第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経営方針

当社グループは、「創造と革新により『豊かさとやさしさ』のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指す」を経営理念に掲げ、消費者にご満足いただける付加価値の高い新商品・新サービスの提供に努めてまいります。

また、グループ会社が持つ経営資源をより一層効率的に活用することにより、グループ総合力の強化に努め、企業価値の向上を目指してまいります。

 

(2) 中長期的な経営戦略、経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

主力のシルバービジネスを取り巻く環境として、現在の国内の人口構成は、2022年10月時点での65歳以上の高齢者人口は3,623万人で、総人口の29.0%と、高齢者人口・高齢化率ともに過去最高を更新した一方、15歳以上65歳未満の生産年齢人口は7,420万人で、総人口の59.4%と、1995年の8,726万人、69.5%をピークに激減しております。今後、日本の社会は、2042年まで高齢者人口が増加し続ける一方で、生産年齢人口は加速度的に減少し、急速に少子高齢化が進行することによる医療や介護の担い手不足が一層深刻な課題となってまいります。

このような状況において、当社グループでは、2023年度を最終年度とする中期経営計画をスタートさせ、以下の3つの基本政策に取り組んでおります。

①福祉用具貸与事業への経営資源集中による事業拡大(メディカルサービス事業)

②時代のニーズに合った商品展開による利益率の向上(インテリア健康事業)

③継続的な企業成長を支える経営基盤の強化

「福祉用具貸与事業への経営資源集中による事業拡大(メディカルサービス事業)」においては、当社グループの主力事業であるメディカルサービス事業では、今後、少子高齢化による介護人材不足や在宅における老老介護の増加などが深刻化していく中で、福祉用具業界で長年培った技術と最新の技術を組み合わせることで省力化や労力軽減につながる福祉用具を開発し、それらの商品を通じて、介護現場に直面する方々をサポートするとともに売上と利益の拡大に繋げてまいります。

また、介護保険サービス利用が中心の在宅介護向け福祉用具貸与事業においては、後期高齢者が大きく増加する都市部では営業員の増員や営業所の新規出店ならびにM&A等により推進を行い、高齢者が広域に分布する地方では卸対策商品の開発や卸営業の強化等によりレンタルの拡販に注力することで、福祉用具貸与事業者として国内シェアNo.1の地位を確立してまいります。

さらに、福祉用具貸与事業拡大を支えるインフラの整備として、重点地域のメンテナンスセンター等の拡充および配送体制の強化を図るとともに、営業サポート体制の強化やDXの推進により労働生産性を向上させ営業効率を高めてまいります。

「時代のニーズに合った商品展開による利益率の向上(インテリア健康事業)」においては、家庭向けベッドの製造及び卸販売が中心のインテリア健康事業では、消費者の生活環境や睡眠への意識が大きく変化する中、自宅で快適に過ごすためのベッドや家具などのインテリア需要の高まりやリフォーム時における買い替え需要など、一定程度の需要は底堅く推移していくことが予想されています。

こうした中、同事業では、独自の機能を持ち付加価値の高い中・高価格帯の商品の開発に注力するとともに、それらの商品を見せる場としてショールームを増設することで、得意先との協業による展示販売会などを通じて拡販してまいります。

また、EC市場に対しては、配送がしやすく、インターネット販売に適した商品ラインナップを拡充するとともに、中小のEC事業者と物流協業体制を拡大することで、消費者の購買行動の変化に対応してまいります。

「継続的な企業成長を支える経営基盤の強化」では、当社グループが中長期的な企業価値の向上を図っていく上で、事業ポートフォリオマネジメントの実践ならびに環境・社会・ガバナンスを意識したESG経営の推進は必須と認識しております。今般、当社グループの中長期的価値向上に影響を与えうる重要課題マテリアリティとして、5つのテーマ(より安心で安全な高付加価値製品の提供、資源のリユース・リサイクルの追求、CO2排出削減とエネルギー転換、人材の育成、ダイバーシティおよびワークライフバランスの推進)と「事業を支える基盤」(ガバナンス・コンプライアンス・健全な財務)を特定いたしました。さらに、具体的な目標の設定を行うとともに、これらを当社グループにおける重要な経営課題と位置付け、情報開示を含む取り組みを積極的に推進してまいります。

 

以上のとおり、当社グループは、事業を通じて、人々の暮らしに役立つ製品やサービスを提供し、新たな価値の創造に挑戦し続けることで、社会から100年を超えて存続を期待される企業であると共に、ESGを重視した経営に努めることで、社会的な価値もあわせて創造する、「社会の役に立ち、社会に貢献する」企業を目指してまいります。

なお、中期経営計画(2022年3月期~2024年3月期)における最終年度の業績目標は、次のとおりであります。

(単位:百万円)

 

売上高

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属する当期純利益

2024年3月期

59,000

4,850

4,800

3,200

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

1.サステナビリティの基本方針と取組

フランスベッドグループは経営理念として、「創造と革新により『豊かさとやさしさ』のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指す」という経営理念を掲げています。この経営理念のもと、フランスベッドグループはステークホルダーの皆さまとの信頼を確立し、グループ内で共有する価値観に基づく公正かつ透明な企業経営の下で、持続可能な社会の発展に貢献するため、サステナビリティ経営を推進します。

サステナビリティの視点は多岐に亘り、企業の事業推進における社会に与える影響や社会要請に対応する視点に加え、事業を通じて社会価値創造に貢献する視点を持ったうえで、下記の基本方針に則り推進してまいります。

 

<サステナビリティ基本方針>

(1) 環境保全

当社グループは、環境負荷の削減を図り、地球環境を保全するため、省エネルギーや再生可能エネルギーの利用促進など、積極的な取り組みを行います。

(2) 社会貢献

当社グループは、事業活動を通じて、社会課題の解決と安心・安全な地域社会や国際社会の発展に貢献します。

(3) ガバナンス

当社グループはコーポレート・ガバナンス方針を遵守し、ステークホルダーとのコミュニケーションを通じて透明性の高い経営を行うことで、社会の信頼と期待に応えます。

(4) 人材育成

当社グループは、社員が豊かな人間性を持ち、能力を最大限に発揮できるよう、健康で働きがいのある職場環境を整備し、人材育成に取り組みます。

(5) 人権尊重

当社グループは人権方針を遵守し、人種、国籍、性別、思想、宗教や、社会的身分を理由とした人権リスクに対応し、人権侵害に加担することのないように努めます。

(6) 安全衛生

当社グループは、安全で安心して働ける職場づくりと、心身の健康づくりを支援し、働き甲斐のある就業環境の整備を促進します。

 

<当社のサステナビリティ経営に向けたマテリアリティ(重要課題)>

当社グループの事業戦略、ガバナンス、リスク管理の観点から重要性について検討した結果をもとに、当社のサステナビリティ経営に向けたマテリアリティ(重要課題)を次のとおり取締役会で特定しております。

 

(重要課題)

・より安心で安全な高付加価値製品の提供

・資源のリユース・リサイクルの追求

・CO2 排出削減とエネルギー転換

・人材の育成

・ダイバーシティおよびワークライフバランスの推進

・事業を支える基盤(ガバナンス・コンプライアンス・健全な財務)

 

2.ガバナンス

当社グループは、気候変動問題等をグループ横断で取り組むべき重要課題と考え、当社代表取締役社長を統括責任者とし、当社取締役副社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置し、サステナビリティ推進体制を構築しております。

サステナビリティ委員会は、当社取締役および執行役員の他、委員長が指名するメンバーによって構成され、当社の社外取締役ならびに常勤監査等委員がオブザーバーとして参加しております。

サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する重点課題(マテリアリティ)の特定と目標設定、全体計画の立案、進捗状況のモニタリング、達成状況の評価を行い、その状況につきましては、定期的に取締役会に対して報告を行っております。

 

3.リスク管理

当社グループにおける事業運営上関連するリスク及びコンプライアンスに関する重要事項についてはグループ情報管理委員会にて討議し、その結果を踏まえ、関係部門に対する助言、取締役会他経営に対する報告・提言を行うことにより、グループ全体のリスクマネジメントに努めております。

当社グループにとって重要なリスクへの対応は、サステナビリティ委員会で、取締役会が決定した方針に基づき、対応方針の策定、目標・施策の討議および進捗状況のモニタリングを行い、取締役会に報告・決定する仕組みとしております。

 

4.気候変動に対する取組

◆戦略

当社グループでは、気候変動がもたらす事業活動に係る重要なリスクと機会の明確化に向けて、信頼性のある外部機関によるシナリオ群を活用しつつ、「脱炭素シナリオ(1.5℃~2℃)」、「温暖化進行シナリオ(2.7℃~4℃)」の2つのシナリオ分析を進め、重要なリスク(移行リスク、物理的リスク)と機会に対する対応を進めてまいります。

 

・2℃シナリオ

リスク

リスク種類/機会

要因

想定される当グループへの

財務的影響

戦略・対応

時期

低炭素経済への「移行」に関するリスク

政策・法規制リスク

カーボンプライシングの導入拡大による負担増

当グループ事業における原材料には化石燃料由来があり、かつ、マットレススプリング材料である硬鋼線等上流の生産プロセスで排出されるCO2排出量も含めた場合、カーボンプライシング導入拡大による負担は甚大となる。

当グループならびにサプライチェーンと連携した生産プロセスで排出されるCO2も含めたCO2排出量の削減

中期

技術リスク

再生可能エネルギー利用義務化(利用が不可避)

当グループ事業の生産工程で使用するエネルギーのうち、電力の占める割合は高く、再生可能エネルギー由来の電力購入は事業コストの増加につながる。

また、全世界でクリーンエネルギー需給の争奪が繰り広げられることでクリーンエネルギーが調達できないリスクもある。

・社会の再生可能エネルギーの普及が進むことに伴うCO2排出係数の低下
・再生可能エネルギーの効率的な調達検討

長期

市場リスク

・低炭素製品の需要増、化石燃料由来原料に対する消費者意識の変化

・環境負荷/廃棄コストがかからない製品需要の高まり

環境配慮型製品開発の遅れ、化石燃料由来の原料に代わる代替原料開発の遅れによる売上減少リスクがある。また、これら製品開発に係る開発費増加。

環境負荷に配慮した製品開発、製造時のCO2排出量を削減することによる製品等付加価値向上、カーボンプライシングの負担減少によるリスク要因極小化

中期

機会

廃棄コストを抑えるレンタルや耐久消費製品需要が拡大するとともに、環境配慮型製品への志向が高まる。

・更なる高品質な製品生産
・レンタル需要増加を捉えた安定供給できる事業体制の構築

中期

 

 

・4℃シナリオ

リスク

リスク種類/機会

要因

想定される当グループへの

財務的影響

戦略・対応

時期

気候変動による「物理的」変化に関するリスク

急性リスク

台風・洪水・集中豪雨の増加による生産活動の停止やサプライチェーン分断

事業拠点被災による復旧コストならびに保険料の増大による財務影響が考えられる。

また、サプライチェーン寸断による事業縮退や停止影響がある。

中長期的なBCP対策の実施および定期的な見直し

中長期

慢性リスク

気温上昇、海面上昇といった長期的な気候パターンの変化における事業活動に与える影響

原材料の調達コストが上昇し続ける、あるいは調達停止による事業縮退リスクがある。

また、当社ならびにサプライチェーン従業員全体の健康脅威によるサービス提供に影響を与える恐れがある。

 

◆指標と目標

当社グループでは、「持続可能な社会の実現とグループの成長」を目指し、「社会・環境価値」、「経済価値」の両面における持続的な価値向上を図るよう、気候変動に係る指標と目標を設定し、モニタリングを行ってまいります。

 

・CO2排出量の目標(対象:フランスベッド㈱)

項目

2020年度実績

2030年度目標

2050年度目標

スコープ1(直接排出)

5,444 t-CO2

3,800 t-CO2

排出量ゼロ

スコープ2(間接排出)

3,937 t-CO2

2,800 t-CO2

スコープ3(1,2以外のその他排出)

サプライチェーンの温室効果ガス排出削減活動

※2030年度の目標値は2020年度実績に対し、30%削減を目標としています。

 

 

5.人的資本・多様性に関する取組

◆戦略

企業を支えるのは人財であるという大前提に基づき、多様性を尊重し、なかでも当社グループの成長に不可欠となる女性の採用と継続的育成・活躍、障がい者の積極雇用と継続的なフォロー・育成に加え、外国人労働者の雇用創造、高齢労働者への能力開発とスキルアップの場を計画的に提供することで、社会の要請に応えられる社員の育成を図ってまいります。

これらの実行により、経営理念に掲げている『人にやさしいヒューマンカンパニーを目指します』の具現化を目指します。

 

<フランスベッドグループ 人財育成方針>

フランスベッドグループでは、経営理念の実践にむけ、グループ行動規範を体現できる人材を育成しています。教育プログラムを充実させ、フィードバックと評価により自分自身の成長やキャリア形成に取り組み、会社と共に成長していくことが出来る環境を整備しています。

 

(1) 明確なキャリアパスの設定

従業員がキャリアを積み、将来的にどうありたいかを明確にすることとし、会社はそのサポートを担います。

(2) 社内教育プログラムの充実

社内教育プログラムまたは、外部教育機関等を通じて従業員の業務遂行に必要なスキルや知識、さらにはリーダーシップやコミュニケーションなどのソフトスキルアップをサポートします。

(3) メンタリングプログラムの実施

メンタリングプログラムは、従業員の成長を支援するための重要な要素として、経験豊富な従業員が若手社員を指導することとしています。

(4) フィードバック文化の確立

従業員が自己評価を行い、改善点を見出すことを目的に、フィードバックの定着を図ります。

(5) ワークライフバランスの重視

従業員のストレスや疲労軽減、余暇の充実を目的に、仕事とプライベートの両方をバランスよく過ごせるような環境を整備します。

 

◆指標と目標

・ダイバーシティの目標(対象:フランスベッド㈱)

項目

2022年度実績

2030年度目標

総従業員に占める女性比率(非正規雇用を含む)

32.1%

35%以上

管理職に占める女性比率

5.1%

15%以上

障がい者雇用率

2.8%

3.0%以上

育児休業取得率(女性)

100.0%

100%維持

育児休業取得率(男性)

12.8%

50%以上

※2022年度の実績はフランスベッド㈱の数値です。

 

・男女間賃金差異の目標(対象:連結会社)

項目

2022年度実績

2030年度目標

全労働者

67.9%

72.0%

うち、正社員

77.8%

82.0%

うち、パート・有期社員

78.8%

82.0%

※男女の賃金差異(男性100%に対する女性の賃金割合)

 

3【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループではこのようなリスク管理をはじめとして、会社情報の管理・統制、コンプライアンス等の内部統制に関する事項を検討する機関として「情報管理委員会」を設置し、情報の収集に当たり、取締役会への報告を行っております。

また、当社グループは「経営危機対策規程」を定め、「経営危機」と判断される事象が発生した場合には速やかに代表取締役会長兼社長を本部長とする危機管理対策本部を設置し、対策を実施することとしております。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 当社グループの事業環境に関するリスク

① 当社グループが行っているメディカルサービス事業は、介護保険法に基づく介護保険制度に大きく依存しており、介護保険に関連する当事業の売上高の5割以上を占めております。この対策として、当社グループでは介護保険制度に過度に依存しない収益基盤づくりを行い、アクティブシニアをターゲットとする「リハテック」ブランド製品の開発・販売に注力し、介護保険関連以外の売上高の拡大を図っております。しかし、介護保険制度は3年ごとに改定が行われることから、その改定内容において当社グループが提供しているサービス等が保険適用外に指定されたり、適用率が減少した場合等には売上高が減少し、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

② 当社グループが行っているインテリア健康事業の取引先が属する家具小売市場は、景気動向やそれに伴う消費マインドの増減、地価動向及び住宅税制等の影響を比較的受け易い傾向にあります。この対策として、既存の家具販売店等との取引に加えて、EC企業やホームセンター、量販店など幅広く多業種への販路拡大を推進し売上高の維持と収益の確保を図っております。しかし、景気の低迷による所得の減少、市場金利の上昇、地価上昇及び住宅税制の課税強化、少子高齢化の進行等により市場の需要が減少した場合、また、製品の差別化を図るものの、他社が類似の製品や技術分野で先行した場合には、売上高が減少し、取扱製商品の販売価格が下落する等により利幅が縮小する可能性がある他、取引先の経営状態の悪化や、貸倒れの発生等により当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 製品の欠陥に関するリスク

当社グループは、各工場において、JIS(日本工業規格)及び同規格よりも厳しい独自の品質基準であるFES(FRANCEBED ENGINEERING STANDARDS)を制定し、それらに基づいて各種の製品を製造しております。しかし、すべての製品について欠陥が発生しないという保証はありません。また、当社グループは製造物責任賠償に係る保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありませんし、引き続きこのような保険に加入できるとは限りません。

万一製品に欠陥が生じ、当社グループが賠償責任を負う場合、また、顧客の安全のために大規模なリコールを実施した場合等においては、監督官庁による処分を受ける可能性があるとともに、製品回収や損害賠償責任等の費用の発生、さらに当社グループ及び製品に対する社会的信用を低下させ、ブランドを毀損した場合には、売上高が減少し、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 個人情報漏洩等に関するリスク

当社グループは、事業の特性上大量の顧客情報等の個人情報を取扱っており、個人情報保護には特に配慮して対策を進め事業活動を行っております。また、当該リスクによる各種損害の軽減、ならびに被害者の方への賠償を行う目的で、損害賠償保険に加入しております。しかし、万一サイバー攻撃等による情報セキュリティ事故が発生し個人情報の漏洩があれば、法的責任を負う可能性がある他、社会的信用を大きく毀損することとなり、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 信用に関するリスク

当社グループは、様々な営業取引を行っており、取引先の信用悪化や経営破綻等による損失が発生する信用リスクを負っております。したがって、当該リスクを管理するために、取引先毎に取引限度額や代金決済方法等を定め、更に債権管理委員会を設置し、その動向を検証・管理することで機動的な運営を行っております。しかし、このリスクを全て排除することは困難でありますので、取引先の信用悪化や経営破綻等があれば、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 為替変動等に関するリスク

当社グループは、原材料及び取扱製商品の輸出入取引を行っており、それらに係る外貨建金銭債権債務(外貨建予定取引を含む。)は、為替相場の変動リスクを有しております。この対策として当社グループは、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的でデリバティブ取引を行っておりますが、間接的な影響を含め、これをすべて排除することは困難であります。したがって、為替相場の変動が当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの輸出入取引は、アジア・ヨーロッパを中心とした複数の国々と行っており、今後もその取引は継続されます。したがって、各国の経済情勢の変化及び災害や暴動・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱の発生等に伴う輸出入環境の変化が、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 災害に関するリスク

当社グループは日本国内を中心に多くの事業拠点を有しており、台風、地震などの自然災害、火災・停電などの事故、疫病の流行等が発生し、対象拠点等の休止により事業活動が停止した場合や施設の改修に多額の費用が発生するリスクを有しております。

また、新型コロナウイルス感染症のように、未曾有のウイルス感染が拡大したような場合には、当社の役職員や関係者の安全を最優先とし、さらには感染拡大防止のため、事業活動を大幅に縮小する必要が生じます。このような事態が生じた場合、当社グループでは、直ちに当社代表取締役会長兼社長を責任者とする危機管理対策本部を設置し、役職員個々人や部門別の行動レベルまで落とし込んだ事業継続計画に基づいて、対策を実施してまいります。しかしながら、影響が及ぶ期間や経済への影響度合いなどによっては、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 社会情勢の変化に関するリスク

当社グループが行っている事業活動は、主に海外の資源産出国における経済情勢の変化及び災害や暴動・テロ・戦争・その他の要因による社会的混乱の発生等に伴い、資源需要や資源価格の変動等による影響を受けるリスクを有しております。これらに対して国内や海外各国の社会情勢については常に動向を注視しておりますが、原材料や商品仕入価格をはじめ、一般費用まで当社グループにかかるコストが増加する可能性があり、当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 人材確保に関するリスク

当社グループは、継続的に事業の拡大を図り安定的な成長を達成するために、定期的な新卒採用や必要に応じたキャリア採用等を行い、またシニアの経験を活かした継続雇用制度、パート社員からの社員登用制度を通じて、安定的に人材を確保することに加え、社内外での研修受講などで人材育成を行うことにより、各事業において提供するモノとサービスの品質の維持と向上に努めております。

当社グループでは、今後も引き続き人材の確保と育成に努めてまいりますが、必要な人員計画の未達や想定以上の人員流出などによる人材不足が発生した場合、これらに起因する業務効率の低下などにより当社グループの経営成績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度(以下「当期」という。)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和に伴い社会経済活動が正常化に向けて進んだ一方、ウクライナ情勢に起因するエネルギー価格をはじめとした物価の上昇や欧米各国の金融引き締めによる急激な為替変動など、先行きは不透明な状況で推移いたしました。

当社グループが属する介護業界においては、高齢者人口の増加を背景に、在宅介護需要の伸びは継続して推移した一方、家具・インテリア業界においては、生活必需品を中心とした物価上昇等を受けて、耐久消費財への消費マインドは低下が続きました。

このような状況の中、当社グループでは、2021年4月から3カ年にわたる中期経営計画をスタートさせ、グループで保有する経営資源をシルバービジネスに集中することで、新しい商品やサービスを通じて、介護人材の不足や老老介護の増加などの社会全体で抱える課題の解決を図っていくとともに、持続可能な社会の実現に向けたESG経営を推進していくことにより、企業価値の更なる向上を目指すという方針のもと、主な施策として、①福祉用具貸与事業への経営資源集中による事業拡大(メディカルサービス事業)、②時代のニーズに合った商品展開による利益率の向上(インテリア健康事業)、③継続的な企業成長を支える経営基盤の強化、に取り組んでおります。

こうした中で、当期における財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当期末の資産合計は、前連結会計年度末(以下「前期末」という。)と比較して381百万円増加し64,679百万円となりました。

当期末の負債合計は、前期末と比較して202百万円減少し26,555百万円となりました。

当期末の純資産合計は、前期末と比較して584百万円増加し38,124百万円となりました。

b.経営成績

メディカルサービス事業において、主力の福祉用具貸与事業が堅調に推移したことやM&Aによる増収効果に加え、インテリア健康事業においても、電動ベッドや健康機器等の高価格帯商品が好調に推移した結果、当社グループの経営成績は、売上高は58,578百万円(前年同期比7.6%増)となりました。

また、原価率の上昇抑制に取り組んだことにより、営業利益は4,481百万円(前年同期比14.3%増)、経常利益は4,485百万円(前年同期比13.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,702百万円(前年同期比5.6%増)となりました。

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

・メディカルサービス事業

メディカルサービス事業の売上高は38,053百万円(前年同期比10.3%増)、経常利益は3,363百万円(前年同期比16.6%増)となりました。

・インテリア健康事業

インテリア健康事業の売上高は19,949百万円(前年同期比2.7%増)、経常利益は1,141百万円(前年同期比2.1%増)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当期末の現金及び現金同等物残高は、前期末と比較して422百万円減少し10,355百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、8,928百万円の収入(前年同期は6,011百万円の収入)となりました。主な要因として、税金等調整前当期純利益4,366百万円、非資金項目である減価償却費5,562百万円の計上、売上債権の増加325百万円、仕入債務の減少322百万円、法人税等の支払1,042百万円などによるものであります。

なお、前年同期と比較して大幅に収入が増加した主な要因は、前期において法人税等の支払が多額であったこと、当期においては、税金等調整前当期純利益が増加したことなどによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、6,691百万円の支出(前年同期は7,778百万円の支出)となりました。主な要因として、有形固定資産の取得4,438百万円や無形固定資産の取得361百万円、有価証券の取得などの支出によるものであります。

 

なお、前年同期と比較して支出が減少した主な要因は、前期はメディカルサービス事業においてM&Aや大型の設備投資を実施した一方で、当期はメディカルサービス事業におけるレンタル資産の有効活用等により固定資産の取得が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、2,659百万円の支出(前年同期は316百万円の収入)となりました。収入については、長期借入金2,000百万円、社債の発行1,465百万円、セール・アンド・リースバック2,980百万円であり、支出については、短期借入金1,425百万円、長期借入金の返済262百万円、社債の償還2,100百万円、自己株式の取得382百万円、ファイナンス・リース債務の返済3,703百万円、配当金の支払額1,230百万円によるものであります。

なお、前年同期と比較して支出超過となった主な要因は、前期は事業拡大に向けた投資所要資金を長期借入金にて調達した一方で、当期は、メディカルサービス事業におけるレンタル資産の有効活用によりセール・アンド・リースバックによる収入が減少したことによるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 ・生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディカルサービス(百万円)

2,334

104.6

インテリア健康(百万円)

7,065

101.2

その他(百万円)

合計(百万円)

9,399

102.0

(注) 金額は製造原価によっております。

 

 ・外注実績

当連結会計年度の外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディカルサービス(百万円)

2,616

90.1

インテリア健康(百万円)

1,345

102.6

その他(百万円)

合計(百万円)

3,962

94.0

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 ・仕入実績

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディカルサービス(百万円)

6,044

95.0

インテリア健康(百万円)

1,521

102.7

その他(百万円)

合計(百万円)

7,565

96.4

(注) 金額は仕入価格によっており、セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

b.受注実績

当社グループの製品につきましては全般的に生産に要する期間が短く、また、同一製品において見込生産と受注生産を行っており、区分して算出するのが困難なため記載を省略しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

メディカルサービス(百万円)

38,053

110.3

インテリア健康(百万円)

19,949

102.7

その他(百万円)

575

116.4

合計(百万円)

58,578

107.6

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当期の売上高につきましては、メディカルサービス事業、インテリア健康事業ともに増収となりました。

メディカルサービス事業においては、当事業の主力事業である福祉用具貸与事業が堅調に推移したことに加え、前期実施したM&Aによる増収効果により、増収幅は前年同期比3,568百万円となりました。

インテリア健康事業においては、電動ベッドや健康機器等の高価格帯商品が好調に推移した結果、売上高は前年同期比530百万円の増収となりました。

これらの結果、当期の売上高は、前年同期比4,180百万円増加(7.6%増)し、58,578百万円となりました。

営業損益につきましては、メディカルサービス事業において原価率が低い介護レンタル売上が堅調に推移したこと、また、インテリア健康事業において採算性の高い高付加価値商品の販売が好調だったことや原価率の上昇抑制に取り組んだ結果、売上原価率を前年同期比0.1ポイントの上昇(46.7%)に留めたことにより、当期の営業利益は、前年同期比562百万円増加(14.3%増)し、4,481百万円となりました。

経常損益につきましては、営業外収支が前年同期と比して37百万円の収支悪化となりましたが、営業増益により、当期の経常利益は、前年同期比525百万円増加(13.2%増)し、4,485百万円となりました。

特別損益につきましては、前期発生した連結子会社であるフランスベッド㈱における北海道千歳倉庫の雪害に対する受取保険金148百万円の計上などにより、特別利益が前年同期比10百万円増加した一方で、投資有価証券評価損219百万円の計上などにより、特別損失が前年同期比53百万円増加しました。

これらの結果、当期の税金等調整前当期純利益につきましては、前年同期比482百万円増加(12.4%増)し、4,366百万円となりました。これより税金費用1,664百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年同期比144百万円増加(5.6%増)し、2,702百万円となりました。

 

<経営成績に重要な影響を与える要因について>

「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関わる情報

当社グループにおける主な資金需要は、当社及び子会社が事業活動を行っていく上で必要な運転資金及び設備投資資金であります。設備投資の主なものは、メディカルサービス事業の福祉用具貸与事業に係るレンタル用の資産への投資や、インテリア健康事業の生産設備に対する投資等であります。

これらの資金需要に対しては、主として営業活動からのキャッシュ・フローと金融機関からの借入、社債(私募債)、セール・アンド・リースバックにより調達しており、グループとして最適な資金調達を実現するために当社が中心となり調達を行っております。

また、当社グループではCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、グループ各社における余剰資金を当社に集中し、一元管理を行うことで金融費用の削減を図っております。当期末における当社グループの有利子負債残高は14,337百万円となりました。内訳としては、短期及び長期借入金6,650百万円(短期借入金2,550百万円、長期借入金4,100百万円(一年内返済予定を含む))、社債1,800百万円(1年内償還予定を含む)、リース債務5,887百万円(長期を含む)であります。

一方、当期末における現金及び現金同等物の残高は10,355百万円となり、前期末と比較して422百万円減少しております。将来発生し得る資金需要について、当社グループの主力事業であるメディカルサービス事業の福祉用具貸与事業に係るレンタル資産への投資に関しては、セール・アンド・リースバックにより、その他の大型設備投資に関しては、手元資金及び銀行借入により、また、運転資金、株主還元に関しては、営業活動によって得られるキャッシュ・フロー及び手元資金により対応可能と認識しております。

 

<経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等>

当社グループは、2021年4月から始まる3カ年の新中期経営計画をスタートさせ、事業を通じて、人々の暮らしに役立つ製品やサービスを提供し、新たな価値の創造に挑戦し続けることで、社会から100年を超えて存続を期待される企業であると共に、ESGを重視した経営に努めることで、社会的な価値もあわせて創造する、「社会の役に立ち、社会に貢献する」企業を目指し、主に、主力事業のメディカルサービス事業への経営資源集中による事業拡大と、インテリア健康事業の時代のニーズに合った商品展開による収益性の改善に取り組んでおります。

当中期経営計画において重視している点の1つはROEの向上です。ROEは、収益性(売上高純利益率)と効率性(総資産回転率)と財務レバレッジを掛け合わせたもので算出されますが、当社グループでは、当中期経営計画の中で、収益性の高い主力のメディカルサービス事業の福祉用具貸与売上を伸ばしていくことと、インテリア健康事業の収益性の改善を図ることで、事業全体の収益性を改善していくことを最優先課題としております。

こうした中で、当期におきましては、前期と比較して親会社株主に帰属する当期純利益が増加したことなどによりROEは7.1%となりましたが、当中期経営計画3年目にあたる2024年3月期においては、ROEを8%以上に向上していくことを目指しております。

中期経営計画の数値目標は以下のとおりであります。

指標

2023年3月期(実績)

2024年3月期(目標)

売上高

58,578百万円

59,000百万円

営業利益

4,481百万円

4,850百万円

親会社株主に帰属する

当期純利益

2,702百万円

3,200百万円

ROE(自己資本利益率)

7.1%

8.0%

 

<セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容>

財政状態の状況

・資産

当期末の総資産は、前期末と比較して381百万円増加し64,679百万円となりました。流動資産は前期末と比較して1,806百万円増加し32,966百万円となりました。主な要因は、受取手形、売掛金並びに電子記録債権326百万円、有価証券2,000百万円などの増加に対し、現金及び預金422百万円などの減少によるものであります。固定資産は前期末と比較して1,448百万円減少し31,680百万円となりました。主な要因は、有形及び無形固定資産の取得及び償却、投資有価証券の減少などによるものであります。

・負債

負債は、前期末と比較して202百万円減少し26,555百万円となりました。主な要因は、借入金(長期を含む)312百万円、未払法人税等584百万円などの増加に対し、支払手形及び買掛金(電子記録債務を含む)322百万円、社債(一年内償還含む)600百万円、リース債務(長期を含む)770百万円などの減少によるものであります。

・純資産

純資産は、前期末と比較して584百万円増加し38,124百万円となりました。主な要因として、増加については、親会社株主に帰属する当期純利益2,702百万円などによるものであり、減少については、剰余金の配当1,232百万円や自己株式の取得381百万円などによるものであります。

以上の結果、自己資本比率は、前期末の58.3%から58.9%となりました。

 

 経営成績の状況

・メディカルサービス事業

主力の福祉用具貸与事業においては、継続して営業員及びメンテナンス人員を増強するとともに、今後の東京都の高齢者人口の増加に伴う、福祉用具や医療機器への需要拡大に対応するため、2022年5月、福祉用具レンタル商品の洗浄・消毒・メンテナンスを担う「メディカレント東京」を新設いたしました。同施設では、メディカルサービス事業の本部機能を統合させ、利益拡大と環境負荷軽減を目的とした「レンタルに適した商品開発」や「レンタル商品の有効活用」などに重点的に取り組んでおり、「レンタル商品の有効活用」については、廃却数の大幅削減や新規レンタル投下の抑制、メンテナンス効率が向上する治具の開発など、成果が導出されております。

病院・福祉施設向け販売に関しましては、世界的な半導体不足、資材高騰などの影響が少なからずあったものの、看護・介護現場の業務省力化に資する機能を有するベッドへの入替需要が顕著であり、機能ベッド及び付属品、見守りセンサーを中心とした介護ロボットの販売が好調に推移いたしました。

以上の結果、メディカルサービス事業の売上高は38,053百万円(前年同期比10.3%増)、経常利益は3,363百万円(前年同期比16.6%増)となりました。

・インテリア健康事業

インテリア健康事業においては、資源価格高騰や円安の影響で製造原価が上昇したものの、除菌機能標準搭載・エコマーク認定の「ライフトリートメントマットレス」やベッド型マッサージ器、電動ベッドシリーズなど高価格帯商品の販売に注力した結果、耐久消費財への消費マインドが低下する中、増収増益を確保いたしました。

また、廃棄時にマットレスの解体を容易にするマットレスの開発など、業界に先駆けた取り組みが評価され日本環境協会が主催する「エコマークアワード2022」において最優秀賞を受賞いたしました。

近年、国内家具店が減少する中、当社グループの商品をお見せする場を拡大するためのショールーム展開では、消費者の多様なニーズに応えるべく「なんばショールーム」を2022年4月に、備後エリア初出店となる「福山ショールーム」を2023年2月に新設。併せて旗艦ショールームである「赤坂ショールーム」や「大阪ショールーム」をはじめ、「旭川ショールーム」、「札幌ショールーム」などの既存ショールームをリニューアルいたしました。

国内ホテルに対しましては、コロナ禍収束に伴い、国内での全国旅行支援やインバウンドの回復などにより、宿泊需要が回復する中、エコマーク認定のホテルマットレスなど付加価値の高い商品の販売に注力いたしました。

以上の結果、インテリア健康事業の売上高は19,949百万円(前年同期比2.7%増)、経常利益は1,141百万円(前年同期比2.1%増)となりました。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っております。当社グループは特に下記の会計方針が重要な見積り及び判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症拡大による会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

a.貸倒引当金

当社グループは、売掛金等の債権の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収の可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、取引先の経営状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

b.棚卸資産

当社グループは、定期的に棚卸資産の処分又は評価替を行うことにしております。実際の将来需要又は市場状況が見積りより悪化した場合、追加の処分損及び評価損の計上が必要となる可能性があります。

 

c.投資有価証券の減損

当社グループは、長期的な取引関係維持のために、取引先及び金融機関の有価証券を所有しております。これらの有価証券の減損にあたっては、個別銘柄毎に、連結会計年度末における時価が期首取得原価に比べ30%以上下落したときは、連結会計年度中の時価の推移を勘案して、回復可能性があると認められる場合を除き減損処理を行っております。

将来の市況の悪化や投資先の業績の不振により、現在の簿価に回復する可能性が見込めない事態が発生した場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。

d.繰延税金資産

当社グループは、将来年度の収益力及び慎重かつ継続的に検討した実現性の高いタックスプランニングに基づく課税所得の見積額により回収可能性を判断し繰延税金資産の計上を行っておりますが、繰延税金資産の全部又は一部が将来的に回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取り崩します。

e.退職給付に係る負債

当社グループは、当該連結会計年度末の退職給付債務及び年金資産の見込額に基づき、当該連結会計年度末において発生していると認められる額を計上しておりますが、前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。長期金利の変化、年金資産の運用状況等の年金を取り巻く市場環境の変化、医療環境の進歩、生活環境の向上等による統計数値の変化、また、報酬制度、退職金制度の見直し等の企業環境の変化等、様々な要因により将来的に退職給付に係る負債に影響を及ぼす可能性があります。

f.固定資産の減損

当社グループは、事業を行うにあたり固定資産を保有しておりますが、時価の下落や収益性の低下等により減損処理が必要となった場合、減損損失を計上する可能性があります。

g.のれんの減損

当社グループは、のれんについて四半期ごとに減損の兆候の判定を実施しております。なお、減損の兆候の判定には、将来の事業計画や市場の動向などを判断材料としており、これらの判断材料が大きく変化した場合、のれんの減損損失を認識する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

技術援助契約の概況

当社グループの技術導入に関する契約の主なものは次のとおりであります。

契約会社名

契約先

契約締結年月日

契約の内容

摘要

国名

名称

フランスベッド㈱

スウェーデン

ヒルディング・アンダーズ・インターナショナル AB

2021年1月26日

ベッドの製造技術及び商標使用権

(1)対価 実施料

(2)契約期間 2025年12月31日まで

 

 

6【研究開発活動】

当社グループは、「創造と革新により『豊かさとやさしさ』のある暮らしの実現に貢献するヒューマンカンパニーを目指す」という経営理念のもと、健康で安全な生活の実現のためにご利用者一人ひとりにふさわしい機能をもった創造性豊かな「付加価値のある商品」の提供を企業の使命と考え、研究開発活動を行っております。また、フランスベッド株式会社では、海外及び国内の「薬機法」規制に対応するため、2006年度に取得したISO13485/ISO9001の認証機関による認証取得の継続維持を行うとともに、輸出相手国から求められるコンプライアンスへの対応を行うため、商品の開発から販売に至るQMS(Quality Management System)を機能させ、一層の品質改善に努め、お客様から信頼される企業グループを目指してまいります。

当連結会計年度における当社グループの研究開発費の総額は185百万円であり、これにはフランスベッド株式会社スリープ研究センターの人間工学・医学面からの健康に関する寝具や睡眠についての総合研究等の基礎研究費が含まれております。主な活動内容及び成果は次のとおりであります。

(メディカルサービス事業)

当事業においては、国民の4人に1人が高齢者という「超高齢社会」に対応すべく、ご利用者1人ひとりにマッチした機能商品の開発や、介護人材不足の問題に対し、労力軽減につながる商品の開発を行なっております。

在宅介護向け商品では、パーツの軽量化と直感的な構造により1人でも組み立てが可能となる、取引先や納入業者の労力軽減につながる介護ベッドの開発を行いました。

病院・施設向け商品では、多様な機能を備え、一般病棟から集中治療室まで対応することが可能な「スケール付き多目的ベッド FB-C4DS-18」を2022年8月より展開いたしました。

アクティブシニア世代に向けたブランド「リハテック」では、安全性・操作性をさらに向上させた「ハンドル形電動車椅子 S745」を2023年2月に展開いたしました。

また、今後の海外事業拡大の為、輸出相手国から求められるコンプライアンスに対応した介護ベッドの開発を行いました。

今後も、様々な様態の介護を必要とされる方や介護に携わる方の利便性や安全性、労力軽減を追求した福祉用具や病院・介護ベッドの開発を行うとともに、AIやセンサー技術を利用し、認知症の方をサポートする商品やアクティブシニア世代向け商品の開発を継続的に行ってまいります。

なお、当事業に係る研究開発費は118百万円であります。

(インテリア健康事業)

当事業においては、ベッドを中心に「高齢化社会」への対応を図るとともに、高機能・高付加価値を追求した商品開発を行っております。また、世界的にも問題となっている環境問題への対応にも取り組んでおります。

電動リクライニングベッドでは、「グランマックス」及び「クォーレックス」ブランドの機能を統合し、豊富なバリエーションから選べる電動リクライニングベッドの展開に向けて開発を行いました。また、ベッド上でくつろぐ空間のご提供をテーマに、センサーを活用し眠りを追究したベッド開発、及びIoT対応スマートベッドの開発を促進いたしました。

マットレスでは、道具を使わず簡単に分解できる、リサイクルしやすく環境に優しい「MORELIY®(モアリー)」仕様のマットレスとして、「TD-ラメール」及び「TD-テーレ」を2023年2月に展開いたしました。また、EC市場向けモデルとして高密度連続スプリングを内蔵した圧縮ロールマットレス「FD-W02」を2022年11月に展開いたしました。

今後も、さらなる高機能・高付加価値・環境を追求したインテリア商材を開発してまいります。

なお、当事業に係る研究開発費は66百万円であります。