文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
今後につきましては、新型コロナウイルス感染拡大については世界の各地域において感染拡大防止策やワクチン接種が推進されることにより経済や個人消費が回復していくことが期待される一方で、社会情勢の変化等により依然先行きが不透明な状況が継続すると予測しております。このような環境が継続することで、当社グループが事業展開する市場においても、市場環境、エンターテインメントに対する人々の価値観の変化がさらに激しくなることが想定されます。また、デジタル化をはじめとする技術の進化により、エンターテインメントに関する選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードがますます速くなるとともに、グローバル市場における競争が激化することが予想されます。
(2)経営戦略等
当社グループは、2022年4月からはグループの最上位概念となる「パーパス」と新ロゴマークの導入を行うとともに、「パーパス」が示す目指す姿に向け中長期で持続的な成長をはかるため、新たな3カ年の中期計画をスタートしました。今後は、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる存在を目指してまいります。中期計画のもと、IPの世界観を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして、最適な地域に向けて提供することによりIP価値最大化をはかるIP軸戦略を核に全世界で各事業がALL BANDAI NAMCOでこれまで以上に一体となり、重点戦略に取り組んでまいります。これら取組みにより、当社グループの企業価値をさらに高めてまいります。
①「パーパス」の制定と新ロゴマークの導入について
2022年4月より、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか”“私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス」を制定しグループの最上位概念とすることとしました。「パーパス」の中で特に重要な要素が“つながる”“ともに創る”で、バンダイナムコとファンが「夢・遊び・感動」を通してつながることで“Fun for All into the Future”を実践していきます。
<Bandai Namco’s Purpose>
2022年4月より、「パーパス」にこめた思いを表現した新ロゴマークを導入しました。社名にバンダイナムコを冠する会社は全てこのロゴマークを使用するほか、バンダイナムコを社名に冠する、冠さないにかかわらず、原則的に全ての商品・サービスに新ロゴマークを表記します。これにより、商品・サービスやレーベルが持つ価値を新ロゴマークに集積するとともに、グループの一体感と総合力を強く訴求し、グローバル市場におけるブランド価値の向上を目指します。
<新ロゴマーク>
②「パーパス」のもと目指す姿
「パーパス」のもと、バンダイナムコグループが目指す姿は、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会とつながる姿です。既存のファンとはより「深く」つながり、新規のファンとはより「広く」つながります。そして、既存ファンと新規ファン、ファンから生まれたコミュニティ同士が「複雑に」つながり合うというファンとのつながりを目指します。様々なファンと、ファン同士がつながるにあたり、1番重視することは、どのようにつながるかというつながり方の質です。中期計画においても、ファンと深く、広く、複雑につながること、つながり方の質を重視した様々な戦略や取組みを推進します。
(3)中期計画における経営戦略等
①中期ビジョン
「パーパス」のもとバンダイナムコグループが目指す姿に向け、中期計画では、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ社員、そして社会と常に向き合い、深く、広く、複雑につながる存在を目指します。
②重点戦略と投資計画
IP軸戦略
バンダイナムコグループでは、中期計画においてもグループ最大の強みであるIP軸戦略を核とします。世界中のファンとより深く、広く、複雑につながるための新たな取組み、IP軸戦略の進化、世界の各地域でALL BANDAI NAMCOで一体となり事業構築に取り組むことで持続的な成長を目指します。
・IP×Fan(IPでファンとつながる) ファンとつながるための新しい仕組み
バンダイナムコがIPを軸に、ファンに寄り添う新しい仕組みとしてIPごとのメタバースを開発します。この「IPメタバース」は、仮想空間の中で、IPを軸に幅広いエンターテインメントを楽しむことができるほか、フィジカルな商品や場とデジタルが融合するバンダイナムコならではの仕組みを想定しており、ファンやパートナーがつながるための場を提供するオープンなものを目指しています。「IPメタバース」によって、バンダイナムコとファンが、さらにはファン同士がコミュニティやコンテンツを通じて長期にわたって深く、広く、複雑につながる関係を構築し、つながり方の質を追求します。これにより中長期的にIP価値の最大化に取り組みます。
・IP×Value(IPの価値を磨く) IP軸戦略の進化
幅広い商品・サービスの出口、フィジカルとデジタルの双方で連携できる強みを生かし、IPファンやIPそのものにとって最適なIP軸戦略とは何かの再定義を行い、IP軸戦略の進化を目指します。
・IP×World(IPで世界とつながる) ALL BANDAI NAMCOでの事業構築
世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOで一体となり戦略を推進するため、組織再編や各事業の拠点集約等を行いました。このALL BANDAI NAMCO体制のもと、各地域において事業の構築に取り組みます。
・IP軸戦略の進化に向けた投資計画
中期計画の3年間でIP軸戦略の進化に向けた戦略投資として合計400億円の投資を行います。
IP価値最大化に向けた戦略投資 250億円
「IPメタバース」開発に向けた投資 150億円
人材戦略 多様な人材の育成
バンダイナムコグループは、「パーパス」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ企業や社員が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の集団でありたいと考えます。新卒・キャリア、性別、国籍にこだわらず人材の確保・登用を行うとともに、多様な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる制度や環境整備にさらに注力します。中期計画においても、社員のチャレンジを支援する取組み、グローバルでIP軸戦略を推進する人材を育成する取組み等を推進するとともに、多様な働き方や新たな働き方への対応を推進します。
サステナビリティ 笑顔を未来へつなぐ
バンダイナムコグループは、「パーパス」及び「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」のもと、新たに特定したマテリアリティに沿ったアクションプランに取り組む等、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けたサステナブルな活動を推進します。
<特定したマテリアリティ>
- 地球環境との共生 - 適正な商品・サービスの提供 - 知的財産の適切な活用と保護
- 尊重しあえる職場環境の実現 - コミュニティとの共生
③中期計画を推進する体制
・バンダイナムコホールディングスにおけるガバナンス体制強化
バンダイナムコホールディングスは、コーポレート・ガバナンス体制の強化をはかるとともに、スピーディな意思決定と業務執行を行うことで、企業価値のさらなる向上に取り組むことを目的に監査等委員会設置会社へ移行しました。
・ユニット体制の一部変更について
2022年4月より、IPプロデュースユニット内の再編を行うとともに、映像音楽事業とクリエイション事業を統合しIPプロデュース事業に一本化しました。IPプロデュースユニットにおいては、ユニット内で映像事業を展開する会社3社(㈱サンライズ、㈱バンダイナムコアーツの映像事業、㈱バンダイナムコライツマーケティング)を統合した㈱バンダイナムコフィルムワークスが事業統括会社として統括します。
④計数目標 株主還元施策
・2025年3月期 計数目標
連結売上高 11,000億円
連結営業利益 1,250億円
ROE 12%以上
バンダイナムコグループは、株主の皆様への利益還元を経営の重要施策と位置づけており、当社グループの競争力を一層強化し、財務面での健全性を維持しながら、継続した配当の実施と企業価値の向上を実現していくことを目指しております。中期計画をスタートするにあたり、中期計画の重点戦略や投資計画、市場を取り巻く環境を踏まえ、様々な角度から株主還元に関する基本方針につきまして検討を行いました。その結果、長期的に安定した配当水準を維持するとともに、より資本コストを意識し、DOE(純資産配当率)と総還元性向を指標とした基本方針「安定的な配当額としてDOE2%をベースに、総還元性向50%以上を目標に株主還元を実施する」を継続することとしました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための取組みを継続するとともに、社会の一員として社会や顧客からの要請や期待に応えていきたいと考えております。世界各国における新型コロナウイルス感染拡大が継続した場合、販売店休業等による消費への影響に加えて、イベントの延期や自粛及びそれに伴うプロモーション等への影響、商品・サービスや映像作品の開発・制作スケジュールへの影響、生産スケジュール等への影響、アミューズメント施設等の休業等が発生する可能性があります。当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安心・安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため、衛生管理の徹底や各国・地域の政府・自治体からの要請に基づいた事業の運営等の取組み、多様な働き方への対応等を継続してまいります。また、事業面においては、影響を最小限のものとすべく、情報収集と臨機応変な対応を継続するほか、デジタル技術の活用強化等により、ライフスタイルの変化に迅速に対応してまいります。さらに、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては、IP軸戦略のもと、各地域で各事業がALL BANDAI NAMCOでより一体となり取り組むとともに、2022年4月よりスタートした中期計画において、課題に対応した戦略を推進してまいります。
①グループ横断で取り組むべき課題
企業の社会的責任を果たすために
当社グループは、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか”“私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス」をグループの最上位概念としています。バンダイナムコグループの「パーパス」で特に重要な要素は、“つながる”“ともに創る”という要素で、バンダイナムコとファン(IPファンやパートナー、地域社会等あらゆるステークホルダー)が「夢・遊び・感動」を通してつながることで“Fun for All into the Future”を実践してまいります。今後、様々な機会を通じ経営者自身が「パーパス」について発信を行うことで、グループ社員の理解の深化と、事業や行動を通じた「パーパス」の実践につなげてまいります。
当社グループではエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中のファンへ提供し続けるため、「バンダイナムコグループのサステナビリティ方針」を掲げ、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けた活動を推進してまいります。中期計画においては、重点戦略に「サステナビリティ」を設定し、グループが向き合うべき社会課題としてマテリアリティを特定(重要項目を再選定)しました。今後、マテリアリティに沿った具体的なアクションプランを推進してまいります。また、グループ社員が遵守すべき行動規範となるバンダイナムコグループコンプライアンス憲章を制定しており、これらのもと、「グループサステナビリティ委員会」とその推進組織である「グループサステナビリティ部会」、さらには「グループリスクコンプライアンス委員会」、「グループ情報セキュリティ委員会」、「内部統制委員会」を開催するとともに、様々な課題への対応や体制の強化をはかるほか、社内への啓発活動等各種施策に取り組むことで社内意識の向上に継続的に取り組んでまいります。
IP軸戦略のさらなる強化に向けて
当社グループでは、流通・メディアの寡占化やネットワークの普及、プラットフォームの多様化や技術進化、グローバル市場での競争激化等の環境変化に対応するため、IP軸戦略のさらなる進化に取り組みます。
新規IP創出にあたっては、IPプロデュースユニットにおいて映像・音楽・ライブイベントに関するノウハウを集約しIP創出とプロデュース力を強化します。また、商品・サービスや映像作品発の取組み、グループの連携による取組み、全体最適の視点で投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」の活用、次世代クリエイターを応援する「夢応援団」等によるパートナー企業やクリエイターとの連携等、あらゆる方向からIP創出を強化します。
そしてIP軸戦略において、ファンとより深く、広く、複雑につながるための新たな取組みとして、IPごとのメタバースを開発します。「IPメタバース」によって、バンダイナムコとファンが、さらにはファン同士が長期にわたって深く、広く、複雑につながる関係を構築し、つながり方の質を追求します。
IP価値最大化に向けては、より長期的な視点であらゆるパートナーとオープンに協業するほか、事業の最大化はもちろんのこと、IPの可能性を拡大するための取組みを推進します。地域や事業を横断して展開するIPにおいては、グループ横断プロジェクトによりIP価値最大化を目指します。中期計画においては戦略的な投資も行い、IP価値最大化に向けた様々な取組みを推進してまいります。
このほか、IP軸戦略の推進にあたっては、IPそのものやその世界観を尊重した活動を行うため、パートナー企業や行政と連携し、模倣品の排除や啓発活動等の知的財産保護のための活動を行ってまいります。
グローバル市場での事業拡大に向けて
当社グループが、中長期で持続的な成長を続けるためには、グローバル市場での事業拡大が不可欠と考えております。世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOで一体となり戦略を推進するため、組織再編や各事業の拠点集約等を行い、この体制のもと事業の構築に取り組みます。特に北米と中国内地を重点地域とし、IPを軸とした商品・サービスの開発やマーケティング面において強力に事業間連動を実施するほか、ワールドワイド展開をはかるIPについてはグループ横断プロジェクトにより取り組みます。また、日本発IPの商品・サービスの海外展開に加え、各地域発のIP展開に取り組む等IPポートフォリオの強化をはかります。さらに、グローバル人材の育成に向けて、多様な人材の採用に加え、地域や事業を横断した人事交流や研修により育成を推進します。
技術の進化と変化への対応に向けて
デジタル化をはじめとする技術の進化により、エンターテインメントにおける選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応した新たな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に取り組んでまいります。これらの推進にあたっては、グループに閉じることなく、国内外のパートナー企業やクリエイター等と密接な連携をはかってまいります。
②各ユニットにおける課題
エンターテインメントユニット
<デジタル事業>
当業界においては、「プラットフォームの多様化」、「ネットワーク等の技術進化」、「顧客ニーズの多様化」、「開発期間の長期化と投資額の上昇」等の課題があります。これらの課題に対応するため、商品・サービスの開発にあたってはクオリティを重視し絞り込んだタイトルの開発を行うとともに、リリース後においてもアップデートや追加コンテンツの提供、イベントの開催等の顧客に向けた継続的な施策により、商品・サービスの長期展開をはかっております。また、新たなプラットフォームの登場は顧客獲得の機会ととらえ、各プラットフォームの特性にあわせたタイトル提供を行っています。このほか、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、IPメタバースの開発等顧客ニーズの多様化や技術進化に対応した新たなエンターテインメントやビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。さらには、技術進化や環境変化、新たなプラットフォームに迅速に対応するため、技術研究をさらに強化してまいります。
<トイホビー事業>
当業界においては、「少子化による国内市場の縮小」、「顧客ニーズの多様化」、「商品生産地域の集中」「原材料の価格上昇」等の課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。海外においては、ハイターゲット層向け商品の事業拡大やIPポートフォリオの拡充、販路の拡大、EC販売強化等の取組みを行い、中長期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、スピードやクオリティ、価格面でも競争力のある商品展開を進めてまいります。このほか、該当する法規制や業界が定める品質・安全基準等を踏まえ、より厳しい自社品質基準の設定や生産委託先の定期的なCOC(Code of Conduct:行動規範)監査の実施等により品質・安全の徹底及び労働環境の適正化をはかっております。商品の生産においては、自社の生産拠点を日本、タイ、フィリピン、ベトナムに設けているほか、取引先工場においても品質基準の担保を大前提に生産拠点の分散をはかっております。
IPプロデュースユニット
当業界においては、「IP創出における競争激化」、「優秀な人材の育成、確保」等の課題があります。これら課題に対応するため、ユニット内の組織再編を行うことで映像・音楽・ライブイベントに関するノウハウや機能を集約し、より多彩でユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業により相乗効果を発揮できるIP創出機能の強化をはかります。また、映像制作や制作技術向上のための投資を積極的に行うほか、制作現場の環境や体制の整備、クリエイターの育成、社内外のパートナーやクリエイターとの連携強化に取り組んでまいります。さらには、映像・音楽・ライブイベントとデジタル技術を融合させた新しいエンターテインメント創出に取り組んでまいります。
アミューズメントユニット
当業界においては、「顧客ニーズの多様化」、「環境変化の激化」等の課題があります。これらの課題に対応するため、施設事業や業務用ゲーム機事業において、IPやグループのリソースを活用する等、バンダイナムコならではの展開を行い、グループの各事業とより一体となることで、安定して収益をあげることができる強い基盤づくりに取り組みます。同ユニットは、IP軸戦略におけるグループの重要な顧客接点として、グループの商品・サービスの販売、IPの訴求や顧客ニーズを収集する役割も果たしてまいります。
*「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」は2022年4月1日付の新しい事業区分で記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
バンダイナムコグループが中長期的に持続的な成長を続けるためには、環境変化にスピーディに対応し、グループを取り巻くリスクと機会を認識するとともに、それらへの対応を検討し実行することで、リスクの低減と機会の最大化をはかることが必要です。トップミーティングや各種委員会において、リスクや機会となり得る情報の分析や共有を行い、対応策を検討することにより、適切なリスクマネジメント体制を確保してまいります。また、環境の変化により生じた新たな機会をチャンスととらえ、様々な取組みを行ってまいります。
(1)グループを横断するリスクと機会
①新型コロナウイルス感染拡大に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・小売店休業等による消費への影響 ・イベントの延期・中止及びそれに伴うプロモーション等への影響 ・商品・サービスの開発や生産、物流への影響 ・映像作品の制作や公開スケジュールへの影響 ・アミューズメント施設の休業や時短営業による影響
機会 ・オンラインイベントやEC活用等のデジタル需要の増加 ・新しい働き方の導入によるワークライフバランスの充実 |
・衛生管理の徹底 ・各国・地域の政府・自治体からの要請に基づいた取組みの実施 ・BCP及びBCMに基づいた新型コロナウイルス感染拡大防止に特化した危機管理委員会の定期開催による情報収集と方針協議、グループへの周知 ・商品・サービスやマーケティングにおけるデジタル技術活用の強化 ・支援金の拠出や事業を通じた施策等社会支援の実施 ・新しい働き方の導入や環境・制度の整備 |
②IP軸戦略推進に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・市場や顧客の急速な変化、技術の進化 ・特定のIPへの依存 ・IP創出や取得に関する投資の増加 ・競争の激化 ・知的財産の侵害等IP価値の毀損 ・IP軸戦略を推進する人材の確保と育成
機会 ・地域や事業間の連携促進 ・新たな市場や事業、IPの創出の可能性拡大
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・「パーパス」の浸透、ブランド価値の向上 ・中期計画における重点戦略の推進 ・バランスのとれたIP・事業・地域ポートフォリオの確立 ・品質管理・検査体制の強化、従業員教育・サプライチェーンマネジメントの強化 ・クオリティ重視の開発体制強化 ・戦略的な投資の実施 ・模倣品排除を含む知的財産の適切な活用と保護 ・多様な人材が活躍できる制度や仕組みの導入を含む尊重し合える職場環境の実現 ・健全な財務体質基盤の強化 ・グローバル展開の拡大、組織再編の実施 |
③気候変動等の自然環境の変化
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・炭素規制やプラスチック利用規制による原材料や生産・調達コストの上昇 ・新技術の導入や研究開発、設備投資に伴うコストの増加 ・自然災害による財物損壊やサプライチェーンの中断、資源の枯渇
機会 ・省エネルギー化による電力コストの削減 ・効率的な生産・輸送プロセスの導入によるコストの削減 ・顧客の嗜好変化による新しい市場の創出 |
・地球環境との共生に向けた取組みの推進 ・省エネルギー施策、効率化施策の推進 ・再生エネルギー等低炭素エネルギーの利用 ・リサイクルの推進 ・新技術・新素材の導入、設備投資 |
④その他の外部要因に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・天災、事故等の災害 ・政情変化 ・法令、規制等の改正 ・為替の変動 ・基幹システムへのサイバー攻撃等のサイバーリスク |
・BCP、BCMに基づく活動推進、継続的な見直し ・リスクマネジメント体制の強化 ・各事業や地域の最新情報の収集と共有体制強化 ・最新情報収集、定期確認実施等サイバーセキュリティ強化 ・コミュニティとの共生に向けた取組み |
(2)各事業におけるリスク
①全事業を横断するもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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機会 ・ネットワーク環境の普及・拡大 ・技術の進化 ・デジタル化推進による顧客とのタッチポイント拡大 |
・オンラインを活用したIP認知度向上の取組みやグローバル展開の強化 ・新技術の積極的な活用 ・オンラインイベントやEC等デジタル対応の強化 |
②エンターテインメントユニット デジタル事業
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・プラットフォームの多様化 ・技術の進化 ・開発期間の長期化と投資額の上昇 |
・新技術、新プラットフォームへの積極的な対応 ・技術研究の強化 ・クオリティ重視の開発体制強化、効率化 ・タイトルリリース後の継続的なファンコミュニケーション |
③エンターテインメントユニット トイホビー事業
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・国内における少子化の進行 ・原油価格の上昇、脱プラスチックに向けた規制強化 ・物流コスト上昇 ・生産地域の集中と品質管理 |
・ターゲット層や展開地域の拡大 ・開発生産におけるバリューチェーン改革 ・生産拠点の分散、品質管理体制強化 (品質基準の継続的な見直し、COC監査実施等) |
④IPプロデュースユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・IP創出における競争激化 ・作品制作における人材の育成、確保 |
・スタジオ機能とプロデュース機能の集約 ・映像・音楽・ライブイベントのノウハウ集約 ・制作環境の向上、人材育成の強化 ・制作技術向上のための投資 ・社内外のあらゆるパートナーとの連携強化 |
⑤アミューズメントユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・リアルな場を活用したエンターテインメントの多様化 |
・IPや商品・サービス等グループリソースとの連携強化 ・事業の安定基盤強化 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における経営環境は、新型コロナウイルス感染拡大の継続や社会情勢の変化、デジタル技術の普及等が、国内外の経済や社会、顧客のライフスタイルや嗜好に影響を与えました。新型コロナウイルス感染拡大に対しては、当社グループは、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安全を最優先に考え、感染拡大を防ぐための取組みを実施しております。また、デジタルを活用した販売・マーケティングを強化する等、顧客のライフスタイルや嗜好の多様化に適合するための様々な施策を推進しました。そして、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに強化し、グローバルでの展開を拡大するための取組み、成長の可能性が高い地域や事業の強化に向けた取組み、世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOでグループが一体となり総合力の発揮を目指す取組み等の施策を推進しました。さらには、急激な環境変化を踏まえ、2021年4月よりスタートする予定だった中期計画について、新しい時代における新しい戦略を策定することが必要と判断し、スタートを1年延期しました。当連結会計年度は、新たな中期計画の戦略を推進するための事業基盤や組織体制を整備する期間と位置づけ、戦略の検討、組織再編や事業間の連携強化のための様々な取組みを推進しました。
当連結会計年度につきましては、新型コロナウイルス感染拡大により、国内外の多くの地域で小売店やアミューズメント施設の休業、イベントの中止等で各事業が大きな影響を受けた前年同期を上回る業績となりました。事業面ではデジタル事業とトイホビー事業が好調に推移したほか、各事業において顧客のライフスタイルや嗜好の変化に適合するための様々な施策をスピーディに推進したことや、グループの幅広い事業のポートフォリオが効果を発揮しました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高889,270百万円(前期比20.0%増)、営業利益125,496百万円(前期比48.2%増)、経常利益133,608百万円(前期比52.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益92,752百万円(前期比89.7%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[デジタル事業]
デジタル事業につきましては、家庭用ゲームにおいて「ELDEN RING(エルデンリング)」や「テイルズ オブ アライズ」等のワールドワイド向け新作タイトルの販売が好調だったほか、既存タイトルのリピート販売がユーザーに向けた継続的な施策により好調に推移しました。また、ネットワークコンテンツにおいては、新作タイトルが好調な出足となるとともに主力タイトルが安定的に推移したものの、年間では好調だった前年同期には及びませんでした。なお、当連結会計年度においては、前年同期と比較し新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が増加しました。
この結果、デジタル事業における売上高は378,173百万円(前期比11.9%増)、セグメント利益は69,634百万円(前期比22.6%増)となりました。
[トイホビー事業]
トイホビー事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層(大人層)向けの商品が、デジタルを活用した販売・マーケティングや、海外における展開拡大により好調に推移しました。また、前年同期にアミューズメント施設の休業により影響を受けたプライズ等の商品販売が回復しました。さらに、国内においては、定番IPや新規IPを活用した玩具に加え、海外向けのトレーディングカード、菓子やカプセルトイ等の玩具周辺商材が人気となりました。
この結果、トイホビー事業における売上高は373,625百万円(前期比24.2%増)、セグメント利益は52,319百万円(前期比33.9%増)となりました。
[映像音楽事業]
映像音楽事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行ったほか、IP関連のライセンス収入が業績に貢献しました。また、ライブイベントにおいては、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたこと等により、前年同期に比べ開催回数が増加しました。
この結果、映像音楽事業における売上高は53,941百万円(前期比57.6%増)、セグメント利益は5,698百万円(前期比267.9%増)となりました。
[クリエイション事業]
クリエイション事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の制作を行いましたが、コスト先行のビジネスモデルのため利益への貢献は限定的となりました。また、ガンダム等の人気拡大等に伴いライセンス収入が好調でしたが、IPの情報発信を行う「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」については、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。
この結果、クリエイション事業における売上高は37,564百万円(前期比33.1%増)、セグメント利益は2,830百万円(前期比3.3%増)となりました。
[アミューズメント事業]
アミューズメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大による影響を受けたものの、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で115.5%となり回復の兆しが見えたほか、欧州やアジアのアミューズメント施設についても前年同期比で回復しました。アミューズメント事業においては、今後も効率化に加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの取組みを推進し収益基盤の強化を目指します。
この結果、アミューズメント事業における売上高は82,344百万円(前期比28.8%増)、セグメント利益は4,051百万円(前期は8,379百万円のセグメント損失)となりました。
[その他事業]
その他事業につきましては、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
その他事業における売上高は27,667百万円(前期比12.2%増)、セグメント利益は347百万円(前期比42.4%減)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ129,867百万円増加し862,650百万円となりました。これは主に現金及び預金が75,074百万円、受取手形、売掛金及び契約資産(前連結会計年度末は受取手形及び売掛金)が30,976百万円、仕掛品が12,476百万円増加したこと等によるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ57,067百万円増加し278,416百万円となりました。これは主に支払手形及び買掛金が17,335百万円、未払法人税等が16,071百万円増加したこと等によるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ72,800百万円増加し584,233百万円となりました。これは主に配当金の支払額25,271百万円があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益92,752百万円を計上したこと等により利益剰余金が67,660百万円増加したこと等によるものです。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.7%から67.7%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
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前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
60,483 |
121,212 |
60,729 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△29,771 |
△27,136 |
2,635 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△19,037 |
△25,450 |
△6,413 |
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現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
203,698 |
277,891 |
74,193 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ74,193百万円増加し、277,891百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は121,212百万円(前期比100.4%増)となりました。これは売上債権の増減額26,577百万円(前期は6,653百万円)等の資金の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益が130,882百万円(前期は71,940百万円)、減価償却費が25,726百万円(前期は24,684百万円)となったことにより、全体としては資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は27,136百万円(前期比8.9%減)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が26,798百万円(前期は23,849百万円)であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25,450百万円(前期比33.7%増)となりました。これは主に配当金の支払額が25,271百万円(前期は29,220百万円)であったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
55,988 |
29.0 |
|
トイホビー事業 |
25,007 |
3.0 |
|
映像音楽事業 |
16,098 |
49.1 |
|
クリエイション事業 |
7,394 |
8.5 |
|
アミューズメント事業 |
9,229 |
80.6 |
|
合計 |
113,718 |
25.8 |
(注)1.上記金額は製造原価によって表示しております。
2.上記金額には商品化権使用料が含まれております。
3.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
4.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
7,089 |
11.4 |
2,852 |
△24.1 |
|
トイホビー事業 |
37,226 |
3.5 |
14,055 |
0.1 |
|
クリエイション事業 |
1,917 |
△9.6 |
2,349 |
21.7 |
|
合計 |
46,233 |
4.0 |
19,257 |
△2.4 |
(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
373,509 |
11.7 |
|
トイホビー事業 |
361,884 |
23.9 |
|
映像音楽事業 |
43,853 |
48.5 |
|
クリエイション事業 |
22,922 |
39.6 |
|
アミューズメント事業 |
81,165 |
29.4 |
|
その他 (注)2 |
5,933 |
1.5 |
|
合計 |
889,270 |
20.0 |
(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
3.当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、「前年同期比(%)」は、変更後のセグメントの区分に組み替えた数値で算出しております。
4.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Apple Inc. |
105,334 |
14.22 |
99,579 |
11.20 |
|
Google Inc. |
75,272 |
10.16 |
- |
- |
(注)販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
当社グループでは、2021年4月より新たな中期計画をスタートする予定でしたが、顧客のライフスタイルや価値観が大きく変化する中、新しい時代におけるバンダイナムコの新しい戦略を策定することが必要と判断し、2022年4月からのスタートに変更しました、当連結会計年度につきましては、新たな中期計画の戦略を推進するための事業基盤や組織体制を整備する期間と位置づけ、戦略の検討に加え、「パーパス」や新たなロゴマーク導入に向けた準備、中期計画のスタートに先駆けて組織再編や各地域での拠点統合を行う等、様々な取組みを推進しました。また、新型コロナウイルス感染拡大に対しては、従業員や家族、顧客をはじめとする様々なステークホルダーの安心・安全を最優先に考え、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための取組みを継続しました。
事業面においては、「IP軸戦略」のグローバルでの展開を拡大するための取組み、世界の各地域においてALL BANDAI NAMCOでグループが一体となり総合力の発揮を目指す取組み、地域や事業を横断して連携を深める取組み等を推進しました。このほか、商品・サービスやマーケティング展開においてデジタル技術を積極的に活用する等顧客のライフスタイルの変化に対応した取組みを行いました。この結果、グループ全体では、幅広い地域や事業を展開するポートフォリオによる効果を発揮し、売上高889,270百万円 営業利益125,496百万円となり、年初計画である売上高750,000百万円 営業利益75,000百万円をいずれも上回り、過去最高の売上高と営業利益となりました。
・エンターテインメントユニット(デジタル事業、トイホビー事業)
デジタル事業につきましては、クオリティを重視した開発を推進し、家庭用ゲームにおいては「ELDEN RING(エルデンリング)」や「テイルズ オブ アライズ」等のワールドワイド向け新作タイトルの出荷本数が年初の計画を上回り業績に貢献しました。また、既存タイトルのリピート販売においては、デジタル需要の増加に加え、デジタルコンテンツの販売、イベントの定期的な開催や情報発信等のユーザーに向けた継続的な施策の効果で好調に推移しました。また、ネットワークコンテンツにおいては、主力タイトルがユーザーに向けた継続的な施策により安定的に推移したほか、新規タイトルの投入と立ち上げに注力しました。なお、当連結会計年度においては、前年同期と比較し家庭用ゲーム、ネットワークコンテンツともに新規大型タイトルの投入が増えたため、開発費等の初期費用が増加しました。この結果、デジタル事業全体では、年初計画 売上高310,000百万円 セグメント利益40,000百万円に対し、売上高378,173百万円 セグメント利益69,634百万円となり、デジタル事業として過去最高の売上高と営業利益となりました。
トイホビー事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズのプラモデルやコレクターズフィギュア、キャラクターくじ等のハイターゲット層向け商品において、オンラインイベントやECの強化等のデジタルを活用した販売・マーケティングに積極的に取り組んだほか、国内に加えて北米やアジア等海外における展開を強化したことにより好調に推移しました。また、定番IP商品に加え、新規IP商品を積極的に商品展開したことや、トレーディングカードやカプセルトイ、菓子等の玩具周辺商材の好調も業績に貢献しました。この結果、トイホビー事業全体では、年初計画 売上高300,000百万円 セグメント利益35,000百万円に対し、売上高373,625百万円 セグメント利益52,319百万円となり、トイホビー事業として過去最高の売上高と営業利益となりました。
これら事業面での取組みに加え、2021年4月からはデジタル事業とトイホビー事業を同一ユニット(エンターテインメントユニット)に統合しました。これにより、相互に事業への理解を深めるとともに、フィジカルからデジタルまで幅広い出口を活用した連携を進めました。これらの取組みを基盤に、2022年4月からの中期計画においてさらに両事業の連携を深めていきます。
・IPプロデュースユニット(映像音楽事業、クリエイション事業)
映像音楽事業につきましては、前年度に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたライブイベントが、配信や新技術の活用等の環境変化に対応した新たな形のライブイベントへの取組みを進めたことや行政や自治体の規制緩和により、開催回数が増加しました。また、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ、「アイドルマスター」シリーズ等のIPの映像・音楽パッケージソフトの販売を行いました。このほか、IPの多面的な展開により、ライセンス収入が業績に貢献しました。この結果、映像音楽事業全体では、年初計画 売上高45,000百万円 セグメント利益4,000百万円に対し、売上高53,941百万円 セグメント利益5,698百万円となりました。
クリエイション事業につきましては、「機動戦士ガンダム」シリーズや「ラブライブ!」シリーズ等の新作映像作品の制作を行い話題となりましたが、コスト先行のビジネスモデルのため当連結会計年度の利益への貢献は限定的となりました。また、「機動戦士ガンダム」シリーズ等のIPの人気拡大によりライセンス収入が好調でした。このほか、「GUNDAM FACTORY YOKOHAMA」において、IPの情報発信を行いましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けました。この結果、クリエイション事業全体では、年初計画 売上高30,000百万円 セグメント利益4,000百万円に対し、売上高37,564百万円 セグメント利益2,830百万円となりました。
これら事業面での取組みに加え、2021年4月からは映像音楽事業とクリエイション事業を同一ユニット(IPプロデュースユニット)に統合しました。これにより、スタジオ機能を集約し、ノウハウを相互に活用することで、より多彩なIP創出強化に向けた取組みを推進しました。これらの取組みを基盤にするとともに、2022年4月からの中期計画においては、両事業が統合することで、さらにIP創出・プロデュース力を強化していきます。
・アミューズメントユニット(アミューズメント事業)
アミューズメント事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響による休業や時短営業等の影響を一部受けましたが、国内外のアミューズメント施設の売上高が前年度を上回りました。また、市場の回復により業務用ゲームの販売も回復しました。このほか、効率化に向けた継続的な取組みに加え、グループの商品・サービスの活用を強化する等のバンダイナムコならではの展開を推進し収益基盤の強化に取り組みました。この結果、アミューズメント事業全体では、年初計画 売上高84,000百万円 セグメント利益2,000百万円に対し、売上高82,344百万円 セグメント利益4,051百万円となりました。
・その他事業
その他事業につきましては、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組みました。この結果、その他事業全体では、年初計画 売上高25,000百万円 セグメント利益500百万円に対し、売上高27,667百万円 セグメント利益347百万円となりました。
経営方針・経営戦略又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期計画における経営戦略等 ④計数目標 株主還元施策」をご参照ください。当社グループでは、売上高と営業利益に加え、営業利益率、ROE(自己資本当期純利益率)を重視しております。当連結会計年度の年初におきましては、営業利益率10.0% ROE9.9%を計画していましたが、事業ポートフォリオ効果及び各事業における環境変化への対応により、営業利益率14.1% ROE16.9%となりました。
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金により充当することとしており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は277,891百万円となっております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に比べ営業利益の減少及び法人税等の支払いの増加が見込まれることから、当連結会計年度を下回る見込みであります。また、投資活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ設備投資等の資金需要の増加が見込まれ、財務活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ配当金の支払いの増加が見込まれるため、当連結会計年度より上回ることを見込んでおります。翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、営業活動で得られるキャッシュ・フローが、投資活動及び財務活動により使用するキャッシュ・フローを下回ることが見込まれるため、当連結会計年度末に比べて減少となる見込みであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
重要な契約は次のとおりであります。
1.当社は、2021年3月16日開催の取締役会決議に基づき、2021年9月30日付で、連結子会社であるBandai Namco Holdings France S.A.S.を存続会社、同じく連結子会社であるBandai Namco Entertainment Europe S.A.S.を消滅会社とする吸収合併及び商号変更を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
2.当社は、2021年3月16日開催の取締役会決議に基づき、2022年3月31日付で、連結子会社であるBANDAI AMERICA INC.を存続会社、同じく連結子会社であるBandai Namco Collectibles LLCを消滅会社とする吸収合併及び商号変更を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
3.当社は、2021年10月19日開催の取締役会決議に基づき、2022年4月1日付で、IPプロデュースユニットの子会社の組織再編を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。
4.当社は、2022年2月8日開催の取締役会において、欧州地域の子会社の組織再編を行うことを決議いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
5.その他の重要な契約
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契約会社名 |
相手先名 |
国名 (地域) |
契約内容 |
契約期間 |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
全世界 |
プレイステーション(全機種)対応ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
2014年11月20日から 2019年3月31日まで 以後1年ごとの自動更新 |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
任天堂㈱ |
全世界 |
①「Nintendo Switch」用ソフトの開発、ダウンロード販売の被許諾 |
2016年2月26日から 2019年2月25日まで 以後1年ごとの自動更新 |
|
日本 |
②「Nintendo Switch」用ソフトのパッケージ版販売被許諾 |
2016年2月26日から 2019年2月25日まで 以後1年ごとの自動更新 |
||
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
MICROSOFT LICENSING,GP |
全世界 |
「XboxOne」及び「XboxSeries」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
2020年6月1日から |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Valve Corporation |
全世界 |
STEAMの開発、製造、販売の許諾契約 |
定めなし |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Apple Inc. |
全世界 |
iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
1年間 (1年ごとの自動更新) |
|
㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Google Inc. |
全世界 |
Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
定めなし |
当社グループは市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力ある製品・サービスを提供するために、積極的な研究開発活動を行っており、デジタル事業、トイホビー事業を中心に、新素材や新技術を取り入れた安全かつ高付加価値・高品質・低コストの製商品開発に取り組んでおります。
具体的には、デジタル事業においては、基礎研究としてはネットワーク分野、ゲームコンテンツ分野等における研究活動を行うとともに、各種技術を用いた製商品の研究開発を行っております。トイホビー事業においては、キャラクターマーチャンダイジングを推進するための新商品開発等に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
金額(百万円) |
|
デジタル事業 |
|
|
トイホビー事業 |
|
|
映像音楽事業 |
|
|
クリエイション事業 |
|
|
アミューズメント事業 |
|
|
その他 (注)2 |
|
|
合計 |
|
(注)1.上記金額は、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費のセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
また、このほかに、主な開発部門で発生したゲームコンテンツ等に係る支出額は、デジタル事業が74,123百万円、アミューズメント事業が3,657百万円であります。