(1)業績の状況
当連結会計年度におけるエンターテイメント業界は、国内のアプリゲーム市場におきまして、人気IPタイトルの登場や、日本・欧米・アジア各国のゲーム会社による相互市場参入等により、市場環境が益々激化いたしました。また、海外におけるアプリゲーム市場は、特に新興国でのスマートフォンの普及とともに、今後も継続的な成長が見込まれております。家庭用ゲーム市場におきましては、海外での盛況は見られたものの、国内では引き続き市場全体の縮小傾向が続きました。アーケードゲーム市場につきましては、市場環境が厳しい中でも、有力IPを題材にした機器は好調に推移いたしました。音楽・映像分野におきましては、国内外におけるサブスクリプションサービス(月額課金)による新しい音楽配信、動画配信サービスの拡充が進みました。また、2次元で描かれた漫画・アニメ・ゲームなどの世界を舞台コンテンツ化した「2.5次元ミュージカル」は、国内ではすでに固有のジャンルとして定着し、公演数・動員数の増加とともに市場規模の拡大が継続いたしました。
このような状況下、当社グループは、多彩なエンターテイメントコンテンツをあらゆる事業領域において様々なデバイス向けに展開する「マルチコンテンツ・マルチユース・マルチデバイス」戦略を基軸とした総合エンターテイメント企業として、強力なIPの確立に向けたブランディング戦略・アライアンス戦略・グローバル戦略を積極的に推進し、話題性の高いコンテンツの提供とサービスの強化に取り組んでまいりました。
この結果、当期(平成27年4月1日~平成28年3月31日)の業績は、売上高31,820百万円(前期比20.3%増)、営業利益5,418百万円(前期比22.8%増)、経常利益5,228百万円(前期比14.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3,602百万円(前期比65.4%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
<オンライン事業>
当事業のネイティブアプリにおきましては、「剣と魔法のログレス いにしえの女神」が引き続き好調に推移し、当期の収益に大きく貢献いたしました。同タイトルは、平成27年10月22日よりGarena Online Private Limitedを通じて台湾・香港・マカオでのサービスを開始し、リリース当初より好調な推移となり、平成27年12月4日時点で台湾におけるApp Storeセールスランキングで1位を獲得いたしました。また、平成27年8月28日より「クロノドラゴン 〜ななつの光と太初の樹〜」を、平成27年9月10日より「幕末Rock 極魂(アルティメットソウル)」の配信を開始いたしました。ブラウザゲームにおきましては、平成27年11月25日より「VALKYRIE DRIVE -SIREN-(セイレーン)」のサービスを開始したほか、既存の各タイトルが底堅く推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は19,755百万円(前期比28.5%増)、営業利益は4,182百万円(前期比9.6%増)となりました。
<コンシューマ事業>
当事業の自社販売部門におきましては、ニンテンドー3DS向けに1作品、PS Vita向けに4作品、PS3/PS4向けに1作品で合計6作品の新作タイトルを発売いたしました。また、米国子会社Marvelous USA, Inc.におきましては、前期発売の「STORY OF SEASONS(ニンテンドー3DS)」(日本名称:「牧場物語 つながる新天地」)のリピート販売や、平成28年3月15日発売の「SENRAN KAGURA ESTIVAL VERSUS (PS Vita/PS4)」(日本名称:「閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS –少女達の選択-」)の販売が非常に好調だったこと等から、過去最高益を記録いたしました。
アミューズメント部門におきましては、新型マシン「モンスターハンター スピリッツ」が平成27年6月25日より稼働を開始し、堅調な推移となったほか、「ポケモントレッタ」の新弾投入も好調に推移いたしました。
この結果、当事業の売上高は7,544百万円(前期比18.3%増)、営業利益は1,006百万円(前期比100.4%増)となりました。
<音楽映像事業>
当事業の音楽映像制作部門におきましては、当社主幹事TVアニメ作品「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」の映像商品化を行い、その販売が好調に推移したほか、当社ライブラリの映像配信や番組販売等の二次利用収入も好調に推移いたしました。
ステージ制作部門におきましては、「ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ」や「舞台『弱虫ペダル』シリーズ」等の主力タイトルに加え、「舞台『東京喰種トーキョーグール』」、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」、ミュージカル「さよならソルシエ」といった新作タイトルの公演も多数行い、いずれも好評を博しました。
この結果、当事業の売上高は4,527百万円(前期比3.7%減)、営業利益は1,308百万円(前期比20.1%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ151百万円減少し、8,786百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、税金等調整前当期純利益5,172百万円、減価償却費1,086百万円、売上債権の減少2,253百万円等の要因により増加したものの、法人税等の支払額2,647百万円等により、5,986百万円(前期比48.5%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は、有形固定資産の取得による支出414百万円、無形固定資産の取得による支出1,193百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,532百万円等があったものの、定期預金の払戻による収入600百万円等の要因により、2,874百万円(前期比29.6%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は、自己株式の取得による支出2,033百万円、配当金の支払額1,069百万円等により、3,086百万円(前期比169.3%増)となりました。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
オンライン事業 |
986 |
173.4 |
|
コンシューマ事業 |
4,015 |
117.7 |
|
音楽映像事業 |
1,287 |
79.5 |
|
合計 |
6,289 |
112.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
オンライン事業 |
140 |
33.0 |
38 |
26.1 |
|
コンシューマ事業 |
764 |
142.8 |
119 |
145.2 |
|
音楽映像事業 |
111 |
59.4 |
- |
- |
|
合計 |
1,016 |
88.6 |
157 |
69.1 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
オンライン事業 |
19,755 |
128.5 |
|
コンシューマ事業 |
7,544 |
118.3 |
|
音楽映像事業 |
4,520 |
96.5 |
|
合計 |
31,820 |
120.3 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
なお、Google Inc.、Apple Inc.及び㈱ディー・エヌ・エーに対する販売実績は、当社が提供するゲームサービスの利用者(ユーザー)に対する利用料等であります。
|
相手先 |
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
||
|
販売高(百万円) |
割合(%) |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
|
Google Inc. |
3,407 |
12.9 |
5,832 |
18.3 |
|
Apple Inc. |
3,086 |
11.7 |
5,407 |
17.0 |
|
㈱ディー・エヌ・エー |
3,565 |
13.5 |
2,675 |
8.4 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社グループを取り巻く事業環境は、SNS利用者の拡大やスマートフォン販売台数の伸びに伴い、お客様がデバイスを問わずにエンターテイメントコンテンツを楽しむことができる環境が急速に整備されており、「どのようなエンターテイメントコンテンツをどのように供給してゆくのか」という経営課題に対して、多様なアプローチが求められる状況であります。
当社グループといたしましては、あらゆるお客様を対象として事業領域を越えた多様なコンテンツを様々なデバイスへ供給してゆくため、以下を具体的な経営課題と捉え、積極的に取り組んでまいります。
① 自社コンテンツの育成と新規創出
総合エンターテイメント企業として、強力な自社コンテンツが必要であると認識しております。デジタル領域において革新的であり、今までにないエンターテイメントの創造のために、新規コンテンツの創出に努めてまいります。また、当社グループの既存コンテンツの育成に加え、他社版権の獲得を推進することで活用コンテンツの拡充を進めてまいります。
② 顧客基盤の有効活用
当社グループの事業領域は、オンラインゲームから家庭用ゲーム、業務用ゲーム、音楽、映像、舞台公演まで多岐にわたっており、様々な分野においてお客様の獲得が可能なものとなっております。それらを一体的な顧客基盤として相乗的に拡大し、これを市場ニーズに合せて有効活用するために、適時かつ適切に経営資源を投下してまいります。
③ オンライン事業のさらなる拡充
スマートフォンの普及等に伴うオンラインゲーム市場の成長は今後も継続すると見込まれており、当社グループは、この分野における事業の更なる拡大と発展に向けて、ユーザーニーズの変化を先取りしたネットワークゲーム、モバイル端末向けゲームの企画開発を強化してまいります。
④ グローバル展開の推進
当社グループの事業領域の中でも、とりわけオンラインゲーム市場においては、海外市場が国内市場以上に成長していることから、企業成長のためには海外市場での事業展開が重要な課題であります。当社グループでは、継続的に海外でのオンラインゲーム等の運営やマーケティングの強化を図ってまいります。
⑤ 技術開発力の向上
ゲーム自体のアイディアや独創性、面白さの追求はもちろんのこと、それぞれのハードウェアの特性を最大限に生かしたソフト開発技術と、ワンソース・マルチプラットフォーム対応ができる開発技術により、開発効率を高めることが企業収益の拡大に繋がると認識しております。当社グループは、優秀な技術者やプロデューサーの採用、教育システムの強化を通し、更なるソフト開発力の向上を推進してまいります。
当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。
1.オンライン事業に関するリスクについて
①オンラインゲーム市場について
当社グループが重要分野と位置づけて事業を展開しているオンラインゲーム市場につきましては、アプリゲームを中心に今後も市場規模は拡大していくものと予測しております。しかしながら、オンラインゲーム市場の成長が当社グループの予測を下回ったり、新たな法的規制の導入等により、市場の成長を阻害する要因が発生した場合には、当社グループの経営成績及び今後の事業展開に重要な影響を与える可能性があります。
②インターネット業界の成長性と技術革新について
当社グループは、独創性が高く、先端技術を取り入れた高品質なゲームソフトの創造を通じて、安定収益化を確保する方針でありますが、インターネットや通信環境の技術革新は著しく発展しております。また、ユーザーが多機能・高機能な端末を通じて多様なコンテンツにアクセスできるようになるなど、オンラインゲームの産業構造が大きく変化することが予想されます。当社グループは、急速に変化する環境に対応すべく、開発効率を向上させ優秀な技術者やプロデューサーの採用、教育システムの強化を通し、更なるソフト開発力の向上を行ってまいります。
しかしながら、当社グループが想定していない新たな技術やサービスの普及により環境が急速に変化した場合、迅速な対応ができない恐れがあります。さらに、環境の変化に対応するための技術者の確保やシステムの投入により、多額の費用を投ずる可能性もあります。
③システムリスクについて
当社グループは、インターネットを介した商品・サービスを提供しており、ユーザー満足度の向上を図るためには、システムや通信環境の安定稼働が前提であると認識しております。その為、当社グループの提供する商品・サービスのユーザー数及びデータ量が当社グループの予測から大幅に乖離する場合、計画よりも多額の費用を投ずる可能性があります。また、当社グループのシステムや通信環境は第三者に依存しており、そのシステムの不具合や通信障害、自然災害、事故、ネットワークを通じての不正アクセス及びコンピュータウィルスの感染など、予期せぬ問題が発生した場合には、安定したサービスの提供が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
2.コンシューマ事業に関するリスクについて
①家庭用ゲーム機器メーカーとの許諾契約について
家庭用ゲームソフトの開発・販売等については、対応機種ごとにメーカーとの間で契約を締結しており、各ゲームについては、それぞれ株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント(プレイステーション4、プレイステーション3、プレイステーション・ポータブル、及びPlayStation Vita用ソフト)、任天堂株式会社(ニンテンドー3DS、ニンテンドーDS及びWii用ソフト)、Microsoft Corporation(Xboxシリーズ用ソフト)の審査・承認が必要となります。当社グループが企画したゲームソフトが各メーカーの承認を受けられなかった場合には当該ゲームは開発・販売することができず、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。また、契約の変更や新たな契約内容によっては、今後の開発・販売計画や当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②ゲームソフトの販売動向等について
国内のゲームソフト業界においては、一般に、少子化によるゲーム需要の伸び悩み、オンラインゲーム、モバイルコンテンツをはじめとする遊びの多様化及びユーザー層の嗜好変化、各ゲーム機の盛衰等に影響を受けております。当社グループにおいては、独創性が高く、先端技術を取り入れた高品質のゲームソフトを他社に先駆けて開発・販売することにより他社との差別化及び安定収益化を確保する方針でありますが、多様化するユーザー層のニーズを的確に把握し、ユーザーに受け入れられるソフトを供給できなかった場合には、販売不振、競合他社との競争上の不利等が発生する可能性があります。また、外部環境の動向に加え、当社グループにおけるゲームソフトの年間開発・発売タイトル数の多寡、発売時期、ヒット作の有無及び1タイトル当たりの売上動向等により、期間の損益に大きな影響を与える可能性があります。
③受託開発について
当社グループが受託開発において販売先から得るゲームソフトの企画・開発の対価は、開発業務の進行にあわせて受け取る開発売上と、販売先からユーザーへのゲームソフト販売数量に基づき受け取るロイヤリティ収入からなります。開発売上については、市場動向や制作工程の事後的な変更などにより、販売先からゲームソフトの納期や仕様に変更の要請があった場合には、それに伴い売上の計上時期や金額が変わることがあります。当社グループでは売上の平準化を図るため、販売先や各ゲームソフトの納入時期を分散させると同時にゲームソフトの制作工程管理を適切に行い、受託開発契約に則した納品を行うよう努めておりますが、当初計画した見積と差異が生じた場合には、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。また当社グループの技術革新や変化への対応が遅れるなどした結果、販売先の当社グループに対する投資対効果の評価が低下した場合や、市場そのものが衰退した場合には、収益性の低下や開発依頼の減少など、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。
さらに、ゲームソフトの販売数量に基づき変動するロイヤリティ収入も、販売先が実施する各種の販売活動等により大きく影響を受け、その結果によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
3.音楽映像事業に関するリスクについて
①「映像著作権(マスターライツ)」獲得を目的とした映像コンテンツ制作事業の今後の方針について
当社グループは、これまでのビデオグラム化権の獲得を行うだけではなく、映像著作権(マスターライツ)の獲得を目的とした製作出資を積極的に行っております。しかし、出資した製作費等を回収できなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
②舞台公演等について
当社グループは、舞台・ミュージカル等の公演を行っておりますが、出演者の健康上の理由や不慮の事故等により、出演者の変更や公演が中止になるリスクが存在します。また、新たな地域での公演や公演回数の拡大、新作公演の実施等、事業の拡大に向け取り組んでおりますが、公演内容及び出演者の話題性・知名度やお客様の嗜好の変化等により、十分な観客動員が果たせないリスクも存在します。
これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③再販価格維持制度について
音楽映像事業の商品は、再販価格維持制度(注)の対象になっております。再販価格維持制度は、著作物商品の価格を固定化することで、著作物の安定した供給発展を目的とする制度であり、商品価格の安定につながっております。しかし、著作物の再販価格維持制度には、公正な競争が行われない等の廃止意見がある一方、廃止されれば文化振興への影響が生じるおそれがある等存続意見も強く賛否両論の状況であり、将来、当制度が変更もしくは撤廃された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(注)再販価格維持制度とは、レコード会社が商品価格を決定し、販売店は指定された価格で販売することを約諾するという販売契約制度です。
4.法的規制について
当社グループにおいて、直接的・間接的に受ける主たる法的規制としては、消費者契約法、特定商取引に関する法律、資金決済に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(アミューズメントマシンに関する規制)、特定電子メールの送信の適正化等に関する法律及び下請代金支払遅延等防止法等があります。将来においてこれらの法律、規則等が改正又は変更され新たに事業活動が制約を受けることとなった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
5.知的財産権の侵害について
当社グループは、デジタルコンテンツや音楽・映像コンテンツ等の知的財産権を多数保有しておりますが、違法使用等による権利侵害が確認されております。それらにつきましては個別に適切な対応を図っておりますが、海外やインターネットでは十分な知的財産権保護を受けられない可能性があります。これらの知的財産権侵害により、正規商品の売上が阻害される等、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
一方、当社グループは、他者の知的財産権の侵害防止に努めておりますが、万が一、侵害の事実が発生した場合は、差止請求や損害賠償請求等を受ける可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
6.人材・外注業者の確保について
当社グループは、ゲームソフト及び映像コンテンツの企画、開発においてデザイナーやプログラマー、音楽や効果音に取り組むコンポーザーなど特殊技術を持つ数多くの人材・外注業者を活用しております。当社グループは、継続的に優秀な人材の確保や育成に努めてまいりますが、これらの人材が当社グループより流出した場合や外注業者を確保することができなかった場合は、当社グループが計画していた事業活動を遂行できず、その結果によっては、当社グループの業績に重要な影響を与える可能性があります。
7.現在の事業における取引慣行について
わが国の広告業界においては、広告計画や内容の突然の変更に柔軟に対応するため等の背景事情から、広告主と代理店との間における契約書の作成が必ずしも徹底されるとは限らない取引慣行があります。当社グループにおいても、取引内容の変更に柔軟に対応し機動性を重視する観点から、一部に代理店との間で契約書等の合意書面の作成がされない場合があります。
また、当社グループが扱う商品には素早い市場投入が必要とされることから、当事者間の口頭合意によりただちに制作、製造作業に入る場合があります。
当社グループとしては、できる限り速やかな契約書等の作成、締結に努めておりますが、取引慣行をはじめとする諸事情から契約書等が作成、締結されず、取引条件の合意内容を巡る紛争等不測の事態が生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
8.M&Aについて
当社グループは、将来的な成長可能性の拡大に結びつくと判断した場合には、他企業との合弁企業の設立、M&A等の施策を積極的に推進し、企業規模の拡大に取り組んでいく方針です。これらの施策により、当社グループをめぐる事業環境が大きく変化する可能性があります。また、M&A、合弁企業の設立が、当社の期待する効果が上げられない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
9.訴訟等について
当社グループが事業拡大を行っていく上で、投融資先、取引先等との間で訴訟等の紛争が生じる可能性があります。また、知的財産権についても、前述の通り紛争を生じる可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
10.暴力シーン及び性的シーン等の描写について
当社グループが提供する商品・サービスの一部には、暴力シーンや性的シーンが含まれているものがあります。
このため、青少年犯罪が起きた場合等に、一部のマスコミ等からアニメやゲームとの関連性や影響を指摘され、誹謗中傷や行政機関による販売規制、テレビ局による番組放映の中止等がなされる可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
11.海外での事業展開について
当社グループは、北米・欧州をはじめとして海外市場にもデジタルコンテンツ及び映像コンテンツの販売等、事業を展開しております。海外販売国における市場動向、政治、経済、法律、文化、習慣、競合会社の存在の他、様々なカントリーリスクや人材の確保、海外取引における税務のリスク等が存在します。また、当社グループは、在外連結子会社を設立しており、外貨建ての取引を行っているため、為替変動は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
12.商品・サービスのリリース時期の変更について
当社グループが提供するコンテンツの制作につきましては、スケジュール管理を徹底しておりますが、市場動向の変化や、やむをえない事由による制作・開発スケジュールの変更により商品・サービスのリリース時期が変更となる可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
13.商品・サービスの瑕疵について
当社グループが提供する商品・サービスについて、発売後に重大な瑕疵が発覚した場合、販売停止や製品回収等を行う可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(1)技術受入契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱マーベラス |
任天堂㈱ |
日本 |
「ニンテンドー3DS」用ゲームソフトの開発に関するライセンス/製造委託契約 |
「ニンテンドー3DS」用ゲームソフトの開発・販売及び「登録商標」表示等の許諾 |
自平成23年1月5日 至平成24年1月4日 以後1年毎自動更新 |
|
㈱マーベラス |
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント |
日本 |
「プレイステーション3」用ゲームソフトの開発に関するライセンス契約 |
「プレイステーション3」用ゲームソフトの開発、BD-ROMへの加工及び製造・販売等の許諾 |
自平成20年4月1日 至平成21年3月31日 以後1年毎自動更新 |
|
㈱マーベラス |
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント |
日本 |
「PlayStation Vita」用ゲームソフトの開発に関するライセンス契約 |
「PlayStation Vita」用ゲームソフトの開発、当該ソフトの指定メディアへの加工及び製造・販売等の許諾 |
自平成23年7月22日 至平成24年3月31日 以後1年毎自動更新 |
|
㈱マーベラス |
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント |
日本 |
「PlayStation 4」用ゲームソフトの開発に関するライセンス契約 |
「PlayStation 4」用ゲームソフトの開発許諾 |
自平成26年7月24日 至平成27年3月31日 以後1年毎自動更新 |
(2)スマートフォン・タブレット端末向けアプリプラットフォーム運営事業者との契約
|
契約会社名 |
相手方の名称 |
国名 |
契約品目 |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱マーベラス |
Apple Inc. |
米国 |
iOS Developer Program Licence Agreement |
iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
1年間 以後1年毎自動更新 |
|
㈱マーベラス |
Google Inc. |
米国 |
デベロッパー販売/配布契約 |
Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
定めなし |
当社グループは、市場のニーズにすばやく対応していくため、積極的に研究開発に取り組んでおります。また世界中のユーザーを楽しませ、驚きと感動を与えたいということを基本方針として、顧客満足度の高い商品開発が当社グループにとって重要な課題であると認識しております。
そのような状況の下、当連結会計年度におきましても、技術開発力向上策として次世代ゲーム機に対する基礎研究と効率的な開発を行なうためのミドルウェア及びツール類の開発を行なってまいりました。また、オンライン事業及びコンシューマ事業において自社販売のための企画・試作制作や受託開発を行うための企画制作活動を継続して行ってまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費はオンライン事業は370百万円、コンシューマ事業は147百万円、合計で518百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に従って作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財務状態、経営成績に影響を与えるような見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り・予測を実施しております。
(2)財政状態の分析
当社グループの当連結会計年度末の財政状態につきましては以下のとおりであります。
当連結会計年度末の資産残高は、現金及び預金や受取手形及び売掛金の減少等により、前連結会計年度末に比べ1,668百万円減少し20,370百万円となりました。
当連結会計年度末の負債残高は、未払金や未払法人税等の減少等により、前連結会計年度末に比べ2,139百万円減少し、6,448百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、配当による利益剰余金の減少、自己株式の取得があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ470百万円増加し、13,921百万円となりました。
1株当たり純資産は268円84銭(前連結会計年度は251円55銭)となり、自己資本比率は68.3%(前連結会計年度は61.0%)となりました。
(3)経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ5,378百万円増収(前期比20.3%増)の31,820百万円となり、営業利益は、前連結会計年度に比べ1,005百万円増益(前期比22.8%増)の5,418百万円となりました。
オンライン事業におきましては、ネイティブアプリ「剣と魔法のログレスいにしえの女神」が引き続き好調に推移し、大きく収益貢献いたしました。同タイトルは、平成27年10月22日よりGarena Online Private Limitedを通じて台湾・香港・マカオでのサービスを開始し、リリース当初より好調に推移いたしました。また、平成27年8月28日より「クロノドラゴン 〜ななつの光と太初の樹〜」を、平成27年9月10日より「幕末Rock 極魂(アルティメットソウル)」の配信を開始し、ブラウザゲームにおきましても、平成27年11月25日より「VALKYRIE DRIVE -SIREN-(セイレーン)」のサービスを開始いたしました。
コンシューマ事業におきましては、米国子会社Marvelous USA, Inc.の前期発売タイトル「STORY OF SEASONS(ニンテンドー3DS)」(日本名称:「牧場物語 つながる新天地」)のリピート販売や、平成28年3月15日発売の「SENRAN KAGURA ESTIVAL VERSUS (PS Vita/PS4)」(日本名称:「閃乱カグラ ESTIVAL VERSUS –少女達の選択-」)の販売が好調に推移いたしました。また、平成27年6月25日にアミューズメント部門よりサービスを開始した、新型マシン「モンスターハンター スピリッツ」が堅調な推移となったほか、「ポケモントレッタ」の新弾投入も好調に推移いたしました。
音楽映像事業におきましては、当社主幹事TVアニメ作品「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。続」の映像商品化を行い、その販売が好調に推移したほか、当社ライブラリの映像配信や番組販売等の二次利用収入も好調に推移いたしました。
ステージ制作部門におきましては、「ミュージカル『テニスの王子様』シリーズ」や「舞台『弱虫ペダル』シリーズ」等の主力タイトルに加え、「舞台『東京喰種トーキョーグール』」、「ミュージカル『青春-AOHARU-鉄道』」、ミュージカル「さよならソルシエ」といった新作タイトルの公演も多数行い、いずれも好評を博しました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度4,583百万円に対し5,228百万円(前期比14.1%増)となりました。
為替相場変動の影響により為替差損を183百万円計上しております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度2,178百万円に対し3,602百万円(前期比65.4%増)となりました。
法人税、住民税及び事業税1,598百万円、法人税等調整額(貸方)29百万円をそれぞれ計上いたしました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末におけるキャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは下記の通りです。
|
|
平成24年3月期 |
平成25年3月期 |
平成26年3月期 |
平成27年3月期 |
平成28年3月期 |
|
自己資本比率(%) |
66.6 |
69.7 |
70.9 |
61.0 |
68.3 |
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
63.6 |
203.5 |
267.0 |
407.4 |
256.4 |
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%) |
99.0 |
30.1 |
16.9 |
5.0 |
2.7 |
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
54.7 |
280.3 |
490.0 |
704.6 |
4,832.4 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースでの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3 キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。
4 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。