第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

当社グループは、「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループ」をビジョンとして、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)を活用した商品・サービスを通じて「夢・遊び・感動」を世界中の人々へ提供し続けることをミッションとしています。また、当社グループの存在意義は、世界中の人々がIPを通じ国境や言語を超えてコミュニケーションできる世界の創出に貢献することにあると考えています。中長期の将来においても、この考えのもと、事業規模だけでなく商品・サービスのクオリティや面白さ等で期待される個性あふれる会社と社員の集合体として、世界中のファンから最も期待されるエンターテインメント企業グループとなることを目指したいと考えております。また、環境やユーザー嗜好の変化が激しい業界において安定的に収益をあげることができる基盤を強固なものとするとともに、グローバル市場において持続的な成長を続けることを目指してまいります。

 

(2)経営戦略等

①バンダイナムコグループの強み

IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして、最適な地域に向けて提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」がバンダイナムコグループの強みです。このIP軸戦略のもと、多彩なIPを幅広い事業領域で商品・サービスとして展開するとともに、IP軸戦略の進化と浸透・拡大に取り組むことで、グローバル市場における成長を目指しています。

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※この概念図は、IP軸展開の一例です。

②2019年3月期(2018年4月)~2021年3月期(2021年3月)の中期計画について

2019年3月期(2018年4月)~2021年3月期(2021年3月)の中期計画では、中期ビジョン「CHANGE for the NEXT 挑戦・成長・進化」のもと、従来のビジネスモデルや常識にこだわることなく、次のステージに向けあらゆる面でCHANGEするグループとなることを目指しました。戦略面では、IP軸戦略をさらに進化させ、グローバル市場での浸透・拡大を目指すとともに、今後成長の可能性が高い地域や事業での展開を強化しました。IP軸戦略においては新規IP創出にドライブをかけるとともに、各地域でALL BANDAI NAMCOで一体となり戦略を推進しました。

具体的には、IP軸戦略においては、定番IPのイノベーション強化、新規IP創出や新規IPのスピーディな商品化に取り組みました。事業戦略においては、新たなターゲットに向けた事業展開の強化、事業間の連携による相乗効果発揮に取り組みました。エリア戦略においては重点地域である中国市場での成長をはかったほか、各地域においてALL BANDAI NAMCOで各事業が一体となり、地域特性に応じた取組みを推進しました。

 

重点戦略

IP軸戦略:IP軸戦略のさらなる進化

・IP創出機能(体制)強化

・IP創出への積極投資

事業戦略:新たなエンターテインメントへの挑戦

・事業インフラの整備・拡充

・事業領域の拡大・強化

・インキュベーションの推進

エリア戦略:ALL BANDAI NAMCOでの成長

・中国市場本格展開

・ALL BANDAI NAMCOに向けた体制整備

人材戦略:「人」を核とした企業グループへ

③次期中期計画のスタート時期の変更について

当社は、2022年3月期(2021年4月)のスタートを予定していた3ヵ年の次期中期計画を、2023年3月期(2022年4月)よりスタートすることとしました。これは、顧客のライフスタイルや価値観が大きく変化することが予想される中、環境変化と中期計画の成果と課題を踏まえ、新しい時代におけるバンダイナムコの新しい戦い方となる次期中期計画を策定する必要があると判断したためです。2022年3月期については、次期中期計画を策定し、戦略を推進するための事業基盤や組織体制を整備する期間と位置づけています。

④グループの組織再編について

2022年4月からの次期中期計画スタートに先駆け、2021年4月より従来の5ユニット体制から、3ユニット体制に組織再編を行いました。

 

<再編の内容>

・「トイホビーユニット」と「ネットワークエンターテインメントユニット」を統合し、「エンターテインメントユニット」としました。「エンターテインメントユニット」は、㈱バンダイナムコエンターテインメントが「デジタル事業」(ネットワークコンテンツ、家庭用ゲーム等)を、㈱バンダイが「トイホビー事業」(玩具、プラモデル等)をそれぞれ事業統括会社として統括し、両社が連携してユニット全体を統括します。

・「映像音楽プロデュースユニット」と「IPクリエイションユニット」を統合し、「IPプロデュースユニット」としました。「IPプロデュースユニット」は、㈱バンダイナムコアーツが「映像音楽事業」(映像・音楽コンテンツ、ライブエンターテインメント等)を、㈱サンライズが「クリエイション事業」(アニメーションの制作等)をそれぞれ事業統括会社として統括し、両社が連携してユニット全体を統括します。

・「リアルエンターテインメントユニット」を「アミューズメントユニット」に名称変更しました。「アミューズメントユニット」は、㈱バンダイナムコアミューズメントが統括します。

 

<再編の目的>

・「エンターテインメントユニット」は、「デジタル事業」と「トイホビー事業」を統合することで、IPを軸に、より一体となり幅広い出口を相互活用した連携・拡大をはかるとともに、顧客の新たな価値観に対応したエンターテインメントの創出やデジタル対応を強化します。これにより、グローバル市場における競争力向上を目指します。

・「IPプロデュースユニット」は、IP創出を行うスタジオ機能とプロデュース機能を集約し、より多彩で、ユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業による相乗効果を発揮できるIP創出機能の強化をはかります。

・「アミューズメントユニット」は、IPやグループのリソースを活用する等、バンダイナムコならではの強みに選択と集中を行い、グループの各事業とより一体となることで、安定して収益をあげることができる強い基盤づくりに取り組みます。

今後は、次期中期計画及び中長期での持続的な成長に向け、全世界で各事業がALL BANDAI NAMCOで一体となり、これまで以上に融合・連携を加速します。また、新規IP創出と既存IPの育成を強化し、グループの幅広い事業を活用しIP軸戦略のさらなる拡大と、グローバル市場での事業展開を推進してまいります。

(3)経営環境

世界経済全体において、新型コロナウイルス感染拡大が、社会や経済全体、個人の生活や消費に影響を与え、先行きが不透明な状況が継続すると予測しています。このような不透明な状況が継続することで、当社グループが事業展開するエンターテインメント市場においても、市場環境、エンターテインメントに対する人々の価値観や嗜好の変化がさらに激しくなることが想定されます。また、デジタル化をはじめとする技術の進化によりエンターテインメントに関する選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードがますます速くなるとともに、グローバル市場における競争が激化することが予想されます。

(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための取組みを継続するとともに、社会の一員として商品・サービスを通じ世界中の人々に「夢・遊び・感動」を提供するという企業理念にのっとり、社会や顧客からの要請や期待に応えていきたいと考えております。世界各国における新型コロナウイルス感染拡大が継続した場合、販売店休業等による消費への影響に加えて、イベントの延期や自粛及びそれに伴うプロモーション等への影響、商品・サービスや映像作品の開発・制作スケジュールへの影響、生産スケジュール等への影響、アミューズメント施設等の休業等が発生する可能性があります。当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、衛生管理の徹底や各国・地域の政府・自治体からの要請に基づいた事業の運営等の取組み、多様な働き方への対応等を継続してまいります。また、事業面においては、影響を最小限のものとすべく、情報収集と臨機応変な対応を継続するほか、デジタル技術の活用強化等により、ライフスタイルの変化に迅速に対応してまいります。さらに、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては、IP軸戦略のもと、各地域で各事業がALL BANDAI NAMCOでより一体となり取り組むとともに、2022年4月よりスタートする次期中期計画において、課題に対応した戦略を推進してまいります。

①グループ横断で取り組むべき課題

企業の社会的責任を果たすために

当社グループは、「世界で最も期待されるエンターテインメント企業グループ」をビジョンとして、多彩なIPを活用した商品・サービス等を通じて「夢・遊び・感動」を世界中の人々へ提供し続けることをミッションとしています。また、当社グループの存在意義は、世界中の人々がIPを通じ国境や言語を超えてコミュニケーションできる世界の創出に貢献することにあると考えています。

当社グループではエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中の人々へ提供し続けるため、グループを横断して特に重点的に取り組む必要があるテーマを「CSR重要項目」として設定するとともに、「環境・社会貢献的責任」、「経済的責任」、「法的・倫理的責任(コンプライアンス)」の3つの責任を果たすことを盛り込んだ、グループを横断する「CSRへの取組み」を定め、グループ社員が遵守すべき行動規範となるグループコンプライアンス憲章を制定しております。これらのもと、「グループCSR委員会」とその推進組織である「グループCSR部会」、さらには「グループリスクコンプライアンス委員会」、「グループ情報セキュリティ委員会」、「内部統制委員会」を開催するとともに、社内への啓発活動等の各種施策に取り組むことで社内意識の向上に継続的に取り組んでまいります。これらに加え、当社グループの企業理念やエンターテインメントに携わる責任と誇りについて様々な機会を通じ経営者自身が発信を行うことで、社内における理解の深化に努めております。

<バンダイナムコグループサステナビリティ方針を策定(2021年4月)>

当社グループは、社会の一員として持続可能な社会の実現に向けた責任を果たすため、IP軸戦略のもと、ファンとともに、グループが向きあうべき社会的課題に対応したサステナブル活動を推進すべく「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」を策定しています。そして、この方針の一環として、次期中期計画に向けて活動のマテリアリティの特定(重要項目の再選定)を推進するほか、エネルギー由来の二酸化炭素排出量削減目標の設定を行い、取組みを行ってまいります。

<バンダイナムコグループサステナビリティ方針>

バンダイナムコグループは、IP軸戦略のもと、ファンとともに、バンダイナムコグループが向きあうべき社会的課題に対応したサステナブル活動を推進します。

脱炭素化に向けた目標

目標

2050年まで:

自社拠点(社屋、自社工場、直営アミューズメント施設等)におけるエネルギー

由来の二酸化炭素排出量 実質ゼロ

中間目標

2030年まで:

自社拠点におけるエネルギー由来の二酸化炭素排出量2019年度比35%削減

(2013年度比50%)

主な取組み

省エネルギー施策のさらなる推進、再生可能エネルギーの導入等

 

IP軸戦略のさらなる強化に向けて

当社グループでは、流通・メディアの寡占化やネットワークの普及、プラットフォームの多様化や技術進化、グローバル市場での競争激化等の環境変化に対応するため、IP軸戦略のさらなる進化に取り組みます。新規IP創出に関しては、IP創出をミッションとする新ユニット「IPプロデュースユニット」においてグループの各事業や外部パートナーとの協業によるIP創出機能の強化をはかります。また、商品・サービス発や映像作品発の取組み、全体最適の視点で投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」の活用、次世代クリエイターを応援する「夢応援団」等によるパートナー企業やクリエイターとの連携等、あらゆる方法で新規IP創出を強化します。IP価値最大化に向けては、グループの事業間連動や横断プロジェクトの推進、新規事業の創出育成や展開地域の拡大、新たなプラットフォームへのスピーディな対応をはかります。

これらのIP創出及びIP価値最大化に向けた取組みを推進するにあたっては、積極的な投資を実施してまいります。さらにグループ全体最適の視点で、中長期的にIP軸戦略を強化すべく、「機動戦士ガンダム」シリーズや「DRAGON BALL」シリーズ等の定番IPのワールドワイド展開、新規IP創出プロジェクト等のグループを横断した戦略的な取組みを行ってまいります。これらの取組みに加え、IP軸戦略の推進にあたっては、IPそのものやその世界観を尊重した活動を行うため、パートナー企業や行政と連携し、模倣品の排除や啓発活動等の知的財産保護のための活動を行ってまいります。

グローバル市場での事業拡大に向けて

当社グループが、中長期で持続的な成長を続けるためには、グローバル市場での事業拡大が不可欠と考えております。欧米及びアジア地域において、各地域の特性にあわせた展開を行うため、地域統括会社と各地域の事業会社がALL BANDAI NAMCOで一体となり取り組む体制を構築しています。今後はグループの組織再編を受け、さらに事業間の連携を強化するとともに、日本発IPの商品・サービスの海外展開に加え、各地域発のIP展開に取り組む等、IPポートフォリオの強化をはかります。重点地域と位置づける中国市場においては、ALL BANDAI NAMCOで一体となり取り組むための基盤を強化するとともに、グループだけでなく現地のパートナー企業等と密接な連携をはかり、事業の本格展開に着手しております。さらに、グローバル人材の育成をはかるべく、多様な人材の採用に加え、地域や事業を横断した人事交流や研修により育成を推進します。

技術の進化と変化への対応に向けて

デジタル化をはじめとする技術の進化により、エンターテインメントにおける選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応した新たな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に取り組んでまいります。これらの推進にあたっては、国内外のパートナー企業やクリエイター等と密接な連携をはかってまいります。

②各ユニットにおける課題

エンターテインメントユニット

<デジタル事業>

当業界においては、「プラットフォームの多様化」、「ネットワーク等の技術進化」、「顧客ニーズの多様化」、「開発投資額の上昇」等の課題があります。これらの課題に対応するため、商品・サービスの開発にあたってはクオリティを重視し絞り込んだタイトルの開発を行うとともに、リリース後においてもアップデートや追加コンテンツの提供、イベントの開催等の顧客に向けた継続的な施策により、商品・サービスの長期展開をはかっております。また、新たなプラットフォームの登場は顧客獲得の機会ととらえ、各プラットフォームの特性にあわせたタイトル提供を行っています。このほか、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、ネットワーク等の技術進化に対応した新たなエンターテインメントやビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。さらには、技術進歩や環境変化、新たなプラットフォームに迅速に対応するため、技術研究をさらに強化してまいります。

<トイホビー事業>

当業界においては、「少子化による国内市場の縮小」、「顧客ニーズの多様化」、「商品生産地域の集中」等の課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。海外においては、ハイターゲット層(大人層)向け商品の事業拡大や、中国市場での本格展開、EC販売強化等の取組みを行い、中長期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、スピードやクオリティ、価格面でも競争力のある商品展開を進めてまいります。このほか、該当する法規制や業界が定める品質・安全基準を踏まえ、より厳しい自社品質基準の設定や生産委託先の定期的なCOC(Code of Conduct:行動規範)監査の実施等により品質・安全の徹底をはかっております。商品の生産においては、自社の生産拠点を日本、タイ、フィリピン、ベトナムに設けているほか、取引先工場においても品質基準の担保を大前提に生産拠点の分散をはかっております。

IPプロデュースユニット

<映像音楽事業・クリエイション事業>

当業界においては、「IP創出における競争激化」、「顧客ニーズの多様化」、「優秀な人材の育成」等の課題があります。これら課題に対応するため、スタジオ機能とプロデュース機能を集約し、より多彩で、ユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業により相乗効果を発揮できるIP創出機能の強化をはかります。また、映像制作や制作技術向上のための投資を積極的に行うほか、クリエイターの正社員化や育成に取り組んでまいります。さらには、映像・音楽・ライブイベントとデジタル技術を融合させた新しいエンターテインメント創出に取り組んでまいります。

アミューズメントユニット

当業界においては、「顧客ニーズの多様化」、「環境変化の激化」等の課題があります。これらの課題に対応するため、施設事業や業務用ゲーム機事業において、IPやグループのリソースを活用する等、バンダイナムコならではの展開を行い、グループの各事業とより一体となることで、安定して収益をあげることができる強い基盤づくりに取り組みます。同ユニットは、IP軸戦略におけるグループの重要な顧客接点として、グループの商品・サービスの販売、IPの訴求や顧客ニーズを収集する役割も果たしてまいります。

*「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」は2021年4月1日付の新しい事業区分で記載しております。

(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、収益性と資本効率の向上を目指しており、経営指標として営業利益率及びROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。IP軸戦略の推進により収益の成長と資本効率の向上に継続的に取り組み、環境変化に左右されず安定的に達成できる事業基盤をさらに強固なものとするとともに、ROEの向上を目指してまいります。

また、株主の皆様への利益還元を経営の重要施策と位置づけており、当社グループの競争力を一層強化し、財務面での健全性を維持しながら、継続した配当の実施と企業価値の向上を実現していくことを目指しております。具体的には、長期的に安定した配当を維持するとともに、資本コストを意識し、安定的な配当額としてDOE(純資産配当率)2%をベースに、総還元性向50%以上を目標に株主還元を実施することを基本方針としております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

新型コロナウイルス感染拡大に伴うリスク

世界各国における新型コロナウイルス感染拡大が継続した場合、販売店休業等による消費への影響に加えて、イベントの延期や自粛及びそれに伴うプロモーション等への影響、商品・サービスや映像作品の開発・制作スケジュールへの影響、生産スケジュール等への影響、アミューズメント施設等の休業等が発生する可能性があります。

当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、衛生管理の徹底や各国・地域の政府・自治体からの要請に基づいた事業の運営等の取組み、柔軟な勤務体系の導入等を継続してまいります。また、事業面においては、影響を最小限のものとすべく、情報収集と臨機応変な対応を継続するほか、オンラインイベントやEC販売の強化等ライフスタイルの変化に積極的に対応してまいります。さらに、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては強みであるIP軸戦略のもと、各地域で各事業がALL BANDAI NAMCOでより一体となり取り組むとともに、2022年4月よりスタートする次期中期計画において課題に対応する戦略を推進してまいります。これらの取組みを行うにあたっては、当社取締役をはじめ関連部門の担当者が参加する新型コロナウイルス感染拡大防止に特化した危機管理委員会を設置し、定期的に情報共有と今後の方針の協議を行っています。この結果をグループ内に周知し、各社が方針に準じた取組みを推進しております。

 

基幹ビジネスモデルのリスク

当社グループは、キャラクター等のIPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして、最適な地域に向けて提供することにより、IP価値の最大化をはかることを目指す「IP軸戦略」を軸に事業展開を行っております。IP軸戦略の推進にあたっては、次のようなリスクが業績に影響を与える可能性があります。

 

(1)顧客の嗜好やライフスタイルの変化、競争激化のリスク

デジタル化をはじめとする技術の進化により、エンターテインメントに関する選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応した新たな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に対応してまいります。また、顧客の動向をスピーディに把握し、顧客に期待される新規IP創出、クオリティの高い商品・サービスの開発を強化してまいります。これらのIP創出、商品・サービスの展開にあたっては、国内外のパートナー企業やクリエイターと密接な連携をはかってまいります。

 

(2)特定のIP・事業に依存するリスク

特定のIPや事業に依存することで、市場や顧客嗜好の変化により、業績に影響を受ける可能性があります。このため当社グループでは、IP展開にあたっては、中長期の視点で創出育成をはかっております。また、IP・事業に加え、ターゲット層や地域においてもバランスのとれたポートフォリオを確立することでリスクの分散をはかっています。これらの取組みにより、市場や顧客嗜好の変化に左右されづらい安定した収益の実現に向け取り組んでおります。

 

(3)外部パートナーとの関係におけるリスク

当社グループでは、IP軸戦略の展開にあたっては、企画開発、生産、販売マーケティング、メディア連動等の様々な面において、外部パートナーとの協業により推進を行っています。協業にあたっては、あらゆる外部パートナーとオープンに取り組む関係性を構築することで、IPや商品・サービスの特性にあわせたパートナーとの協業を行い、事業展開の可能性をさらに拡大してまいります。

 

(4)技術の進化に伴うリスク

当社グループの展開する各事業におきましては、商品・サービスの提供を行うプラットフォームや事業に関連する技術の進化が進んでおり、変化への対応の遅れに伴うリスクがあります。当社グループでは、常に最新技術の研究を行うことに加え、パートナー企業とも連携を図り技術の進化にスピーディに対応してまいります。また、技術の進化に伴い、デジタルコンテンツや映像作品の開発費や制作費が上昇する可能性がありますが、効率的な開発体制をとるとともに、クオリティを重視したタイトルの開発を行い、リリース後においてもバージョンアップや追加コンテンツの提供、イベントの開催等の顧客に向けた継続的な施策により、長期展開をはかります。このほか、サイバー攻撃やシステム障害による情報流出等の被害を防ぐため、情報収集に加え、監視やモニタリングの強化、定期的なシステム検査や社内啓発活動等によりサイバーセキュリティ体制を強化してまいります。

 

(5)知的財産に関するリスク

当社グループは、知的財産であるIPを軸に事業展開を行っています。IPの価値を棄損することなく向上するため、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」により、IPを長期で安定的に展開できる取組みを推進していきます。また、IPそのものやその世界観を尊重した事業活動を行うため、パートナー企業や行政と連携し、模倣品の排除や啓発活動等の知的財産保護のための活動を行ってまいります。

 

海外展開におけるリスク

当社グループは積極的に海外市場における事業の拡大をはかっております。海外展開におきましては、メディア、流通等の地域特性によるビジネスリスクに加え、模倣品等の知的財産権に関するリスク、為替リスク、法令改定に伴うリスク等、多岐にわたり存在します。事業面では、これらのリスクを最小限にすべくALL BANDAI NAMCOで取り組むとともに、各地域を統括する地域統括会社が中心となり外部パートナーとも連携し、充分な情報収集と検証を行い組織体制を整え、対策を講じたうえで海外展開を進めております。知的財産権につきましては、現地行政機関等の協力を得て模倣品の摘発や、正規品の認知促進等をはかっております。また、為替リスクにつきましては、必要に応じて為替予約取引を行うことにより主要通貨間の為替レートの短期的な変動リスクを軽減しております。さらに、当社取締役及び各地域統括会社の代表取締役が参加するグループ事業報告会において、各地域のリスク等について共有・議論する場を設けております。

 

人材の確保と育成

変化の速いエンターテインメント業界において当社グループが持続的に成長し続けるために、最も大切な資産が人材であると考えています。性別や国籍、人種等にこだわらない様々な個性を持つ多様な人材が安心して生き生きと仕事に取り組むために、多様な働き方に対応した制度や環境を整えてまいります。また、地域や事業を横断した人事交流等を積極的に行うほか、権限の委譲、次世代を担う人材を育成するための制度、社員が新しいことに挑戦するための提案制度、チャレンジを支援するための仕組み等、様々な取組みに力を入れております。

 

国内の少子化問題

国内における少子化問題の進行により、将来的に当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。このため当社グループでは、国内における事業領域・ターゲットの拡大をはかるとともに、海外市場での事業領域と展開地域の拡大を目的とした施策に積極的に取り組んでおります。

 

生産集中・品質管理

当社グループのトイホビー事業では、玩具を中心にその多くを中国で生産しており、生産コスト増加のリスク、生産地域の集中によるカントリーリスク、製品の品質管理面におけるリスク等があります。このため当社グループでは、生産コストの削減や、アジアの他の地域等へ生産拠点の分散をはかっております。また、当社グループは各事業領域において該当する法規制や業界が定める品質・安全基準を踏まえ、より厳しい自社の品質基準の設定や、生産委託先の定期的なCOC(Code of Conduct:行動規範)監査の実施等により品質・安全の徹底をはかり、企業としての社会的責任を果たしております。

 

気候変動等の自然環境の変化

当社グループは、社会の一員として持続可能な社会の実現に向けた責任を果たすため、IP軸戦略のもと、ファンとともに、グループが向き合うべき社会的課題に対応したサステナブル活動を推進すべく「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」を策定しています。そして、この方針の一環として次期中期計画に向けて活動のマテリアリティの特定(重要項目の再選定)を推進するほか、エネルギー由来の二酸化炭素排出量削減目標の設定を行い、取組みを行っています。

天災・事故等の災害

天災・事故等の災害により、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、大規模災害等によるグループの経営に著しい損害を及ぼす事態の発生を想定し、グループの事業継続計画(BCP)の基本方針を策定するとともに、事業の早期回復・再開を実現するため、具体的な施策の策定及び事業継続マネジメント(BCM)体制の整備に取り組んでおります。今後は、さらに幅広い視点から体制強化を行う必要があると考えており、グループ全体で継続的な見直しと整備を行ってまいります。

 

このほかにも、「法令、規制等の改正」、「商品・サービスの瑕疵・欠陥」、「顧客情報の流出」、「事業活動に伴う訴訟」、「原油価格の変動による生産コスト等への影響」、「経済環境変化に伴う消費動向への影響」等のリスクも想定されます。当社グループでは、情報管理をはじめリスク管理体制を整えるとともに、これらが万が一発生した場合の業績への影響を最小限にとどめるべく、経営基盤の強化に努めております。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における経済環境は、新型コロナウイルス感染拡大が、国内外の経済全体や個人の生活に大きな影響を与える状況が継続しました。新型コロナウイルス感染拡大に対しては、当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、感染拡大を防ぐための取組みを実施しております。また、デジタルを活用した販売・マーケティングを強化する等、顧客のライフスタイルや嗜好の変化に適合するための様々な施策を推進しました。それに加え、中期ビジョン「CHANGE for the NEXT 挑戦・成長・進化」を掲げ、2018年4月にスタートした3ヵ年の中期計画のもと、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)の世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」のさらなる進化のための取組み、成長の可能性が高い地域や事業の強化に向けた取組み、世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOでグループが一体となり総合力の発揮を目指す取組み等の施策を推進しました。

当連結会計年度につきましては、各事業において新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けましたが、国内外のトイホビー事業においてハイターゲット層に向けた商品や新規IPを活用した商品等が人気となったほか、ネットワークエンターテインメント事業において、ネットワークコンテンツの主力タイトルや家庭用ゲームのリピート販売が好調に推移しました。グループ全体では、幅広い事業のポートフォリオが効果を発揮する結果となりました。

この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高740,903百万円(前期比2.3%増)、営業利益84,654百万円(前期比7.5%増)、経常利益87,612百万円(前期比9.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益48,894百万円(前期比15.2%減)となりました。

セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの一部の区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

[トイホビー事業]

トイホビー事業につきましては、国内において「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア等のハイターゲット層向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティング等が効果を発揮したことで好調に推移しました。また、「仮面ライダー」シリーズ等の定番IP商品や新規IPを活用した玩具、菓子等の玩具周辺商材が人気となりました。海外においては、小売店の休業による影響等を受けましたが、アジア地域を中心にハイターゲット層に向けた商品等が安定的に推移しました。

この結果、トイホビー事業における売上高は296,016百万円(前期比16.7%増)、セグメント利益は38,220百万円(前期比43.0%増)となりました。

[ネットワークエンターテインメント事業]

ネットワークエンターテインメント事業につきましては、ネットワークコンテンツにおいて、ワールドワイド展開している「DRAGON BALL」シリーズや「ワンピース」、国内の「アイドルマスター」シリーズ等の主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移しました。家庭用ゲームにおいては、「リトルナイトメア2」等の新作タイトルに加え、「DRAGON BALL」シリーズ、「TEKKEN(鉄拳)7」、「DARK SOULS(ダークソウル)」シリーズ等の既存タイトルのリピート販売が、ユーザーに向けた継続的な施策や、デジタル販売需要の高まりから、海外を中心に人気となりました。

この結果、ネットワークエンターテインメント事業における売上高は344,150百万円(前期比4.9%増)、セグメント利益は57,356百万円(前期比30.7%増)となりました。

[リアルエンターテインメント事業]

リアルエンターテインメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内外のアミューズメント施設等を休業したことにより、施設運営、業務用ゲーム機販売とも大きな影響を受けました。一方で、このような環境変化を受け、オンラインを活用したクレーンゲームの対応や、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進しました。なお、国や地方自治体からの要請を受けて臨時休業した施設等の休業期間中の固定費を「新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失」として計上したことに加え、事業の構造改革に伴う費用として117億円を減損損失等で特別損失に計上しました。

この結果、リアルエンターテインメント事業における売上高は63,923百万円(前期比30.3%減)、セグメント損失は8,379百万円(前期は1,502百万円のセグメント損失)となりました。

[映像音楽プロデュース事業]

映像音楽プロデュース事業につきましては、「ラブライブ!」シリーズや「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売等を行いましたが、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ライブイベントの開催が中止となったことに加え、映像・音楽作品の制作スケジュールの遅れ等により、作品の公開やパッケージソフトの発売が延期となったことが業績に影響を与えました。一方で、このような環境変化を受け、無観客ライブイベントの配信等の環境変化に対応した新たなライブイベントへの取組みを行いました。

この結果、映像音楽プロデュース事業における売上高は28,089百万円(前期比40.2%減)、セグメント利益は969百万円(前期比87.9%減)となりました。

[IPクリエイション事業]

IPクリエイション事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の映像作品の制作や、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」によるIPの情報発信等により話題喚起をはかり人気となりました。また、前連結会計年度に連結子会社となった㈱創通が第1四半期連結会計期間より本ユニットに所属したことにより、同社の収益を計上する一方でのれんの償却が発生しております。

この結果、IPクリエイション事業における売上高は28,213百万円(前期比20.1%増)、セグメント利益は2,740百万円(前期比56.3%減)となりました。

[その他事業]

その他事業につきましては、グループ各社へ向けた物流事業、印刷事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。

その他事業における売上高は34,088百万円(前期比9.8%増)、セグメント利益は1,445百万円(前期比7.4%増)となりました。

財政状態は、次のとおりであります。

当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ112,962百万円増加732,782百万円となりました。これは主に投資有価証券が54,755百万円、仕掛品が22,717百万円、現金及び預金が14,470百万円増加したこと等によるものです。

負債につきましては、前連結会計年度末に比べ56,213百万円増加221,348百万円となりました。これは主に長期借入金が20,062百万円、支払手形及び買掛金が12,305百万円増加したこと等によるものです。

純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ56,749百万円増加511,433百万円となりました。これは主に配当金の支払額29,220百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益48,894百万円を計上したこと等により利益剰余金が19,787百万円その他有価証券評価差額金が34,749百万円増加したこと等によるものです。

この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.5%から69.7%となりました。

②キャッシュ・フローの状況

 

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

増減額

営業活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

43,131

60,483

17,352

投資活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△23,067

△29,771

△6,704

財務活動によるキャッシュ・フロー

(百万円)

△35,258

△19,037

16,220

現金及び現金同等物の期末残高

(百万円)

188,667

203,698

15,031

 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ15,031百万円増加し、203,698百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は60,483百万円(前期比40.2%増)となりました。これは法人税等の支払額34,714百万円(前期は36,079百万円)等の資金の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益が71,940百万円(前期は78,753百万円)、減価償却費が24,684百万円(前期は23,239百万円)となったことにより、全体としては資金が増加したことによるものです

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は29,771百万円(前期比29.1%増)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が23,849百万円(前期は22,629百万円)であったことによるものです

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は19,037百万円(前期比46.0%減)となりました。これは主に配当金の支払額が29,220百万円(前期は32,328百万円)であったことによるものです

③生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前年同期比(%)

トイホビー事業

24,269

33.7

ネットワークエンターテインメント事業

43,411

△24.1

リアルエンターテインメント事業

5,109

△57.9

映像音楽プロデュース事業

10,798

△13.2

IPクリエイション事業

6,815

77.6

合計

90,405

△12.8

(注)1.上記金額は製造原価によって表示しております。

2.上記金額には商品化権使用料が含まれております。

3.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

4.当連結会計年度より、報告セグメントの一部の区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

トイホビー事業

35,964

38.6

14,037

43.7

ネットワークエンターテインメント事業

6,364

△11.5

3,759

9.3

IPクリエイション事業

2,122

△23.3

1,930

△18.5

合計

44,450

23.8

19,727

26.7

(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

2.当連結会計年度より、報告セグメントの一部の区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。

 

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

トイホビー事業

287,745

17.0

ネットワークエンターテインメント事業

340,434

5.4

リアルエンターテインメント事業

62,703

△31.1

映像音楽プロデュース事業

23,405

△39.6

IPクリエイション事業

16,416

2.1

その他 (注)2

10,198

8.2

合計

740,903

2.3

(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

3.当連結会計年度より、報告セグメントの一部の区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。

4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年4月1日

至 2020年3月31日)

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

Apple Inc.

102,697

14.18

105,334

14.22

Google Inc.

77,590

10.72

75,272

10.16

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。

当連結会計年度は、IP軸戦略をさらに進化させグローバル市場での浸透・拡大を目指し2018年4月にスタートした3ヵ年の中期計画の重点戦略をALL BANDAI NAMCOで各事業が一体となり推進しました。また、新型コロナウイルス感染拡大により環境が大きく変化する中、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための取組みを継続しました。事業面においては、新型コロナウイルス感染拡大が、社会や経済全体、個人の生活や消費に与える影響や、市場環境やユーザー嗜好の変化が与える影響を最小限のものとすべく、情報収集に加え、デジタル化への積極的な対応等の臨機応変な取組みを行いました。当連結会計年度の業績における新型コロナウイルス感染拡大の影響としては、特にアミューズメント施設を運営するリアルエンターテインメント事業において施設の休業や時短営業による影響を受けたほか、映像音楽プロデュース事業においてライブイベントの自粛や延期、映像作品の制作や公開スケジュールに影響を受けました。一方で、国内外のトイホビー事業のハイターゲット層向け商品や、ネットワークエンターテインメント事業の家庭用ゲームのリピートタイトル販売が巣ごもり需要を獲得し好調に推移しました。この結果、グループ全体では、幅広い事業を展開する事業ポートフォリオによる効果を発揮し、売上高740,903百万円 営業利益84,654百万円となり、過去最高の売上高と営業利益となりました。

トイホビー事業につきましては、国内外においてハイターゲット層向け商品が、オンラインイベントやECの強化等のデジタルを活用した販売・マーケティングに積極的に取り組むことで、国内外で巣ごもり需要を獲得することが出来ました。また、国内においては、新規IPをスピーディに幅広いカテゴリーで商品展開したことや、玩具菓子等の玩具周辺商材の好調も業績に貢献しました。一方で、第1四半期を中心にアミューズメント施設で展開している商品については、新型コロナウイルス感染拡大による施設の休業により影響を受けました。この結果、トイホビー事業全体の売上高は296,016百万円(前期比16.7%増)、セグメント利益は38,220百万円(前期比43.0%増)となりました。

ネットワークエンターテインメント事業につきましては、国内外のネットワークコンテンツの主力タイトルが引き続き好調に推移しました。また、家庭用ゲームにおいては新作タイトルに加え、既存タイトルのリピート販売が、デジタル需要の増加に加え、デジタルコンテンツの販売、イベントの定期的な開催や情報発信等のユーザーに向けた継続的な施策の効果で好調に推移しました。一方で、新型コロナウイルス感染拡大により一部タイトルについては開発スケジュールへの影響が発生しました。この結果、ネットワークエンターテインメント事業全体の売上高は344,150百万円(前期比4.9%増)、セグメント利益は57,356百万円(前期比30.7%増)となりました。

リアルエンターテインメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受け、国内外のアミューズメント施設等を休業や時短営業したことにより、大きな影響を受けました。一方で、このような環境変化を受け、オンラインを活用したクレーンゲームの対応や、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進したほか、北米市場の施設事業からの撤退を行いました。なお、国や地方自治体からの要請を受けて臨時休業した施設等の休業期間中の固定費を「新型コロナウイルス感染症に伴う店舗臨時休業等による損失」として計上したことに加え、事業の構造改革に伴う費用として117億円を減損損失等で特別損失に計上しました。この結果、リアルエンターテインメント事業における売上高は63,923百万円(前期比30.3%減)、セグメント損失は8,379百万円(前期は1,502百万円のセグメント損失)となりました。

映像音楽プロデュース事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大を受け、ライブイベントの開催回数が減少したことに加え、映像・音楽作品の制作スケジュールの遅れ等により、作品の公開やパッケージソフトの発売が延期となったことが業績に影響を与えました。一方で、このような環境変化を受け、無観客ライブイベントの配信等の環境変化に対応した新たなライブイベントへの取組みを行いました。この結果、映像音楽プロデュース事業における売上高は28,089百万円(前期比40.2%減)、セグメント利益は969百万円(前期比87.9%減)となりました。

IPクリエイション事業につきましては、主力IP等の映像作品の制作や、情報発信等により話題喚起をはかり人気となりました。また、前連結会計年度に連結子会社となった㈱創通が第1四半期連結会計期間より本ユニットに所属したことにより、同社の収益を計上する一方でのれんの償却が発生しております。この結果、IPクリエイション事業における売上高は28,213百万円(前期比20.1%増)、セグメント利益は2,740百万円(前期比56.3%減)となりました。

経営方針・経営戦略または経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当社グループでは、売上高と営業利益に加え、営業利益率、ROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえ、2021年3月期第1四半期業績開示の折に開示した当連結会計年度の業績予想におきましては、営業利益率7.6% ROE7.3%を計画していましたが、事業ポートフォリオ効果及び各事業における環境変化への対応により、営業利益率11.4% ROE10.2%となりました。

財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金により充当することとしており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は203,698百万円となっております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に比べ営業利益の減少及び法人税等の支払いの増加が見込まれることから、当連結会計年度を下回る見込みであります。また、投資活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ設備投資等の資金需要の減少が見込まれ、財務活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ配当金の支払いの減少が見込まれるため、当連結会計年度より下回ることを見込んでおります。翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、営業活動で得られるキャッシュ・フローが、投資活動及び財務活動により使用するキャッシュ・フローを下回ることが見込まれるため、当連結会計年度末に比べて減少となる見込みであります。

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

4【経営上の重要な契約等】

重要な契約は次のとおりであります。

1.2020年9月16日開催の当社取締役会決議に基づき、連結子会社であるBANDAI NAMCO Entertainment Europe S.A.S.は、Reflector Entertainment Ltd.の発行済株式の100%を取得いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

2.当社は、2021年3月16日開催の取締役会において、子会社の組織再編を行うことを決議いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

3.その他の重要な契約

契約会社名

相手先名

国名

(地域)

契約内容

契約期間

㈱バンダイナムコエンターテインメント

㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント

全世界

プレイステーション(全機種)対応ソフトの開発、製造、販売の被許諾

2014年11月20日から

2019年3月31日まで

以後1年ごとの自動更新

㈱バンダイナムコエンターテインメント

任天堂㈱

日本

①「ニンテンドー3DS」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾

2010年12月1日から

2011年11月30日まで

以後1年ごとの自動更新

日本

②「Wii U」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾

2012年11月7日から

2015年11月6日まで

以後1年ごとの自動更新

全世界

③「Nintendo Switch」用ソフトの開発、ダウンロード販売の被許諾

2016年2月26日から

2019年2月25日まで

以後1年ごとの自動更新

日本

④「Nintendo Switch」用ソフトのパッケージ版販売被許諾

2016年2月26日から

2019年2月25日まで

以後1年ごとの自動更新

㈱バンダイナムコエンターテインメント

MICROSOFT LICENSING,GP

全世界

「XboxOne」及び「XboxSeries」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾

2020年6月1日から
2022年3月1日まで
以後1年ごとの自動更新

㈱バンダイナムコエンターテインメント

Apple Inc.

全世界

iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

1年間

(1年ごとの自動更新)

㈱バンダイナムコエンターテインメント

Google Inc.

全世界

Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約

定めなし

㈱バンダイナムコエンターテインメント

㈱ディー・エヌ・エー

日本

㈱ディー・エヌ・エーの提供するプラットフォームを通じてゲームを配信するタイトルごとの被許諾

タイトルごとの契約により異なるが、概ね1年~2年

両者合意により、以後1年ごとの期間延長

 

5【研究開発活動】

当社グループは市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力ある製品・サービスを提供するために、積極的な研究開発活動を行っており、トイホビー事業、ネットワークエンターテインメント事業を中心に、新素材や新技術を取り入れた安全かつ高付加価値・高品質・低コストの製商品開発に取り組んでおります。

具体的には、トイホビー事業においては、キャラクターマーチャンダイジングを推進するための新商品開発等に取り組んでおります。ネットワークエンターテインメント事業においては、基礎研究としてはネットワーク分野、ゲームコンテンツ分野等における研究活動を行うとともに、各種技術を用いた製商品の研究開発を行っております。

なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

トイホビー事業

10,185

ネットワークエンターテインメント事業

14,394

リアルエンターテインメント事業

1,703

映像音楽プロデュース事業

114

IPクリエイション事業

22

その他 (注)2

25

合計

26,446

(注)1.上記金額は、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費のセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。

2.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。

また、このほかに、主な開発部門で発生したゲームコンテンツ等に係る支出額は、ネットワークエンターテインメント事業が63,233百万円、リアルエンターテインメント事業が2,616百万円であります。