(1)業績
当連結会計年度における経済環境は、国内においては個人消費の回復や企業収益の改善、海外からの訪日客による購買需要の増加などにより、緩やかな回復傾向にあるものの、経済全体の先行きについては不透明な状況が続きました。海外においては、一部地域における経済成長の落ち着きが見られたものの、全体として景気は緩やかな回復傾向となりました。
このような環境のなか、当社グループは、平成27年4月にスタートした3ヵ年の中期計画のビジョン「NEXT STAGE 挑戦・成長・進化」のもと、中長期的な成長に向けて、IP(Intellectual Property:キャラクターなどの知的財産)を最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」の強化に向け、新規IPの創出育成やターゲットの拡大、新たな事業の拡大などの施策を推進したほか、玩具の企画開発力を強化することを目的とした株式会社ウィズの完全子会社化に向けた公開買付けに着手しました。また、成長の可能性が高いアジア地域において、展開するIPや事業領域及びエリアの拡大に取り組みました。
事業面では、トイホビー事業、ネットワークエンターテインメント事業のネットワークコンテンツ及び海外の家庭用ゲームソフト、映像音楽プロデュース事業が好調に推移しましたが、ネットワークエンターテインメント事業の業務用ゲーム機の販売が苦戦しました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高575,504百万円(前期比1.8%増)、営業利益49,641百万円(前期比11.9%減)、経常利益50,774百万円(前期比14.5%減)、親会社株主に帰属する当期純利益34,583百万円(前期比8.0%減)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、前年同期比較においては、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[トイホビー事業]
トイホビー事業につきましては、国内において、「機動戦士ガンダム」や「ドラゴンボール」など定番IPの商品が好調に推移したほか、「妖怪ウォッチ」の商品が人気となりました。また、ターゲット拡大の一環で展開している大人層向けのコレクション性の高い商品が人気となりましたが、国内全体では前年同期を下回りました。
海外においては、アジア地域において、「機動戦士ガンダム」や大人層向けのコレクション性の高い玩具などが人気となりました。欧米地域では「Power Rangers(パワーレンジャー)」シリーズの商品が堅調に推移しました。また、日本で企画開発などの機能をコントロールし欧米では販売マーケティングに専念する体制に変更したことにより、一定の効果があがりました。
この結果、トイホビー事業における売上高は206,424百万円(前期比10.6%減)、セグメント利益は16,639百万円(前期比2.4%減)となりました。
[ネットワークエンターテインメント事業]
ネットワークエンターテインメント事業につきましては、家庭用ゲームソフトにおいて、欧米地域で前連結会計年度に発売した「DRAGONBALL XENOVERSE(ドラゴンボール ゼノバース)」などのリピート販売や、「NARUTO-ナルト-疾風伝 ナルティメットストーム4」などの自社新作タイトル、及び現地サードパーティの新作タイトルの販売が好調に推移しました。また、ソーシャルゲームやスマートフォン向けゲームアプリケーション、PCオンラインゲームなどのネットワークコンテンツにおいて、国内の既存主力タイトルが安定した人気となったことに加え、新作タイトル「アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ」が好調に推移し業績に貢献しました。さらに、アジア地域をはじめ海外でも本格的にサービスを開始しました。このほか、アミューズメント施設においては、主力施設へのリソース集中や新業態店舗の強化などの施策に着手し収益が改善しました。一方、業務用ゲーム機は不透明な市場環境の影響を受け販売が苦戦しました。
この結果、ネットワークエンターテインメント事業における売上高は320,941百万円(前期比8.3%増)、セグメント利益は23,930百万円(前期比18.3%減)となりました。
[映像音楽プロデュース事業]
映像音楽プロデュース事業につきましては、映像コンテンツと音楽コンテンツやライブイベントの連動展開を行っているIP「ラブライブ!」が、劇場版公開と商品・サービス、ライブイベントなどの相乗効果により年間を通じて人気となりました。また、「機動戦士ガンダム」シリーズの映像パッケージソフトが好調に推移し、業績に貢献しました。
この結果、映像音楽プロデュース事業における売上高は51,967百万円(前期比18.7%増)、セグメント利益は11,665百万円(前期比15.8%増)となりました。
[その他事業]
その他事業につきましては、グループのトイホビー、ネットワークエンターテインメント、映像音楽プロデュースの各戦略ビジネスユニットへ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務などを行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
この結果、その他事業における売上高は27,456百万円(前期比1.7%増)、セグメント利益は1,123百万円(前期比23.2%減)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フロー
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前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
50,103 |
58,049 |
7,946 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△19,515 |
△23,425 |
△3,910 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△12,591 |
△16,123 |
△3,531 |
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現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
153,764 |
169,542 |
15,778 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ15,778百万円増加し、169,542百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は58,049百万円(前期比15.9%増)となりました。これは法人税等の支払額18,902百万円(前期は19,532百万円)などの資金の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益が48,489百万円(前期は56,484百万円)、減価償却費が21,626百万円(前期は23,712百万円)となったことにより、全体としては資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は23,425百万円(前期比20.0%増)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が19,206百万円(前期は16,771百万円)であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は16,123百万円(前期比28.1%増)となりました。これは主に配当金の支払額が13,627百万円(前期は7,693百万円)、長期借入金の返済による支出が2,261百万円(前期は4,877百万円)であったことによるものです。
(1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
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トイホビー事業 |
16,395 |
△6.8 |
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ネットワークエンターテインメント事業 |
54,837 |
△14.4 |
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映像音楽プロデュース事業 |
16,860 |
+1.8 |
|
合計 |
88,093 |
△10.3 |
(注)1.上記金額は製造原価によって表示しております。
2.上記金額には商品化権使用料が含まれております。
3.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
(2)受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
トイホビー事業 |
8,660 |
+15.1 |
3,919 |
+42.8 |
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ネットワークエンターテインメント事業 |
2,100 |
△39.1 |
1,273 |
△19.7 |
|
映像音楽プロデュース事業 |
3,837 |
+67.1 |
2,985 |
+72.8 |
|
合計 |
14,598 |
+10.0 |
8,177 |
+35.0 |
(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
(3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
トイホビー事業 |
199,409 |
△10.3 |
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ネットワークエンターテインメント事業 |
317,995 |
+8.7 |
|
映像音楽プロデュース事業 |
48,268 |
+18.4 |
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その他 (注)2 |
9,831 |
△0.4 |
|
合計 |
575,504 |
+1.8 |
(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年4月1日 至 平成27年3月31日) |
当連結会計年度 (自 平成27年4月1日 至 平成28年3月31日) |
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金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
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㈱ハピネット |
77,445 |
13.7 |
62,096 |
10.8 |
当社グループ及び当業界においては、「顧客ニーズの多様化」、「市場や環境変化への対応」、「グローバル規模での競争激化」など、対処すべき重要かつ長期にわたる課題が数多くあります。当社グループでは、中期計画に掲げた重点戦略により、これらの課題に迅速に対応してまいります。
(1) 各戦略ビジネスユニットを横断する課題
IP価値最大化への取り組み
当社グループでは、流通・メディアの寡占化やネットワークの普及、技術進化などの環境変化に対応するため、IPの創出・育成、獲得、活用の機能を強化してまいります。具体的には、グループの事業間連動や横断プロジェクトの推進などによりIP価値の最大化を追求するとともに、商品・サービス発のIP創出やグループ社員によるIP公募システムの活用を行ってまいります。また、他社IPとの取り組み強化のため、戦略的なIP関連投資を行ってまいります。さらに平成28年4月に当社に設置した組織「IP戦略本部」が中心となり、中長期的に「IP軸戦略」を強化すべく、グループを横断した戦略的な取り組みを行ってまいります。
CSR(企業の社会的責任)への取り組み
当社グループは、斬新な発想とあくなき情熱でエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を、世界中の人々に提供し続けることを企業理念としております。「夢・遊び・感動」を提供し続けるために、「環境・社会貢献的責任」、「経済的責任」、「法的・倫理的責任(コンプライアンス)」の3つの責任を果たすことを盛り込んだ、グループを横断する「CSRへの取り組み」を定めております。この基本方針のもと、「グループCSR委員会」とその分科会である「グループCSR部会」、さらには「グループリスクコンプライアンス委員会」、「グループ情報セキュリティ委員会」、「内部統制委員会」を開催するとともに、各種施策に取り組んでおります。
(2) 各戦略ビジネスユニットにおける課題
トイホビー戦略ビジネスユニット
当業界においては、「少子化による国内市場の縮小」、「顧客ニーズの多様化」などの課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。また、今後も成長が見込まれるアジアにおける事業拡大に向け、IPラインナップや展開地域の拡大をはかっております。欧米市場においては、収益性の改善に向けた基盤づくりと主力IP展開の強化により、中期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、スピーディかつ価格競争力のある商品展開を進めてまいります。
ネットワークエンターテインメント戦略ビジネスユニット
当業界においては、「プラットフォームの多様化」、「ネットワークの進化」、「顧客ニーズの多様化」などの課題があります。これら課題に対応するため、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、ネットワークを活用した新たなエンターテインメントの創出に取り組んでまいります。スマートフォン向けゲームアプリケーションなど、ネットワークコンテンツにおいては、新たなプラットフォームへの対応、海外展開の拡大をはかっております。家庭用ゲームソフトにおいては、技術の進化や各地域の顧客ニーズに対応したタイトルを展開してまいります。アミューズメント施設事業においては、当社グループならではの差異化された施設展開の強化、リアルとデジタルの融合による新たなエンターテインメントを提供することができる施設の企画に取り組んでまいります。これら各事業における施策を推進するため、開発面においては、技術進歩や環境変化に迅速に対応するための施策を推進するなど、開発環境の整備・向上を行ってまいります。
映像音楽プロデュース戦略ビジネスユニット
当業界においては、「顧客ニーズの多様化」、「IP創出における競争激化」などの課題があります。これらの課題に対応するため、映像や音楽のパッケージ販売に加え、ライブイベントやファンクラブビジネスなどのプロダクション型ビジネスの強化を行っております。また、IP創出においては、アニメーション作品などの企画開発及び制作にかかわる組織を、ハイターゲット向け作品と、キッズ・ファミリー向け作品に分けることで、作品のクオリティアップやグループ内の商品・サービスとの連携強化をさらに追求してまいります。また、パートナー企業とも積極的に連携を組み、IPの創出育成を強化してまいります。
(3) 会社の支配に関する基本方針
① 基本方針の内容
当社グループの企業価値
当社グループは、「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループ」をビジョンとして、エンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中の人々へ提供し続けることをミッションとしております。
一方、変化の速いエンターテインメント業界でグローバル規模の競争を勝ち抜くためには、強固な経営基盤を築くだけでなく、常に時代や環境の変化を先取りしたエンターテインメントを創造することが不可欠であり、ひいてはこれが当社の企業価値の向上に繋がるものと考えております。
したがって、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方を巡っても、当社の企業価値の向上に繋がるものであるか否かが考慮されなければなりません。
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方
当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、以上のような当社グループの経営ビジョンやミッション及びその遂行を支えるコンテンツ等の経営資源、さらには当社に関わる様々なステークホルダーの重要性を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に最大化させる者でなければならないと考えます。
したがって、当社の株式の大量取得を行おうとしている者が、おおむね次のような者として当社の企業価値を害する者である場合には、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であると考えます。
・企業価値を毀損することが明白な者
・買収提案に応じなければ不利益な状況を作り出し、株主に売り急がせる者
・会社側に判断のための情報や、判断するための時間を与えない者
② 取り組みの具体的内容
当社取締役会は、株主の皆様から経営を負託された者として、基本方針を実現するため、次のとおり取り組んでおります。
企業価値向上策
・中期計画の推進
平成24年4月より平成27年3月まで推進した中期計画では、「IP軸戦略」を核とした様々な戦略を推進しました。事業面では、各市場において地域特性に応じた施策を進めました。一定のシェアを獲得している日本は「基盤事業領域」と位置づけ、各事業の強みを発揮しさらなるシェアと収益拡大を目指しました。「収益回復領域」と位置づけた欧米地域では、収益回復を最優先に取り組み、収益の安定化を目指しました。「新成長領域」と位置づけたアジア地域では、各事業の展開を強化し、新たな事業や地域の柱として育成をはかりました。平成27年4月よりスタートした3ヵ年の中期計画では、前中期計画での成果と課題を踏まえ中期ビジョン「NEXT STAGE 挑戦・成長・進化」のもと、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに強化します。それに加え、グローバル市場での成長に向け、成長の可能性が高いアジア地域への事業展開を強化します。これら中期計画に基づいた施策を推進し、環境やユーザー嗜好の変化が速い業界において安定的に収益をあげることができる基盤を強固なものとするとともに、エンターテインメント企業グループとして、次のステージを目指してまいります。
・コーポレートガバナンス体制の強化
当社は、主として戦略ビジネスユニットの主幹会社代表取締役社長が当社の取締役を兼任することにより、持株会社と事業会社、さらには事業会社間の連携を強化するとともに、グループとして迅速な意思決定を行っております。また、取締役のうち2名以上を独立社外取締役とすることで経営監督機能の強化をはかっております。
・経営効率化の推進
当社グループにおける事業再建基準を整備し、より迅速に事業動向を見極めるため、継続的なモニタリングの仕組みを強化するとともに、社内で定めた指標に基づき、事業の再生・撤退を迅速に判断しております。このほか、グループ全体の業務プロセスの標準化によりコスト削減をはかり、経営の効率化を推進しております。
・人材戦略の強化
当社グループでは、海外市場における事業成長を目指すため、グローバル人材の獲得・育成の仕組みを強化しております。また、積極的なグループ内人材交流などの制度を推進することで、人材の活性化をはかっております。
・CSR(企業の社会的責任)活動の強化
当社グループは、「夢・遊び・感動」をお届けする企業として、「環境・社会貢献的責任」、「経済的責任」、「法的・倫理的責任(コンプライアンス)」の3つの責任を果たすことを盛り込んだ、グループを横断する「CSRへの取り組み」を定め、各種CSR活動を推進しております。
・積極的なIR活動
当社は、金融商品取引法及び東京証券取引所の定める適時開示規則に沿って、情報開示を適時・的確に行っております。そして、株主の皆様に対し経営戦略や事業方針について、明確に伝える透明性の高い企業でありたいと考えております。そのため、会社説明会や決算説明会など、代表取締役社長をはじめとした経営者自身が、国内外の個人投資家・機関投資家及び証券アナリストなどに対し、直接語りかけていく場を充実すべく努力しております。
・積極的な株主還元策
当社は、株主の皆様への利益還元を経営の重要施策と位置づけており、当社グループの競争力を一層強化し、財務面での健全性を維持しながら、継続した配当の実施と企業価値の向上を実現していくことを基本方針としております。具体的には、安定配当額として年間24円を基本に、連結配当性向30%を目標に株主還元を実施してまいります。
さらに、配当控除後の利益については、保有資金額、業績動向、直近の株価の推移、大型投資案件の有無などを総合的に勘案したうえで、その一部を自己株式の取得に充当することを基本方針としております。
買収防衛策
当社は、現在のところ具体的な買収防衛策を導入しておりません。企業価値向上策に従って、経営戦略・事業戦略を遂行し、グループ企業価値を向上させることが、不適切な買収への本質的な対抗策であると考えるからです。
もっとも、株主の皆様から経営を負託された者として、今後、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切な者が出現する場合に備え、買収防衛の体制整備にも努めてまいります。
具体的には、万一不適切な買収者が現れた場合に、当該買収者による提案に対し、経営陣が保身をはかることなく、企業価値の向上を最優先した判断を下すことができる体制を構築してまいります。そして、新株予約権等を活用した買収防衛策についても、法令や社会の動向を注視しつつ、検討してまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
基幹ビジネスモデルのリスク
当社グループは、キャラクターなどのIPを活用した商品・サービスを中心にビジネスを展開しておりますが、個々のIPの人気や動向により、各事業の業績が影響を受ける可能性があります。このため当社グループでは、多岐にわたる事業領域、豊富なIP、さらには世界の各地域で事業展開することによりリスク分散をはかり、安定した収益の実現に向け取り組んでおります。
海外展開におけるリスク
当社グループは積極的に海外市場における事業の拡大をはかっております。海外展開におきましては、メディア、流通など地域特性によるビジネスリスクに加え、模倣品など知的財産権に関するリスク、為替リスクなど多岐にわたり存在します。事業面では、これらのリスクを最小限にすべく充分な検証を行うとともに、組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めております。知的財産権につきましては、現地行政機関などの協力を得て模倣品の摘発や、正規品の認知促進などをはかっております。また、為替リスクにつきましては、必要に応じて為替予約取引を行うことにより主要通貨間の為替レートの短期的な変動リスクを軽減しております。
人材の確保と育成
当社グループでは、世界的に変化の速いエンターテインメント業界において、そのスピードに対応することができるグローバル人材が不可欠となります。優秀な人材を確保・育成するため、グローバル新卒採用、地域や事業をまたいだ戦略的人事異動などを積極的に行うほか、次世代に通用する人材を育成するための各種研修に力を入れております。
プラットフォームや顧客ニーズの多様化に伴うリスク
当社グループの展開するネットワークエンターテインメント事業や映像音楽プロデュース事業におきましては、商品・サービスの提供を行うプラットフォームや顧客ニーズの多様化が進んでおり、ビジネスモデルの変化への対応の遅れに伴うリスクがあります。当社グループでは、常に最新技術の研究を行うことに加え、IPを軸としたIP軸戦略を推進することにより、プラットフォームと顧客ニーズの多様化にスピーディに対応し、IP価値の最大化をはかってまいります。
国内の少子化問題
国内における少子化問題の進行により、将来的に当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。このため当社グループでは、国内における事業領域・ターゲットの拡大をはかるとともに、海外市場での事業領域と展開地域の拡大を目的とした施策に積極的に取り組んでおります。
生産集中・品質管理
当社グループのトイホビー事業では、玩具を中心に大半を中国で生産しており、生産コスト増加のリスク、生産地域の集中によるカントリーリスク、製品の品質管理面におけるリスクなどがあります。このため当社グループでは、生産コストの削減や、東南アジアなどへ生産拠点の分散をはかっております。また、当社グループは様々な事業領域において該当する法規制や業界が定める品質・安全基準を踏まえ、より厳しい自社の品質基準の設定や、第三者機関による生産委託先の定期的なC.O.C.(Code of Conduct:行動規範)監査の実施などにより品質・安全の徹底をはかり、企業としての社会的責任を果たしております。
天災・事故などの災害
天災・事故などの災害により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、大規模災害等によるグループの経営に著しい損害を及ぼす事態の発生を想定し、グループの事業継続計画(BCP)の基本方針を策定するとともに、事業の早期回復・再開を実現するため、グループにおける事業継続計画(BCP)の策定及び事業継続マネジメント(BCM)体制の整備に取り組んでおります。
この他にも、「法令、規制等の改正」、「商品・サービスの瑕疵・欠陥」、「顧客情報の流出」、「事業活動に伴う訴訟」、「原油価格の変動による生産コスト等への影響」、「経済環境変化に伴う消費動向への影響」などのリスクも想定されます。当社グループでは、情報管理をはじめリスク管理体制を整えるとともに、これらが万が一発生した場合の業績への影響を最小限にとどめるべく、経営基盤の強化に努めております。
重要な契約は次のとおりであります。
1.平成28年1月20日開催の当社取締役会決議に基づき、平成28年3月29日付けで連結子会社であるBANDAI NAMCO ASIA CO., LTD.(現BANDAI NAMCO Holdings ASIA CO., LTD.)を譲渡会社、新規設立した連結子会社であるBANDAI NAMCO ASIA CO., LTD.を譲受会社とする事業譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
2.当社は、平成28年3月9日開催の取締役会において、株式会社ウィズの普通株式を公開買付けにより取得することを決議いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)注記事項(重要な後発事象) (公開買付けによる株式の取得)」に記載のとおりであります。
3.その他の重要な契約
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契約会社名 |
相手先名 |
国名 (地域) |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
㈱ソニー・コンピュータエンタテインメント (注) |
日本 |
①「プレイステーション3」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成20年4月1日から 平成22年3月31日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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②「プレイステーションVita」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成23年10月1日から 平成25年3月31日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
任天堂㈱ |
日本 |
①「ニンテンドー3DS」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成22年12月1日から 平成23年11月30日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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②「Wii U」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成24年11月7日から 平成27年11月6日まで 以後1年ごとの自動更新 |
|||
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
MICROSOFT LICENSING,GP |
全世界 |
「Xbox360」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成17年11月21日から Xbox360の米国における発売後6年が経過する日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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「XboxOne」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
平成25年10月1日から 平成28年12月31日まで |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
㈱ディー・エヌ・エー |
日本 |
㈱ディー・エヌ・エーの提供するプラットフォームを通じてゲームを配信するタイトルごとの被許諾 |
タイトルごとの契約により異なるが、概ね1年~2年 両者合意により、以後1年ごとの期間延長 |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
グリー㈱ |
日本 |
グリー㈱の提供するプラットフォームを通じてゲームを配信するタイトルごとの被許諾 |
タイトルごとの契約により異なるが、概ね1年 |
(注)㈱ソニー・コンピュータエンタテインメントは、平成28年4月1日付にて㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメントに社名を変更しております。
当社グループは市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力ある製品・サービスを提供するために、積極的な研究開発活動を行っており、トイホビー事業、ネットワークエンターテインメント事業を中心に、新素材や新技術を取り入れた安全かつ高付加価値・高品質・低コストの製商品開発に取り組んでおります。
具体的には、トイホビー事業においては、キャラクターマーチャンダイジングを推進するための新商品開発等に取り組んでおります。ネットワークエンターテインメント事業においては、基礎研究としてはネットワーク分野、ゲームコンテンツ分野、メカトロニクス分野、新素材分野などにおける研究活動を行うとともに、各種技術を用いた製商品の研究開発を行っております。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
|
トイホビー事業 |
7,417 |
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ネットワークエンターテインメント事業 |
10,618 |
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映像音楽プロデュース事業 |
125 |
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その他 (注)2 |
33 |
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合計 |
18,194 |
(注)1.上記金額は、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費のセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
また、このほかに、開発部門で発生したゲームコンテンツに係る支出額は、45,171百万円であります。
(1)資産、負債、純資産の概況
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ6,572百万円増加し448,336百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金が15,345百万円減少しましたが、現金及び預金が21,216百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ7,219百万円減少し131,031百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が5,388百万円増加しましたが、流動負債のその他に含まれる未払法人税等が4,315百万円、流動負債のその他に含まれる未払賞与が2,778百万円、流動負債のその他に含まれる未払金が4,837百万円減少したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ13,791百万円増加し317,304百万円となりました。これは主に為替相場の変動を受けて為替換算調整勘定の減少4,246百万円、配当金の支払額13,627百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益34,583百万円を計上したことにより利益剰余金が20,956百万円増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の68.6%から70.6%となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、IP関連投資やゲーム開発費の増加などの支出があるものの、当連結会計年度並みの連結業績や当連結会計年度に比べ法人税等の支払いの減少を見込んでいることから、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度と同水準になる見込みであります。また、投資活動により使用するキャッシュ・フローは、当社及びグループ各社の本社移転に伴い通常年度より多くの投資を行った当連結会計年度に比べて、資金需要は下回る見込みであり、財務活動により使用するキャッシュ・フローについても、配当金の支払いや借入金の返済などの支出は、当連結会計年度を下回ることを見込んでいるため、翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、当連結会計年度末を上回る見込みであります。
(3)目標とする経営指標
当社グループは、目標とする経営指標としてROE(自己資本当期純利益率)を掲げております。今後、中期計画で掲げる戦略の遂行により利益成長を目指すことに加え、株主資本の有効活用により、環境変化の激しい業界においても継続的にROE10%以上を確保すべく努めてまいります。
(4)経営成績の分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」及び「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」をご参照ください。
なお、「財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載されている翌連結会計年度及び将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末現在において入手可能な情報から得られた判断に基づいておりますが、リスクや不確実性を含んでおります。よって、実際の業績は様々な要因により、記述されている業績予想とは大きく異なる結果となる可能性があります。実際の業績に影響を与え得る重要な要因には、当社グループの事業を取り巻く経済環境、市場動向、為替レートの変動などが含まれます。