第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当中間会計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。

 また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更はありません。

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当中間会計期間の末日現在において判断したものであります。

 (1)  財政状態及び経営成績の状況

 当中間会計期間における我が国の経済は、堅調な企業業績を背景とした積極的な設備投資及び雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により景気は緩やかに回復しました。一方で、米国の関税政策による景気動向不安定化、ウクライナ・中東情勢等の緊迫化及び人件費高騰に伴う各種物価上昇等が懸念され、先行きは不透明な状況が継続しております。

 このような社会情勢及び事業環境を踏まえつつ、当社はパーパス「きれいな空気で、未来を支える。」を掲げており、半導体や電子部品、医療や製薬そして食品等あらゆるものを安心して供給する清浄な空気環境を支えつつ、脱炭素社会にも貢献するよう省エネルギー化を推進しております。

 また、当事業年度は「中期経営計画(2024年度〜2028年度)」の2年目となります。今後4年間の業績拡大及び企業価値向上を計画する上で、人的資本への投資を積極的に行い会社の基盤づくりを進めるとともに、工場への設備投資を積極的に推進しております。一方で、米国関税による当社市場への影響を現在精査しております。今後も高いガバナンス水準の維持や、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の更新版の公表等を通じて、持続的な成長と企業価値の向上に取組んでまいります。なお、2025年6月13日開催の定時取締役会において、事業の選択と集中のため同12月19日をもってクリーンクリーニング事業から撤退し、クリーンエアーシステム関連装置の製造販売を軸として、集中的に中期経営計画達成への施策を進めることを決議しております。

 当社における事業環境は、世界的にAIに使用される半導体への大型投資が継続される一方、パワー半導体への投資は縮小し、関連する製造装置会社、半導体関連の部品・素材供給会社の業績は明暗が分かれております。バイオロジカル分野においては健康寿命を高めるため、超高齢化が進む国内にて製薬・再生医療関連の投資は堅調に推移すると見込まれます。また、2050年までのカーボンニュートラル実現に向け、GHG排出量に関する取組みは各分野で進んでおり、各種設備及び機器の省エネルギー化を目的とした設備投資の継続が期待されます。

 営業面におきましては、電子工業分野では、半導体市場関連の新工場建設及び既存設備の拡充による設備投資が継続し、脱炭素対応として省電力機器の新規導入や老朽化した設備の入替需要も予測されます。また、バイオロジカル分野では、製薬工業分野、感染症研究分野、再生医療分野及び食品分野等への設備投資が堅調に推移すると見込まれる中で4月に全般的な価格改定を行いました。今後とも、売上増加及び販売コストの回収に向けた各種効率向上による原価低減及び経費節減にも注力し、業績拡大に努めてまいります。

 また、営業及びサービスの拡充に向け、北海道出張所・サービスセンター(札幌市厚別区)を2025年3月に開所し、同7月には中部営業所(名古屋市中村区)内に中部サービスセンターを新設いたしました。さらに、「第11回 インターフェックスWeek 大阪(2月)」、「FOOMA Japan2025(6月)」に出展し、バイオロジカル分野への拡販を行っております。

 生産面におきましては、生産効率向上を最優先課題として取組んでおります。草加多目的センター(埼玉県草加市)が2024年12月に竣工し、主力工場である草加工場の物流効率向上等に寄与しております。さらに、カーボンニュートラルへの追加対応として、太陽光発電・蓄電池設備(取得額31百万円)を2025年1月に設置・稼働いたしました。また、2025年3月には「赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)」の建設工事契約を行いました。2026年9月竣工、総工費16億円を見込み、赤城スマートファクトリー敷地内に組立工場兼倉庫(床面積 8,680㎡)を建設することで、機器生産能力増強及び倉庫賃借料削減と、さらなる生産・物流効率改善を目標としております。

 

 

 ①  経営成績

 製品別の販売状況は、前中間会計期間より「クリーンルーム」、「エアーシャワー」等が増加しました。また、「クリーンブース」、「パスボックス」等は減少しました。

 収益面におきましては、売上高の増加に伴う営業利益増加及び海外受取配当金の計上による各利益が増加し、いずれも計画値を上回っております。

 以上の結果、当中間会計期間の業績は、売上高74億76百万円(前年同期比10.6%増)、営業利益7億29百万円(同20.2%増)、経常利益11億30百万円(同8.2%増)、中間純利益7億93百万円(同6.2%増)となりました。

 

 ②  財政状態

 当中間会計期間末における総資産は190億91百万円と前事業年度末に比べ5億78百万円(3.1%)の増加となりました。

 当中間会計期間末における資産、負債及び純資産の状況とそれらの内訳は次のとおりであります。

(資産)

 流動資産は123億57百万円であり、前事業年度末に比べ4億91百万円(4.1%)の増加となりました。主な内訳は、棚卸資産70百万円の増加及びその他資産3億42百万円の増加となります。なお、その他資産の増加は富泰空調科技股份有限公司(台湾)からの未収入金等によります。

 固定資産は67億34百万円であり、前事業年度末に比べ87百万円(1.3%)の増加となりました。主な内訳は、赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)建設等に対する有形固定資産その他に含まれる建設仮勘定1億33百万円の増加及び減価償却による減少となります。

(負債)

 当中間会計期間末における負債は44億84百万円であり、前事業年度末に比べ2億73百万円(6.5%)の増加となりました。

 流動負債は39億94百万円であり、前事業年度末に比べ3億96百万円(11.0%)の増加となりました。主な内訳は、短期借入金2億円の増加及び仕入債務1億53百万円の増加となります。

 固定負債は4億90百万円であり、前事業年度末に比べ1億23百万円(20.1%)の減少となりました。主な内訳は、長期借入金55百万円の減少及び退職給付引当金68百万円の減少となります。

(純資産)

 純資産は146億6百万円であり、前事業年度末に比べ3億4百万円(2.1%)の増加となりました。主な内訳は、配当金5億7百万円の計上による減少及び中間純利益7億93百万円の計上による増加となります。

 

 (2)  キャッシュ・フローの状況

 当中間会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前事業年度末に比べ7億79百万円増加し、29億71百万円となりました。

 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の営業活動において得られた資金は、13億1百万円(前年同期は9億36百万円の支出)となりました。主な内訳は、税引前中間純利益11億26百万円となります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の投資活動において使用した資金は、1億38百万円(前年同期比4億12百万円の支出減)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2億2百万円となります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当中間会計期間の財務活動において使用した資金は、3億69百万円(同2億76百万円の支出減)となりました。主な内訳は、短期借入れによる収入5億80百万円、短期借入金の返済による支出3億80百万円及び配当金の支払額5億4百万円となります。

 

 (3)  優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当中間会計期間において、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

 

 (4)  研究開発活動

 当中間会計期間における研究開発活動の金額は、66百万円であります。なお、当中間会計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。

 

 (5)  生産、受注及び販売の実績

 当中間会計期間において、生産、受注及び販売の実績について重要な変更はありません。

 

 (6)  経営成績に重要な影響を与える要因

 「第2 事業の状況 1 事業等のリスク」を参照下さい。

 

 (7)  主要な設備

 当中間会計期間における主要な設備の変動はありません。また主要な設備の新設計画に著しい変更はありません。

 

 (8)  資本の財源及び資金の流動性についての分析

 当中間会計期間において、資金需要及び財務政策について重要な変更はありません。

 なお、2024年11月13日開催の定時取締役会決議に基づき、2025年1月1日から同年3月31日までに当社普通株式を33,100株、取得金額35百万円にて自己株式の取得を実施しております。また、2025年3月27日の発行決議による取締役(監査等委員である取締役及び社外取締役を除く。)に対する譲渡制限付株式報酬及び従業員持株会向け譲渡制限付株式インセンティブとして、同年4月25日に7,000株及び同年6月20日に14,820株の自己株式を処分しました。

 

 

3【経営上の重要な契約等】

(工事請負契約)

当社は、2024年10月11日開催の取締役会において、赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)建設計画を決議し、2025年3月21日付で工事請負契約を締結いたしました。

 

1.赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)建設の理由

(1) 標準品生産ラインの移設による、機器生産性の向上及び売上の増加。

 (2) 群馬県伊勢崎市近辺の賃借倉庫縮小・集約及び工場と倉庫間の輸送効率改善による、保管費用及び輸送費用の削減。

 

2.赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)の概要

所在地   群馬県桐生市

投資金額  1,437,000千円(投資金額に生産設備等は含まれておりません。)

設計、施工 関東建設工業株式会社

着手    2025年9月

完成    2026年8月(予定)

 

(多額な資金の借入)

当社は、2025年6月13日開催の取締役会において、運転資金及び赤城スマートファクトリー第2工場(仮称)建設資金の借入を行うことを決議し、2025年7月に株式会社三菱UFJ銀行他2行と金銭消費貸借契約を締結し、実行いたしました。

詳細は、「第4 経理の状況 1 中間財務諸表 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。