第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、①世界最高品質のコンテンツ(IP)を継続して生み出す開発力・技術力、②世界に通用する多数の人気IPを保有していることを、強みとしております。

今後も、中長期にわたる安定成長を実現し、企業価値向上を図るために、以下の「経営理念」に基づき、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーとの信頼関係を構築し、共存共栄に努め、コーポレート・ガバナンスの継続的な充実に取り組んでまいります。

<経営理念>

ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」

<経営理念を実現するための取組み>

ア.経営人材力の強化と後継者育成

イ.性別・国籍・年齢等における多様性を図り、組織体制の整備と機能の向上

ウ.取締役会による有効なリスクコントロール体制の構築

エ.適時・適切な情報開示と対話による経営の透明化

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、事業の継続的な拡大を通じて、企業価値を向上させていくことを経営の目標としております。

経営指標として「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標に加え、現金の動きを把握するキャッシュ・フロー経営を重視するとともに、資本効率の観点から、ROE(自己資本利益率)向上による企業価値の増大に努めてまいります。また、連結配当性向について、将来の事業展開や経営環境の変化などを勘案のうえ、30%を基本方針とし、かつ安定配当の継続に努めてまいります。

 

(3) 経営環境および中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、通信規格の高速大容量化への移行、コンテンツの提供チャネルの増加、デバイスの多様化、グローバルベースでのユーザーの拡大など、事業環境が大きく変化を遂げている状況下、中長期的な企業価値向上に向けた安定的な利益の確保が経営の重要課題と認識しております。

このため、「毎期10%営業利益増益」の達成を中期経営目標と定め、グローバルにさらなるブランド価値の向上とユーザーニーズの把握に努め、ユーザー数の拡大を図ることにより、主力事業のデジタルコンテンツ事業を成長させてまいります。その持続的な成長のために、原動力となる人材投資戦略を引き続き推し進めてまいります。

また、当社はステークホルダーの皆様からのご支援等により、2023年6月に創業40周年を迎えました。本周年記念の特設サイトとしてデジタル観光地「カプコンタウン」を開設するなど、様々な施策を講じてまいります。

今後とも企業価値の持続的向上を図り、中長期においてさらなる飛躍を目指してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

前記(3)を推進するため、以下の課題に取り組んでまいります。

① 人材投資戦略

当社グループは、企業価値創造の源泉である人的資本への取組みを、優先課題として位置づけております。

中期経営目標の達成のため、中核的競争力である開発体制の拡充を図るには、研究開発やコンテンツ制作にかかる人的資本への投資・活用における開発人員の増強と生産性向上が重要であると認識しております。

そのため、当社グループは毎年100名以上の開発人員の採用を推し進めており、2023年3月期末における開発人員数は2,460名となっております。

加えて、当社グループは事業環境の変化に対応するため、性別、国籍、年齢等に関係なく採用や評価等を行うなど、多様性のある人材の確保・育成への投資に努めております。

 

この結果、女性管理職は29名(管理職に占める割合は11.6%)、外国人管理職は3名(管理職に占める割合は1.2%)、中途採用者の管理職は140名(管理職に占める割合は56.0%)となっております。なお、当期から管理職の集計について関係法令に則った方法に変更しております。

また、人材投資戦略のさらなる推進のため、次の施策等に取り組むことにより従業員エンゲージメントを高めるとともに、企業価値の向上を図ってまいります。

ア.経営層による人材課題への対応

・各種説明会等を通じた意見交換による経営層と従業員の直接対話の継続

イ.将来を支える人材の確保と育成、働く環境の再整備

・人権を尊重する会社風土の醸成

・人事評価制度の刷新

・採用戦略の再構築

・福利厚生制度の拡充、パートナーシップ制度の導入

ウ.開発体制を支えるオフィス環境、開発設備の拡充

・事業所拡大による開発オフィスの拡充

・国内最大級のモーションキャプチャースタジオを備えた「クリエイティブスタジオ」の新設

 

② 次期の事業別戦略

次期においては、前記(3)の戦略に基づき以下の点を中心に取り組んでまいります。

ア.デジタルコンテンツ事業

当事業におきましては、当社グループのeスポーツ展開をけん引するシリーズ最新作『ストリートファイター6』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)の今年6月発売をはじめとして、完全新作タイトルの『エグゾプライマル』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を7月に投入するなど、ブランドの価値向上とユーザー数の拡大を推し進めてまいります。また、当期発売の『モンスターハンターライズ:サンブレイク』や『バイオハザード RE:4』といったリピートタイトルについても、デジタル販売の強化と価格施策の推進により、収益の最大化と総販売本数の継続的な増加に努めてまいります。

イ.アミューズメント施設事業

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の収束が期待される中、新業態店舗の展開を継続するとともに、引き続き機動的な「スクラップ・アンド・ビルド」に取り組み、効率的な店舗出店、運営を進めてまいります。

次期は出店4店舗を予定しております。

ウ.アミューズメント機器事業

当事業におきましては、市場から大きな期待が寄せられているスマートパチスロの投入など、市場動向を反映した施策を推し進めてまいります。

次期は4機種の投入により販売台数37千台を予定しております。

エ.その他事業

その他事業につきましては、eスポーツビジネスにおいて、2023年度からシリーズ最新作の『ストリートファイター6』を投入する「CAPCOM Pro Tour 2023」において、当社史上最高の賞金総額200万ドル以上に拡大して開催するなど、グローバルにより多くの方々に楽しんでいただけるよう、様々な施策を講じてまいります。

また、「ストリートファイター」の実写映画およびテレビシリーズ化による同ブランドの全世界への浸透拡大を図るなど、コンテンツの映像化推進や他業種とのコラボレーションを通じ、ワンコンテンツ・マルチユース戦略の強みを最大限に生かした施策をグローバルに推し進めてまいります。

これらにより引き続き、コンテンツのブランド拡大を図るとともに、コーポレートブランドの価値の最大化に努めてまいります。

 

 

③ ESG、SDGsへの取組み

当社グループは、前記(1)の経営理念のもと、様々な取組みを行っております。

2023年3月期において、こどもの未来応援基金をはじめとし青少年の健全な育成に取り組んでおられる3団体への寄付を継続いたしました。また、引き続きウクライナ難民支援のため国連難民高等弁務官事務所に支援金を付託するとともに、新たにトルコ・シリア大地震への被害者支援金を寄付いたしました。

 

〔子どもの貧困対策関連〕

寄付先

金額

独立行政法人 福祉医療機構 こどもの未来応援基金

5,000万円

認定特定非営利活動法人 しんぐるまざあず・ふぉーらむ

4,000万円

特定非営利活動法人 子どもセンターぬっく

1,000万円

 

 

〔ウクライナ難民への支援〕

寄付先

金額

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)

※日本の公式支援窓口「特定非営利活動法人 国連UNHCR協会」を通じて支援

2,000万円

 

 

〔トルコ・シリア大地震への支援〕

寄付先

金額

公益社団法人 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン

※トルコ・シリア大地震子ども支援窓口

3,000万円

 

 

他方、他社に先駆けてコンテンツのデジタル販売を推進し、ディスク製造および運送に伴う資源削減やCO2排出量の削減に努めるとともに、パチスロ機の製造・販売において省電力対応や一部パーツのリサイクルなど、環境負荷の低減に取り組んでおります。

また、当社グループは環境対策の一環として、2022年6月から関西圏の自社所有ビル等に対して再生可能エネルギー由来のCO2フリー電力を導入しております。これにより、日本国内における電力使用量のうち同エネルギーにより約27%が賄われております。さらに、節電対策を施した自社データセンターの使用などの取組みを行うとともに、再生可能エネルギー使用を促進している大手クラウドサービス企業や大手データセンターサービス企業を利用しております。加えて、2023年4月から当社東京支店においてグリーン電力を導入するなど、一層の環境負荷低減に努めてまいります。

今後も、環境、社会問題における共通課題の解決に積極的に取り組んでまいります。そうした観点からSDGsが掲げる持続可能な社会づくりの目標を踏まえ、ESGへの取組みを推進し、ステークホルダーの皆様との信頼関係を構築しながら、持続的な成長を図ってまいります。

 

④ コーポレート・ガバナンスに関する取組み

当社は持続的な成長のためには取締役会の多様性確保が重要であると認識しており、性別、国籍、年齢等に関係なく、人格および識見に基づいて候補者を選定し、「多様な視点」「豊富な経験」「多様かつ特化した高度なスキル」を持ったメンバーで構成するよう努めております。

加えて、当社グループは代表者のリーダーシップのもと強固な経営基盤と独自の開発体制、ビジネスモデルを強みとしております。また、当社において、任意の委員会を含めた社外取締役の積極的な参画の機会拡大を図り取締役会の監督機能を強化するなど、コーポレート・ガバナンスの向上に努めております。

そのうえで、取締役会の実効性評価を踏まえ、一層の当社取締役会の機能強化のため、2023年3月期は社外取締役に対する現場視察や執行役員との意見交換会実施による情報提供のほか、取締役会専任部署の設置によるサポート体制強化等に取り組んでまいりました。

 

2024年3月期は、経営の監督機能強化の実効性をさらに高めていくため、以下の課題に取り組んでまいります。

〔主な課題〕

・社外取締役との意見交換会等の情報提供のさらなる充実

・次世代の経営体制構築に向けた取締役、経営陣幹部の指名・報酬にかかる議論

・中長期的な企業価値向上に資する議論

今後も、当社取締役会において諸課題の共有と理解を促進し、さらなる機能向上に努めてまいります。

 

⑤ 情報セキュリティの強化への取組み

当社グループは、情報が企業活動に与える影響の重要性に鑑み、個人情報保護法制への対応はもちろんのこと、各国で整備が進められる未成年者保護などの法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

今後も、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会の助言等を踏まえ、継続的なシステムの運営・監視や非常時対応の体制維持および強化を図ってまいります。

 

⑥ 政策保有株式に対する基本方針

当社は、政策保有株式について慣例的な相互保有や人的関係の情実等を排除しております。将来の取引関係や持続的な企業価値の向上に資するか否かなど、中長期的な観点から得失等を総合的に勘案のうえ、現状最小限の3銘柄のみ保有しており、当期末現在の当該政策保有株式の保有額は、純資産の0.5%未満であります。

なお、取締役会において、当該全株式の売却について決定のうえ各社と合意しており、今後、適宜売却を実施してまいります。

 

銘柄

保有目的

当社株式の

保有の有無

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

円滑な取引を維持するため

株式会社みずほフィナンシャルグループ

円滑な取引を維持するため

イオンモール株式会社

円滑な取引を維持するため

 

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

文中の将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の結果とは様々な要因により大きく異なる可能性があります。

 

(1) サステナビリティに関する基本的な考え方

当社グループは、『ゲームというエンターテインメントを通じて「遊文化」をクリエイトし、人々に感動を与える「感性開発企業」』の経営理念のもと、人々に「笑顔」や「感動」を与える心豊かな社会づくりを支援しております。

このため、SDGsが掲げる持続可能な社会づくりの目標を踏まえ、すべての人々が安心してゲームを楽しめる世界の実現に向け、ESGへの取組みを推進し、環境、社会問題における共通課題の解決に積極的に取り組んでおります。

また、株主、顧客、取引先、従業員および地域社会などのステークホルダーとの協働を図るとともに、積極的な情報開示と透明性の向上に努め、持続的な成長を図ってまいります。

 

<当社グループのESGの基本方針>

環境(E)

当社グループは、事業が及ぼす気候変動への負の影響[CO2・GHG(温室効果ガス)排出等]を最小化するため、再生可能エネルギーの使用とともに、環境汚染、資源利用などに対し、照明のLED化や販売ソフトのデジタル化の推進による資源の削減を図っており、引き続き取組みを進めてまいります。

社会(S)

人権の尊重と人種、宗教、性別、年齢、性的指向、障害、国籍などによる差別の禁止、弱者保護による不平等の排除を徹底し、従業員の働きやすい環境づくり、人材の確保および育成を推し進めるほか、貧困で困窮する子供たちの健全な育成を願い、支援活動を行うなど、地域社会・顧客との健全な関係の構築に向けた取組みを進めてまいります。

ガバナンス(G)

経営の透明性、健全性を高めるとともに、環境の変化に対応できる体制の構築に努め、任意の委員会の活用などコーポレート・ガバナンスの機能強化による企業価値向上を図っております。今後もステークホルダーの皆様のご期待に応えるべく取組みを進めてまいります。

 

 

① サステナビリティにかかるガバナンス

当社取締役会は、当社グループのサステナビリティに関する基本的な方針を策定するとともに、重要な事項については、代表取締役またはコーポレート経営会議[議長は代表取締役会長(CEO)]より報告を受け、監督を行っております。

 

② サステナビリティにかかるリスク管理

コーポレート経営会議は、サステナビリティにかかるリスクおよび機会について対応方針および施策等を審議します。当該審議の結果を踏まえ、代表取締役または担当役員の指示により関連部門が取組みを推進し、代表取締役またはコーポレート経営会議に報告を行っております。

 

(2) サステナビリティについての取組み

当社グループのサステナビリティについての具体的な取組み内容については、以下に記載の内容に加え、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」ならびに当社統合報告書および当社ウェブサイトに記載しております。

 

(3) 人的資本

当社グループは、経営理念を実現しつつ持続的な成長を達成するにあたっては、世界最高品質のコンテンツを生み出し世界中にユーザーを広げていくための人材への投資が不可欠であると考えております。このため、当社グループでは、人的資本への取組みをサステナビリティに係る最重要課題と位置づけ、以下の体制および戦略により、人材投資戦略の推進に取り組んでおります。

 

 

① ガバナンスとリスク管理

ア.人的資本については、代表取締役会長(CEO)が議長を務める人事委員会をおおむね毎月1回開催し、人材投資戦略について集中的に議論し、方針および施策等を決定しております。

イ.同委員会の議論および決定方針を踏まえ、最高人事責任者(CHO)のもと、①開発部門の人事案件にあたる「開発人事部」、②職場環境の向上や従業員とのコミュニケーション強化に専門的に取り組む「健康経営推進部」、③人材戦略の企画・立案を行う「経営企画部人材戦略チーム」および④各種人事制度の運用を行う「人事業務部」が横断的に連携し、具体的な取組みを推進しております。なお、人事課題について、さらに迅速かつ円滑な対応を図るため、2023年4月1日付でCHO下に新たに人事統括を設置しました。

 

② 戦略および指標と目標

ア.将来を支える人材の確保と育成(開発力・マネジメント力強化)

当社は、開発人員の継続的拡充のため、毎年100名規模の開発新卒採用と、積極的な中途採用を実施しております。

また、人材育成のための施策として、開発人員の育成施策の強化(若手育成のためのOJT/Off-JTの充実、人材情報データベース強化等)、管理職候補者に対するマネジメント力向上のための研修、その他自己啓発促進のためのOff-JTの充実を行っております。

加えて、優秀層の確保・定着や従業員のモチベートのため、報酬制度の改定による給与水準向上、業績連動性を高めた賞与制度および従業員株式報酬制度の一種である株式付与ESOP信託(以下、「ESOP信託」という)の導入、人事評価の客観性および納得感向上のための評価制度の見直し等を行っております。なお、ESOP信託については、当社の国内すべての正社員(海外出向者等の非居住者を除く)を対象としております。

 

以上の取組みに関する指標の実績および目標は以下のとおりです。

 

【参考】

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

(計画)

 

2019年

3月比

売上高(連結)(百万円)

100,031

81,591

95,308

110,054

125,930

125.9%

140,000

営業利益(連結)(百万円)

18,144

22,827

34,596

42,909

50,812

280.0%

56,000

営業利益率(連結)(%)

18.1

28.0

36.3

39.0

40.3

+22.2pt

40.0

 

 

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

目標

 

2019年

3月比

従業員数(連結)(名)

2,832

2,988

3,152

3,206

3,332

117.7%

うち開発職

2,032

2,142

2,285

2,369

2,460

121.1%

毎期100名増

従業員数(単体)(名)

2,530

2,688

2,841

2,904

3,027

119.6%

うち開発職

1,910

2,024

2,150

2,224

2,321

121.5%

毎期100名増

平均年齢(単体)(歳)

36.8

37.1

37.1

37.3

37.6

+0.8

うち開発職

35.7

36.0

36.0

36.3

36.6

+0.9

開発職年齢分布(単体)

(%)(注2)

 

 

 

 

 

 

 

29歳以下

30.2

30.5

31.2

31.9

31.8

+1.6pt

30代

36.3

35.4

35.0

33.2

32.6

△3.7pt

40代

30.6

30.2

27.8

26.2

25.2

△5.4pt

50代

2.9

4.0

6.0

8.7

10.4

+7.5pt

新卒採用数(単体)(名)

145

138

198

163

163

112.4%

うち開発職

115

109

160

139

133

115.7%

毎期100名以上

平均年間給与(単体)
(千円)

5,885

5,998

6,034

7,127

7,660

130.2%

継続向上

うち開発職

5,843

5,948

5,991

7,137

7,657

131.0%

継続向上

従業員1人当たり株式報酬

付与数(ポイント)(注3)

97

100ポイント程度

市場価格換算(千円)

457

平均年間給与分布(単体)(%)

 

 

 

 

 

 

 

400万円以下

19.8

17.4

17.6

6.5

6.5

△13.3pt

400~600万円

42.7

41.9

41.7

31.8

18.7

△24.0pt

600~800万円

24.9

26.7

24.7

33.7

41.4

+16.5pt

800~1,000万円

7.4

8.5

10.0

16.3

19.2

+11.8pt

1,000~1,500万円

3.5

4.0

4.8

9.7

12.0

+8.5pt

1,500~3,000万円

1.5

1.3

1.1

1.8

2.1

+0.6pt

3,000万円以上

0.2

0.2

0.1

0.2

0.1

△0.1pt

 

(注) 1.本表の集計は、いずれも正社員を対象にしております。

2.年齢分布について具体的な目標値は設定しておりませんが、従業員の高齢化の程度に関する指標として注視してまいります。なお、60代以上については定年再雇用により正社員から嘱託契約の従業員に変更となるため、集計対象外となります。

3.従業員1人当たり株式報酬付与数は、ESOP信託に基づく年間の制度対象者1人当たりの平均付与ポイント数であり、1ポイントが1株に対応します。また、市場価格換算は、期末時点の当社株価終値に基づき当該ポイント数を金銭換算したものです。当該ポイントは、株式として交付され従業員に支給されるまでは、平均年間給与に含まれておりません。

 

 

<当期末の実績について>

・開発人員数については、おおむね計画どおりの推移であります。

・開発職の年齢分布については、50代以上の構成比が増加傾向にあり、1994年3月期から1996年3月期にかけて新卒採用数を増やした影響によるものと考えております。50代以上の中核人材については、積極的な後継者育成に努めてまいります。

・平均年間給与については、当期の当社正社員の昇給率は全体で30.1%となり、2022年3月31日付プレスリリースで公表しておりました平均基本年収の30%増額を実施いたしました。

・なお、本表の平均年間給与の算出にあたり、賞与は各事業年度中の支給額に基づき計算しておりますが、2022年6月支給の夏季賞与については、2021年3月期の労働に対する対価であることから、当期報酬制度改定による昇給前の基準報酬に基づいて支給しております。また、当期の報酬制度改定に先行して、2022年3月期において昇給予定額の50%相当となる1人当たり平均798千円を一時金(特別賞与)として支給しております。参考として、上記一時金を前期の平均年間給与から控除し、賞与を各事業年度における引当額ベースで計算した場合には、賞与を含む平均年間給与は2022年3月期6,389千円に対して当期は8,259千円となり、前期比約29.2%増となります。なお、当期より従業員株式報酬制度(ESOP信託)の適用を開始しているところ、当該制度による付与ポイント数については、上記平均年間給与に含まれておりません。

・今後も、昇給および業績連動性を高めた賞与制度によって、営業利益の成長に相応した平均年間給与の向上に努めてまいります。

 

イ.働く環境の再整備

当社グループは、従業員が働きやすい環境づくりによる従業員の離職防止およびエンゲージメント向上に取り組んでおります。具体的な施策としては、就業環境および設備の継続的な改善・拡充、会社貢献を称えるための社内表彰制度、ハラスメント対策研修の充実およびグローバルで利用可能な相談窓口の設置、従業員向け保養所の提供、その他福利厚生制度の継続的拡充等を行っております。

また、従業員のニーズを経営層が直接把握するため、当期においては計20回の経営層による従業員向けの説明会等を実施しており、延べ1,400名超の従業員が参加いたしました。

 

以上の取組みに関する指標の実績および目標は以下のとおりです。

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

目標

エンゲージメント(単体)

(偏差値)(注1)

 

 

 

 

 

 

ワークエンゲージメント

51.2

51.5

52.6

51.8

54.4

55.0

エンプロイーエンゲージメント

51.8

55.0

離職率(単体)(%)(注2)

4.9

4.3

3.9

5.4

3.5

うち自己都合(%)

4.3

4.0

3.6

4.7

3.2

3.0程度

従業員1人当たり営業利益(連結)

(千円)(注3)

6,406

7,639

10,975

13,384

15,249

継続向上

年次有給休暇取得率(単体)(%)

(注4)

77.5

78.1

74.4

87.0

88.2

継続向上

平均残業時間(法定外)(単体)

(時間/月)(注5)

11.7

11.3

8.2

9.5

10.1

 

(注) 1.エンゲージメントは、当社従業員(社会保険対象外の短時間労働者を除く)を対象とした外部業者によるアンケート調査(エンゲージメント・サーベイ)の結果における当社の偏差値であります。このうち、ワークエンゲージメントは、仕事に対する自発的行動やポジティブな感情についてのアンケート結果に基づく数値であり、エンプロイーエンゲージメントは、会社への愛着等についてのアンケート結果に基づく数値です。当期の具体的な調査方法としては、複数の質問について従業員が「全く当てはまらない」「あまり当てはまらない」「まあまあ当てはまる」または「とても当てはまる」のいずれかで回答した結果を、外部業者において他社と比較し、偏差値を算出しております。なお、当期からアンケート調査の委託先を変更したことにより、アンケート項目が前期から変更となっております。

2.離職率は、各期首の従業員総数に対する期中に退職した従業員数(期中に入社および退職した従業員を除く)の割合であり、集計対象は正社員のみであります。

3.従業員1人当たり営業利益は、当社グループの連結営業利益を連結正社員数で割ったものであります。

 

4.年次有給休暇取得率は、各期の年次有給休暇の取得日数の合計を付与日数の合計で割ったものであり、集計対象は全従業員(臨時従業員を含む)であります。

5.平均残業時間(法定外)は、残業時間の集計対象である従業員(正社員のみ)の月平均法定時間外労働時間であります。なお、開発職のうち裁量労働制の対象者(変動賞与を除く基準年俸で7,400千円以上)および総合職のうち労働基準法上の管理監督者となる部長職以上は残業時間の集計対象外となります。

 

<当期末の実績について>

・仕事に対する自発的行動やポジティブな感情についての指標であるワークエンゲージメントは例年よりも高い水準となり、報酬制度改定および働きやすい環境づくりへの取組みが貢献したものと考えております。具体的なアンケート結果の例としては、次の質問に「まあまあ当てはまる」以上の回答をした従業員が、それぞれ以下の割合となりました。

・仕事では、自分なりの創意工夫を行っている。                   88.7%

・仕事で必要なことであれば、自分の役割を超えて仕事をしている。  76.0%

・今の仕事をしているときは、楽しいと感じる。                    70.9%

・会社への愛着等に対する指標であるエンプロイーエンゲージメントに関する具体的なアンケート結果の例としては、次の質問に「まあまあ当てはまる」以上の回答をした従業員が、それぞれ以下の割合となりました。

・今の会社には、親しみや愛着を感じる。                         77.5%

・今の会社で働くことができて本当に良かったと思う。             85.6%

・今の会社で働くことは、自分の人生にとってプラスになっている。 86.2%

・離職率は前期より低下しており、報酬制度改定および働きやすい環境づくりへの取組みが貢献したものと考えております。

・従業員1人当たりの営業利益は増加傾向にあり、今後もさらなる向上を目指してまいります。

・年次有給休暇取得率は上昇傾向にあり、今後もさらなる向上を目指してまいります。

・平均法定外労働時間はほぼ例年並みであり、適正な範囲内と考えております。

 

ウ.人材の多様性の確保

当社グループでは、人材の多様性の確保が国際的な競争力の強化にもつながるとの考えに基づき、以下のとおり、女性、外国人および中途採用者の確保・活用を推進しております。

 

(ア)性別・性的指向・性自認の多様性

当社は、採用段階での女性の積極的採用、管理職候補者に対するキャリア形成研修および女性管理職の積極登用を行っております。また、女性が働きやすい環境づくりのための産前産後休暇・育児休業や時短勤務制度の推進、有給での生理休暇制度およびハラスメント防止のための社内研修等を行っております。なお、育児休業の取得状況等については、後記の「エ.育児介護支援」に詳細を記載しております。

加えて、性的指向や性自認にかかわらず福利厚生制度において平等の取り扱いをするため、2023年4月1日付でパートナーシップ制度を導入しました。

 

(イ)外国人の確保・活用

当社は、外国人の積極的採用、外国籍従業員のキャリアアップ支援と管理職への積極登用および日本語教育プログラム等を行っております。また、外国人が働きやすい環境づくりのため、海外から日本への引っ越しを伴う場合の住居確保の支援、一時帰国のための特別休暇制度の導入(2023年4月1日付)、外国籍従業員のニーズを把握するための経営層との意見交換会等を行っております。

 

(ウ)中途採用者の確保・活用

当社は、中途採用による高度な専門スキルを有する人材の確保の推進と管理職への積極登用を行っております。

 

以上の取組みに関する指標の実績および目標は以下のとおりです。

 

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

目標

従業員に占める女性比率(単体)

(%)

21.3

21.6

21.5

21.0

21.3

継続向上

管理職に占める女性比率(単体)

(%)

 

 

 

 

 

 

旧制度(注2)

9.5

9.2

10.3

12.5

13.7

15.0

新制度

9.5

9.2

10.6

10.7

11.6

15.0

平均年間給与(単体)(千円)

 

 

 

 

 

 

男性

6,182

6,316

6,329

7,393

7,904

継続向上

女性

4,794

4,848

5,028

6,130

6,751

継続向上

平均年齢(単体)(歳)

 

 

 

 

 

 

男性

37.5

37.7

37.7

37.9

38.1

女性

34.2

34.7

34.9

35.4

35.8

従業員に占める外国人比率

(単体)(%)

4.9

6.0

6.8

6.6

6.7

継続向上

出身国数

24

28

31

33

34

継続向上

管理職に占める外国人比率

(単体)(%)

 

 

 

 

 

 

旧制度

0.8

1.6

2.3

2.5

1.3

継続向上

新制度

0.8

1.6

1.3

1.7

1.2

継続向上

管理職に占める中途採用者比率(単体)(%)

 

 

 

 

 

 

旧制度

55.4

56.6

56.7

55.9

58.7

新制度

55.4

56.6

53.3

53.3

56.0

 

(注) 1.本表の集計は、いずれも正社員を対象としております。ただし、管理職に関する指標は、管理職である嘱託契約の従業員も集計対象に含んでおります。

2.当期の人事制度改定において、従来管理職として扱っておりましたスペシャリスト職(部下のマネジメントを行わない代わりに高度な専門性を発揮するポジション)を関係法令に則った取扱いに変更したことから、スペシャリスト職が管理職の範囲から除外されております。このため、集計にスペシャリスト職を含む数値を「旧制度」、スペシャリスト職を含まない数値を「新制度」として表示しております。

 

<当期末の実績について>

・女性管理職比率については上昇傾向にあり、男女賃金格差も減少傾向にはありますが、今後も引き続き、女性管理職比率の向上を含む女性従業員の育成・積極的登用に尽力し、男女賃金格差の縮小に努めてまいります。

・外国籍従業員の比率および出身国数はいずれも上昇傾向にあります。一方で、管理職に占める外国人比率については、該当者の退職により2022年3月期より減少いたしました。今後も、従業員の国際的な多様性のための外国人の積極採用、登用および定着に尽力してまいります。

・管理職に占める中途採用者比率は、既に高い水準にあると考えております。

 

エ.育児介護支援

当社は、従業員のワークライフバランスの実現のため、育児介護休業の取得推進、事業所内保育所「カプコン塾」の設置、テレワーク等による育児介護支援制度の充実等を図っております。

 

以上の取組みに関する指標の実績および目標は以下のとおりです。

 

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

目標

育児休業取得率(%)(注1)

27.1

24.7

35.1

48.7

52.5

うち男性

10.3

12.5

21.5

34.5

45.5

50.0

うち女性

100.0

100.0

94.4

90.0

85.7

100.0

男性育児休業平均取得日数(日)

(注2)

38.3

65.7

61.0

87.6

74.5

継続向上

 

(注) 1.育児休業の取得率は、各期中に本人または配偶者が出産した従業員数(単体、臨時社員を含む全従業員)に対する、当該期中に育児休業を取得した従業員数の割合であります。なお、過年度に本人または配偶者が出産した従業員が、翌期に育児休業を取得することがあるため、取得率が100%を超えることがあります。

2.男性育児休業平均取得日数は、各期中に育児休業から復職した男性従業員(単体、臨時従業員を含む全従業員)の育児休業日数の平均値であります。

 

<当期末の実績について>

・女性の育児休業取得率が2022年3月期を下回っている点は、当期末時点で産後休業中の従業員や、産後休業後に自己都合により退職した臨時従業員等による影響であります。

・男性の育児休業取得率および平均取得日数は、ともに上昇傾向となっております。今後も男性育児休業の取得推進や、長期取得しやすい社内環境の整備に努めてまいります。

 

(4) 知的財産

当社グループは、世界最高品質のコンテンツ(IP)を継続して生み出す開発力・技術力と、世界に通用する多数の人気IPを保有していることを強みとしております。

これらを活用し、事業活動を通じて独自の人気IPを創出することに加え、「ワンコンテンツ・マルチユース戦略」により様々な分野に展開することで、事業の拡大を図っております。

今後も、当社グループの持続的・安定的な成長と「毎期10%営業利益増益」の中期経営目標達成のためには、IPを継続的に生み出すための投資およびグローバルにブランド認知の拡大・浸透が重要であると考えております。

また、当社グループは知的財産の活用および適切な管理・保護を図ることにより、企業価値の向上に努めております。

このため、以下の知的財産戦略の推進に取り組んでおります。

 

・ 戦略および指標と目標

ア.知的財産への投資

当社グループは、世界最高品質のIPを創出すべく、人材投資戦略の推進および当社独自の開発エンジン等の最先端技術の研究開発や開発環境構築のための積極的な成長投資を行っております。

加えて、当社グループの保有する豊富なIPとeスポーツや映像、ライセンスなどの周辺ビジネスとの連携を強化し、全世界へのコンテンツおよびコーポレートブランドの拡大・浸透を図ることにより、ブランド価値の向上に努めております。

 

以上の取組みに関する指標の実績および計画は以下のとおりです。

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

2024年3月

(計画)

開発投資額(連結)(百万円)(注1)

27,038

25,843

25,375

29,862

37,719

45,000

販売タイトル数

297

305

301

304

307

販売国・地域数

222

220

216

219

230

ゲームソフト年間販売本数(千本)

25,300

25,500

30,100

32,600

41,700

45,000

 

(注) 1.コンテンツ部分の金額を含めて記載しております。

2.上記指標の計画値は2023年5月10日公表の2024年3月期における計画であります。

 

 

イ.知的財産の保護および活用

(ア)知的財産の保護・権利化

当社グループは、積極的な特許・商標出願を推し進め、知的財産の保護・権利化に努めることにより、事業におけるグローバル展開のさらなる深化を図っております。

また、これらの権利化した特許をクロスライセンス契約等で活用することにより、ゲーム開発の自由度を向上させ、魅力的なコンテンツ作りを推進するとともに、当社グループの知的財産権の保護のため、侵害行為への対策の推進および侵害行為を検出した場合の削除等の対応により、知的財産の適切な管理・保護に努めております。

加えて、他社の知的財産権の侵害予防のための社内啓発活動などを実施しております。

 

(イ)知的財産の創出・活用

当社グループは、知的財産部が事業部門や開発部門を一気通貫体制により、社内教育等を実施するなど、知的財産のリスクの管理や継続的な新規創出を支援しております。また、知的財産の価値の最大化と積極的な活用を推進し、企業価値の向上に努めております。

 

以上の取組みに関する指標の実績および目標は以下のとおりです。

2023年3月31日現在

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

目標

著作権等侵害削除対応件数(件)

(注1)

1,052

1,922

4,993

4,136

6,940

(注2)

特許保有件数(件)

527

547

634

736

912

(注2)

商標保有件数(件)

2,817

3,733

4,699

5,043

5,523

(注2)

 

(注) 1.当社グループのコンテンツの海賊版や知的財産権を侵害したとみられる画像・動画などの削除等の対応件数であります。

2.上記の各数値については、対象期の開発または発売タイトルラインナップなどにより変動等の影響を受けるため、具体的な目標値は開示しておりません。

 

(5) 情報セキュリティ

当社グループは、今後さらにグローバルでのデジタル販売の推進およびビジネスのデジタルシフトによる販売の多様化と効率化を加速していくためには、情報が企業活動に与える影響の重要性に鑑み、情報セキュリティの確保が重要であると考えております。

 

・ 戦略

当社グループは、個人情報保護法制への対応はもちろんのこと、各国で整備が進められる未成年者保護などの法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

当社グループは、情報の保存および管理については、「情報管理総則」等の規程やガイドラインに基づき、個人情報などの各種機密情報を適切に管理しております。

加えて、権限管理の強化やソフトウェアの最新化、システムの簡素化を図るとともに、外部との接続を常時監視するSOCサービスや機器の不正な挙動等を早期に検知するEDR等を導入するなど、情報セキュリティの確保に努めております。また、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会の助言等も踏まえ、継続的なシステムの運営・監視や、万一サイバー攻撃等のセキュリティリスクが顕在化するなどの非常時が発生した場合でも早期対処・復旧できる体制の構築等、PDCAサイクルに基づく情報セキュリティ体制の維持および強化を図っております。

 

 

3 【事業等のリスク】

当社グループは、今後想定し得る様々な危機の未然防止や不測の事態が発生した場合などに備え、適正な対応を図ることにより被害、損失や信頼失墜を最小限に食い止めるため、「危機管理規程」等により組織横断的なリスク管理体制が機能するよう努めております。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。因みに、新型コロナウイルス感染症の拡大による各事業への影響は正負の両面が考えられますが、当社グループにおける経営成績、株価および財務状況等に与える影響は小さいと判断しております。

なお、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に与える影響につきまして、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。

また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) デジタルコンテンツ事業に関するリスク

① 開発費の高騰化

家庭用ゲーム機等は新技術の登場や機器の性能向上に伴い、高機能化、多機能化しており開発費が高騰する傾向にあります。したがいまして、販売計画未達等の一部のタイトルにつきましては、開発資金を回収できない可能性があります。

対応策として、自社開発エンジンの構築、開発人員の増強と効率的配置により、クオリティの向上と開発の効率化を両立させ、開発費の抑制に注力しております。

 

② ゲームソフトの陳腐化について

嗜好品であるゲームソフトは、顧客層が重なる他業種との競争も激しく、他の娯楽へユーザーの志向が強くなることにより、ゲームソフトに対する購買動向が影響を受ける傾向にあります。また、パッケージの商品寿命は必ずしも長くはありません。このため、陳腐化が早く、商品在庫の増加や開発資金を回収できない可能性があります。

対応策として、デジタル販売の強化による商品在庫の縮減を図るとともに、過去作のリメイクや派生作品の投入により有力IPを継続的に活用し、長期的な収益確保に努めております。

 

③ 人気シリーズへの依存について

当社グループは多数のゲームソフトを投入しておりますが、一部のタイトルに人気が集中する傾向があります。シリーズ作品は売上の振幅が少なく、業績の安定化には寄与しますものの、これらの人気ソフトに不具合が生じたり市場環境の変化によっては、ユーザー離れが起きる恐れがあり、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、主力IPを活用した大型タイトルの安定的な投入と新規IPの創出に加え、グローバルにさらなるブランド価値の向上とユーザーニーズの把握に努め、ユーザー数の拡大による収益向上を図っております。

 

④ 暴力シーン等の描写について

当社グループの人気ゲームソフトの中には、一部暴力シーンやグロテスクな場面など、刺激的な描写が含まれているものがあります。このため、少年犯罪が起きた場合は往々にして、一部のマスコミなどからゲームとの関連性や影響を指摘されるほか、誹謗中傷や行政機関に販売を規制される恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、ゲームソフトの年齢別レーティング制度のルール遵守や、出前授業や企業訪問受け入れによる児童、生徒、学校関係者や保護者への啓蒙に努めております。

 

⑤ 季節要因による変動

ゲームソフトの販売は、年末年始のクリスマスシーズンから正月にかけて最大の需要期を迎えます。したがって、ゲームの需給動向は年間を通じて大きく変動し、四半期ごとに業績が振れる可能性があります。

対応策として、デジタル販売の強化と機動的な価格施策により、ゲームソフトの長期販売と収益の安定化に努めております。

 

⑥ 家庭用ゲーム機等のプラットフォームの普及動向について

当社グループの家庭用ゲームソフトは、主に株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社の各ゲーム機のほか、米国のバルブ社のゲーム配信サービスなどに供給しておりますが、これらの普及動向やゲーム機、配信サービスに不具合が生じた場合、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、各プラットフォーム市場の調査・分析による将来の見通しの予測に加え、マルチプラットフォーム展開により収益リスクを分散しております。

 

⑦ 家庭用ゲーム機会社等との許諾契約について

当社グループは、家庭用ゲームソフトを現行の各ゲーム機およびPCに供給するマルチプラットフォーム展開を行っております。このため、競合会社でもある株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント、任天堂株式会社および米国のマイクロソフト社からゲームソフトの製造、販売等に関する許諾のほか、米国のバルブ社からゲームソフトの販売、配信の許諾を得ておりますが、契約の変更や新たな契約内容によっては、当社グループの開発戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、マルチプラットフォーム展開への注力に加え、グローバルにユーザー数の拡大を図り、収益向上に努めております。

 

⑧ 家庭用ゲーム機の更新について

家庭用ゲーム機は過去、3~7年のサイクルで新型機が出ておりますが、ハードの移行期において、ユーザーは新作ソフトを買い控える傾向があります。このため、端境期は販売の伸び悩みなどにより当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、デジタル比率向上によるゲーム販売期間の長期化、リピート販売の強化と柔軟な価格施策による販売数の増加を図っております。

 

⑨ モバイルゲーム市場について

スマートフォン等のモバイル端末の普及に伴い、ゲーム市場は拡大しておりますが、新技術への対応が遅れたときは、コンテンツの円滑な供給ができなくなる場合があります。また、課金システムによっては社会問題化し、行政による規制強化を招く恐れがあります。加えて、娯楽の分散化や消費ニーズの多様化などにより、ゲームユーザーが減少した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、ゲーム内課金を煽らないマネタイズにより、人気IPを活用したゲームの供給および新たなユーザー層の獲得に努めております。

 

(2) その他の事業に関するリスク

① アミューズメント施設事業

設置機種の人気の有無、娯楽の多様化、少子化問題、競争の激化や市場環境の変化などにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、スポーツとエンターテインメントを融合した体験型アミューズメント施設やキャラクターグッズ販売など新業態の展開に加え、オリジナルVRコーナーやキッズコーナーの設置、イベント開催により、新規ファン層の獲得と認知度向上に努めております。

 

② アミューズメント機器事業

パチスロ機の販売については、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」に基づき、一般財団法人保安通信協会の型式試験に合格した機種だけが販売を許可されるため、この動向によっては売上が大きく左右される場合があります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、日本電動式遊技機工業協同組合への加盟により、規制当局の動向の把握と規制の変化に即応する体制の構築に努めております。

 

 

(3) 海外事業について

① 海外販売国における市場動向、競合会社の存在、政治、経済、法律、文化、宗教、習慣や為替その他の様々なカントリーリスクや人材の確保などにおいて、当社グループの事業戦略ならびに業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社との情報共有を密にし、各国の市場動向把握と、現地のニーズに対応した販売展開を行っております。また、社内の専門チームによる、カントリーリスクに配慮したローカライズを実施しております。

 

② 海外取引の拡大に伴い、税率、関税などの監督当局による法令の解釈、規制などにより損失や費用負担が増大する恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、海外子会社や販社と連携し、法令の遵守に努めております。

 

③ フィジビリティー・スタディーで予見できない不測の事態が発生した場合には、経費の増加や海外投資を回収できず当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 財政状態および経営成績に関するリスク

① 当社グループの主要な事業である家庭用ゲームソフトは、ダウンロード版が伸長しているものの、商品寿命が短いものもあり、陳腐化が早く、棚卸資産の増加を招く恐れがあり、これらの処分により当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当業界は年間を通じて市場環境が変化する場合があるため、四半期ごとに業績が大きく変動する蓋然性があります。また、売上高の減少や経営戦略の変更などにより当初予定していたキャッシュ・フローを生み出さない場合があり、次期以降の当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 対応策として、継続的な開発投資等に必要な現預金水準を設定し、適正な資金の確保に努めております。

 

(5) 人材の育成と確保

ゲーム業界は相対的に従業員の流動性が高く、優秀な人材が多数退職したり、競合他社等に流出した場合は、事業活動に支障を来たす恐れがあります。この結果、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、当社グループは、最高人事責任者(CHO)のもと、人事関連組織の強化により、経営層と従業員の直接対話の継続に加え、将来を支える人材の確保と育成や福利厚生制度の拡充などの働く環境の再整備のほか、開発体制を支えるオフィス環境等の拡充に努めております。

 

(6) 開発技術のリスク

家庭用ゲーム機をはじめ、ゲーム機関連の商品は技術革新が速いことから対応の遅れによっては販売機会の損失など当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、最先端の開発環境と、優秀な開発人材の活用により、常に新技術を活用した開発に注力しております。

 

(7) 規制に関わるリスク

アミューズメント施設事業は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」およびその関連する法令の規制を受けておりますが、今後の法令の改正や制定によっては事業活動の範囲が狭くなったり、監督官庁の事前審査や検査等が厳しくなることも考えられます。この結果、当社グループの事業計画が阻害される恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、警察や行政からの情報収集に努め、法令の遵守を徹底するとともに、安心かつ健全な店舗運営を図っております。

 

 

(8) 知的財産権に関するリスク

ゲームソフトやパチスロ機等の開発、販売においては、特許権、商標権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権が関係しております。したがいまして、当社グループが知的財産権の取得ができない場合には、ゲームソフトの開発または販売が困難となる蓋然性があります。また、第三者の所有する知的財産権を当社グループが侵害するリスクも否定できません。これらにより、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、当社グループが保有する権利保護に向けて、各国や地域での知的財産権の管理を行うほか、権利の侵害を防止するため社内での啓発活動に注力しております。

 

(9) 訴訟等に関するリスク

当社グループは、事業領域の拡大などにより、製造物責任や労務、知的財産権等に関し、訴訟を受ける蓋然性があります。これにより、訴訟の内容および金額によっては、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、従来からグローバルでの訴訟リスクの低減に向けて、様々な措置を講じております。

 

(10) 情報漏洩によるリスク

当社グループの想定を超えた技術による不正アクセスやコンピュータウイルス、その他予測不可能な事象などにより、ハードウェア、ソフトウェアおよびデータベース等に支障をきたす可能性があります。その結果、個人情報やゲーム開発情報など機密情報の漏洩が生じた場合には、損害賠償義務の発生や企業イメージの低下、ゲーム開発の中止等を招く恐れがあり、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、当社グループは、情報が企業活動に与える影響の重要性に鑑み、個人情報保護法制への対応はもちろんのこと、各国で整備が進められる未成年者保護などの法制への対応のほか、国内外の様々なサイバーリスクへの対策が不可欠と認識しており、情報セキュリティ体制の強化に取り組んでおります。

今後も、外部アドバイザリー組織であるセキュリティ監督委員会の助言等を踏まえ、継続的なシステムの運営・監視や非常時対応の体制維持および強化を図ってまいります。

 

(11) 不測の事態の発生によるリスク

台風、地震、津波等の自然災害や疾病、パンデミックの発生、蔓延等による社会不安、金融、資本市場等の混乱による経済危機、暴動、テロ等による政治の混迷など、国内外において不測の事態が発生した場合は、当社グループの業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

対応策として、「危機管理規程」等の整備や組織横断的なリスク管理体制の構築により、危機の未然防止や不測の事態が発生した場合における影響の極小化に努めております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度におきましては、進化と拡大を続けるグローバル市場に対応するため、デジタル販売の強化を主軸とした成長投資を積極的に推し進めました。また、安定的、持続的な成長のため、経営上の優先課題である人材投資戦略について、最高人事責任者(CHO)を新設し、人事関連組織の再編や職場環境のさらなる改善等を実施しました。加えて、報酬制度の改定により、当社正社員の平均基本年収を30%増額するとともに、自己株式400万株を原資として、当社の国内すべての正社員に株式報酬制度を導入するなどの具体的な施策を実施し、企業価値の向上を図ってまいりました。

このような経営方針のもと、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、デジタル販売を通じたリピートタイトルの積極的な販売推進により、グローバルに販売本数の増加を図りました。これにより、当連結会計年度におけるデジタルコンテンツ事業の販売本数は、4,170万本と前期3,260万本を上回り、当社コンテンツの価値向上に大きく寄与しました。さらに、これらの主力コンテンツと映像作品やライセンス商品、eスポーツとの連携を強化し、IPの持つブランド力のさらなる向上を図りました。また、アミューズメント施設事業における効率的な店舗運営や新業態店舗の推進、アミューズメント機器事業における当社人気IP活用等による販売拡大などの施策が、収益の向上に貢献しました。

この結果、売上高は1,259億30百万円(前期比14.4%増)、営業利益は508億12百万円(前期比18.4%増)、経常利益は513億69百万円(前期比15.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は367億37百万円(前期比12.9%増)となり、10期連続の営業増益を達成しました。

 

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(デジタルコンテンツ事業)

当事業におきましては、昨年6月に発売した『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)が、より軽快に進化したアクション等によりグローバルに高い評価を得るとともに、無料タイトルアップデート等の継続した施策により安定した人気を集めました。その結果、545万本を販売し業績に大きく貢献しました。

また、今年3月に発売した『バイオハザード RE:4』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)も、原作ストーリーの再構成や最新のグラフィック技術により、引き続きグローバルに好評を博しました。この結果、375万本を販売し収益向上に大きく寄与しました。

さらに、リピートタイトルにおいては、積極的なプロモーションによるIPの認知拡大と新たなファン層の獲得に加え、新作の継続的な投入および価格施策との相乗効果等により、『モンスターハンターライズ』や『モンスターハンター:ワールド』、『デビル メイ クライ 5』、『バイオハザード ヴィレッジ』など、シリーズタイトルを中心として販売が拡大しました。その結果、リピートタイトルの販売本数が2,930万本と前期2,400万本を上回り、収益を押し上げました。

この結果、売上高は981億58百万円(前期比12.1%増)、営業利益は535億4百万円(前期比18.0%増)となりました。

 

(アミューズメント施設事業)

当事業におきましては、新型コロナウイルス感染症のまん延防止等重点措置が、昨年3月に全面解除されたことによる来店客数の回復に加え、既存店の効率的な店舗運営や新業態での出店効果などにより収益拡大を図り、前期比で増収増益となりました。

 

当期において、10月にクレイジーバネットをはじめとした総合アミューズメント施設の「MIRAINO イオンモール土岐店」(岐阜県)を出店したほか、11月に当社人気キャラクターグッズの物販店にカフェを併設した「カプコンストア&カフェ ウメダ」(大阪府)や今年3月に「MIRAINO イオンモール豊川店」(愛知県)などをオープンしました。施設数は、スクラップ・アンド・ビルドによる施設展開と地域密着型の店舗戦略に努めたことにより、合計5店舗を出店するとともに2店舗を閉鎖し、45店舗となりました。

この結果、売上高は156億9百万円(前期比25.8%増)、営業利益は12億27百万円(前期比88.0%増)となりました。

 

(アミューズメント機器事業)

当事業におきましては、市場に一部好転の兆しが見え始めた環境下、昨年8月発売の『新鬼武者2』の販売台数が15千台となったほか、9月発売の『バイオハザードRE:2』も同15千台、今年1月発売の『モンスターハンターワールド:アイスボーン』が同12千台となり、各機種が収益に大きく貢献するとともに、市場から高評価を獲得し好調に稼働しました。その結果、当期5機種の販売台数は44千台となりました。

この結果、取引形態の多様化を図ったことなどにより、売上高は78億1百万円(前期比35.7%増)、営業利益は34億33百万円(前期比46.2%増)となりました。

 

(その他事業)

その他事業につきましては、映像ビジネスにおいて当社タイトルのブランド価値向上に向け、引き続き主力IPを活用した映像化を推進するため、米国に映像子会社を設立するとともに、「ストリートファイター」の実写映画化等の契約を締結したほか、ライセンスビジネスでは新規タイトルや人気タイトルのキャラクターグッズ展開などに注力しました。

他方、eスポーツビジネスにおいては、グローバル規模でのユーザー層の裾野拡大に向けた施策を推し進め、世界各地で開催するオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2022」や同大会の新カテゴリー「ワールドウォリアー」を実施したほか、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2022」、「CAPCOM CUP IX」および「ストリートファイターリーグ: ワールドチャンピオンシップ 2022」を開催するなど、各大会の振興を図るとともに、今年6月発売予定の『ストリートファイター6』のプロモーション展開を推進しました。

この結果、eスポーツ等への先行投資などにより、売上高は43億60百万円(前期比0.1%減)、営業利益は14億33百万円(前期比5.5%減)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末における資産につきましては、前連結会計年度末に比べ299億99百万円増加し、2,173億65百万円となりました。主な増加は、「売掛金175億76百万円、「ゲームソフト仕掛品73億17百万円および「土地37億17百万円によるものであります。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ153億46百万円増加し、562億36百万円となりました。主な増加は、「未払法人税等61億34百万円、「短期借入金35億91百万円および「1年内返済予定の長期借入金30億円によるものであります。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ146億53百万円増加し、1,611億29百万円となりました。主な増加は、「親会社株主に帰属する当期純利益367億37百万円および「為替換算調整勘定24億42百万円によるものであり、主な減少は、公開買付け等による自己株式の取得136億45百万円および「剰余金の配当108億79百万円によるものであります。

 

 

③ キャッシュ・フローの状況

営業活動によるキャッシュ・フローは、217億89百万円の資金の増加(前連結会計年度は469億47百万円の資金の増加)となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益511億43百万円等の資金の増加と売上債権の増加額171億55百万円法人税等の支払額106億98百万円等の資金の減少によるものです。

投資活動に使用された資金は、76億79百万円(前連結会計年度は74億26百万円)となりました。

これは主に、定期預金の払戻による収入254億41百万円等の資金の増加と定期預金の預入による支出253億2百万円有形固定資産の取得による支出71億3百万円無形固定資産の取得による支出3億12百万円等の資金の減少によるものです。

財務活動に使用された資金は、224億85百万円(前連結会計年度は99億80百万円)となりました。

これは主に、短期借入金の純増加額35億91百万円等の資金の増加と自己株式の取得による支出136億45百万円配当金の支払額108億68百万円リース債務の返済による支出9億35百万円等の資金の減少によるものです。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

デジタルコンテンツ事業

27,592

139.1

アミューズメント機器事業

2,791

108.8

合計

30,383

135.6

 

(注) 1.上記の金額は、製造原価により算出しております。

2.上記の金額は、ゲームソフト開発費を含んでおります。

 

b. 受注実績

当社グループは受注生産を行っておりません。

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

デジタルコンテンツ事業

98,158

112.1

アミューズメント施設事業

15,609

125.8

アミューズメント機器事業

7,801

135.7

その他

4,360

99.9

合計

125,930

114.4

 

(注) 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

任天堂株式会社

12,250

11.1

16,349

13.0

Valve Corporation

17,221

15.6

22,842

18.1

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当社グループの当連結会計年度末現在の事業および経営環境に基づいて判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益および費用の報告額に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なりうる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

(無償ダウンロードコンテンツの収益認識)および(ゲームソフト仕掛品の評価)

「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

(退職給付に係る負債)

従業員の退職給付費用については、各連結会計年度末における退職給付債務の見込額に基づき引当計上しており、退職率、割引率、昇給率、死亡率等の重要な前提条件を見積りに加味して計上しております。これらの条件が変更される場合、将来の退職給付費用に影響を及ぼす可能性があります。

(繰延税金資産)

当社グループは、将来の収益計画に基づいた課税所得が十分に確保できる可能性や、回収可能性があると判断した将来減算一時差異に基づいて、繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依拠するため、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、繰延税金資産を見直し、その影響額を法人税等調整額に計上する可能性があります。

(固定資産の減損処理)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産または資産グループについて、当該資産または資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定に当たっては慎重に検討しておりますが、当社グループの事業計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に著しい変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容

当連結会計年度の当社グループ事業全体および各セグメントの事業の概況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

当連結会計年度末における自己資本比率は74.1%(前期から4.1ポイントの減少)となり、ROE(自己資本利益率)は23.9%(前期から0.5ポイントの減少)となりました。当社グループは、資本効率の観点からROE向上による企業価値の増大に努めており、当連結会計年度は公開買付け等による自己株式の取得や株式付与ESOP信託の導入を行ったものの、中核事業であるデジタルコンテンツ事業において、主力シリーズの大型タイトルの投入や、採算性の高いリピートタイトル販売が続伸したことにより、ROEを安定的に維持させることができました。

なお、当期アミューズメント施設事業において、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う影響により集客が下がったことに起因し、一部店舗の資産の減損を行いましたが、事業環境への影響は今後収束していくものと考えております。翌連結会計年度に与える影響を含め、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。

 

③ 経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは経営における重要な指標として、企業の稼ぐ力の基本となる「営業利益」(成長指標)と収益性の基本である「営業利益率」(効率性指標)そして「キャッシュ・フロー」を重視しております。

 

当社グループの営業利益および営業利益率のこれまでの推移は次のとおりであり、営業利益の持続的な増加および営業利益率向上による効率性の改善に努めております。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

 

 

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

 

前期比(%)

売上高   (百万円)

100,031

81,591

△18.4

95,308

16.8

110,054

15.5

125,930

14.4

営業利益 (百万円)

18,144

22,827

25.8

34,596

51.6

42,909

24.0

50,812

18.4

営業利益率 (%)

18.1

28.0

36.3

39.0

40.3

 

キャッシュ・フローにつきましては、当社グループは、預金残高から有利子負債を控除したネット・キャッシュ残高を重視しており、当連結会計年度末の残高は942億73百万円(前連結会計年度末より81億11百万円減)となりました。当社グループは、手元流動性の拡大による財務健全性の向上を図り、経営の安定性を高めるように努力しております。

当社グループは、これらの指標を改善することにより、ROE(自己資本利益率)など関連する指標も向上し、株主価値を創出することになるものと考えております。当社グループのROEの推移につきましては、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (1) 連結経営指標等」をご参照ください。

当社グループは、また、成長を継続するための必要な投資を行い、企業価値の向上に努め、株主への安定的な配当による利益還元の実施を目的とし、配当性向を最も重要な経営指標の一つと考えております。その基本方針を連結配当性向30%とし、かつ安定配当の継続に努めております。当連結会計年度におきましても連結配当性向は36.1%と安定配当を継続して行っております。

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

連結配当性向(%)

30.3

30.1

30.4

30.2

36.1

 

なお、必要に応じた機動的な自己株式の取得を実施することにより、当社グループの1株当たりの利益を高めることで株式の価値を高め、株主への還元に資することも重要な施策の一つとして考えております。

上記施策により、当期の株主総利回りは428.0%と、比較指標である配当込みTOPIXの131.8%を大幅に上回っております。当社のこれまでの株主総利回りの推移は、「第1 企業の概況 1 主要な経営指標等の推移 (2) 提出会社の経営指標等」をご参照ください。

 

④ 資本の財源および資金の流動性

当社は中長期的に安定した成長を遂げるため、オリジナルコンテンツを生み出す源泉となるデジタルコンテンツ事業への十分な投資額を確保することが必要不可欠であると認識しております。具体的には、コンテンツ充実によるタイトルラインナップの拡充や新たな技術に対応するため、開発者の増員や開発環境の整備への投資が必要であります。当連結会計年度における研究開発投資額および設備投資額を合わせた合計469億12百万円の79.5%に相当する372億99百万円を、デジタルコンテンツ事業に投資しております。なお、ゲームコンテンツの研究開発投資につきましては、「6 研究開発活動」に記載のとおりであります。

ゲームコンテンツの開発費用は、高性能かつ多機能な家庭用ゲーム機の登場に伴い増加傾向にあります。また、主力タイトルのゲームコンテンツ開発期間は2年以上を要することに加え、発売後の定期的なゲームコンテンツのバージョンアップおよびネットワークインフラの維持に継続的な投資が発生するため、相応の現預金を保有しておく必要があります。

当社は、財務基盤を強化するとともに成長のための投資資金の確保を実現するため、投資計画とリスク対応の留保分を考慮したうえで、保有しておくべき現預金水準を3年分の開発費用を目途に設定し、適正レンジの維持に努めてまいります。また、事業環境の変化や事業拡大に伴う設備投資が発生した場合には、適切な資金調達を行います。

なお、配当を含めました当連結会計年度の資金流動につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

このような状況下、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は61億65百万円減少894億70百万円となりました。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社グループが許諾を受けている重要な契約の状況

 

契約会社名

相手方の名称

国名

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱カプコン

任天堂㈱

日本

Nintendo Switch Content License and Distribution Agreement

家庭用ゲーム機「Nintendo Switch」向けゲームソフトウェアの開発・広告宣伝・販売・頒布に関する知的財産権等の供与、ゲームソフトウェアの配信委託、および販売・頒布に関する条件設定

2017年4月1日より3ヵ年

以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

MICROSOFT CORPORATION

米国

XBOX CONSOLE PUBLISHER LICENSE AGREEMENT

家庭用ゲーム機「Xbox ONE」及び次世代機(「Xbox Series」)向けゲームソフトウェアの製造・販売に関する商標権および技術情報の供与

2020年6月1日より

2022年3月31日

以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント

日本

PlayStation Global Developer & Publisher Agreement

全てのPlayStationフォーマット向けゲームソフトウェアの開発・製造・発行・頒布・供給・販売・貸与・市販・広告宣伝・販促等に関する商標権および技術情報の供与

2013年11月15日より

2019年3月31日

以後1ヵ年毎の自動更新

㈱カプコン

Valve Corporation

米国

Valve Corporation Steam Distribution Agreement

カプコンのゲームソフトウェアをSteamで販売・配信するための許諾

2020年3月1日から解除の合意がなされるまで

 

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、コンピュータを介した「遊文化」をクリエイトすることにより、社会の安定発展に寄与し、「遊びの社会性」を高めるハイテク企業を志向しております。そのため、時代の変化や価値観の変化を先取りし、市場のニーズに合った新商品を開発することが当社の根幹事業であると認識し、研究開発に重点をおいております。

研究開発活動は、デジタルコンテンツ事業およびアミューズメント機器事業で行っており、当連結会計年度末現在の研究開発要員は2,460名、従業員の73.8%になっております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発投資額は37,719百万円で、売上比30.0%であります。なお、研究開発投資額にはコンテンツ部分の金額を含めて記載しております。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。

(1) デジタルコンテンツ事業

当事業における当社グループのゲームソフト開発・市場投入実績は以下の通りです。

主力タイトルにおきましては『モンスターハンターライズ』の超大型有料拡張コンテンツ『モンスターハンターライズ:サンブレイク』(Nintendo Switch、パソコン用)を開発し、発売いたしました。より軽快に進化したアクションや個性あふれるモンスターとフィールドの登場、無料タイトルアップデート等の継続した投入により安定した人気を集めました。

また、『モンスターハンターライズ』は対応プラットフォーム(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、Xbox One用)を追加開発し、発売いたしました。

2021年に発売した『バイオハザード ヴィレッジ』においては、追加シナリオや本編を三人称視点でプレイできる“サードパーソンモード”を加えた『バイオハザード ヴィレッジ ゴールドエディション』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、Xbox One、パソコン用)を開発し、発売いたしました。加えて、ストーリーモード全編をプレイステーションVR2で楽しむDLC『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』を開発し、配信いたしました。また、旧作『バイオハザード4』のリメイクタイトルである『バイオハザード RE:4』(プレイステーション 5、プレイステーション 4、Xbox Series X|S、パソコン用)を開発し、発売いたしました。原作ストーリーの再構成や操作体系の現代化に加え、自社開発エンジンRE ENGINEを活用した没入感の高いビジュアル表現により、高い評価や関心を集めました。

モバイルコンテンツ市場向けタイトルにおきましては、運営サービスを行っております『ロックマンX DiVE』、『スヌーピードロップス』の既存タイトルに追加コンテンツを開発し、配信いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は35,369百万円であります。

 

(2) アミューズメント機器事業

当事業におきましては、新規システムへチャレンジしたオリジナルコンテンツ『月華 雅』、株式会社ユニバーサルエンターテインメントとの業務提携第三弾『新鬼武者2』、同じく第四弾『バイオハザードRE:2』、当社のヒットコンテンツである『モンスターハンターワールド:アイスボーン』の合計4機種のパチスロ遊技機開発を行い、販売いたしました。

当事業に係る研究開発投資額は2,349百万円であります。