第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境や設備投資は堅調に推移したものの、個人消費の低迷や中国経済の減速に加え、年明け以降の株価の乱高下や円高の進行などにより景気は足踏み状態になるとともに、先行き不透明感が増してまいりました。
 当業界は、スマートフォンを主体としたモバイルゲームの勢力拡大に加え、顧客嗜好の多様化に対応した既存市場の深耕や新規顧客の開拓による女性、ファミリー客や高齢者の取り込みなどにより全体のゲーム人口は増加いたしました。
 こうした情勢のもと、当社は開発コストの低減や開発期間の短縮を行うため、外部委託の削減による内作比率の向上などにより、開発プロセスや収益管理の改善に取り組んでまいりました。また、多面的な収益展開を図るため、「モンスターハンター」や「ストリートファイター」などの優良コンテンツ資産を活用したワンコンテンツ・マルチユース戦略を推し進めました。
 さらに、在庫リスクの回避や流通コストの削減を図るため、好採算のダウンロード販売の拡大に注力してまいりました。主な発売商品の中では、目玉タイトル「モンスターハンタークロス」(ニンテンドー3DSシリーズ用)が大ヒットを放ち、販売本数を伸ばすとともに、業績向上のけん引役を果たしました。
 また、市場拡大が続いている中国において、テンセント社が当社との提携によるPCオンラインゲーム「モンスターハンターオンライン」を昨年12月に配信を開始したところ、順調に推移したことにより同国における事業展開に期待を抱かせました。
 一方、アミューズメント市場は、好転の兆しが見られず軟調に終始いたしました。
 この結果、売上高は770億21百万円(前期比19.8%増)と増収になりました。利益面につきましても、営業利益120億29百万円(前期比13.7%増)、経常利益113億48百万円(前期比4.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益77億45百万円(前期比17.1%増)といずれも増益になりました。
 なお、当社は多様な人材の活用に取り組んでおり、性別、年齢、国籍などに関係なく採用、評価、昇進等によるダイバーシティーを推進しております。この一環として育児休業、短時間勤務による子育て支援や女性従業員の幹部登用に加え、グローバルな人材の雇用や育成などに努めてまいりました。この結果、期末現在の女性の管理職は24名(当社管理職に占める割合10.3%)、外国人は91名(当社従業員に占める割合4.0%)となっております。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

① デジタルコンテンツ事業

当事業におきましては、看板タイトルのシリーズ最新作「モンスターハンタークロス」(ニンテンドー3DSシリーズ用)が大人気を博し、当初計画250万本を上回る300万本を突破するなど、増収増益に大きく寄与いたしました。また、「バイオハザード0 HDリマスター」(プレイステーション 4、プレイステーション 3、Xbox One、Xbox 360、パソコン用)が手堅く販売本数を伸ばしたほか、「ストリートファイターⅤ」(プレイステーション 4、パソコン用)も根強い人気に支えられ、海外を中心に一定の売行きを示しました。加えて、リピート販売が好伸したほか、ダウンロード版もパッケージ販売との相乗作用により健闘し、安定した収益源となってまいりました。
 一方、オンラインゲームは、さまざまな遊びが自由に体験できるオープンワールドタイプの「ドラゴンズドグマ オンライン」(プレイステーション 4、プレイステーション 3、パソコン用)が堅調に推移したほか、モバイルコンテンツでは「モンスターハンター エクスプロア」(アンドロイド、iOS用)のダウンロード数が300万件を超え、局面打開の端緒を開きました。
 この結果、売上高は525億77百万円(前期比15.9%増)、営業利益121億67百万円(前期比19.2%増)となりました。

 

 

② アミューズメント施設事業

当事業におきましては、市場回復の足取りが鈍い状況下、中高年者を対象にゲームの無料体験ができるゲームセンターツアーやサービスデーの実施に加え、低年齢者向けに「あそび王国ぴぃかぁぶぅ」や「キッズコーナー」を増設するとともに、女性や家族連れなど新規ファン層の獲得を図るため、地域密着型の店舗戦略により客層の拡大に努めてまいりました。
 しかしながら、目玉機種の不足やスマートフォン等、ユーザー層が重なる娯楽の分散化の影響による需要減退などにより弱含みに展開いたしました。
 当期間は、「アミューズファクトリー常滑店」(愛知県)をオープンしたほか、新機軸の飲食店「カプコンカフェ」(埼玉県)等の4店舗を開店するとともに、3店舗を閉鎖するなど、スクラップ・アンド・ビルドによる施設展開を行ってまいりました。これにより、施設数は34店舗となっております。
 この結果、売上高は90億56百万円(前期比2.0%減)、営業利益6億99百万円(前期比25.6%減)となりました。

 

③ アミューズメント機器事業

パチスロ機部門は、「バイオハザード6」が人気ブランドの強みを発揮して順調に販売台数を伸ばしたことにより売上高を押し上げるなど、収益を下支えしましたが、「アスラズ ラース」は軟調に推移いたしました。
 また、業務用機器部門につきましては、停滞気味の市場を反映して「ルイージマンション アーケード」が弱含みに展開したほか、「クロスビーツレヴ」も苦戦を余儀なくされました。
 この結果、売上高は133億43百万円(前期比77.0%増)、営業利益28億12百万円(前期比2.8%増)となりました。

 

④ その他事業

その他事業につきましては、主なものはゲームガイドブック等の出版やキャラクターグッズなどの物品販売で、売上高は20億43百万円(前期比4.7%減)、営業利益5億11百万円(前期比22.7%減)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は4億31百万円増加284億29百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動で得られた資金は、43億47百万円(前連結会計年度は42億86百万円)となりました。
 得られた資金の主な増加は、「税金等調整前当期純利益」111億50百万円(同107億1百万円)および「減価償却費」57億12百万円(同35億35百万円)であり、主な減少は、「ゲームソフト仕掛品の増加額」87億78百万円(同64億43百万円)および「売上債権の増加額」22億8百万円(同103億82百万円の減少額)によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用された資金は、16億39百万円(前連結会計年度は54億96百万円)となりました。
 使用された資金の主な増加は、「有形固定資産の取得による支出」58億13百万円(同54億65百万円)であり、主な減少は、「定期預金の払戻による収入」42億5百万円(前連結会計年度なし)によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動で使用された資金は、11億15百万円(前連結会計年度は得られた資金12億78百万円)となりました。
 使用された資金の主な増加は、「配当金の支払額」22億28百万円(同22億51百万円)、「長期借入金の返済による支出」8億83百万円(同31億69百万円)および「リース債務の返済による支出」4億96百万円(同4億6百万円)であり、主な減少は、「長期借入れによる収入」25億円(同81億62百万円)によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

10,798

148.4

アミューズメント機器事業

10,275

276.5

合計

21,073

191.7

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

(2) 受注状況

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

52,577

115.9

アミューズメント施設事業

9,056

98.0

アミューズメント機器事業

13,343

177.0

その他

2,043

95.3

合計

77,021

119.8

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

なお、前連結会計年度については、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

フィールズ株式会社

11,103

14.4

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く事業環境や今後の市場動向を踏まえた主要な対処すべき課題は、次のとおりであります。

 

(1) 重点戦略部門の強化

競争力の優位性を確保するため、コア事業である家庭用ゲームソフトに加え、モバイルコンテンツの開発やマーケティング部門の強化を柱に経営資源を集中してまいります。

 

(2) 事業領域の拡大

経営環境の変化に対応して、事業領域を拡大するためスマートフォンやタブレットなどのゲーム専用機以外に向けたゲーム配信事業への注力やパチスロ機事業の強化など、コンテンツビジネスの拡大に傾注してまいります。
 また、流通形態の多様化に対応するため、ダウンロード販売の拡大に努めてまいります。

 

(3) 海外展開の推進

国内市場の成熟化に伴い、今後の事業拡大には海外市場への注力が不可欠であります。このため、重要な子会社であるCAPCOM U.S.A.,INC.をはじめ、海外現地法人と提携して既存市場の深耕や新規市場の開拓を推し進めるなど、戦略的なグローバル展開を図ってまいります。

 

(4) 事業の選択と集中

開発資源の効率活用を図る一環として、明確なビジョンとスピード経営により活力を生み出すとともに、当社グループ全体の総合力を発揮させるため、成長分野への投資や不採算事業からの撤退を行うなど、選択と集中による事業資源の投入により企業価値の向上に努めてまいります。

 

(5) 企業体質の強化

経営革新により機動的な事業運営、経営効率の向上を図るとともに、収益基盤の強化に向けて体制作りを推し進めております。
 この一環として、国内外の関係会社を含めた的確なマネジメント体制による戦略的な当社グループ運営と財務構造の改革などにより、経営体質を高めてまいります。

 

(6) 株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

① 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要およびその実現に資する取組み

 

ア.経営理念

当社グループは、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企業」を経営理念としております。また、当社株主、顧客および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めるとともに、共存共栄を基軸とした経営展開を図っております。

イ.当社グループの企業価値の源泉について

当社グループは、家庭用ゲームソフトの開発・販売を中核に、オンラインゲームの開発・配信、モバイルコンテンツの開発・配信、アミューズメント施設の運営、アミューズメント機器の開発・製造・販売、その他コンテンツビジネスの展開を行っております。

また、企業価値の源泉である開発部門の拡充、機動的なマーケティング戦略および販売体制の強化に加え、コンテンツの充実やグループ全体の効率的な事業展開、財務構造の改革、執行役員制の導入、経営と執行の役割明確化による意思決定の迅速化など、経営全般にわたる構造改革を推し進めることにより、企業価値の向上に努めております。

 

ウ.当社グループの企業価値の向上の取組みについて

当業界は、家庭用ゲーム市場における据置型高性能ゲーム機の普及に加え、スマートフォンを中心としたモバイルゲームの増勢により市場規模は拡大基調で推移する一方で、ゲーム専用機とスマートフォン等の主導権争いなどにより競争環境が厳しくなっております。

このように厳しい事業環境下、当社グループが生存競争を勝ち抜いていくためには、経営環境の変化に対応できる体制作りが、最重要課題と認識しております。

 

② 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 

 当社は、大規模買付者の行う大規模買付行為に応じるか否かは、最終的に当社株主の判断に委ねられるべきものであると考えています。しかしながら、大規模買付行為は、それが成就すれば、当社グループの経営に直ちに大きな影響を与えうるだけの経営権を取得するものであり、当社グループの企業価値および株主共同の利益に重大な影響を及ぼす可能性を内包しております。
 一方で、実際には、大規模買付者に関する十分な情報の提供なくしては、当社株主が当該大規模買付行為による当社グループの企業価値および株主共同の利益に及ぼす影響を適切に判断することは困難であります。
 当社は、大規模買付者から当社株主の判断に必要かつ十分な情報を提供していただくこと、さらに、大規模買付者の提案する経営方針等が当社グループの企業価値に与える影響を当社取締役会が検討・評価して当社株主の判断の参考に供すること、場合によっては、当社取締役会が大規模買付行為または当社グループの経営方針等に関して大規模買付者と交渉または協議を行い、あるいは当社取締役会としての経営方針等の代替的提案を当社株主に提示することが、当社の取締役としての責務であると考えております。
 かかる見解を具体化する施策として、平成27年6月12日開催の第36期定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただき、大規模買付行為がなされた場合の対応方針として、当社取締役会から独立した独立委員会の勧告を最大限尊重するかたちで、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しないなど、当該買付行為が当社グループの企業価値および株主共同の利益を著しく損なう場合には、対抗措置として新株予約権の無償割り当てを行うことを主眼とした「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本施策」といいます。)を導入しております。

 

③ 上記取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

 

 本施策は、当社株主をして大規模買付行為に応じるか否かについての適切な判断を可能ならしめ、かつ当社グループの企業価値および株主共同の利益に対する明白な侵害を防止するため、大規模買付者が従うべき大規模買付ルール、ならびに当社が発動しうる大規模買付対抗措置の要件および内容をあらかじめ設定するものであり、当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上を目的とするものです。
 また、大規模買付ルールの内容ならびに大規模買付対抗措置の内容、発動の要件および手続は、当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上という目的に照らして合理的であり、当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上に資するような大規模買付行為までも不当に制限するものではないと考えます。
 なお、本施策においては、大規模買付対抗措置の内容および発動等に際して当社取締役会の恣意的判断を排除し、当社グループの企業価値および株主共同の利益の確保・向上という観点から客観的に適切な判断を行うための諮問機関として独立委員会を設置することとしております。大規模買付者の大規模買付行為に対して、大規模買付対抗措置の発動を行う場合は、かかる独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、大規模買付ルールを遵守しない場合などを除き、株主意思確認株主総会を開催し、株主の皆様に大規模買付対抗措置の是非をお諮りしますので、これにより、当社取締役会による恣意的判断が排除されることになります。
 よって、当社役員の地位の維持を目的とするものではなく、当社の基本方針に沿い、当社グループの企業価値および株主共同の利益に資するものであります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) デジタルコンテンツ事業に関するリスク

① 開発費の高騰化

近年、家庭用ゲーム機はコンピュータグラフィック技術やインターネット機能の取り込みなどにより、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のソフトにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。

 

② ゲームソフトの陳腐化について

ゲームの主なユーザーは子供や若者が多いうえ、スマートフォンやインターネットなど顧客層が重なる業種との競争も激化しており、商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。

 

③ 人気シリーズへの依存について

当社は多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、今後の事業戦略ならびに当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 暴力シーン等の描写について

当社の人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、暴力事件などの少年犯罪が起きた場合往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 季節要因による変動

ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、第1四半期が相対的に盛り上がりを欠く傾向にあるなど、四半期ごとに業績が大幅に変動する可能性があります。

 

⑥ 家庭用ゲーム機の普及動向について

当社の家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機向けに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機に不具合が生じた場合、事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ 家庭用ゲーム機会社との許諾契約について

当社は、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機に供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売に関する許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、今後の開発戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 家庭用ゲーム機の更新について

家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑨ 中古ソフト市場について

現在、中古ソフトは市場の4分の1前後を占めております。また、アジア市場における違法コピー商品の氾濫も深刻化しております。このため、開発資金の回収も徐々に難しくなっており、同市場の動向によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ モバイルゲーム市場について

近年、市場はスマートフォン等のモバイル端末が普及しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。

 

(2) その他の事業に関するリスク

① アミューズメント施設事業

設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② アミューズメント機器事業

パチスロ機は、少数の取引先のみに販売しているうえ、アミューズメント機器事業に占める売上依存度も近年は過半数から大部分になる場合があります。また、当該取引先は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売上が大きく左右される場合があります。
 一方、業務用機器は、家庭用ゲーム機との垣根が低くなったことに加え、施設オペレーターの購買力の低下、事業環境の変化や成長の不確実性により収益が大幅に変動することも予想されます。
 この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 海外事業について

① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、今後の事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財政状態および経営成績に関するリスク

① 当社の主要な事業である家庭用ゲームソフトは総じて商品寿命が短いため、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 開発技術のリスク

家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速く、日進月歩で進化しており、対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(6) 規制に関わるリスク

アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社の事業計画が阻害される恐れがあり、当該事業や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権に関するリスク

ゲームソフトや業務用ゲーム機の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社が知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社が侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 訴訟等に関するリスク

当社は、これまでに著作権侵害等で提訴した場合や他に訴訟を受けたことがあります。また、今後も事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 情報漏洩によるリスク

当社の想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 人材の育成と確保

「事業は人なり」と言われるように、会社の将来と発展のためには、有能な従業員の確保が不可欠であります。このため、当社グループは優秀な人材を採用し、育成、確保に努めております。しかしながら、ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。

この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社グループが許諾を受けている重要な契約の状況

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱カプコン

MICROSOFT 
LICENSING,GP

米国

XBOX 360 PUBLISHER
LICENSE AGREEMENT

家庭用ゲーム機「Xbox 360」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

平成18年5月4日より
平成29年12月31日

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

Wiiライセンス/製造委託契約

家庭用ゲーム機「Wii」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与およびゲームソフトウェアを記録したディスクの製造の委託

平成19年4月6日より
1ヵ年以後自動更新

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

ニンテンドー3DSライセンス/製造委託契約

携帯液晶ゲーム機「ニンテンドー3DS」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

平成22年12月1日より
1ヵ年以後自動更新

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

Wii U プラットフォームライセンス契約書

家庭用ゲーム機「Wii U」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与およびゲームソフトウェアを記録したディスクの製造の委託、ダウンロード形式による販売・頒布委託

平成24年10月25日より
3ヵ年以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

MICROSOFT
LICENSING,GP

米国

XBOX ONE PUBLISHER LICENSE AGREEMENT

家庭用ゲーム機「Xbox One」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

平成25年10月1日より
平成28年12月31日

㈱カプコン

㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント

日本

PlayStation Global Developer & Publisher Agreement

全てのPlayStationフォーマット向けゲームソフトの開発・製造・発行・頒布・供給・販売・貸与・市販・広告宣伝・販促等に関する商標権および技術情報の供与

平成25年11月15日より
平成31年3月31日
以後1ヵ年毎の自動更新

 

(注)㈱ソニー・コンピュータエンタテインメントは、平成28年4月1日付にて㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメントに商号変更しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社および連結子会社)は、コンピュータを介した「遊文化」をクリエイトすることにより、社会の安定発展に寄与し、「遊びの社会性」を高めるハイテク企業を志向しております。そのため、時代の変化や価値観の変化を先取りし、市場のニーズに合った新商品を開発することが当社の根幹事業であると認識し、研究開発に重点をおいております。

研究開発活動は、デジタルコンテンツ事業およびアミューズメント機器事業で行っており、当連結会計年度末現在の研究開発要員は2,052名、従業員の72%になっております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発投資額は、272億55百万円(消費税等抜き)で、売上比35.4%であります。なお、研究開発投資額にはコンテンツ部分の金額を含めて記載しております。一般管理費に含まれる研究開発費は10億73百万円で、売上比1.4%であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) デジタルコンテンツ事業

当事業における当社グループのゲームソフト開発・市場投入実績は以下のとおりです。
 まず、2015年のモンスターハンターシリーズの新作「モンスターハンタークロス」(ニンテンドー3DSシリーズ用)を開発し、安定した人気に支えられ好評を博しました。他にもニンテンドー3DSタイトルとしましては、モンスターハンターシリーズのスピンオフタイトル「モンハン日記 ぽかぽかアイルー村」や、ロックマンシリーズの人気タイトルをリメイクした「ロックマン クラシックスコレクション」、また逆転裁判の新シリーズとして「大逆転裁判-成歩堂龍之介の冒險-」を開発いたしました。
 マルチプラットフォームタイトルとしましては、バイオハザードシリーズのリメイクタイトルとして「バイオハザード0 HDリマスター」(プレイステーション 4、プレイステーション 3、Xbox One、Xbox 360、パソコン用)を開発し好評を博したほか、過去タイトルのプレイステーション 4、Xbox One対応を進め、「デビル メイ クライ4 スペシャルエディション」、「バイオハザード6」を開発いたしました。他にも人気アクションシリーズの最新作として「戦国BASARA4 皇」(プレイステーション 4、プレイステーション 3用)、ストリートファイターシリーズの最新作として「ストリートファイターⅤ」(プレイステーション 4、パソコン用)を開発いたしました。

日本国内オンラインゲーム市場向けにつきましては、運営サービスを行っております「モンスターハンター フロンティア G」等における追加コンテンツの継続開発を行い、投入いたしました。また、新規に「ドラゴンズドグマ オンライン」(パソコン、プレイステーション 4、プレイステーション 3用)を開発し、サービスを開始いたしましたところ、サービス開始からわずか10日間で累計100万ダウンロードを達成するなど注目を浴びました。そのほか、パソコン向けならびにスマートフォン(アンドロイド)向け「ブレスオブファイア6」を開発し、サービスを開始いたしました。海外オンラインゲーム市場向けにつきましては、テンセント社との協業で「モンスターハンター オンライン」「モンスターハンター メゼポルタ開拓記(簡体中文版)」の開発を行い、中国市場においてモンスターハンターシリーズの存在感を高めることができました。そのほか、台湾においてパソコン向け「モンスターハンター フロンティア G(繁体中文版)」の追加コンテンツの継続開発を行い、投入いたしましたほか、新たにプレイステーション 3ならびにプレイステーション Vitaでのサービスを開始いたしました。

ソーシャルゲーム市場向けにつきましては、GREEプラットホームではGrani社との共同開発を行いました「モンスターハンター ロア オブ カード」における追加コンテンツの継続開発を行い、投下いたしました。日本国内スマートフォン向けアプリにおきましてはハンティングアクションゲーム「モンスターハンター エクスプロア」を開発し、新たにサービスを開始いたしましたところ、サービス開始3ヶ月目となる12月に累計350万ダウンロードを達成し、好評を博しております。そのほか、「モンハン 大狩猟クエスト」「ストリートファイター バトルコンビネーション」等における追加コンテンツの継続開発を行い、投下いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は239億79百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は10億26百万円であります。

 

 

(2) アミューズメント機器事業

PS開発部門の遊技機筐体事業におきましては、パチスロ遊技機「バイオハザード6」「アスラズ ラース」を開発いたしました。
 「バイオハザード6」では、好評を博しましたバイオハザードシリーズの第2弾として、前回を凌ぐ恐怖演出や臨場感を再現し、サバイバルホラーの世界観を楽しむことができます。
 また、「アスラズ ラース」では、「神vs神」による怒迫力の戦闘シーンをゲームシステムに連動させ、ハイクオリティな映像演出により緊張と興奮を存分に体感いただけます。
 ソフトウェア受託事業におきましては、パチスロ遊技機「鬼武者3時空天翔」を開発いたしました。
 鬼武者シリーズとして、前作「新鬼武者」を遥かに凌ぐ映像演出で、ゲーム同様に時空を越えた迫力のある演出と世界観を存分に楽しむことができます。

業務用機器販売事業につきましては、当社としては初となる音楽ゲーム「クロスビーツレヴ」を開発・販売を行いました。また、新感覚シューティングゲーム「ルイージマンション アーケード」を開発し、セガ社より販売いたしました。両タイトルにおいて当社もレベニューシェアモデルに新規参入いたしました。なお、「ルイージマンション アーケード」については、セガアミューズメントインターナショナル社をつうじて欧米での販売を開始しております。

当事業に係る研究開発投資額は32億75百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は47百万円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報や合理的判断の根拠とする一定の前提条件に基づいて当社グループが判断したものであります。実際の業績等は今後の様々な要因によって、これら見通しとは大きく変動する場合があります。

 

(1) 財政状態の分析

 

(資産)

資産につきましては、前連結会計年度末に比べ122億84百万円増加し1,130億57百万円となりました。
 主な増加は、「ゲームソフト仕掛品」79億91百万円および「建物及び構築物」51億61百万円によるものであります。

 

(負債)

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ84億46百万円増加し378億88百万円となりました。
 主な増加は、「未払法人税等」56億46百万円および「長期借入金」35億71百万円であり、主な減少は、「短期借入金」19億55百万円によるものであります。

 

(純資産)

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ38億37百万円増加し751億68百万円となりました。
 主な増加は、「親会社株主に帰属する当期純利益」77億45百万円であり、主な減少は、「為替換算調整勘定(海外連結子会社等の純資産の為替換算に係るもの)」の変動14億94百万円および「剰余金の配当」22億49百万円によるものであります。

 

(2) キャッシュ・フローの分析

 

キャッシュ・フローの分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

(3) 経営成績の分析

 

当連結会計年度の売上高は、「モンスターハンタークロス」(ニンテンドー3DSシリーズ用)が当初計画250万本を上回る300万本を突破する大ヒットなどにより、前連結会計年度に比べ127億44百万円増加し770億21百万円となりました。

営業利益は前連結会計年度に比べ14億47百万円増加の120億29百万円、経常利益も前連結会計年度に比べ4億96百万円増加の113億48百万円、親会社株主に帰属する当期純利益も前連結会計年度に比べ11億28百万円増加の77億45百万円と、いずれも増益となりました。

 

 

(4) 今後の見通しについて

 

今後の見通しといたしましては、当業界は参入障壁が低いモバイルゲームの成長により市場規模は拡大基調で推移する一方、主導権を巡って激烈なサバイバルレースが繰り広げられるなど、競争環境は一段と厳しくなることが予想されます。
 業界の構造的転換が進む状況下、当社は経営資源を基幹部門である家庭用ゲームソフトの開発に集中するほか、低迷状態が続いているモバイルコンテンツのテコ入れを図るため、日米開発体制の一本化による立て直しや中期的な開発マップに基づく商品ラインアップを拡充してまいります。また、ゲーム配信後の最適な運営や管理ノウハウの蓄積に加え、幅広いユーザーに対応した訴求コンテンツの投入など、顧客満足度の向上により利用者の増加に努めてまいります。
 さらに、販売形態の多様化に伴う収益源の多角化や在庫負担、物流コストの縮減を図るため、「売り切り型」のパッケージ販売以外に利幅が大きいダウンロード版の拡大を推進してまいります。また、持続的な成長を実現するためには、市場規模が大きい海外でのビジネス拡大が不可欠でありますが、近年オンラインゲームが普及しているアジアでの積極展開を図るため、同地域を管轄する事業部門を新たに立ち上げました。
 加えて、当社との提携によるテンセント社配信の「モンスターハンターオンライン」が健闘したことを足掛かりに、成長余力がある中国市場において当社ブランドの浸透を図るなど、本格的展開によりビジネスチャンスを切り開いてまいります。
 他方、今年の4月から女性活躍推進法が施行されたことに鑑み、事業所内保育所の設置等、働きやすい職場づくりにより女性活躍を一層推し進めるとともに、平成33年度までに女性従業員の当社管理職比率15%の達成に向けて、さらなる社内環境の整備に取り組んでまいります。
 次期の商品戦略といたしましては、下期の本格的攻勢に向けた前哨戦として真田幸村にスポットを当てた「戦国BASARA 真田幸村伝」(プレイステーション 4、プレイステーション 3用)や今年3月にシリーズ発売20周年を迎えた「バイオハザード アンブレラコア」(プレイステーション 4、パソコン用)に加え、「逆転裁判6」(ニンテンドー3DSシリーズ用)や「モンスターハンター ストーリーズ」(ニンテンドー3DSシリーズ用)などを投入する予定であります。