本文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社が判断したものであり、その実現を保証するものではありません。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは「技術と人柄」を社是としております。優れた「技術」は「人柄」という礎に努力と知恵の積重ねで確立されてゆき、更にその「技術」を研鑚するなかで「人柄」が醸成される相互作用をなすものであります。さらに、このハーモニーを磨きあげることにより会社発展があり、社会に貢献するものであります。
この社是に基づき、技術革新を通じて企業価値を高め、社員の幸福と取引先の繁栄を実現すること、全社員参加の経営に徹し創造性豊かな人材の育成と実直な人柄を身に付けた企業人を育むことを、経営の基本方針としております。
(2)経営環境
当社グループは、心なし研削盤(センタレスグラインダ)及び内面研削盤(インターナルグラインダ)と、その周辺装置の製造・販売を主たる業務としております。当社グループが所属する工作機械業界全体の市場規模は1兆円程でありますが、当社は競合他社が着手しにくい難しい研削にも挑戦し続けることで、他社に対し技術面で優位に立ち、お客様に選んでいただけるトップメーカを目指してまいりました。日本国内で培った研削技術を礎に、アメリカや中国をはじめ、世界28か国のお客様に納入し、2005年には米国Caterpillar社から、日本企業としては異例のグローバルサプライヤに選定されました。また、2020年6月には、経済産業省認定のグローバルニッチトップ企業に選定され、世界市場においても、ものづくり企業のサプライチェーンを支える重要な役割を果たせるよう邁進しております。
一方で、生産体制の面では、本社のある山形県で受注生産を行っており、輸出時には、各国の規制や情勢等に応じた厳格な輸出管理を行っております。特に、当社製品が図らずしも国際的な平和及び安全の維持を脅かす活動に巻き込まれることがないように、専門部署に専属の担当者を置き管理体制の強化に努めております。
当社グループの主力製品である心なし研削盤は、円筒形の加工物の中心を支持することなく外周を研削することができ、自動車部品やモータのシャフト等、高い精度が要求される部品を効率良く大量に加工することが可能です。中でも、当社グループの製品は自動車向けの販売比率が高いことから、自動車業界の設備投資の状況に大きく影響を受けます。新型コロナウイルスの感染拡大により自動車の販売台数が減少しており、一部で生産台数が増え、持ち直す動きが見られるものの、設備投資を手控える傾向から、当面は先行き不透明な経営環境が続くものと認識しております。加えて、今後自動車の電動化が進み、内燃機関を搭載しない自動車の割合が徐々に増加して行くことが予想されており、自動車以外の分野での需要の掘起しやこれまで培ってきた心なし研削盤や内面研削盤の技術を活かした新たな分野での製品開発が必要と考えております。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、売上高及び営業利益、経常利益や当期純利益の成長率を重要な指標として考えております。また、売上高営業利益率、売上高経常利益率、売上高当期純利益率等を意識した経営を行い、効率性を計る指標でありますROEやROAについても、現在の水準から更なる向上を図るべく努力してまいる所存であります。市場の動向やお客様の設備投資の動向により大きな影響を受けることから、毎年事業環境等を総合的に勘案してその年の目標を決定しており、2021年8月期は売上高4,639百万円、営業利益227百万円、経常利益314百万円、親会社株主に帰属する当期純利益202百万円を目標としております。
(4)中長期的な会社の経営戦略
当社グループは、「世界最高峰の研削技術・技能を極める」「妥協のない品質と顧客満足を追求する」「一歩先行くものづくりで地球環境を守る」をビジョンに掲げ、競合他社との差別化を図り、お客様から信頼されるオンリーワン企業となるべく、日々邁進しております。理想の真円を意味する「限りなき円」を追求し、他社には真似のできない精度を実現すること、お客様に信頼される研削盤を開発・製造することを通じて身の回りにある様々な工業製品を高効率化、高性能化することでエネルギーロスの少ない持続可能な社会の発展に貢献してまいります。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、創業以来、工作機械の製造販売に傾注してまいりましたが、多様化する時代のニーズにフレキシブルに対応し、より強固な経営基盤を築くために、工作機械の製造行程で培った技術の研鑽をコアテクノロジーにして、他分野における製品の開発にも努力してまいりたいと考えております。また、ビジネス環境の変化が急速に進む中、5Gの普及に伴い、IoTやAIなどセンサー技術やソフトウェアに関する対応も求められております。特に、少子高齢化時代を迎え、機械オペレータの高齢化や技能の伝承が課題となっており、非熟練者であっても熟練者と同じ判断ができるAI技術を搭載した研削盤の研究を進めてまいります。
財務上の課題として、当社グループの販売先は自動車部品メーカの割合が高く、また、販売先との数量、価格等に関する長期的納入契約を締結していないことにより、景気変動の影響を受けやすいことがあげられます。急激な景気変動や外部環境の変化に対応するため、機械1台ごとの原価管理を徹底し、継続的に原価低減活動を行うなど収益力の強化を行うと共に、製品品質の向上やアフターサービスの充実など、お客様に信頼される人づくりを通じて経営基盤の強化と安定的な収益確保に努めてまいります。
加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、お客様を訪問しての営業活動や機械の据付と加工精度を確保するために行う納入試運転が行えない状況が発生しております。感染拡大の防止と経済活動の両立を模索するなど、徐々に正常化に向かう動きが見られるものの、感染の再拡大等により人の動きが再び制限される可能性を排除できないことから、既に運用を開始しているWEB会議システムを活用した商談や調整作業等に加え、人や物が動けない状況が長期化する場合でも正常に事業を継続できる体制を検討してまいります。
以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしも事業上のリスクには該当しない事項についても、投資判断上あるいは当社の事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。
なお、将来に関する部分の記載は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①製品検収時期の変動による業績への影響について
当社の生産体制は受注生産によっており、顧客からの高精度・高能率の要求を満たすため、検収前の調整試運転等に時間を要することや、仕様変更を要求されることがあります。これらの要因により、当該製品には受注から顧客の検収までの期間が長期間となるものもあります。当社グループでは売上計上基準を検収基準としているため、予定した検収時期に変動が生じた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、受注前にお客様の要求を仕様書に取りまとめ、要求の難易度を考慮し実現可能な納期を設定するようにしています。また、仕様変更等により進捗に遅れが生じる可能性が発生した場合は、生産計画を見直して計画に遅れが生じないようにしております。
②キャンセルの発生による業績変動について
当社の生産体制は受注生産によっており、顧客の仕様内容に基づき製造を行いますが、予期せず顧客からのキャンセルが発生した場合、製品や製造工程のキャンセルができず、製造原価の一部費用負担が発生するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、キャンセルが発生した場合、即時に他への転用を試み、併せて、当該売買契約書記載のキャンセル条項に従い、当該発生費用の請求を行い負担の軽減を図ります。
③特定の取引先等への依存について
(a) 仕入先への依存について
当社は、鋳物・スピンドル等原材料や部品の一部を特定の仕入先に依存していることから、仕入先の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、新規仕入先の開拓や既存仕入先の協力を得て原材料の取り扱いの種類を増やしてもらうなど、複数の仕入先から原材料の供給を受けられる体制の構築を進めております。また、特定の仕入先に依存している部品については、新規仕入先の開拓のほか、自社の部品加工工場であるみはらし工場で、コスト低減、納期短縮も含めた内製化に取り組んでおります。
(b) 販売先への依存について
(ⅰ)特定業種に対する依存について
当社の製品は自動車部品メーカへの依存度が高く、また、販売先との数量、価格等に関する長期納入契約は締結しておりません。そのため、同部品メーカの設備投資の動向、又は受注動向や経営戦略の状況によっては、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(ⅱ)特定の販売先に対する依存について
当社グループの大口ユーザである株式会社デンソーは、長年に亘り良好な関係を保ち取引を行っておりますが、同社の設備投資計画その他経営戦略の状況により、当社に対する発注が減少した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、既存のお客様と良好な関係を維持しつつ、新興国市場、自動車の電動化、医療機器製造業界をターゲットに研削盤のニーズ調査を行い、これまで培ってきた技術を基に新しい研削盤や研削工程を提案することで、新たな業種や販売先の開拓を進めております。
④心なし研削盤への依存について
当社グループでは、創業以来の主力製品である心なし研削盤に対する販売依存度が高く、心なし研削盤の需要が激減した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、2000年に内面研削盤を製品ラインナップに加え、今日では安定した売上を上げており、引き続き販売強化に努めてまいります。また、内製品である高周波スピンドルの外販や医療機器の開発販売など、心なし研削盤への依存からの脱却を目指した研究・開発・拡販に取り組んでおります。なお、詳細は後述の「研究開発活動」
に記載のとおりであります。
⑤原材料価格等の推移について
当社は仕入先に対し、当社製品の仕様にあった部品を発注し、原材料等として仕入れております。素材市況の変動、加工費用相場の変動により、原材料等仕入価格が変動する可能性がありますが、その場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、需給環境が変化しても必要な原材料等が安定的に確保できるよう、部品・原材料の在庫量を適正な水準に保つことに加え、仕入先との関係を強化しつつ、新規仕入先の開拓によりサプライチェーンを強化し、最適な価格の維持に努めております。
⑥輸出規制について
当社の製品は、高精度・高能率の研削が可能なことから、当社グループが販売する製品及び部品の一部が、「外国為替及び外国貿易法」の規制の対象となります。そのため、特定の地域を仕向先とする場合、経済産業大臣の許可又は承認を受ける必要がありますが、同法の改正若しくは関連する新法の成立等により規制が改正された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社は輸出貿易管理室を設置し、同法の改正や安全保障貿易管理の運用等に疑義がある場合は、経済産業省への問い合わせ、安全保障貿易情報センター等から情報を収集するなどして、同法を遵守した安全保障貿易管理を行っております。
また、海外子会社に対しては、所属国の法令遵守を基本とし、当社の基本方針及び日本国の法令に対しても遵守が必要であることを、教育や監査を通して伝えることで、グループ全体として安全保障貿易管理の重要性の浸透を図っております。
⑦製造物責任について
製品について予期し得ない欠陥が生じ、製造物責任が問われる可能性があります。また、当社グループでは、予め販売先より指示された仕向先に合わせた仕様にて販売をしていますが、当該仕向先に関する当社グループの理解が不十分なために不適切な販売が行われたり、当初の仕向先を経て別の仕向先に転用される際に必要な仕様変更を行わないことにより、当社グループに対する損害賠償請求が行われる可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、製造物責任賠償に関する保険に加入しており、業務の結果に起因して賠償責任を負担した場合の損害を、保険でカバーできるようにしております。また、お客様の製品に対する要求事項をISO等国際的な品質管理基準に則った当社品質管理システムに従い仕様書に取りまとめ、生産開始前にお客様の承認を得ることとしております。更に技術部、設計部、輸出貿易管理室など関連する部署が情報を共有することで専門的な見地から要求事項と製品に齟齬がないか確認を行っております。
⑧外国貿易による影響について
(a)国際情勢全般に関するリスクについて
当社グループにおいては、直接及び間接輸出を含めると、2020年8月期の製品及び部品の45.9%は国外に納入されております。そのため、仕向先国において、以下のようなリスクが内在します。
(ⅰ)予期しない法律又は規制の制定・変更(安全保障その他の理由による輸出入の規制等)
(ⅱ)不利な政治又は経済要因
(ⅲ)テロ、戦争その他の要因による社会混乱
これらが発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、仕向地の社会情勢や政治動向などについて、外務省の海外安全ホームページや海外子会社などから常に情報を収集し、都度対策を行っております。有事の際には、人的被害の回避を優先しつつ、必要があればリスク管理規程に基づき社長を長とする対策本部を設置し、リスクの回避や最小化に向け解決を図ることとしています。
(b)為替相場の変動について
2020年8月期の当社グループの売上高の24.8%は外貨建取引であります。また、当社グループの費用支払を外貨建で行うこともあることから、継続して外貨建資産を保有しておりますが、為替相場の変動により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、外貨建資産の管理に関して、為替相場、金利動向等を総合的に勘案する方針であり、保有する外貨建資産あるいは外貨建取引に関して必要に応じて為替予約等によるリスクヘッジを行う方針であります。
⑨人材の確保・育成・活用について
当社製品は、高精度・高能率の研削性能を確保するため、製造工程に特定の熟練技能者の関与が不可欠な部分があります。複数人の退職者、特に熟練技能者が退職した場合、人材確保、後継者育成が追いつかないことが懸念され、当社製品の納期遅延、さらに当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、65歳以上の熟練技能者の就業の場としてミクロンテクニカルサービス株式会社を設立し、技能伝承の機会を確保し、若手社員に対して高度技能の伝承を目的とした教育訓練を実施しています。併せて、中長期的な視点に立って採用を行うとともに、福利厚生制度の充実や働きやすい労働環境の整備を行い、社員の定着率向上を図っております。
⑩知的財産について
当社グループが現在販売している製品、あるいは今後販売する製品が第三者の知的財産権に抵触する可能性を的確・適切に判断できない可能性があります。また、当社グループが認識していない特許権等が成立することにより、当該第三者より損害賠償等の訴えを起こされる可能性があります。そのような場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、知的財産の保護と事業戦略及び技術戦略を一体とした知財戦略を実施する目的で知的財産戦略室を設置しており、他社と差別化できる技術とノウハウを蓄積し自社が保有する技術等について特許権を取得する等により保護を図っております。また、他社の知的財産権に対する侵害がないよう、専門部署による確認の強化と、弁理士や顧問弁護士等と連携を図りながらリスク管理に取組んでおります。
⑪新型コロナウイルス感染症に関するリスク
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による影響は、企業活動や経済など広範囲に及んでおります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することは困難であり、国内においては緊急事態宣言が解除され、経済活動と感染拡大防止の両立を模索する動きが見られるなど正常化に向けた動きが見られるものの、世界的な感染拡大には歯止めがかからず、国内においても大都市圏から地方への感染拡大や、職場や家庭におけるクラスターが報告されるなど予断を許さない状況が続いております。季節性インフルエンザ等他の感染症との同時流行等により人の動きが再び制限される事や当社グループに勤務する社員等が新型コロナウイルスに感染する事等の可能性が否定できない状況にあり、この場合、生産活動や営業活動が一定期間停止又は制限され、当社グループの経営成績等の状況に大きな影響を与える可能性があります。
このような環境の中、可能な範囲でのリモートミーティングの実施や、3密を回避するための職場環境の改善、一人ひとりのマスク着用や手指消毒、自身の体調確認の徹底等の感染予防策を講じております。また、万が一社員等が感染した場合には、工場間の往来の禁止や他拠点での業務の代行を行うなど、感染拡大を最小限に抑制するために必要な対策を講じてまいります。
なお、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザ等他の感染症の同時流行や当社グループに勤務する社員等が新型コロナウイルスに感染するリスクについては、不確実性が高く、顕在化する可能性の程度や時期を想定することは困難であります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、消費税増税による景気後退局面に差し掛かっていた中、新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威を振るい、日本国内においても緊急事態宣言発令に伴う外出の自粛要請等の影響を受けて景気が急激に悪化しました。緊急事態宣言解除後も経済活動と感染拡大防止の両立を模索する動きが見られるものの、大都市圏から地方へ感染が広がり、職場や家庭でのクラスターも報告されるなど予断を許さぬ状況が続いております。
当工作機械業界におきましても、米中貿易摩擦により内外需とも設備投資に対して慎重姿勢が増したことに加え、一部で持ち直しの動きは見られるものの、メーカの営業活動自粛や物流の停滞等、新型コロナウイルス感染症の影響により低調に推移いたしました。
当社グループ(当社及び連結子会社)においても新規受注に向けた営業活動の一部制限や海外向け案件の一部で売上が翌期以降に繰越となるなどの影響を受けております。新型コロナウイルス感染症の収束の時期を予測することは困難であるものの、翌連結会計年度には徐々に正常化するものと見込んでおります。このような経営環境の中におきまして、当社グループは感染拡大の防止を最優先に考えたうえで、市場及びお客様の期待に合致した製品づくりの追求を行いながら、全社的なコスト削減の実施に取組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産は、前連結会計年度末に比べて78百万円減少し、7,250百万円となりました。これは主に、現金及び預金が245百万円増加したものの、有価証券が316百万円減少したことによるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産は、前連結会計年度末に比べて43百万円減少し、5,542百万円となりました。これは主に、投資有価証券が126百万円増加したものの、有形固定資産が154百万円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べて544百万円減少し、1,146百万円となりました。これは主に、短期借入金が129百万円、未払法人税等が108百万円、未払金が69百万円、その他が75百万円それぞれ減少したことによるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べて70百万円増加し、215百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が37百万円、役員株式給付引当金が22百万円、株式給付引当金が12百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて351百万円増加し、11,431百万円となりました。これは主に、利益剰余金が320百万円増加したことによるものであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高につきましては5,416百万円(前期比19.9%減)となりました。利益につきましては、営業利益で583百万円(前期比41.9%減)となりましたが、受取利息51百万円や補助金収入32百万円を計上したこと等により経常利益は754百万円(前期比25.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は432百万円(前期比34.5%減)となりました。なお、当社グループの事業は、研削盤の単一セグメントであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、3,298百万円となり、前連結会計年度末に比べ284百万円増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は473百万円となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益が685百万円あったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は68百万円となりました。
これは主に、投資有価証券の取得による支出が361百万円、有形固定資産の取得による支出が186百万円あったものの、投資有価証券の償還による収入が593百万円あったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は257百万円となりました。
これは主に、短期借入金の純減額が129百万円、配当金の支払が112百万円、自己株式の取得による支出が15百万円あったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の状況
当社グループは単一セグメントであるため、品目別に記載しております。
a.生産実績 (単位:千円)
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
前期比(%)
|
|
研削盤 |
4,645,332 |
85.3 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.受注状況
当連結会計年度の受注状況を品目別に示すと、次のとおりであります。 (単位:千円)
|
品目 |
受注高 |
前期比(%) |
受注残高 |
前期比(%) |
|
研削盤 |
3,894,167 |
72.2 |
2,397,206 |
61.2 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.米中貿易摩擦により内外需とも設備投資に対して慎重姿勢が増したことに加え、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う景気の悪化や営業活動等の制限により、受注残高が大幅に減少いたしました。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。 (単位:千円)
|
品目 |
当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
前期比(%) |
|
研削盤 |
4,703,379 |
80.0 |
|
部品 |
679,896 |
81.0 |
|
その他 |
33,714 |
85.6 |
|
合計 |
5,416,990 |
80.1 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(単位:千円)
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年9月1日 至 2019年8月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年9月1日 至 2020年8月31日) |
||
|
金額 |
割合(%) |
金額 |
割合(%) |
|
|
株式会社デンソー |
1,305,480 |
19.3 |
517,426 |
9.6 |
|
DENSO Manufacturing Athens Tennessee, Inc. |
49,056 |
0.7 |
556,836 |
10.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況の分析
当連結会計年度の経営者の視点による経営成績等の状況の分析は、次のとおりであります。なお、将来に関する事項については、本有価証券報告書提出日現在において判断したものであり、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性もあります。
①財政状態の分析
当連結会計年度末における財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 a.財政状態」のとおりであります。
当社グループの自己資本比率は当連結会計年度末時点で89.0%となっており、現状、財政状態につきましては大きな懸念はないものと認識しております。来期以降も、企業体質の強化と将来の事業展開のために内部留保の充実を図るとともに、研究開発や設備への投資及び安定的な配当等により、企業価値の向上に努めてまいります。
②経営成績の分析
研削盤の売上については、米中貿易摩擦により内外需とも設備投資に慎重姿勢が増したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響で全体的に低調に推移したことにより、前連結会計年度比20.0%減の4,703百万円の売上高となりました。部品の売上については前連結会計年度比19.0%減の679百万円の売上高となりました。その他の売上は、主に国内向けのテスト売上ですが、前連結会計年度比14.4%減の33百万円の売上高となりました。この結果、売上高は前連結会計年度比19.9%減の5,416百万円となりました。
売上総利益は1,780百万円となり、売上総利益率32.9%となりました。
③キャッシュ・フロー(資本の財源及び資金の流動性)の分析
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。
なお、当連結会計年度は建物及び構築物、機械装置及び運搬具、その他有形固定資産等に対して総額188百万円の設備投資を行っておりますが、その資金の調達源は主に自己資金となっております。また、来期以降も設備投資等を行ってまいりますが、その資金の調達源を自己資金とした場合においても、現状、キャッシュ・フローについて大きな懸念はないものと認識しております。
④重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となるものについては、過去の実績や状況に応じて合理的に仮定を設定し、算定しておりますが、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループは、次の会計方針及び見積りが連結財務諸表に重要な影響を及ぼす事項であると考えております。
(たな卸資産)
当社グループは、期末における収益性の低下の有無を判断し、正味売却価額が帳簿価額を下回ると判断された場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、過去の販売実績や将来における需要予測等に基づいて営業循環過程から外れたたな卸資産を識別した場合には、帳簿価額を処分見込価額まで切り下げる等の方法により、収益性の低下を適切に貸借対照表に反映させております。正味売却価額の見積りや将来における需要の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、評価損の計上が必要となる可能性があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するにあたり、将来の利益計画に基づいて課税所得を見積っております。当該課税所得の見積りにあたって前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損処理)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来の利益計画や市場環境の変化により、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。
新型コロナウイルス感染症の収束時期を予測することは困難でありますが、世界的な感染拡大に歯止めがかからず、国内においても大都市圏から地方への感染拡大や職場や家庭におけるクラスターが発生するなど予断を許さない状況が続いている一方、経済活動の再開と感染拡大防止の両立を模索する動きが見られることから、翌連結会計年度より徐々に正常化していくものと仮定して、会計上の見積りを行っております。
なお、新型コロナウイルスによる経済活動への影響は不確実性が高いため、先述の仮定に状況変化が生じた場合は当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当社グループの主要製品は、心なし研削盤であります。当社は創業以来60年余にわたり専業メーカとして自動車業界、電子情報機器業界、家庭電化機器業界、工具業界、軸受業界など各産業界における基幹製品に対応して、それらの各種部品加工システムを提供し、今日の産業、社会の高度発展に大きく貢献しております。特にこれまで当社グループの永年にわたる研究開発活動の結果、業界トップクラスの製品を揃え、わが国トップクラスのシェアを確保するに至っております。
また、2000年以来、新たに開発した内面研削盤を当社製商品に加え、主に自動車業界へそれらの加工システムの提供を行っております。これは業界ニーズに応え、主に心なし研削の加工対象となる軸部品と一体になる、穴を有する相手部品を対象にした加工技術をより高度化した研究開発の成果であります。
近年では、自動車の電動化とともにモータに使われる駆動アクチュエータのねじのニーズが増大しており、当社が開発した量産ねじ溝研削加工向け心なし研削盤「MPC-500ⅡTH-RDT-CNC型機」に関心が集まっております。この心なし研削盤に関して、2020年2月に「心なし研削盤による高精度・高能率ねじ加工」で「第54回機械振興賞機械振興協会会長賞」を、2020年3月に「心なし研削盤による革新的高精度・高能率ねじ研削方法の開発」技術者が「ものづくり日本大賞東北経済産業局長賞」を受賞しており、一般的なねじ研削盤より短時間かつ高精度な加工が可能になった点などが評価されました。
これら技術の独自性と自立性やシェアなどが考慮され、経済産業省より「2020年版グローバルニッチトップ企業100選」に選定いただきました。
(研究開発活動の基盤整備)
当社は、研究開発活動を長期的成長・発展の基盤とすべく、1998年4月にハイテクノロジーセンターを新設いたしました。さらに2013年8月に山形県上山市みはらしの丘に研究開発拠点「R&D(Research and Development)センター」を新設、ハイテクノロジーセンターの研究開発部門、テスト研削、試作部門を拡張移転し、市場及びお客様からの応用技術の改良・技術支援要請などに的確に応えられる体勢を整えました。
当社グループの研究開発活動は、常にお客様のニーズを満足する製品・技術・システムの開発を目指しており、要請に的確に応えられる体勢を整えるとともに、中・長期の事業戦略に基づき、当社技術力の総合的な結集・蓄積を図っております。また、お客様のニーズに沿った先行技術の確立を図るべく、基礎研究にも鋭意取組んでおります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は、
(研究開発活動の状況)
2014年10月に、内面研削盤の自社製高周波スピンドルMIS-150P/0.5型を開発し販売を開始して以来、順次ラインナップの充実を図り、現在では、15万回転スピンドル、18万回転スピンドルに加え、クーラントスルースピンドルでは、9万回転スピンドル、12万回転スピンドル、15万回転スピンドルを販売しております。これらのスピンドルは内面研削盤の精度をつかさどる重要ユニットであることから、主に自動車エンジンの燃料供給装置製造用設備をターゲットにして内製化したものです。これにより、内面研削盤の加工精度向上やコストダウン、更に迅速なアフターサービスなどで、製品の差別化が図られると考えています。併せて、一般工作機械向けとしての販売も念頭に、高周波スピンドルのラインナップを拡充すべく、鋭意開発に取り組んでまいります。
また、ビジネス環境の変化が急速に進む中、IoTやAIなどセンサー技術やソフトウェアに関する対応も求められております。特に、少子高齢化時代を迎え、機械オペレータの高齢化や技能の伝承が課題となっており、非熟練者であっても熟練者と同じ判断ができるAI技術を搭載した研削盤の研究を進めてまいります。
研削盤以外の研究開発においては、山形大学医学部と医工連携を図り電動式骨手術器械の開発を進め、2020年7月に製品名「ZAOSONiC」として医療機器のOEMを開始しました。これは、これまで研削技術の要素技術開発として取り組んだ超音波振動技術を応用した製品であります。今後も医療分野のニーズの掘り起こしを行い、この分野の事業拡大へ向けた技術及び製品の研究開発を進めてまいります。