(1) 業績の状況
当第3四半期連結累計期間(平成28年1月1日~平成28年9月30日)におけるわが国経済は、政府や日銀の財政・金融政策により雇用や所得環境が改善し、景気は緩やかな回復基調が続いたものの、急激な円高や天候不順等の影響もあり、さえない消費を背景に企業業績の先行きに不透明感が漂う状況で推移いたしました。
また、世界経済においては、米国で労働市場が底堅く個人消費も堅調に伸びたことから、景気は緩やかに拡大しましたが、欧州では個人消費が景気回復をけん引したものの、英国のEU離脱問題を発端とする政治や通貨安等の不安が残りました。さらに、中国を始めとするアジア新興国や資源国等の景気下振れリスクもあり、依然として不安定な状況で推移いたしました。
この様な環境の下、当社グループでは、基幹事業であるステイショナリー用品事業において、「フリクション」シリーズや「アクロボール」シリーズをはじめとする利益率の高い自社製品の販売を強力に展開いたしました。また、引き続き経営の効率化によるコスト削減と研究開発力の強化充実に努め、世界で戦えるコストでの生産体制実現と、特色ある新製品群の開発に向けて取り組みました。
以上により、当第3四半期連結累計期間の連結売上高は、円高の影響による前年同期比約45億円の減収要因があったものの、主力である筆記具の販売が堅調に推移したことに加え、引き続き玩具事業が好調であったことから、725億81百万円(前年同期比0.8%減)を計上することができました。
国内外別では、国内市場における連結売上高が244億44百万円(前年同期比3.3%増)、海外市場における連結売上高は、現地通貨ベースでは概ね好調を維持したものの円高の影響を受け、円換算ベースでは481億37百万円(前年同期比2.7%減)でありました。
また、損益面につきましては、国内外で主力の筆記具において利益率の高い自社製品の販売が好調であったこと及び生産部門でのコスト削減効果等により、連結営業利益は158億87百万円(前年同期比10.4%増)、連結経常利益は151億91百万円(前年同期比6.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は102億65百万円(前年同期比11.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
(日本)
国内のステイショナリー市場につきましては、当社の強みである「小売店への直販をベースとした販売体制」のメリットを活かし、利益率の高い自社製品の販売を強力に展開いたしました。
また、消費者のパーソナル志向に対応して進めてきた商品のシリーズ化も、引き続き効果をあげました。
特に、消せるインキの「フリクション」シリーズでは、蛍光ペンの「フリクションライト」や人気の「フリクションボールノック」に加え、細かな書きこみに最適な「フリクションボールスリム038」が好評でありました。
さらに、多色タイプの「フリクションボール3」や「フリクションボール4」等の販売が好調であるとともに、替え芯の販売も伸長し、引き続き好調を維持しました。
油性ボールペンでは、なめらかに濃く書けるアクロインキが特長の世界戦略商品「アクロボール」シリーズの販売が順調に推移しました。
鮮やかな発色が特長の顔料インキ製品「ジュース」シリーズでは、新たに激細タイプの「ジュースアップ」やマーカータイプの「ジュースペイント」が加わり、さらに販売数量を伸ばしました。
シャープペンシルでは、発売開始から25周年を迎えた「ドクターグリップ」シリーズや、折れにくくなめらかな書き味のシャープ芯「ネオックス・グラファイト」が好評でありました。
また、ホワイトボードマーカーでは、安定した濃い筆跡とカートリッジ式補充インキが特長の「ボードマスター」や、細字用「ボードマスターS」の伸長もあり、売上増加に貢献いたしました。
高級筆記具では、アクロインキを採用し、なめらかな書き心地をイメージしたデザインの「アクロドライブ」や、本格的な書き味の万年筆「カスタム74」シリーズの販売が堅調でありました。
玩具事業につきましては、国内では主力商品である「メルちゃん」シリーズの販売が引き続き順調に推移し、売上増加に貢献いたしました。また、温度で色が変化するメタモインキを使用した「おままごと」シリーズも、新製品が好調に推移したことから当初の計画を大きく上回る結果となりました。さらに、海外向けではメタモ材料の販売が堅調でありました。
以上の結果、主力の筆記具事業が好調であったことに加え玩具事業も順調に推移したことから、日本における外部顧客に対する売上高は、304億46百万円(前年同期比3.5%増)、セグメント利益(営業利益)は、125億60百万円(前年同期比5.6%増)となりました。
(米州)
米州地域につきましては、主要販売先である米国において、ノック式ゲルインキボールペンの定番品として人気の「G-2(ジーツー)」の販売が好調であることに加え、世界戦略商品である「アクロボール」シリーズや「フリクション」シリーズが着実に定着しつつあることから、売上は順調に推移いたしました。
以上の結果、米州地域における現地通貨ベースでの売上は伸長したものの、円高の影響を受けて円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、179億99百万円(前年同期比7.9%減)となりました。また、セグメント利益(営業利益)は、円高の影響等により、7億1百万円(前年同期比16.7%減)となりました。
(欧州)
欧州地域につきましては、引き続きフランスや東欧諸国、北欧諸国において「フリクション」シリーズの販売が堅調であったことに加え、ノック式ゲルインキボールペンの「G-2(ジーツー)」や、水性ボールペンの「V5」、「V7」、「Vball」、ホワイトボードマーカー等の販売も順調でありました。
以上の結果、欧州地域における現地通貨ベースでの売上は伸長したものの、円高の影響を受けて円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、160億39百万円(前年同期比1.6%減)となりました。また、セグメント利益(営業利益)は、円高進行による現地子会社の利益率低下に伴い、18億43百万円(前年同期比11.2%減)となりました。
(アジア)
アジア地域につきましては、万年筆や油性ボールペン、水性ボールペンが引き続き好調でありました。
なかでも中国や台湾においては、ゲルインキボールペンの「ジュース」や万年筆の「カクノ」、「MR」(日本名コクーン)シリーズ等を中心に売上が大きく伸長いたしました。
以上の結果、円高の影響を受けたものの、アジア地域における現地通貨ベースでの売上が大きく伸長し、円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、80億95百万円(前年同期比2.7%増)となりました。一方、セグメント利益(営業利益)は、人民元やその他現地通貨安の影響もあり、3億72百万円(前年同期比8.2%減)となりました。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループ(当社及び当社の関係会社)の対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。
当社は、平成20年2月25日開催の当社取締役会において、下記1.の基本方針を決定しております。当社は、かかる基本方針を踏まえ、下記2.記載の各取組みを実施しております。
当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが永年に亘って培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者又はグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者又はグループは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。
当社は、当社グループ全体の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の更なる確保及び向上を目指して、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の強化並びに連結財務体質の改善等を図りつつ、「顧客主義」に立脚した新しい製商品の開発、市場の開拓、製造コストの低減等に日々研鑽を積んでおります。
とりわけ、当社グループの基幹である筆記具事業において、コスト競争力と技術開発力の向上を目的に生産拠点の再編を進めるとともに、グループ内の開発資源を集約することにより効率的かつスピード感のある商品開発が可能な体制を構築してまいりました。
当社グループは、今後も開発拠点の更なる充実を図り、市場が求める高品質・高付加価値商品を続々と発信できる体制を固めるとともに、インドネシア、ブラジル等の海外生産拠点での現地生産能力を強化し、当社グループ製品の品質とブランドを世界各国において浸透・定着させるべく、新興国市場でのシェア向上を実現してまいる所存です。
当社は、平成20年3月28日開催の当社第6期定時株主総会において、株主の皆様に、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針をご承認いただいてこれを導入し、平成23年3月30日開催の当社第9期定時株主総会において、従来の内容を一部改めた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(以下、「旧プラン」といいます。)を継続する事をご承認いただきました。さらに、当社は、平成26年3月28日開催の当社第12期定時株主総会において、株主の皆様に、情勢変化等を踏まえその内容を一部改めた上で旧プランを継続することをご承認いただき(以下、継続後の当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を「本プラン」といいます。)、本プランを定めております。
本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が独立委員会の勧告を尊重しつつ当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものです。
本プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成26年2月24日付「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」の本文をご覧ください。
(参考URL http://www.pilot.co.jp/ir/library/)
当社取締役会は、上記2.(1)記載の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。
また、本プランは、上記2.(2)記載のとおり、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。さらに、①本プランは、株主及び投資家の皆様並びに大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆様に適切な選択の機会を確保するため、事前の開示がなされていること、②本プランの導入については当社第12期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得ており、また、毎定時株主総会における当社取締役の選任を通じて本プランを廃止するか否かについての株主の皆様の意思が確認される点で、本プランの導入及び存続について株主の皆様の意思を重視していること、③取締役会の判断の客観性及び合理性を担保するため、当社取締役会が意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたっては、必要に応じて、当社取締役会及び独立委員会から独立した第三者的立場にある専門家の助言を得るものとしていること、④本プランに基づく対抗措置の発動等の必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のための濫用を防止するために、独立委員会を設置し、当社取締役会が対抗措置の発動等をする場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしていること、⑤本プランは、当社の株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではなく、また、当社はいわゆる期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもないこと等から、当社取締役会は、本プランが、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を損ない、又は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10億17百万円であります。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは、次のとおりであります。
|
会社名 |
事業所名 |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
投資総額 |
完了年月 |
|
パイロット |
津工場 |
日本 |
ボールペン等の |
894 |
平成28年2月 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の売却について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは、次のとおりであります。
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会社名 |
事業所名 |
セグメントの名称 |
設備の内容 |
帳簿価額 |
売却年月 |
|
提出会社 |
平塚事業所 |
日本 |
土地及び建物等 |
800 |
平成28年5月 |
(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記の設備は、平塚事業所の一部である遊休資産であります。