第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

  文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 (1)経営の基本方針

  当社グループは、「顧客第一主義」を企業理念として掲げ、業務用厨房機器並びにベーカリー機器の総合メーカーとして、「適正な価格で、より質の高い製品並びにサービスを提供し、お客様に貢献すること」を使命とし、実現のために次の基本方針を掲げております。

 「株主の信頼と期待に応えられる魅力ある企業を目指します。」

 「お客様の信頼に応え、感謝の気持ちを大切にして、相互の発展に努めます。」

 「良き企業市民として、地域社会に貢献します。」

 「社員の能力を最大限に引き出す企業風土を創造します。」

 

 (2)目標とする経営指標

  当社グループでは、株主利益重視の観点からEPS(1株当たり当期純利益)を重視しており、売上高の拡大と利益の拡大に努め、EPS上昇を目指します。

 

 (3)中長期的な経営戦略

  当社グループの主な販売先であります外食・中食産業のマーケットは年間約30兆円という大きな市場がありますが、全体の市場規模は横ばい、または縮小傾向で推移していくものと予測されます。

  これに伴い、熱機器と冷機器を合わせて年間約6,000億円といわれる業務用厨房機器業界の年間総需要も横ばい、または縮小傾向で推移していくものと推測しており、同業各社による競合はより激しさを増しております。

  さて、業務用厨房機器業界の熱機器分野においては、当社グループを含めた大手7社の市場占有率はまだ低く、単品メーカーや地元設備業者が多く存在しております。その一方で、ユーザーからの機器購入基準はますます厳しくなっているため、総合的なサービス体制を整える大手企業への依存度が高くなりつつあります。一方、年間約300億円あるといわれるベーカリー機器業界においても競合は激しくなるばかりであります。

  この認識のもと、当社グループは競争激化の中シェアアップを図り、適正利益率を維持しながら業界トップとなる売上高600億円の達成を目標としております。

  この目標を実現するために

  ①メーカーとして技術開発力の強化を進め、より安全でより高品質、高機能な自社製品の開発を積極化し、かつ生産の合理化によりお客様のご要望に応えられる体制作りに努めております。

  ②幅広い情報収集とユーザーへの提案営業、並びにマルゼンブランドの認知度を高めるよう直接販売の強化を進め積極的な営業展開に取り組んでおります。

  ③販売マーケットについては、一般外食をはじめ、当社が主要な攻略先として定めた集団給食関係、並びに中食産業を手掛けるスーパーマーケットに対して販売を強化し、幅広く新規顧客の取り込みを行ってまいります。

  ④アフターサービスにおける保守契約が顧客満足度を高め、業績の向上に大きく寄与すると考え、日本全国を網羅するメンテナンスサービスの体制を強化してまいります。

  ⑤当社グループの製造部門でありますマルゼン工業株式会社(現・マルゼン工業株式会社)は九州工場、東北工場、首都圏工場の3工場体制であります。各工場とも、安全性が高く高品質、かつリーズナブルな製品作りという基本姿勢のもと、コスト低減や生産性向上等、それぞれの工場の特長を活かした効率的な生産体制の充実を推進しております。

  ⑥ベーカリー機器の総合メーカー、株式会社フジサワ・マルゼンはグループによる協力体制のもと、従来顧客の繋ぎ込みとともに、異業種の食品メーカーや海外顧客の開拓を積極化してシェアアップを図ってまいります。一方、製造部門においては生産設備を積極活用して内製化、コストダウンに努め、収益力の向上に取り組んでまいります。

 

 (4)経営環境および対処すべき課題

  主たる販売先である外食・中食市場におきましては、人手不足や人件費の上昇、原材料の高騰等、厳しい経営環境が続いておりますが、女性の社会進出や共働き世帯の増加に伴う中食市場の増大、子育て支援や超高齢化社会に向けた社会保障関連施設の増加、インバウンド効果に伴う宿泊・飲食市場の活性化等により、市場は底堅く推移しております。

  当社グループの販売先は、レストラン・ラーメン・居酒屋チェーン等の外食産業、学校・病院・福祉施設等の集団給食、さらにはスーパー・コンビニ・ドラッグストア・弁当惣菜等の中食産業に至るまで非常に幅広く、多品種少量が特徴であります。また、同業界では人手不足が顕著であることから、調理の自動化や省力化につながる厨房機器・システムの需要が高まっております。

  当社グループといたしましては、これら幅広い業種業態のお客様に対応するため、時代のニーズにマッチした自社オリジナル製品のラインアップ拡充とあわせ、営業提案、短納期、アフターサービス、お客様専用の特注製品対応にいたるまでの総合的なサービス体制の充実に努めております。また、東南アジアを中心とした海外販売への取り組みも強化してまいります。

  さらにはメーカーとして高品質・高機能・低価格で安全性も高い厨房機器の開発・製造を行って自社製品比率の向上につなげ、かつ、サービスメンテナンス体制の強化、消耗品・保守契約等の販売を強化して、収益力の向上につなげてまいります。一方では、業務効率化、生産性の向上等、効率経営を強化してコスト削減を推進してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営成績、財政状態等、また投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。

なお、本項目における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)販売先市場の動向について

当社グループの製品の主な販売先は外食・中食産業であります。外食産業に含まれる福祉・老健施設や中食産業の市場は年々拡大傾向にあり、当社グループはこれらの業種に対する拡販体制を強化する営業政策を採っております。しかしながら最も大きな市場は外食産業の一般飲食店市場であり、当市場において経済情勢やBSE等の外的要因により民間設備投資が大きく減退する局面においては、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2)製品の安全性・品質について

当社グループでは、社内検査体制の強化等により製品の安全性と品質確保に努めておりますが、万が一、製品の安全性等でトラブルが発生した場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお当社グループは、平成15年に当社グループの製品の一機種についてリコールを実施いたしました。改修作業に関しましては、そのほとんどについて完了しておりますが、一部不明分は現在も探索を続けており、一方では社内の安全対策を強化し再発防止に全力で取り組んでおります。

(3)法的規則について

当社グループの事業においては、製造物責任法、消費生活用製品安全法、電気用品安全法等、様々な法的規制の適用を受けております。これらの法的規制が変更、強化された場合、または予測し得ない法的規制が新たに施行された場合、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4)自社製品の販売比率について

当社グループはメーカーでありますが、営業政策上、自社製品の販売だけでなく仕入商品の販売も併せて行っております。しかしながら利益確保の観点からは、当社グループにおける自社製品の販売強化が要諦であり、全売上高に対する自社製品の販売比率が何らかの事情により著しく低下した場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(5)調達資材の価格変動について

当社グループの製品の生産活動に当たっては、鋼材や部品等の資材を適宜に調達しておりますが、原油や原資材の価格が高騰する局面においては、取引業者から仕入価格の引き上げ要請があるものと予想されます。当社グループといたしましては、常に市況価格に留意しながら、随時価格交渉を行っておりますが、市況価格が大幅に高騰し、かつ製品の販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)災害等について

当社グループの製造工場は福岡県、青森県、埼玉県および兵庫県に立地しておりますが、これらの地域において何らかの災害が発生し、かつ他の製造工場で生産をカバーできなかった場合には生産活動のみならず営業活動にも支障を来し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の概要

①経営成績の状況

当連結会計年度における我が国の経済は、雇用や所得環境の改善により緩やかな回復基調が続いておりますが、米国発の通商問題の動向や中国・欧州経済の先行きに留意する必要があり、景気は先行き不透明な状況で推移しております。

当社グループの主要顧客である外食・中食産業におきましては、人手不足に伴う人件費の高騰や原材料価格の高騰等により厳しい経営環境が続いておりますが、共働き世帯の増加に伴う中食市場の増大や、子育て支援および超高齢社会に向けた社会保障関連施設の増加、さらにはインバウンドの増加に伴う宿泊・飲食市場の活性化等により、市場は全体では微増程度で推移しております。

このような状況の中、当連結会計年度の売上高は、515億18百万円(前年同期比3.3%増)、営業利益は45億19百万円(同5.4%増)、経常利益は49億44百万円(同6.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益につきましては33億83百万円(同5.7%増)となり、売上、利益ともに過去最高となりました。

 セグメントの経営成績は次のとおりであります。

 

業務用厨房部門「業務用厨房機器製造販売業」

  主たる事業の業務用厨房部門では、業界トップクラスの豊富な自社オリジナル製品をベースとして、人手不足対策製品や作業環境改善製品、省エネルギー製品など、お客様の問題解決に資する製品のご提案を推進いたしました。展示即売会・調理講習会等のイベント活動につきましては、テストキッチンを常設する拠点営業所を中心に内容のグレードアップとともに開催数を増やし実施してまいりました。直・ルートの販促キャンペーンについても継続して実施いたしました。メンテナンスサービスの面では、日々の迅速確実な修理対応とともに、保守契約や洗剤・軟水器カートリッジ等の消耗品の販促に取り組み、お客様の安心安全と顧客満足度の向上に注力いたしました。

  製品開発の面では、メーカーとしてお客様ニーズを捉えた新製品開発や既存製品の見直しを強力に推進したほか、外食やコンビニ等のチェーン店に対して、独自の調理オペレーションに即した特注製品の開発に注力してまいりました。

  当期の新製品といたしましては、ホテル旅館のビュッフェでのセルフサービスや小規模カフェに最適なコンベアトースター、大容量でも従来機種と同様の間口寸法を実現した大型ガスコンベクションオーブン、本体寸法を抑えて手狭な都市部店舗に最適化した日本そば釜コンパクトタイプ、大容量のスープ専用ウォーマーで卓上タイプとカートタイプの2機種をラインアップした電気スープウォーマー、スーパーマーケット等において陳列する野菜の鮮度を長持ちさせるとともに作業負荷を軽減し人手不足対策に有効なベジタブルリフレッシャー等を開発、発売いたしました。

  以上の結果、売上高は481億65百万円(前年同期比3.2%増)、営業利益は48億85百万円(同6.0%増)となり、過去最高を達成することができました。

 

ベーカリー部門「ベーカリー機器製造販売業」

  ベーカリー部門では、引き続き国内製パンメーカーへの拡販とともに、売上拡大に向けて異業種の各種食品メーカーや東南アジア地域を中心とした海外製パンメーカーの新規開拓に取り組みました。その結果、売上高は27億89百万円(前年同期比4.2%増)、営業利益は94百万円(同27.3%減)となりました。

 

ビル賃貸部門「ビル賃貸業」

  土地と資金の有効活用を目的としたビル賃貸部門においては、宿泊特化型のビジネスホテルチェーン3カ所、介護付有料老人ホーム1カ所、物流倉庫1カ所の計5物件を有しております。

  業績は計画どおり推移し、売上高は5億92百万円(前年同期比0.0%増)、営業利益は4億1百万円(同0.9%増)となりました。

 

②財政状態の状況

 当連結会計年度の財政状態は、総資産で前連結会計年度末に比べ28億17百万円増加の540億25百万円となりました。

 資産の部は、現金及び預金の増加等により前連結会計年度末に比べ28億17百万円増加しました。

 負債の部は、流動負債で設備投資に伴う設備関係支払手形の増加等により7億94百万円の増加、一方で固定負債は、繰延税金負債の減少等により2億46百万円の減少となった結果、前連結会計年度末に比べ5億48百万円増加の194億89百万円となりました。

 純資産の部は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等に伴い利益剰余金が増加したこと等により前連結会計年度末に比べ22億69百万円増加の345億35百万円となりました

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ24億81百万円増加の203億17百万円(前年同期比13.9%増)となりました。なお、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、得られた資金は43億51百万円(前年同期比4.3%増)となりました。

 主な要因は、税金等調整前当期純利益50億24百万円が計上されたこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、使用した資金は12億48百万円(前年同期比26.0%増)となりました。

 主な要因は、有形固定資産の取得による支出で14億5百万円を使用したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、使用した資金は6億20百万円(前年同期比80.5%減)となりました。

 短期借入金の返済2億円および配当金の支払い4億20百万円によるものであります。

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループの事業は、「業務用厨房機器の製造、仕入および販売」、「ベーカリー機器の製造、仕入および販売」および「ビルの賃貸」を主たる業務としております。

 当連結会計年度の「生産、受注及び販売」の実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであり、「業務用厨房機器製造販売業(熱機器、作業機器規格、作業機器オーダー、部品他、冷機器および調理サービス機器)」並びに「ベーカリー機器製造販売業(ベーカリー機器およびベーカリー関連機器)」については品目別の実績を提示しております。

 なお、ビル賃貸業については、「生産実績、製商品仕入実績および受注実績」の該当事項はありません。

a.品目別生産実績

区分

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

至 平成31年2月28日)

前年同期比(%)

熱機器(千円)

13,282,104

103.8

作業機器規格(千円)

2,648,887

102.4

作業機器オーダー(千円)

3,983,996

98.7

ベーカリー機器(千円)

1,907,388

106.4

合計(千円)

21,822,376

102.9

 (注) 金額は販売価格により記載しており、消費税等は含まれておりません。

b.品目別製品仕入実績

区分

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

至 平成31年2月28日)

前年同期比(%)

熱機器(千円)

40,065

86.5

作業機器規格(千円)

236,432

91.1

ベーカリー機器(千円)

734,487

108.6

合計(千円)

1,010,985

102.9

 (注) 金額は販売価格により記載しており、消費税等は含まれておりません。

c.品目別商品仕入実績

区分

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

至 平成31年2月28日)

前年同期比(%)

冷機器(千円)

9,231,580

104.1

調理サービス機器(千円)

14,648,165

103.4

ベーカリー関連機器(千円)

107,392

65.1

合計(千円)

23,987,137

103.4

 (注) 金額は販売価格により記載しており、消費税等は含まれておりません。

d.品目別受注実績

区分

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

至 平成31年2月28日)

受注高(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比(%)

作業機器オーダー(注)1

3,979,768

98.8

188,477

97.8

ベーカリー機器

1,763,632

74.9

857,383

85.7

合計

5,743,400

90.0

1,045,861

87.6

 (注)1.業務用厨房機器製造販売業受注の作業機器オーダーであり、規格品および部品他については見込生産を行っているため、該当事項はありません。

2.金額は販売価格により記載しており、消費税等は含まれておりません。

e.品目別販売実績

区分

当連結会計年度

(自 平成30年3月1日

至 平成31年2月28日)

前年同期比(%)

当社製品

 

 

熱機器(千円)

13,285,162

103.7

作業機器規格(千円)

2,685,182

100.3

作業機器オーダー(千円)

3,934,742

98.6

部品他(千円)

4,386,766

105.0

ベーカリー機器(千円)

2,652,061

107.5

小計(千円)

26,943,914

103.1

他社仕入商品

 

 

冷機器(千円)

9,242,971

104.3

調理サービス機器(千円)

14,631,121

103.4

ベーカリー関連機器(千円)

107,392

65.1

小計(千円)

23,981,484

103.5

製商品計(千円)

50,925,399

103.3

ビル賃貸業計(千円)

592,744

100.0

合計(千円)

51,518,144

103.3

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.主要顧客(総販売実績に対する割合が10%以上)に該当するものはありません。

3.「ベーカリー機器」には、アフターメンテナンスサービス分を含んでおります。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針および見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、必要とされる見積りにつきましては、合理的な基準に基づき実施しております。

 なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

②経営成績の分析

a.売上高

 売上高は、前連結会計年度より16億22百万円増加し、515億18百万円(前年同期比3.3%増)で過去最高の増収となりました。

 業務用厨房機器製造販売業においては、外食産業・スーパーマーケット・病院・福祉施設および一般飲食店等の幅広い業種業態のお客様に対し、業界トップクラスの3,500種類を誇る豊富な自社オリジナル製品をベースとして、人手不足対応や作業環境改善などお客様の問題解決やご要望に沿ったソリューション営業を推進いたしました。また、市場規模につきましては、女性の社会進出や少子高齢化対策関連施設の増加、インバウンド効果等により増加傾向にあります。一方で販促キャンペーン、展示即売会、調理講習会等のイベント活動やカタログ・チラシを活用した営業活動に改めて取組んだほか、重要な情報発信元である「ホームページ」についても「コンテンツの拡充」、「各種内容のブラッシュアップ」等を図りました。販売拠点につきましては、調理講習会等のイベント活動が可能な設備をそなえた販売事業所8カ所で集客を図り、自社製品の販売強化に寄与できるようにつなげました。メンテナンスサービスは体制をより強化し、故障の未然防止に有効な保守契約や食器洗浄機用洗剤・軟水器カートリッジなど消耗品の補充・交換等で、お客様の安全安心と顧客満足度の向上に注力しました。研究開発部門においては、毎年10シリーズ程度の新製品および既存製品の見直し品の発売を目標としております。当期の新製品開発においては、人手不足対策を中心に新製品を7機種・既存製品の見直し品を2機種それぞれ開発いたしました。以上の結果、主力製品の省人化機器でもあるIH卓上オートリフトフライヤー等の自社製品の販売の増加により、売上高は前連結会計年度に比べ14億93百万円増加の481億65百万円(同3.2%増)となりました。

 ベーカリー機器製造販売業においては、引き続き国内製パンメーカーに対する拡販とともに、異業種の各種食品メーカーや東南アジア地域を中心とした海外製パンメーカーの新規開拓にも取り組みました。その結果、売上高は前連結会計年度に比べ1億28百万円(セグメント間の内部売上高を除く)増加の27億59百万円(同4.9%増)となりました。

 ビル賃貸業においては、計画のとおり推移し、前連結会計年度と同等の水準となりました。

b.売上原価、売上総利益、販売費及び一般管理費並びに営業利益

 売上原価は、前連結会計年度より12億67百万円増加し、362億35百万円(同3.6%増)となりました。これは主に営業部門において、売上高の増加に伴う仕入高の増加等によるものであります。

 売上総利益は、営業部門で、利益率の高い自社製品をイベント活動や販促キャンペーン等により販売できたこと等により、前連結会計年度に比べ3億55百万円増加の152億82百万円(同2.4%増)となりました。また一方で、売上高売上総利益率は同業他社との競合等により29.7%となり、前連結会計年度より0.2ポイント悪化いたしました。

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より1億23百万円増加し、107億62百万円(同1.2%増)となりました。これは、人件費で社会保険料率の上昇等に伴う福利厚生費の増加、また、経費で原油価格の高騰等による燃料費の上昇および2年に1回開催される大型の外部展示会に出展したこと等によるものであります。

 この結果、営業利益は前連結会計年度より2億31百万円増加し、45億19百万円(同5.4%増)で過去最高益となりました。

c.営業外損益および経常利益

 営業外損益は、前連結会計年度の3億60百万円の利益(純額)から、4億25百万円の利益(純額)となりました。前連結会計年度は、営業外費用で自己株式取得費用27百万円計上されましたが、当連結会計年度は大きな費用計上がありませんでした。

 この結果、経常利益は、前連結会計年度に対し、6.4%増加の49億44百万円で過去最高益となりました。

d.特別損益

 特別損益は、前連結会計年度の3百万円の損失(純額)から、80百万円の利益(純額)となりました。主な増加要因は、株式売却に伴う投資有価証券売却益の計上80百万円等によるものであります。

e.法人税等(法人税等調整額を含む。)

 法人税等は、前連結会計年度の14億44百万円から、当連結会計年度は16億41百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益50億24百万円(同8.2%増)が計上されたこと等によるものであります。

f.親会社株主に帰属する当期純利益

 以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は33億83百万円(同5.7%増)で過去最高益となり、1株当たり当期純利益金額は209円21銭(同12.3%増)となりました。

③キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

④資本の源泉および資金の流動性に係る情報

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、他社からの商品の仕入代金のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。

 当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は自己資金および金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達については、自己資金を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金およびリース債務を含む有利子負債の残高は5億20百万円となっております。

 また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は203億17百万円となっております。

⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載の指標を達成するため、令和元年度の業績目標を連結売上高520億円、連結営業利益45億27百万円、連結経常利益49億52百万円、親会社株主に帰属する当期純利益34億2百万円として、目標数値であるEPS(1株当たり当期純利益)210円38銭を達成できるよう目指します。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

   該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当社グループは多様化するニーズに応えかつオリジナリティのある高付加価値製品を合理的な価格で提供することを基本方針としております。この目的の達成のために次の項目を主眼において研究開発活動を進めております。

(1)顧客ニーズに合致した製品の開発

(2)省エネ・エコロジー・合理化製品の開発

(3)人手不足対策に対応した自動化・省人化製品の開発

(4)職場環境の衛生改善に対応した製品の開発

(5)既存製品の改善において新技術を取り入れた信頼性の高い製品への改良

(6)原価低減のため、海外の協力工場への丹念な技術指導により、高品質低価格製品提供のための基盤を構築

このような方針のもと、当連結会計年度の業務用厨房機器製造販売業においては、外食産業、中食産業、官公庁、病院、福祉施設、学校、給食、ホテル、旅館など様々な分野への製品開発を積極的に進め、作業の改善・合理化のための製品需要および昨今の人手不足対策に対応するため、自動化・省力化機器の開発に努めました。併せて安全性、利便性を考慮してコンピュータソフトを内蔵した機器の開発も行いました。

これら研究開発活動に携わるスタッフは、グループ全員で36名にのぼり、これは総従業員の2.7%に相当しております。

当連結会計年度における各セグメント別の研究の目的、主要な課題、研究成果および研究開発費は業務用厨房機器製造販売業並びにベーカリー機器製造販売業におけるものであり、内容は次のとおりであります。

なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は4億9百万円となっております。

(1)新製品の開発

①コンベアトースターリターンタイプ、スルータイプ(熱機器) 発売日 平成30年4月2日

リターンタイプは、パンを投入するだけで、1分間に6枚の食パンがトースト出来ます。スルータイプは、一度に3枚の食パンを並べたトーストが可能で、また具材をトッピングしたメニューにも対応します。2機種共にコンベア式の採用で、追加注文も待たずに連続投入が可能です。リターンタイプは省スペース設計でカウンターや狭小厨房でもお使いいただけます。また庫内に設けた波型反射板がヒーターからの熱をバランス良く反射することで、均一な焼成を実現。スルータイプは、熱量バランスを調整したヒーターと当社独自形状の反射板で均一な焼成を実現。少人数オペレーションに対応した人手不足対策にも最適です。ビュッフェなどのセルフサービスやカフェ・ホテル・レストランに最適な製品であります。

②コンベアオーブン(熱機器) 発売日 平成30年4月2日

間口寸法が1020㎜と超小型のコンベアオーブンです。パン類のトーストだけでなく、ハンバーグやピザ、グラタンなども調理出来ます。コンベア式なので、追加注文も待たずに連続投入でき、食材を投入すれば後は自動で焼き上げるため、少人数オペレーションに対応した人手不足対策にも有効です。高出力カーボンランプの採用で、立ち上がりも素早く、また遠赤外線効果で美味しく調理出来ます。開口部にはヒートプロテクターを設置したことで、接触時の火傷を防止。また過熱防止装置搭載で、万が一の時も安心です。省スペース設計と安心安全装備で、狭小厨房にも対応した製品であります。

③ガス式コンベクションオーブン「ビックオーブン」(熱機器) 発売日 平成30年6月1日

操作パネル位置を本体上部に設置することで、従来機種と同等の間口寸法でもワイドな庫内寸法を実現。フルサイズのシートパンを最大4枚収納出来ます。熱風が上下左右にバランス良く循環するシステムで、焼きムラの少ない理想的な仕上がりは従来機種と同様です。従来のコンベクションオーブンシリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図り、シートパンを使用した調理オペレーションの厨房に最適であり、人手不足対策にも貢献致します。

④日本そば釜コンパクトタイプ(熱機器) 発売日 平成30年6月1日

そば釜と給水カランのみのシンプルなコンパクトタイプです。本体寸法を大幅に抑え、限られた厨房スペースを有効活用出来ます。更に高火力バーナーを搭載し、沸騰力も抜群。熱効率に優れた噴流釜がそばを効率良く対流させ、美味しく茹で上げます。従来の日本そば釜シリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。

⑤NEWパワークックガスレンジ立ち消え安全装置搭載タイプ(熱機器) 発売日 平成30年7月2日

とろ火や噴きこぼれ時に万が一、バーナーの炎が消えた場合は、自動的にガスの供給を遮断する安全装置を搭載しました。またバーナーへの点火は連続スパーク方式を採用し、確実に点火します。従来NEWパワークックシリーズへ機種追加し、高火力・耐久性・操作性はそのままに機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。

⑥電気卓上スープウォーマー・電気スープウォマーカート(熱機器) 発売日 平成30年11月1日

スープウォーマーは、コンパクト設計な卓上タイプで、レードルが使いやすい割り蓋仕様。効率良く盛り付け出来ます。スープウォーマーカートは、カートタイプなので、寸胴を本体にセットすることで厨房から盛り付けスペースまで楽に移動することが出来ます。共にフロートスイッチを内蔵した安心安全設計です。従来ウォーマーシリーズへ機種追加し、機能とバリエーションでいっそうの充実を図った製品であります。

⑦ベジタブルリフレッシャー(熱機器) 発売日 平成31年2月19日

スーパーマーケットなどで販売する野菜を入荷時に冷水冷却するための機器です。冷水冷却することで、野菜の鮮度保持と品質向上の効果があり、商品の価値を高めて廃棄の削減にもつながります。従来のような従来のような手作業で野菜の入ったカゴを氷水に貯めたシンクに浸漬し引き上げるなどの作業がなくなるので、作業環境も改善し、人手不足対策にも有効です。電源ボタンを押すと自動で給水、冷却を行い、後はスタートボタンを押すだけの簡単操作。冷却室のカゴ受けやノズルは、工具なしで簡単に取り外せるので清掃性にも優れた設計です。スーパーマーケットなどのバックヤードへの導入に適した省力化製品であります。

 

(2)既存製品の見直しおよび改良

①大型モルダー(クロスモルダー)(ベーカリー機器) 発売日 平成30年6月12日

大手製パン工場の食パンラインで使用される中間醗酵後の生地をロールで薄く圧延しながらガス抜きをする機械です。品質の良し悪しを左右するロールは消耗品で約6カ月から12カ月での交換が必要となります。このロール交換作業とロール交換後のロールとスクレーパー調整作業が非常に難しく、従来機では長時間のライン停止が必要でした。そこでロール交換およびロールとスクレーパー調整の作業時間を短縮するために「ロールとスクレーパーをユニット化した圧延部で交換時にはユニットごと入れ替える方式を採用」「ユニットに関してはスムーズな交換作業を目指して前後のユニットを分離し軽量化を計った」などの構造見直しで従来機よりも大幅に交換作業時間の短縮が可能となりました。

②ガスフライヤーエクセレントシリーズ(熱機器) 発売日 平成30年9月3日

「高カロリー用ホイールヒートパイプをレギュラータイプにも採用することで、油量を5~9%削減」「レギュラータイプは150㎜、ファーストフードタイプは200㎜へ床面高さを変更し、清掃性の向上」などの改良を行い、より優れた性能向上を図った製品であります。

③IH炊飯器(熱機器) 発売日 平成31年1月4日

「電気用品安全法の改正に伴う電気部品の変更、炊飯釜の釜底R部の形状変更、加熱コイルを立体形状へ変更」などの改良を行い、より美味しく炊き上げる性能向上を図った製品であります。