GLめっき鋼板に紫外線吸収剤を配合した高耐候コートを施すことによりフッ素樹脂鋼板と同等の耐候性を実現したうえ、光触媒ならではの防汚機能を兼ね備えた商品であります。また、商品構成においては、人気の柄に新色を追加した「シン・ネオスパンFU」シリーズを始めとして金属外装材のラインナップを拡充いたしました。
以上の外装材事業に係る研究開発費は
(2) その他
当社グループは、その他事業においても研究開発に積極的に取り組んでおります。FP事業では、ウレタン断熱パネルにおける断熱性能をさらに向上させるべく研究開発を行ってきましたが、原料であるウレタンを水処方ウレタンからHFO(ハイドロフルオロオレフィン)ガスを用いたウレタンに変更し、2023年4月より4工場で切替えを開始しました。これにより、環境負荷を抑えたオゾン層破壊係数ゼロ、地球温暖化係数1のままで、断熱性能は従来品に比し26%高くなり、経年による性能劣化を抑えることも出来ます。今後は、住宅の省エネルギー化に資するHFOウレタン断熱パネルを市場に訴求してまいります。
以上のその他に係る研究開発費は25百万円であります。