当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の概況
当社グループは、経営理念として「からだにやさしい未来の医療を築く ~私たちは「かけがえのない生命を守る」製品の開発・製造・販売に情熱を燃やし、人々の健康で豊かな生活に貢献します~」と定め、次の事項を経営の基本方針に掲げております。
① 医療に携わる企業として、社会に貢献することを第一義とし、人々の役に立ち喜ばれる製品を提供する。
② 創造性・意外性・感動性ある企業として発展するために、総力を結集する。
③ 従業員の生活を豊かにし、秩序ある明るい職場環境をつくる。
④ 企業の成長に不可欠な人材の発掘・登用、教育・育成に努める。
⑤ 事業活動で得た成果・利益は、持続的な企業価値の向上に向け、適切に配分する。
当社グループは昨年8月に設立50周年を迎え、当社10年後のありたい姿ならびに今後の事業発展を目指して将来構想を策定し、このフェーズ1として新たに中期経営計画2027を公表いたしました。本計画では、連結グループ増益確保など既存事業の利益率の改善等に取組み、最終年度である2027年の業績は、売上高16,000百万円、営業利益1,300百万円、ROE7%と設定し、経営目標の達成を目指してまいります。
このような中期経営計画を実現するために、2025年7月7日開催の取締役会において、横浜キャピタル株式会社との事業提携契約を決議し、同社より資金提供を受けるほか、収益性の改善に関する施策、海外事業の強化、基盤事業またはヘルスケア領域における新規事業のM&Aなど、経営基盤強化の経営支援を受けることといたしました。今後も当社グループは、経営理念の実現と医療現場への貢献に資する事業活動を行うとともに、経営目標の達成のためにスピード感をもって改革と実行を進めてまいります。
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、インバウンド需要の堅調な推移や企業によるデジタル化・脱炭素に向けた設備投資の継続により緩やかな回復基調となっております。一方で、物価高騰による個人消費の落ち込みが見られ、依然として不確実性の高い状況が続いております。海外においては、米国との関税交渉が妥結となりましたが、依然としてサプライチェーンは不安定な状況が継続し、加えて中国の不動産市場停滞による経済成長の鈍化も続いているため、先行き不透明感が残る状況となっております。
このような状況の下、当社は新たな中期経営計画の達成に向け、国内では新製品の上市をはじめとする営業活動の強化と販売価格の改定により収益性向上を図り、併せて仕入先の変更による原価低減にも努めてまいりました。海外販売においては、インド及び東南アジア地域への販路拡大を積極的に進めており、将来的な事業の柱となる海外販売事業の基盤構築に向けて取り組みを強化しております。
以上により、売上高につきましては、自社販売、OEM販売が増加し、特に自社販売は新発売の泌尿器系製品の好調もあり売上増加となりました。海外販売は、特に欧州向け輸出製品がMDR(欧州医療機器規則)移行切替前の前倒し受注があったものの、中国での販売が減少したことで全体として横ばいとなりました。利益面では本年4月の自社販売における価格改定が市場に受け入れられたことと、生産のコストダウンや生産拠点の最適化により売上原価率が低下し、さらに販売費及び一般管理費は前年同期における費用負担が解消されたことで、営業利益、経常利益が大幅な増加となりました。一方で、親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期に本社売却による特別利益を計上したため当中間連結会計期間は減少しておりますが、当初見込みを大幅に上回る水準となっております。
これらの結果、当中間連結会計期間の経営成績は、売上高6,564百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益548百万円(前年同期比88.3%増)、経常利益525百万円(前年同期比51.8%増)、親会社株主に帰属する中間純利益412百万円(前年同期比25.0%減)となりました。
販売形態別の販売状況は、次のとおりであります。
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 |
当中間連結会計期間 |
前年同期比 |
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金額 |
増減率 |
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自社販売 |
3,397 |
3,635 |
238 |
7.0% |
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海外販売 |
2,294 |
2,295 |
0 |
0.0% |
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OEM販売 |
608 |
634 |
25 |
4.2% |
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合 計 |
6,300 |
6,564 |
264 |
4.2% |
<自社販売>
自社販売は、昨年度の泌尿器系一部製品の欠品の反動から回復し、売上が大幅に増加したことと販売価格の改定により、売上高3,635百万円(前年同期比7.0%増)となりました。
<海外販売>
海外販売のうち、輸出販売は欧州向けの泌尿器系製品が好調のため売上が増加となりました。一方で中国販売は消化器系製品が好調を維持したものの新たな手技の普及に伴い泌尿器系製品が減少したことにより、売上高2,295百万円(前年同期比0.0%増)となりました。
<OEM販売>
OEM販売は、血管系製品の一部終了に伴う減少があったものの、内視鏡関連製品が好調であったため、売上高634百万円(前年同期比4.2%増)となりました。
②財政状態の概況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産は、前連結会計年度末と比較して1,814百万円減少し18,233百万円となりました。これは、商品及び製品の増加272百万円に対し、現金及び預金の減少1,609百万円、売掛金の減少167百万円、建物及び構築物の減少146百万円、投資有価証券の減少78百万円が主な要因であります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債は、前連結会計年度末と比較して1,371百万円減少し2,925百万円となりました。これは、電子記録債務の減少99百万円、短期借入金の減少800百万円、その他の流動負債の減少269百万円、退職給付に係る負債の減少68百万円、繰延税金負債の減少69百万円が主な要因であります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産は、前連結会計年度末と比較して442百万円減少し15,308百万円となりました。これは、利益剰余金の増加241百万円に対し、自己株式の増加113百万円、為替換算調整勘定の減少563百万円が主な要因であります。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
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前中間連結会計期間 (自 2024年1月1日 至 2024年6月30日) |
当中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,326 |
△24 |
△1,350 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
556 |
△288 |
△844 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
△504 |
△1,104 |
△600 |
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現金及び現金同等物の中間期末残高 |
5,473 |
3,982 |
△1,491 |
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は24百万円となりました。これは税金等調整前中間純利益557百万円、減価償却費284百万円、売上債権の増減額219百万円の資金の増加に対し、棚卸資産の増減額418百万円、仕入債務の増減額83百万円、未払消費税等の増減額270百万円、その他の流動資産の増減額132百万円、法人税等の支払額182百万円の資金の減少が主な要因です。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は288百万円となりました。これは定期預金の払戻による収入210百万円の資金の増加に対し、定期預金の預入による支出310百万円、有形固定資産の取得による支出172百万円の資金の減少が主な要因です。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は1,104百万円となりました。これは短期借入金の純増減額800百万円の資金の減少、自己株式の取得による支出118百万円の資金の減少、配当金の支払額による支出171百万円の資金の減少が主な要因です。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、420百万円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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契約締結日 |
会社名 |
契約の名称 |
契約内容 |
契約期間 |
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2025年7月7日 |
横浜キャピタル株式会社 |
事業提携契約 |
当社の企業価値向上の実現を目的とした諸施策の検討とノウハウの提供等による事業提携の実施 |
2025 年7月 23 日から2028 年7月 23 日または「資本提携終了日」(注2)のうちいずれか早く到来する日まで |
(注1)同日の当社取締役会において、第1回新株予約権及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債の募集について決議いたしました。詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
(注2)「資本提携終了日」とは、第1回新株予約権及び第3回無担保転換社債型新株予約権付社債又はこれを転換又は行使して取得する当社株式のいずれも保有しないこととなる日をいいます。