第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針・経営戦略等

①会社の経営の基本方針

当社グループは、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企業」を経営理念としております。また、当社株主、顧客および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めるとともに、共存共栄を基軸とした経営展開を図っております。

 

②中長期的な会社の経営戦略

成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しており、以下の重点施策により業績の向上に邁進してまいります。

 

ア.セグメントの取組み

(ア)デジタルコンテンツ事業

㋐当期の増益要因の一つは、ダウンロード販売の拡大によるものですが、これからもインターネット環境の進展等、デジタル化の流れによりパッケージ販売からダウンロード販売への転換を加速してまいります。

㋑ダウンロード販売は、ディスクや包装容器の製造費用が不要となることに加え、流通コストや在庫リスクを軽減できるほか、販売時期や販売地域に応じて価格を弾力的に設定できます。また、違法コピーや中古販売も極少するとともに、長期間にわたる販売が可能となるため、毎期安定した利益を確保することができます。

㋒デジタルマーケティングに基づきユーザーのプレイ履歴を一元管理し、顧客の嗜好を分析、予測するほか、市場ニーズに対応した開発や多様な顧客動向に即応したデジタル展開により販売価格をリアルタイムに変えるなど、効率的な販促活動を進めてまいります。

㋓デジタル戦略を推進するためには、利用者勧誘等のためのマーケティングが不可欠なため、プレイ履歴の的確な分析、行動予測など最新のテクノロジーを駆使できる専門知識や高いスキルを有するデジタル人材の確保が重要となります。このため、当該人材を外部から獲得するほか、社内研修や実践教育などにより必要な人材の育成、レベルアップに取り組んでまいります。

(イ)アミューズメント施設事業

近年、アミューズメント施設は「安・近・短」の身近な娯楽施設として見直されております。こうした環境のもと、「地域一番店」を旗印に一定の集客が見込まれる大型商業施設への出店を中心とした店舗展開を推進するとともに、家庭用ゲームやスマートフォンなどでは味わえない「景品獲得ゲーム」、「写真シール機(プリクラ等)」や「メダルゲーム」などにより、コアユーザーの若者を囲い込むほか、中高年齢者を対象にした「ゲーム無料体験ツアー」の実施や幼児向け「キッズコーナー」の設置等により新規ユーザーの開拓など、広範な利用者の増加に努め、毎期安定した収益を確保してまいります。

(ウ)アミューズメント機器事業

パチスロ機部門は、型式試験方法の影響などによる遊技人口の減少や顧客の投資抑制等により市場規模が縮小スパイラルに陥るなど、構造的な変化の波が押し寄せています。こうした環境の影響により同部門は、近年苦戦を強いられていますが、局面打開を図るため組織改革に加え、ユーザー嗜好に対応した商品の開発や業務提携による商品ラインアップの拡充を行うとともに、環境の変化に対応して事業構成を見直すなど、事業の再構築により現状を打破し、回復軌道に乗せてまいります。

イ.eスポーツ事業の強化

(ア)昨年の茨城国体において国体史上初となるeスポーツ大会が行われたほか、2022年開催の中国・杭州のアジア競技大会では、eスポーツが正式種目になる予定であり、様々な活性化策により、今後ますます注目を集めるものと思われます。

(イ)eスポーツは、「5G」向けのコンテンツとしても注目を浴びており、海外に先行された日本でもプロスポーツチームが参加するリーグの立ち上げや大手企業等がスポンサーになる動きが広がるなど、業界の垣根を超えた異業種からの参入等により、急速に盛り上がっております。

 

(ウ)当社は、長年にわたり米国現地法人を通じて「Capcom Pro Tour」を開催するなど、eスポーツに関する豊富な経験や運営ノウハウを蓄積しているため、新規事業の開拓に向けて経営資源を投入しております。

(エ)一方で、黎明期の国内は種をまいている段階であり、クリアすべき法規制やプロゲーマーの育成等、環境の整備や克服すべき課題もあります。このため、本事業をマネタイズ(収益化)するためには、中長期的な観点からビジネスモデルを構築する必要があり、本格的な収穫の時期を迎えるには、まだ一定期間を要するものと思われます。

ウ.グローバル展開の拡大

(ア)国内市場の成熟化に伴い成長戦略を推進していくためには、海外市場の開拓が不可欠であります。

(イ)当社は、これまでハリウッドで映画化された「ストリートファイター」や「バイオハザード」など、欧米でヒット作を続出させたことにより、海外で人気のあるブランドタイトルを多数保有しており、世界有数のコンテンツホルダーであります。

(ウ)近年は、「モンスターハンター:ワールド」の大ヒットにより海外における当社のプレゼンスは着実に高まっておりますが、「カプコンブランド」を一層浸透させることにより欧米のほか、現地法人の再編等により今後も成長が見込まれるアジア地域での販売拡充に注力するとともに、南米等の新規市場の開拓を進めるなど、積極的な海外展開により、商機の拡大を図ってまいります。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

経営指標としては利益の確保に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

 

(3) 経営環境および対処すべき課題

①経営環境

当業界は「5G」の商用サービスが今年から国内でも開始されたことに伴い、高速大容量かつ低遅延の通信が可能となるため、スマートフォンでも高精細で多数のユーザーが同時にプレイできるクラウドゲームの登場が予定されるなど、選択肢が多様化するものと思われます。また、異業種企業からの本格的な市場参入も想定されるなど、新たなビジネスチャンスを巡って地殻変動の波が押し寄せてまいりました。

 

②優先的に取組む課題

業界を取り巻く環境が急激に変化する状況下、当社は経営の根幹をなす家庭用ゲームソフトの開発に注力するため優秀な人材の確保、育成により開発陣の充実を図ることに加え、ダウンロード販売の拡大など、採算性が高いデジタル戦略を推進するほか、マネジメント体制の強化により競争優位性を構築し、毎期安定した収益が確保できるよう努めてまいります。また、国内市場は成熟化傾向や少子高齢化が進む状況下、成長シナリオを実現するためには海外展開の拡充が不可欠であります。このため、主戦場である欧米に加え、成長著しいアジアにおいて、海外で人気があるコンテンツの投入により顧客満足度の向上を図るとともに、販売シェアの増大によりアドバンテージを築いてまいります。

さらに、将来の成長戦略の一つと位置付けているeスポーツビジネスにつきましては、プロ選手を養成する「eスポーツアカデミー」(仮称)の創設や地方チーム、女性リーグの設立を計画するなど、市場拡大を見据えて人材や資金の投入により地固めを行ってまいります。また、環境の変化に対応した組織改革を行うほか、成長分野への集中投資や不採算事業の見直しなど、選択と集中による経営資源の効率的な配分により、事業ポートフォリオの最適化を目指すとともに、企業価値の向上に傾注してまいります。

 

 

③対処すべき課題にかかる取組み

前記(3)②を推進するため、前記(1)②や以下の当社の強みなどを活かして、持続的な成長に努めてまいります。

 

ア.当社の強み

(ア)強力な開発体制

当社は、顧客満足度を高めた魅力的なコンテンツの開発により、毎期ミリオンタイトルを輩出しており、開発体制は厚みを増しています。また、中期的な開発マップに基づき経営資源を家庭用ゲームの開発に傾注するとともに、内作比率の向上により市場ニーズに対応した多様なコンテンツを開発し、競争力を高めてまいります。このため、開発人員の増強および開発環境の整備などを通じて、開発期間の短縮や開発コストの抑制等により収益管理の強化を図るなど、コア・コンピタンス(中核的競争力)である開発体制の拡充に取り組んでおります。

(イ)IP(知的財産)を活用したワンコンテンツ・マルチユース展開

当社は、数多くのミリオンタイトルを輩出した結果、豊富なコンテンツ資産を保有しております。これら人気タイトルとのシナジー展開により映画、アニメ、玩具および飲食品などにおいて、認知度の高いゲームキャラクターが各方面で活用されており、ライセンスビジネスによる収益源の多角化は、毎期安定した利益を確保しております。

今年は、当社の「モンスターハンター」を題材にしたハリウッド映画の世界公開が予定されておりますが、今後も映画、テレビ等とのメディアミックス展開により、カプコンのブランド価値を高め、バリューチェーン(価値の連鎖)を創出してまいります。

(ウ)マルチプラットフォーム展開

プレイステーション 4、Xbox One、Nintendo Switchやパソコンなど、異なるハードの開発ツールを共通化できる当社独自のゲームエンジン(開発統合環境)である「REエンジン」や「MTフレームワーク」を活用して、同じソフトを複数のハードに供給するマルチプラットフォーム展開により売上増大や収益向上に寄与しております。

 

イ.情報セキュリティの強化

近年の個人情報管理体制等の重要性に鑑み、情報漏洩の未然防止やEUの「一般データ保護規則(GDPR)」対応など、国内外の様々なサイバーリスクの対策が不可欠です。この一環としてコンピュータウイルスや不正アクセスなど、外部からのサイバー攻撃による情報システムの機能不全や混乱を防ぐため、専門知識を有する人材の確保、育成や社内教育の徹底、定期的なチェックなどにより、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでまいります。

 

ウ.事業継続性の確保

近年は、台風や地震など大規模な自然災害が全国各地で発生しておりますが、各種の緊急事態が起きた場合において、迅速かつ適切な対応を図ることにより被害、損失や重要業務への影響を最小限に抑えるとともに、早期復旧により事業活動が継続できるよう、危機管理体制の強化を推し進めてまいります。

また、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発出によりアミューズメント施設事業、アミューズメント機器事業および在宅勤務によるコンテンツ制作業務への影響が懸念されます。

中でもアミューズメント施設事業におきましては、一定期間の店舗休業による減収が想定されることに加え、アミューズメント機器事業も販売先であるホールオペレーターの営業自粛により需要減退を注視する必要があります。他方、コンテンツ制作業務につきましては、開発プロセスの見直し等、創意工夫や英知を結集して影響の極小化に努めてまいります。

一方、基軸部門のデジタルコンテンツ事業におきましては、近年、積極的に推進してまいりましたデジタル販売が奏功しているため、全世界の小売店が営業自粛の状況下においても継続的な業績貢献が期待されます。

当社としましては、新型コロナウイルスによる事業環境変化に留意しつつ、引き続き強固な経営基盤の構築に注力してまいります。

 

 

エ.人事戦略

(ア)当社のようなゲームソフト会社にとって従業員は、まさに「人財」であり重要な経営資源と認識するとともに、持続的な成長を進めるためには、優秀な人材の育成、確保が不可欠であります。このため、部長研修、管理職候補者研修や新人研修などの階層別研修を充実させるとともに、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等により士気の高揚や潜在能力が顕在化できるよう努めております。

(イ)多様な人材を活用するため、ダイバーシティ(多様性)を推進するとともに、性別、国籍、年齢等に関係なく採用、評価等を行っており、先進的かつ独創性のある人材発掘などに注力しております。

 

オ.資本政策の基本方針

(ア)配当政策

経営指標の一つである連結配当性向は、30%を基本方針としており、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

(イ)自己株式の取得

経営環境の変化や財務内容等を勘案し、株主価値の向上に資すると判断できる場合は、機動的に自己株式の取得を行ってまいります。

(ウ)総還元性向

株主還元の度合いを示す総還元性向[(配当金+自己株式取得総額)÷当期純利益]にも留意しており、バランスの取れた資本戦略により市場の信頼獲得に努めてまいります。

 

カ.政策保有株式の基本方針

(ア)政策保有株式については、継続的取引関係がある企業との関係強化、緊密化を図る一方で、慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除するとともに、将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するかどうかなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、最小限に留めており期末現在で3銘柄のみ保有しています。

(イ)当該保有株式に関しては、取引内容や取引金額などを参酌するとともに、継続して保有することに伴う便益や株価変動リスクなどを検証しております。この結果、簿価が50%以上下落するなど持続して保有する経済合理性が乏しいと判断した場合は、経済情勢等を勘案のうえ、当該保有先との対話を経て、適切な時期に削減や売却を行います。

(ウ)議決権行使については、取引先の経営状況や重大な不祥事などを総合的に勘案のうえ、社内手続きを経て議案ごとに賛否を決定しております

 

キ.株主、機関投資家等との建設的な対話

当社は、経営方針や成長戦略等について理解促進を図るため、毎年、株主や機関投資家などと積極的に対話(面談)を行うとともに、株主、機関投資家、顧客などステークホルダーの皆様のご期待に添うよう努めております。また、統合報告書や当社のウェブサイトなどを通じて株主総会や決算内容等の情報を提供していることに加え、「カプコンIRサイト」においても最新の情報発信を行うほか、ご要望ご質問などに対して迅速かつ、適切に対応するよう心掛けています。

 

ク.IR・SR活動

当社は、時勢に先んじてIR・SR活動に注力しており、毎年350件を超える株主や機関投資家の訪問、来訪に加え、トップマネジメントミーティングや決算説明会などを通じて経営方針や財務情報等を語ることにより信頼関係を築き、カプコンファンの増大を図っております。

当期は、外部から主に以下の評価を得ることができました。

統合報告書

GPIFの国内株式運用機関が選ぶ「優れた統合報告書」に選定

日本経済新聞社「第22回 日経アニュアルリポートアウォード」優秀賞

IRサイト

大和インベスター・リレーションズ株式会社 2019年「インターネットIR表彰」最優秀賞

日興アイ・アール株式会社「2019年度 全上場企業ホームページ充実度ランキング」最優秀サイト

モーニングスター株式会社 ゴメス・コンサルティング事業部
「Gomez IRサイトランキング2019」総合ランキング第2位

 

 

 

ケ.ESGの取組み

ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、統治(Governance)の頭文字を取ったものです。当社は、良き企業市民として社会的責任を果すためESGの観点から環境(LED照明への切り替えによるCO₂排出の抑制、取扱説明書などの電子化による紙資源の削減等)、社会(子供達を対象にした出前授業、当社のゲームやeスポーツ事業を活用した地方創生等)および統治(社外取締役比率の向上、女性、外国人を活用したダイバーシティの推進、指名・報酬委員会の設置等)を勘案した経営戦略を推進しており、ステークホルダーの皆様(株主、投資家、顧客、取引先、債権者、従業員、地域社会等)との信頼を構築することにより企業価値の向上に努めております。

 

コ.SDGsとESGの関係

SDGsとは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略称で、国連が定めた2016年から2030年までの15年間で世界が達成すべき持続可能な開発目標(17の目標)であります。ESGは、現状から改善策を実行するフォア・キャスティング型となっております。これに対して、SDGsは将来から逆算して必要な施策を設定、実施するバック・キャスティング型となっており、環境、経済、社会の3要素から構成され、ESGと関連性も高く包含する側面も有しております。これらは、総花的に取り組むのではなく、当社の事業や実態に応じた活動を進めております。この一環として、デジタル販売促進による廃棄プラスチックの削減(ディスク、包装容器の廃止等)、働きがいのある職場環境(事業所内保育所の設置等)、子供の虐待防止活動への支援(当該団体、施設等への寄付金の支出等)、従業員の健康維持、増進(長時間労働の削減を図るため有給休暇促進策の実施)などを推進しております。

 

サ.その他企業集団の現況に関する重要な事項

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言を受け、在宅勤務等の要請が出されたことに鑑み、従業員や取引先等の感染防止策を一層推進するためおおむね緊急事態宣言期間中は全ての事業所を閉鎖し、全従業員(一部の事業継続要員を除く)を対象に在宅勤務を実施しております。

 

(4) 株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針の内容の概要およびその実現に資する取組み

 

①当社グループの企業価値の源泉について

当社グループは、家庭用ゲームソフトの開発・販売を中核に、モバイルコンテンツの開発・配信、アミューズメント施設の運営、アミューズメント機器の開発・製造・販売、その他コンテンツビジネスの展開を行っております。

また、企業価値の源泉である開発部門の拡充、機動的なマーケティング戦略および販売体制の強化に加え、コンテンツの充実やグループ全体の効率的な事業展開、財務構造の改革、執行役員制の導入、経営と執行の役割明確化による意思決定の迅速化など、経営全般にわたる構造改革を推し進めることにより、企業価値の向上に努めております。

②当社グループの企業価値の向上の取組みについて

当業界は、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)の登場やeスポーツが脚光を浴びるなど、急速な技術革新や事業領域の多様化等により市場環境が変化するとともに、競争環境は一段と厳しくなっております。

業界の構造的な変化が進む状況下、当社グループが生存競争を勝ち抜いていくためには、経営環境の変化に対応できる体制作りが、最重要課題と認識しております。

今後さらなる成長のため、戦略目標を推進、実現することにより企業価値の向上に努めてまいります。

③不適切な大規模買付行為を防止するための取組み

当社は、不適切な大規模買付行為を防止するための具体的な対応策(買収防衛策)を導入しておりません。このため、当社株式の大規模買付を行おうとする者が出現した場合は、大規模買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するための必要かつ十分な情報の提供を法令の許容する範囲内において求めるとともに、当社取締役会の意見等を開示するほか、株主の皆様の検討のための時間の確保に努めるなど、適切な処置を講じることに加え、より一層企業価値および株主共同の利益の確保・向上に取り組んでまいります。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社は、今後想定し得る様々な危機の未然防止や不測の事態が発生した場合などに備え、適正な対応を図ることにより被害、損失や信頼失墜を最小限に食い止めるため、「危機管理規程」等により組織横断的なリスク管理体制が機能するよう努めております。当社経営陣が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。因みに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う影響につきましては、正負の両面があり、店舗の休業を余儀なくされているアミューズメント施設事業や需要減退が予想されるアミューズメント機器事業は、減収を避けられない状況であります。一方で、近年の過去最高益更新のけん引役を果してきた基幹部門のデジタルコンテンツ事業が、引き続き好調に推移することが見込まれるため、両事業の落ち込みを穴埋めすることが可能であります。

なお、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) デジタルコンテンツ事業に関するリスク

① 開発費の高騰化

近年、家庭用ゲーム機はコンピュータグラフィック技術やVR(仮想現実)技術、AI(人工知能)技術、インターネット機能の取り込みなどにより、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のソフトにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。対応策として自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティ向上と開発効率化を両立、開発費の抑制に注力しております。

 

② ゲームソフトの陳腐化について

ゲームの主なユーザーは子供や若者が多いうえ、スマートフォンやインターネットなど顧客層が重なる業種との競争も激化しております。近年はダウンロード販売が拡大しているものの、商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。対応策として過去作のリメイクや派生作品の投入により、有力IPを継続的に活用、長期的な収益確保に努めております。

 

③ 人気シリーズへの依存について

当社は多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、今後の事業戦略ならびに当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 暴力シーン等の描写について

当社の人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、少年犯罪が起きた場合は往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策としてゲームソフトの年齢別レーティング制度のルール遵守や、出前授業や企業訪問受け入れによる児童、生徒、学校関係者や保護者への啓蒙に努めております。

 

⑤ 季節要因による変動

ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、第1四半期が相対的に盛り上がりを欠く傾向にあるなど、四半期ごとに業績が大幅に振れる可能性があります。

 

 

⑥ 家庭用ゲーム機の普及動向について

当社の家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機向けに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機に不具合が生じた場合、事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として家庭用ゲーム機市場の調査・分析による将来の見通しの予測に加え、マルチプラットフォーム展開により収益リスクを分散しております。

 

⑦ 家庭用ゲーム機会社との許諾契約について

当社は、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機に供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売に関する許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、今後の開発戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 家庭用ゲーム機の更新について

家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策としてデジタル比率向上によるゲーム販売期間の長期化、リピート販売の強化と柔軟な価格施策による販売数の増加を図っております。

 

⑨ モバイルゲーム市場について

近年、市場はスマートフォン等のモバイル端末が普及しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策としてゲームのマルチプラットフォーム展開により、人気IPを活用したゲームの供給および新たなユーザー層の獲得に努めております。

 

(2) その他の事業に関するリスク

① アミューズメント施設事業

設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策としてテーマ型フード店舗、キャラクターグッズに特化した店舗、低年齢層向けコーナーなどの多面的な展開に加え、各種イベントによるファミリーや女性層の集客、中高年齢者の集客を目的としたシニアイベントを行っております。

 

② アミューズメント機器事業

パチスロ機は、少数の取引先のみに販売しているうえ、アミューズメント機器事業に占める売上依存度も近年は大半を占めております。また、当該取引先には、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売り上げが大きく左右される場合があります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として日本電動式遊技機工業協同組合への加盟により、規制当局の動向の把握と規制の変化に即応する体制の構築に努めております。

 

 

(3) 海外事業について

① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、今後の事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として海外子会社や販社との情報共有を密にし、各国の市場動向把握と、現地のニーズに対応した販売展開を行っております。また、社内の専門チームによる、カントリーリスクに配慮したローカライズを実施しております。

 

② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財政状態および経営成績に関するリスク

① 当社の主要な事業である家庭用ゲームソフトは、ダウンロード版が伸長しているものの、総じて商品寿命が短いため、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 開発技術のリスク

家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速く、日進月歩で進化しており、対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。対応策として最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。

 

(6) 規制に関わるリスク

アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社の事業計画が阻害される恐れがあり、当該事業や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 知的財産権に関するリスク

ゲームソフトやパチスロ機等の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社が知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社が侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 訴訟等に関するリスク

当社は、これまでに著作権侵害等で提訴した場合や他に訴訟を受けたことがあります。また、今後も事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(9) 情報漏洩によるリスク

当社の想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 人材の育成と確保

「事業は人なり」と言われるように、会社の将来と発展のためには、有能な従業員の確保が不可欠であります。このため、当社グループは優秀な人材を採用し、育成、確保に努めるほか、時短勤務制度、有休取得推進制度の促進や事業所内保育所の設置などにより働きやすい環境作りを行っております。しかしながら、ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(11) 不測の事態の発生によるリスク

台風、地震、津波等の自然災害や疾病、パンデミックの発生、蔓延等による社会不安、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における当業界は、次世代通信規格「5G」の商用サービスが始まるなど、通信環境の進展を背景に米国のアップルが定額サービスの「アップルアーケード」をスタートしたことに加え、同じくグーグルもクラウド経由のゲーム配信サービスを開始するなど、大手IT企業の相次ぐ参入により、新たなうねりが出てまいりました。

このような状況のもと、当社は競争力の源泉である家庭用ゲームソフトの開発、販売に経営資源を集中するとともに、開発人員の増強や開発環境の整備など、開発体制の充実強化に努めてまいりました。こうした中、当期の主力タイトル「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)が安定した人気に支えられ全世界で500万本を販売しました。加えて、大型のリピートタイトルが海外を中心に人気が持続したほか、好採算のダウンロード販売が拡大したことにより収益向上に貢献しました。

また、マルチプラットフォーム展開を推し進めるため、サブスクリプションサービス型(定額制)の「アップルアーケード」向けに、新作タイトル「深世海 Into the Depths」の供給を開始いたしました。さらに、将来の成長が期待されるeスポーツビジネスを軌道に乗せるため、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP operated by RAGE」を開催したほか、米国でも「Capcom Pro Tour」の世界決勝大会「CAPCOM CUP 2019」を実施するなど、新たな事業モデルの構築に向けて注力してまいりました。

この結果、売上高は、主な販売形態をパッケージ版からダウンロード版に転換したことなどもあって815億91百万円(前期比18.4%減)と減収になりました。一方、利益面につきましては、ダウンロード販売中心の「モンスターハンターワールド:アイスボーン」のヒットに加え、リピートタイトルにおいても利幅が大きいデジタル販売比率の向上等により営業利益228億27百万円(前期比25.8%増)、経常利益229億57百万円(前期比26.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益159億49百万円(前期比27.1%増)となり、収益構造の見直しが奏功したことにより、前期に引き続きいずれも過去最高益を更新いたしました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルコンテンツ事業)

当事業におきましては、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)が堅調に推移するとともに、採算性が高いダウンロード販売中心の事業展開により、収益アップのけん引役を果しました。また、昨年の「日本ゲーム大賞2019」において優秀賞を受賞した前期発売の「バイオハザード RE:2」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)および同じく「デビル メイ クライ 5」(Xbox One、プレイステーション 4、パソコン用)がユーザー層の拡大により続伸しました。さらに、前々期に発売した「モンスターハンター:ワールド」(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)も息が長い売行きを示したことにより、累計販売本数が1,500万本を達成するなど、リピート販売の健闘により利益を押し上げました。

この結果、売上高はデジタル販売比率の向上により599億42百万円(前期比27.8%減)となりましたが、営業利益につきましては、「モンスターハンターワールド:アイスボーン」やリピートタイトルの寄与などにより241億61百万円(前期比3.6%増)となりました。

 

 

(アミューズメント施設事業)

当事業におきましては、「地域一番店」を旗印に各種イベントの開催やサービスデーの実施など、地域密着型の集客展開により中高年齢者、訪日外国人等の新規顧客の獲得やリピーターの確保のほか、女性、ファミリー層の取り込みを図るなど、広範な客層の囲い込みや需要の掘り起こしに努めてまいりました。

当期は、新機軸展開として当社のオリジナルグッズや限定商品などを取り扱う物販専門店の「カプコンストアトーキョー」を渋谷パルコ(東京都)に出店したほか、「プラサカプコン池袋店」(東京都)および「プラサカプコン藤井寺店」(大阪府)の2店舗をオープンしましたので、施設数は40店舗となっております。

この結果、売上高は120億96百万円(前期比9.5%増)、営業利益は12億11百万円(前期比10.5%増)となりました

 

(アミューズメント機器事業)

近年、パチスロ機市場は、型式試験方法の変更などにより低迷状態が続いてまいりましたが、今年3月に投入した「新鬼武者 DAWN OF DREAMS」が好調に推移したことにより、予想を上回る販売台数を達成するなど、ようやく底を打つとともに、好転の兆しが出てまいりました。

この結果、売上高は65億33百万円(前期比90.9%増)、営業利益は20億85百万円(前期は営業損失26億68百万円)となりました

 

(その他事業)

その他事業につきましては、主なものはライセンス許諾によるロイヤリティ収入やキャラクターグッズなどの物品販売で、売上高は30億18百万円(前期比17.2%増)、営業利益は5億44百万円(前期比32.8%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ200億58百万円増加し1,434億66百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ180億12百万円増加し1,088億29百万円となりました。主な増加の要因は、「現金及び預金」126億53百万円、および「ゲームソフト仕掛品」42億95百万円によるものであります。なお、「現金及び預金」から有利子負債を差し引いたネット・キャッシュは142億32百万円増加し589億21百万円となり、開発投資を支える財務基盤が強化されております。固定資産は、前連結会計年度末に比べ20億46百万円増加し346億36百万円となりました。主な増加の要因は、「繰延税金資産」14億86百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ90億73百万円増加し437億31百万円となりました。主な増加の要因は、「未払法人税等」13億61百万円、「電子記録債務」12億29百万円、および「繰延収益」60億59百万円によるものであり、主な減少の要因は「長期借入金」41億29百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ109億85百万円増加し997億35百万円となりました。主な増加の要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」159億49百万円の計上によるものであります。主な減少の要因は、「剰余金の配当」42億70百万円によるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」228億90百万円(前連結会計年度は177億70百万円)に、「減価償却費」などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減、「法人税等の支払額」などが増減した結果、222億79百万円の収入(前連結会計年度は198億47百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」および「定期預金の預入による支出」等により、84億37百万円の支出(前連結会計年度は22億61百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、「配当金の支払額」等により、63億51百万円の支出(前連結会計年度は114億43百万円の支出)となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は66億67百万円増加596億72百万円となりました。

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

17,933

72.8

アミューズメント機器事業

3,884

86.7

合計

21,817

75.0

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

59,942

72.2

アミューズメント施設事業

12,096

109.5

アミューズメント機器事業

6,533

190.9

その他

3,018

117.2

合計

81,591

81.6

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
なお、前連結会計年度における株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントおよびValve Corporationについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

8,583

10.5

Valve Corporation

12,688

15.6

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」をご参照ください。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(退職給付に係る負債)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な見積りを加味して計上しております。これらの前提条件が変更された場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大に伴う影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況  1  連結財務諸表等  (1)連結財務諸表  注記事項(追加情報)」および「第5 経理の状況  2  財務諸表等  (1)財務諸表  注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の事業全体およびセグメントごとの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当連結会計年度末における自己資本比率は69.5%(前期比2.4%減)と減少したものの、ROE(自己資本利益率)は16.9%(前期比2.5%増)と向上いたしました。当社は、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、安定的に向上させることができました。

なお、新型コロナウィルス感染症拡大による、当連結会計年度末における影響は軽微であります。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社は経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。

当社の営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の増加による成長および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

 

 

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

売上高
(百万円)

77,021

87,170

13.2

94,515

8.4

100,031

5.8

81,591

△18.4

営業利益
(百万円)

12,029

13,650

13.5

16,037

17.5

18,144

13.1

22,827

25.8

営業利益率
(%)

15.6

15.7

17.0

18.1

28.0

 

キャッシュ・フローにつきましては、当社は、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当期末の残高は58,921百万円(前年度より14,232百万円増)となっており、手元流動性の拡大による財務健全性の向上をはかり、経営の安定性を高めております。

当社は、これらの指標を改善すれば、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社のROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」をご参照ください。

当社は、また、投資による成長などによる安定的な企業価値の向上とともに、長期株主への安定的な増配による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は30.1%と安定配当を継続して行っております。

 

2016年3月

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

連結配当性向(%)

29.0

31.2

30.0

30.3

30.1

 

 なお、機動的な自己株式の取得を実施することにより、一株当たり利益の価値を高めることも当社の株式の価値を高め、株主への還元に資する重要な方針の一つとして考えており、当期の株主総利回りは296.8%と比較指標である配当込みTOPIXの101.8%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」をご参照ください。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、タイトルラインアップの拡充や新たな技術への対応に加え、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。したがいまして、当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計283億47百万円の80%強に相当する242億65百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。

ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な現行機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルの開発期間は2年以上を要することに加え、ダウンロードコンテンツ販売の浸透により販売期間も長期化しており、投資を回収するまでの期間も長期化しております。さらに、発売後の定期的なバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。

当社は、財務基盤を強化するとともに、成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで保有しておくべき現預金水準を設定し、これを手元現金と貸出コミットメントライン契約等で補完し、適正レンジで維持しております。

なお、配当を含めました当期の資金流動につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は66億67百万円増加596億72百万円となりました。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループが許諾を受けている重要な契約の状況

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

Nintendo
Switch Content
License and
Distribution Agreement

家庭用ゲーム機「Nintendo
Switch」向けゲームソフトの
開発・広告宣伝・販売・頒布に関する知的財産権等の供与、ゲームソフトウェアの配信委託、及び販売・頒布に関する条件設定

2017年4月1日より3ヵ年
以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

MICROSOFT
LICENSING,GP

米国

XBOX ONE PUBLISHER LICENSE AGREEMENT

家庭用ゲーム機「Xbox One」向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

2013年10月1日より
2018年3月31日
以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント

日本

PlayStation Global Developer & Publisher Agreement

全てのPlayStationフォーマット向けゲームソフトの開発・製造・発行・頒布・供給・販売・貸与・市販・広告宣伝・販促等に関する商標権および技術情報の供与

2013年11月15日より
2019年3月31日
以後1ヵ年毎の自動更新

 

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、コンピュータを介した「遊文化」をクリエイトすることにより、社会の安定発展に寄与し、「遊びの社会性」を高めるハイテク企業を志向しております。そのため、時代の変化や価値観の変化を先取りし、市場のニーズに合った新商品を開発することが当社の根幹事業であると認識し、研究開発に重点をおいております。

研究開発活動は、デジタルコンテンツ事業およびアミューズメント機器事業で行っており、当連結会計年度末現在の研究開発要員は2,142名、従業員の72%になっております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発投資額は、25,843百万円(消費税等抜き)で、売上比31.7%であります。なお、研究開発投資額にはコンテンツ部分の金額を含めて記載しております。一般管理費に含まれる研究開発費は1,253百万円で、売上比1.5%であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) デジタルコンテンツ事業

当事業における当社グループのゲームソフト開発・市場投入実績は以下のとおりです。

マルチプラットフォームタイトルにおきましては、2018年1月に発売した「モンスターハンター:ワールド(以下、ワールド)」(プレイステーション4、Xbox One、パソコン用)が当社史上最高の1,550万本の販売を達成いたしました。さらに、この「ワールド」へ新しい物語やモンスター、フィールド、アクションを追加した超大型拡張コンテンツ「モンスターハンターワールド:アイスボーン」(プレイステーション4、Xbox One、パソコン用)を開発し、500万本の販売を達成いたしました。そのほか、ロックマン ゼロ&ゼクスシリーズに新たな要素を追加した「ロックマン ゼロ&ゼクス ダブルヒーローコレクション」(プレイステーション4、Nintendo Switch、Xbox One、パソコン用)を開発いたしました。

新規プラットフォームにおきましては、Apple Inc.が提供を開始したサブスクリプション型の「アップルアーケード」向けに、完全新規IPとして独創性の高い「深世海 Into the Depths」を開発いたしました。当タイトルは、Nintendo Switch向けにも開発いたしました。

Nintendo Switch向けタイトルにおきましては、過去タイトルの移植作品として、バイオハザードシリーズの「バイオハザード0 HDリマスター」「バイオハザード HDリマスター」「バイオハザード4」「バイオハザード5」「バイオハザード6」、デビルメイクライシリーズの「デビルメイクライ」「デビルメイクライ2」「デビルメイクライ 3」、そのほか「ドラゴンズドグマ ダークアリズン」「囚われのパルマ」「囚われのパルマ Refrain」を開発いたしました。

モバイルコンテンツ市場向けタイトルにおきましては、モンスターハンターシリーズの新作「モンスターハンターライダーズ」を開発し、500万ダウンロードを達成いたしました。また、ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社との協業において、「TEPPEN」を共同開発いたしました。そのほか、「戦国BASARA バトルパーティー」や「スヌーピー パズルジャーニー」を開発し、配信を開始いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は24,117百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は1,202百万円であります。

 

(2) アミューズメント機器事業

当事業におきましては、パチスロ遊技機「新鬼武者~DAWN OF DREAMS~」の開発を行い、販売いたしました。当機種は、筐体を刷新し、一から開発を行った最新筐体「DEEP」を使用。15.6inchの大型液晶に映し出されるのは、『アンリアルエンジン4』で描き起こしたハイクオリティ映像となっております。また、映像美のみならず、高性能ウーファー、突風発生ユニットを搭載し、ユーザーに当たりの興奮を体感していただける仕様となっております。ゲームシステムにおいても、新機軸の団体戦バトル「幻魔闘BONUS」をはじめとし、出玉、演出全ての面において極限の期待感を創出した商品となっております。

当事業に係る研究開発投資額は1,726百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は50百万円であります。