第一部【企業情報】

第1【企業の概況】

1【主要な経営指標等の推移】

(1)連結経営指標等

回次

第16期

第17期

第18期

第19期

第20期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

32,312

35,841

34,565

46,086

67,699

経常利益

(百万円)

3,861

5,665

6,347

14,159

28,459

親会社株主に帰属する

当期純利益

(百万円)

2,335

3,657

3,819

9,547

19,849

包括利益

(百万円)

2,455

2,705

3,216

8,674

23,689

純資産額

(百万円)

61,959

64,095

66,591

74,302

96,064

総資産額

(百万円)

68,670

71,040

75,009

89,750

115,712

1株当たり純資産額

(円)

513.66

531.57

552.23

616.05

796.18

1株当たり当期純利益

(円)

19.39

30.38

31.72

79.29

164.84

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

-

-

-

-

-

自己資本比率

(%)

90.1

90.1

88.7

82.7

82.9

自己資本利益率

(%)

3.84

5.81

5.85

13.57

23.35

株価収益率

(倍)

104.79

84.51

70.33

37.43

13.59

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

3,935

5,783

6,339

13,943

6,985

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

14,755

5,576

212

3,778

7,071

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

1,205

541

946

1,103

2,070

現金及び現金同等物の

期末残高

(百万円)

10,051

9,464

14,462

23,308

22,160

従業員数

(人)

1,448

1,435

1,485

1,539

1,666

(注)1.当社グループは、先端バイオ研究支援用の試薬・機器・受託および遺伝子治療薬等の再生医療等製品開発に注力し、競争優位性を確保することを目指しております。そのため、売上高に比し多額の研究開発投資を行っております。第16期から第20期までの各期の売上高に占める研究開発費の割合はそれぞれ14.4%、12.1%、11.2%、12.0%、9.0%となっております。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

(2)提出会社の経営指標等

回次

第16期

第17期

第18期

第19期

第20期

決算年月

2018年3月

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

売上高

(百万円)

20,976

21,740

21,984

33,885

50,398

経常利益

(百万円)

2,660

3,690

4,008

11,495

25,063

当期純利益

(百万円)

1,404

2,756

2,623

8,681

18,485

資本金

(百万円)

14,965

14,965

14,965

14,965

14,965

発行済株式総数

(株)

120,415,600

120,415,600

120,415,600

120,415,600

120,415,600

純資産額

(百万円)

57,932

60,146

61,927

69,645

86,204

総資産額

(百万円)

62,170

64,693

68,045

81,124

101,386

1株当たり純資産額

(円)

481.10

499.49

514.28

578.38

715.89

1株当たり配当額

(円)

4.50

7.00

8.00

16.00

33.00

(うち1株当たり中間配当額)

(-)

(-)

(-)

(-)

(-)

1株当たり当期純利益

(円)

11.67

22.89

21.79

72.10

153.51

潜在株式調整後1株当たり

当期純利益

(円)

-

-

-

-

-

自己資本比率

(%)

93.2

93.0

91.0

85.9

85.0

自己資本利益率

(%)

2.44

4.67

4.30

13.20

23.72

株価収益率

(倍)

174.19

112.15

102.40

41.17

14.60

配当性向

(%)

38.6

30.6

36.7

22.2

21.5

従業員数

(人)

471

480

517

570

669

株主総利回り

(%)

133.3

168.8

147.3

196.6

151.1

(比較指標:配当込みTOPIX)

(%)

(115.9)

(110.0)

(99.6)

(141.5)

(144.3)

最高株価

(円)

2,176

3,210

2,826

3,535

3,350

最低株価

(円)

1,397

2,006

1,481

2,070

2,146

(注)1.当社は、先端バイオ研究支援用の試薬・機器・受託および遺伝子治療薬等の再生医療等製品開発に注力し、競争優位性を確保することを目指しております。そのため、売上高に比し多額の研究開発投資を行っております。第16期から第20期の各期の売上高に占める研究開発費の割合はそれぞれ14.2%、12.2%、10.8%、11.1%、9.0%となっております。

2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため、記載しておりません。

3.最高株価および最低株価は東京証券取引所(市場第一部)におけるものであります。

2【沿革】

 当社は、2002年2月15日開催の寳酒造株式会社(現宝ホールディングス株式会社、以下、「宝ホールディングス」という。)の臨時株主総会におけるバイオ部門の営業に関する分割計画書の承認決議に基づき、バイオ事業の特性を最大限に発揮し、成長力と競争力を高める事業環境を整えるために、物的分割の方法により同社のバイオ事業を承継して同社の100%子会社として、2002年4月1日に設立されました。

 従いまして、本書中の記載内容のうち当社設立日以前に関する事項は、寳酒造株式会社におけるバイオ事業の営業に関するものであります。

(1)寳酒造株式会社バイオ事業部門の沿革

年月

事項

1970年1月

滋賀県大津市に中央研究所が竣工。

1973年10月

医食品バイオ事業開始。ブナシメジの人工栽培法を技術導出し、商業化。

1979年10月

遺伝子工学研究事業開始。国産初の制限酵素を発売。現在のバイオ産業支援事業開始。

1988年6月

PCR法による遺伝子増幅システムの国内独占販売権を獲得。

1990年1月

滋賀県草津市で研究用試薬製造・研究受託用施設(現当社草津事業所)稼働。

1993年8月

中国大連市にバイオ製品の製造を目的とする子会社宝生物工程(大連)有限公司を設立。

1995年3月

仏国ジュネビリエール町にバイオ研究用試薬の販売を目的とする子会社Takara Biomedical Europe S.A.(現Takara Bio Europe S.A.S.)を設立。

1995年5月

レトロネクチン法を開発。遺伝子医療事業開始。

1995年10月

韓国ソウル市にバイオ研究用試薬の販売を目的とする子会社Bohan Biomedical Inc.(現Takara Korea Biomedical Inc.)を設立。

2000年7月

三重県四日市市にゲノム配列解析を行う子会社ドラゴン・ジェノミクス株式会社を設立。

2001年7月

京都府瑞穂町(現京丹波町)にキノコの生産・販売を目的とする子会社瑞穂農林株式会社を設立。

 

 

(2)当社の沿革

年月

事項

2002年4月

バイオ研究用製品の製造・販売、研究受託サービス、医食品の製造・販売、遺伝子治療・細胞医療の開発を目的として、物的分割の方法により寳酒造株式会社よりバイオ事業を承継して滋賀県大津市に当社を設立。

2002年10月

100%子会社であるドラゴン・ジェノミクス株式会社を吸収合併。

2004年1月

米国マディソン市に研究用試薬等の販売を行う子会社Takara Mirus Bio, Inc.(Takara Bio USA, Inc.に商号変更)を設立。

2004年1月

中国北京市に遺伝子治療・細胞医療の研究開発・商業化を行う子会社宝日医生物技術(北京)有限公司を設立。

2004年12月

東京証券取引所マザーズに株式を上場。

2005年7月

米国マウンテンビュー市に米国における子会社管理を行う子会社Takara Bio USA Holdings Inc.を設立。

2005年9月

米国マウンテンビュー市所在の研究用試薬等の製造・販売を行うClontech Laboratories, Inc.の全株式をTakara Bio USA Holdings Inc.を通じて取得し、子会社とする。

2007年1月

沖縄県金武町にキノコの生産・販売を目的とする子会社株式会社きのこセンター金武を設立。

2007年12月

Clontech Laboratories, Inc.を存続会社としてTakara Bio USA, Inc.を吸収合併。

 

 

 

年月

事項

2011年5月

インド ニューデリー市に、研究用試薬の販売を目的とする子会社DSS Takara Bio India Private Limitedを設立。

2014年8月

スウェーデン ヨーテボリ市所在の幹細胞関連製品の製造・販売を行うCellectis ABの全株式を取得し、子会社とする。

2014年9月

Cellectis ABがTakara Bio Europe ABに商号変更。

2014年10月

遺伝子・細胞プロセッシングセンター(滋賀県草津市)が稼働し、再生医療等製品の開発・製造を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)事業を本格的に開始。

2015年8月

滋賀県草津市に新本社社屋が完成し、本社機能を移転。

2015年11月

Takara Bio Europe ABの全株式のTakara Bio Europe S.A.S.への現物出資を行い、間接所有へ変更。

2016年3月

東京証券取引所マザーズから同取引所市場第一部へ市場変更。

2016年4月

登記上本店所在地を滋賀県大津市から滋賀県草津市へ移転。

2016年4月

Clontech Laboratories, Inc.がTakara Bio USA, Inc.に商号変更。

2017年1月

米国アナーバー市所在の研究用試薬の開発・製造・販売を行うRubicon Genomics, Inc.の全株式をTakara Bio USA Holdings Inc.を通じて取得し、子会社とする。

2017年2月

米国フリーモント市所在の研究用試薬・機器の製造・販売を行うWaferGen Bio-systems, Inc.の全株式をTakara Bio USA Holdings Inc.を通じて取得し、子会社とする。

2017年3月

Takara Bio USA, Inc.を存続会社としてRubicon Genomics, Inc.を吸収合併。

2017年5月

Takara Bio USA, Inc.を存続会社としてWaferGen Bio-systems, Inc.を吸収合併。

2019年1月

健康食品にかかる事業を会社分割(吸収分割)の方法によりシオノギヘルスケア株式会社へ承継。

2019年3月

キノコにかかる事業を株式会社雪国まいたけへ事業譲渡。これにより、瑞穂農林株式会社および
株式会社きのこセンター金武を連結の範囲から除外。医食品バイオ事業の終了。

2020年1月

CDMO事業拡大および自社の遺伝子治療プロジェクトの上市準備、研究開発拡大に対応するため、遺伝子・細胞プロセッシングセンター2号棟を建設し、本格的に稼働。

2020年10月

体外診断用医薬品「Takara SARS-CoV-2 ダイレクトPCR検出キット」製造販売承認取得し、同年11月より発売。

2021年1月

英国ロンドン市に研究用試薬・機器の販売を目的とする子会社Takara Bio UK Ltdを設立。

2021年8月

Takara Bio USA, Inc.の本社を米国マウンテンビュー市からサンノゼ市へ移転。

2022年4月

東京証券取引所の市場区分の見直しにより、同取引所の市場第一部からプライム市場に移行。

 

 

3【事業の内容】

 当企業集団は、当社の親会社、当社および当社の関係会社(子会社)9社(以下、当社を含めて「当社グループ」という。)で構成され、バイオ産業支援および遺伝子医療の各事業を展開しております。当社グループの事業内容と当該事業における各社の位置づけは次のとおりであります。

 なお、セグメント情報を記載していないため、事業分野別に記載しております。

(1)現在の事業内容

① バイオ産業支援

 当社グループは、バイオテクノロジーを利用して研究、製品開発、検査事業等を行う大学、公的研究機関や企業、検査会社を主な顧客としております。このような顧客に対し、当社グループの製品・商品およびサービスを販売代理店経由または顧客に対して直接提供しております。その際、技術資料集等を印刷物として配布もしくは当社ホームページに掲載する等の販促活動を行い、付加価値を高め、競合との差別化を図っております。

1)バイオテクノロジーの研究開発および産業利用の状況

 バイオテクノロジーとは、医療、創薬、診断、農業、環境、資源・エネルギー等の分野で、生物が持つ能力や性質を有効に活用するテクノロジーを指します。1970年代に遺伝子組換え技術が開発され、近代バイオテクノロジーの利用が始まりました。その後も、ゲノムや幹細胞等の分野で相次いで技術革新が進み、世界的にバイオテクノロジーを活用した基礎・応用研究や製品開発が積極的に行われ、その領域は拡大し続けております。

2)当社グループの事業領域について

 当社グループは、遺伝子工学技術および細胞工学技術を基盤技術として、大学、公的研究機関や企業の基礎研究を支援する研究支援分野から、企業等の産業活動を支援する産業支援分野まで幅広い製品・商品やサービスの展開に注力しております。

 バイオテクノロジーによる研究開発は、遺伝子や細胞レベルで生命現象を解明することが基本となります。当社グループは、遺伝子や細胞を解析するためのテクノロジーとして、PCR/リアルタイムPCR、クローニング、遺伝子/タンパク質発現、遺伝子導入、ベクターシステム、次世代シーケンス、ゲノム編集、幹細胞等の遺伝子工学および細胞工学技術を培ってまいりました。これらの技術を基盤とし、分子生物学分野におけるDNA/RNA解析製品、酵素等のバルク/カスタム製造、細胞生物学分野における幹細胞(ES/iPS細胞等)関連製品、シングルセル解析へと製品・商品およびサービスを拡大させております。さらに、研究支援分野から産業支援分野へ事業領域を拡大させるべく、GCTP/GMP(注)に準拠した再生医療等製品等の製造受託や研究開発パートナーとしての受託サービス等を行うCDMO(Contract Development and Manufacturing Organization)事業を展開しております。CDMO事業では、研究用試薬、遺伝子治療・細胞医療の臨床開発で培った技術・ノウハウを活用し、遺伝子解析・検査関連受託や再生医療等製品関連受託サービスを展開しております。

(注)GCTP(Good Gene, Cellular and Tissue-based Products Manufacturing Practice)は再生医療等製品の製造管理および品質管理の基準、GMP(Good Manufacturing Practice)は医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理の基準を指しております。

3)試薬

 バイオテクノロジーを利用する研究では、その目的や段階、また、対象物質に応じて多くの種類の研究用試薬が必要であります。当社は、1979年に国産初の制限酵素を発売以来、遺伝子工学研究用試薬の主要メーカーとして、遺伝子工学の発展に即応した新技術や新製品の開発を進めております。

 当社は、2005年9月に米国のClontech Laboratories, Inc.(現Takara Bio USA, Inc.)を買収し、これにより当社グループの研究用試薬の製品ラインナップに、細胞分子生物学分野を中心としたClontech®製品群が加わりました。また、2014年8月にスウェーデンのCellectis AB(現Takara Bio Europe AB)を買収し、幹細胞分野を中心としたCellartis®製品群が加わり、2017年1月には、米国Rubicon Genomics,Inc.(その後、Takara Bio USA, Inc.に吸収合併)を買収し、超微量核酸サンプル解析領域の製品群の品揃えを強化いたしました。

 さらに、2020年11月よりPCR技術を用いた体外診断用医薬品の販売を開始いたしました。

4)機器

 理化学機器についてもバイオテクノロジーに関する知識が必要であり、機器の消耗品としての試薬と合わせ、システムとして開発・販売されることも多く、当社グループにとってもシナジー効果が得られる領域であります。

 当社グループのこの領域における事業は、1988年にPCR法に必須であるサーマルサイクラーと呼ばれる遺伝子増幅装置の米国からの輸入販売を開始したことに始まります。その後、当社独自の実験ノウハウを搭載したPCR装置やリアルタイムPCR装置を開発し、事業拡大に努めております。

 さらに、2017年には、シングルセル(1細胞)解析分野で独自技術を持つ、米国WaferGen Bio-systems, Inc. (その後、Takara Bio USA, Inc.に吸収合併)を買収し、理化学機器の製造・販売力を強化しております。

5)受託

 当社は、実験や研究開発ならびに製造そのものを契約ベースで大学、公的研究機関や企業から有償で請け負う事業を行っております。

a)遺伝子解析・検査関連受託

 この事業では、当社独自の研究開発能力・ノウハウがセールスポイントであり、単なる遺伝子の配列解析サービスにとどまらず、次世代シーケンス解析を用いた大規模ゲノム解析プロジェクトへの参加や遺伝子の機能解析サービス等を行っております。また、基礎研究支援で培ってきた遺伝子解析技術を応用し、先端的な遺伝子検査サービスを提供しております。さらに、信頼性保証体制のもと、製薬企業等が、薬事申請等に使用するための各種塩基配列解析や医療機関の依頼によりがん患者の検体のゲノム検査等を行っております。

b)再生医療等製品関連受託

 遺伝子治療等の再生医療等製品の臨床開発で培った技術・ノウハウを活用し、大学、公的研究機関や企業に対しての再生医療等製品関連の受託に必要な設備・体制を確立しております。この事業では、遺伝子導入用ベクター、ワクチン、再生医療に利用される細胞等のGCTP/GMPに準拠した受託製造や製造プロセス開発、品質管理試験法の開発、試験製造、バイオアッセイサービスを行っております。

6)その他

 当社が保有しております特許やノウハウのライセンスアウト(技術導出)を進めております

② 遺伝子医療

 当社は、コアテクノロジーである遺伝子工学技術や細胞工学技術の応用分野として、遺伝子医療事業に取り組んでおります。この事業では、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術開発、新規臨床プロジェクト創出活動等を行っております。また、当社が開発し、製薬企業に導出したプロジェクトについても価値の最大化に向けて取り組んでおります。

1)遺伝子治療の現状について

 従来、医薬品は化学合成により製造される低分子化合物が中心でしたが、近年になりバイオテクノロジーが発展すると、抗体や組換えタンパク質等を主成分とするバイオ医薬品が出現するようになりました。さらに、幹細胞やウイルスベクター等の新たな技術の発展により、細胞や遺伝子を薬とする再生医療や遺伝子治療等が、新しいモダリティ(治療手段)として注目を集めております。
 遺伝子治療とは、治療用遺伝子、あるいはこれらの遺伝子を組み込んだ細胞をヒトの体に投与することにより疾患を治療する方法であります。欧米の製薬企業を中心に開発が進んだ結果、最近では、上市が相次いでおり、バイオベンチャーや製薬企業等による競争が激しくなっております。

2)創薬基盤技術開発

 当社は、バイオ創薬基盤技術開発を進め、新モダリティを創出する創薬企業を目指しております。バイオ創薬基盤技術開発として、特に、ウイルスベクターの大量製造法、固形がんに適応可能な次世代CAR遺伝子治療法の開発、臓器特異的in vivo遺伝子治療用ウイルスベクターの開発、抗腫瘍効果が長期に持続する次世代TCR・CAR遺伝子治療法の開発等のテーマに注力し、取り組んでおります。

3)新規臨床開発プロジェクト

 既存のCAR遺伝子治療の課題と言われる、治療効果の持続性、固形がんへの適応等の解決を目指したCD19・JAK/STAT・CAR遺伝子治療(開発コード:TBI-2001)の臨床試験準備およびその他の新規プロジェクトの開発が進んでおります。

4)導出プロジェクト

 当社において初期の臨床開発までを行い、製薬企業等との提携により導出したプロジェクトについては、各プロジェクトの価値の最大化をはかる目的で、提携先製薬企業との緊密な連携のもと、上市後の製造・供給体制の準備や適応症の拡大等に取り組んでおります。

 導出プロジェクトとして、遺伝子改変T細胞療法であるNY-ESO-1・siTCR®遺伝子医療(開発コード:TBI-1301)のプロジェクトの臨床開発が進行しております。

 

※導出したプロジェクト3件のうち、腫瘍溶解性ウイルス canerpaturev(略称 C-REV、開発コードTBI-1401)、CD19・CAR遺伝子治療(開発コードTBI-1501)の2件について、導出先企業と合意の上、2021年11月に開発を中止いたしました。

 

(2)当社グループ各社の位置づけ

① バイオ産業支援

 当社は、試薬や機器等の開発・製造・販売や受託を行っております。中国において、宝生物工程(大連)有限公司が試薬の開発・製造や受託を行い、宝日医生物技術(北京)有限公司が試薬や機器の販売を行っております。ヨーロッパにおいて、Takara Bio Europe S.A.S.およびTakara Bio UK Ltdが試薬や機器の販売を行い、Takara Bio Europe ABが試薬の製造や受託を行っております。Takara Korea Biomedical Inc.は、韓国において、試薬や機器の販売を行っております。Takara Bio USA, Inc.は、米国において、試薬や機器の開発・製造を行い、全世界に販売しております。DSS Takara Bio India Private Limitedは、インドにおいて、試薬の製造・販売を行っております。

② 遺伝子医療

 当社は、遺伝子治療等に必要なバイオ創薬基盤技術開発、新規臨床プロジェクト創出活動、当社が開発し製薬企業に導出したプロジェクトについては、そのプロジェクト価値の最大化に向けて取り組んでおります。

(3)事業の系統図

 以上の企業集団の状況について、当社および主要な子会社等との関係を事業系統図によって示すと以下のとおりであります。

0101010_001.png

 

 宝ホールディングス(東証一部)は、2022年3月31日現在、当社議決権の60.93%を所有する親会社であります。当社と、宝ホールディングスおよび同社のグループ会社(同社の子会社および関連会社)との間には取引があります。宝ホールディングスグループにおける当社の位置づけおよび同グループ内の会社と当社との主な取引の内容は、以下のとおりであります。

① 宝ホールディングスグループにおける当社の位置づけ

 宝ホールディングスグループは、純粋持株会社である宝ホールディングスおよび同社の関係会社61社(子会社59社、関連会社2社)で構成されております。その中で当社は、バイオテクノロジー専業の事業子会社として位置づけられており、当社の関係会社(子会社)9社とともにバイオ事業を推進しております。

② 宝ホールディングスグループとの取引について

 宝ホールディングスグループとは、主に営業拠点に関する不動産賃貸借取引、商標権使用に関する取引およびコンピュータ関係業務の委託等に関する取引があります。詳細は、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク (5)当社の親会社について」に記載しております。

 

4【関係会社の状況】

名称

住所

資本金または

出資金

主要な

事業内容

議決権の
所有割合

(%)

関係内容

親会社

 

 

 

 

 

宝ホールディングス㈱

(注2)

京都市下京区

百万円

13,226

純粋持株

会社

被所有

60.93

役員兼任2名(当社役員2名)

当社が商標使用許諾料を支払

当社がコンピュータ関連業務を委託および情報関連機器を賃借

連結子会社

 

 

 

 

 

Takara Bio Europe S.A.S.

(注5)

フランス

サンジェルマンアンレー市

千ユーロ

891

試薬、機器の販売

100.00

役員兼任4名(当社役員2名、従業員2名)

当社から製品を購入

Takara Bio Europe AB

(注4)

スウェーデン

ヨーテボリ市

千スウェーデンクローナ

2,222

試薬の製造・販売、受託事業

100.00

(100.00)

役員兼任6名(当社役員2名、執行役員1名、従業員3名)

当社へ製品を納入

当社から製品を購入

Takara Bio UK Ltd

(注4)

英国

ロンドン市

千英ポンド

100

試薬、機器の販売

100.00

(100.00)

役員兼任1名(当社従業員1名)

宝生物工程(大連)

有限公司(注3)

中国遼寧省

大連市

百万円

2,350

試薬の開発・製造・販売、受託事業

100.00

役員兼任10名(当社役員2名、執行役員4名、従業員4名)

当社へ製品を納入

当社から原材料等を購入

宝日医生物技術(北京)

有限公司(注3,5)

中国北京市

百万円

1,330

試薬、機器の販売

100.00

役員兼任10名(当社役員2名、執行役員2名、従業員6名)

当社から製品を購入

Takara Korea Biomedical Inc.

韓国ソウル

特別市

百万ウォン

3,860

試薬、機器の販売

100.00

役員兼任5名(当社役員1名、執行役員1名、従業員3名)

当社から製品を購入

DSS Takara Bio India Private Limited(注4)

インド

ニューデリー市

百万ルピー

110

試薬の製造・販売

51.00

(  1.00)

役員兼任3名(当社役員1名、執行役員1名、従業員1名)

当社へ製品を納入

当社から製品を購入

Takara Bio USA Holdings Inc.(注3)

米国サンノゼ市

千米ドル

70,857

子会社の管理

100.00

役員兼任5名(当社役員3名、執行役員1名、従業員1名)

Takara Bio USA, Inc.

(注3,4,5)

米国サンノゼ市

千米ドル

83

試薬、機器の開発・製造・販売

100.00

(100.00)

役員兼任5名(当社役員3名、執行役員1名、従業員1名)

当社へ製品を納入

当社から製品を購入

(注)1.当社グループは単一セグメントであるため、主要な事業内容欄には、各関係会社が行う主要な事業を記載しております。

2.有価証券報告書を提出しております。

3.特定子会社に該当しております。

4.議決権所有割合の(  )内は、間接所有割合で内数であります。

5.売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く。)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。

主要な損益情報等

 

 

 

単位:百万円

 

 

Takara Bio Europe S.A.S.

宝日医生物技術(北京)有限公司

Takara Bio

USA, Inc.

 

(1)売上高

8,183

11,800

13,691

 

(2)経常利益

1,556

2,008

1,924

 

(3)当期純利益

△431

1,502

1,550

 

(4)純資産額

2,455

3,821

26,934

 

(5)総資産額

3,236

6,274

29,711

 

5【従業員の状況】

(1)連結会社の状況

 

2022年3月31日現在

従業員数(人)

1,666

(注)1.従業員数は、臨時従業員および派遣社員を除いた就業人員数であります。

2.当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

 

(2)提出会社の状況

 

 

 

2022年3月31日現在

従業員数(人)

平均年齢(歳)

平均勤続年数(年)

平均年間給与(千円)

669

39.8

10.8

7,051

(注)1.従業員数は、臨時従業員および派遣社員を除いた就業人員数であります。

2.平均年間給与は、賞与および基準外賃金を含んでおります。

3.平均勤続年数は、会社分割前の寳酒造株式会社(現宝ホールディングス)からの年数を通算して記載しております。

4.当社は単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。

5.従業員数が前事業年度末に比べ99人増加したのは、業容拡大にともなう採用によるものであります。

 

(3)労働組合の状況

 TaKaRa労働組合に加盟しており、加盟人数は2022年3月31日現在449人であります。

 労働組合との間に特記すべき事項はありません。