第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績の状況

当中間連結会計期間(2024年1月1日~2024年6月30日)における経済環境は、国内においては物価高を背景に個人消費の足踏みも見られましたが、景気は緩やかに回復しております。海外においては、物価高騰は沈静化しつつありますが、長期化するウクライナ情勢や中東情勢の緊迫化の地政学リスクの影響等により、世界経済の先行きは依然不透明な状況が続いております。

このような環境の下、当社グループにおきましては、国内では、筆記具市場は堅調に推移しました。海外では、米ドルやユーロ、中国元に対する円安は追い風となりましたが、前期より引き続き、一部の主要マーケットの需要は低調に推移しました。また、『2030年ビジョン』に向けて持続的な成長を実現するために、未来に向けた投資を拡大していることから、労務費や減価償却費等の費用は増加しました。

 

この結果、当期間の連結売上高は656億39百万円(前年同期比106.9%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は144億23百万円(前年同期比107.8%)、海外市場における連結売上高は512億15百万円(前年同期比106.7%)となりました。中期経営計画に基づく事業別実績では、筆記具事業における連結売上高は597億99百万円(前年同期比106.3%)、非筆記具事業における連結売上高は58億39百万円(前年同期比113.8%)となりました。

また、損益につきましては連結営業利益が99億51百万円(前年同期比82.3%)、連結経常利益が126億76百万円(前年同期比89.8%)、親会社株主に帰属する中間純利益は89億33百万円(前年同期比90.8%)となりました。

(参考URL 当社中期経営計画 https://www.pilot.co.jp/company/ir/management/plan.html)

 

 

各セグメント別の状況は以下のとおりです。

なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。

 

(日本セグメント)

ステイショナリー用品事業において、国内では、高級シャープペンシルブームを支える「S20(エストゥエンティ)」シリーズの販売が好調に推移したほか、福祉を起点に新たな価値や文化を創造する株式会社ヘラルボニーとのコラボレーション「フリクションボールノックゾーン×ヘラルボニー」が話題となる等市場の活性化も見られました。新製品の「フリクションシナジーノック」やリニューアルした「アクロボール」も市場定着が進み、今後の伸長が期待できます。また、前期より当社グループとなった、手帳・ノート類等のデザインステイショナリーの企画・製造を行うマークス社の売上も貢献しました。一方、輸出においては、フィリピン等一部の国における在庫調整により売上は減少しました。

玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズが大変好調に推移し、売上は増加しました。

産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力製品であるセラミックス製品は半導体市況が回復途上にあることから減収となりましたが、その他事業でマークス商品が売上に貢献しました。

セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費は増加しましたが、円安の影響により増益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は184億93百万円(前年同期比99.5%)、セグメント利益は71億93百万円(前年同期比106.0%)となりました。

また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は154億75百万円(前年同期比97.5%)となり、玩具事業は14億63百万円(前年同期比113.5%)、産業資材・その他事業は15億53百万円(前年同期比108.9%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が136億27百万円(前年同期比95.8%)、文具・その他が18億47百万円(前年同期比112.7%)となりました。

 

(米州セグメント)

米州地域につきましては、米国市場の主要顧客である量販店の在庫コントロールを受け売上は伸び悩みましたが、ゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持している「G-2(ジーツー)」の販売は堅調に推移しました。また、ブラジル市場においてはホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」を中心に伸長しました。さらに、円安の影響も加わり、増収増益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は212億9百万円(前年同期比108.7%)、セグメント利益は13億94百万円(前年同期比108.1%)となりました。

 

(欧州セグメント)

欧州地域につきましては、欧州市場での主力製品である「フリクション」シリーズ等の売上が回復してきたこと、また円安の影響もあり、増収増益となりました。6月からは「フリクション」シリーズにおいて日本の人気アニメとのコラボレーションによる拡大プロモーションを実施し、売上拡大を図っております。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は152億26百万円(前年同期比111.4%)、セグメント利益は15億96百万円(前年同期比112.4%)となりました。

 

(アジアセグメント)

アジア地域につきましては、中国において景気低調は継続しておりますが、中国市場での主力製品であるゲルインキボールペン「ジュース」シリーズ等は概ね好調に推移し、円安の影響もありセグメント全体は増収となりました。一方、セグメント利益は、労務費や広告費等の販管費増加により減益となりました。

以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は107億9百万円(前年同期比111.1%)、セグメント利益は2億8百万円(前年同期比44.5%)となりました。

 

以上、各地域セグメント利益の合計は103億92百万円(前年同期比104.3%)と増益となりましたが、連結調整額が△4億41百万円(主に棚卸資産に係る未実現利益の増加)となったことから、連結営業利益は99億51百万円(前年同期比82.3%)となりました。なお、未実現利益の増加は、前期末と当中間連結会計期間末日の為替レートの差異等によるものです。

 

(2) 財政状態の状況

当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比145億87百万円増加し、1,810億56百万円となりました。

流動資産は、103億41百万円増加1,174億79百万円となり、固定資産は、42億46百万円増加635億77百万円となりました。

流動資産につきましては、「受取手形及び売掛金」が109億40百万円増加したことによるものであります。

固定資産につきましては、有形固定資産が34億94百万円増加したことによるものであります。

負債は、前連結会計年度末比48億95百万円増加し、390億18百万円となりました。

流動負債は、50億76百万円増加366億44百万円となり、固定負債は、1億81百万円減少23億74百万円となりました。

流動負債につきましては、「短期借入金」が22億45百万円、「未払法人税等」が19億30百万円それぞれ増加したことによるものであります。

純資産は、前連結会計年度末比96億92百万円増加し、1,420億38百万円となりました。これにつきましては、「利益剰余金」が69億60百万円、「為替換算調整勘定」が34億23百万円それぞれ増加した一方で、自己株式を8億86百万円取得したことによるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ、38億65百万円減少し、300億53百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動による資金の増加は、96億29百万円(前年同中間期は64億42百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前中間純利益」126億77百万円、「減価償却費」23億46百万円、「棚卸資産の減少額」36億56百万円であり、支出の主な内訳は、「売上債権の増加額」87億73百万円、「仕入債務の減少額」27億38百万円、「法人税等の支払額」14億77百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動による資金の減少は、164億52百万円(前年同中間期は132億57百万円の減少)となりました。これは主に、「定期預金の預入による支出」103億77百万円、「有形固定資産の取得による支出」66億28百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動による資金の減少は、20億83百万円(前年同中間期は38億54百万円の減少)となりました。収入の主な内訳は、「短期借入金の純増加額」16億76百万円、支出の主な内訳は「自己株式の取得による支出」8億86百万円、「配当金の支払額」19億49百万円によるものであります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。

 

(5) 研究開発活動

当中間連結会計期間の研究開発費の総額は10億59百万円であります。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。