第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度における我が国経済は、企業収益や雇用環境の改善が続き、設備投資にも持ち直しの動きが見受けられる等、緩やかな回復基調で推移しましたが、中国経済の減速や英国のEU離脱問題、米国新政権の政策転換リスク等、世界経済の先行きに対する不確実性が高まっており、依然として不透明な状況が続きました。

当社グループの主要販売先であるパチンコ業界におきましては、「検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機」が昨年12月末を期限として回収・撤去されました。パチンコホールは主に遊技機の入れ替えを優先し、周辺設備への投資、新規出店や改装計画を先送りする傾向が続きました。また、遊技機を入れ替えたことによる集客力やホール収益への影響が見えないことから、周辺設備に対する更新需要は大きく低迷しました。

このような状況の中、開発型企業グループである当社グループは、開発・製造・販売・アフターサービスに至る一貫体制で、製造原価の低減や多様化する顧客ニーズに適した製品を販売するとともに、充実したアフターサービス体制で付加価値の向上に努め、他社との差別化を図りながら提案販売を行ってまいりました。

この結果、当連結会計年度の業績は、売上高250億71百万円(前期比5.2%減)、営業利益43億13百万円(同2.7%減)、経常利益46億95百万円(同2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益36億18百万円(同20.8%増)となりました。投資有価証券売却益7億54百万円を計上したことにより親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。

セグメントの実績は次のとおりであります。

 

[アミューズメント関連事業]

パチンコホールを取り巻く経営環境が厳しい状況の中で当社グループは、少人数で効率的なホール経営を実現する「パーソナルPCシステム(以下、「パーソナル」という。)」の拡販に努めてまいりました。パチンコホールは慢性的な働き手不足の問題を抱え潜在的なニーズはあるものの、当連結会計年度におけるパーソナルの売上実績は69店舗、当連結会計年度末時点における導入(実稼働)店舗数は累計1,587店舗(市場シェア18.0%)に止まりました。また、パーソナルを含めたプリペイドカードシステムの売上実績は71店舗、導入(実稼働)店舗数は累計2,011店舗(市場シェア22.8%)となりました。

空気の力で紙幣を搬送する「Air紙幣搬送システム」は、確かな技術とメンテナンスフリーなパフォーマンスが市場から高く評価されて導入店舗数が増加し、累計700店舗を超えました。ハイスペックモデルの「立体Air紙幣搬送システム」は、水平だけでなく垂直にも紙幣を運ぶことができることから新たなニーズを生み出し、早期商談や新規顧客の獲得に繋がりました。更に新製品の「総合管理システムV2」や「モバイルサービス」を新規ラインナップに加え、販売活動を行ってまいりました。

この結果、アミューズメント関連事業の売上高は、169億5百万円(前期比12.4%減)、セグメント利益は37億72百万円(同8.7%減)となりました。

 

[自動認識システム関連事業]

RFIDやバーコード等を活用した自動認識システムは、業種を問わず様々なビジネスシーンで活用できるシステムであります。当社子会社の株式会社マーストーケンソリューションが主体となり、FA市場、流通市場、アミューズメント市場、健診市場等、広く新規市場への展開を目指し提案販売活動を行っております。市況観、販売状況は依然厳しいものの、低迷していた国内製造業の設備投資は業界ごとに緩やかな回復基調にあり、新製品開発と新規顧客の獲得、前期に吸収合併したX線検査事業を含め、前期の売上実績を上回ることができました。

この結果、自動認識システム関連事業の売上高は66億49百万円(前期比16.1%増)、セグメント利益は7億33百万円(同35.4%増)となりました。

 

[ホテル関連事業]

ホテル業界におきましては、平成28年に日本を訪れた外国人が推計2,400万人(日本政府観光局の発表)で過去最高を更新し、観光需要は好調に推移しました。

福岡市博多区のホテルサンルート博多は、JR博多駅に程近い立地と質の高いサービスが評価され、地域の中でも高い稼働率を維持することができました。静岡県御殿場市のマースガーデンウッド御殿場は、噴水施設を新設し、イベント「水と光のファンタジー(幻想的な噴水ショー)」を実施しました結果、新規顧客とリピーターが増加し稼働率は向上しました。関連事業の「海鮮処博多松月亭(ホテルサンルート博多内)」及び「鉄板焼銀明翠GINZA(東京銀座)」は認知度も高まり、順調に利用者数が増加しました。また、インターネットによる関連商品の販売が好調に推移しました。

この結果、ホテル関連事業の売上高は15億16百万円(前期比7.3%増)、セグメント損失は1億99百万円(前期は2億46百万円のセグメント損失)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、254億44百万円となり、前連結会計年度末より61億28百万円増加(前期比31.7%増)となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、40億61百万円(前連結会計年度末は50億80百万円の収入)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益54億35百万円等によるものであります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は、31億67百万円(前連結会計年度末は43億16百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入41億30百万円等によるものであります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、11億3百万円(前連結会計年度末は37億21百万円の支出)となりました。これは主に配当金の支払額10億90百万円等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前期比(%)

アミューズメント関連事業(千円)

8,160,528

79.1

自動認識システム関連事業(千円)

2,753,170

164.1

ホテル関連事業(千円)

合計(千円)

10,913,698

91.0

(注)1.金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前期比(%)

アミューズメント関連事業(千円)

181,342

88.1

自動認識システム関連事業(千円)

1,857,277

97.9

ホテル関連事業(千円)

67,190

107.4

合計(千円)

2,105,810

97.3

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

当社グループは、見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

前期比(%)

アミューズメント関連事業(千円)

16,905,234

87.6

自動認識システム関連事業(千円)

6,649,513

116.1

ホテル関連事業(千円)

1,516,844

107.3

合計(千円)

25,071,593

94.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自  平成28年4月1日

至  平成29年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

株式会社ダイナム

3,240,285

12.3

3,194,523

12.7

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

 当社グループは、「開発型企業グループ」として、すべての顧客の満足を勝ち取るために、顧客本位のシステム作り、行き届いたサービスを提供することを基本としております。また、企業の安全を図り、経営の安定を図り、事業を通じて社会に貢献することを使命と考えております。

(2) 経営戦略等

①グループ経営体制の強化

 今後の発展を期するため、グループ会社間の人的融合と事業の協調体制を図りながら強い企業集団を目指してまいります。さらに経営の効率化を進め経営基盤の強化を図るとともに、安定した収益確保のため、商品開発力の強化に取り組んでまいる所存であります。

②サービス体制の充実

 全国にサービス拠点となるサービスステーションを配置し、身近な窓口として一層の顧客満足を勝ち得る体制を確保してまいります。

③開発体制の強化

 当社グループは開発型企業グループとして当社を中心にグループ会社各社で開発を進めております。顧客ニーズを取り込んだ製品の開発を円滑に進めるため、タイムリーな情報の共有化を図ってまいります。また、グループ各社の開発部門が横断的に開発できる柔軟な組織体制を敷き、経営資源の集約及びタイムリーな製品の提供に努めてまいります。

④組織の強化及び人員配置の最適化

 事業環境の変化に応じて柔軟に対応できる強力な組織へ再構築するとともに、企業の成長を支える人材の育成並びに効率的な配置転換を推進してまいります。

(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、営業利益拡大により強固な財務体質を維持しつつ、資本の有効活用を踏まえ、成長事業への投資を機動的に実行していく等、積極的な事業展開を図り、更なる企業価値の増大を目指しております。また、株主還元を重要な資本政策と位置づけ、安定した配当を維持しつつ、配当性向30%を目標としております。

(4) 経営環境

 アミューズメント関連事業の主要販売先であるパチンコ業界におきましては、検定機と性能が異なる可能性のあるぱちんこ遊技機が回収・撤去されたものの、新基準に該当しないパチスロ遊技機の設置比率を段階的に引き下げていく過程にあり、集客に与える影響が不透明であることから、パチンコホールにおける設備投資意欲は低迷した状況が当面続くものと予想されます。

(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題

当社グループは開発・製造・販売・アフターサービスの一貫体制で、直接販売を通じて、顧客ニーズの情報収集を迅速かつ的確に行い、競合他社との差別化を図るべく、新製品の開発や付加価値の提供に努めてまいります。長年築き上げてきたアミューズメント関連事業を基盤事業として強化を図りつつ、M&Aや業務提携を通じて新しい分野への事業拡大を図ってまいります。

 また、グループ会社間の人材交流や育成を図り、柔軟で機動的な組織体制の構築に努めてまいります。

①アミューズメント関連事業において、当社グループが提唱するパーソナルは導入店舗が年度末で1,587店舗となり、業界標準システムとして業界内に浸透してまいりました。今後は新製品の開発で同業他社との差別化を図りつつ、製品力の優位性を持って更なる市場シェアの拡大に努めてまいります。また、Air紙幣搬送システムが着実に導入実績を伸ばしており、早期に1,000店舗への導入を目指してまいります。

②自動認識システム関連事業は、RFID及びバーコードをキーワードにあらゆる分野で応用ができる事業であり、当社子会社である株式会社マーストーケンソリューションが当事業を担っております。様々な展示会への出展を通して情報を蓄積し、グループ会社間の垣根を越えた製品開発を強力に推し進め、中核事業へと成長させてまいります。

③ホテル関連事業において、サービス提供の充実を図り、稼働率及び客単価の向上を図ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

①法的規制等について

当社グループの事業は、製品そのものは直接的には法的規制の対象ではありませんが、当社グループの主要販売先となる遊技場は、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」(いわゆる「風営法」)、「国家公安委員会規則」、「都道府県条例」等による法的規制を受けており、プリペイドカードシステムを使用する際には、届出が必要になっております。

以上の法的規制の改正が行われた場合、遊技場への導入・設置に際して、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

②競合について

当社グループは開発型企業グループとして、お客様ニーズの早期製品化に努め、製品・機能の優位性や手厚いサービス体制で、競合他社との差別化を図っておりますが、販売競争の激化による利益率や市場シェアの低下が、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③債権の貸し倒れについて

「与信管理規程」に基づき、販売先の信用限度の調査を慎重に行っておりますが、パチンコホールの経営環境は依然として低迷しており、債権残のあるパチンコホールが倒産した場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

④情報の管理について

企業機密や顧客データ等の情報は、諸法令や社内で定める「情報管理規程」に則り、厳重に管理を行っておりますが、万が一情報が流出した場合には、社会的信用の失墜等により、営業活動に支障をきたし、その結果、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤訴訟について

当社グループは、他社が保有する知的財産権を侵害しないように、慎重に調査しておりますが、訴訟が提起され、多額の損害賠償を負った場合や、業務の停止を受けた場合、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥投資について

当社グループは、業務・資本提携やキャピタルゲインを目的とした投資を行っておりますが、投資先企業の業績及び株価・為替の変動により、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦自然災害について

当社グループが保有する生産工場や企業機密・顧客データ等の情報を集約・管理する管理センターは、自然災害に備えた設備を構築するとともに、バックアップ体制を整えております。

しかしながら、想定を超える大規模な自然災害が発生し、生産設備や管理センターの倒壊、システム障害等が生じた場合には事業を中断せざるを得ず、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

当社グループは開発型企業グループとして、直販体制で収集した顧客ニーズを的確且つスピーディーに取り込み、国際品質保証規格ISO-9001の手順に則って研究開発に取り組んでおります。

研究開発活動は、主要事業であるアミューズメント施設向けの周辺機器の開発、ならびにRFID関連製品の開発に注力しており、当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費の総額は、11億75百万円となっております。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要課題及び研究成果は次のとおりであります。

(1) 研究開発体制

研究開発は技術開発部で進めており、ハードウェア、ソフトウェア及び機構設計の開発業務を行っております。

(2) 主な研究開発

当連結会計年度の主な成果としては、次のような項目をあげることができます。

① アミューズメント関連事業

・ハンディーターミナルⅢ・景品業務端末Ⅲ「m35HⅢ」の商品化

・ホールコンピュータ「M7SV(V2)」の商品化

・ホールコンピュータ「M7SV(V2)(oneA仕様)」の商品化

・景品管理コンピュータ「景品管理Ⅶ(V2)」の商品化

・会員管理コンピュータ「会員管理Ⅶ(V2)」の商品化

・総合管理コンピュータ「総合管理システムソフト(V2)」の商品化

・総合管理コンピュータ「モバイルサービス」の商品化

・本部管理コンピュータ「本部管理システム(V2)」の商品化

② 自動認識システム関連事業

・小型ブルートゥーススキャナ「MID-100Y」の商品化

・UHF250mWリーダインテリジェントタイプ「FRU-4025Plus」の商品化

③ ホテル関連事業

この事業は、研究開発活動を行っておりません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたりまして、有価証券の減損、たな卸資産の評価、繰延税金資産の計上、偶発債務の認識等の重要な会計方針に関する見積り及び判断を行っております。過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り判断を行い、それらに対して継続して評価を行っております。ただし、実際の結果は見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は250億71百万円(前期比5.2%減)、販売費及び一般管理費は80億78百万円(同4.6%減)、営業利益は43億13百万円(同2.7%減)、経常利益は46億95百万円(同2.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は36億18百万円(同20.8%増)となりました。なお、セグメント別の分析は、第2[事業の状況] 1[業績等の概要] (1)業績の項目を参照ください。

 

(3) 当連結会計年度の財政状態の分析

流動資産

当連結会計年度末の流動資産の残高は398億6百万円(前連結会計年度末348億43百万円)となり、49億63百万円増加しました。増加の主な内訳は、現金及び預金(177億59百万円から254億44百万円へ76億85百万円増加)であります。

固定資産

当連結会計年度末の固定資産の残高は208億17百万円(前連結会計年度末230億8百万円)となり、21億91百万円減少しました。減少の主な内訳は、投資有価証券(73億78百万円から61億14百万円へ12億64百万円減少)であります。

流動負債

当連結会計年度末の流動負債の残高は59億62百万円(前連結会計年度末63億8百万円)となり、3億46百万円減少しました。減少の主な内訳は、リース債務(11億21百万円から8億80百万円へ2億41百万円減少)であります。

固定負債

当連結会計年度末の固定負債の残高は34億65百万円(前連結会計年度末37億87百万円)となり、3億21百万円減少しました。減少の主な内訳は、リース債務(12億97百万円から9億88百万円へ3億9百万円減少)であります。

純資産

当連結会計年度末の純資産の残高は511億95百万円(前連結会計年度末477億55百万円)となり、34億39百万円増加しました。その増加の主な内訳は、利益剰余金(443億13百万円から468億46百万円へ25億32百万円増加)であります。

 

(4) キャッシュ・フロー

 第2 [事業の状況] 1 [業績等の概要]に記載のとおりであります。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

第2 [事業の状況] 4 [事業等のリスク]に記載のとおりであります。