第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、企業理念に「私たちは私たちの幸せをお客様と共有するために、良い仕事をする、いい商品をつくる、最善のサービスをするように努めます」を掲げております。そのために「お客様のニーズに応え、お客様が繁栄されるお手伝いをします」を実践して、お客様の「幸せ」、社員の「幸せ」を追求し、そして株主様やお取引先様に「幸せ」を提供出来るよう日々研鑽に努め邁進してまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、利益重視の観点から売上高営業利益率15%を目標に掲げ、売上拡大を図りつつ付加価値の高い製品を開発し、お客様に満足していただけるサービスの強化を図ってまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題

 当社グループの主要取引先である焼肉業界におきましては、牛肉価格の高騰や人手不足による人件費の上昇などが懸念され、厳しい経営環境になると考えられます。そのために当社グループは、当社独自の提案力を活かし、お客様に役立つ製品・サービスを提供し差別化を図りお客様と二人三脚で繁盛店を作り上げてまいります。

 

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)事業内容について

 当社グループの主要事業である無煙ロースターの製造販売事業において、主要な顧客である焼肉店におきましては、近年消費者の牛肉志向が高まりつつありますが、牛肉価格の更なる高騰や、人手不足による人件費の高騰が起きた場合には、焼肉店の新規出店や既存店の改装、異業種からの参入が減少することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
 

(2)当社グループを取り巻く環境について

① 競合等の影響について

 当社グループでは競合他社に打ち勝つために、品質の向上、メンテナンスサービスの充実に取り組み、より高い付加価値の製品、システムを販売してまいりますが、競合他社の中には低価格競争のみで販売拡充を図ろうとしているところもあります。また、素材原料の高騰による原価の上昇もあり、低価格化が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 新製品開発への対応について

 当社グループは、環境浄化を目指す企業として活動しております。そして、より高品質、高付加価値の製品、システム開発の創造を実現するために、常に技術と顧客ニーズを的確に把握し、魅力ある製品、システムの開発を行っておりますが、市場や業界のニーズの変化に適切な対応が出来なかった場合には、将来の成長と収益性を低下させ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

③ 製造物責任について

 当社グループは、その事業及び製品のため、社内で厳しい基準のもとに品質と信頼性の維持確保に努めておりますが、万が一製品が予期せぬ不具合を起こした場合、製造物責任に関する対処あるいはその他の義務に直面する可能性があります。国内外ともPL保険に加入しておりますが、保険で対応出来ない程のコストが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 知的財産について

 当社グループは長年にわたり、自社が製造する製品に関連する多数の特許及び商標を保有し、もしくはその権利を取得しています。これらの特許及び商標は、当社グループのこれまでの事業の成長にとって重要だったものであり、その重要性は今後も変わりません。このような知的財産が広範囲にわたって保護出来ないこと、あるいは違法に侵害されることによって、当社グループの事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 保有株式について

 当社グループは、上場及び非上場の株式を保有しております。全般的かつ大幅な株価下落が生じた場合には、保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)新型コロナウイルス感染症の影響について

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響は、ワクチン接種効果等により徐々に収束に向かうものと思われますが、今後も新規感染者数が減少せず当該影響が長期化した場合、受注の減少、勤務体制の変更等により当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染者数の増加や減少が繰り返される中で弱いながらも持ち直しの傾向が見られるものの、世界的に続く半導体不足や原材料価格の高騰、ロシアによるウクライナ侵攻、4月からの中国上海におけるロックダウンの開始など、依然として先行き不透明な状況で推移しました。

 当社グループの主要マーケットである焼肉業界におきましても、2021年8月をピークとする新型コロナウイルス第5波や2022年2月をピークとする第6波に対するまん延防止等重点措置の適用により時短営業や臨時休業を余儀なくされ大きな影響を受けました。一方でワクチン接種の進展など感染対策の強化により一部で持ち直しの兆しがみられるようになりました。

 このような状況下で当社グループは、焼肉店以外の飲食店様に対して焼肉店への業態変更を促進してまいりました。また、既存焼肉店には店舗の改装や改築、ダクト清掃等のメンテナンス受注に努めてまいりました。さらに新規受注におきましては、無煙ロースターの受注に留まらず、内装工事や空調工事などトータルの受注に努めてまいりました。

 また、名古屋工場の老朽化が進み、生産能力も限界に達しつつあったことから新工場の建設を進め、2022年5月に新名古屋工場が竣工し稼働を開始しました。これにより作業環境と生産能力が大幅に改善し、生産活動の効率化による収益力改善を見込んでおります。

 一方で、連結子会社であるSHINPO AMERICA,INC.は、2018年1月の会社設立以降、アメリカなど北米を中心に無煙ロースターの販売およびアフターサービスの提供を中心に事業を展開してまいりましたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による事業環境の変化に伴い、悪化した収益の回復が見込めない状況が続いていることから、当社グループの経営資源の選択と集中を目的として解散および清算することを決議いたしました。

 その結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

 

a.財政状態

(資産の部)

 当社グループの当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ352百万円増加し7,118百万円となりました。

 流動資産は620百万円減少し3,683百万円となりました。主な要因は、原材料及び貯蔵品の増加168百万円があったものの、現金及び預金が770百万円減少、受取手形及び売掛金が92百万円減少したことによるものであります。

 固定資産は973百万円増加し3,435百万円となりました。主な増加要因は、5月に新名古屋工場が竣工したことに伴う建物及び構築物の増加1,026百万円などによるものであります。

(負債の部)

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ39百万円減少し1,451百万円となりました。

 流動負債は81百万円増加し1,127百万円となりました。主な要因は、未払金の増加113百万円などによるものであります。

 固定負債は121百万円減少し323百万円となりました。主な要因は、退職給付に係る負債の増加16百万円があったものの、役員退職慰労引当金が80百万円減少、長期借入金が63百万円減少したことによるものであります。

(純資産の部)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ391百万円増加し5,666百万円となりました。主な要因は、剰余金の配当141百万円などがあったものの、親会社株主に帰属する当期純利益532百万円の計上によるものであります。

 

b.経営成績

 当連結会計年度における売上高は6,207百万円(前年同期比12.9%増)、営業利益は886百万円(前年同期比32.5%増)、経常利益は905百万円(前年同期比30.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は532百万円(前年同期比3.8%増)となりました。

(売上高)

 売上高は、新型コロナウイルス感染拡大による影響が大きかった前連結会計年度から回復傾向にあることから、709百万円増加の6,207百万円(前年同期比12.9%増)となりました。

(売上原価及び売上総利益)

 売上原価は、売上高の増加に伴い439百万円増加の3,862百万円(前年同期比12.8%増)となりました。売上総利益は270百万円増加の2,344百万円(前年同期比13.0%増)となりました。

(販売費及び一般管理費、営業損益)

 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度において展示会の中止や出張の取り止めなど、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い広告宣伝費や旅費交通費が減少していた反動や、人員の増加に伴う人件費の増加等により52百万円増加の1,458百万円(前年同期比3.8%増)となりました。その結果、営業利益は217百万円増加の886百万円となり、売上高営業利益率は14.3%(前年同期売上高営業利益率は12.2%)となりました。

(経常損益)

 経常利益は、営業外収益が雇用調整助成金等15百万円の計上があった前連結会計年度より7百万円減少したものの、営業利益の増加により210百万円増加の905百万円(前年同期比30.3%増)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純損益)

 親会社株主に帰属する当期純利益は19百万円増加の532百万円(前年同期比3.8%増)となりました。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は1,633百万円となり、前連結会計年度末と比較して770百万円減少しました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動による資金は378百万円の増加(前年同期は532百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益742百万円であります。また、主な減少要因は、役員退職慰労金の支払額204百万円、法人税等の支払額255百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動による資金は937百万円の減少(前年同期は5百万円の減少)となりました。主な減少要因は、5月に操業を開始した新名古屋工場の建設などに伴う有形固定資産の取得による支出952百万円などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動による資金は226百万円の減少(前年同期は227百万円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額141百万円及び長期借入金の返済による支出61百万円などによるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、無煙ロースターの製造販売及びその附帯工事を主要な事業としており、他のセグメントの重要性が乏しいため、生産、受注及び販売の実績につきましては、品目別に記載しております。

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

生産高(千円)

前年同期比(%)

製品

2,103,232

118.1

据付工事

1,679,910

107.0

その他内装工事

1,104,833

116.9

合計

4,887,976

113.8

 (注)金額は販売価格によっております。

 

 

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

製品

2,129,449

113.5

279,671

126.8

部材品

1,007,070

113.2

88,968

135.4

据付工事

1,713,851

105.4

189,333

121.8

その他内装工事

1,052,425

102.8

69,226

56.9

商品

268,202

111.7

28,160

120.5

アミ洗浄

105,055

113.1

合計

6,276,054

109.2

655,360

111.7

 (注)金額は販売価格によっております。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。

品目

金額(千円)

前年同期比(%)

製品

2,070,338

115.0

部材品

983,809

114.9

据付工事

1,679,910

107.0

その他内装工事

1,104,833

116.9

商品

263,413

112.5

アミ洗浄

105,055

113.1

合計

6,207,361

112.9

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載しております。

 

③経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載しております。

 

④資本の財源及び資金の流動性についての分析

 資金の流動性につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料の仕入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。

 短期運転資金、設備投資及び長期運転資金は、自己資金及び金融機関からの借入を基本としております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は248百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,633百万円となっております。

 

⑤経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、利益重視の観点から売上高営業利益率15%を目標としております。

当連結会計年度におきましては、人件費の増加などにより販売費及び一般管理費が高止まりした結果、売上高営業利益率は14.3%(前年同期は12.2%)となり目標を達成することはできませんでした。

今後につきましても原価低減、コスト低減に努め、売上高営業利益率の目標達成に努めてまいります。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

5【研究開発活動】

 当社グループは、品質方針として“お客様の立場で、高付加価値・省エネ・省力化の、使い易く安全性の高い高品質な製品を開発し、迅速な納期でお客様にご満足いただける製品を提供する”ことを掲げ、主力製品である「無煙ロースター」の開発並びに製造を行うことで「焼く食文化」の発展に取り組んでまいりました。

 また、“環境浄化指向企業”として、焼肉店・焼鳥店や食材調理工場などから排出される排煙・臭気問題を解決する『排気・臭気処理システム』の設計及び品質向上に取り組んでまいりました。

 当連結会計年度は、キーコンセプトである「高性能・高付加価値・省エネ性・使い易さ・安全性」の追求を中・長期スパンにて開発を進め、他社に真似できない圧倒的優位性を備え、且つ強力にアピールできる製品開発に取り組んでおります。

 技術開発部の部員数は7名、当連結会計年度の研究開発費の総額は83,429千円であります。

 なお、当社グループは、無煙ロースターの製造販売及びその附帯工事を主要な事業としており、他の事業セグメントの重要性が乏しいため、セグメント別の記載を省略しております。

 

 当連結会計年度の取り組み成果は、次のとおりです。

1.次世代型無煙ロースターの開発

 現行の主力製品であるガス式無煙ロースターDシリーズにおいて、弱点を克服した仕様の開発に取り組んでまいりました。その成果として火力の向上・安全性の向上を達成した新製品SPRDⅡを2023年1月にリリース予定であります。また、上引き式フードの更なる改良に取り組んでおり、分解洗浄可能でメンテナンスがしやすく、かつ価格競争力のある製品の開発を進め、市場シェアの大幅な拡大を目指します。この他卓上コンロにおきましても、高出力を実現するために混合管を備えた専用バーナーの開発に取り組んでまいります。今後も画期的かつ他社の追随を許さない主力製品の開発に邁進してまいります。

2.無煙ロースターの海外市場攻略対応

 アジア、北米、欧州などの安全認証規格に対応した製品開発と認証の取得・維持を進め、市場投入と拡販を進めてまいりました。今後は米国での安全認証規格に対応した製品開発を進めてまいります。

3.電気式無煙ロースターのラインナップの充実・強化

 「一人焼肉」を電気式ロースターで実現するべく丸形に続き、角形の電気式無煙ロースターの開発を完了し、2023年1月を目標にリリース予定であります。今後は中国でのリリースを目指し認証取得を進めてまいります。

4.安全性向上への取り組み

 昨今、マスコミに多く取り上げられるようになった無煙ロースターを使用する焼肉店の火災事故(ダクト火災)対策として、消防関係者の協力を得ながら再現実験に取り組んでおります。この再現実験の結果分析などの取り組みにより、より実態に即した安全装置の考案・開発や初期消火方法の確立を目指すことで、お客様からの安心と信頼を高め、他社との差別化を図ってまいります。

5.原価低減への取り組み

 昨今の原材料高騰という背景の中で価格競争力を維持するべく、特にアフターサービス部品のコストダウンを図ってまいりました。今後も性能を維持・向上させつつ、コストダウンを図ることにより製品原価高騰回避を実現し、さらなる価格競争力アップに努めてまいります。