(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、昨年来の企業収益の改善や雇用環境の改善により、緩やかな回復基調が持続いたしました。しかしながら、新興国を中心とした海外経済の減速や、国内の設備投資補助金効果の剥落による景気の足踏み状態が懸念されることから、依然として不安定な状況下で推移いたしました。
当工作機械業界におきましては、内需は横ばいで推移したものの、外需は欧州、中国をはじめとした輸出の弱含みが見られました。
このような経営環境の中におきまして、当社グループ(当社及び連結子会社)は、積極的な販売展開の強化を図るとともに、市場及びお客様の期待に合致した製品づくりの追求を行いながら、全社的なコスト削減の実施に取組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の売上高につきましては6,706百万円(前期比2.7%減)となりました。利益につきましては、営業利益で1,186百万円(前期比29.1%減)、経常利益で1,085百万円(前期比48.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益では739百万円(前期比46.8%減)となりました。なお、当社グループの事業は、研削盤の単一セグメントであります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,084百万円となり、前連結会計年度末に比べ25百万円減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は463百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が1,078百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は959百万円となりました。
これは主に、投資有価証券の売却による収入が906百万円あったものの、有形固定資産の取得による支出が1,405百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は635百万円となりました。
これは主に、配当金の支払が137百万円あったものの、短期借入金の純増額が846百万円あったことによるものであります。
当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
(1)生産実績 (単位:千円)
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年9月1日 至 平成28年8月31日) |
前期比(%)
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|
研削盤 |
5,806,122 |
99.7 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
当連結会計年度の受注状況を品目別に示すと、次のとおりであります。 (単位:千円)
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品目 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
|
研削盤 |
4,601,963 |
63.8 |
3,164,735 |
69.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。 (単位:千円)
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品目 |
当連結会計年度 (自 平成27年9月1日 至 平成28年8月31日) |
前期比(%) |
|
研削盤 |
5,965,932 |
95.3 |
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部品 |
696,560 |
117.8 |
|
その他 |
43,933 |
104.6 |
|
合計 |
6,706,426 |
97.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(単位:千円)
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相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年9月1日 至 平成27年8月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年9月1日 至 平成28年8月31日) |
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金額 |
割合(%) |
金額 |
割合(%) |
|
|
株式会社デンソー |
1,650,961 |
24.0 |
1,924,649 |
28.7 |
当社は、創業以来、工作機械の製造販売に傾注してまいりましたが、多様化する時代のニーズにフレキシブルに対応し、より強固な経営基盤を築くために、工作機械の製造行程で培った技術の研鑽をコアテクノロジーにして、他分野における製品の開発にも努力してまいりたいと考えております。また直近の課題として、ビジネス環境の変化が急速に進む中、IoTに対応した研削盤へのニーズの高まりがあげられます。これに対応すべく、IoTプラットフォームやトレンド等の動向に注視しつつ、情報の収集やノウハウの蓄積、技術的実装の確立に努めてまいります。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクには該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、将来に関する部分の記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①製品検収時期の変動による業績への影響について
当社の生産体制は受注生産によっており、顧客からの高精度・高能率の要求を満たすため、検収前の調整試運転等に時間を要することや、仕様変更を要求されることがあります。これらの要因により、当該製品には受注から顧客の検収までの期間が長期間となるものもあります。当社グループでは売上計上基準を検収基準としているため、予定した検収時期に変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
②キャンセルの発生による業績変動について
当社の生産体制は受注生産によっており、顧客の仕様内容に基づき製造を行いますが、予期せぬ顧客からのキャンセルが発生した場合、即時に他への転用を試みます。しかし、製造工程のキャンセルができず、製造原価の一部費用負担が発生する可能性があります。この場合、当該売買契約書記載のキャンセル条項に従い、当該発生費用の請求を行い負担の軽減策が採られます。また、キャンセルにより他の既受注物件の早期納品に応じる顧客が見込めず、更に新規受注も見込めない場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
③特定の取引先等への依存について
(a) 仕入先への依存について
当社グループは、鋳物・スピンドル等原材料や部品の一部を特定の仕入先に依存していることから、仕入先の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(b) 販売先への依存について
(ⅰ)特定業種に対する依存について
当社の製品は自動車部品メーカーへの依存度が高く、また、販売先との数量、価格等に関する長期納入契約は締結しておりません。そのため、同部品メーカーの設備投資の動向、又は受注動向や経営戦略の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)特定の販売先に対する依存について
当社グループの大口ユーザーである株式会社デンソーは、長年の良好な関係により取引を拡大しておりますが、同社の設備投資計画その他経営戦略の状況により、当社に対する発注が減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
④心なし研削盤への依存について
当社グループでは、創業以来の主力製品である心なし研削盤に対する販売依存度が高く、心なし研削盤の需要が激減した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤原材料価格等の推移について
当社は仕入先に対し、当社製品の仕様にあった部品を発注し、原材料等として仕入れております。素材市況の変動、加工費用相場の変動により、原材料等仕入価格が変動する可能性がありますが、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥輸出規制について
当社の製品は、高精度・高能率の研削が可能なことから、当社グループが販売する製品及び部品の一部は、「外国為替及び外国貿易法」の規制の対象となります。そのため、特定の地域を仕向先とする場合、経済産業大臣の許可又は承認を受ける必要があります。当社グループでは、同法を遵守して適切な輸出管理に努めていますが、同法の改正若しくは関連する新法の成立等により規制が改正された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦製造物責任について
当社はISO等国際的な品質管理基準に従って各種の製品を製造しておりますが、これらの製品について予期し得ない欠陥が生ずる可能性があります。また、当社グループでは、予め販売先より指示された仕向先に合わせた仕様にて販売していますが、当該仕向先に関する当社グループの理解が不十分なために不適切な販売をしたり、当初の仕向先を経て別の仕向先に転用される際に必要な仕様変更を行わないことにより、当社グループに対する損害賠償請求が行われる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループは製造物責任賠償に関する保険に加入しておりますが、当該保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。当社製品の欠陥により事故が発生した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑧外国貿易による影響について
(a)国際情勢全般に関するリスクについて
当社グループにおいては、直接及び間接輸出を含めると、平成28年8月期の製品及び部品の34.2%は国外に納入されております。そのため、仕向先国において、以下のようなリスクが内在します。
(ⅰ)予期しない法律又は規制の制定・変更(安全保障その他の理由による輸出入の規制等)
(ⅱ)不利な政治又は経済要因
(ⅲ)テロ、戦争その他の要因による社会混乱
これらが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(b)為替相場の変動について
平成28年8月期の当社グループの売上高の15.9%は外貨建取引であり、また当社グループの費用支払を外貨建で行うこともあることから、継続して外貨建資産を保有しております。当社グループは、外貨建資産の管理に関しては、為替相場、金利動向等を総合的に勘案する方針であり、保有する外貨建資産あるいは外貨建取引に関して為替予約等によるリスクヘッジを行う場合がありますが、これによる当該リスクを完全に回避できる保証はなく、為替相場の変動により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
⑨人材の確保・育成・活用について
当社製品は、高精度・高能率の研削性能を確保するため、製造工程に特定の熟練技術者の関与が不可欠な部分があります。当社グループでは、最少人数で高効率の生産体制を確立するほか、若手社員に対する高度技術の伝承と全社的な製造技術の向上に取組んでおりますが、複数人の退職者、特に熟練技術者が退職した場合、人材確保、後継者育成が追いつかないことが懸念され、当社製品の納期遅延、さらに当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑩知的財産について
当社グループは、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し、自社が保有する技術等については特許権等の取得による保護を図るほか、他社の知的財産権に対する侵害のないよう技術部を中心に顧問弁護士や弁理士により、リスク管理に取組んでおります。
しかしながら、当社グループが現在販売している製品、あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確・適切に判断できない可能性があり、また、当社グループが認識していない特許権等が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの主要製品は、心なし研削盤であります。当社は創業以来50年余にわたり専業メーカーとして自動車業界、電子情報機器業界、家庭電化機器業界、工具業界、軸受業界など各産業界における基幹製品に対応して、それらの各種部品加工システムを提供し、今日の産業、社会の高度発展に大きく貢献しております。特にこれまで当社グループの永年にわたる研究開発活動の結果、業界トップクラスの製品を揃え、わが国トップクラスのシェアを確保するに至っております。
一方、平成12年以来、新たに開発した内面研削盤を当社製商品に加え、主に自動車業界へそれらの加工システムの提供を行っております。これは業界ニーズに応え、主に心なし研削の加工対象となる軸部品と一体になる、穴を有する相手部品を対象にした加工技術をより高度化した研究開発の成果であります。
(研究開発活動の基盤整備)
当社は、研究開発活動を長期的成長・発展の基盤とすべく、平成10年4月にハイテクノロジーセンターを新設させました。これは、市場及びお客様からの応用技術の改良・技術支援要請などが常態化していたためで、さらに平成25年8月に山形県上山市みはらしの丘に研究開発拠点「R&D(Research and Development)センター」を新設、ハイテクノロジーセンターの研究開発部門、テスト研削、試作部門を拡張移転し、これらの要請に的確に応えられる体勢を整えました。
当社グループの研究開発活動は、常にお客様のニーズを満足する製品・技術・システムの開発を目指しており、要請に的確に応えられる体勢を整えるとともに、中・長期の事業戦略に基づき、当社技術力の総合的な結集・蓄積を図っております。そのため他方ではお客様のニーズに沿った先行技術の確立を図るべく開発活動を進め、基礎研究にも鋭意取組んでおります。さらに昨今の地球規模の環境保全対策に係るテーマにつきましても積極的に研究開発に取組んでおります。
当連結会計年度の研究開発費は、134百万円であります。
(研究開発活動の状況)
平成26年10月に、内面研削盤の自社製スピンドルMIS-150P/0.5型を開発し販売を開始いたしました。このスピンドルは内面研削盤の精度をつかさどる重要ユニットであるため、主に自動車エンジンの燃料供給装置製造用設備をターゲットにして、内製化を図りました。当連結会計年度においては、更なる内製スピンドルのラインナップの拡充を図るべく、鋭意取り組んでおります。これにより、加工精度の向上やコストダウン、迅速なアフターサービス等、更なる製品の差別化を図ることが可能となります。
また、心なし研削盤、内面研削盤とも、ソフトも含めたオペレーティング用周辺装置の開発にも力を入れ、使い易い製品を提供し続けることができるよう、推進してまいります。
文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末より51百万円増加し、11,376百万円となりました。流動資産は同775百万円減少の4,864百万円、固定資産は同827百万円増加の6,511百万円となりました。
流動資産減少の主な要因は、現金及び預金が285百万円、有価証券が420百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定資産増加の主な要因は、有形固定資産が1,011百万円増加したことによるものであります。
②負債
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末より184百万円減少し、1,930百万円となりました。流動負債は同124百万円減少の1,837百万円、固定負債は同60百万円減少の92百万円となりました。
流動負債減少の主な要因は、短期借入金が846百万円増加したものの、未払法人税等が515百万円、前受金が293百万円、その他が113百万円それぞれ減少したことによるものであります。
固定負債減少の主な要因は、繰延税金負債が44百万円減少したことによるものであります。
③純資産
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末より235百万円増加し、9,445百万円となりました。
この増加の主な要因は、利益剰余金が601百万円増加したことによるものであります。
また、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.1%から82.9%となり、期末発行済株式数に基づく1株当たり純資産額は、前連結会計年度末の4,339円17銭から4,503円80銭となりました。
(2)経営成績の分析
(売上高)
・研削盤:北米市場の売上が減少したものの、国内の売上が増加したことにより、5,965百万円の売上高となりました。
・部 品:国内向けの部品売上が増加し、696百万円の売上高となりました。
・その他:主に国内向けのテスト売上であり、43百万円の売上高となりました。
以上の結果、売上高は前会計年度比2.7%減の6,706百万円となりました。
(売上総利益)
売上総利益は2,448百万円(売上総利益率36.5%)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度より149百万円増加し、1,262百万円となりました。これは主に、研究開発費が64百万円、雑費が47百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(営業利益)
営業利益は前連結会計年度比29.1%減の1,186百万円となりました。
(営業外損益)
営業外収益は、主に受取利息46百万円、受取配当金を30百万円、補助金収入を30百万円計上したことにより141百万円となりました。営業外費用は主に為替差損を151百万円計上したことにより242百万円となりました。これにより、営業外収益から営業外費用を差引いた純額は101百万円の費用計上となりました。
(経常利益)
経常利益は、前会計年度比48.7%減の1,085百万円となりました。
(特別損益)
特別損失に、固定資産除却損を8百万円計上したことにより、特別利益から特別損失を差引いた純額は6百万円の損失計上となりました。
(税金等調整前当期純利益)
特別損益が6百万円の損失計上となったものの、経常利益が1,085百万円あったことにより、税金等調整前当期純利益は1,078百万円となりました。
(税金費用)
税金費用は、法人税、住民税及び事業税が306百万円あったことにより、349百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前会計年度比46.8%減の739百万円となりました。
また、期中平均株式数に基づく1株当たり当期純利益は350円13銭となりました。
(3)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,084百万円となり、前連結会計年度末に比べ25百万円減少となりました。
詳細につきましては、「第2事業の状況 1業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」に記載しております。
②資金需要
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価に係るものであります。材料費、外注費、労務費が主要な部分を占めております。