第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

[会社の経営の基本方針]

 当社は、「われらの優良な商品で世界の市場をにぎわせよう」「誠意と努力は他を益し自己の幸福の基となる」を創業理念とし、掲げております。当社の創業理念は、会社の根幹を成すものであり、当社のみならず当社グループにおいて脈々と引き継がれております。創業理念の実現に向かって進むべき羅針盤として、次の企業理念・企業指針を定め、企業価値の持続的向上を図ってまいります。

「タカラトミーグループは、すべてのステークホルダーの『夢』の実現のために、新しい遊びの価値を創造します。」

 

お客様   タカラトミーグループは、あらゆる人々の「夢」を形にし、「新しい遊びの価値」を提供します。

社 員   タカラトミーグループは、社員の自主性と創造性が最大限に発揮される職場環境を提供し、いきいきと働くことができる企業を目指します。

株 主   タカラトミーグループは、質の高い成長と健全な経営を通じて、株主の期待・信頼に応えます。

パートナー タカラトミーグループは、公正・公平な取引を行うと共に、パートナーとの共存共栄を目指します。

社 会   タカラトミーグループは、誠実な企業活動を持続することで、21世紀の社会に信頼される企業市民を目指します。

 

[目標とする経営指標]

 当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標としております。また、2021年5月11日に公表いたしました中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の数値計画として「売上高1,850億円、営業利益150億円、自己資本利益率(ROE)12%超」を掲げておりましたが、資源価格の上昇や為替の変動、地政学リスクの上昇など、当社を取り巻く経営環境が大きく変化していることから、2024年3月期の通期連結業績見通しにつきましては「売上高1,950億円、営業利益135億円」といたしました。

 なお、中期経営計画において「3か年*合計の営業利益計画350億円」も掲げており、2022年3月期及び2023年3月期の2か年合計の営業利益は254億円、進捗度73%であり3か年合計の営業利益計画を達成する見込みであります。

*2022年3月期から2024年3月期の3か年

 

[中期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題と対応方針]

 2024年3月期においては、2022年3月期よりスタートした中期経営計画の最終年度として、経済活動や消費者の行動変化へ柔軟に対応を行い、次の方針に基づいて、中期経営計画の各施策達成に向かって取り組んでまいります。

・消費者行動の変容に対応

・外部環境の変化に対応する事業構造の変革(社会情勢・円安傾向・原材料高騰への対応)

・タカラトミーの強み(商品力、ブランド力、顧客ベース)を活かしたビジネス展開

・経営環境に応じたコストコントロールと流動性資金の確保

 

 当社グループは、企業理念である「すべての「夢」の実現」に向けて、「アソビ」の強化をさらに進め強固な経営基盤を築くとともに、海外展開を推進し、真の国際優良企業(Outstanding Global Company)への変革を図ってまいります。

 

<中期経営計画の達成に向けて>

 タカラトミーグループは「おもちゃ」が本来持っている「ワクワク・驚き・感動・笑顔」を消費者に更に提供すべく、事業の軸の基点を「おもちゃ発」から「アソビ発」として変革を図っております。中期経営計画では、「アソビで、世界はもっと良くなる。だからアソビで、未来のグローバル社会に大きくこたえます」をビジョンとして掲げ、ターゲット年齢層、市場地域を広げるとともに、事業領域の拡大を図っています。

 また、中期方針を「グローバルで強みを活かしたSustainable Growth(持続的成長)実現に向けた基盤整備を行うこと」と掲げました。これらを推し進めるために、現在6つの全社戦略に取り組んでいます。

 

① 「適所適材」をキーとした出口・年齢・地域のさらなる攻略

 アジア市場での「トミカ」拡大に取り組むとともに、大人(Kidults層)に向けた「トミカプレミアム」の多様な商品展開を進めました。さらに、「ダイアクロン」の国内及びアジアでの拡大を進め、また店頭への人流が戻りつつある中、小売事業キデイランドにおいては、人気キャラクターを中心として顧客層の拡大に成果をあげることができました。

 今後も、タカラトミーの持つ多様なブランド及びIPパートナーの有用なブランドを活用した商品を、その強みをより発揮できる場所(適所)に展開してまいります。

 

② 日本を基点としたヒット商品の創出

 新触感液晶玩具「ぷにるんず」の国内ヒットの2年目に、新たにオリジナルIPとしてテレビアニメ放送をスタートし、海外展開への着手をはじめ大きな成果をあげました。また、プリスクーラー向けIP『パウ・パトロール』の拡大で市場を牽引しました。

 「トミカ」においては、新コンテンツとして『トミカヒーローズ ジョブレイバー 特装合体ロボ』を立ち上げるとともに、WEBアニメ配信の新しい試みも実施し、人気を博すことができました。

 引き続き、各カテゴリーでNo.1になる商品を提案し、IP・海外メーカーパートナーとの取り組みを強化してまいります。

③ IP投資の継続でグローバル成長に備える

 前述の『ぷにるんず』や『トミカヒーローズ ジョブレイバー 特装合体ロボ』の映像コンテンツを立ち上げるなど、新たな売上を創出しました。

 次期に向けても、発売10年目を迎える動かして遊べる動物フィギュア「アニア」初のアニメ化『冒険大陸 アニアキングダム』や『ゴー!ゴー!びーくるずー』など商品発キャラクターのテレビアニメ放送も開始するなど、新たな成長に向けてIP投資を継続し、グローバル展開を推進してまいります。

④ アソビをキーとした新規事業の立ち上げ

 アミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」「ワッチャプリマジ!スタジオ」が好調に推移し市場を牽引しました。また、新たにクラスター株式会社とコラボレーションした「メタバース 黒ひげ危機一発」をオープンしました。

 今後も、新たな成長に向けた事業の創造を継続し、新規市場を構築してまいります。

⑤ バリューチェーンへのDX活用による新しい価値創造

 D2C事業「タカラトミーモール」において、顧客IDクラスタリングにより、適切な情報を適切なタイミングで顧客に提供するなど、引き続きDXを活用したビジネス拡大を図ってまいります。

 ⑥ サステナビリティ・CSRの取組み

 タカラトミーグループのサステナビリティビジョン「世界中の子どもたちと友だちになる」の実現のために、8つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に沿った目標・KPIを定め、取組みを推進しております。

 特に横断的な取組みが必要なテーマでは、代表取締役社長の直轄組織サステナビリティ推進室が統括するテーマ別タスクフォースを設置し、担当執行役員とグループ横断の多様なメンバーによって、取組みの実行・推進・新たな提案を進めています。

 

なお、2024年3月期においては以下のとおり事業展開を行ってまいります。

4月より、2023年に発売10周年を迎える「アニア」ではテレビアニメ『冒険大陸 アニアキングダム』をスタートいたします。また、「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれた個性豊かなキャラクターが織りなすアニメ『ゴー!ゴー!びーくるずー』のテレビ放送を開始するなど、関連商品と合わせた映像コンテンツ展開を進めてまいります。

また夏には、現代版ベーゴマ「ベイブレード」の第4世代となる「BEYBLADE Xベイブレードエックス」を市場投入する他、新作の映画公開となる「トランスフォーマー」においては関連商品の拡販に取り組んでまいります。

 定番商品の「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」やトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」のように、当社のビジネス基盤となる商品を引き続き強化するとともに遊び心をもった大人(Kidults層)など年齢層の拡大を図り、その他カテゴリーにおいても商品の企画開発・マーケティングに注力いたします。

事業領域拡大を図るための取り組みとしては、カードゲームアプリ「DUEL MASTERS PLAY'S(デュエル・マスターズ プレイス)」については定期的にバージョンの更新を行い、ゲーム性を高めるとともに、「ポケモンメザスタ」「ワッチャプリマジ!スタジオ」などのアミューズメントマシンをはじめとするデジタル関連事業等についても引き続き強化を図ってまいります。

アジア市場では、定番である「トミカ」「プラレール」の販売拡大を図るとともにキャラクター商品やアミューズメントマシンなどの展開を進めてまいります。

欧米豪についてはTOMY Internationalグループにおいて、コアブランドである「ベビー用品」「農耕車両玩具」を更に強化するとともに、2020年10月にTOMY International, Inc.の子会社となった米国の独立系玩具会社ファット・ブレイン・グループの強みである消費者直販プラットフォームの強化とビジネスシナジー拡大に取り組み、また、タカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」などグループ会社との連携も一層強化してまいります。

 なお、当社を取り巻く経営環境としては、新型コロナウイルス感染症対策の規制が緩和されるとともに社会経済活動の本格化が加速する一方で、資源価格の上昇や為替の変動、地政学リスクの上昇など、注視が必要な状況が続くと思われます。このような不透明な状況においても当社グループは、中期経営計画の達成に向けて「アソビ」を軸とした商品展開、事業領域の拡大に努めてまいります。

 以上により、2024年3月期の通期連結業績見通しにつきましては、売上高195,000百万円(2023年3月期比4.1%増)、営業利益13,500百万円(同2.9%増)、経常利益13,000百万円(同7.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益9,000百万円(同8.2%増)と予想しております。

 

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループは、サステナビリティビジョン「世界中の子どもたちと友だちになる」を実現するために、持続可能な社会の実現と当社グループの成長の両立を目指した取組を進めており、サステナビリティに関する考え方及び取組は以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

・サステナビリティビジョン

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/policy/

 

(1)ガバナンス

 当社グループのサステナビリティについては、代表取締役社長が最高責任者として統括しております。サステナビリティ経営を推進するため、代表取締役社長の直轄組織としてサステナビリティ推進室を設置し、サステナビリティ・ESG課題の取組方針・計画の策定、推進及びモニタリング、社内啓発、ESG関連情報の開示などを行っております。中期サステナビリティ目標・KPIのうち、特に横断的な取組が必要なテーマでは、サステナビリティ推進室が統括する、テーマ別タスクフォースを設置し、担当執行役員とグループ横断の多様なメンバーによって、取組の実行・推進・新たな提案を進めております。テーマ別タスクフォースの進捗状況は、四半期に一回の定時進捗会議にてモニタリングし、定期的に代表取締役に報告・具申し、必要に応じて取締役会または常務会に報告・具申・付議されます。

 

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(2)戦略

 当社グループは、中期方針を「グローバルで強みを活かしたSustainable Growth(持続的成長)実現に向けた基盤整備を行うこと」と掲げ、これを推し進めるための全社戦略の一つとして「サステナビリティ・CSRの取組み」に取り組んでおります。

 サステナビリティビジョン「世界中の子どもたちと友だちになる」の実現のために、優先的に取り組むべき8つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)を特定し取組を推進しております。2021年には、2024年に迎える創業100周年、更にはその先の社会を見据えて、「タカラトミーグループ サステナビリティフレームワーク」の取組をスタートいたしました。事業活動を通じて社会に貢献していくうえでの考え方を、国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」を参考にして整理しております。今後も、当社グループの事業そのものが今まで以上に社会に貢献できるよう努めてまいります。

▼タカラトミーグループサステナビリティフレームワーク

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 当社グループにおける、人材の多様性の確保についての考え方を示した「タカラトミーグループダイバーシティ方針」、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針として「人財育成の方針」「職場環境に関する方針」を以下の通り設定しております。当社グループでは、ダイバーシティ方針のもと、多様な人財が活躍する職場環境づくりに積極的に取り組むことで、大人も子どもも笑顔になる商品やサービスを社会に提供していきます。詳細は、「サステナビリティ・CSRサイト」をご確認ください。

・ダイバーシティ方針

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/

・人財育成の方針

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/human_resources_development.html

・職場環境に関する方針

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/work_style_reform/diversity.html

 

 なお、当社グループにおけるサステナビリティに関連するその他の方針については、以下を設定しております。詳細は、「サステナビリティ・CSRサイト」をご確認ください。

・環境方針

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/environment/

・化学物質管理方針

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/products/safe_and_highquality.html
・CSR調達ガイドライン
 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/supply_chain/responsible_procurement.html

 

(3)リスク管理

 事業存続や中期サステナビリティ目標・KPI達成に大きな影響を及ぼすリスクを特定し、そのリスク低減をおこなうため、サステナビリティ部門が中心となりリスク評価を行い、関連部門と連携したマネジメントを実施しております。

 なお、当社ではサステナビリティ重要課題の1つに「環境マネジメント」を特定しております。特に、脱炭素社会に向けた社会の変革は、当社グループのビジネスに影響するとともに、サステナビリティビジョン実現のために重要なテーマだと認識しており、TCFD提言に基づいたシナリオ開示を行っております。

 詳細は、「サステナビリティ・CSRサイト」をご確認ください。

・気候変動への対応

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/environment/climate_change.html

 

(4)指標及び目標

 当社グループでは、8つのサステナビリティ重要課題(マテリアリティ)に沿った、以下の中期サステナビリティ目標・KPI(FY2021-FY2023)を設定しております。

 

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 取り組みの進捗状況やESG関連及び上記「(2)戦略」において記載した、人材の多様性の確保を含む人材の育成に関する方針及び社内環境整備に関する方針についての実績値等の詳細は、「サステナビリティ・CSRサイト」にて公開しております。2023年3月期の情報については、2023年11月頃に更新を予定しております。

・マテリアリティと目標・KPI

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/materiality/

・サステナビリティの取り組み進捗報告(2021年度)

https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/story/2022/sustainabilityinitiatives2021.html

・ESGデータ

 https://www.takaratomy.co.jp/company/csr/esgdata.html

 

 

3【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼしうるリスクは主に次のとおりです。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避、顕在化した場合の対応を含むリスク管理体制の強化を図ってまいります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(特に重要なリスク)

(1)ヒット商品の影響について

 当社グループの主力事業である玩具事業は、特定商品や特定コンテンツの成否によって影響を受ける傾向にあります。当社グループでは、このような影響を緩和すべく、継続的ヒット商品創出のための開発力強化、商品ラインアップの充実、コンテンツ育成等の施策を実施しておりますが、ヒット商品の有無が当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)商品の安全性について

 当社グループは、厳格な品質管理基準に基づき、商品の品質向上や安全性確保に取り組んでおりますが、取扱商品の安全・品質上の重大問題、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、当社グループのブランド価値低下を招くとともに、多額の費用負担が発生し、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)災害等のリスクについて

 当社グループは、日本をはじめ世界各地で事業展開を行っており、地震、洪水、台風などの自然災害や、サイバー攻撃、戦争、テロ行為、感染症の世界的流行(パンデミック)、電力等のインフラ停止などが発生した場合には、事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたす可能性があります。当社グループは、事業継続計画(BCP)の整備等に取り組んでおりますが、このような事態での物的・人的被害により多額の費用等が発生し、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。

(重要なリスク)

(1)四半期業績の変動について

 当社グループの玩具事業は、例年、クリスマス/年末商戦期である第3四半期に売上高が伸びる傾向にあります。当社グループでは、その他のシーズンでの重点商品の投入、玩具周辺事業の拡大等により業績の平準化を図っておりますが、業績の季節的変動は今後とも続くと予想しております。

(2)為替相場の変動について

 当社グループでは、国内で販売する玩具類の大半を海外から米ドル建てで輸入しております。当社グループでは、グループ為替リスクヘッジ方針に基づき為替予約等による為替リスクヘッジを行っておりますが、為替相場の大幅な変動が生じるなどリスク減殺効果が薄れた場合には、海外連結子会社の損益、決算期末における資産及び負債等の円換算金額の増減も含め、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)海外事業展開について

 当社グループでは、海外市場での事業拡大を重点戦略の一つとしており、販売拠点のグローバル展開に加え、国内外で販売する商品の大半を海外にて生産しております。海外では為替リスクに加え、不安定な政情、金融不安、文化や商慣習の違い、特有の法制度や予想しがたい投資規制・税制変更、労働力不足や労務費上昇、知的財産権保護制度の未整備等、国際的活動の展開に伴うリスクがあります。当社グループでは、海外拠点網の再構築、中国偏重の生産体制からベトナムなどへの生産シフト、模倣品対策強化等、海外リスクに留意したグローバル事業展開を進めておりますが、各国の政治・経済・法制度等の急激な変化は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)原材料価格変動の影響について

 当社グループは、プラスチックや亜鉛ダイカスト合金などを材料とする玩具類を扱っており、原油価格や金属素材価格等の影響を受けます。当社グループはその影響を緩和すべく、製造委託先も含めた原材料調達方法の工夫、生産物流体制の効率化等に取り組んでおりますが、原材料価格の高騰や供給不足等が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)経営上の重要な契約について

 当社グループは、第三者との間でいくつかの経営上の重要な契約を締結しておりますが、今後何らかの理由で契約が継続できない場合等には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(経営上の重要な契約等については、「第2 事業の状況 5 経営上の重要な契約等」に記載しております)

(6)情報の流出について

 当社グループは、事業上の重要情報、顧客・取引先等の機密情報や個人情報等を保有しております。当社グループは、情報セキュリティ対策の強化・徹底等により、これらの情報の秘密保持に細心の注意を払っておりますが、不測の事態により情報が外部に流出する可能性があります。万一、このような事態が生じた場合には、当社グループの信用低下や財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)無形固定資産の評価及び減損について

 当社グループは、TOMY Internationalグループの買収に伴い、のれんを含む無形固定資産を相当額計上しております。これらの無形固定資産につきましては、毎年定額法による償却及び必要な減損処理を行っており、現時点では更なる減損損失計上は必要ないと認識しておりますが、当該事業の業績が想定どおり進捗しない場合には、将来の減損の可能性は高まり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

(2023年3月期におけるハイライト)

当社グループは、企業理念である「すべての「夢」の実現」に向けて、玩具事業の強化をさらに進め強固な経営基盤を築くとともに、海外展開を推進し、真の国際優良企業(Outstanding Global Company)への変革に取り組みました。また、2022年3月期から2024年3月期の3か年における中期経営計画において当期は、その2年目の重要な年と位置付けて経営活動に取り組んでまいりました。

 

(新型コロナウイルス感染症の影響などについて)

新型コロナウイルス感染症に対する行動制限や水際対策など諸規制が緩和され、社会経済活動の正常化へ向けた動きが進み、玩具市場においても店頭への人流に回復傾向が見られました。

また、当社を取り巻く経営環境として、ウクライナ情勢の急激な悪化に端を発した、世界的な原材料価格の高騰やインフレーション、そして為替の急激な変動など、不透明感が高い状況が続きました。

 

(連結業績について)

中期経営計画の「適所適材」をキーとした出口・年齢・地域のさらなる攻略をはじめとした6つの全社戦略に精力的に取り組みました。

 

・売上高

定番商品においては、子どもだけでなく大人に向けても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努め、「トミカ」では「変形出動!ビッグファイヤー&コマンドステーション」など子ども向けの大型商品を発売するとともに、大人向けではリアリティを追求した「トミカプレミアム」シリーズなどにおいて新商品展開を積極的に進めました。

また、今期発売20周年を迎えたトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は、9月にテレビアニメを一新し、関連商品を発売するなどマーケティングを強化いたしました。「トランスフォーマー」においては、海外向け輸出が伸長いたしました。

さらに、発売以降高い人気の新触感液晶玩具「ぷにるんず」は、10月から玩具発オリジナルテレビアニメとして放送開始するとともに、関連商品も高い人気を集めました。

また、メタバース(仮想空間)において玩具で遊ぶ「メタバース 黒ひげ危機一発」の展開を開始し、デジタル空間での新たなアソビ体験を提供いたしました。

タカラトミーアーツが展開するアミューズメントマシン「ポケモンメザスタ」は、引き続き好評を博すとともに、同社のガチャ事業では、カプセル玩具市場の人気が高まっている中、ヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長いたしました。

以上により、売上高については、玩具出荷が堅調に推移し、タカラトミーアーツが展開するアミューズメントマシン及びガチャの人気が継続したことに加え、小売事業キデイランドでは、新型コロナウイルス感染症に対する諸規制の緩和に伴い訪日外国人観光客を含めた人流の回復やキャラクター玩具の販売が伸長したこと等から、売上高は187,297百万円(前期比13.2%増)となりました。

・利益面

円安影響等により売上総利益率が低下したものの、売上高の増加による売上総利益の伸長並びに販売費及び一般管理費の効率的な運用を図るなど、営業利益は13,119百万円(前期比6.3%増)となりました。

経常利益については、主に為替差損による営業外費用の計上により12,043百万円(前期比4.9%減)となりました。

 親会社株主に帰属する当期純利益については8,314百万円(前期比8.8%減)と減少いたしましたが、これは前期第1四半期において固定資産の事務所用不動産を譲渡し、その譲渡益として特別利益を計上したことが要因となります。

 

 

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(経営成績に関する分析)

<セグメント別業績の概況>

(単位:百万円)

 

 

 

前期

当期

増減

増減率(%)

売上高

 

165,448

187,297

21,849

13.2

 

日本

130,289

148,214

17,925

13.8

 

アメリカズ

27,093

29,533

2,440

9.0

 

欧州

7,206

6,683

△523

△7.3

 

オセアニア

2,358

2,741

382

16.2

 

アジア

46,974

55,465

8,490

18.1

 

消去又は全社

△48,474

△55,340

△6,865

営業利益又は営業損失(△)

12,344

13,119

775

6.3

 

日本

14,039

16,484

2,444

17.4

 

アメリカズ

415

△725

△1,141

 

欧州

47

△797

△845

 

オセアニア

173

81

△92

△53.2

 

アジア

1,297

1,895

598

46.1

 

消去又は全社

△3,630

△3,819

△189

 

<日本>

                                               (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

130,289

148,214

17,925

営業利益

14,039

16,484

2,444

 

新型コロナウイルス感染症に対する行動制限や水際対策など諸規制が緩和され、社会経済活動の正常化へ向けた動きが進み、玩具市場においても店頭への人流に回復傾向が見られました。また、中期経営計画における顧客ターゲットの拡大については、定番商品を中心として積極的に取り組むとともに、デジタル関連をはじめとする新たな事業創造にも注力いたしました。

定番商品においては、子どもだけでなく大人に向けても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努め、「トミカ」では「変形出動!ビッグファイヤー&コマンドステーション」など子ども向けの大型商品を発売するとともに、大人向けではリアリティを追求した「トミカプレミアム」シリーズの新商品展開を積極的に進めました。さらに、11月に販売を開始した「スタジオジブリ」作品とのコラボレーションである「ドリームトミカ ジブリがいっぱい」シリーズでは、2023年3月に第2弾を発売するなど商品ラインの充実を図りました。

また、動かして遊べる動物フィギュア「アニア」が発売10周年を迎えるにあたり、新たな定番商品として拡販するとともに、2023年4月からテレビアニメ放送の開始を発表するなどブランドの強化に取り組みました。

今期発売20周年を迎えたトレーディングカードゲーム「デュエル・マスターズ」は、9月にテレビアニメを6年ぶりに一新し、関連商品を発売するなどマーケティングを強化いたしました。「トランスフォーマー」においては、海外向け輸出が増加いたしました。「ポケットモンスター」では、「モンコレ」をはじめとした関連商品が引き続き人気を博すとともに、ポケモンと遊びながら学べるキッズパソコン「ポケモン ピカッとアカデミー マウスでゲットパソコン プラス」が人気を博しました。放送4年目となったテレビアニメ『パウ・パトロール』は、地上波での新シリーズ放送などにより人気がさらに拡大し、「パウ・パトロール にほんご・えいご・クイズも! おしゃべりパウフェクトずかん」など関連商品の販売が好調に推移いたしました。

また、テレビ・WEBでのIP展開として、4月からテレビアニメ『キャップ革命 ボトルマンDX』の放送を開始するとともに、『トミカヒーローズ ジョブレイバー 特装合体ロボ』はWEBアニメの配信を開始いたしました。さらに、デジタルとリアルの遊びが融合した商品特徴と、豊富なキャラクターの魅力から高い人気の新触感液晶玩具「ぷにるんず」は、10月から玩具発オリジナルテレビアニメとして放送開始するとともに、関連商品も人気を集めました。また、「トミカ」「プラレール」「アニア」から生まれたキャラクター『ゴー!ゴー!びーくるずー』はタカラトミー公式 YouTube チャンネルに加えて2023年4月からテレビ放送の開始を発表するなど、当社が保有するIPの積極展開に取り組みました。

「アソビ」をキーとした新たな取り組みとしては、AI音声合成技術により、実在の人物の声とそっくりな合成音声で読み聞かせをするスピーカー「coemo(コエモ)」を発売するなど、新技術を活用したオリジナリティの高い商品やサービスを展開いたしました。また、メタバース(仮想空間)において玩具で遊ぶ「メタバース 黒ひげ危機一発」の展開を開始し、デジタル空間での新たなアソビ体験を提供いたしました。

タカラトミーアーツが展開するアミューズメントマシンでは、「ポケモンメザスタ」が引き続き好調に推移いたしました。また、同社のガチャ事業においても、カプセル玩具の人気が高まっている市場環境の中、大型ガチャ売場の設置拡大とヒットコンテンツを使った大人向け商品の拡大等により売上が伸長するとともに、ぬいぐるみなどの販売も好評を博しました。

以上の結果、売上高は玩具出荷が堅調に推移し、タカラトミーアーツが展開するガチャ及びアミューズメントマシンの人気が継続したことに加え、小売事業キデイランドにおいては、新型コロナウイルス感染症に対する諸規制の緩和に伴い訪日外国人観光客を含めた人流の回復やキャラクター玩具販売が伸長したこと等から148,214百万円(前期比13.8%増)、営業利益は16,484百万円(同17.4%増)となりました。

 

<アメリカズ>

                                        (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

27,093

29,533

2,440

営業利益又は営業損失(△)

415

△725

△1,141

 

新型コロナウイルス感染対策の諸規制が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みましたが、インフレーションの加速に伴い、生活必需品に消費の重点が置かれるなど購買行動に変化が見られました。

そのような影響から、一部の大手玩具流通では特にベビー用品の在庫過多が生じる等により、追加受注に苦戦を強いられました。一方、「Ag Replicas」や「Ag Basic Toys」などの農耕車両玩具は販売が好調に推移するとともに、日本においてタカラトミーアーツが展開するぬいぐるみシリーズ「もっちぃもっちぃ、海外商品名:Club Mocchi- Mocchi-」が伸長し、国内人気商品のグローバル展開が奏功いたしました。売上高は為替の影響もあり29,533百万円(前期比9.0%増)となったものの、物流費高騰及び年末プロモーションの強化など販売費及び一般管理費の増加から営業損失は725百万円(前期営業利益415百万円)となりました。

 

<欧州>

                                        (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

7,206

6,683

△523

営業利益又は営業損失(△)

47

△797

△845

 

欧州各国においては、新型コロナウイルス感染対策の諸規制が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みましたが、インフレーションの加速に伴い、購買行動に変化が見られました。

そのような中、「Ag Replicas」などの農耕車両玩具が堅調に推移するとともに、ぬいぐるみ「Club Mocchi- Mocchi-」の販売が伸長したものの、乳幼児向け商品やボードゲーム等の販売が減少したこともあり、売上高は6,683百万円(前期比7.3%減)、物流費高騰による原価率の悪化等から営業損失は797百万円(前期営業利益47百万円)となりました。

 

<オセアニア>

                                        (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

2,358

2,741

382

営業利益

173

81

△92

 

オーストラリアでは、新型コロナウイルス感染対策の諸規制が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進みましたが、インフレーションの加速に伴い、購買行動に変化が見られました。

 そのような中、農耕車両玩具の乗用タイプや、ぬいぐるみ「Club Mocchi- Mocchi-」が伸長するとともに、インファント・プリスクール商品の「Lamaze & Friends」など乳幼児向け商品の販売が堅調に推移し、売上高は2,741百万円(前期比16.2%増)、営業利益は81百万円(同53.2%減)となりました。

 

<アジア>

                                        (単位:百万円)

 

前期

当期

増減

売上高

46,974

55,465

8,490

営業利益

1,297

1,895

598

 

国や地域によっては新型コロナウイルス感染対策の諸規制が行われました。また、中国の一部の都市で実施されていたロックダウンなどの行動制限は緩和されたものの、新型コロナウイルスの感染再拡大が見られたなど、購買行動にも一時影響をもたらしました。そのような中、日本における定番商品「トミカ」「プラレール」「リカちゃん」そして「アニア」などの展開に取り組んでおり、特に「トミカ」単品や「ダイアクロン」などが好調に推移いたしました。また、日本発の新触感液晶玩具「ぷにるんず」が人気を集めたほか、タカラトミーアーツのアミューズメントマシンが好調に推移しデジタル関連事業のグローバル拡大等により、売上高は55,465百万円(前期比18.1%増)、営業利益は1,895百万円(同46.1%増)となりました。

 

②財政状態の状況

<資産>

 流動資産は、前連結会計年度末に比較して1,339百万円増加し、111,664百万円となりました。これは主として、現金及び預金が増加したことによるものです。

 固定資産は、前連結会計年度末に比較して2,088百万円増加し、47,854百万円となりました。これは主として、使用権資産が増加したことによるものです。

<負債>

 流動負債は、前連結会計年度末に比較して3,129百万円増加し、53,056百万円となりました。これは主として、未払法人税等が減少した一方で、支払手形及び買掛金、短期借入金、リース債務が増加したことによるものです。

 固定負債は、前連結会計年度末に比較して7,693百万円減少し、19,295百万円となりました。これは主として、リース債務が増加した一方で、長期借入金が減少したことによるものです。

<純資産>

 純資産は、前連結会計年度末に比較して7,992百万円増加し、87,167百万円となりました。これは主として、利益剰余金、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定が増加したことによるものです。

 

③キャッシュ・フローの状況

(単位:百万円)

 

2022年3月期

2023年3月期

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

16,405

16,223

△182

投資活動によるキャッシュ・フロー

△2,488

△2,134

354

財務活動によるキャッシュ・フロー

△12,991

△13,689

△697

現金及び現金同等物の期末残高

65,310

66,360

1,049

 

<営業活動によるキャッシュ・フロー>

 営業活動によるキャッシュ・フローは、16,223百万円の収入(前連結会計年度は16,405百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益11,642百万円、減価償却費6,216百万円等があったことによるものです。

 

<投資活動によるキャッシュ・フロー>

 投資活動によるキャッシュ・フローは、2,134百万円の支出(前連結会計年度は2,488百万円の支出)となりました。これは主として、投資有価証券の売却による収入316百万円があった一方で、有形固定資産の取得による支出1,526百万円、無形固定資産の取得による支出1,083百万円等があったことによるものです。

 

<財務活動によるキャッシュ・フロー>

 財務活動によるキャッシュ・フローは、13,689百万円の支出(前連結会計年度は12,991百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入金の返済による支出8,726百万円、配当金の支払額3,691百万円、ファイナンス・リース債務の返済による支出3,106百万円等があったことによるものです。

 

 以上の増減額に現金及び現金同等物に係る換算差額などを調整した結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は前連結会計年度末に比べ1,049百万円増加し、66,360百万円となりました。

 

④生産、受注及び販売の実績

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その容量、構造、形式等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらず見込み生産によっております。金額も僅少な為、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

 このため販売の実績については、「第2 事業の状況、4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要、①経営成績の状況」におけるセグメントの業績に関連づけて示しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

(a) 重要な会計方針

当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りに関しては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っております。なお、連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1) 連結財務諸表、注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

 

(b) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は我が国において、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結貸借対照表上の資産、負債の計上額、及び連結損益計算書上の収益、費用の計上額に影響を与える見積り、判断ならびに仮定を使用する必要があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況、1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因

「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等、[中期的な会社の経営戦略、会社の対処すべき課題と対応方針]」をご確認ください。

 

(b) 当連結会計年度の当社グループの経営成績及びキャッシュ・フローの概況

「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析、(1)経営成績等の状況の概要」をご参照ください。

 

(c) 当社グループの資本の財源及び資金の流動性

(財務戦略の基本的な考え方)

当社グループは、強固な財務体質と高い資本効率を両立しつつ、企業価値向上のために戦略的に経営資源を配分することを財務戦略の基本方針としております。強固な財務体質の維持に関しては、自己資本比率の水準を55%超とする目標を掲げ、現状を上回る信用格付(日本の格付機関)の取得・維持を目指し、リスク耐性の強化を図ります。

同時に、適切な情報開示・IR活動を通じて資本コストの低減に努めると共に、営業キャッシュ・フローによる十分な債務償還能力を前提に、厳格な財務規律のもとで負債の活用も進めることにより、資本コストの低減及び資本効率の向上にも努めてまいります。

当社グループはこれまで広告宣伝費、研究開発費などの先行投資を実行し、積極的な商品投入により売上高を伸長させ、利益成長を目指してきましたが、外部環境が大きく変化する中で、市場が一旦縮小、かつ消費者の購買行動が変容した場合も営業キャッシュ・フローによる十分な債務返済能力を有することを前提として、設備投資や研究開発費等での成長投資に資金の配分を行ってまいります。

 

(資金需要の主な内容)

当社グループの資金需要は、金型及び筐体の購入費用のほか、仕入代金の支払、製造費、広告宣伝費、研究開発費を含む販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、主として新製品の開発・製造のために必要な設備投資及び物流設備投資等であります。

 

(経営資源の配分に関する考え方)

当社グループは、適正な手元現預金の水準について検証を実施しております。売上高の3ヵ月以上を安定的な経営に必要な手元現預金水準とし、それを超える分については、「追加的に配分可能な経営資源」と認識し、企業価値向上に資する経営資源の配分に努めます。

手元現預金及び今後創出するフリーキャッシュ・フロー、そして有利子負債の活用により創出された追加的に配分可能な経営資源については、当社グループの事業の維持拡大、株主還元のさらなる充実に活用する考えです。

株主還元に関しては、安定的な配当の継続を基本に業績及び配当性向などを勘案したうえ配当金額を決定していく方針です。

 

(資金調達)

当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。短期運転資金は自己資金を中心に賄い、一部金融機関からの短期借入金として資金調達を行うことを基本としております。設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入等を基本としており、一部リースによる設備投資を行っております。

また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、また、利用にあたっては信用リスクを軽減するために格付けの高い金融機関とのみ取引を行っております。加えて強固な財務体質を有していることから、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しています。

 

(d) 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

2021年5月に公表いたしました中期経営計画では、2022年3月期から2024年3月期の3年間を「グローバルで強みを活かしたSustainable Growth(持続的成長)実現に向けた基盤整備を行うこと」を中期基本方針と位置づけ、6つの全社戦略に取り組んでまいります。中期経営計画につきましては、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。

 

当社グループは、株主資本の効率的運用及び収益性の追求の観点から、自己資本利益率(ROE)を重要な経営指標としております。また、2021年5月11日に公表いたしました中期経営計画の最終年度となる2024年3月期の数値計画として「売上高1,850億円、営業利益150億円、自己資本利益率(ROE)12%超」を掲げておりましたが、資源価格の上昇や為替の変動、地政学リスクの上昇など、当社を取り巻く経営環境が大きく変化していることから、2024年3月期の通期連結業績見通しにつきましては「売上高1,950億円、営業利益135億円」といたしました。

なお、中期経営計画において「3か年*合計の営業利益計画350億円」も掲げており、2022年3月期及び2023年3月期の2か年合計の営業利益は254億円、進捗度73%であり3か年合計の営業利益計画を達成する見込みであります。

*2022年3月期から2024年3月期の3か年

 

 中期経営計画の2年目となる当連結会計年度の経営成績は「第2 事業の状況 4経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりとなり、自己資本利益率(ROE)は10%となりました。中期経営計画の最終年度となる翌連結会計年度も自己資本利益率(ROE)の向上に努めてまいります。

 

各指標の過去5年間の推移は以下のとおりです。

回次

68期

69期

70期

71期

72期

決算年月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

2023年3月

売上高           (億円)

1,768

1,648

1,412

1,654

1,872

営業利益          (億円)

144

106

70

123

131

自己資本利益率(ROE)    (%)

15.2

6.8

7.9

12.3

10.0

 

各指標はいずれも当社連結べ-スの財務数値を用いて算出しております。

 

5【経営上の重要な契約等】

 

(1)スポンサー契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

㈱オリエンタルランド

日本

1.アトラクション並びにその近辺において当社がスポンサーであること及び商号、その他のシンボル、商標、意匠等を表示する権利の許諾契約

2022年8月2日から

2027年8月1日まで

(契約満了前の協議により合意された場合更新可能)

 

 

 

2.「東京ディズニーランド」及び「東京ディズニーシー」のスポンサーであることの広報、宣伝、又は参加製品の宣伝、販売促進のためにのみ、東京ディズニーランド、東京ディズニーシー、東京ディズニーリゾートの名称とマーク及びそのシンボル、又はその他パークからのシーンとそのシンボルを使用する権利、東京ディズニーランド及び東京ディズニーシーのオフィシャル(又は公認)企業として、自らを表示する権利の許諾契約

 

(2)ライセンス契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

ウォルト・ディズニー・ジャパン㈱

日本

先方の保有・管理するディズニーキャラクターの形状や名称等を一般玩具、ベビー商品に使用して日本国内で販売する権利及びその権利の範囲内でサブライセンスする権利の許諾契約

 

2023年4月1日から

2024年3月31日まで

(契約満了前の協議により合意された場合には更新可能)

㈱タカラトミー

㈱小学館集英社プロダクション

日本

著作物「ポケットモンスター」に登場するキャラクターの形状や名称等を玩具(ハイターゲットトイ、ベビートイ含む)、アパレル、雑貨の契約商品に使用して日本国内で販売する権利の許諾契約

 

2023年4月1日から

2024年5月31日まで

※許諾期間は2024年3月31日まで

(契約満了前の協議により合意された場合には更新可能)

 

(3)販売契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

㈱タカラトミー

 

HASBRO,INC.

米国

カーロボット等のロボット玩具の日本以外の地域における独占的販売権の許諾と対価の受取り

1983年11月1日から

2023年12月31日まで

(契約満了前に当事者から契約違反等特定の事由に基づく異議の申し出がない限り自動更新)

㈱タカラトミー

TOMY Asia Limited.

SPIN MASTER LTD.

カナダ

先方からボーイズホビー「爆丸」を日本及びアジア地域(香港、マカオ、台湾を含み中国本土を除く)において独占的に販売する権利の許諾を受ける契約

2023年1月3日にて契約終了

 

 

6【研究開発活動】

 (研究開発活動)

 当社グループは、すべてのステークホルダーの「夢」を実現するために「新しい遊びの価値」を創造することを企業理念として、アソビ心をもつ世界中の全ての人々に向けて「ワクワク・驚き・感動・笑顔」を提供するための研究開発活動を行っております。

また、当社グループがこれまでに育成した商品・ブランド及びそれらの開発過程で蓄積した経験・ノウハウを活かし新たなコンテンツの創出に注力しております。当連結会計年度においては、子どもだけでなく大人に向けても魅力ある商品の企画開発と販売強化に引き続き努め、タカラトミーの持つブランド及びIPパートナーの有用なブランドを活用した商品開発を進めました。「トミカ」ではボタン1つで驚きの変形が楽しめる「変形出動!ビッグファイヤー&コマンドステーション」など子ども向けの大型商品を発売するとともに、大人向けではリアリティを追求した「トミカプレミアム」シリーズの新商品展開や、人気コンテンツとコラボレーションした「ドリームトミカ ジブリがいっぱい」シリーズの商品ラインを充実させました。

さらに、デジタルとリアルの遊びが融合した商品特徴と豊富なキャラクターの魅力から高い人気の新触感液晶玩具「ぷにるんず」は、その商品を題材にしたオリジナルテレビアニメの放送を開始するとともに、放送スタートに合わせて関連商品を発売いたしました。

新たな技術やサービスを活用した新規商品としては、ARエフェクト機能を活用し、ヨーヨーをSNSの表現ツールに拡張した新感覚トイエンターテイメント「MUGENYOYO」や、AI音声合成技術により、実在の人物の声とそっくりな合成音声で読み聞かせをするスピーカー「coemo(コエモ)」を発売するとともに、メタバース(仮想空間)において玩具で遊ぶ「メタバース 黒ひげ危機一発」の展開も開始し、デジタル空間での新たなアソビ体験を提供いたしました。

 これら当社が進める商品開発においては、厳格な独自の社内基準のもと自社検査体制を充実させ、商品の品質向上とお客様の安全確保を最優先する商品開発を進めるとともに、商品の企画開発段階から機能とコストの最適化を図るバリューエンジニアリング(VE)活動を推進しております。

当連結会計年度における研究開発費は4,542百万円であります。

 なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。