第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、多くの人に「感動」を与えるソフト開発をメインとする「感性開発企業」を経営理念としております。また、当社株主、顧客および従業員などステークホルダーの満足度向上や信頼構築に努めるとともに、共存共栄を基軸とした経営展開を図っております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

経営指標として「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

 

(3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略

通信規格の高速大容量化への移行、コンテンツの提供チャネルの増加、デバイスの多様化、グローバルベースでのユーザーの拡大など、大きく環境が変化しつつある状況下、成長シナリオを進めていくためには、環境の変化に影響を受けることなく安定した利益の確保ができる企業体質の確立が経営の重要課題と認識しております。

当社は、IPの積極的な活用により、グローバルでのさらなるブランド価値向上とユーザー数の拡大に努め、主力事業のデジタルコンテンツ事業を成長させ、中期経営目標の「毎期10%営業利益増益」の達成に取り組んでまいります。

具体的には、開発人員の増強と開発環境の整備を図り、主要IPの活用と新規IPの創出によりパイプラインの拡充に努めてまいります。また、新作タイトルの継続的な投入とリピートタイトルのデジタル販売強化により、総販売本数の増加に注力してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

上記(3)を推進するため、以下の課題に取り組んでまいります。

①次期の事業別戦略

次期においても新型コロナウイルス感染症の影響は予測し難い面が多くありますが、上記(3)の戦略に基づき以下の点を中心に取り組んでまいります。

ア.デジタルコンテンツ事業

当事業におきましては、当期発売の『モンスターハンターライズ』および『バイオハザード RE:3』等リピートタイトルの販売の促進に加えて、次期は主力シリーズの最新作『バイオハザード ヴィレッジ』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、Xbox One、パソコン用)や『モンスターハンターストーリーズ2 ~破滅の翼~』(Nintendo Switch、パソコン用)などを投入し、収益の最大化に努めてまいります。

イ.アミューズメント施設事業

当事業におきましては、新業態店舗の展開を継続し、引き続き機動的な「スクラップ・アンド・ビルド」に取り組み効率的な店舗出店、運営を進めてまいります。

次期は出店3店舗、退店1店舗を予定しております。

ウ.アミューズメント機器事業

当事業におきましては、人気IPを活用し、業界での自主規制への変化に対応した筐体を適宜投入してまいります。

次期は4機種の投入により販売台数28千台を予定しております。

 

エ.その他事業

その他事業につきましては、コンテンツの映像化や他業種とのコラボレーションを通じ、ブランド価値の最大化に努めてまいります。また、eスポーツビジネスにおいてはより多くの方々に参画していただけるよう、オンライン大会のさらなる活用を進め、グローバル規模での裾野拡大を一層積極化してまいります。

 

②コーポレート・ガバナンスに関する取組み

当社は持続的な成長のためには取締役会の多様性確保が重要であると認識しており、性別、国籍、年齢等に関係なく、人格および識見に基づいて候補者を選定し、「多様な視点」「豊富な経験」「多様かつ特化した高度なスキル」を持ったメンバーで構成するよう努めております。

加えて、当社は創業者のリーダーシップのもと強固な経営基盤と当社独自の開発体制、ビジネスモデルを強みとしております。また、任意の委員会を含めた社外取締役の積極的な参画により取締役会の監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの向上に努めております。

そのうえで、さらなる取締役会の機能強化のため、当期は取締役会の実効性評価を行いました。実施に当たっては取締役全員を対象に個別アンケートやインタビューなど、個々の意見を求めやすい方法で実施し、その分析結果をもとに意見交換を行いました。

その結果、今回の実効性評価において、当社取締役会の実効性は確保されているとの結果が得られるとともに、以下のような経営の監督機能強化に向けた新たな課題を確認することができました。今後も、当社取締役会の強みを活かすとともに、課題への理解を深め、さらなる機能向上に努めてまいります。

 

主な課題

改善策と今後の方針について

コーポレート・ガバナンスの機能強化

ガバナンスをテーマとした議論および意見交換の機会の
さらなる拡充

コミュニケーションの質・量の維持・向上

取締役会への議案上程に関する基準および規則の精査と
見直し

取締役会における審議活性のための効率的な資料提供

 

 

③情報セキュリティの強化への取組み

近年の個人情報管理体制等の重要性に鑑み、情報漏洩の未然防止やEUの「一般データ保護規則(GDPR)」対応など、国内外の様々なサイバーリスクの対策が不可欠です。この一環としてコンピュータウイルスや不正アクセス等、外部からのサイバー攻撃による情報システムの機能不全や混乱を防ぐため、専門知識を有する人材の確保、育成や社内教育の徹底、定期的なチェックなどにより、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

しかしながら、これらの取組みにもかかわらず、2020年11月に当社への不正アクセス攻撃が確認され、個人情報および企業情報の流出が判明いたしました。このような事態を受けて、当社は、外部の専門企業の協力のもと不正アクセスおよび情報流出に関する調査を進めるとともに、外部の専門家から成るアドバイザリー組織「セキュリティ監督委員会」を設置し、指導・助言を得て再発防止に向けた種々のセキュリティ強化策を講じております。

今後も同委員会の協力のもと、継続的に運営・監視機能および情報セキュリティのさらなる強化に取り組んでまいります。

 

④人材の確保、育成

当社は、事業環境の変化に則して多様な人材を見出し、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行っており、先進的かつ独創性のある人材確保などに注力しております。さらに、優秀な人材への育成、確保に向けて階層別研修を充実させるなど、環境の変化に対応した人事制度や適材適所の配置等を行っております。

 

 

⑤政策保有株式に対する基本方針

当社は、政策保有株式について慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除しております。将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するか否かなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、現状最小限の3銘柄のみ保有しており、当期末現在の当該政策保有株式の保有額は、純資産の0.5%未満であります。

なお、継続して保有する基準として、簿価が50%以上下落した場合や保有先の企業価値が著しく毀損するなど持続して保有する経済合理性が乏しいと判断した場合は、経済情勢等を勘案のうえ、当該保有先との対話を経て、適切な時期に削減や売却を行います。

 

銘柄

保有目的

当社株式の

保有の有無

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

円滑な取引を維持するため

株式会社みずほフィナンシャルグループ

円滑な取引を維持するため

イオンモール株式会社

円滑な取引を維持するため

 

 

⑥ESG、SDGsへの取組み

当社は、「遊文化をクリエイトする感性開発企業」の企業理念のもと、これまでもコンテンツのデジタル販売推進に取り組み、ディスク製造に伴う環境負荷への削減に貢献することを目指してまいりました。今後も現在問題提起されている気候変動をはじめとする社会の共通課題の解決に積極的に取り組んでまいります。そうした観点からSDGsが掲げる持続可能な社会づくりの目標を踏まえ、以下のESGへの取組みを推進し、ステークホルダーの皆様との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図ってまいります。

 

E(環境)

当社グループは、事業が及ぼす気候変動への負の影響[CO2・GHG(温室効果ガス)排出等]を最小化するとともに、汚染、資源利用などに対し、照明のLED化や販売ソフトのデジタル化の推進による資源の削減を図っておりますが、引き続き取組みを進めてまいります。

S(社会)

人権の尊重と人種、宗教、性別、年齢、性的指向、障害、国籍などによる差別の禁止、弱者保護による不平等の排除を徹底し、従業員が働きやすい環境を作り、人材の確保および育成を推し進めるほか、貧困で困窮する子供たちの健全育成を願い支援活動を行うなど、地域社会・顧客との健全な関係の構築に向けた取組みを進めてまいります。

G(ガバナンス)

経営の透明性、健全性を高めるとともに、環境の変化に対応できる体制の構築に努め、任意の委員会の活用などコーポレート・ガバナンスの機能強化による企業価値向上を図っておりますが、今後も株主、顧客および従業員などステークホルダーの皆様のご期待に応えられるよう取組みを進めてまいります。

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

当社は、今後想定し得る様々な危機の未然防止や不測の事態が発生した場合などに備え、適正な対応を図ることにより被害、損失や信頼失墜を最小限に食い止めるため、「危機管理規程」等により組織横断的なリスク管理体制が機能するよう努めております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。因みに、新型コロナウイルス感染症の拡大による各事業への影響は正負の両面が考えられますが、当社グループにおける経営成績、株価および財務状況等に与える影響は小さいと判断しております。
 なお、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。
 また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) デジタルコンテンツ事業に関するリスク

① 開発費の高騰化

家庭用ゲーム機は新技術の登場や機器の性能向上に伴い、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のタイトルにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。
 対応策として、自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティの向上と開発の効率化を両立させ、開発費の抑制に注力しております。

 

② ゲームソフトの陳腐化について

嗜好品であるゲームソフトは、顧客層が重なる他業種との競争も激しく、他の娯楽へユーザーの志向が強くなることにより、ゲームソフトに対する購買動向が影響を受ける傾向にあります。また、パッケージの商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。
 対応策として、デジタル販売の強化による商品在庫の縮減および過去作のリメイクや派生作品の投入により、有力IPを継続的に活用、長期的な収益確保に努めております。

 

③ 人気シリーズへの依存について

当社は多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、今後の事業戦略ならびに当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、主力IPを活用した大型タイトルの安定的な投入と新規IPの創出に加え、ワンコンテンツ・マルチユース戦略による新規顧客の獲得により、IPの価値向上を推し進めております。

 

④ 暴力シーン等の描写について

当社の人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、少年犯罪が起きた場合は往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、ゲームソフトの年齢別レーティング制度のルール遵守や、出前授業や企業訪問受け入れによる児童、生徒、学校関係者や保護者への啓蒙に努めております。

 

⑤ 季節要因による変動

ゲームソフトの販売は年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、四半期ごとに業績が振れる可能性があります。
 対応策として、デジタル販売の強化と機動的な価格施策により、ゲームソフトの長期販売と収益の安定化に努めております。

 

 

⑥ 家庭用ゲーム機の普及動向について

当社の家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機向けに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機に不具合が生じた場合、事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、家庭用ゲーム機市場の調査・分析による将来の見通しの予測に加え、マルチプラットフォーム展開により収益リスクを分散しております。

 

⑦ 家庭用ゲーム機会社との許諾契約について

当社は、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機に供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売に関する許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、今後の開発戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、家庭用ゲーム機だけでなく、PCプラットフォームを通じた販売にも注力し、グローバルでの収益の拡大を推進しております。

 

⑧ 家庭用ゲーム機の更新について

家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、デジタル比率向上によるゲーム販売期間の長期化、リピート販売の強化と柔軟な価格施策による販売数の増加を図っております。

 

⑨ モバイルゲーム市場について

スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、ゲーム市場は拡大しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、ゲーム内課金を煽らないマネタイズにより、人気IPを活用したゲームの供給および新たなユーザー層の獲得に努めております。

 

(2) その他の事業に関するリスク

① アミューズメント施設事業

設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、テーマ型店舗やキャラクターグッズ販売など新業態の展開、VRコーナーなど新技術の導入に加え、キッズコーナーの設置やイベント開催により、新規ファン層の獲得と認知度向上に努めております。

 

② アミューズメント機器事業

パチスロ機の販売については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売上が大きく左右される場合があります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、日本電動式遊技機工業協同組合への加盟により、規制当局の動向の把握と規制の変化に即応する体制の構築に努めております。

 

 

(3) 海外事業について

① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、今後の事業戦略や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社との情報共有を密にし、各国の市場動向把握と、現地のニーズに対応した販売展開を行っております。また、社内の専門チームによる、カントリーリスクに配慮したローカライズを実施しております。

 

② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社と連携し、法令の遵守に努めております。

 

③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財政状態および経営成績に関するリスク

① 当社の主要な事業である家庭用ゲームソフトは、ダウンロード版が伸長しているものの、総じて商品寿命が短いため、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 開発技術のリスク

家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速いことから対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。

 

(6) 規制に関わるリスク

アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社の事業計画が阻害される恐れがあり、当該事業や当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、警察や行政からの情報収集に努め、法令の遵守を徹底するとともに、安心かつ健全な店舗運営を図っております。

 

(7) 知的財産権に関するリスク

ゲームソフトやパチスロ機等の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社が知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社が侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、当社が保有する権利保護に向けて、各国や地域での知的財産権の管理を行うほか、権利の侵害を防止するため社内での啓蒙活動に注力しております。

 

 

(8) 訴訟等に関するリスク

当社は、これまでに著作権侵害等で提訴した場合や他に訴訟を受けたことがあります。また、今後も事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、従来からグローバルでの訴訟リスクの低減に向けて、様々な措置を講じております。

 

(9) 情報漏洩によるリスク

当社の想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 2020年11月に当社への不正アクセス攻撃が確認され、個人情報ならびに企業情報の流出が判明いたしました。
 対応策として、当社は、外部の専門企業の協力のもと不正アクセスおよび情報流出に関する調査を進めるとともに、外部の専門家から成るアドバイザリー組織「セキュリティ監督委員会」を設置し、指導・助言を得て再発防止に向けた種々のセキュリティ強化策を講じております。

今後も同委員会の協力のもと、継続的に運営・監視機能および情報セキュリティのさらなる強化に取り組んでまいります。

 

(10) 人材の育成と確保

ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、当社グループは優秀な人材を採用し、育成、確保に努めるほか、時短勤務制度、有休取得推進制度の促進や事業所内保育所の設置などにより働きやすい環境作りに努めております。

 

(11) 不測の事態の発生によるリスク

台風、地震、津波等の自然災害や疾病、パンデミックの発生、蔓延等による社会不安、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、「危機管理規程」の整備や組織横断的なリスク管理体制の構築により、危機の未然防止や不測の事態が発生した場合における影響の極小化に努めております。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度においては、国内外における新型コロナウイルス感染症拡大の影響により社会的活動全般が制限される中、当業界は新技術の活用やコロナ禍での行動変容など、変化への対応が求められる状況となりました。

このような状況のもと、事業の継続を図るべく勤務体制の見直しやオフィスでの勤務環境の整備に取り組むなど、当社グループ内での影響の極小化に努めました。

また、当社の主力事業であるデジタルコンテンツ事業においては、ここ数年来、積極的に推進してきたデジタル販売が奏功したことに加え、大型新作タイトルとリピートタイトルの販売が拡大し、業績向上のけん引役を果たしました。他方、アミューズメント施設事業およびその他事業においては、感染症拡大の影響を受けたものの、販売費および一般管理費などの見直し等により、利益の確保に努めてまいりました。

この結果、デジタル販売を主軸とした事業戦略のもと、販売地域の拡大と長期販売の実現に伴い海外収益が伸長したことにより、売上高は953億8百万円(前期比16.8%増)、営業利益は345億96百万円(前期比51.6%増)、経常利益は348億45百万円(前期比51.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は249億23百万円(前期比56.3%増)と8期連続営業増益を達成しました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルコンテンツ事業)

当事業におきましては、シリーズ最新作『モンスターハンターライズ』(Nintendo Switch用)が今年3月の発売から早々に全世界で出荷本数400万本を突破するなど好調に推移したほか、『バイオハザード RE:3』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)も390万本と順調に販売本数を伸ばしました。また、前期発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)や前期以前に発売した『バイオハザード RE:2』(プレイステーション 4、Xbox One、パソコン用)など、採算性の高いリピートタイトルも根強い人気により利益を押し上げました。さらに、次世代ゲーム機向けタイトル『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S用)を発売しました。

加えて、モバイルコンテンツにおいては、日本国内で『ロックマンX DiVE』(Android、iOS用)のサービスを開始したほか、協業タイトル『街霸:対決(ストリートファイター:デュエル)』(Android、iOS用)の中国でのサービス開始に伴うライセンス収益が利益に貢献しました。

この結果、売上高は753億円(前期比25.6%増)、営業利益は370億2百万円(前期比53.1%増)となりました。

 

(アミューズメント施設事業)

当事業におきましては、2020年5月の緊急事態宣言の解除後、順次営業を再開し回復に努めてまいりました。当期は、当社の人気キャラクターグッズの物販専門店「カプコンストアオーサカ」(大阪府)の新規出店をはじめとして既存店「プラサカプコン高知店」の大型リニューアルを行うなど、地域に根付いた店舗展開、運営を推進してまいりました。

この結果、施設数は41店舗となり、売上高は98億71百万円(前期比18.4%減)、営業利益は1億49百万円(前期比87.7%減)となりました。

 

(アミューズメント機器事業)

当事業におきましては、感染症拡大に伴いホールオペレーターの休業や旧規則遊技機の撤去期限が延長されたこともあり、全般的に新機種への需要が鈍化する中、『モンスターハンター:ワールド』が好調に推移したほか、『リングにかけろ1 ワールドチャンピオンカーニバル編』および『バイオハザード7 レジデント イービル』を投入し、収益を下支えしました。

この結果、売上高は70億90百万円(前期比8.5%増)、営業利益は24億7百万円(前期比15.4%増)となりました。

 

 

(その他事業)

その他事業につきましては、当社ブランド価値向上に向け、グローバルでの積極的な展開を図り、シリーズ初の「モンスターハンター」のハリウッド実写映画が2020年12月に海外で公開され、国内は2021年3月に『モンスターハンターライズ』の発売日と同日に公開するなど、主力IPを活用した映像化やキャラクターグッズ等の販売拡大に注力しました。

また、eスポーツにおいては、感染症拡大の影響によりオンライン形式のイベントに切り替えて実施しました。2020年6月に開始した個人戦「CAPCOM Pro Tour Online 2020」ならびに2020年秋から開始したチーム戦「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020」および「ストリートファイターリーグ: Pro-US 2020」ともに、多くのプレイヤーが参加し熱戦が繰り広げられ、さらなるユーザー層の拡大につながりました。

この結果、売上高は30億45百万円(前期比0.9%増)、営業利益は9億87百万円(前期比81.2%増)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ202億46百万円増加し1,637億12百万円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ185億62百万円増加し1,273億91百万円となりました。主な増加の要因は、「受取手形及び売掛金」91億37百万円、「現金及び預金」55億82百万円、および「ゲームソフト仕掛品」32億20百万円によるものであります。なお、「現金及び預金」から有利子負債を差し引いたネット・キャッシュは67億11百万円増加し656億33百万円となり、開発投資を支える財務基盤が強化されております。固定資産は、前連結会計年度末に比べ16億84百万円増加し363億21百万円となりました。主な増加の要因は、「無形固定資産」8億77百万円および「建設仮勘定」7億21百万円によるものであります。

負債は、前連結会計年度末に比べ8億12百万円減少し429億18百万円となりました。主な増加の要因は、「長期借入金」22億72百万円によるものであり、主な減少の要因は、「1年内返済予定の長期借入金」34億1百万円であります。

純資産は、前連結会計年度末に比べ210億58百万円増加し1,207億94百万円となりました。主な増加の要因は、「親会社株主に帰属する当期純利益」249億23百万円の計上によるものであります。主な減少の要因は、「剰余金の配当」53億37百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、「税金等調整前当期純利益」348億28百万円(前連結会計年度は228億90百万円)に、「減価償却費」などの非資金項目、営業活動に係る債権・債務、たな卸資産等の増減、「法人税等の支払額」などが増減した結果、146億25百万円の収入(前連結会計年度は222億79百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」、「定期預金の預入による支出」および「定期預金の払戻による収入」等により、42億33百万円の支出(前連結会計年度は84億37百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、「配当金の支払額」等により、69億65百万円の支出(前連結会計年度は63億51百万円の支出)となりました。

以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は43億71百万円増加640億43百万円となりました。

 

 

  ④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

19,375

108.0

アミューズメント機器事業

3,707

95.5

合計

23,082

105.8

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前年同期比(%)

デジタルコンテンツ事業

75,300

125.6

アミューズメント施設事業

9,871

81.6

アミューズメント機器事業

7,090

108.5

その他

3,045

100.9

合計

95,308

116.8

 

(注) 1.主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合
なお、前連結会計年度における任天堂株式会社および当連結会計年度における株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメントについては、総販売実績に対する割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

任天堂株式会社

13,965

14.7

Valve Corporation

12,688

15.6

10,595

11.1

株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント

8,583

10.5

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループの当連結会計年度末現在の事業及び経営環境に基づいて判断したものであります。

 

① 重要な会計方針および見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なりうる可能性があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 3.会計方針に関する事項」をご参照ください。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(無償ダウンロードコンテンツの収益認識)および(ゲームソフト仕掛品の評価)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

(退職給付に係る負債)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な前提条件を見積りに加味して計上しております。これらの条件が変更される場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の収益計画に基づいた課税所得が十分に確保できる可能性や、回収可能性があると判断した将来減算一時差異に基づいて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠するため、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、繰延税金資産を見直し、その影響額を法人税等調整額に計上する可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、当社グループの事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響に対する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」および「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(追加情報)」をご参照ください。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の当社グループ事業全体および各セグメントの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当連結会計年度末における自己資本比率は73.8%(前期から4.3ポイントの増加)に向上し、加えて、ROE(自己資本利益率)は22.6%(前期から5.7ポイントの増加)に向上いたしました。当社グループは、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、安定的に向上させることができました。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う事業環境への影響は、当連結会計年度末においては軽微であります。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

 

③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。

当社グループの営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の持続的な増加および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

 

 

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

売上高    (百万円)

87,170

94,515

8.4

100,031

5.8

81,591

△18.4

95,308

16.8

営業利益  (百万円)

13,650

16,037

17.5

18,144

13.1

22,827

25.8

34,596

51.6

営業利益率  (%)

15.7

17.0

18.1

28.0

36.3

 

キャッシュ・フローにつきましては、当社グループは、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当連結会計年度末の残高は65,633百万円(前連結会計年度末より6,711百万円増)となりました。当社グループは、手元流動性の拡大による財務健全性の向上をはかり、経営の安定性を高めるように努力しております。

当社グループは、これらの指標を改善することにより、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社グループのROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1)連結経営指標等」をご参照ください。

当社グループは、また、成長を継続するための必要な投資を行い、企業価値の向上に努め、株主への安定的な配当による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は30.4%と安定配当を継続して行っております。

 

2017年3月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

連結配当性向(%)

31.2

30.0

30.3

30.1

30.4

 

なお、必要に応じた機動的な自己株式の取得を実施することにより、当社グループの一株当たりの利益を高めることで株式の価値を高め、株主への還元に資することも重要な施策の一つとして考えております。

上記施策により、当期の株主総利回りは538.9%と、比較指標である配当込みTOPIXの162.3%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2)提出会社の経営指標等」をご参照ください。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、コンテンツ充実によるタイトルラインナップの拡充や新たな技術に対応するため、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計279億45百万円の88.4%に相当する246億93百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「5 研究開発活動」に記載のとおりであります。

ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な家庭用ゲーム機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルのゲームコンテンツ開発期間は2年以上を要することに加え、発売後の定期的なゲームコンテンツのバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。

当社は、財務基盤を強化するとともに成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで、保有しておくべき現預金水準を3年分の開発費用を目途に設定し、適正レンジの維持に努めてまいります。また、事業環境の変化や事業拡大に伴う設備投資が発生した場合には、適切な資金調達を行います。

なお、配当を含めました当連結会計年度の資金流動につきましては、(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は43億71百万円増加640億43百万円となりました。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループが許諾を受けている重要な契約の状況

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

Nintendo
Switch Content
License and
Distribution Agreement

家庭用ゲーム機「Nintendo
Switch」向けゲームソフトの
開発・広告宣伝・販売・頒布に関する知的財産権等の供与、ゲームソフトウェアの配信委託、および販売・頒布に関する条件設定

2017年4月1日より3ヵ年
以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

MICROSOFT
CORPORATION

米国

XBOX CONSOLE PUBLISHER LICENSE AGREEMENT

家庭用ゲーム機「Xbox ONE」及び次世代機(「Xbox Series」)向けゲームソフトの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

2020年6月1日より
2022年3月31日
以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント

日本

PlayStation Global Developer & Publisher Agreement

全てのPlayStationフォーマット向けゲームソフトの開発・製造・発行・頒布・供給・販売・貸与・市販・広告宣伝・販促等に関する商標権および技術情報の供与

2013年11月15日より
2019年3月31日
以後1ヵ年毎の自動更新

 

 

(事業譲渡契約)

当社は、2021年3月31日開催の取締役会において、当社の連結子会社であるCAPCOM U.S.A.,INC.の運営する事業の一部を譲り受けることを決議し、事業譲渡契約を締結し、2021年4月1日に当該事業の譲受を行っております。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、コンピュータを介した「遊文化」をクリエイトすることにより、社会の安定発展に寄与し、「遊びの社会性」を高めるハイテク企業を志向しております。そのため、時代の変化や価値観の変化を先取りし、市場のニーズに合った新商品を開発することが当社の根幹事業であると認識し、研究開発に重点をおいております。

研究開発活動は、デジタルコンテンツ事業およびアミューズメント機器事業で行っており、当連結会計年度末現在の研究開発要員は2,285名、従業員の72.5%になっております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発投資額は、25,375百万円(消費税等抜き)で、売上比26.6%であります。なお、研究開発投資額にはコンテンツ部分の金額を含めて記載しております。一般管理費に含まれる研究開発費は1,461百万円で、売上比1.5%であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) デジタルコンテンツ事業

当事業における当社グループのゲームソフト開発・市場投入実績は以下の通りです。

マルチプラットフォームタイトルにおきましては、旧作の「バイオハザード3」のビジュアルとサウンドを刷新し、オンラインモードを追加した『バイオハザード RE:3』(プレイステーション 4、Xbox One、PC用)を開発し、390万本の販売を達成いたしました。また、11月には『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』(プレイステーション 5、Xbox Series X|S用)を開発し、発売いたしました。

Nintendo Switch向けタイトルにおきましては、当社独自の開発エンジン“RE ENGINE”を活用し、いつでも、どこでも、誰とでも、気軽に楽しめる新たな「モンスターハンター」というコンセプトのもと『モンスターハンターライズ』を開発し、2021年3月に発売、2021年3月末現在で480万本の出荷を達成いたしました。また、懐かしのゲームセンター気分に耽り、多数の往年の名作タイトルを楽しめる『カプコンアーケードスタジアム』及び、独創的なビジュアルとストーリーで「魔界村」シリーズをリブートした『帰ってきた魔界村』を開発いたしました。

「日本ゲーム大賞2020」において優秀賞を受賞した、前年度発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』(プレイステーション 4、Xbox One、PC用)に追加ダウンロードコンテンツを投入し、2021年3月末現在、累計770万本の販売を達成いたしました。

なお、モバイルコンテンツ市場向けタイトルにおきましては、「ロックマンX DiVE(日本語版)」を開発し、配信を開始いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は24,523百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は1,393百万円であります。

 

(2) アミューズメント機器事業

当事業におきましては、外部タイトルを採用した「リングにかけろ1 ワールドチャンピオンカーニバル編」、当社のヒットタイトルである「モンスターハンター:ワールド」、株式会社ユニバーサルエンターテインメントとの業務提携第一弾「バイオハザード7 レジデントイービル」3機種のパチスロ遊技機開発を行い、販売いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は851百万円で、一般管理費に含まれる研究開発費は68百万円であります。