当中間連結会計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間末における財政状態については、以下のとおりです。
総資産の額は、現金及び預金、有価証券が増加した一方、円高ペソ安、円高ドル安の進行による減少、貸倒引当金(長期)の増加もあり、前連結会計年度末に比べて38,384百万円減少し594,410百万円となりました。
総負債の額は、円高ペソ安、円高ドル安の進行による減少、流動負債(その他)が減少したため、前連結会計年度末に比べて20,963百万円減少し242,101百万円となりました。
純資産の額は、利益剰余金が親会社株主に帰属する中間純損失、円高ペソ安の進行による為替換算調整勘定が減少したこともあり、前連結会計年度末に比べて17,421百万円減少し352,309百万円となりました。
当中間連結会計期間における経営成績は以下のとおりです。
遊技機事業においては、当中間連結会計期間における総販売台数は55,589台となりました。統合型リゾート(IR)事業では、オカダ・マニラのあるエンターテインメイントシティ全体において、インバウンド顧客が低調に推移したことに加え、VIPマーケットにおけるゲーミング収益の落ち込みをマスマーケットの収益で補うことができなかったこと、ホテル・飲食事業もふるわなかったことが業績にそのまま反映されました。
また為替については、当中間連結会計期間において円高ドル安が進行したことにより、8,020百万円の為替差損を計上いたしました。これにより、経常損失の大きな要因の一つとなりました。なお、前年同期は円安ドル高により為替差益を11,101百万円計上しており、今期はこの反動減の影響も大きく表れました。加えて、社債利息については、米ドル建ての社債が主であることから、円高ドル安により債務圧縮効果があるものの、引き続き高水準で推移しており、財務費用全体を押し上げる要因となっております。
以上の結果、当中間連結会計期間における売上高は62,175百万円(前年同期比 1.2%減)、営業利益は847百万円(前年同期比 74.0%減)、経常損失は14,752百万円(前年同期 経常利益5,567百万円)、親会社株主に帰属する中間純損失は9,874百万円(前年同期 親会社株主に帰属する中間純利益525百万円)となりました。なお、事業セグメント別の業績は以下のとおりであります。各業績数値はセグメント間売上高又は振替高を調整前の金額で記載しております。
①遊技機事業
当中間連結会計期間における遊技機事業の売上高は27,159百万円(前年同期比 30.8%増)、営業利益は5,175百万円(前年同期比 37.6%増)となりました。
遊技機業界では、スマートパチスロの普及が順調に進み、パチンコホールの期待に応える好調な稼働を維持しており、パチスロ機の市場環境は良好です。パチンコ機においては、ラッキートリガー(LT)搭載のスマートパチンコからヒット機種が登場するなど、スマートパチンコの普及に進展は見られましたが、パチンコ機の稼働状況はやや低調に推移しております。
かかる状況下で当社は、人気アニメの世界観を再現した「スマスロシャーマンキング」、初代「SLOT魔法少女まどか☆マギカ」を彷彿とさせるゲーム性が魅力の『スマスロ マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』、『スマスロ 緑ドン VIVA!情熱南米編 REVIVAL』等の販売を行いました。パチンコ機においては、国民的野球ゲームをモチーフとした『Pハネモノ ファミリースタジアム』、アジアを中心に大ヒットを記録した純愛ドラマの初の遊技機化となる『P愛の不時着』、LT搭載機『Pアナザーゴッドハーデス-獄炎-』等の販売を行いました。
②統合型リゾート(IR)事業
当中間連結会計期間における統合型リゾート(IR)事業の売上高(1) は34,641百万円(前年同期比 16.9%減)、営業損失は1,318百万円(前年同期 営業利益3,280百万円)となりました。また、調整後EBITDA(2) は7,298百万円(前年同期比 37.7%減)となりました。
当社グループが運営する統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」の実績は、第2四半期は前年同期を下回る結果となりました。ゲーミング事業では、エンターテインメントシティでのゲーミング市場全体の落ち込みが続く中、VIP客向け売上高は第1四半期を上回りましたが、マスマーケットにおけるテーブルゲーム、ゲーミングマシンの売上高は、前年同期比及び第1四半期比減となりました。また、ホテル・飲食事業においても減収となりました。
(1)売上高は、総売上高からゲーミング税及びジャックポット費用を控除したもの
(2)調整後EBITDA = 営業損益 + 減価償却費 + その他の調整項目
③その他
当中間連結会計期間におけるその他の売上高は297百万円(前年同期比 46.6%増)、営業利益は232百万円(前年同期比 37.0%増)となりました。
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Playにて『沖ドキ!ゴージャス』のシミュレーターアプリの配信を開始しました。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」では、ゲーム内イベントを常時開催し、新規ユーザーの獲得と満足度向上に努めております。楽曲配信においては、主要サイトApple Music・Spotify・YouTube Musicをはじめとする24のサイトへ『Pアナザーゴッドハーデス-獄炎-オリジナルサウンドトラック』等、3タイトルを提供しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、減価償却費、リースや借入金の支払利息・社債利息の計上、円高ドル安の進行による為替差損益等により増加したことに加え、社債・リース・借入金の利息支払、工事前渡金に伴う支出等もあり有形・無形固定資産の取得による支出、連結子会社における既存の長期借入金の返済の支出により減少したこともあり、前連結会計年度末に比べて1,398百万円減少し、22,397百万円となりました。
<営業活動によるキャッシュ・フロー>
2025年上期の営業キャッシュ・フローは7,180百万円のプラスとなりました。税金等調整前中間純損失は11,645百万円を計上いたしましたが、これには減価償却費9,793百万円や為替差損7,764百万円といった非現金要素が多額に含まれており、実質的には前年同期比で改善しております。他方、利息の支払額は5,463百万円と金融費用の負担が依然として重い状況です。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>
2025年上期の投資キャッシュ・フローは4,902百万円のマイナスとなりました。主な要因は有形・無形固定資産の取得に伴う支出(合計3,962百万円)です。これは、遊技機事業や統合型リゾート(IR)事業の設備投資・維持更新のための支出が継続したことによるもので、事業拡張や将来収益確保を目的とした先行投資が中心です。なお、その他の投資活動は限定的であり、期中における資産売却や貸付金回収による大きな現金流入は発生せず、投資活動全体としては純流出となりました。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>
2025年上期の財務キャッシュ・フローは351百万円のマイナスとなりました。主な要因は連結子会社における長期借入金の返済299百万円によるものです。新規の資金調達活動はほとんど行われず、期中の資金繰りは既存手元資金と営業キャッシュ・フローで対応しました。そのため、財務キャッシュ・フローの動きは小規模になりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当中間連結会計期間において、グループ全体の研究開発活動の金額は2,682百万円であります。なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「1 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
資金需要は統合型リゾート施設「オカダ・マニラ」の建設費、遊技機事業の材料費、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用、研究開発費等によるものであります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、私募債、金融機関からの借入により必要とする資金を調達しております。当中間連結会計期間末における社債・借入金等(リース債務除く)有利子負債の残高は115,425百万円、現金及び現金同等物の残高は22,397百万円となっております。
(8)経営戦略の現状と見通し
①遊技機事業
遊技機業界における市場環境は、パチスロ機においては、ボーナストリガー(BT)搭載機の市場投入により遊技の多様性が向上し、今後もさらなる市場の活性化が期待されている状況です。パチンコ機においては、スマートパチンコを対象とする新基準ラッキートリガー(LT)3.0プラス搭載機の市場導入を本年7月に開始しており、高稼働を記録する機種が登場するなど、市場環境の好転に向け明るい兆しが見え始めております。
第3四半期は、主要タイトルである『沖ドキ!ゴージャス』と『スマスロ マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』の増産販売、A PROJECTからスマスロ第1弾となる『アレックス ブライト』の市場投入、Aプロ系ファミスロ第3弾『スマスロ/SLOT ドルアーガの塔』の販売を開始しています。また、パチンコ機においては、パチンコホールより好評を博している『Pハネモノ ファミリースタジアム』の増産販売、LT3.0プラスを搭載した当社グループ初のスマートパチンコ『eシャーマンキング』『eシャーマンキング でっけぇえなver.』の市場投入等を行っております。
当社は引き続き、独自性のある魅力的な遊技機の創出に努め、遊技機業界全体の活性化に貢献するとともに、販売シェアの拡大に努めてまいります。
(ご参考)2025年12月期 パチスロ・パチンコ販売台数
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第1四半期 |
第2四半期 |
第3四半期(受注済) |
第4四半期 |
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販売台数(台) |
18,623 |
36,966 |
27,000 |
未定 |
(注)第2四半期までの実績については、「2025年12月期 第2四半期(中間期)決算補足資料」
( https://www.universal-777.co.jp/ir/library/result/ )をご参照ください。
②統合型リゾート(IR)事業
オカダ・マニラでは、ゲーミング事業におけるマーケティング力強化のための人材の採用と育成を行っています。これらの取り組みにより、フィリピン国内顧客層の拡大、及び日本・韓国・その他東南アジア各国からの観光客の誘致に対応可能な体制を整えています。第2四半期では、顧客にカジノスペースにより長く滞在していただけるよう、コーラルラウンジをリニューアルしました。
非ゲーミング事業においても、第1四半期に6年連続でフォーブス・トラベルガイドの5つ星を獲得、第2四半期には、オカダ・マニラのCSR活動がグローバルゲーミングアワードアジアの表彰を受けました。引き続き、定期的なホテル・飲食イベントに加え、館内施設を利用した大型イベントの開催や海外メディアの現地視察ツアー誘致の継続、オカダ・マニラへの来場者数の増加を目指してまいります。このように、ゲーミング、非ゲーミング事業が一体となって、施設全体の魅力度を高めるための取り組みを継続してまいります。
③その他
メディアコンテンツ事業においては、App Store・Google Playにて、A PROJECTからスマスロ第1弾となる『アレックス ブライト』のシミュレーターアプリの配信を本年8月下旬より開始する予定です。月額制サービスの「ユニバ王国」及び基本プレイ無料のソーシャルカジノゲーム「スロットストリート」においても、サービスの改善、ユーザー満足度の向上に努めてまいります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結はありません。