当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善やインバウンド需要の拡大により、緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、地政学的リスクの長期化や、米国での大統領選でトランプ氏の再選が決まり、貿易政策において保護主義的な姿勢が強まったこと等により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
このような事業環境のもと、当社グループはアニメーション作品の企画・制作を行う映像制作事業、コミック雑誌等の企画、製造、販売及び電子コミックスの配信を行う出版事業、作品の二次利用による印税・収益分配金等を得る版権事業に取り組んでまいりました。
これらの結果、当中間連結会計期間の売上高は7,689,001千円(前年同期比47.0%増)、経常利益は830,382千円(前年同期比10.7%増)、親会社株主に帰属する中間純利益は473,780千円(前年同期比13.5%減)となりました。
セグメントの経営成績は次のとおりであります。
① 映像制作事業
映像制作事業におきましては、テレビ用アニメーションは「真・侍伝YAIBA」「怪獣8号 続編」「SPY × FAMILY Season 3」等、配信用アニメーションは「THE ONE PIECE」「ムーンライズ」等、納品へ向けそれぞれ制作しており、テレビ用アニメーションの「シンカリオン チェンジ ザ ワールド」は、納品しテレビでの放映となりました。その他に、遊技機やCМ等のアニメーションを制作し納品しました。
一部の作品については、制作期間の長期化や、人件費、CG制作費等の外注費が高騰しており、受注損失引当金を計上しております。
以上により、当事業の売上高は3,318,493千円(前年同期比18.5%増)、営業損失は699,097千円(前年同期は122,433千円の営業損失)となりました。
② 出版事業
出版事業におきましては、月刊誌「コミックガーデン」、コミックス「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~ 7巻」「転生貴族の異世界冒険録 12巻」等、定期月刊誌6点、並びに新刊コミックス・書籍77点を刊行しました。
また、既刊コミックスの「魔導具師ダリヤはうつむかない ~Dahliya Wilts No More~」「転生貴族の異世界冒険録」「リィンカーネーションの花弁」は、特に販売好調でありました。
なお、「小説家になろう」「異世界転生」といった電子書籍市場で人気ジャンルであった作品の、続刊作品や新規作品の1巻目の販売数が全体的に伸び悩む傾向が出てきており、今後も市場需要・供給の変化を見極めながら対応していく予定です。
以上により、当事業の売上高は刊行スケジュールの大幅な変更があり1,172,848千円(前年同期比4.5%減)、営業利益は260,556千円(前年同期比10.2%減)となりました。
③ 版権事業
版権事業におきましては、「君に届け」「ハイキュー!!」「怪獣8号」「進撃の巨人」「バブル BUBBLE」「SPY × FAMILY」等のシリーズタイトルを中心に、二次利用による収益分配を計上しました。
「君に届け 3RD SEASON」は、当中間連結会計期間に、配信事業者からのライセンス収入がすべて一括で計上されております。
以上により、当事業の売上高は2,832,614千円(前年同期比169.5%増)、減価償却費は前年同期と比べ増加しておりますが、営業利益は1,275,998千円(前年同期比154.7%増)となりました。
④ その他事業
その他事業におきましては、人気作品のキャラクターの商品化が好調に推移したことや、雑誌のイラスト描き等で、当事業の売上高は365,045千円(前年同期比143.8%増)、営業利益は60,708千円(前年同期比2,099.8%増)となりました。
財政状態は次のとおりであります。
① 資産
資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,250,172千円減少して12,751,501千円となりました。主な要因は売掛金及び契約資産が1,704,553千円、映像マスターが91,963千円増加し、一方、現金及び預金が1,871,515千円、コンテンツ資産が1,048,075千円減少したことによるものであります。
② 負債
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,409,218千円減少して5,274,406千円となりました。主な要因は未払法人税等が157,480千円増加し、一方、未払印税が895,593千円、前受金が477,184千円、1年内返済予定の長期借入金が200,000千円、買掛金が166,615千円減少したことによるものであります。
③ 純資産
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ159,045千円増加して7,477,094千円となりました。主な要因は親会社株主に帰属する中間純利益の計上及び配当金の支払いの結果、利益剰余金は184,393千円増加したことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末と比べ1,871,515千円減少し、5,875,309千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金の減少は、1,021,348千円(前年同期は1,246,252千円の増加)となりました。これは主に、減価償却費が1,280,457千円、税金等調整前中間純利益が829,159千円、一方、売上債権の増加額が1,703,015千円、未払印税の減少額が895,593千円、前受金の減少額が477,184千円等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金の減少は、351,641千円(前年同期は679,852千円の減少)となりました。これは主に、映像マスター等の有形固定資産の取得による支出が299,092千円、コンテンツ資産等の無形固定資産の取得による支出が47,157千円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金の減少は、494,301千円(前年同期は196,710千円の減少)となりました。これは主に、配当金の支払額が288,532千円、長期借入金の返済による支出が200,000千円等によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。