(1) 経営方針
当社グループは、真空薄膜技術のプロフェッショナルとして、お客様へ高品質・高付加価値の製品とサービスを提供し、ものづくりとテクノロジーのさらなる発展に寄与することで自らの企業価値を高めてまいります。
現在、当社グループが提供する薄膜技術は、タッチパネルやディスプレイのみならず、様々な製品において、調光・調温性、導電性、装飾性などの機能付加、高い品質と精度、カスタマイズ性などで、多くの産業、お客様から支持をいただいております。
当社グループは、今後とも真空薄膜技術によるソリューション・カンパニーとして豊かな社会と未来の創造の実現に貢献し、株主の皆様やお客様から高い信頼と評価を得られるよう、企業価値の最大化を図ることを経営の基本方針としております。
(2) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループの主力製品が関連する中小型FPD市場においては、スマートフォンのライフサイクルの長期化に伴いスマートフォン全体の需要が減速していることや、ハイエンドスマートフォンに搭載されるディスプレイパネルにおいて、有機ELパネルの搭載が増加したことにより液晶パネルの需要が低迷するなど、厳しい状況で推移しております。
このような構造的な環境変化に加え、米中関係の悪化により中国スマートフォンメーカーの販売が減少傾向にあることから当社グループの受注にも影響が出ております。また、新型コロナウイルスの感染拡大がさらなる需要の低迷を招いており、スマートフォンにとどまらず新たな市場として注力している車載関連への影響も懸念されます。
このような環境のもと、当社グループが認識している対処すべき課題及び対応策は次のとおりであります。
① 特定事業領域への過度な依存からの脱皮
当社グループの主力製品が関連する中小型FPD市場において、事業の主軸でありましたスマートフォン市場における液晶パネル関連需要の減速と、有機ELパネルへの代替といった環境変化に対応するために、特定市場への依存偏重から脱皮し成長分野への事業領域拡張を加速してまいります。
・対象事業領域をマクロトレンドから成長性が見込めるエレクトロニクス・モビリティ・インダストリーの3分野に拡張し、分野別対応策を段階的に実行することにより、事業及び商材ポートフォリオの転換を図っております。
・また、技術開発部門を再編強化することで、各事業領域での成長を支えるコア技術(g.moth®・薄膜センサー・超撥水/撥油/滑落膜など)の創出に注力すると同時に、製造技術も真空成膜をベースとしつつ応用や製法の多角化に取り組んでおります。
② 受託加工専業からの脱皮
対象市場でのサプライチェーン垂直統合や地理的再編、また競合環境の変化に対応するため、受託加工専業から脱皮し表面加工のソリューション業への業態変化を加速してまいります。
・これまでの、部分(成膜)工程受託で培った技術や製造ノウハウ、装置の調整やカスタム化、また工程や設備設計といった成膜「匠」のコンサルティングまでを事業商材と位置付け、アライアンスも積極的に活用することで新たなビジネスモデルの創出に取り組んでおります。
・マーケティング機能を強化することで、従来の指定受動型での価値提供販売モデルを、ニーズ発掘に基づくシーズ開発からデジタルトランスフォーメーション(DX)活用の販促やオンライン販売といった能動提案型の価値共創販売モデルへと転換を進めております。
③ 経営体質のさらなる強化
上述のような、事業領域の拡張やビジネスモデル転換といった対外的な対策と同時に、内部的な取り組みによる収益力強化も加速してまいります。
・各商材カテゴリーごとに細分化した限界利益率向上の取り組みに着手し、開製販横断的にPDCAを展開することで商材単位での収益力底上げを進めております。
・モノづくり戦略の抜本的な見直しとして、商材や製法に則した最適製造拠点での設備総合効率の改善、自動化及びIT化による成膜前後工程の作業効率改善、品質ロスコストのさらなる低減によって、生産性の向上に取り組んでおります。
・上記の取り組みと並行して、当連結会計年度末に実施いたしました転職支援制度等の構造改革により、経営体質の強化を図っております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、事態の収束に時間を要する場合、主力製品であるFPD用基板及びその他製品において、スマートフォン及び自動車の需要減少やグローバル・サプライチェーンの機能不全に伴い国内外取引先からの生産調整、受注減少が想定されます。当社グループといたしましては、取引先との緊密な情報収集により市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組んでまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)特定製品への依存度について
当社グループ主力製品は、スマートフォンへの依存度が高く、これらの製品の需要動向が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
また、スマートフォンなどで関連する当社グループ主力製品は、液晶パネルとの関連が高く、有機ELパネルなど、他のディスプレイパネルの搭載動向が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、特定製品への依存偏重から脱皮するため、今後成長性が見込めるエレクトロニクス・モビリティ・インダストリーの3分野へ事業領域の拡張を進めております。
(2)海外メーカーとの競合について
当社グループの主力製品であるFPD用基板及び光学機器用部品において、中国や台湾など海外メーカーの台頭により競合製品がより低価格で供給され価格競争が激化した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、高機能、高品質を追求することで付加価値の高い製品の開発を行い、競合との差別化を図ってまいります。
(3)原材料価格の変動について
当社グループの主力製品は、希少金属であるインジウムを原材料としております。原材料価格は市況により変動していることから、原材料価格の高騰により仕入価格が大きく変動した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、調達先との取引関係を強化することで、常に最適かつ安定的な調達が出来る体制を構築するとともに代替材料による製品開発も進めております。
(4)地震等の災害について
当社グループは国内外の各生産拠点において、地震を含めた防災対策を実施しており、過去の災害発生時には事業への影響を最小限に留めることができております。しかしながら、想定を越える大規模な災害が発生した場合には、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
(5)減損損失について
当社グループでは、既存事業における生産性向上や新たな事業領域の拡張など今後も継続的に投資を行ってまいりますが、これらの投資によって取得した資産が、期待どおりのキャッシュ・フローを生み出さない状況になる等、収益性が低下し投資額の回収が見込めなくなることにより減損処理が必要となった場合、減損損失の計上により当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
(6)新規事業について
当社グループは、事業領域の拡張と持続的な成長を目指し、新規事業への取組みを行っておりますが、その内容によっては研究開発・設備投資・人材確保のための費用が発生する可能性があります。また、新規事業開始から安定的な収益を得るまでには一定の期間が必要であり、その期間は当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、開始した新規事業が市場環境や顧客動向の変化、市場ニーズの読み違え、予期せぬ技術革新等によって計画通りに推移しなかった場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
(7)新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の拡大により企業活動、消費活動が停滞するなか、当社グループへの影響は、中国子会社では、2020年2月から得意先の稼働調整による受注の減少、材料支給遅延等により生産活動への影響が現れており、国内では、当初影響はほとんど見られませんでしたが、徐々に受注の減少として顕在化しつつあります。中国子会社においては回復の動きが見られるものの、新型コロナウイルス感染症の収束、経済活動正常化の時期は未だ不透明であり、今後、事態が長期化またはさらなる感染拡大が進行した場合、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
また、当社グループの従業員が罹患した場合、工場の操業停止や出荷停止、営業活動の自粛等が発生し、当社グループの業績及び財務状況に重要な影響を与える可能性があります。
当社グループでは、市場環境を注視しながら今後の事業運営に取り組むとともに、従業員の感染防止のため、テレワークの推進や衛生管理の徹底等引き続き感染症対策を実施してまいります。
(8)継続企業の前提に関する重要事象等について
当社グループは、2期連続で重要な営業損失、経常損失、親会社株主に帰属する当期純損失を計上していることから、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
しかしながら、当連結会計年度末において、7,899百万円の現金及び現金同等物を有しており、当面の事業資金を確保していることから資金繰り上の懸念はありません。また、当社グループは、前述の「経営環境及び対処すべき課題」に記載した対応策を着実に実行していくことで、当該事象又は状況を解消できると考えております。
従いまして、当連結会計年度の末日現在において、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないものと判断しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、米中貿易摩擦の長期化や中国経済の減速等の影響に加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う世界経済への不安が高まるなど、先行き不透明な状況で推移いたしました。
このような環境の中、当社グループを取り巻く事業環境は、当社の主力製品が関連する中小型FPD市場において、車載向けは堅調に推移するものの、スマートフォン向け需要の低迷が続いていることから厳しい状況で推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,167百万円減少し、15,390百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,454百万円減少し、4,386百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,713百万円減少し、11,004百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は71.5%、1株当たり純資産額は1,391円18銭となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は、売上高は5,449百万円(前期比13.3%減)となりました。損益につきましては、売上高が減少したことから営業損失は1,206百万円(前期は501百万円の営業損失)、経常損失は1,159百万円(前期は428百万円の経常損失)となりました。また、投資有価証券売却益として60百万円を特別利益に、事業環境の変化に伴う当社グループの収益性低下による固定資産の減損損失2,037百万円、収益構造の強化を図るために実施した転進支援制度による特別退職金268百万円などを特別損失に計上いたしました。これにより親会社株主に帰属する当期純損失は3,511百万円(前期は1,020百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
品目別の状況は次のとおりであります。なお、当社グループは、真空成膜関連製品等の製造、販売を行う単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(FPD用基板)
液晶パネル用帯電防止膜は、車載向けは安定的に推移したものの、スマートフォン向けではスマートフォンに搭載される表示パネルの多くが液晶パネルから有機ELパネルに移行されたことにより受注は大きく減少いたしました。タッチパネル用透明導電膜は、中国系スマートフォン向けや車載向けが安定的に推移いたしました。
この結果、売上高は2,852百万円(前期比11.0%減)となりました。
(その他)
その他製品につきましては、カバーパネル向け反射防止・防汚膜は安定的に推移しましたが、液晶プロジェクター向けや照明向けで受注が減少したことや、その他の製品につきましても市場環境が厳しいことから試作等の受注が低下するなど厳しい状況で推移いたしました。
この結果、売上高は2,596百万円(前期比15.7%減)となりました。
なお、新型コロナウイルス感染症の当社グループへの影響は、中国の連結子会社において、得意先の稼働調整による受注の減少、材料支給遅延等による生産活動への影響が2020年2月から現れておりますが、連結財務諸表の作成に当たっては、同社の決算日である2019年12月31日現在のものを使用しているため、当連結会計年度の業績には反映されておりません
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ638百万円減少し、7,899百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は14百万円(前期比88.3%減)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純損失が3,498百万円となったものの、減価償却費296百万円、減損損失2,037百万円、投資有価証券評価損93百万円などの資金流出を伴わない費用が多額であったことや、特別退職金268百万円の支払いが翌期になったこと、売上債権と仕入債務の減少により純額で438百万円の資金増加要因があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は235百万円(前期比70.2%減)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出638百万円があったものの、投資有価証券の売却による収入378百万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は392百万円(前期比170.0%増)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入350百万円があったものの、長期借入金の返済による支出622百万円及び配当金の支払額118百万円があったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、真空成膜関連製品等の製造、販売を行う単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
FPD用基板 |
2,868,283 |
89.4 |
|
その他 |
2,276,369 |
75.6 |
|
合計 |
5,144,652 |
82.7 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別の名称 |
受注高(千円) |
前年同期比(%) |
受注残高(千円) |
前年同期比(%) |
|
FPD用基板 |
2,847,572 |
91.2 |
211,738 |
97.6 |
|
その他 |
2,631,851 |
83.5 |
376,191 |
110.3 |
|
合計 |
5,479,424 |
87.4 |
587,929 |
105.4 |
(注)1.金額は販売価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
|
品目別の名称 |
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
FPD用基板 |
2,852,706 |
89.0 |
|
その他 |
2,596,713 |
84.3 |
|
合計 |
5,449,419 |
86.7 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
㈱ジャパンディスプレイ |
609,882 |
9.7 |
633,165 |
11.6 |
|
シャープ㈱ |
1,269,036 |
20.2 |
588,656 |
10.8 |
3.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ7,167百万円減少し、15,390百万円となりました。
これは主に、流動資産では受取手形及び売掛金が取引先との有償支給材料取引の影響により3,897百万円減少したこと、固定資産では減損損失の計上などにより有形固定資産が1,748百万円減少したことなどによるものであります。
(負債合計)
負債合計は、前連結会計年度末に比べ3,454百万円減少し、4,386百万円となりました。これは主に、流動負債の支払手形及び買掛金が取引先との有償支給材料取引の影響により3,454百万円減少したことなどによるものであります。
(純資産合計)
純資産合計は、前連結会計年度末に比べ3,713百万円減少し、11,004百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純損失の計上により利益剰余金が3,630百万円減少したことによるものであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ837百万円減少し、5,449百万円(前期比13.3%減)となりました。これは主に、当社グループ製品の主力市場であるスマートフォン市場において、スマートフォンのライフサイクルの長期化に加え、ハイエンドスマートフォンに搭載されるディスプレイパネルの主流が液晶パネルから有機ELパネルにシフトしていることから液晶パネル向け帯電防止膜の受注が大きく減少したことによるものであります。また、スマートフォン市場のような特定事業領域への過度な依存を減らすべく現在取り組んでいる新たな商材についても立ち上がりが後ろ倒しになるなど、液晶パネル向け帯電防止膜の落ち込みをカバーするには至りませんでした。
(営業損失)
当連結会計年度の営業損失は、1,206百万円(前期は501百万円の営業損失)となりました。
売上高が減少するなか、製造原価及び販売管理業務の効率化など一層の経費削減に取り組んだものの、生産活動における固定費が一定額発生すること、また、新たな商材立ち上げに必要となる部材購入や研究開発費用の増加、販売競争力を高めるべく販売活動費が増加したことから、売上高の減少に比較して製造原価及び販売管理費を低減させることが出来ませんでした。
(経常損失)
当連結会計年度の経常損失は、1,159百万円(前期は428百万円の経常損失)となりました。
前連結会計年度に計上した35百万円の為替差益がなくなったことより営業外収支は前期に比べ26百万円の悪化となりました。
(親会社株主に帰属する当期純損失)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、3,511百万円(前期は1,020百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
投資有価証券の保有目的見直しに伴い売却した投資有価証券売却益60百万円を特別利益に計上したものの、事業環境の変化に伴う当社グループの収益性低下による固定資産の減損損失2,037百万円、収益構造の強化を図るために実施した転進支援制度による特別退職金268百万円、投資有価証券の評価損93百万円などを特別損失に計上したことから、前期に引き続き多額の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、2期連続して大幅な営業損失を計上したものの、営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度に引き続き黒字を確保しております。営業キャッシュ・フローが黒字の間に早期に業績を立て直し、安定的に営業キャッシュ・フローを生み出せる体質に転換することが急務であると考えております。
当社グループの資金需要の主なものは、製品製造のための原材料等の購入費、製造経費、販売費及び一般管理費等の運転資金需要と生産効率及び品質向上、生産能力増強を目的とした設備投資等の長期資金需要であります。
当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを基本方針としております。運転資金需要には自己資金及び金融機関からの短期借入により、また、設備投資などの長期資金需要に対しては、主に金融機関からの長期借入を基本としております。
当面の設備投資資金につきましては、可能な範囲で金融機関からの長期借入により調達することとし、手元流動性は経営環境の変化に備えて十分確保するとともに、当社グループの新たな収益源への投資を引き続き検討してまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、過去の実績やその時点での情報に基づき、継続的かつ合理的、保守的な評価に重点をおき見積りを行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社は、特に以下の会計基準の適用において使用される当社の判断と見積りが、当社グループの連結財務諸表の報告額に重要な影響を及ぼすと考えております。
a.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を勘案して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。
現在、税務上重要な繰越欠損金が存在し、今後の見通しも不透明であることから繰延税金資産の回収可能性は無いものと判断し、繰延税金資産の全額について評価性引当額を計上しております。
b.減損会計
当社グループは、固定資産の減損会計を適用するに当たり、資産のグルーピング、将来キャッシュ・フローの予測、正味売却価額の見積り、割引率の推定等において、当社グループに固有の事情を反映した合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて算出しております。
当連結会計年度においては、過年度における予測と実績の乖離、事業環境の不確実性の高まり等を勘案し、直近の実績ベースのみでの予測、受注情報の確度をより重視した見積りを行っております。
c.新型コロナウイルス感染症の影響
上記の会計上の見積りにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大による影響は概ね2020年度の上期中は継続するとの仮定を置いております。
なお、今後の状況次第では2021年3月期の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
該当事項はありません。
(1) 研究開発活動の体制
当社の研究開発活動は、事業領域の拡大及び事業モデルの変革のための新規技術を創生すべく、67期に新設した製造技術部と研究開発部の2部門より構成されております。製造技術部が既存製品に新たな価値を付与するために、従来技術をさらに発展させる技術開発に取り組み、研究開発部が中長期的に差別化できる新たな技術開発テーマの探索と実施を担当しております。開発テーマの重要性に応じて上記2部門の他、施設部、営業部、マーケティング部等を含めたプロジェクトチームを編成し、効率的に新たな技術や製品開発に取り組んでおります。
また、各種研究機関、大学、企業とのプロジェクト、共同研究も研究開発部門が中心となり推進しております。
(2) 研究開発活動の方針
当社は、地球、人類、技術の融合により明るく豊かな未来を創造するという企業理念のもと、価値ある薄膜と加工技術を提供することでものづくりとテクノロジーの発展に貢献することを使命としております。そのために、研究開発部門は幅広い分野への「真空成膜技術」の応用、要素技術開発並びに新製品の提供等を行ってまいりましたが、今後は、エレクトロニクス・モビリティ・インダストリーの各事業領域での成長を支えるコア技術の創出に注力すると同時に、製造技術も真空成膜をベースとしつつ応用や製法の多角化にも取り組んでいく方針であります。
(3)研究開発活動における当連結会計年度の主要課題
当社グループは、真空成膜関連製品等の製造、販売を行う単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(FPD用基板)
①曲面基板への成膜加工技術の開発
②低反射メタルメッシュ電極の材料開発及び加工技術開発
③フレキシブルディスプレイ用、極薄フィルム基板の仮固定及び剥離技術の確立
(その他)
①車載ディスプレイ向け反射防止膜の量産化技術確立
②低反射フィルム(g.moth®)の生産技術確立
③低反射フィルム(g.moth®)の応用製品開発
④高出力レーザー向けレンズの開発
⑤ファンアウト・パネルレベルパッケージ用微細回路形成材料の量産技術開発
⑥セミアディティブプロセスによる微細回路形成技術の開発
⑦高耐久性の超撥水膜・親水膜の開発
⑧高滑落性機能材料の開発
⑨異形材料への面発熱ヒーター加工技術の開発
⑩面発熱ヒーターの応用製品の開発
⑪異形材料へのパターニング加工技術の開発
⑫各種薄膜センサーの開発
なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は