第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)経営方針

 当社は、世界をリードするクリーンエアーシステムの技術を確立し、株主、従業員、関連会社に利益を還元し社会貢献することを目標としております。当社の技術は研究・実験に基づき、今まで蓄積された技術力で顧客ニーズに合致した製品を連続的に創造する専業メーカーとして堅実な成長を続けております。また、社員の評価は創造性を第一としております。

 

(2)経営戦略等

 当社は、電子工業分野やバイオロジカル分野向けに開発した多数の標準機種・準標準機種を有しますので、これらの販売を促進することで、生産効率の向上を図っております。一方、クリーンエアーシステムの専業メーカーとして、個々の顧客ニーズに応じた製品の設計・製造を行うことも特徴の一つです。

 市場の要求を取り込み、クリーンエアーシステムを基に新製品を開発、販売することで、市場の拡大及び当社ブランドの確立を目指しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、持続的な利益を確保し、成長することを目標としております。継続的な成長を目指し新製品の開発に注力し、また生産性の向上やサービス業務の拡大に取り組んでおります。「営業利益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。

 

(4)経営環境

 電子工業分野は、次世代通信(5G)、データセンター、自動車の自動運転・EV化等の半導体や電子部品を中心に成長しています。また、バイオロジカル分野も、再生医療の進展、食品工場や医薬品の安全志向の高まりにより、安定的に推移することが予想されます。よって、当社を取り巻く経営環境は堅調に推移すると考えております。

 しかし、いずれの分野も不安定な国内外情勢であり、また、新型コロナウイルスの影響等も予断を許さない状況にあります。そのような中、研究開発の促進、生産性の向上、顧客開拓等を着実に行ってまいります。

 

(5)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社では新製品開発、研究においては創造性を重視し、特徴を有する新製品を顧客に提供してまいります。さらに、顧客ニーズに適合したクリーン関連分野以外の新製品開発及び拡販も図ってまいります。同時に、標準品の販売比率の増加に努め、利益率の向上を目指します。

 製造部門では、競争力強化のために、PTFE(フッ素樹脂)ろ材使用フィルター、アルミ加工部品、製缶・塗装及びビニールカーテンの内製化比率を高め、製造コスト低減を目指します。また、設計部門は3D-CADの活用範囲を拡大し、効率化と不良率低減を進めております。

 サービスセンターは、2018年に開設した関西サービス部の充実を図り顧客満足度を高めていきます。また、安全キャビネット、クリーンブース等、機器のバリデーション検査体制を強化しております。

 また、当社ではISO-9001による厳格な品質管理を実施し、顧客に満足して頂ける高品質な製品作りを継続してまいります。

 さらに、高度化した顧客要求に応えるために、役員、部署長による計画的な社員教育を実施し、人材育成に注力してまいる所存です。

 

2【事業等のリスク】

 当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関し、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主な事項は、以下のようなものがあります。

(1) 事業内容及び特定の業界への依存度が高いことについて

 当社は、半導体、液晶等の電子工業分野及び医薬品工業、医療機関、食品工業等のバイオロジカル分野を対象に、空気中の汚染制御に関する機器の製造、設置、販売並びにシステムのエンジニアリングを単一セグメントに属する事業として行っております。それぞれの分野に占める割合は下表に記載のとおりであります。当社の業績は電子工業分野及びバイオロジカル分野の国内外の設備投資動向に影響を受ける場合があります。

販売分野

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

売上金額

構成比

売上金額

構成比

売上金額

構成比

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

電子工業分野

4,925

48.4

5,259

51.6

4,939

47.3

バイオロジカル分野

4,032

39.7

3,669

36.0

3,927

37.6

そ の 他

1,209

11.9

1,262

12.4

1,576

15.1

合   計

10,166

100.0

10,190

100.0

10,442

100.0

 (注)「その他」は最終顧客の分野が捕捉不能な物件の売上金額及び構成比を記載しております。

(2) 競合について

 当社製品については、他社との競合が発生します。当社としては基幹部品の内製化、代理店との関係強化、効率的な資材調達や生産性の向上を図ること等で利益を確保する方針ですが、競合による当社製品の販売価格の下落等が当社の業績に影響を与える可能性があります。

(3) 品質管理・製造責任について

 当社は、クリーンエアーシステムに関してはクリーンルームからクリーンルーム機器及びクリーンサプライ商品に至るまで、幅広い製品を取扱っております。製造部門ではISO-9001による厳格な品質管理を実行し、顧客に納得して頂ける製品作りを継続しております。

 しかし、装置の不具合や使用部品の不良等が原因で、顧客の生産や実験に支障をきたす等、顧客に損害が発生する可能性があります。現時点までに製造物責任及び瑕疵担保責任に関する訴訟は生じておりませんが、そのような事態が発生した場合、製品への信頼性低下や損害賠償請求等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 災害等について

 地震等の自然災害や事故、テロ等により、当社の生産拠点や設備等が損害を受ける可能性があります。この場合、当社の操業が中断し売上高が低下する可能性、生産拠点等の修復または代替のために多額な費用を要する可能性があります。

 

(5) 大口案件について

 電子工業や医薬品工業の生産施設等に係る大口案件については、仕様の複雑さ、頻繁な仕様変更及び強い値下げ圧力等が予想されることから、受注に際しての可否判断から受注後の採算管理に至るまで、慎重に対応しております。

 受注に際しては、過去の類似案件を調査のうえ、役員が会議において、想定される仕様、受注の可否及び提出する見積り等について検討を行います。

 また、受注した大口案件については、リストアップのうえ、役員会において原価、工事の進捗、売上計上時期等を適宜共有しています。

 しかしながら、当社の想定を超えて費用が発生し、それに見合う値上げが困難な場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 標準品と特殊品について

 当社は創業来、特殊品の製造に注力してまいりました。様々な顧客からの要望に応える中で、新製品を開発し、技術力を高めてきた一方で、生産効率の低さや、不良の発生のしやすさ等が問題点として認識されてきました。

 当社では、顧客要望に基づき頻繁に改良を実施することで標準品比率の向上を目指すと同時に、特殊品に関しては、技術向上等の観点から選別受注を行うことにより利益率の確保を目指していますが、当社の計画通りに標準品の比率が高まらない場合や、特殊品の受注に際して想定通りに選別できない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(7) 協力会社について

 当社製品の製造においては、受注量の変動への柔軟な対応や効率的な人員体制の維持の観点から、適宜協力会社を活用しております。特に板金と塗装の工程については、大部分を協力会社に依頼していますが、当該工程の約1割を社内で製作することにより、原価・工数・技術を把握すると同時に、品質の維持・向上を図っております。また、協力会社に対しては、定期的に品質の確認を行い、情報の共有に努めています。更には、内製化の増強や新規の協力会社の開拓に絶えず注力することにより、不測の事態による製造への影響の抑制を図っております。

 しかしながら、資材コストの急騰や労務費の上昇、また協力工場の人手不足による生産減少等の発生により外注費が増加し、これらを製品販売価格に転嫁することが困難な場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人員体制について

 当社では、小規模な組織による効率的かつ柔軟な運営を基本として、要員計画を策定・実施しています。現在のところ、特殊品への対応のため、技術部及びサービスセンター(搬入据え付け、サービス等)では、生産量に見合った人員を確保していますが、特殊品の選択受注、標準品の販売促進、新製品の開発による市場占有率の向上及び生産性の向上等により、人員増加を抑制していく方針です。

 今後、当社の要員計画の想定を超えて特殊品の受注量が変動し、人員数に過不足が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 取引先の信用リスクについて

 当社の販売は、ルートセールスを基本とし、建築設備会社、装置メーカー等に直販があります。当社では、与信管理を徹底することにより、不良債権の発生を極力減らしていますが、これらの販売先で急激な収益状況や財政状況の悪化等が発生し、売掛債権等の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 保有資産について

 保有する有価証券、不動産等について、時価の下落により減損処理が必要になった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 退職給付制度について

 当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場や債券市場が低迷した場合、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用の増加や追加的な年金資産の積み増し等が必要となります。このような状況となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 施工中における人的災害及び工事災害について

 工事の安全衛生や品質管理には万全を期しておりますが、施工中の災害または事故により損害賠償等が発生する可能性があります。不測の事故に備えて保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 情報セキュリティについて

 自社にて利用する社内システム等においては、個人情報、顧客情報等を取り扱いますが、コンピュータウイルスの侵入や技術的、人為的な要因により情報の漏洩、破壊等を引き起こす可能性があり、これらの事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(14) コンプライアンス、内部統制について

 当社では、法令遵守の徹底を図り内部統制システムの強化に努めております。しかしながら、法令違反が発生したり、構築した内部統制システムが十分でなかった場合には、当社の社会的な信用の著しい低下、法令に基づく処罰ないし、法令遵守のための追加的な費用の発生等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 知的財産権について

 当社は、研究開発に力を入れており、知的財産権の申請取得に注力しております。しかし、申請は日本国内が主であり海外への申請は多くはありません。従って、海外において当社の知的財産を用いて類似した製品を製造するのを効果的に阻止できない可能性があります。一方、当社が認識し得ない知的財産が存在し、当社が当該知的財産を無断で使用した場合には、当社が訴訟において当事者となりうる可能性があります。

 これらの状況が生じた場合には、権利を侵害されたことによる損害や逸失利益、訴訟に係る費用等を通じて、当社の業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

 当事業年度における世界経済は、米中貿易摩擦等に伴う輸出の低迷等があり、不透明な状況にあります。また、国内経済も半導体の一部に明るさが見えはじめてはいるものの、依然として不透明な状況で推移致しました。

 当社における事業環境は、電子工業分野では、海外における液晶テレビ用やスマートフォン等のパネル製造に関連する設備投資が抑制されました。国内においても、データセンター用半導体、スマートフォン及び車載電子機器関連の部品製造設備投資は慎重な姿勢が見られました。一方、バイオロジカル分野では、研究開発施設、再生医療関連及び食品工業の設備投資が堅調に推移致しました。

 このような状況の下、電子工業分野では、液晶・半導体製造装置、搬送装置及び電子部品・電子素材メーカーを中心に、そしてバイオロジカル分野では、再生医療関連及び食品工業を主に営業強化を図り、顧客ニーズに合致した製品開発・改良を推進してまいりました。「10型安全キャビネット」「傾斜01型卓上型クラスⅡ安全キャビネット」「M型クリーンベンチ」等特徴を有する製品開発・改良を行い、営業面では再生医療関連や電子工業関連の展示会出展等販売強化に努めてまいりました。

 収益面におきましては、大口案件の選択受注及び標準品の拡販等により、前期比では増収となりました。しかし、営業利益は増加したものの、海外からの配当金の減少等があり、経常利益、当期純利益は減少となりました。

 以上の結果、当事業年度における業績は、売上高104億42百万円(前期比2.5%増)、営業利益4億35百万円(同1.9%増)、経常利益5億85百万円(同0.1%減)、当期純利益は4億5百万円(同1.2%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ1億36百万円増加し、47億48百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、7億73百万円(前期は83百万円の支出)となりました。これは主に、売上債権の減少5億18百万円があったことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、4億2百万円(前期比3億2百万円の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得3億36百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は、2億31百万円(前期比20百万円の支出減)となりました。これは主に、配当金の支払額1億79百万円があったことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

クリーンルーム

1,165,796

146.4

クリーンルーム機器

2,969,047

90.5

クリーンブース

2,100,723

84.3

クリーンベンチ

214,942

121.9

バイオロジカリー機器

950,983

85.6

据付・保守サービス

2,453,404

104.0

その他の製品

324,967

93.6

10,179,864

96.4

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

クリーンサプライ商品

144,848

65.5

144,848

65.5

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

品目別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 

 

クリーンルーム

902,527

93.7

206,181

35.8

クリーンルーム機器

2,883,405

84.9

826,168

90.3

クリーンブース

2,032,454

86.3

543,882

93.0

クリーンベンチ

196,905

97.7

48,113

97.0

バイオロジカリー機器

830,683

84.5

239,370

75.8

据付・保守サービス

2,423,629

101.2

504,505

90.1

その他の製品

368,963

113.6

92,180

125.5

小計

9,638,570

90.8

2,460,400

80.0

商品

 

 

 

 

クリーンサプライ商品

176,076

62.8

5,513

28.8

小計

176,076

62.8

5,513

28.8

合計

9,814,646

90.1

2,465,913

79.7

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

d.販売実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

クリーンルーム

1,272,656

169.6

クリーンルーム機器

2,972,218

98.7

クリーンブース

2,073,225

87.7

クリーンベンチ

198,396

116.7

バイオロジカリー機器

906,944

93.2

据付・保守サービス

2,479,047

106.8

その他の製品

350,243

112.0

小計

10,252,733

103.6

商品

 

 

クリーンサプライ商品

189,682

65.1

小計

189,682

65.1

合計

10,442,415

102.5

 (注)1.上記の金額には、輸出販売額 88,979千円を含んでおります。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらと異なる場合があります。

 

②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益

(円)

ROE

(%)

 2019年12月期

10,442

435

585

405

45.33

4.0

 2018年12月期

10,190

427

586

410

45.97

4.2

 増減率(%)

2.5

1.9

△0.1

△1.2

△1.4

△4.8

 

a. 当事業年度の業績全般の概況

 当事業年度における業績は、売上高104億42百万円(前期比2.5%増)、営業利益4億35百万円(同1.9%増)、経常利益5億85百万円(同0.1%減)、当期純利益は4億5百万円(同1.2%減)となりました。

 売上高が増加した要因は第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。

 営業利益は増加しましたが、経常利益、当期純利益は減少しました。これは海外からの配当金が減少したことによるものです。

 法人税等1億73百万円を計上したことにより当期純利益は4億5百万円となりました。

 

b. 当事業年度の品目別の概況

 

売  上  高(百万円)

売 上 総 利 益(百万円)

2018年12月期

2019年12月期

増 減

2018年12月期

2019年12月期

 増 減

クリーンルーム

750

1,272

522

44

58

13

クリーンルーム機器

3,010

2,972

△37

577

529

△47

クリーンブース

2,362

2,073

△289

590

553

△36

クリーンベンチ

170

198

28

33

34

1

バイオロジカリー機器

973

906

△66

210

186

△23

据付・保守サービス

2,320

2,479

158

615

715

100

その他の製品

312

350

37

68

88

20

製品小計

9,900

10,252

352

2,140

2,166

26

クリーンサプライ商品

290

189

△101

52

29

△22

合計

10,190

10,442

251

2,192

2,196

3

 

クリーンルーム

 「クリーンルーム」は大学、病院の再生医療研究施設等のバイオロジカル分野及び電子部品・精密機械関係のクリーンルームが増加したことにより、全体での売上高は前期比69.6%の大幅増加となりました。

 

クリーンルーム機器

 電子工業、食品分野の設備投資の増加に伴い、「フィルターユニット」「パスボックス」は増加したものの、「エアーシャワー」が減少し、全体での売上高は前期比1.3%の減少となりました。

 

クリーンブース

 「アルミ製クリーンブース」は、大型の機種等の売上は増加しましたが、「SS-MAC(多目的に利用されるクリーンユニット)」、液晶・有機EL分野への「サーマルクリーンチャンバー」が減少し、全体での売上高は前期比12.3%の減少となりました。

 

クリーンベンチ

 「クリーンベンチ」は、顧客用途の変化に伴い近年では販売額は減少傾向にありましたが、新型への移行もあり全体での売上高は前期比16.7%の増加となりました。

 

バイオロジカリー機器

 「アイソレーター」「バイオクリーンベンチ」等の売上は増加しましたが、主力の「安全キャビネット」が減少し、全体での売上高は前期比6.8%の減少となりました。

 

据付・保守サービス

 「クリーンブース」「クリーンベンチ」「エアーシャワー」等の現地搬入・据付作業等による売上高は堅調に推移し、全体での売上高は前期比6.8%の増加となりました。

 

その他の製品

 無塵衣を洗濯する「クリーンランドリー」は、新規顧客が増加し前期比28.4%の増加となり、全体でも12.0%の増加となりました。

 

クリーンサプライ商品

 クリーンルーム内で使用される「無塵衣」「ワイパー」「静電除去装置」及び「クリーンルーム用無塵棚」等の売上高は、大型案件が減少し、前期比34.9%の大幅な減少となりました。

 

③ 目標とする経営指標の達成状況等

 当事業年度の営業利益は業績予想401百万円に対し、435百万円(業績予想比 8.7%増)、経常利益は業績予想531百万円に対し585百万円(業績予想比 10.3%増)となりました。数年来取り組んでいる、特殊品の選択受注、標準品の販売促進、新製品の開発による市場占有率の向上及び生産性の向上等の施策により、営業利益、経常利益共に予想を上回る業績となりました。

④ 次期の見通し

 次期の我国経済は、中国を主とした海外経済の先行きに不安はあるものの、半導体を主とした電子工業により拡大していくと予想されております。一方、世界経済は米中貿易摩擦や英国のEU離脱等による減少は見込まれるものの、米国景気の底堅さを背景に全体としては緩やかな回復が続くと予想されております。一方、新型コロナウイルスの影響は、予断を許さない状況にあります。

 当社における事業環境は、電子工業分野では、5Gへの移行に伴いデータセンター、スマートフォン及びそれらに用いられる半導体並びに電子部品の生産拡大による設備投資の増加が見込まれます。また、自動車の自動運転・EV化、IoT等の関連分野への投資も期待されます。一方、バイオロジカル分野では、製薬工業、病院・医療関連及び食品工業分野への投資が増加する見込みです。特に製薬工業では、がん治療に関する医薬品設備投資の増加が見込まれます。また、病院・医療分野では、iPS細胞等を使用した再生医療、食品工業では、製造工程の清浄化及び異物混入・防虫対策への設備投資が増加する見通しです。

 新製品開発・研究においては、「卓上型全排気型安全キャビネット」「SS-エアーシャワー(04型)」等、特徴を有する新製品の拡販に努めてまいります。

 製造部門では、競争力強化のために、PTFE(フッ素樹脂)ろ材使用フィルターを含めた高性能フィルター、アルミ加工部品及びビニールカーテンの内製化比率を高め、製造コスト低減を目指します。また、サービスセンターは、2018年に開設した関西サービス部の充実を図り顧客満足度を高めてまいります。また、安全キャビネット、クリーンブース等、機器のバリデーション検査体制を強化してまいります。

 

 

 

(3)当事業年度の財政状態

 

2018年12月期

2019年12月期

増  減

営業活動によるキャッシュ・フロー

△83百万円

773百万円

857百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△100百万円

△402百万円

△302百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△252百万円

△231百万円

20百万円

現金及び現金同等物に係る換算差額

△2百万円

△3百万円

△1百万円

現金及び現金同等物の増減額

△438百万円

136百万円

575百万円

現金及び現金同等物期末残高

4,611百万円

4,748百万円

136百万円

借入金・社債期末残高

536百万円

495百万円

△41百万円

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因につきましては、 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

 

2016年12月期

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

自己資本比率(%)

65.3

63.2

66.1

68.4

時価ベースの自己資本比率(%)

41.2

55.4

34.6

45.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

1.7

8.5

0.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

83.7

22.0

332.6

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 ※ 各指標は、いずれも財務数値により算出しております。

 ※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

 ※ 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債(リース債務を除く)を対象としております。

 ※ 利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 ※ 2018年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

 当社の手元資金活用方法の基本的な考え方は、生産性向上を目的とした設備投資及び顧客ニーズに合致した製品開発投資に備える事であります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。

 なお、当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は495百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は4,748百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術供与契約

契約締結先

内容

契約発効日

有効期間

AIRTECH EQUIPMENT PTE.,LTD.

(シンガポール)

クリーンエアーシステム技術供与

1985年1月10日

1986年1月9日以後自動延長

富泰空調科技股份有限公司(台湾)

クリーンエアーシステム技術供与

1990年5月1日

1993年4月30日以後自動延長

蘇州安泰空気技術有限公司(中国)

クリーンエアーシステム技術供与

2008年12月15日

2033年12月14日以後自動延長

WOOLEE AIRTECH KOREA CO.,LTD.

(韓国)

クリーンエアーシステム技術供与

2004年3月3日

2006年12月31日以後自動延長

PYRAMID AIRTECH PVT.LTD.(インド)

クリーンエアーシステム技術供与

2007年4月10日

2007年12月31日以後3年毎の更新

THELONG AIRTECH JOINT STOCK COMPANY(ベトナム)

クリーンエアーシステム技術供与

2016年1月29日

2018年1月31日以後自動延長

HEMAIR SYSTEMS INDIA LIMITED

(インド)

クリーンエアーシステム技術供与

2018年8月10日

2028年8月11日以後自動延長

(注)1.上記については、売上高の一定率をロイヤリティーとして受取っております。

ただし、AIRTECH EQUIPMENT PTE.,LTD.、WOOLEE AIRTECH KOREA CO.,LTD.、PYRAMID AIRTECH PVT.LTD.、THELONG AIRTECH JOINT STOCK COMPANY、及びHEMAIR SYSTEMS INDIA LIMITEDにつきましては、一定額としております。

2.蘇州安泰空気技術有限公司は関連会社であります。

 

(2)販売提携契約

契約締結先

内容

契約発効日

有効期間

PEA GMBH(ドイツ)

製品の相互販売提携

2015年11月23日

2016年11月30日以後自動延長

 

 

5【研究開発活動】

 当社は空気調和技術の一環である業務用空気清浄装置等の専門メーカーとして、塵埃または菌やウィルスを制御するためのクリーンエアーシステムや、微生物災害を防止するためのバイオロジカルセーフティシステム等の設計、製造、販売を行っております。これらの市場に対し、性能、品質、価格等の顧客の要望に応じた新製品を連続的に提供していくことが不可欠です。当事業年度におきましても、設計本部を中心として研究・開発を行い、その成果は以下のとおりであります。

 1.研究

  A.ランナーの樹脂化

  B.流体シミュレーション

 2.研究論文発表

  JACA(日本空気清浄協会)

   ・保冷庫用エアーカーテンの性能評価法(その4)

  ASCC(中国)

   ・Biosafety Cabinet with Air Isolation System for Tissue Engineering

   ・Performance evaluation of air curtains for cold warehouse

 3.新製品

  A.卓上全排気型安全キャビネット

  B.SS-エアーシャワー(04型)

  C.再生医療用アイソレーター

  D.天吹きエアーカーテン

 4.特許

   ・新規申請(3件)、取得(8件)

 なお、当事業年度における研究開発費の総額は、116百万円となっております。

(注)当社は単一セグメントに属する事業を営んでいるため、セグメント別の研究開発活動については記載を省略して

   おります。