第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

・世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。

 

当社はこの経営理念の下、1956年の創業以来半世紀以上の長きにわたり、日本アニメーション界のパイオニアとして、劇場作品262本、テレビ作品233本、総話数約13,500話に及ぶ日本最大・世界有数の規模のアニメーション作品を製作して参りました。

 

これらの多彩なライブラリー作品群、そして今後創作する新作品/新作話からなる魅力的かつインパクトのある「IP(=intellectual property)」を事業戦略の軸とし、世界を魅了する“新たな映像表現”を創造し続けグローバルに展開する、世界有数の映像製作・事業会社になることを目指しております。

 

(2)経営指標

アニメーションビジネスは不確定要素が多く、作品により予想と結果が著しく乖離する場合があります。そのため当社グループでは、事業環境の変化に対応した、作品別・事業別収支の様々な分析をもとに、業績目標の達成に向けた事業展開に努めております。特定の指標をもって経営目標とすることはしておりませんが、今後とも財務基盤の健全性、事業の発展・拡大、株主利益のバランスを重視し、経営に取組んで参ります。

 

(3)対処すべき課題

当社グループでは、「IPを戦略の軸に据えたグローバル事業展開」をより一層強化し、持続的成長と中長期的な企業価値向上を目指します。

日本最大・世界有数の作品数を有するアニメーション製作会社としての競争優位性を基盤に、魅力的でインパクトのある新たな作品を創作し世界に届けることを梃子に、収益化の機会を限りなく広げていくことを最重要課題として掲げています。

 

① IP増強:新規IP創出数の増強とIPライフサイクルの長期化

新規IP創出を加速すると共に、産み出した作品を自ら育成・発展させ、IPライフサイクルを長期化することで、作品ファンの親子二世代化・三世代化(エバーグリーン化)を目指します。

 

② 事業拡張:顧客接点の拡大とIP当たり収益規模の伸張

これまでに当社が獲得してきた作品製作や権利運用のノウハウを活かし、既存ライセンス事業に加えて、IPの育成・発展に寄与する自社事業にも注力し、IP当たりの収益規模の最大化を目指します。

 

③ 地域展開拡大:日本発IPの増強と海外発IPの強化

国内市場から海外市場へとビジネスフィールドを一層拡大し、従来からの日本発IPの海外輸出をより強化すると共に、海外においては、ハリウッド・ビジネスへの参入、メジャースタジオとの連携によるグローバル・ビジネスを展開します。また欧州・中国市場では、現地製作の推進に取組み、文化・規制等の事業障壁を乗り越え、世界に冠たる「東映アニメーションブランド」の確立を目指します。

 

④ 製作能力の進化:IP別に目的特化した製作体制構築と2D/3D先端技術の統合

IP・顧客セグメント別の訴求ポイントを明確化すると共に、国内外の提携スタジオのノウハウ・人材ネットワークの有効化と最適化により、子どもから大人まで幅広いファンを魅了する作品を創作していきます。

また、独自の演出・作画技法をはじめとする当社の伝統技術とCG・AI等の革新技術を融合し、全く新たな映像表現を産み出す製作スタジオを目指します。

 

 

2 【サステナビリティに関する考え方及び取組】

「世界の子どもたちに「夢」と「希望」を提供する“創発企業”となる。」

 

経営理念の実現に向けて、サステナビリティ活動は重要な取組であると認識しており、幅広いステークホルダーの皆さまと協働し、持続可能な社会へ貢献することで、企業価値向上を図ってまいります。

 

●ガバナンス

当社は、2022年6月に独立社外役員と社外有識者で構成される特別委員会を設置し、サステナビリティに関するガバナンス体制を強化しました。

特別委員会は、取締役会の諮問機関として、サステナビリティ全般に関わる事項を審議の上、取締役会に答申し、取締役会での議論深化に貢献しております。

 

●戦略

当社の経営理念の実現に向けた、サステナビリティに関する重点領域は下記表のとおりです。それぞれの領域に関する具体的な取り組みは、統合報告書にて紹介しております。

(https://corp.toei-anim.co.jp/ja/ir/library/PEROS_REPORT.html)

 

E(環境)

気候変動への対応

S(社会)

人的資本の開発

コンテンツ管理・運用

DX

地域との共生

G(ガバナンス)

ガバナンス体制の強化

コンプライアンス遵守

 

 

「人材育成方針」および「社内環境整備方針」

・人材の育成方針

近時、アニメーション作品の視聴者ニーズが多様化しており、同変化に柔軟に且つ戦略的に応えていくためには、従業員それぞれの多様性を尊重し、得意分野・専門性を高めながら、モチベーション高く働くことのできる職場環境・仕組みを整備・推進することが重要であると考えております。

今後とも持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、人材多様化・専門性強化に向けた一層の取組みを推進してまいります。

[人材育成の取り組み(「東映アニメーション作画アカデミー」)]

優秀なクリエイターを養成するため、2023年4月に「東映アニメーション作画アカデミー」を開講しました。作画アカデミーでは、第一線で活躍するトップアニメーターが講師を務め、1年間の研修期間後、審査合格者は当社の専属アニメーターとなることができます。

 

・社内環境整備に関する方針

企業価値向上に向けて、多様性を尊重し、働く環境や仕組みを積極的に整備しております。

多様性の観点では、女性管理職も年々増加傾向にあり、現時点で女性管理職比率は23.5%となっております。管理職候補である係長の女性比率は46.5%で、全社での女性管理職比率は今後上昇する見込みです。

労働環境の整備については、産休・育休制度等の拡充等を取り組み、男性育休取得率は58.3%となっております。

このほかにも、テレワーク勤務・フレックス勤務・時差出勤導入や、従業員が働きやすいオフィス設計を工夫するなど、従業員が多様な働き方をできるよう取り組みをしております。

 

●リスク管理

サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する識別・評価・管理については、取締役会の諮問に応じて、特別委員会で討議され、その答申内容を踏まえて取締役会で議論する体制となっております。2023年3月期につきましては、2022年3月に発生した当社ネットワークへの不正アクセスを受け、再発防止等の観点から内部体制を含めサイバーリスク対応全般について議論いたしました。

 

●指標及び目標

当社グループのサステナビリティに関する指標及び目標は現時点では設定しておりません。今後、企業価値向上に向けたサステナビリティに関する指標及び目標については、社内で議論を深めてまいります。

なお、女性管理職比率、男性育児休業等取得率、男女間賃金格差については、「従業員の状況」で記載のとおりです。

 

 

3 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

① アニメーションビジネスについて

当社グループはアニメーションを主軸として各事業を展開しております。当社では常に高品質なアニメーションを企画・製作することを心がけておりますが、アニメーションの人気は作品により差異が大きく、当社の製作する作品が全てヒットするとは限りません。そのため複数の新規投入作品が一定の成績に達しない場合、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 企業間競争について

アニメーション業界においては、メディアの多様化やターゲットの拡大等により展開されるコンテンツ数が増える一方で厳しい市場環境により、企業間での競争が激しくなってきております。また、海外においては韓国や中国企業等が力をつけてきております。当社は長年の経験と実績に裏付けされた、優れた企画力・製作力・展開力を擁して、成長戦略を推進しておりますが、競合企業が急速に成長した場合は、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 著作権の侵害について

当社グループは保有するアニメーションの著作権をもとにビジネスを展開しておりますが、海賊版や模倣品、違法配信等の権利侵害が確認されています。それらについてはケースごとに適切な対応をとるよう努めておりますが、著作権保護を十分に受けられない場合もあります。著作権侵害により正規商品やサービスの売上が阻害されるのはもちろんのこと、将来における機会逸失が見込まれ、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 為替変動について

当社グループの事業には、海外におけるアニメーションの製作と販売が含まれており、海外企業(海外子会社を含む)との外貨建取引において、急激な為替の変動等により、当社グループの経営成績、財政状態等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 情報セキュリティについて

当社グループでは、情報管理を徹底し、適切なセキュリティ対策を行い、関連する各種規程を整備しております。しかしながら、予測の範囲を超えたサイバー攻撃、不正なアクセス、コンピュータウィルスへの感染等により情報システムや情報通信ネットワークに重大な障害が発生した場合には、当社グループの社会的信用やブランドイメージが毀損される可能性があります。

かかるリスクへの対応として、当社では、従業員への情報セキュリティに関する知識の向上に向けた教育及び不正アクセスへの対応体制の強化などを行っています。

 

⑥ 自然災害・感染症等について

当社グループは、日本をはじめ世界各国で事業を展開しておりますが、地震等の大規模な自然災害、新型インフルエンザや新型コロナウイルス感染症等の世界的流行(パンデミック)が発生した場合には、当社グループの事業活動の一部又は全体に大きな支障をきたすことが考えられ、当社グループの経営成績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

※当社は東映グループとして、リスクマネジメント体制においてもその優先すべきリスクについて共有し、グループ全体としての優先すべきリスクについて適切に対処しております。

 

 

4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度において、当社グループでは「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズ、「スラムダンク」、「プリキュア」シリーズ、「デジモンアドベンチャー」シリーズといった主力作品群からの安定的な収益の確保・拡大を図りました。特に、6月公開の映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、8月公開の「ONE PIECE FILM RED」、12月公開の映画「THE FIRST SLAM DUNK」を梃子とした営業活動に注力しました。

この結果、当連結会計年度における売上高は874億57百万円(前連結会計年度比53.4%増)、営業利益は286億69百万円(同58.3%増)、経常利益は297億91百万円(同58.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は209億円(同63.0%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります(セグメント間取引金額を含む)。

なお、セグメント損益は、営業利益及び営業損失ベースの数値であります。

 

[映像製作・販売事業]

劇場アニメ部門では、3月に「映画おしりたんてい シリアーティ」、6月に映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、8月に「ONE PIECE FILM RED」、9月に「映画デリシャスパーティ♡プリキュア 夢みる♡お子さまランチ!」、12月に映画「THE FIRST SLAM DUNK」を公開しました。映画「THE FIRST SLAM DUNK」、「ONE PIECE FILM RED」の記録的ヒット等により、前年同期と比較して大幅な増収となりました。

テレビアニメ部門では、「ワンピース」、「デリシャスパーティ♡プリキュア」(2023年2月より「ひろがるスカイ!プリキュア」)、「デジモンゴーストゲーム」、「ふしぎ駄菓子屋 銭天堂」、「おしりたんてい」、「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の6作品を放映しました。前年同期と比較して放映本数が減少したこと等から、大幅な減収となりました。

コンテンツ部門では、前年同期好調に稼働した「デジモンアドベンチャー」シリーズ、「映画ヒーリングっど♡プリキュア」等のブルーレイ・DVDの反動減等により、若干の減収となりました。

海外映像部門では、「ワンピース」、「ドラゴンボール」シリーズの北米向け配信権販売に加えて、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、映画「THE FIRST SLAM DUNK」、「ONE PIECE FILM RED」の海外上映権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。

その他部門では、国内の映像配信権販売が好調に稼働したことから、前年同期と比較して大幅な増収となりました。

この結果、映像製作・販売事業全体では、売上高は372億67百万円(前連結会計年度比79.4%増)、セグメント利益は106億80百万円(同85.6%増)と増収増益となりました。

 

[版権事業]

国内版権部門では、映画「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」、「ONE PIECE FILM RED」の公開と連動した展開により、両作品ともゲーム化権、商品化権が好調に稼働したこと等から、大幅な増収となりました。

海外版権部門では、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」のゲーム化権販売に加え、「ドラゴンボール」シリーズや「ワンピース」、「デジモンアドベンチャー」シリーズの商品化権販売が好調に稼働したことから、大幅な増収となりました。

この結果、版権事業全体では、売上高は420億60百万円(前連結会計年度比27.5%増)、セグメント利益は209億45百万円(同31.3%増)と大幅な増収増益となりました。

 

 

[商品販売事業]

商品販売部門では、映画「THE FIRST SLAM DUNK」の商品販売や、「ワンピース」のショップ事業が好調に稼働したこと等から大幅な増収となりました。

この結果、売上高は61億49百万円(前連結会計年度比175.6%増)、セグメント利益は6億48百万円(前連結会計年度は、1億89百万円のセグメント損失)となりました。

 

[その他事業]

その他部門では、催事イベントやキャラクターショー等を展開しました。「プリキュア」シリーズや「金色のガッシュベル!!」、「ワンピース」の催事が好調に稼働したことから大幅な増収となりました。

この結果、売上高は22億16百万円(前連結会計年度比100.6%増)、セグメント利益は1億3百万円(前連結会計年度は、2億53百万円のセグメント損失)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ87億81百万円増加し、448億85百万円となりました。

その要因は以下のとおりであります。

なお、連結貸借対照表に掲記されている現金及び預金勘定669億9百万円との差異は、預入期間3ヶ月超の定期預金220億70百万円等であります。

 

[営業活動によるキャッシュ・フロー]

営業活動の結果得られた資金は、152億60百万円(前連結会計年度は150億67百万円の獲得)となりました。資金の増加の主な内訳は、税金等調整前当期純利益297億91百万円、仕入債務の増加13億84百万円、資金の減少の主な内訳は、売上債権の増加97億30百万円、法人税等の支払額67億33百万円、棚卸資産の増加16百万円であります。なお、減価償却費6億3百万円は、資金流出の発生しない費用であるため、キャッシュ・フロー計算書では資金増の要因となっております。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

投資活動の結果使用した資金は、29億54百万円(前連結会計年度は153億89百万円の使用)となりました。資金の増加の主な内訳は、定期預金の払戻による収入388億87百万円、資金の減少の主な内訳は、定期預金の預入による支出408億55百万円であります。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

財務活動の結果使用した資金は、45億41百万円(前連結会計年度は24億69百万円の使用)となりました。これは、主に配当の支払によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

イ 受注製作事業実績

当社グループは、映像製作・販売事業において、劇場アニメ作品・テレビアニメ作品の受注製作を行っており、当連結会計年度の製作実績及び受注実績を示すと次のとおりであります。

 

a.製作実績

区分

製作高(百万円)

前期比(%)

劇場アニメ作品

2,539

63.3

テレビアニメ作品

5,378

97.9

合計

7,918

83.3

 

(注) アニメ作品製作について、作業の一部を外注に依存しております。
(主な外注先:㈱青二プロダクション、㈱スタジオディーン、㈱TENH ANIMTATION MAGIC)
なお、当連結会計年度における外注費は5,816百万円であります。

 

b.受注実績

区分

本数

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

劇場アニメ作品

5

90

2.4

505

14.5

テレビアニメ作品

214

1,310

107.5

1,239

77.8

合計

219

1,400

28.5

1,744

34.4

 

 

ロ 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

映像製作・販売事業

37,258

179.4

版権事業

41,959

127.4

商品販売事業

6,139

275.2

その他事業

2,098

191.8

合計

87,457

153.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

㈱バンダイナムコエンターテインメント

14,721

25.8

18,533

21.2

東映㈱

1,873

3.3

9,788

11.2

 

3.東映グループ(除く東映㈱及び当社の子会社)に対する販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

東映グループ

155

0.3

475

0.5

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(a) 財政状態の分析

(資産の部)

当連結会計年度末の総資産は、前期末比236億25百万円増1,505億8百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べて19.1%増加し、1,107億2百万円となりました。これは、現金及び預金が67億59百万円、受取手形及び売掛金が103億16百万円、商品及び製品が44億1百万円、関係会社短期貸付金が1億27百万円それぞれ増加し、仕掛品が43億98百万円減少したこと等によるものです。

その結果、流動資産合計は前期末比177億72百万円増1,107億2百万円となりました。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて17.2%増加し、398億6百万円となりました。これは、建物及び構築物(純額)が11百万円、ソフトウエアが5億50百万円、長期預金が55億円、投資その他の資産のその他が1億4百万円それぞれ増加し、有形固定資産のその他(純額)が1億35百万円、投資有価証券が2億9百万円、関係会社長期貸付金が6百万円それぞれ減少したこと等によるものです。

その結果、固定資産合計は前期末比58億52百万円増398億6百万円となりました。

(負債の部)

当連結会計年度末の負債合計は、前期末比51億67百万円増360億6百万円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて17.3%増加し、351億50百万円となりました。これは、支払手形及び買掛金が27億56百万円、未払法人税等が24億7百万円増加したこと等によるものです。

その結果、流動負債合計は、前期末比51億83百万円増351億50百万円となりました。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて1.8%減少し、8億55百万円となりました。これは、退職給付に係る負債が87百万円増加し、固定負債のその他が1億61百万円減少したこと等によるものです。

その結果、固定負債合計は、前期末比16百万円減8億55百万円となりました。

(純資産の部)

当連結会計年度末の純資産合計は、前期末比184億58百万円増1,145億2百万円となりました。

株主資本については、利益剰余金が前期に係る剰余金の配当により38億47百万円減少し、親会社株主に帰属する当期純利益により209億円増加いたしました。

その結果、株主資本は、前期末比169億19百万円増1,087億68百万円となりました。

その他の包括利益累計額については、為替換算調整勘定が17億51百万円増加し、その他有価証券評価差額金が2億9百万円減少いたしました。

その結果、その他の包括利益累計額は、前期末比15億38百万円増57億34百万円となりました。

 

(b) 経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は、すべてのセグメントで増収であったため、前期比304億36百万円増874億57百万円となりました。

各セグメントの状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績等の状況」、海外部門の売上高につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の「セグメント情報等 関連情報」をご参照ください。

(売上原価及び売上総利益)

当連結会計年度の売上原価は、前期比161億63百万円増464億90百万円となりました。

増収に伴い売上原価も増加しましたが、原価率は前期と同水準の53.2%となりました。

その結果、当連結会計年度の売上総利益は、前期比142億72百万円増409億66百万円となりました。

 

(販売費及び一般管理費並びに営業利益)

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、劇場、TVアニメ作品に係る広告宣伝費の増加や、人件費の増加等により、前期比37億10百万円増122億96百万円となりました。

その結果、当連結会計年度の営業利益は、前期比105億62百万円増286億69百万円となりました。

また、売上高営業利益率は31.8%から32.8%となりました。

(営業外損益及び経常利益)

当連結会計年度の営業外損益は、為替差損を計上した一方、受取配当金及び助成金収入が増加したこと等により、営業外損益の純額では、前期比4億7百万円の増となりました。

その結果、当連結会計年度の経常利益は、前期比109億69百万円増297億91百万円となりました。

また、売上高経常利益率は33.0%から34.1%となりました。

(特別損益)

当連結会計年度の特別損益は、投資有価証券評価損の計上が無かったことにより、特別損益の純額では、前期比2億3百万円の増となりました。

その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、前期比111億72百万円増297億91百万円となりました。

(法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の法人税等合計は、前期比30億92百万円増88億91百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は29.8%となりました。

その結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比80億80百万円増209億円となりました。

 

当連結会計年度は、事業内容では、前連結会計年度から引き続いて、売上高、利益に占める国内外のアプリゲーム化権、中国向けの大口映像配信権の割合が大きい状況にあります。

また、作品でも、「ドラゴンボール」シリーズ、「ワンピース」の2タイトルの売上高、利益に占める割合が大きな状況も続いております。

特定の事業内容、作品への比重の拡大に加え、当社グループを取り巻く事業環境も大きく変化しています。

製作現場においては「働き方改革」推進での残業時間削減や労働生産性の再検討、CG・デジタル作画をはじめとしたアニメーション製作技術の急速な進化への対応等、さまざまな課題が山積するなか、人気作品・コンテンツの開発競争は更に激化しています。

また、ビジネス面では、コンテンツのデジタル化が進展する中、スマートデバイスの普及による映像配信やアプリゲーム市場の拡大等、今後とも、アニメーションを収益化する機会は、世界的に拡大すると予想されています。

これらの変化に対応し、中長期での持続的な成長・発展を目指すべく、当社グループは、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」に記載した方針に基づき、各種課題に取組んでいきます。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの分析)

当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しておりますが、営業活動によるキャッシュ・フローの収入から、投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは123億5百万円(前連結会計年度は△3億21百万円)となりました。

これは、営業活動によるキャッシュ・フローが増加したこと及び定期預金の払戻による収入が増加したことが主な要因です。

なお、翌連結会計年度において、重要な資本的支出の予定はございません。

 

 

(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)

アニメーションビジネスは、先行投資型ビジネスであり、製作段階で、多額の製作資金を投入し、その後、完成した作品の映像著作権をベースに、各種事業を展開し、製作資金を回収していくのが基本的なスキームです。作品によって、回収に要する期間はさまざまであり、複数の作品が、一定の成績に達しない場合、営業活動から創出される資金が減少することも想定されますが、新規作品の企画製作は、当社グループが成長・発展していくために欠かせないものです。

そのため、当社グループは、運転資金、設備投資資金はもとより、新規作品の企画製作費用についても、充分な資金流動性を確保し、堅固な財務体質を維持することに努めております。

また、各子会社の余剰資金につきましては、配当金により当社へ集約することを基本に考えておりますが、将来におけるより効率的な資金運用に向けた施策として、キャッシュ・マネジメント・システムにより、一部の海外子会社より資金を集約しております。

 
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、非上場株式の評価、貸倒引当金の計上、退職給付に係る負債の計上、役員株式給付引当金の計上等について見積り計算を行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。

また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響について、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき、2023年6月以降も一定程度影響が残るものの、緩やかに回復するものと仮定し、繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りを行っております。

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

5 【経営上の重要な契約等】

(1) 当社の販売業務委託契約

相手方

契約品目

契約内容

契約期間

東映㈱

テレビシリーズアニメ作品の放映権
テレビシリーズアニメ作品の再放映権
テレビシリーズアニメ作品のビデオ化権

各権利の販売代理業務

1999年4月1日締結
期限の定めなし(注)

 

(注) 当初契約日:放映権については1967年9月1日、再放映権については1974年3月1日。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。