第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社における経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものです。

 

(1)経営方針

 当社は、世界をリードするクリーンエアーシステムの技術を確立し、株主、従業員、関連会社に利益を還元し社会貢献することを目標としております。当社の技術は研究・実験に基づき、今まで蓄積された技術力で顧客ニーズに合致した製品を連続的に創造する専業メーカーとして堅実な成長を続けております。また、社員の評価は創造性を第一としております。

 

(2)経営戦略等

 当社は、電子工業分野やバイオロジカル分野向けに開発した多数の標準機種・準標準機種を有しますので、これらの販売を促進することで、生産効率の向上を図っております。一方、クリーンエアーシステムの専業メーカーとして、個々の顧客ニーズに応じた製品の設計・製造を行うことも特徴の一つです。

 市場の要求を取り込み、クリーンエアーシステムを基に新製品を開発、販売することで、市場の拡大及び当社ブランドの確立を目指しております。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社は、持続的な利益を確保し、成長することを目標としております。継続的な成長を目指し新製品の開発に注力し、また生産性の向上やサービス業務の拡大に取り組んでおります。「営業利益」及び「経常利益」を重要な経営指標として位置づけております。

 

(4)経営環境

 国内では新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言による工事進行の中断や延期による影響等を受けましたが、設備投資は徐々に回復しております。当社では人と人との接触を減らしエアロゾル感染を防ぐ工夫をしながら、草加(埼玉)、加須(埼玉)、伊勢崎(群馬)の3工場及び協力会社が一体となり感染症対策機器の生産と出荷に注力しております。電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカーは堅調でしたが、自動車部品、電子材料関連の設備投資が停滞し、再開の動きは緩やかです。一方、バイオロジカル分野では、令和2年度厚生労働省第二次補正予算による補助金交付により病院、薬局、福祉施設、クリニック及びPCR検査施設等への新型コロナウイルス感染症に関連する感染症対策機器、クリーンルーム及び関連消耗品の導入が拡大しております。

 また海外では、ベトナム、中国、韓国、台湾等における据付業務が2020年の年初から停滞したものの、同年7月以降は徐々に再開しております。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社における事業環境は、バイオロジカル分野では、感染症対策への補助金は一服するものの引き続き病院・医療・介護関連への設備導入が見込まれ、薬品の物流倉庫及び食品工業分野への投資が復調する見込みです。また、再生医療やがんの免疫治療への設備投資も見込まれます。一方、電子工業分野では、5Gへの移行に伴い半導体やデータセンター、スマートフォン及びそれら電子部品の生産拡大による設備投資の復調と増加が見込まれます。また、EV及びFCV自動車の製造環境クリーン化、AIやIoT関連分野への投資も期待されます。そのような状況において当社が優先的に対処すべき主な取り組みは、以下のとおりです。

① 研究開発は、特徴付けを考慮し、SDGsに関連する感染症対策製品、省エネルギー化及び食品分野関連装置等を主にしており、具体的には「生菌を用いた空気清浄装置の浮遊菌除去効果の検証」「陰圧排気ユニットの開発」等に取り組み、特徴を有する新製品の拡販に努めてまいります。

② 2021年1月に完成した越谷工場を稼働し、感染症対策製品の生産量拡大とエアーシャワーの生産効率向上に取り組みます。

③ クリーンパーティション等の感染症対策製品の販売増加に伴い、HEPA(高性能)フィルターの交換需要増が見込まれるため、HEPAフィルターの増産と拡販に取り組みます。

④ 2020年12月に完成した本社ショールームを有効活用し、代理店説明会及び勉強会等を開催し拡販いたします。

⑤ コロナ禍における営業活動・海外対応の新取組を検討します。

⑥ 生産管理システムを活用し、合理的な生産管理に取り組み、確実な納期対応と製造コスト低減を目指します。

⑦ サービスセンターは、関西以外の営業拠点へのサービスセンター拡張に向け体制の充実を図り、顧客満足度を高めてまいります。

2【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事実の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当会計年度末現在において、当社が判断したものであります。

(1) 事業内容及び特定の業界への依存度が高いことについて

 当社は、半導体、液晶等の電子工業分野及び医薬品工業、医療機関、食品工業等のバイオロジカル分野を対象に、空気中の汚染制御に関する機器の製造、設置、販売並びにシステムのエンジニアリングを単一セグメントに属する事業として行っております。それぞれの分野に占める割合は下表に記載のとおりであります。当社の業績は電子工業分野及びバイオロジカル分野の国内外の設備投資動向に影響を受ける場合があります。

販売分野

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

売上金額

構成比

売上金額

構成比

売上金額

構成比

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

(百万円)

(%)

電子工業分野

5,259

51.6

4,939

47.3

3,636

29.1

バイオロジカル分野

3,669

36.0

3,927

37.6

7,423

59.5

そ の 他

1,262

12.4

1,576

15.1

1,427

11.4

合   計

10,190

100.0

10,442

100.0

12,487

100.0

 (注)「その他」は最終顧客の分野が捕捉不能な物件の売上金額及び構成比を記載しております。

(2) 競合について

 当社製品については、他社との競合が発生します。当社としては基幹部品の内製化、代理店との関係強化、効率的な資材調達や生産性の向上を図ること等で利益を確保する方針ですが、競合による当社製品の販売価格の下落等が当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 品質管理・製造責任について

 当社は、クリーンエアーシステムに関してはクリーンルームからクリーンルーム機器及びクリーンサプライ商品に至るまで、幅広い製品を取扱っております。製造部門ではISO-9001による厳格な品質管理を実行し、顧客に納得して頂ける製品作りを継続しております。

 しかし、装置の不具合や使用部品の不良等が原因で、顧客の生産や実験に支障をきたす等、顧客に損害が発生する可能性があります。現時点までに製造物責任及び瑕疵担保責任に関する訴訟は生じておりませんが、そのような事態が発生した場合、製品への信頼性低下や損害賠償請求等により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 災害等について

 地震等の自然災害や新興感染症の流行、事故、テロ等により、当社の生産拠点や設備等が損害を受ける可能性及び営業及び生産活動が中断する可能性があります。さらに原材料等の供給不足が生じた場合、電力・物流・人の移動をはじめとする社会機能が低下した場合等には、当社の操業が中断し売上高が減少する可能性、生産拠点等の修復または代替のために多額な費用と時間を要する可能性があります。

 

(5) 大口案件について

 電子工業や医薬品工業の生産施設等に係る大口案件については、仕様の複雑さ、頻繁な仕様変更及び強い値下げ圧力等が予想されることから、受注に際しての可否判断から受注後の採算管理に至るまで、慎重に対応しております。

 受注に際しては、過去の類似案件を調査のうえ、取締役が会議において、想定される仕様、受注の可否及び提出する見積り等について検討を行います。

 また、受注した大口案件については、リストアップのうえ、取締役会において原価、工事の進捗、売上計上時期等を適宜共有しています。

 しかしながら、当社の想定を超えて費用が発生し、それに見合う値上げが困難な場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(6) 標準品と特殊品について

 当社は創業依頼、特殊品の製造に注力してまいりました。様々な顧客からの要望に応える中で、新製品を開発し、技術力を高めてきた一方で、生産効率の低さや、不良の発生のしやすさ等が問題点として認識されてきました。

 当社では、顧客要望に基づき頻繁に改良を実施することで標準品比率の向上を目指すと同時に、特殊品に関しては、技術向上等の観点から選別受注を行うことにより利益率の確保を目指していますが、当社の計画通りに標準品の比率が高まらない場合や、特殊品の受注に際して想定通りに選別できない場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

(7) 協力会社について

 当社製品の製造においては、受注量の変動への柔軟な対応や効率的な人員体制の維持の観点から、適宜協力会社を活用しております。特に板金と塗装の工程については、大部分を協力会社に依頼していますが、当該工程の約1割を社内で製作することにより、原価・工数・技術を把握すると同時に、品質の維持・向上を図っております。また、協力会社に対しては、定期的に品質の確認を行い、情報の共有に努めています。更には、内製化の増強や新規の協力会社の開拓に絶えず注力することにより、不測の事態による製造への影響の抑制を図っております。

 しかしながら、資材コストの急騰や労務費の上昇、また協力工場の人手不足による生産減少等の発生により外注費が増加し、これらを製品販売価格に転嫁することが困難な場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(8) 人員体制について

 当社では、小規模な組織による効率的かつ柔軟な運営を基本として、要員計画を策定・実施しています。現在のところ、特殊品への対応のため、技術部及びサービスセンター(搬入据え付け、サービス等)では、生産量に見合った人員を確保していますが、特殊品の選択受注、標準品の販売促進、新製品の開発による市場占有率の向上及び生産性の向上等により、人員増加を抑制していく方針です。

 今後、当社の要員計画の想定を超えて特殊品の受注量が変動し、人員数に過不足が生じた場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(9) 取引先の信用リスクについて

 当社の販売は、ルートセールスを基本とし、建築設備会社、装置メーカー等への直接販売する場合があります。当社では、与信管理を徹底することにより、不良債権の発生を極力減らしていますが、これらの販売先で急激な収益状況や財政状況の悪化等が発生し、売掛債権等の回収が困難となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(10) 保有資産について

 保有する有価証券、不動産等について、時価の下落により減損処理が必要になった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(11) 退職給付制度について

 当社の退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されておりますが、国内外の株式市場や債券市場が低迷した場合、年金資産の価値が減少し、年金に関する費用の増加や追加的な年金資産の積み増し等が必要となります。このような状況となった場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(12) 施工中における人的災害及び工事災害について

 工事の安全衛生や品質管理には万全を期しておりますが、施工中の災害または事故により損害賠償等が発生する可能性があります。不測の事故に備えて保険に加入しておりますが、多額の損害賠償金が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(13) 情報セキュリティについて

 自社にて利用する社内システム等においては、個人情報、顧客情報等を取り扱いますが、コンピュータウイルスの侵入や技術的、人為的な要因により情報の漏洩、破壊等を引き起こす可能性があり、これらの事象が発生した場合には、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(14) コンプライアンス、内部統制について

 当社では、法令遵守の徹底を図り内部統制システムの強化に努めております。しかしながら、法令違反が発生したり、構築した内部統制システムが十分でなかった場合には、当社の社会的な信用の著しい低下、法令に基づく処罰ないし、法令遵守のための追加的な費用の発生等により、当社の業績に影響を与える可能性があります。

 

(15) 知的財産権について

 当社は、研究開発に力を入れており、知的財産権の申請取得に注力しております。しかし、申請は日本国内が主であり海外への申請は多くはありません。従って、海外において当社の知的財産を用いて類似した製品を製造することを効果的に阻止できない可能性があります。一方、当社が認識し得ない知的財産が存在し、当社が当該知的財産を無断で使用した場合には、当社が訴訟において当事者となりうる可能性があります。

 これらの状況が生じた場合には、権利を侵害されたことによる損害や逸失利益、訴訟に係る費用等を通じて、当社の業績に影響を与える可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の蔓延により海外渡航の大幅制限が継続する等不透明な状況にあります。また、国内経済も緊急事態宣言により設備投資の延期、企業間訪問の制限等を受け全体的に不透明な状況で推移しました。

 当社における事業環境は、国内では緊急事態宣言による工事進行の中断や延期による影響等を受けましたが、6月以降は徐々に回復しております。当社では人と人の接触を減らしエアロゾル感染を防ぐ工夫をしながら、草加(埼玉)、加須(埼玉)、伊勢崎(群馬)の3工場及び協力会社が一体となり感染症対策機器の生産と出荷に注力しました。電子工業分野では、半導体関連の製造装置メーカーは堅調でしたが、自動車部品、電子材料関連の設備投資が停滞し、再開の動きは緩やかです。一方、バイオロジカル分野では、新型コロナウイルス感染症に関連する感染症対策機器、クリーンルーム及び関連消耗品の導入が拡大しました。

 また海外では、ベトナム、中国、韓国、台湾等における据付業務が年初から停滞したものの、7月以降は徐々に再開しております。

 このような状況の下、令和2年度厚生労働省第二次補正予算による補助金交付により、病院、薬局、福祉施設、クリニック及びPCR検査施設等から急増した需要に対応すべく、主要3工場他を機動的に活用し増産しました。同時に新型コロナウイルス対策機器の開発を実施し、「セルフセッティング式陰圧ブース」、「陰陽圧トンネルユニット」、「PCR検査室」、「診察・検体採取ブース」、「ストレッチャー取付式簡易アイソレーター」等を上市しました。これら機器の拡販に際しては従来の販売商社経由に加えて、ダイレクトメール及びホームページや各種メディアにおける補助金対象機器の周知と当社のPRに注力しました。また、7月10日には公式オンラインショップとして[AIRTECH DIRECT SHOP]を開設し、標準クリーンブース、クリーンユニット、クリーンパーティション及びクリーンサプライ商品の販売を開始しました。

 また、2020年3月9日の発行決議による、第三者割当による行使価額修正条項付第9回新株予約権は、2020年3月26日に行使を開始し2020年4月3日に当社普通株式として1,200,000株の発行を完了しました。調達資金は、本社隣接地でのショールーム及び事務所建築(2020年11月30日引渡し完了)、越谷新工場建築(2021年1月15日引渡し完了)及び省エネルギー技術及び感染症対策製品の普及拡大に向けた研究開発資金に充当しております。省エネルギー性能の向上と当社競争力の強化及びシェア拡大を実現し、ひいては社会貢献を図り、その進捗と成果を当社のSDGsへの取組みとして本年3月末にホームページへ開示する予定です。

 収益面におきましては、感染症対策機器の拡販等により売上高が伸長し前期比では増収となりました。さらに標準品が多台数販売できたことにより営業利益が増加し、海外からの配当金等を加えた経常利益、当期純利益いずれも前期比増加となりました。

 以上の結果、当事業年度における業績は、売上高124億87百万円(前期比19.6%増)、営業利益14億14百万円(同224.7%増)、経常利益15億62百万円(同166.8%増)、当期純利益は11億36百万円(同180.4%増)となりました。

 なお、新型コロナウイルス感染症の収束時期はいまだ不透明でありますが、取引先及び従業員の安全を確保しつつ業務を継続してまいります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ11億46百万円増加し、58億94百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況はつぎのとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は、9億14百万円(前期比140百万円の収入増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益15億62百万円が生じ、売上債権17億15百万円、仕入債務14億57百万円、たな卸資産5億86百万円がそれぞれ増加したことによるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は、7億61百万円(前期比3億59百万円の支出増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得6億43百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当事業年度において財務活動の結果得られた資金は、10億4百万円(前期比12億36百万円の収入増)となりました。これは主に、株式の発行による収入10億32百万円があったことによるものです。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

クリーンルーム

793,216

68.0

クリーンルーム機器

3,624,016

122.1

クリーンブース

1,778,294

84.7

クリーンベンチ

162,023

75.4

バイオロジカリー機器

3,375,607

355.0

据付・保守サービス

2,927,415

119.3

その他の製品

423,031

130.2

13,083,605

128.5

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

b.商品仕入実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

クリーンサプライ商品

197,071

136.1

191,071

136.1

 (注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

c.受注実績

品目別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

 

 

クリーンルーム

868,615

96.2

241,678

117.2

クリーンルーム機器

3,755,381

130.2

1,156,642

140.0

クリーンブース

1,752,446

86.2

615,255

113.1

クリーンベンチ

153,300

77.9

45,115

93.8

バイオロジカリー機器

4,940,496

594.8

2,090,800

873.5

据付・保守サービス

2,983,232

123.1

871,292

172.7

その他の製品

404,733

109.7

68,673

74.5

小計

14,858,206

154.2

5,089,456

206.9

商品

 

 

 

 

クリーンサプライ商品

284,440

161.5

31,765

576.2

小計

284,440

161.5

31,765

576.2

合計

15,142,646

154.3

5,121,222

207.7

 (注)1.金額は販売価格で表示しております。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

d.販売実績

区分

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

 

 

クリーンルーム

833,117

65.5

クリーンルーム機器

3,424,908

115.2

クリーンブース

1,681,072

81.1

クリーンベンチ

156,298

78.8

バイオロジカリー機器

3,089,066

340.6

据付・保守サービス

2,616,446

105.5

その他の製品

428,240

122.3

小計

12,229,149

119.3

商品

 

 

クリーンサプライ商品

258,187

136.1

小計

258,187

136.1

合計

12,487,337

119.6

 (注)1.上記の金額には、輸出販売額 119,145千円を含んでおります。

2.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計方針及び見積り

 当社の財務諸表は、我国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び判断を行っております。過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性により、これらと異なる場合があります。

 

② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 

売上高

(百万円)

営業利益

(百万円)

経常利益

(百万円)

当期純利益

(百万円)

1株当たり

当期純利益

(円)

自己資本

当期純利益率

(%)

 2020年12月期

12,487

1,414

1,562

1,136

114.29

10.3

 2019年12月期

10,442

435

585

405

45.33

4.0

 増減率(%)

19.6

224.7

166.8

180.4

152.1

157.5

 

a. 当事業年度の業績全般の概況

 当事業年度における業績は、売上高124億87百万円(前期比19.6%増)、営業利益14億14百万円(同224.7%増)、経常利益15億62百万円(同166.8%増)、当期純利益は11億36百万円(同180.4%増)となりました。

 売上高が増加した要因は第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。

 営業利益、経常利益、当期純利益のすべて増加しましたが、これは売上高が増加したことと共に、標準品の販売比率が増加したことによるものです。

 法人税等4億25百万円を計上したことにより当期純利益は11億36百万円となりました。

 

b. 当事業年度の品目別の概況

 

売  上  高(百万円)

売 上 総 利 益(百万円)

2019年12月期

2020年12月期

増 減

2019年12月期

2020年12月期

 増 減

クリーンルーム

1,272

833

△439

58

68

10

クリーンルーム機器

2,972

3,424

452

529

797

268

クリーンブース

2,073

1,681

△392

553

571

17

クリーンベンチ

198

156

△42

34

33

△1

バイオロジカリー機器

906

3,089

2,182

186

978

792

据付・保守サービス

2,479

2,616

137

715

829

114

その他の製品

350

428

77

88

82

△6

製品小計

10,252

12,229

1,976

2,166

3,361

1,195

クリーンサプライ商品

189

258

68

29

49

19

合計

10,442

12,487

2,044

2,196

3,410

1,214

 

クリーンルーム

 「クリーンルーム」は、新型コロナ感染症対策として中小規模の検査試薬用設備、PCR検査室及び調剤薬局等のクリーンルームは増加したものの、大規模物件の減少により、全体での売上高は前期比34.5%の減少となりました。

 

クリーンルーム機器

 電子工業、食品分野の設備投資の延期に伴い「エアーシャワー」の売上は減少しました。一方で新型コロナ感染症対策として陰圧病室用「パッケージクリーンユニット(簡易陰圧装置)」、半導体分野向け「フィルターユニット」が増加し、全体での売上高は前期比15.2%の増加となりました。

 

クリーンブース

 液晶・FPD分野向け「サーマルクリーンチャンバー」の海外顧客据付工事がコロナ禍による中断の影響を大きく受け、大幅減少となりました。全体での売上高は前期比18.9%の減少となりました。

 

クリーンベンチ

 「クリーンベンチ」は、連結型の装置が設備投資の延期に伴い減少し、全体での売上高は前期比21.2%の減少となりました。

 

バイオロジカリー機器

 「アイソレーター」「バイオクリーンベンチ」は減少したものの、厚生労働省の新型コロナウイルス感染症緊急包括支援金による感染症対策用設備整備を受け、「クリーンパーティション」「陰圧ブース」「安全キャビネット」が大幅増加となりました。新型開発機器等も売上に寄与し、全体での売上高は前期比240.6%の増加となりました。

 

据付・保守サービス

 上期の搬入・据付作業について海外ではコロナ禍の影響をより強く受け停滞しましたが、国内では下期より病院への搬入・据付作業が増加しました。またサービス部品では、クリーンパーティションの交換用HEPAフィルターが増加し、全体での売上高は前期比5.5%の増加となりました。

 

その他の製品

 半導体分野への特殊製品及びPCR検査大型テント用排気ユニット等が増加しました。また無塵衣を洗濯する「クリーンランドリー」は、感染防止対策としてのクリーニング頻度増加や半導体関連顧客の稼働率向上により増加し、全体の売上高は前期比22.3%の増加となりました。

 

クリーンサプライ商品

 クリーンルーム内で使用される「無塵衣」「ワイパー」等の売上が堅調に推移したことに加え、感染防止対策用「防護服」「マスク」「グローブ」等の消耗品の増加を合わせ、全体の売上高は前期比36.1%の増加となりました。

 

③ 目標とする経営指標の達成状況等

 当事業年度の営業利益は業績予想4億35百万円に対し、14億14百万円(業績予想比 224.7%増)、経常利益は業績予想5億85百万円に対し15億62百万円(業績予想比 166.8%増)となりました。

 収益面におきましては、感染症対策機器の拡販等により売上高が伸長し前期比では増収となりました。さらに標準品が多台数販売できたことにより営業利益が増加し、海外からの配当金等を加えた経常利益、当期純利益いずれも前期比増加となりました。

 

④ 次期の見通し

 次期の見通しにつきましては、世界的に新型コロナウイルス感染症の克服に注力していますが、変異ウイルスの発生や各国のワクチン接種率及び対策レベル等により、感染拡大地域と収束地域が発生する事で海外渡航等の移動制限は継続すると予想されます。また、米中貿易摩擦の影響を受け設備投資の停滞も懸念されるものの、各国の景気対策を背景に全体としては緩やかな回復が継続すると予想されます。

 一方、国内では、新型コロナウイルス感染症の収束時期は不透明であるものの、ワクチン接種や複数の治療薬及び治療方法が確立すれば、半導体を主とした電子工業にけん引され設備投資が復調していくと予想しております。2020年10月に日本政府がいわゆるカーボンニュートラルの実現を2050年までに目指すことを宣言したことで、地球温暖化対策を加速して取り組むことになりました。従来設備及び機器の省エネルギー化をより推進し、再生エネルギーを活用しつつ電気自動車普及や水素燃料活用社会への転換を図り、さらにSDGsの達成を意識した設備投資の増加が見込まれます。このような背景により全体としては回復傾向が予想されております。

 当社における事業環境は、電子工業分野では、5Gへの移行に伴い半導体やデータセンター、スマートフォン及びそれら電子部品の生産拡大による設備投資の復調と増加が見込まれます。また、EV及びFCV等自動車産業の製造環境クリーン化、AIやIoT関連分野への投資も期待されます。一方、バイオロジカル分野では、感染症対策への補助金は一服するものの引き続き病院・医療・介護関連への設備導入が見込まれ、製薬工業分野及び食品工業分野への投資が復調する見込みです。また、再生医療やがんの免疫治療への設備投資も見込まれます。

 研究・新製品開発においては、「生菌を用いた空気清浄装置の浮遊菌除去効果の検証」「陰圧排気ユニットの開発」「新型省エネルギーDCモーター及び制御基板の開発」「省エネルギー型サーマルクリーンチャンバーの開発」等に取り組み、特徴を有する新製品の拡販に努めてまいります。

 製造部門では、前期より継続している感染症対策機器の需要に対し、新たに越谷工場を活用し生産量拡大に取組み需要増加に対応して参ります。また2020年に開発し導入した生産管理システムを活用し、合理的な生産管理に取り組み、確実な納期対応と製造コスト低減を目指します。さらに既納製品の交換用HEPAフィルターの需要が年々増加しており、本分野の売上水準を向上すべくHEPAフィルターの販売強化対策及び生産能力増加対策に取組みます。

 また、サービスセンターは、関西以外の営業拠点へのサービスセンター拡張に向け体制の充実を図り、顧客満足度を高めてまいります。さらに、安全キャビネットの定期検査、製薬工業向けクリーンブース等のバリデーション検査体制を強化してまいります。

 

(3)当事業年度の財政状態

 

2019年12月期

2020年12月期

増  減

営業活動によるキャッシュ・フロー

773百万円

914百万円

140百万円

投資活動によるキャッシュ・フロー

△402百万円

△761百万円

△359百万円

財務活動によるキャッシュ・フロー

△231百万円

1,004百万円

1,236百万円

現金及び現金同等物に係る換算差額

△3百万円

△10百万円

△7百万円

現金及び現金同等物の増減額

136百万円

1,146百万円

1,010百万円

現金及び現金同等物期末残高

4,748百万円

5,894百万円

1,146百万円

借入金・社債期末残高

495百万円

607百万円

112百万円

 

 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び要因につきましては、 第2[事業の状況] 3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況をご参照ください。

 なお、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりです。

 

2017年12月期

2018年12月期

2019年12月期

2020年12月期

自己資本比率(%)

63.2

66.1

68.4

64.4

時価ベースの自己資本比率(%)

55.4

34.6

45.6

87.6

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

8.5

0.6

0.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

22.0

332.6

356.0

(注)自己資本比率:自己資本/総資産

   時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

   インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 ※ 各指標は、いずれも財務数値により算出しております。

 ※ 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

 ※ 有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を払っている全ての負債(リース債務を除く)を対象としております。

 ※ 利払いについては、キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 ※ 2018年12月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

 当社の手元資金活用方法の基本的な考え方は、生産性向上を目的とした設備投資及び顧客ニーズに合致した製品開発投資に備える事であります。

 当社は、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。しかしながらESGの概念によりSDGsへの貢献に注力すべく、2020年3月9日に発行決議を行った第三者割当による行使価額修正条項付第9回新株予約権は、2020年3月26日に行使を開始し2020年4月3日に当社普通株式として1,200,000株の発行を完了しました。これによる調達資金は、本社隣接地でのショールーム及び事務所建築(2020年11月30日引渡し完了)、越谷工場建築(2021年1月15日引渡し完了)及び省エネルギー技術及び感染症対策製品の普及拡大に向けた研究開発資金に充当しております。

 なお、当事業年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は6億7百万円となっております。また、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は58億94百万円となっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

(1)技術供与契約

契約締結先

内容

契約発効日

有効期間

AIRTECH EQUIPMENT PTE.,LTD.

(シンガポール)

クリーンエアーシステム技術供与

1985年1月10日

1986年1月9日以後自動延長

富泰空調科技股份有限公司(台湾)

クリーンエアーシステム技術供与

1990年5月1日

1993年4月30日以後自動延長

蘇州安泰空気技術有限公司(中国)

クリーンエアーシステム技術供与

2008年12月15日

2033年12月14日以後自動延長

WOOLEE AIRTECH KOREA CO.,LTD.

(韓国)

クリーンエアーシステム技術供与

2004年3月3日

2006年12月31日以後自動延長

PYRAMID AIRTECH PVT.LTD.(インド)

クリーンエアーシステム技術供与

2007年4月10日

2007年12月31日以後3年毎の更新

THELONG AIRTECH JOINT STOCK COMPANY(ベトナム)

クリーンエアーシステム技術供与

2016年1月29日

2018年1月31日以後自動延長

HEMAIR SYSTEMS INDIA LIMITED

(インド)

クリーンエアーシステム技術供与

2018年8月10日

2028年8月11日以後自動延長

(注)1.上記については、売上高の一定率をロイヤリティーとして受取っております。

ただし、AIRTECH EQUIPMENT PTE.,LTD.、WOOLEE AIRTECH KOREA CO.,LTD.、PYRAMID AIRTECH PVT.LTD.、THELONG AIRTECH JOINT STOCK COMPANY、及びHEMAIR SYSTEMS INDIA LIMITEDにつきましては、一定額としております。

2.蘇州安泰空気技術有限公司は関連会社であります。

 

(2)販売提携契約

契約締結先

内容

契約発効日

有効期間

PEA GMBH(ドイツ)

製品の相互販売提携

2015年11月23日

2016年11月30日以後自動延長

 

 

5【研究開発活動】

 当事業年度の研究開発活動は、世界的に広がる新型コロナウイルス感染症対策として、クリーンパーティション(HEPAフィルター付パーテーション)を主とした感染症対策機器の開発に取り組みました。

 病院における院内感染防止対策、及び陰圧の病室と病床の確保対策、薬局・クリニック・介護施設・福祉施設等における感染防止対策、救急車両用ストレッチャー取付式簡易アイソレーターを短期間で上市したことにより、感染症対策の普及拡大に貢献いたしました。

 さらにクリーンエアーの供給装置においても、二酸化炭素の排出を低減する省エネルギー機器の需要が幅広く見込まれている現在の事業環境において、送風機の省エネルギー化の研究開発にも取組んでおります。より安全、より高精度、より高品質化された最終製品及び感染症対策製品の提供のため、設計本部を中心に絶え間ない研究開発を行うことで、社会の安全・安心を実現し、顧客の利益と当社の企業価値を向上させてまいります。

 また、第三者割当による行使価額修正条項付第9回新株予約権の行使により資金を9億60百万円調達しており、内1億5百万円を省エネルギー技術及び感染症対策製品の普及拡大に向けた研究開発資金として2023年3月末までに充当する予定であり、省エネルギー性能の向上と当社競争力の強化及びシェア拡大を実現し、ひいては社会貢献を図っております。その進捗と成果を当社のSDGsへの取組みとして開示してまいります。

 1.研究

  A.PTFEフィルターの基礎技術研究

  B.清浄度シミュレーション

  C.生菌を用いた空間除菌効果の検証方法の確立

 2.研究論文発表

  JACA(日本空気清浄協会)

   ・天吹きエアーカーテンの開発(その2)

    上記はコロナウイルス感染防止のため発表は中止となり、論文掲載のみとなりました。

  ISCC(国際汚染制御学会)トルコ大会

   ・天吹きエアーカーテンの開発(その2)

    上記はコロナウイルス感染防止のため、2022年まで延期となりました。

 3.新製品

  A.手洗い乾燥機(06型)

  B.バイオクリーンベンチ(BLB-8型)

  C.排気フィルターユニット(MAC-2A-DCCON-EX)

  D.セルフセッティング陰圧ブース(TIB-2618S2)

  E.陰陽圧クリーントンネル(NPU)

  F.薬液噴霧機能付き空気清浄装置(AYC-500L)

  G.診察・検体採取ブース(ACP-F2097)

  H.運転席用クリーンエアー装置

  I.感染症患者搬送用ストレッチャー(BS-Cap-4、e_capsule)

  J.LED式バグキーパー(ABK- 1900LE)

  K.抗菌クリーンパーティション(ACP-897K型)

 4.特許

   ・新規申請(7件)、取得(1件)

 なお、当事業年度における研究開発費の総額は、112百万円となっております。

 

(注)当社は単一セグメントに属する事業を営んでいるため、セグメント別の研究開発活動については記載を省略しております。