第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年1月1日~平成28年12月31日)におけるわが国経済は、政府や日銀の財政・金融政策により雇用や所得環境が改善し、景気は緩やかな回復基調が続いたものの、急激な円高や天候不順等の影響もあり、内需は力強さに欠け企業業績の先行きに不透明感が漂う状況で推移しました。

また、世界経済におきましては、米国で雇用や所得環境の改善が続く中、景気は緩やかに拡大しましたが、欧州では英国のEU離脱問題を発端とする政治や通貨安等の不安が残りました。さらに、中国を始めとするアジア新興国経済の減速懸念もあり、依然として不安定な状況で推移しました。

この様な環境の下、当社グループでは、基幹事業であるステイショナリー用品事業において、「フリクション」シリーズや「アクロボール」シリーズをはじめとする利益率の高い自社製品の販売を強力に展開しました。また、引き続き経営の効率化によるコスト削減と研究開発力の強化充実に努め、世界で戦えるコストでの生産体制実現と、特色ある新製品群の開発に向けて取り組みました。

以上により、当連結会計年度の連結売上高は、円高の影響による前期比約58億円の減収要因があったものの、主力である筆記具の販売が堅調に推移したことに加え、引き続き玩具事業が好調であったことから、983億50百万円(前期比0.8%減)を計上することができました。

国内外別では、国内市場における連結売上高が352億20百万円(前期比3.4%増)、海外市場における連結売上高は、現地通貨ベースでは概ね好調を維持したものの円高の影響を受け、円換算ベースでは631億30百万円(前期比3.0%減)でありました。

また、損益面につきましては、国内外で主力の筆記具において利益率の高い自社製品の販売が好調であったこと及び生産部門でのコスト削減効果等により、連結営業利益は210億13百万円(前期比8.8%増)、連結経常利益は210億52百万円(前期比9.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は144億54百万円(前期比20.4%増)となりました。

 

セグメントの業績は次のとおりであります。

(日本)

国内のステイショナリー市場につきましては、当社の強みである「小売店への直販をベースとした販売体制」のメリットを活かし、利益率の高い自社製品の販売を強力に展開しました。

また、消費者のパーソナル志向に対応して進めてきた商品のシリーズ化も、引き続き効果をあげました。特に、消せるインキの「フリクション」シリーズでは、蛍光ペンの「フリクションライト」や人気の「フリクションボールノック」に加え、細かな書きこみに最適な「フリクションボールスリム038」も好評でありました。さらに、替え芯の販売も大きく伸長し、引き続き好調を維持しました。

油性ボールペンでは、なめらかに濃く書けるアクロインキが特長の世界戦略商品「アクロボール」に、新色の「Mシリーズ」も加わり販売が順調に推移しました。

鮮やかな発色が特長の顔料インキ製品「ジュース」シリーズでは、新たに激細タイプの「ジュースアップ」やマーカータイプの「ジュースペイント」が加わり、さらに販売数量を伸ばしました。

シャープペンシルでは、発売開始から25周年を迎えた「ドクターグリップ」シリーズや、折れにくくなめらかな書き味のシャープ芯「ネオックス・グラファイト」が好評でありました。

また、ホワイトボードマーカーでは、安定した濃い筆跡とカートリッジ式補充インキが特長の「ボードマスター」や、細字用「ボードマスターS」の伸長もあり、売上増加に貢献しました。

高級筆記具では、万年筆のフラッグシップモデルとして大型30号のソフトなペン先とエボナイト削り出しのボディを組み合わせた「カスタムURUSHI(ウルシ)」を発売し、好評を得ました。また、アクロインキを採用し、なめらかな書き心地をイメージしたデザインの油性ボールペン「アクロドライブ」も引き続き堅調に推移しました。

 

玩具事業につきましては、国内では主力商品である「メルちゃん」シリーズの販売が引き続き順調に推移し、売上増加に大きく貢献しました。また、温度で色が変化するメタモインキを使用した「バストイ」シリーズや「スイスイおえかき」をはじめとした「知育」シリーズも健闘しました。さらに、海外向けではメタモ材料の販売が好調でありました。

以上の結果、主力の筆記具事業が好調であったことに加え玩具事業も順調に推移したことから、日本における外部顧客に対する売上高は、431億68百万円(前期比3.4%増)、セグメント利益(営業利益)は、172億75百万円(前期比9.5%増)となりました。

(米州)

米州地域につきましては、主要販売先である米国において、ノック式ゲルインキボールペンの定番品として人気の「G-2(ジーツー)」の販売が好調であることに加え、世界戦略商品である「アクロボール」シリーズや「フリクション」シリーズが着実に定着しつつあることから、売上は順調に推移しました。

以上の結果、現地通貨ベースでの売上は伸長したものの、円高の影響を受けて円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、234億70百万円(前期比6.6%減)となりました。また、セグメント利益(営業利益)は、円高の影響等により、7億12百万円(前期比21.8%減)となりました。

(欧州)

欧州地域につきましては、引き続きフランスや東欧諸国、北欧諸国において「フリクション」シリーズの販売が堅調であったことに加え、ノック式ゲルインキボールペンの「G-2(ジーツー)」や、水性ボールペンの「V5」、「V7」、「Vball」、ホワイトボードマーカー等の販売も順調でありました。

以上の結果、現地通貨ベースでの売上は伸長したものの、円高の影響を受けて円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、204億4百万円(前期比4.5%減)となりました。また、セグメント利益(営業利益)は、円高進行による現地子会社の利益率低下に伴い、21億77百万円(前期比19.8%減)となりました。

(アジア)

アジア地域につきましては、万年筆や油性ボールペン、水性ボールペンの販売が引き続き好調でありました。なかでも中国や台湾においては、ゲルインキボールペンの「ジュース」や万年筆の「カクノ」、「MR」(日本名「コクーン」)シリーズ等を中心に売上が大きく伸長しました。

以上の結果、現地通貨ベースでの売上が大きく伸長し、円ベースに換算した外部顧客に対する売上高は、円高の影響を受けたものの、113億7百万円(前期比3.5%増)となりました。また、セグメント利益(営業利益)は、5億34百万円(前期比7.2%増)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ78億47百万円増加し、281億27百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、97億52百万円(前連結会計年度は141億95百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益210億50百万円、減価償却費28億25百万円であり、支出の主な内訳は、売上債権の増加額16億25百万円、たな卸資産の増加額30億11百万円、法人税等の支払額78億27百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、32億8百万円(前連結会計年度は40億27百万円の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出34億81百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の増加は、11億74百万円(前連結会計年度は44億51百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は、長期借入れによる収入20億円、自己株式の売却による収入19億17百万円であり、支出の主な内訳は、長期借入金の返済による支出19億68百万円、配当金の支払額10億24百万円であります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループにおきましては、「日本」セグメントが当社の生産活動の中心となっております。
 以下は、「日本」セグメントにおける当社及び連結子会社であるパイロットインキ㈱の生産実績について記載しております。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

40,547

3.8

 

(注) 1 上記の金額は工場出荷価格によっており、消費税等は含まれておりません。

2 上記の金額には外部への製造委託を含めております。

3 当社グループの生産は、提出会社及び連結子会社であるパイロットインキ㈱でその大半を占めているため、上記の金額は2社の金額を表示しております。

 

(2) 受注状況

見込生産を主体としており、受注生産は僅少であるため、記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

日本

43,168

3.4

米州

23,470

△6.6

欧州

20,404

△4.5

アジア

11,307

3.5

合計

98,350

△0.8

 

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が10%以上の相手先はないため、記載を省略しております。

4 「アジア」には、アフリカ、オセアニアを含んでおります。

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、「書く、を支える」企業として、商品を通してユーザーの皆様に満足感をお持ちいただくことを使命としております。いかなる環境変化にあってもライバルとの競争に勝ち残り成長していくため、常に顧客の視点で考え、以下の各課題にPILOTグループの総力をあげて取り組み、来る平成30年(2018年)に迎える創業100周年に「顧客満足度世界一の筆記具メーカー」を達成したいと考えております。

(1) ブランド戦略について

当社が未来に向け、数ある筆記具メーカーの中からユーザーの皆様に選ばれる信頼のブランド=「PILOT」となるために、高品質・高付加価値商品を常に適正な価格で提供する等、「書く、を支える」に基づいた一貫したブランド戦略が重要だと考えております。

このようなゆるぎない商品戦略・販売戦略に基づき、今後はさらに海外市場にも経営資源の投入を加速し、既存の市場のみならず、自ら新たなマーケットを作り出し、単一ブランドとして売上世界一を狙ってまいります。全世界で競合他社との差別化を進め、ユーザーの皆様に選ばれる信頼のブランド=「PILOT」を確立し、「顧客満足度世界一の筆記具メーカー」となることを目指してまいります。

(2) 日本から発信する商品企画・研究開発について

当社は、品質や付加価値に対して厳しい目を持つ日本のユーザーの皆様に満足していただける商品を企画・開発し、提供し続けることが重要だと考えております。そして、その商品の中からさらにニーズが多岐にわたる世界各地のユーザーの皆様にもそれぞれ満足していただけるようにカスタマイズし、全世界のマーケットに供給してまいります。そのために、マーケットインの発想で世界の顧客のニーズを調査し、日本に集約、具現化して、日本から発信できるよう、引き続き商品企画及び研究開発体制の強化充実に取り組んでまいります。

(3) Made in Japanのモノづくりについて

当社は、国内外ともに厳しい競争が続く中、お客様に満足していただける商品を、〔Made in Japanのモノづくり〕にこだわった「PILOT ブランド」として世界で戦えるコストで作ることが、メーカーとしての当社に与えられた課題であると考えております。

当社が日本での“モノづくり”にこだわる理由は、高品質、高機能、高付加価値を維持していくためであります。安価な海外製品との差別化を常に意識し、さらなる「PILOT ブランド」の質の向上を図ってまいります。

一方、海外の生産拠点につきましては、新興国市場を開拓・先取りするための、将来を見据えた地域戦略として位置づけております。今後、マーケットの拡大が見込まれる新興国については、〔Made in Japanのモノづくり〕を基本としつつ、「PILOT ブランド」の認知度を高めるための積極的な投資も行ってまいります。

(4) 世界トップの販売力を目指して

当社は、世界の市場で勝ち残り、成長し続けるためには「世界トップの販売力」が必要と考えます。そのために、まず、国内市場では販売店への直販を基本とした営業体制の維持・強化を推進するとともに、「どうしたらお客様に喜んでいただけるか」を提案しながら、“国内市場でゆるぎない筆記具トップメーカー”の地位を確立してまいります。

一方、海外市場では、当社グループとして全世界で販売活動を展開しております。特に、先進各国では商品機能や品質が高い評価を受け、「PILOT ブランド」の浸透とともに、高いシェアを獲得しております。

当社はこれに満足することなく、今までに培った営業力を基盤として、世界でもトップの筆記具メーカーになれるように、国内外のグループ会社やビジネスパートナーと協力し、グループ全体で一丸となって、顧客視点に立った営業体制を確立してまいります。

(5) グループ資産の再構築について

当社は、平成30年(2018年)に迎える創業100周年以降も市場で勝ち残り、発展し続けていくために、今まで以上に将来を見据えた効果的な投資を行っていくことが課題であると考えております。具体的には、平成27年12月25日に公表いたしました「本社ビル建て替え計画」をはじめ、今後とも、日本国内にとどまらず、世界の各拠点をも含め、グループ資産再構築のための様々な投資を、中長期的な視点で積極的に行ってまいります。

 

(株式会社の支配に関する基本方針)

当社は、平成20年2月25日開催の当社取締役会において、下記1.の基本方針を決定しております。当社は、かかる基本方針を踏まえ、下記2.記載の各取組みを実施しております。

1.基本方針の内容の概要

当社は、当社の企業価値の源泉が、当社グループが永年に亘って培ってきた経営資源に存することに鑑み、特定の者又はグループが当社の総議決権の20%以上の議決権を有する株式を取得することにより、当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者又はグループは、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において当社グループの企業価値又は株主の皆様の共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針といたします。

2.取組みの具体的な内容の概要

(1) 当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、当社グループ全体の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の更なる確保及び向上を目指して、経営の効率化、コーポレート・ガバナンス体制及びコンプライアンス体制の強化並びに連結財務体質の改善等を図りつつ、「顧客主義」に立脚した新しい製商品の開発、市場の開拓、製造コストの低減等に日々研鑽を積んでおります。

とりわけ、当社グループの基幹である筆記具事業において、コスト競争力と技術開発力の向上を目的に生産拠点の再編を進めるとともに、グループ内の開発資源を集約することにより効率的かつスピード感のある商品開発が可能な体制を構築してまいりました。

当社グループは、今後も開発拠点の更なる充実を図り、市場が求める高品質・高付加価値商品を続々と発信できる体制を固めるとともに、インドネシア、ブラジル等の海外生産拠点での現地生産能力を強化し、当社グループ製品の品質とブランドを世界各国において浸透・定着させるべく、新興国市場でのシェア向上を実現してまいる所存です。

 

(2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成20年3月28日開催の当社第6期定時株主総会において、株主の皆様に、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針をご承認いただいてこれを導入し、平成23年3月30日開催の当社第9期定時株主総会において、従来の内容を一部改めた当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を継続する事をご承認いただきました。さらに、当社は、平成26年3月28日開催の当社第12期定時株主総会において、株主の皆様に、情勢変化等を踏まえその内容を一部改めた上で継続することをご承認いただき(以下、継続後の当社株式の大規模買付行為に関する対応方針を「旧プラン」といいます。)、旧プランを定めております。

旧プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が適切に判断されること、当社取締役会が独立委員会の勧告を尊重しつつ当該大規模買付行為に対する賛否の意見又は代替案を株主の皆様に対して提示すること、あるいは、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものです。

旧プランの詳細につきましては、当社ホームページに掲載の平成26年2月24日付「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の継続に関するお知らせ」の本文をご覧ください。
(参考URL http://www.pilot.co.jp/company/ir/library/)

なお、当社は、旧プランが平成29年3月30日開催の当社第15期定時株主総会の終結の時をもって終了することを受け、平成29年2月13日開催の当社取締役会において、基本方針に基づき、情勢変化等を踏まえ内容を一部改めた上で更新することを決議し、当社の第15期定時株主総会において、株主の皆様に、「当社株式の大規模買付行為に関する対応方針(買収防衛策)の更新の件」をご承認いただきました(以下、更新後の対応方針を「本プラン」といいます。)。本プランの詳細につきましても、当社ホームページをご覧ください。

 

3.具体的な取組みに対する取締役会の判断及びその理由

当社取締役会は、上記2.(1)記載の基本方針の実現に資する特別な取組みは、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を高めるための具体的方策であり、まさに当社の基本方針に沿うものと考えます。

また、本プランは、上記2.(2)記載のとおり、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益の確保・向上を目的として導入されたものであり、基本方針に沿うものと考えます。さらに、①本プランは、株主及び投資家の皆様並びに大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆様に適切な選択の機会を確保するため、事前の開示がなされていること、②本プランの導入については当社第15期定時株主総会において株主の皆様のご承認を得ており、また、毎定時株主総会における当社取締役の選任を通じて本プランを廃止するか否かについての株主の皆様の意思が確認される点で、本プランの導入及び存続について株主の皆様の意思を重視していること、③取締役会の判断の客観性及び合理性を担保するため、当社取締役会が意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたっては、必要に応じて、当社取締役会及び独立委員会から独立した第三者的立場にある専門家の助言を得るものとしていること、④本プランに基づく対抗措置の発動等の必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のための濫用を防止するために、独立委員会を設置し、当社取締役会が対抗措置の発動等をする場合には、独立委員会の勧告を最大限尊重するものとしていること、⑤本プランは、当社の株主総会又は取締役会によりいつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではなく、また、当社はいわゆる期差任期制を採用していないため、スローハンド型買収防衛策でもないこと等から、当社取締役会は、本プランが、当社の企業価値及び株主の皆様の共同の利益を損ない、又は当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、株主・投資家の皆様の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスク事項には、以下のようなものがあります。なお、本事項の文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当連結会計年度末日現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 原材料調達に関連するリスク

当社グループの製品の主要原材料であります金属及び樹脂等の石化製品の購入価格は、国内及び海外の市況並びに為替相場の変動の影響を受けます。それにより、予期せぬ異常な変動が生じ仕入価格が高騰した場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 投資有価証券及び固定資産に関連するリスク

当社グループは、「金融商品に関する会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準」を適用いたしております。投資有価証券のうち時価のあるものについて、これらの時価が帳簿価額から著しく下落し回復の見込がない場合は減損処理を行う必要があります。また、経営環境の著しい悪化等により、固定資産の収益性が低下した場合には減損損失を認識する必要が生じ、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 事業展開に関連するリスク

当社グループは、日本、米州、欧州、アジア等、全世界で事業活動を展開しており、特に販売活動においては日本国外における割合が高くなっております。そのため、カントリーリスク(政治体制、経済環境の変動、各国特有の法的規制、暴動・テロによる社会の混乱等)については、現地スタッフからの情報を含め、可能な限り事前の調査、対策により、リスク回避に努めておりますが、予測不可能な事態が発生した場合には、事業活動の制約となり、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 為替相場の変動に関連するリスク

当社グループは、全世界で販売活動を展開しており、当連結会計年度の売上高の64.2%が海外の売上高となっております。連結財務諸表を作成するにあたり在外連結子会社の外貨建財務諸表を円換算しているため、為替レートの変動が当該外貨建財務諸表の換算に影響を与え、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、グループ内外の取引において、外貨建の通貨による決済も存在することから、為替相場の変動リスクを負っております。なお、当社グループでは、各社の決済金額に応じた為替ヘッジを行っておりますが、想定の範囲を超え各国通貨に対して円高が進行した場合には、当社グループの業績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 金利変動に関連するリスク

当社グループは、資金需要に対してその内容や財政状況及び金融環境を考慮し、調達の金額・期間・方法等を判断しております。今後の金利の変動に備え、固定金利・変動金利を適宜組み合わせて調達を行っておりますが、金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 自然災害に関連するリスク

当社グループは、国内及び海外の各地で事業展開しており、大規模地震等予測不能の自然災害により、生産拠点、販売拠点、物流拠点に甚大な被害を受けた場合、製品の生産、販売及び物流サービス等に遅延や停止が生じる可能性があります。その様な場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 新製品開発に関連するリスク

当社グループは、ユーザーの皆様に品質や付加価値にご満足していただける商品を企画、開発し、〔Made in Japanのモノづくり〕にこだわった「PILOTブランド」として世界で戦えるコストで生産し、提供し続けることが重要だと考えております。そのために、商品企画及び研究開発体制の強化充実に取り組んでおりますが、市場からの支持を獲得できる機能や付加価値を持った新製品が適切に提供できない場合、また、これらの新製品が市場に受け入れられない場合には、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(8) 情報システムに関連するリスク

当社グループの事業展開において、各拠点間のコンピューターシステムを結ぶ通信ネットワークに依存しております。従って、自然災害を含む予測不可能な災害等の事由によりネットワークの機能が停止した場合、生産及び販売活動に多大な影響が出ることが予想されます。また、情報システムに対しては適切なセキュリティ対策を実施しておりますが、悪意を持って外部からの不正な手段によりコンピューターシステム内に侵入され、ホームページの改竄や個人情報等重要なデータの搾取、破壊がなされた場合、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、筆記具を原点とした基礎技術を基に、独創的であり安全性と環境保全に配慮した、お客様に充分満足いただける商品の開発に積極的に取り組んでおります。

ステイショナリー用品事業におきましては、当社グループ独自のインキ及び機構の設計技術、ボールペンチップ及びシャープ芯等の加工技術を応用した、新規で付加価値の高い各種筆記具を中心とした開発を進めております。また、その他文具事務用品につきましても各種素材、インキ及び機構開発を含めた新規商材の開発に努めております。その他事業におきましても、当社グループの原点である万年筆の製造技術で培った貴金属加工技術を応用した宝飾リング、また、当社グループ独自のインキ技術を応用した新しい玩具の開発、製品化、さらには独自のセラミック微細加工技術の応用展開として自動車部品、IoT、AI、自動運転システム等の市場に向けた産業資材関連を中心とした市場開拓を進めております。なお、当社グループは日本国内においてのみ研究開発を行っており、当連結会計年度の研究開発費の総額14億7百万円を、全額日本セグメントにおいて計上しております。以下は主な成果であります。

(1) ステイショナリー用品事業

① 万年筆では、エボナイトに黒漆の蝋色仕上げをほどこした太軸ボディ、ソフトな書き味でしなりも楽しめる18Kの30号大型ペン先を搭載した「カスタムURUSHI(ウルシ)」を発売しました。

② シャープペンシルでは、ペン先が"モグる"ことでシャープ芯が折れることを防ぎ、強い筆圧による衝撃を吸収し軽快な筆記を実現する「アクティブサスペンション」機構を搭載した「モーグルエアー」を発売しました。

③ 油性ボールペンでは、なめらかな書き味、濃く鮮やかな筆跡、クロムフリーの新開発インキで、握りやすく滑りにくいラバーグリップを搭載した「スーパーグリップG」を海外に向けて発売しました。国内に向けては、濃くなめらかな書き味で好評をいただいております「アクロボール3」の後部に蛍光ペンを搭載し、筆記とマーキングが手軽にできる1本で4役の多機能筆記具「アクロボールスポットライター」や、カレンダー等への上向き筆記でもインキが逆流することがなく、飲食店の伝票等、水に濡れる可能性のある筆記シーンでも使用でき、手に触れるパーツに抗菌剤を配合した「ダウンフォースR」を発売しました。

④ 水性ボールペンでは、細書きに最適な細いパイプ形状のペン先でありながら、ペン先が曲がりにくくなめらかな筆記ができる新構造の「シナジーチップ」を搭載し、顔料を均一分散し安定させる添加剤を配合した新開発インキで、筆記時に超極細のペン先からインキをスムーズに出すことができ「細書き」と「なめらかな筆記」を同時に実現したゲルインキボールペン「ジュースアップ」を発売しました。

⑤ マーカーでは、濃い筆跡で非浸透面への密着性が強く、キャップオフ性能24時間を達成した油性マーカー「パーマネントマーカー100/400」を海外に向けて発売しました。国内に向けては、紙だけでなくプラスチックやガラス等非浸透面にも筆記できる、カラフルで色数豊富な水性顔料マーカー「ジュースペイント」を発売しました。

(2) 玩具事業

「おえかきどうぶつずかん」を発売しました。水で書くから汚れず、乾けば何度でも書くことができ、動物のことが学べる学習性とプレイバリューが高評価をいただき日本おもちゃ大賞2016エデュケーショナル・トイ部門優秀賞を受賞しました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。

連結財務諸表の作成におきましては、当社グループにおける過去の実績等を踏まえ合理的に見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性が存在するため、これらの見積りと異なる場合があります。

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ120億76百万円増加し、1,147億75百万円(前期比11.8%増)となりました。当連結会計年度末における資産・負債・純資産の状況は次のとおりであります。

① 流動資産

流動資産は前連結会計年度末に比べ112億80百万円増加し、793億38百万円(前期比16.6%増)となりました。これは主に、「現金及び預金」が78億46百万円、「受取手形及び売掛金」が13億31百万円、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」の合計)が25億79百万円それぞれ増加したことによるものです。

② 固定資産

固定資産は前連結会計年度末に比べ7億96百万円増加し、354億36百万円(前期比2.3%増)となりました。これは主に、「借地権」が5億69百万円、「繰延税金資産」が3億56百万円それぞれ増加した一方で、「投資有価証券」が2億60百万円減少したことによるものです。

③ 流動負債

流動負債は前連結会計年度末に比べ21億63百万円減少し、290億79百万円(前期比6.9%減)となりました。これは主に、「支払手形及び買掛金」が6億46百万円増加した一方で、借入金(「短期借入金」及び「1年内返済予定の長期借入金」の合計)が11億47百万円、「未払法人税等」が18億26百万円それぞれ減少したことによるものです。

④ 固定負債

固定負債は前連結会計年度末に比べ13億16百万円増加し、73億86百万円(前期比21.7%増)となりました。これは主に、「長期借入金」の増加14億円によるものです。

⑤ 純資産

純資産は前連結会計年度末に比べ129億23百万円増加し、783億9百万円(前期比19.8%増)となりました。これは主に、「利益剰余金」の増加134億28百万円によるものです。

(3) 経営成績

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1) 業績」をご参照ください。

(4) キャッシュ・フローの状況

「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。