当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生又は前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
2025年12月期からの3年間を対象とする2025-2027中期経営計画では、主力事業である筆記具事業の海外展開強化と、新たな事業を創出し、当社グループ「2030年ビジョン」の実現に向けて、「変化に適応するグループ経営基盤の強化」を進めるフェーズと定め、「絶え間なき進化」を図ってまいります。
当中間連結会計期間(2025年1月1日~2025年6月30日)における経済環境は、国内においては、物価高を背景に個人消費に足踏みも見られましたが、所得環境の改善に支えられ、景気は緩やかに回復しております。海外においては、欧米における物価高の継続や長引く中国経済の低迷に加え、米国の関税政策の影響等もあり、世界経済の先行きは依然不透明な状況が続いております。
このような環境の下、当期間の連結売上高は649億64百万円(前年同期比99.0%)となりました。国内外別では、国内市場における連結売上高は140億3百万円(前年同期比97.1%)、海外市場における連結売上高は509億60百万円(前年同期比99.5%)となりました。
また、損益につきましては連結営業利益が117億70百万円(前年同期比118.3%)、連結経常利益が116億15百万円(前年同期比91.6%)、親会社株主に帰属する中間純利益は76億60百万円(前年同期比85.8%)となりました。
各セグメント別の状況は以下のとおりです。
なお、セグメント利益については、セグメント間取引消去前の金額で記載しております。
ステイショナリー用品事業において、国内では、引き続き、高級木軸シャープペンシル「S20(エストゥエンティ)」が好調な販売成果を収めたほか、当社独自のペン先であるシナジーチップを採用したゲルインキボールペン「ジュースアップ」シリーズもヘラルボニー社等とのコラボレーションが好調に推移しました。また、昨年10月に発売以降、好調を維持している蛍光ペン「KIRE-NA(キレーナ)」はワンプライスショップでの展開も開始しました。しかしながら、前年同期は「フリクションシナジーノック」や油性ボールペン「アクロボール」の新製品効果が大きかったことから、国内売上は減少しました。また輸出においても、売上は減少しております。これは主に、Pilot Pen (Malaysia) Sdn. Bhd.及びPPIN Private Limitedを新たに連結の範囲に含めたことに伴い、従来、日本セグメントに含まれておりましたマレーシア及びインド向けの売上が、アジアセグメントに含まれたことによるものです。
玩具事業においては、主力商品である「メルちゃん」シリーズや「おふろのおもちゃ」シリーズが、4月からの値上げの影響により、売上は減少しました。
産業資材・その他事業においては、産業資材事業の主力であるセラミックス製品の受注が回復し、増収となりました。
セグメント利益は、在庫水準の最適化に向けて、一時的に連結子会社向けの売上高が減少し、主要製品の生産数量減少等に伴う原価率の上昇により減益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は176億80百万円(前年同期比95.6%)、セグメント利益は56億12百万円(前年同期比78.0%)となりました。
また、当セグメントにおける主要な事業の売上高につきましては、ステイショナリー用品事業は143億96百万円(前年同期比93.0%)となり、玩具事業は14億24百万円(前年同期比97.3%)、産業資材・その他事業は18億59百万円(前年同期比119.7%)となりました。なお、ステイショナリー用品事業の内訳は、筆記具が125億2百万円(前年同期比91.7%)、文具・その他が18億93百万円(前年同期比102.5%)となりました。
米国市場のゲルインキボールペン市場でトップシェアを維持している主力製品である「G-2(ジーツー)」及びブラジル市場におけるホワイトボード用マーカー「Vボードマスター」の販売は堅調に推移しましたが、円高の影響により減収となりました。セグメント利益は、主に原価率の低下により増益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は206億73百万円(前年同期比97.5%)、セグメント利益は23億15百万円(前年同期比166.1%)となりました。
欧州地域につきましては、欧州市場での主力製品である「フリクション」シリーズに、再生プラスチックを使用した「フリクションボール+(プラス)」も加わり、売上は伸長しました。また、新学期商戦に向けて、5月からは日本の人気アニメとのコラボレーションによる「フリクション」と「G-2(ジーツー)」の拡大プロモーションを実施し、売上拡大を図っております。
しかしながら、円高の影響により減収となり、セグメント利益は、主に原価率の上昇により減益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は149億88百万円(前年同期比98.4%)、セグメント利益は10億32百万円(前年同期比64.7%)となりました。
アジア地域につきましては、中国において景気低調は継続しておりますが、中国市場での主力製品であるゲルインキボールペン「ジュース」シリーズは好調に推移しました。また、Pilot Pen (Malaysia) Sdn. Bhd.及びPPIN Private Limitedを新たに連結の範囲に含めたことに伴い、従来、日本セグメントに含まれておりましたマレーシア及びインド向けの売上が、アジアセグメントに含まれたことにより、セグメント全体は増収増益となりました。
以上の結果、当セグメントにおける外部顧客に対する売上高は116億21百万円(前年同期比108.5%)、セグメント利益は7億23百万円(前年同期比347.0%)となりました。
以上、各地域セグメント利益の合計は96億84百万円(前年同期比93.2%)と減益となりました。一方で、連結営業利益は117億70百万円(前年同期比118.3%)と増益となりました。これは棚卸資産に係る未実現利益等による連結調整額が20億86百万円(前年同期は△4億41百万円)となったことによるものです。
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ5億28百万円減少し、1,761億73百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ9億50百万円増加し、1,092億45百万円となりました。これは主に、「受取手形及び売掛金」が70億30百万円増加した一方で、「現金及び預金」が30億23百万円、棚卸資産(「商品及び製品」、「仕掛品」、「原材料及び貯蔵品」)が9億35百万円、「その他」に含まれる未収入金が19億1百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ14億79百万円減少し、669億27百万円となりました。これは主に、有形固定資産が10億89百万円増加した一方で、「投資有価証券」が9億85百万円、「繰延税金資産」が16億38百万円それぞれ減少したことによるものであります。
負債は、前連結会計年度末に比べ27億87百万円減少し、323億34百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ27億80百万円減少し、299億68百万円となりました。これは主に、「短期借入金」が8億18百万円増加した一方で、「その他」に含まれる設備関係支払手形が23億61百万円、「未払法人税等」が12億44百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ7百万円減少し、23億66百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ22億58百万円増加し、1,438億38百万円となりました。これは主に、「利益剰余金」が52億76百万円増加した一方で、「為替換算調整勘定」が11億43百万円、「非支配株主持分」が8億35百万円それぞれ減少したことに加え、2025年5月9日開催の取締役会決議に基づく自己株式の取得等により、自己株式が9億65百万円増加したことによるものであります。
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前中間連結会計期間末に比べ、57億6百万円増加し、357億59百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の増加は、71億14百万円(前年同中間期は96億29百万円の増加)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前中間純利益」116億46百万円、「減価償却費」29億58百万円、であり、支出の主な内訳は、「売上債権の増加額」74億9百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、73億94百万円(前年同中間期は164億52百万円の減少)となりました。これは主に、「有形固定資産の取得による支出」64億69百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、36億53百万円(前年同中間期は20億83百万円の減少)となりました。これは主に、「自己株式の取得による支出」10億67百万円、「配当金の支払額」24億63百万円によるものであります。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は11億55百万円であります。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。