当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営環境
当社グループを取り巻く環境としましては、世界情勢における様々な動き等により各地域において先行きが不透明な状況が継続すると予測されます。また、市場や顧客のライフスタイルや嗜好等の我々を取り巻く環境変化のスピードがさらに速くなるとともに、グローバル市場における競争が激化することが想定されます。
(2)経営戦略等
当社グループは、グローバル市場における競争の激化、顧客のライフスタイルや嗜好の変化に対応するため、2025年4月より3カ年の中期計画を推進しています。中期計画においては、グループの最上位概念「パーパス“Fun for All into the Future”」、そして中長期ビジョン「Connect with Fans」のもと、中長期での持続的な成長に向け、グローバル市場においてIP軸戦略をさらに強力に推進します。
①「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと目指す姿
バンダイナムコグループでは、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか”“私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス“Fun for All into the Future”」を制定しグループの最上位概念としています。
「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、バンダイナムコグループが目指す姿は、世界中のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、社会)とつながる姿です。新規のFansとはより「広く」つながり、既存のFansとはより「深く」つながります。そして、新規と既存のFansから生まれたコミュニティ同士が「複雑に」つながり合うことを目指します。バンダイナムコが様々なFansと、そしてFans同士がつながるにあたり、最も重視することは、どのようにつながるかというつながり方の質です。今中期計画においても、Fansと広く、深く、複雑につながること、つながり方の質を重視した様々な戦略や取組みを推進します。
<Bandai Namco’s Purpose>
②中長期ビジョン
「パーパス“Fun for All into the Future”」のもとバンダイナムコグループが目指す姿を前中期計画に引き続き「Connect with Fans」とし、中長期ビジョンへと位置づけを変更したうえで、その第2章のアクションフェーズとして、これまで以上に新しい挑戦を積極的に行うことで、世界中のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、社会)と全方位でつながり、広く、深く、複雑につながる存在を目指します。
③中期計画テーマ
バンダイナムコグループが持続的な成長をしていくために、「さらなる事業規模の拡大」「新たな事業の柱の獲得」「長期利益を生み出す体制構築」の3つを共通テーマとしました。この共通テーマに基づき、さらに4つのキーテーマである、「いいものつくる」「もっとひろげる」「そだてつづける」「みがきふかめる」と「アライアンス強化」「多彩な人材の活用」、4つのキーテーマを具体的に表す8つの項目を設定し実行することで、IPがもつ可能性を拡げ、世界中のFansとともに、さらなる笑顔の連鎖を生み出す事業展開を目指します。
・キーテーマ1「いいものつくる」
「ものづくり」はグループの原点。バンダイナムコらしいユニークな発想で商品・サービスを生み出す
バンダイナムコグループの原点は、「ものづくり」です。バンダイナムコらしいユニークな体験価値を世界中のFansに届けるためのゲーム開発・アニメ制作・商品の企画・生産、また新しいサービスの創出を推進するとともに、新規IP創出においては、映像作品に加え、商品・サービス発、グループ横断プロジェクト発等、あらゆる方向から継続的に取り組んでいきます。その取組みのひとつとして、外部クリエイターやスタジオ、IPホルダーとともに新たな切り口のIP共創を強化していきます。また、制作・開発・生産の面では効率化を推進し、より質の高い「ものづくり」に取り組んでいきます。
・キーテーマ2「もっとひろげる」
展開エリアと合わせてカテゴリーも拡大し、世界中のFansに「ひろげる」ことを目指す
日本発IPの人気がワールドワイドで拡大する環境下において、バンダイナムコグループがグローバルで事業を拡大できる可能性はまだまだあります。
トイホビー事業では、ハイターゲット(大人)層向け商品やトレーディングカード、カプセルトイ等の展開を拡大しています。さらに、アミューズメント事業との連携による公式ショップ、体験会やイベント等により、遊びの定着やFansとのつながりを深めます。また、日本発IPだけでなく現地発IPや現地企業とのコラボレーションも積極的に行っていきます。エリアの拡大については、各地域においてECの強化を進めています。
デジタル事業では、日本と米国でワールドワイドのマーケティングをコントロールする体制をさらにブラッシュアップし、意思決定と情報共有のスピードアップをはかります。
映像音楽事業(旧 IPプロデュース事業)では、北米に映像音楽事業会社を設立。Legendary Picturesと実写映画「機動戦士ガンダム」に関する共同投資契約を締結し、本格的な制作のステップに進みます。全世界公開に向けて、新会社が実写映画の制作投資窓口となり、海外におけるガンダムのライセンスやプロモーション、イベント等を強化し、ガンダムIPの価値最大化を目指します。
・キーテーマ3「そだてつづける」
生み出したものを「そだてつづける」ことが重要。強く、広く、長く愛されるブランドに育てる
バンダイナムコグループの強みであるIP軸戦略を核とするIPの創出だけではなく、IPを「そだてつづける」ことも重要だと捉えています。今中期計画では、「たまごっち」等のトイホビー事業発、「アイドルマスター」や「パックマン」等のデジタル事業発、「ガンダム」等の映像音楽事業発といったグループで持つIPのライセンス事業を強化するとともに、グループの事業領域以外にもIPの世界観を広げます。ゲームタイトルについては、シリーズタイトルの人気拡大や継続的なシリーズ展開、有効活用により定着とブランド力強化をはかります。
また、グループIPのひとつ、ガンダムの代表的な商品ガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)をはじめ、トイホビー事業の商品では様々な原材料にプラスチックを使用しています。プラスチックに対しての環境配慮に関する声が高まる中、バンダイナムコグループプラスチック環境配慮方針を制定しました。これまでもファン参加型のリサイクルや代替素材の活用等の取組みを進めてきましたが、今後もこの方針のもと、プラスチックの使用を出来る限り削減したうえで、再生プラスチックや代替素材の活用、リサイクルの推進をさらに進めていきます。社会の一員として、グループ一丸となって環境配慮に取り組むことは、IPや商品ブランドの価値向上にもつながると考えています。
・キーテーマ4「みがきふかめる」
これまでに蓄積したデータを最大限活用し、ビジネスを「みがきふかめる」ことで進化させる
前中期計画において、グループのデータ接続と集約を行い活用するデータユニバース構想を推進し、複数事業で活用を始めています。今中期計画においては、蓄積したデータの活用を本格的にスタートし、深掘りしていきます。これにより、最適なマーケティングプランの立案や商品企画、需要予測の精度を向上させることで、各事業におけるビジネスを磨き上げていきます。また、主にゲーム開発や映像制作の分野においては、外部パートナーと自社スタジオや研究開発部門との協議や連携による新技術の研究や活用を積極的に進めます。これらの取組みにより、「みがきふかめる」を実現させます。
・アライアンス強化
各事業においては、これまでと同様にあらゆるパートナーとの協業やアライアンスを行いますが、新たな取組みの1つとして、中長期ビジョンの「Connect with Fans」のもと、「360度、全方位のFansとつながる」という意味を込めて「Connect with 360」を省略した「CW360」という部署を当社に新設しました。「CW360」は、これまで、時間や予算等の制約から「やりたくても手を伸ばせなかった領域」に、グループ全体の視点で、失敗を恐れずアプローチし、あらゆるパートナー、プロジェクト、協業、提携等様々な形でつながっていきます。これら事業成長を後押しする取組みが、グループ全体のさらなる長期的な成長につながると考えています。
・多彩な人材活用
「CW360」による外部パートナーとのアライアンス強化の取組みは、「人材育成の機会」にもつながると考えています。外部パートナーとのプロジェクトや協業、合弁会社による展開等、「CW360」が生み出す様々な機会を、次世代を担う人材の育成につなげていきます。
このほか、グループの事業成長に伴うグローバル人材の育成、コーポレート人材や部門の強化、環境や体制の整備等、多彩な人材が安心して生き生きと働くことができるよう、各種施策を推進し、盤石なものとしていきます。
<中期計画全体図>
4つのキーテーマ、「いいものつくる」「もっとひろげる」「そだてつづける」「みがきふかめる」と、それらを具体的に表す8つの項目からなる中期計画全体図で示す中央のふたつの円には、「デジタル&フィジカル」、「攻めと守り」、「遠心力と求心力」といった両輪をイメージさせる様々な意味合いを込めています。
「パーパス“Fun for All into the Future”」、そして中長期ビジョン「Connect with Fans」のもと、IPがもつ可能性を拡げ、世界中のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、社会)と全方位の様々なつながりを強化することで、バンダイナムコグループはさらなる成長を目指します。
④資本政策
今中期計画では、持続的な成長に向け、IP価値最大化による企業価値の向上と、長期的な利益創造に向けて、EPSとエクイティスプレッドを意識し、ROEの上昇に注力するとともに、株式市場とのコミュニケーションにつとめます。現状の資本コストは8%程度と認識しており、エクイティスプレッドは、継続的に5%以上となることを目指します。取締役の業績評価においても、資本効率をより意識し、計数指標、サステナビリティに加え、EPSもKPIとします。
⑤キャピタル・アロケーション
中期計画におけるキャピタル・アロケーションの方針に基づいて、成長投資と株主還元をともに実現していきます。
今中期計画期間中に約6,000億円の投資を計画している成長投資は、主にゲームや映像制作等原価を中心に計上される投資、金型等の事業に必要な設備投資、そして中期計画における戦略投資である“360”投資(全方位でIPファンやパートナー、株主等あらゆるステークホルダーとつながるための投資)で構成しています。これらの投資は、今中期計画において成果が出るものだけでなく、中長期で持続的に成長を続けることを重視しています。
⑥計数目標(2025年2月公表数値)
・2028年3月期 計数目標
連結売上高 14,500億円
連結営業利益 2,000億円
海外売上比率(仕向地別) 50%以上
・継続的な目標
営業利益率 継続的に12%以上
エクイティスプレッド 継続的に5%以上
バンダイナムコグループは、世界中のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、社会)と、広く、深く、複雑につながる存在を目指し、中期計画においてIP価値の最大化に向けた様々な取組みを推進するとともに、成長に向けた強固な経営基盤を確立することで、企業価値の向上と長期利益の創造を目指してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループでは、中長期での持続的な成長に向け取り組むべき様々な課題に対しては、2025年4月より推進している中期計画において、中長期ビジョン「Connect with Fans」のもと、3つの共通テーマ(「さらなる事業規模の拡大」「新たな事業の柱の獲得」「長期利益を生み出す体制構築」)と、共通テーマに基づいた4つのキーテーマ(「いいものつくる」「もっとひろげる」「そだてつづける」「みがきふかめる」)並びに「アライアンス強化」「多彩な人材の活用」による様々な取組みを推進することで対応してまいります。
①グループ横断で取り組むべき課題
企業の社会的責任を果たすために
<「パーパス“Fun for All into the Future”」の実践>
当社グループは、“社会における存在意義”や“なぜその事業や企業活動を行うのか”“私たちがバンダイナムコで働く意味”を表す「パーパス“Fun for All into the Future”」をグループの最上位概念としています。バンダイナムコが世界中のIPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、そして社会等あらゆるステークホルダーと「夢・遊び・感動」を通じて心の豊かさでつながる未来をともに創造することを目指してまいります。今後も、様々な機会を通じ経営者自身がパーパスについて発信を行うことで、グループ社員の理解の深化をはかり、事業や行動を通じたパーパスの実践につなげてまいります。
<安定した収益基盤構築に向けて>
当社グループでは、変化の激しい市場において安定した収益基盤を強固にするため、多様なIPや幅広い事業カテゴリー、展開地域によるポートフォリオバランスを重視した経営を推進しております。安定した収益基盤を強固にすることで、環境変化による影響を軽減するとともに、中長期での成長に向けた投資やチャレンジを行い、新たなIPや事業等の創出・育成をはかってまいります。
<サステナビリティへの取組み>
当社グループではエンターテインメントを通じた「夢・遊び・感動」を世界中のファンへ提供し続けるため、「バンダイナムコグループサステナビリティ方針」を掲げ、グループが向き合うべき社会課題として特定したマテリアリティのもと、ファンとともに持続可能な社会の実現に向けた活動を推進しております。
また、「バンダイナムコグループ行動規範」「バンダイナムコグループ取引先ガイドライン」を制定し、グループ社員はもちろんのこと、事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重することを企業としての責任と考え、「バンダイナムコグループ人権方針」を定めています。これらのもと、「グループサステナビリティ委員会」とサステナブル活動を推進する「グループサステナビリティ部会」、さらには、コンプライアンスや情報セキュリティ、内部統制の強化を推進する各種委員会を開催するとともに、様々な課題への対応や体制の強化をはかるほか、社内への啓発活動等各種施策に取り組むことでグループにおけるサステナビリティ文化醸成、社内意識の向上に継続的に取り組んでまいります。
IP軸戦略のもと、IPの創出・育成、展開強化に向けて
当社グループでは、流通・メディア環境の変化やネットワークの普及、プラットフォームの多様化や技術進化、グローバル市場での競争激化等の様々な環境変化に対応するため、IP軸戦略のさらなる進化に取り組んでおります。
IP軸戦略の核となるIPの創出にあたっては、映像音楽ユニットにおいて映像・音楽作品発のIP創出力を強化するとともに、商品・サービス発の取組み、グループの連携による取組み、全体最適の視点で投資を行う「バンダイナムココンテンツファンド」の活用を推進します。さらには、外部のクリエイターやスタジオ、IPホルダーとの協業・連携等によるIPの共創を強化してまいります。
また、創出・共創したIPは、様々なメディアを活用し発信を行うほか、グループの幅広い商品・サービスによる展開、外部ライセンスやグローバル展開の強化等により、中長期でIP価値を最大化することを目指してまいります。
このほか、IP軸戦略の推進にあたっては、IPを適切に活用・保護するため、社外パートナー企業や行政と連携し、様々な啓発活動や知的財産権侵害対策の推進等の活動を行ってまいります。
カテゴリー・エリア拡大に向けて
当社グループが、中長期で持続的な成長を続けるためには、グローバル市場での事業拡大が不可欠と考えております。世界の各地域において事業拡大に向けた連携を推進するため、組織再編や各地域における事業拠点の集約、ガバナンス機能の強化等を行っております。中期計画においては特に北米と中国内地を重点地域とし、強力に事業間連動を実施するほか、ワールドワイド展開をはかるIPについてはグループ横断プロジェクトにより取り組んでいます。また、日本発IPの商品・サービスの海外展開に加え、各地域発のIP展開に取り組む等、IPポートフォリオの強化をはかります。このほか、事業カテゴリーの拡大やECを含めた販路の拡大、IPや商品ブランド認知向上のためのプロモーションやマーケティングを強化しています。さらには、グローバル市場での需要拡大に対応するため、新工場の建設等生産体制の拡充をはかっています。そして、グローバル人材の育成に向けて、各地域での採用活動を強化するとともに、地域や事業を横断した人事交流や研修等により育成を推進してまいります。
協業・アライアンスの強化に向けて
当社グループは、グループ内に閉じることなく、様々な才能やノウハウを持つ外部人材や外部パートナーとつながる開かれた企業集団でありたいと考えています。中期計画においては、成長投資を含めた外部パートナーとの協業・アライアンスをさらに推進するため、“360度全方位のFans(IPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ社員、社会)とつながっていきたい”という想いをこめて当社内に「CW360」を新設しました。「CW360」においては、グループ全体の視点で、外部パートナーと新たな領域への挑戦を通じ様々な形でつながり、さらに新たな領域と各事業がつながることで各事業の成長を後押しし、グループの長期的な成長につなげていくことを目指してまいります。
多彩な人材が活躍できるグループに向けて
当社グループの最大の財産であり強みは人材です。「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ多様な人材が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の企業集団でありたいと考えます。従来より新卒・キャリア、性別、年齢、国籍、人種、宗教や性的指向等にこだわらず多様な人材の確保・登用を行うとともに、多彩な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる様々な制度や環境の整備に取り組んでおります。また、外部パートナーとのアライアンス強化によるプロジェクトや協業を、人材活躍の新たな場としても活用し、次世代経営人材の育成の機会につなげてまいります。
技術の進化と変化への対応に向けて
技術の進化により、エンターテインメントにおける選択肢が多様化し、顧客の嗜好やライフスタイルの変化のスピードが速くなるとともに、グローバル規模での競争が激化しています。当社グループでは、従来のビジネスモデルにこだわることなく、顧客の嗜好やライフスタイルに対応した新たな価値創造やプラットフォームへの対応、ビジネスモデルの変革に積極的に取り組んでまいります。これらの推進にあたっては、外部パートナー企業やクリエイター等と密接な連携をはかり新技術の研究や活用を進めています。また、データユニバース構想で集約したグループのデータを分析し、商品・サービスのマーケティングや需要予測の精度向上に活用してまいります。
②各ユニットにおける課題
トイホビーユニット
当業界においては、「国内における少子化の進行」「顧客ニーズの多様化」「グローバル展開の拡大に伴う対応」「生産地域の集中と品質管理」「原材料や燃料の価格上昇」「輸出入取引に係る法令変更や環境変化」等の課題があります。これらの課題に対応するため、国内において圧倒的No.1の地位確立を目指し、ターゲット層の拡大や新規事業の創出に取り組んでおります。海外においては、ハイターゲット層(大人層)向け商品やカード商材等の事業カテゴリー拡大やIPポートフォリオの拡充、販路の拡大、EC販売強化等の取組みを行い、中長期的な成長を目指してまいります。また、開発生産面においては、バリューチェーンの改革により、生産の効率化をはかるとともに、スピードやクオリティ、価格面でも競争力のある開発生産を進めているほか、各地域の顧客嗜好にあわせた商品展開を行っています。このほか、該当する法規制や業界が定める品質・安全基準等を踏まえた独自の品質基準の設定、品質監査とCоC(Code of Conduct:行動規範)監査を一元化した監査を海外最終梱包工場に対して定期的に実施する等により、品質・安全の徹底及び労働環境の適正化をはかってまいります。さらには、グローバル市場での需要拡大、各国の法令変更や原材料上昇による影響を軽減するため、自社の生産拠点の増強や生産地域の分散をはかってまいります。
デジタルユニット
当業界においては、「開発期間の長期化と投資額の上昇」「プラットフォームの多様化」「技術の進化」「顧客ニーズの多様化」等の課題があります。これらの課題に対応するため、商品・サービスの開発にあたっては厳選したタイトルの開発を行うとともに、開発タイトルの審査体制やクオリティ、開発コスト、スケジュールの管理を強化することにより、最適なタイトルポートフォリオ構築を目指しています。また、日米拠点が連携しワールドワイドのマーケティング施策を推進し、リリース後においてもアップデートや追加コンテンツの提供、イベントの開催等の顧客とつながり続けるための継続的な施策により長期展開をはかっております。また、新たなプラットフォームの登場は顧客獲得の機会ととらえ、各プラットフォームの特性にあわせたタイトル提供を行っています。このほか、既存の事業や商品・サービスの枠を超え、顧客ニーズの多様化や技術進化に対応したエンターテインメントやビジネスモデルの創出に取り組んでまいります。さらには、技術進化や環境変化、新たなプラットフォームに迅速に対応するため、外部パートナーとの協業・連携による技術研究をさらに強化してまいります。
映像音楽ユニット
当業界においては、「IP創出における競争激化」「作品制作における人材の育成、確保」「制作期間の長期化と投資額の上昇」等の課題があります。これら課題に対応するため、より多彩でユニット内のみならずグループの各事業や外部パートナーとの協業・連携によりIP創出機能の強化をはかっております。また、映像制作や制作技術向上のための投資を積極的に行うほか、制作現場の環境や体制の整備、クリエイターの育成、外部パートナーやクリエイターとの連携強化に取り組んでまいります。さらには、日本発IPのグローバル市場での人気拡大を受け、グローバル展開を視野に入れたIPの創出や展開地域の拡大をはかっています。創出したIPについては、メディア展開やライセンスの強化、グローバル市場への展開拡大等によってIP価値の最大化を目指してまいります。
アミューズメントユニット
当業界においては、「人材の確保、人件費の上昇」「顧客ニーズの多様化」「環境変化の激化」「原材料や燃料の価格上昇」等の課題があります。これらの課題に対応するため、ユニット内の組織再編により、企画開発力と施設運営に長けた人材の獲得・育成を強化します。また、施設事業やアミューズメント機器事業において、IPやグループの商品・サービスを活用する等、バンダイナムコならではの展開を行い、グループの各事業とより一体となった展開を推進しております。さらに効率化に取り組むことで、安定して収益をあげることができる基盤の構築を目指してまいります。同ユニットにおいては、IP軸戦略におけるグループの重要な顧客接点として、グループの商品・サービスの販売、IPの訴求や顧客ニーズを収集する役割も果たしてまいります。
当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループでは、「パーパス“Fun for All into the Future”」をグループにおける最上位概念と位置付け、サステナブル活動を経営戦略上の重要な取組みであるという認識のもと、「笑顔を未来へつなぐ」をスローガンとして、グループ一丸となってサステナブル活動を推進しています。また、世界中のファンとともに、笑顔あふれる未来を目指すべく「バンダイナムコグループサステナビリティ方針」を策定しています。ファンをはじめ、あらゆるパートナーやグループ従業員、社会とともに、持続可能な社会の実現に向けたサステナブルな活動を推進します。
当社グループは、グループが向き合うべき社会課題として特定したマテリアリティのもと、具体的なアクションプランを推進しています。さらに、社会が直面している地球環境の問題に対応すべく、2050年までのエネルギー由来のCO2排出量削減目標とステップの設定を行い、脱炭素に向けた取組みを進めています。なお、当社取締役(監査等委員及び社外取締役を除く)の報酬における変動報酬である業績連動賞与において、サステナビリティ評価を導入しています。
(1)サステナビリティ
①ガバナンス
サステナブル活動の推進にあたっては、当社の常勤取締役及び当社グループの事業統括会社(㈱バンダイ、㈱バンダイナムコエンターテインメント、㈱バンダイナムコフィルムワークス及び㈱バンダイナムコエクスペリエンス)の代表取締役社長等で構成され、当社代表取締役社長が議長を務めるグループサステナビリティ委員会を設置し、事業と連携した活動に取り組んでいます。具体的には、サステナブル活動の推進は経営戦略上の重要な取組みであるという認識のもと、当社取締役会直轄となるグループサステナビリティ委員会でサステナビリティ戦略に関する協議を行い、各施策を検討、当社取締役会に定期的に報告し、当社取締役会がその審議・監督を行います。また、グループサステナビリティ委員会の下部組織としてグループサステナビリティ部会を設置、バンダイナムコグループサステナビリティ方針及びマテリアリティに沿った活動に取り組んでいます。
②戦略
当社グループは、バンダイナムコグループサステナビリティ方針のもと、「パーパス“Fun for All into the Future”」実現のために、企業として重点的に取り組む必要がある5つのテーマをマテリアリティ(重要課題)として特定しました。サステナブル活動にあたっては、これらマテリアリティに沿った施策を立案し推進しています。
〔マテリアリティ特定の3ステップ〕
■STEP1 社会課題のリストアップ
分析対象とする社会課題項目を「バンダイナムコグループの考え方(パーパス、バンダイナムコグループサステナビリティ方針等)」「国内外の潮流、社会要請」の観点からリストアップし、20項目に整理。
■STEP2 抽出した社会課題のマッピング
「ステークホルダーの皆様にとっての重要性」と「バンダイナムコグループにとっての重要性」の2軸で評価及びマッピング。
■STEP3 妥当性の確認・マテリアリティの特定
特定したマテリアリティの妥当性を確認すべく、社外有識者によるコメントを取得。グループサステナビリティ委員会での協議、当社取締役会での審議を経て、マテリアリティを特定。
※コメントを受領した社外有識者(所属肩書は、2023年2月時点)
・株式会社イースクエア 共同創業者 ピーター・D・ピーダーセン氏
・放送大学 客員教授 関 正雄氏
・CSRアジア 日本代表 赤羽 真紀子氏
〔バンダイナムコグループの5つのマテリアリティと重点項目〕
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マテリアリティ |
内容 |
重点項目 |
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地球環境との 共生 |
私たちバンダイナムコグループは地球環境に配慮した事業を推進することが、社会と企業の持続可能な発展の実現に欠かせないことを認識し、様々なステークホルダーとともに、地球環境との共生を目指します。 |
・気候変動対策の強化 ・資源・原材料の持続可能な利用 ・サプライチェーンマネジメント(環境) |
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適正な商品・ サービスの提供 |
お客さまの安心・安全を第一に考え、適正な倫理規範のもと、品質や安全性が確保された商品・サービスをパートナーと一体となって提供し、顧客満足度の向上に努めます。 |
・適切な表現に基づいた商品・サービスの提供 ・商品・サービスの安心・安全 ・顧客満足の向上 ・サプライチェーンマネジメント(品質) |
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知的財産の 適切な活用と保護 |
重要な経営資源であるIPを適切に活用・保護することにより、エンターテインメントの持続的な発展に寄与します。 |
・IPの適切な活用・特許の相互活用 ・IPの保護 |
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尊重しあえる 社会の実現 |
バンダイナムコグループに関わるすべての人が、お互いを尊重しあえるよう、人権尊重に向けた取り組みを推進するとともに、誰もがいきいきと働ける職場環境を実現し、社会と企業の持続的な発展を目指します。 |
・働きやすい職場環境の実現 ・人材育成 ・ダイバーシティ&インクルージョンの推進 ・サプライチェーンマネジメント(労働) |
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コミュニティとの 共創 |
バンダイナムコグループが地域やファンから愛され、社会から必要とされる企業であり続けるために、コミュニティとともに生き、発展していくことを目指します。 |
・地域コミュニティとの連携 ・次世代に向けた教育支援 ・ファンコミュニティの活性化 |
〔バンダイナムコグループの5つのマテリアリティのリスクと機会〕
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マテリアリティ |
リスク |
機会 |
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地球環境との 共生 |
・炭素規制やプラスチック利用規制による原材料や生産・調達コストの上昇 ・新技術の導入や研究開発、設備投資に伴うコストの増加 ・自然災害による財物損壊やサプライチェーンの中断、資源の枯渇 ・外出意欲の低下に伴うライブ、店舗運営事業の売上減少 |
・省エネルギー化による電力コストの削減 ・効率的な生産・輸送プロセスの導入によるコストの削減 ・顧客の嗜好変化による新しい市場の創出 ・環境配慮の取組みによる企業イメージの向上 ・環境配慮に向けた取組みに起因するビジネス機会の創出 ・グループ従業員のエンゲージメント向上 |
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適正な商品・ サービスの提供 |
・顧客志向の変化による売上減少 ・新たな技術開発に向けた投資増加 ・商品・サービスの品質面等における不具合発生数の増加 ・不具合に起因するレピュテーションリスク |
・新商品やサービスの開発促進 ・新たな技術への取組み増加 ・従業員教育充実による技能向上 ・顧客満足度の向上に伴うブランド価値向上 |
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知的財産の 適切な活用と保護 |
・IP創出における競争激化 ・IP創出、取得、保護に関する投資増加 ・知的財産の侵害等によるIP価値の毀損 |
・IPの適切な活用と保護によるエンターテインメントの持続的発展 ・新規IP創出の可能性拡大 |
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尊重しあえる 社会の実現 |
・IP軸戦略を推進する人材の確保の競争激化 ・人材の確保、育成にかかる投資増加 ・グループ従業員のエンゲージメント低下、及び流出 ・人材不足による事業への悪影響 ・グローバルで強化される法規制への対応の遅延によるビジネスリスクの増大 ・サプライチェーンにおける人権侵害の発生による生産性の低下 |
・ビジネスパートナーとの良好な関係構築及び生産性の向上 ・グループ従業員のエンゲージメント向上 |
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コミュニティとの 共創 |
・社会貢献及び地域活性化の取組み不足に起因するレピュテーションリスク |
・地域社会の活性化に伴う企業価値向上 ・グループ従業員のエンゲージメント向上 |
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティに関するリスクと機会についてグループサステナビリティ委員会で協議、当社グループが取り組むべきマテリアリティを特定し、グループ全体のサステナブル活動を推進しています。推進にあたっては、グループの危機管理体制を統括するグループリスクマネジメント委員会と連携しています。グループ各社が事業特性に合わせた施策にマテリアリティに沿って取り組んでおり、その結果は連結会計年度ごとに、グループ全体及び事業セグメントごとに分析し、翌連結会計年度以降の施策の改善につなげています。この分析内容については、グループサステナビリティ委員会にて協議のうえ、取締役会に報告し、必要に応じて取締役会が審議・監督を行っています。
④指標及び目標
以下のとおり、当社グループにおいては5つのマテリアリティ毎に目標を設定しています。
〔バンダイナムコグループの5つのマテリアリティの指標及び目標〕
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マテリアリティ |
重点項目 |
目標 |
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地球環境との 共生 |
・気候変動対策の強化 ・サプライチェーンマネジメント(環境) |
○脱炭素施策に向けた取組み ・Scope1,2におけるCO2排出量削減 2030年まで:2019年度比50% 2050年まで:実質排出量ゼロ ・Scope3対応の推進 |
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・資源・原材料の持続可能な利用 |
○サーキュラーエコノミーの推進 ・製品リサイクルの推進 ○環境配慮商品の拡大 ・石油由来プラスチックの利用削減 ・自社商品・サービスにおける環境配慮設計の推進 ・オフィスにおける事務用品のグリーン購入推進 ○廃棄物削減 ・各拠点における廃棄物のリサイクル推進 |
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適正な商品・ サービスの提供 |
・適切な表現に基づいた商品・サービスの提供 |
○グループ情報共有体制の構築と運用 |
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・商品・サービスの安心・安全 |
○安心・安全なモノづくりへの取組み ・国内外における製品品質の向上 ・従業員教育の実施 |
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・顧客満足の向上 |
○お客様満足度の向上 |
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知的財産の 適切な活用と保護 |
・IPの適切な活用・特許の相互活用 |
○IP・技術の活用による社会的課題の解決に向けた取組みの推進 |
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・IPの保護 |
○知的財産保護対応の強化 |
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尊重しあえる 社会の実現 |
・働きやすい職場環境の実現 |
○育児休業等の取得推進 ・男性育児休業取得率:前年度比5%増 ○休暇制度の見直し |
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・人材育成 |
○「夢・遊び・感動」を世界に発信できる人材の育成 |
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・ダイバーシティ&インクルージョンの推進 |
○障がい者雇用の推進 ・障がい者雇用率:2.5% ○多様な背景を持つ従業員が活躍できる風土醸成 ・エンゲージメントサーベイにおけるポジティブ回答率の向上 |
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・サプライチェーンマネジメント(労働) |
○人権への取組み ・人権を尊重したサプライチェーンの構築 ・従業員教育の実施 |
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コミュニティとの 共創 |
・地域コミュニティとの連携 ・ファンコミュニティの活性化 |
○地域に密着した社会活動の実施 |
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・次世代に向けた教育支援 |
○子どもたちへの教育支援 |
(2)気候変動
当社グループでは、気候変動への対応が持続可能な社会の実現と事業の継続的な発展に不可欠であるとの認識のもと、2021年4月の「バンダイナムコグループサステナビリティ方針」策定とあわせて、脱炭素化社会に向けた中長期の目標を設定しました。また、同年からTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)の提言に沿った情報開示を開始するとともに、2023年9月にはTCFD提言への賛同を表明しました。TCFDコンソーシアムにも参加しており、気候変動に関する最新情報の収集等に努めています。
引き続き、気候変動が事業に与える影響と、関連するリスクと機会についてシナリオに基づく分析を行い、これらのリスク・機会への対応を強化、脱炭素に向けた取組みを推進してまいります。
①ガバナンス
当社グループは、社会の持続可能性が事業活動において重要であることを認識しており、サステナビリティに関する活動をよりスピーディに決定・実行するため、代表取締役社長が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会を設置しています。
本委員会は半期ごと(年2回)の頻度で開催され、重要議題の一つとして気候変動対応について協議を行い、各施策を検討後、グループ各社にて施策を実施。当社取締役会に定期的に結果を報告し、取締役会がその審議・監督を行います。また、本委員会の下部組織であるグループサステナビリティ部会は、バンダイナムコグループサステナビリティ方針及びマテリアリティに沿った活動の推進に取り組んでいます。
②戦略
気候変動によって生じるリスクと機会の影響を把握するために、シナリオ分析を実施しました。
■シナリオ分析方法
気候変動による当社グループ事業への影響を明らかにするために、以下の2つのシナリオを用いて2030年におけるシナリオ分析を実施しました。今回は、積極的な脱炭素政策により気温上昇が抑えられる1.5℃シナリオと、限定的な脱炭素政策により気候上昇が進む4℃シナリオを採用しました。
・災害等の気候変動による物理的な影響の分析:IPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCPシナリオ
・炭素税等の脱炭素経済への移行に伴う影響の分析:IEA(国際エネルギー機関)シナリオ
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積極的な気候変動対策が実施され、 気温上昇が抑えられる世界 |
脱炭素政策は限定的であり、 気温上昇/気候変動が進む世界 |
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1.5℃シナリオ |
4℃シナリオ |
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概要 |
気温上昇が19世紀後半から2100年までで1.5℃に抑えられるシナリオ。炭素価格制度の導入等脱炭素社会への移行に伴う影響(移行リスク)が顕著となる。物理リスクの影響は4℃シナリオに比べると比較的小さい。 |
気温上昇が19世紀後半から2100年までで4℃近く上昇するシナリオ。災害等気候変動による物理的な影響(物理リスク)が顕著となる。気候変動に関する規制強化は行われないため、移行リスクの影響は小さい。 |
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参考 シナリオ |
移行 リスク |
IEA Net Zero Emission by 2050(NZE), IEA Announced Pledges Scenario(APS), IEA Sustainable Development Scenario(SDS) |
IEA Stated Polices Scenario(STEPS) |
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物理 リスク |
IPCC RCP 2.6 |
IPCC RCP 8.5 |
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※1.5℃シナリオの情報がない場合は、2℃シナリオに分類される参考シナリオを使用
■シナリオ分析結果
1.5℃シナリオ
1.5℃シナリオでは、炭素税の導入や化石燃料の使用に関する規制導入等、脱炭素社会への移行に伴う影響が予想されます。当社事業へのリスクとしては、炭素価格(炭素税・排出量取引制度)の導入による操業コストの増加、プラスチック規制に対するトイホビー事業における対応コストの増加、原材料価格の高騰による調達コストの増加等が挙げられました。一方で、機会としては、省エネ技術の向上による生産性の向上や、環境を配慮したコンテンツの提供による新規顧客獲得等が挙げられました。
これらの課題に対応するため、例として太陽光発電等の再生可能エネルギーの導入や、アミューズメント施設やライブ・イベント会場における電力使用量の削減、その他物流部門におけるエコドライブ活動、低公害車導入等に取り組んでいます。プラスチック規制や原材料価格の高騰への対応としては、リサイクル材の使用だけでなく、代替素材の導入、省資源製品(カプセルレスのガシャポン、エコアミューズメント製品、エコメダル認定製品)の開発等、製品設計の工夫によってプラスチック材の使用量を削減する取組みを実施しています。なお各社施策の詳細はバンダイナムコホールディングス公式サイトサステナビリティサイトをご参照ください。
バンダイナムコホールディングス公式サイトサステナビリティサイト(気候変動)
https://www.bandainamco.co.jp/sustainability/climate/index.html
4℃シナリオ
4℃シナリオでは、異常気象の激甚化等の気候変動による物理的な影響が発生することが予想されます。リスクとしては、当社事業所やサプライチェーンでの被災による事業活動の停止が挙げられました。また、猛暑や雨天増加等の気象パターンの変化によって、屋外イベント/サービスの売上減少も想定されました。一方で、機会としては、気象パターンの変化により、自宅や屋内で過ごす時間が増えることで、家庭用ゲームや玩具の売上や、屋内イベント/サービスの売上が増加することが想定されました。
リスク軽減としては、災害対応のためにBCP基本方針の策定や訓練を実施しています。さらに、バーチャルイベントの開催によって、猛暑や雨天に左右されないサービスの開発を進めています。また、この取組みは機会獲得にも貢献すると考えられ、今後はお客様が天候等に左右されずエンターテインメントコンテンツを利用できるように、多様なサービスを開発していきます。
〔移行リスク・機会〕
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項目 |
想定される事象 |
影響 評価 |
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リスク機会 |
中分類 |
小分類 |
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リスク |
政策・ 規制 |
炭素価格の導入 |
・炭素価格(炭素税や排出権取引制度)の導入により、GHG排出量に応じた課税やクレジット購入義務等が発生し、操業コストが増加する |
大 |
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化石燃料の使用に関する規制 |
・化石燃料の使用に関する規制の強化により、社用車と物流会社の輸送機における化石燃料使用の削減対応コストが発生する |
小 |
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|
プラスチック・資源リサイクル規制 |
・プラスチック規制の強化により、環境への負荷が少ないバイオプラスチックや再生プラスチックの使用が必須となり、玩具の製造コストが増加する ・リサイクル規制の強化に伴い、玩具・ゲーム機のプラスチックや金属が規制対象になり、製造や廃棄における対応コストが発生する |
大 |
||
|
再エネ・省エネ政策 |
・再エネ政策の拡充により、再エネ需要が高まり、電力価格が高騰する ・省エネ規制が強化され、規制遵守のための技術投資が必要となる |
大 |
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|
情報開示義務 |
・カーボンフットプリントといった情報の開示義務が課されることにより、情報を開示するための対応コストが発生する |
中 |
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|
市場 |
原材料コストの変化 |
・玩具やゲーム機等で使用されるプラスチックや金属の価格が高騰し、製造コストが増加する |
大 |
|
|
機会 |
市場 |
顧客行動変化 |
・顧客行動における環境への配慮の有無の重要性が高まることにより、環境への配慮をテーマとしたデジタルコンテンツや玩具(環境教育)を通して、新規顧客の獲得につながる |
大 |
|
評価 |
投資家評価の変化 |
・環境への配慮が十分であると投資家から判断されることにより、自社の評価が向上し、株価の上昇や資金調達機会の獲得につながる |
大 |
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〔物理リスク・機会〕
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項目 |
想定される事象 |
影響 評価 |
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リスク機会 |
中分類 |
小分類 |
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リスク |
急性 |
異常気象の激甚化 (台風、豪雨、土砂、高潮等) |
異常気象の激甚化に伴う風水害の増加により以下事項が想定される ・自社拠点における防災コスト/復旧コストが増加する ・原材料の調達や商品の販売が困難となり、事業が中断される ・外出意欲の低下によりライブ・店舗運営事業の売上が減少する ・従業員への人的被害が発生する ・保険料が増加する |
大 |
|
干ばつ |
・半導体製造量の減少により、玩具や業務用ゲーム機の製造が遅延する ・営業車両の納期遅延 |
中 |
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慢性 |
平均気温の上昇 |
平均気温の上昇に伴う夏季の猛暑により以下事項が想定される ・外出意欲の低下によりライブ・店舗運営事業の売上が減少する ・空調費等の操業コストが増加する ・従業員への健康被害が発生する |
中 |
|
|
降水・気象パターンの変化 |
・梅雨等気象パターンの変化により、雨天日が増加した場合、屋外サービスの売上が減少する |
中 |
||
|
平均気温の上昇による原材料生育影響 |
・食玩に使用される小麦粉等原材料が不作になった場合、価格高騰が想定され、調達コストが増加する |
中 |
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|
海面上昇 |
・海面上昇の影響により、沿岸部のアミューズメント施設や物流拠点等の事業拠点が浸水し、復旧コストが発生する |
小 |
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感染症の増加 |
・感染症の増加により、外出機会が減少し、ライブ会場やアミューズメント施設への来訪者が減少する |
中 |
||
|
機会 |
慢性 |
平均気温の上昇 |
・平均気温の上昇により、外出機会の減少に伴う自宅におけるデジタルコンテンツの需要が増加する |
中 |
|
降水・気象パターンの変化 |
・梅雨等気象パターンの変化により、雨天日が増加した場合、屋内サービスの売上が増加する |
中 |
||
③リスク管理
当社グループでは、サステナビリティに関するリスクと機会についてグループサステナビリティ委員会で協議、当社グループが取り組むべきマテリアリティを特定し、グループ全体のサステナブル活動を推進しています。推進にあたっては、グループの危機管理体制を統括するグループリスクマネジメント委員会と連携しています。グループ各社が事業特性に合わせた施策にマテリアリティに沿って取り組んでおり、その結果は連結会計年度ごとに、グループ全体及び事業セグメントごとに分析し、翌連結会計年度以降の施策の改善につなげています。この分析内容については、グループサステナビリティ委員会にて協議のうえ、取締役会に報告し、必要に応じて取締役会が審議・監督を行っています。
④指標及び目標
当社グループは、自社のESG経営の進捗及び気候変動に対する政策リスク等の影響を評価・管理するために、温室効果ガス排出量を指標として設定し、自社拠点におけるエネルギー由来のCO2排出量を2030年までに2019年度比50%削減することを中間目標として掲げています。さらに、2050年までには、自社拠点(社屋、自社工場、直営アミューズメント施設等)におけるエネルギー由来のCO2排出量を実質ゼロにすることを目標としています。今後は、目標達成にむけて、省エネルギー施策のさらなる推進や再生可能エネルギーの導入、カーボンクレジットの導入等を進めていきます。

(単位:t-CO2)
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2019年度 (2020年3月期) |
2020年度 (2021年3月期) |
2021年度 (2022年3月期) |
2022年度 (2023年3月期) |
2023年度 (2024年3月期) |
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Scope1 |
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Scope2 |
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Scope3(注)1 |
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カテゴリー1 |
- |
- |
- |
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576,512 |
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636,698 |
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カテゴリー2 |
- |
- |
- |
95,884 |
110,312 |
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カテゴリー3 |
- |
- |
- |
5,758 |
5,490 |
|||
|
カテゴリー4 |
- |
- |
- |
10,399 |
9,174 |
|||
|
カテゴリー5 |
- |
- |
- |
2,669 |
2,931 |
|||
|
カテゴリー6 |
- |
- |
- |
5,158 |
8,817 |
|||
|
カテゴリー7 |
- |
- |
- |
710 |
837 |
|||
|
カテゴリー8 |
- |
- |
- |
対象外 |
対象外 |
|||
|
カテゴリー9 |
- |
- |
- |
3 |
2 |
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カテゴリー10 |
- |
- |
- |
対象外 |
対象外 |
|||
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カテゴリー11 |
- |
- |
- |
21,792 |
12,284 |
|||
|
カテゴリー12 |
- |
- |
- |
372,368 |
415,664 |
|||
|
カテゴリー13 |
- |
- |
- |
対象外 |
対象外 |
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カテゴリー14 |
- |
- |
- |
対象外 |
対象外 |
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カテゴリー15 |
- |
- |
- |
対象外 |
対象外 |
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(注)1.Scope3を除く数値については第三者による限定的保証又はレビューを実施しています。
2.過去の実績値については、集計結果の精査を行い、遡って修正する場合があります。
3.Scope3の対象は㈱バンダイナムコエンターテインメント、㈱バンダイ、㈱BANDAI SPIRITS、㈱バンダイナムコフィルムワークス、㈱バンダイナムコアミューズメントとなります。
CO2排出量Scope3算出方法
カテゴリー1:調達額に排出原単位を乗じて算出。(連結会社間取引消去後)
カテゴリー2:設備投資額に排出原単位を乗じて算出。(グループ全体)
カテゴリー3:各エネルギーの消費量に排出原単位を乗じて算出。
カテゴリー4:輸送サービスの購入額に排出原単位を乗じて算出。
カテゴリー5:各廃棄物の発生量に処理方法別の排出原単位を乗じて算出。
カテゴリー6:移動手段別の交通費支給額に排出原単位を乗じて算出。㈱バンダイナムコエンターテインメントのみ、従業員数に排出原単位を乗じて算出。
カテゴリー7:交通費支給額に対し、すべて"旅客鉄道"を使用した場合の排出原単位を乗じて算出。
カテゴリー9:輸送距離×輸送重量×トラック輸送排出原単位として算出。(㈱バンダイナムコアミューズメント)
カテゴリー11:電池を使用する製品に対し、2回電池交換をすることを前提に、製品の販売数量、電池使用本数、平均電池寿命から消費電力量を算出し、排出原単位を乗じて算出。(㈱バンダイ)
ゲーム筐体の販売数量、消費電力、ゲームセンターの平均営業時間と営業日数から算出した年間使用時間に排出原単位を乗じて算出。(㈱バンダイナムコアミューズメント)
カテゴリー12:販売した製品の重量に排出原単位を乗じて算出(施設運営事業を除く)。ただし㈱バンダイ、㈱BANDAI SPIRITSは部門別売上シェア10%商材の平均重量を使用、㈱バンダイナムコフィルムワークスは販売数量トップ10の平均重量を使用。㈱バンダイナムコアミューズメントはゲーム筐体のみ算出。
※カテゴリー8、10、13、14、15は対象外
(3)人権対応
当社グループは、「パーパス“Fun for All into the Future”」がしめす姿である、エンターテインメントが生み出す心の豊かさで、人と人、人と社会、人と世界がつながる未来を、世界中のすべての人とともに創りつづけることを目指し、当社グループの事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重する責任を果たすため、「国連のビジネスにおける指導原則」等の枠組みに沿った「バンダイナムコグループ人権方針」のもと、人権対応に関する活動を推進しています。
従業員とその家族はもちろん、取引先の皆様を含め、すべてのステークホルダーの人権を尊重する責任があるという考えのもと、サプライチェーン全体で人権への理解を促進し、人権課題の顕在化の予防と、すでに確認されている課題の解決に向けた取り組みを進めます。同時に、グループ全体で人権意識の向上に努め、人権尊重に向けた取り組みを推進しています。
①ガバナンス
当社グループは、社会の持続可能性が事業活動において重要であることを認識しており、サステナビリティに関する活動をよりスピーディに決定・実行するため、代表取締役社長が委員長を務めるグループサステナビリティ委員会を設置しています。
本委員会は半期ごと(年2回)の頻度で開催され、重要議題の一つとして人権対応について協議を行い、各施策を検討後、グループ各社にて施策を実施。当社取締役会に定期的に結果を報告し、取締役会がその審議・監督を行います。また、本委員会の下部組織であるグループサステナビリティ部会は、バンダイナムコグループサステナビリティ方針及びマテリアリティに沿った活動の推進に取り組んでいます。
②戦略
当社グループの人権に対する姿勢や取組みをより明確化するため、2023年11月に「バンダイナムコグループ人権方針」を策定しました。企業の事業活動が人権にインパクトを与えることを理解し、当社グループの事業活動に関わるすべてのステークホルダーの人権を尊重することを、企業としての責任と考えています。
また2025年4月1日には「夢・遊び・感動」でつながる未来を世界中のすべての人々とともに創り続けるため、役員及び従業員一人ひとりが業務遂行において遵守すべき行動規範「バンダイナムコグループ行動規範」を制定しました。
「バンダイナムコグループ行動規範」は、国や地域を問わず、すべての法律とその精神を遵守して社会的責任を果たすこと、公正かつ自由な競争のもとで利潤を追求すること、企業活動を通じて広く社会に貢献することが、社会との信頼関係を築き、持続可能な社会の実現を牽引する役割を担う企業に課せられた普遍的かつ重要な使命であるとの認識を示しています。あわせて、従業員の生命・身体を優先し、安全で働きやすい職場環境を提供することを明記しています。なお、グループ内のすべての事業会社の代表取締役社長は、「バンダイナムコグループ行動規範」の遵守に関する宣誓書を当社代表取締役社長宛に提出しています。
〔バンダイナムコグループの人権対応におけるリスクと機会〕
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リスク |
機会 |
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・グローバルで強化される法規制への対応の遅延によるビジネスリスクの増大 ・サプライチェーンにおける人権侵害の発生に伴う生産性の低下 |
・ビジネスパートナーとの良好な関係構築及び生産性の向上 ・グループ従業員のエンゲージメント向上 |
③リスク管理
■人権リスクのマッピング
当社グループは事業活動を通じて関与し得る人権への負の影響について分析し、想定されるリスクについて深刻度・発生可能性の観点から重要度の高いものを特定しております。2024年3月期には当社の事業活動により負の影響が生じるリスクのある人権課題について、マッピングを行いました。以下の項目を当社グループにおいて優先的に対策すべき人権リスクと考え、これらリスクについては人権デューディリジェンスのプロセスに基づき、顕在的に発生している、あるいは潜在的な人権への影響を特定・評価しています。
潜在的なリスクについては低減のための適切な対策を実施、そして実際起こっている人権への影響に対しては、負の影響を取り除く等問題の解決に取り組むとともに、必要に応じて被害者への適切な救済措置を実施します。
なお、本マッピングについては継続的に見直しを行っていく予定です。
④指標及び目標
2025年4月に制定した「バンダイナムコグループ行動規範」「取引先ガイドライン」の内容を当社グループ従業員及び全ての取引先の皆様に共有するとともに、潜在的なリスクの低減、適切な対策の実施、負の影響を取り除く等問題の解決に取り組み、必要に応じて被害者への適切な救済措置を実施してまいります。
■人権デューディリジェンスの取組み状況
当社グループは、自らの事業活動が潜在的に人権に影響を及ぼしうることを認識しています。従業員とその家族はもちろん、取引先の皆様を含め、すべてのステークホルダーの人権を尊重する責任があるという考えのもと、サプライチェーン全体で人権への理解を促進しています。
従来は事業セグメントごとにリスク管理を実施してきましたが、当社グループとして事業活動に関係する人権への負の影響を特定、予防、軽減するため、人権デューディリジェンスの仕組みをグループ内で構築し、リスクベースアプローチに基づいて継続的な管理を実施していきます。2022年10月には、第三者機関による人権デューディリジェンスを主要事業において実施し、グループの事業の中では、東アジア・東南アジア地域の製造部門における潜在的な人権リスクが高いことを特定。また2024年3月期には、国内外の全事業を対象にリスク分析を実施しました。今後も人権リスクの顕在化の予防と、すでに確認されている人権課題の解決に向けた取組みを進めていきます。なお各社施策の詳細はバンダイナムコホールディングス公式サイトサステナビリティサイトをご参照ください。
バンダイナムコホールディングス公式サイトサステナビリティサイト(人権)
https://www.bandainamco.co.jp/sustainability/human-rights/index.html
(4)人的資本
当社グループの最大の財産であり強みはグループ人材です。「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、様々な才能、個性、価値観を持つ多様な人材が生き生きと活躍することができる「同魂異才」の企業集団でありたいと考えます。従来より新卒・キャリア、性別、年齢、国籍、人種、宗教や性的指向等にこだわらず多様な人材の確保・登用を行うとともに、多彩な人材が活躍することができ、心身ともに健康に働くことができる様々な制度や環境の整備に取り組んでおります。具体的には、従業員のチャレンジを支援する取組み、IP軸戦略をグローバルで推進する人材の育成等を行うとともに、多様な働き方や新たな働き方への対応を推進しております。また、外部パートナーとのアライアンス強化によるプロジェクトや協業を、人材活躍の新たな場としても活用し、次世代経営人材の育成の機会につなげていきます。
①戦略
[多様性の確保について]
従業員一人ひとりが持つ個性・才能を重視しており、属性については事業の特性に応じて多様化をはかっています。女性活躍の推進においては、実力と経験により公平な評価を実施しており、女性正社員数の増加に応じて女性管理職も増え続けています。また事業のグローバル化に伴い、現地採用の従業員数も年々増加しており、今後も多様性の確保に積極的に取り組みます。
[育成について]
「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、世界中の人々が「夢・遊び・感動」でつながり、IP軸戦略をグローバルで推進するために、地域やユニットの壁を超え、グループが一体となって事業に取り組むALL BANDAI NAMCOによる一体感醸成とグローバルで活躍する人材の育成を重要視しています。
具体的には、グループを牽引する人材の育成については、事業や地域をまたいだグループ横断研修を実施するとともに、事業特性に応じた専門的分野については事業軸で取組みを行う等、グループを横断した取組みと事業軸での取組みの二軸で育成を推進しています。
また、事業統括会社間等の事業を横断したローテーション人事を積極的に行い、グループが展開する各事業に対する理解を含め、グループの核となる人材の育成に取り組んでいます。
[尊重し合える社会環境の実現にむけた取組み]
「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと多彩な人材が心身ともに健康に働くための環境整備を推進しています。フレックスタイム制、裁量労働制、時短勤務、時差勤務等、グループ各社がその事業形態にあわせて各種制度を整備、運用しています。
それぞれの戦略に関連する指標や具体的な取組みは「
②指標及び目標
※以下実績については㈱バンダイナムコホールディングス、㈱バンダイナムコエンターテインメント、㈱バンダイ、㈱BANDAI SPIRITS、㈱バンダイナムコフィルムワークス、㈱バンダイナムコミュージックライブ、㈱バンダイナムコアミューズメント及び㈱バンダイナムコビジネスアークの原籍従業員を集計対象としており、2025年3月期における従業員カバー率は39.6%です。なお、連結子会社が国内外に多数存在し、現状ではデータ収集自体が困難であるため、当社グループの経営への影響度が特に高い会社8社を記載しております。
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多様性の確保について
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■正社員数 2023年3月期 4,029名(うち女性34.6%、1,396名) 2024年3月期 4,299名(うち女性36.1%、1,550名) 2025年3月期 4,488名(うち女性36.7%、1,647名) |
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■中途採用者人数 2024年3月期 206名(うち女性48.1%、99名) 2025年3月期 138名(うち女性31.2%、43名) |
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■新卒採用者人数 2023年3月期 140名(うち女性42.9%、60名) 2024年3月期 184名(うち女性44.0%、81名) 2025年3月期 188名(うち女性47.9%、90名) |
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■ 2023年3月期 22.1% 2024年3月期 22.8% 2025年3月期 |
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育成について |
■グループ合同研修参加者 2023年3月期 237名 2024年3月期 231名 2025年3月期 402名
※上記の他、個社ごとの人材育成プログラムを実施しております。 ※2023年3月期及び2024年3月期については新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け1年目研修を実施していません。 |
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尊重し合える職場環境の実現にむけた取組み |
■ 2023年3月期 30.5% 2024年3月期 78.5% 2025年3月期 ※2023年3月期については、育児休業取得率を算出しております。2024年3月期以降については、育児休業に育児目的休暇も含めた取得率を算出しております。なお2024年3月期、2025年3月期における育児休業の取得率はそれぞれ62.4%、77.1%です。 |
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■ 2023年3月期 98.5% 2024年3月期 93.8% 2025年3月期 |
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■ 2023年3月期 99.9% 2024年3月期 99.9% 2025年3月期 |
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■ 2023年3月期 70.2% 2024年3月期 74.1% 2025年3月期 |
※上記の他、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定による公表をしている連結子会社の従業員の男女の賃金の差異は「
○その他の実績
[多様性の確保について]
・エンゲージメントサーベイの実施
国内外グループ全社で、2023年3月期よりエンゲージメントサーベイを実施し、組織の課題を可視化しています。この結果に基づいて様々な取組みを実施しており、一例として男性育児休業のさらなる取得推進に向けた取組みや、職場環境の改善等にも取り組んでいます。
今後もグループ全体で従業員のエンゲージメント向上に取り組み、多彩で個性溢れる人材が生き生きと働き活躍できる環境づくりを推進しています。
・パートナーシップ制度の導入
国内グループ会社で2023年4月よりパートナーシップ制度を導入しています。従来婚姻関係を要件としていた就業規則等に定める休暇や各種福利厚生制度等について、パートナーシップ関係にある従業員も利用できるようになりました。
・障がい者雇用の促進
特例子会社㈱バンダイナムコウィルでは、メールセンター運営・クリーニング・オフィスアシスタントや玩具・ゲーム開発サポート等、グループ各社のビジネスを様々な面からサポートしています。また、障がい者雇用の知見を活かし、グループ各社で直接雇用している障がい者社員の定着支援も実施しております。そして、国内グループ各社の障がいへの理解向上のため、障がいを正しく知るサイト「ゆになび」の運営や、障がいに関する講演会やセミナーの開催も行っております。
[育成について]
・キャリアプランシート
年に1度自身のキャリアの棚卸しと上長との面談にて自律的なキャリア選択を促すキャリアプランシートを導入しています。選択できる異動希望部署は国内外グループ会社を対象としており、5年後、10年後といった中長期スパンでの個々のキャリア形成を促す仕組みを運用しています。
[尊重し合える職場環境の実現にむけた取組み]
・フレックスタイム制、裁量労働制、時短勤務、時差勤務等、事業形態にあわせた各種制度の整備、運用
様々な家庭事情を抱える従業員が働きやすいような社内制度やサポート体制を整え、従業員が安心して働ける環境をつくることで、エンゲージメントの向上をはかっています。
・出産子育て支援金の支給
第一子、第二子誕生時のお祝い金のほか、第三子以降の誕生時に子一人当たり300万円を支給しています。
・ライフサポート制度
様々な家庭事情を抱える従業員にとって働きやすい環境を整備することを目的として導入しています。事由に応じて、30日の休暇取得又は時短勤務・フレックス勤務が可能です。
事由例)①子の不登校 ②不妊治療 ③家族の看護及び介護 ④疫病での通院
なお、現時点ではグループ全体として統一的な目標は設定しておりませんが、現在、各事業の特性を十分に考慮しながら、多様な事業展開に適した目標の設定に向けて検討を進めております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
バンダイナムコグループは「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、中長期的に持続的な成長を続け企業価値の向上を目指すために、環境変化にスピーディに対応し、グループを取り巻くリスクと機会を認識するとともに、それらの対応を検討し実行することで、リスクの低減と機会の最大化をはかることが必要です。また、社会の一員として社会的課題に対応した様々な活動を推進することで持続的社会の実現への貢献を目指します。トップミーティングや各種委員会等において、リスクや機会となり得る情報の認識や分析、共有を行い、対応策を検討し実行することにより、適切なリスクマネジメント体制を確保してまいります。さらには、環境の変化により生じた新たな機会に対し、様々な取組みを行ってまいります。リスクマネジメントにおいては、グループリスクマネジメント委員会のもと、グループ全体のリスクマネジメント強化をはかるとともにリスク発生時の対応を行っております。
(1)リスクマネジメント
バンダイナムコグループでは、バンダイナムコホールディングス代表取締役社長を委員長とし、常勤取締役、事業統括会社等の代表取締役社長、指名者及び事務局で構成されるグループリスクマネジメント委員会を設置しています。同組織を統括としてグループ全体のリスクマネジメント強化及び危機(クライシス)発生時の対応に関する体制を構築しており、この枠組みの中で、情報セキュリティの強化等にも取り組んでいます。
グループリスクマネジメント委員会の構成
①危機管理体制(リスク・クライシスマネジメント)
バンダイナムコグループ拠点の所在地域で発生、又は発生の予想される危機(クライシス)への対応のため、グループ各社はグループリスクマネジメント規程に基づき、危機管理組織を設置しています。これら危機管理組織が、事業統括会社及び海外における地域統括会社の支援のもと、平常時のリスクマネジメントの強化と、危機発生時の収束に向けた対応を担います。また、グループリスクマネジメント委員会は、グループ全体の危機管理体制を統括し、グループとして対応すべきと判断した危機については、対処方針の決定及び事態解決に関する意思決定を行います。
②危機発生時の対応
一定レベルを超える危機が発生したときは、国内外グループ会社の危機管理担当者が、専用のシステムにより関係各所及びグループリスクマネジメント委員会へ報告・情報共有し、必要な対応を行います。
また、当該事案がグループ全体として対応すべき内容であると判断された場合には、グループリスクマネジメント委員会が招集され、同委員会が適切に対応を決定、指示します。
(2)コンプライアンス違反発生時の対応
バンダイナムコグループは、国や地域を問わず、すべての法律とその精神を遵守して社会的責任を果たすこと、公正かつ自由な競争のもとで利潤を追求すること、企業活動を通じて広く社会に貢献することが、社会との信頼関係を築き、持続可能な社会の実現を牽引する役割を担う企業に課せられた普遍的かつ重要な使命であると認識しています。こうした認識のもとコンプライアンスに関する考え方を明確化し、すべての役員及び従業員一人ひとりが、業務遂行において遵守すべき行動規範「バンダイナムコグループ行動規範」を制定し、これを遵守し率先垂範することを宣言しています。
グループ各社において法令違反等が確認された場合には、各社に設置されたコンプライアンス委員会に報告がなされます。コンプライアンス委員会はグループコンプライアンス規程及び各社のコンプライアンス規程に基づき、バンダイナムコホールディングスに報告するとともに、状況に応じて適切な対応を行います。また、当該事案がグループ全体として対応すべき内容であると判断された場合には、グループコンプライアンス委員会が招集され、同委員会が適切に対応を決定、指示します。
(3)情報セキュリティに関する危機発生時の対応
バンダイナムコグループにおいては、情報セキュリティへの取組みを、グループの事業遂行における重要課題のひとつと捉えています。法令・社会情勢の変化も踏まえ、自社の情報資産を守るべく取り組んでいます。法令及びその他の規範に準拠したグループ情報セキュリティ管理規程に基づき、保有する情報資産の価値に応じた適切な情報セキュリティ対策を実施、事故等の予防に努めています。情報セキュリティの体制の維持・強化は各社における担当組織のみの活動ではなく、日々の経営活動・業務活動の一環として全社レベルで実施するものと位置付け、継続的な改善を図っています。
情報セキュリティに関する緊急事態が発生した場合、グループ情報セキュリティ担当取締役は直ちに必要な対策を講じるとともに、グループリスクマネジメント規程及びガイドラインに則った対応を行います。
(4)グループを横断するリスクと機会
①IPの創出・育成、展開に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・IPビジネスにおける競争激化 ・市場や顧客の急速な変化、技術の進化 ・特定のIPへの依存 ・IP創出、取得、保護に関する投資増加 ・IPを活用した商品・サービスの品質面等における不具合 ・知的財産の侵害等によるIP価値の毀損 ・IP軸戦略を推進する人材の確保と育成
機会 ・地域や事業間の連携促進 ・市場や顧客の急速な変化、技術の進化による新たな市場や事業、ビジネスモデル、新規IPの創出の可能性拡大 ・グローバル市場における日本発IP認知度拡大による市場拡大 ・新規IP創出の可能性拡大 ・IPの適切な活用と保護によるエンターテインメントの持続的発展
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「パーパス“Fun for All into the Future”」の浸透によるブランド価値の向上、中期計画における戦略の推進に加えて、以下の取組みを実施しております。
・新規IP創出・育成、定番IP展開の強化 ・多彩なIP・事業・地域ポートフォリオの確立 ・外部パートナーとの協業・連携の強化 ・フィジカルとデジタル両面の事業カテゴリー展開による連携等の相乗効果の発揮 ・新たな事業やビジネスモデル、プラットフォームへの取組み ・戦略的な投資の実施 ・品質管理体制の強化、従業員教育・サプライチェーンマネジメントの強化 ・クオリティ重視の開発体制強化 ・顧客データ活用によるマーケティングや需要予測精度の向上 ・模倣品排除を含む知的財産の適切な活用と保護、社内外向け啓発活動の実施 ・多彩な人材が活躍できる制度や仕組みの導入 ・健全な財務体質基盤の強化 |
②カテゴリー・エリア拡大に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・競争の激化、ビジネスモデルの模倣 ・各地域や事業に関する法令や制度、業界ルール等への対応 ・各地域の顧客志向、メディア環境、商慣習等への対応 ・需要増加への対応 ・IP軸戦略を推進する人材の確保と育成
機会 ・地域や事業間の連携促進 ・グローバル市場における日本発IP認知度拡大による市場拡大 ・IPの適切な活用と保護によるエンターテインメントの持続的発展
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「パーパス“Fun for All into the Future”」の浸透によるブランド価値の向上、中期計画における戦略の推進に加えて、以下の取組みを実施しております。
・各地域におけるワンオフィス化の推進 ・海外におけるガバナンス体制の強化 ・各地域の最新情報の収集と共有体制強化 ・外部パートナーとの協業・連携の強化 ・現地発のIP展開、各国の嗜好や環境にあわせた商品・サービスの提供 ・プロモーションやマーケティング強化による商品ブランドや企業ブランドの認知拡大 ・EC対応の強化、流通網の拡大 ・自社工場を含めた生産体制の拡充 ・ユニットや地域間連携等、総合力発揮に向けた組織再編の実施 ・品質管理体制の強化、従業員教育・サプライチェーンマネジメントの強化 ・多様な人材が活躍できる制度や仕組みの導入 |
③多彩な人材活用に関するもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・IP軸戦略を推進する人材確保の競争激化 ・事業基盤となるコーポレート人材の不足 ・外部のクリエイター人材や外部パートナー企業との関係構築における競争激化
機会 ・グループ従業員のエンゲージメント向上 |
グループにおける「パーパス“Fun for All into the Future”」の浸透に加え、以下の取組みを実施しております。
・多彩な人材が活躍できる制度や仕組みの導入や統一 ・グローバル人材、コーポレート人材の確保・育成 ・従業員を対象としたエンゲージメントサーベイの実施による状況把握と対応策の推進 ・外部パートナーとの協業・連携の推進、それに伴う新たな人材活躍の場の創出 ・地域や事業を横断した人事交流の推進 |
※人材戦略における取組み等につきましては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (4)人的資本」に記載しております。
④サステナビリティに関する課題
バンダイナムコグループの5つのマテリアリティのリスクと機会、気候変動に関するリスクと機会、人権対応におけるリスクと機会等につきましては「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載しております。
⑤情報セキュリティに関するもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・サイバー攻撃等による情報流出や事業システムへの影響 ・技術の進化、法令等の変化 ・社内の情報リテラシー低下 |
・監視の強化や脆弱性対策の強化 ・情報セキュリティ部門の拡充 ・情報セキュリティ教育の強化 ・最新情報の収集、外部専門家との関係強化 ・世界各国の個人情報保護法令に準拠した個人情報管理体制の構築 |
⑥その他の外部要因に伴うもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・天災、事故等の災害 ・政情変化 ・法令、規制等の改正 ・為替の変動 ・感染症等の拡大 |
・BCP、BCMに基づく訓練等の活動推進、継続的な見直し ・リスクマネジメント体制の強化 ・各事業や地域の最新情報の収集と共有体制強化 ・各国・地域の政府・自治体の要請や状況に基づいた取組みの実施 ・衛生管理の徹底、従業員の健康管理 ・支援金の拠出や事業を通じた施策等社会的支援の実施 |
(5)各事業におけるリスク
①全事業を横断するもの
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主なリスクと機会 |
対応 |
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機会 ・ネットワーク環境の普及・拡大 ・技術の進化 ・デジタル化推進による顧客とのタッチポイント拡大 |
・新技術や新たなプラットフォームへの対応 ・IP認知度向上の取組みやグローバル展開の強化 ・オンラインイベント等のデジタルマーケティングやEC等デジタル対応の強化 |
②トイホビーユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・国内における少子化の進行 ・原材料や燃料の価格上昇 ・輸出入取引に係る法令変更や環境変化 ・脱プラスチックに向けた規制強化 ・生産地域の集中と品質管理
機会 ・グローバル市場における日本発IP認知度拡大 |
・ターゲット層や展開事業、地域の拡大 ・開発生産におけるバリューチェーン改革、効率化 ・再資源化への取組み、新素材の研究開発等プラスチック使用量削減への対応 ・EC対応の強化 ・生産体制の拡充、効率化 ・生産拠点の分散、品質管理体制強化 |
③デジタルユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・開発期間の長期化と投資額の上昇 ・プラットフォームの多様化 ・技術の進化 ・タイトル開発における人材の確保、育成
機会 ・技術進化による新たな市場や事業、ビジネスモデル等の可能性拡大 |
・クオリティ重視の開発体制強化、効率化 ・新技術、新プラットフォーム、新ビジネスモデルへの積極的な対応 ・スタジオ等外部パートナーとの協業・連携の推進 ・最適なタイトルポートフォリオの構築 ・タイトルリリース後の継続的なファンコミュニケーション ・新たな技術等の研究や情報収集の強化 ・開発環境の整備、人材の獲得、育成の強化 |
④映像音楽ユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・制作期間の長期化と投資額の上昇 ・IP創出における競争激化 ・作品制作における人材の確保、育成
機会 ・グローバル市場における作品視聴環境の拡大 ・リアルエンターテインメント需要の回復 |
・制作環境の整備、人材の獲得、育成の強化 ・スタジオ等外部パートナーとの協業・連携強化 ・制作技術向上のための投資 ・メディア展開やライセンス強化等による作品展開や活用の機会拡大によるIP価値最大化 ・グローバル展開の拡大 |
⑤アミューズメントユニット
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主なリスクと機会 |
対応 |
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リスク ・リアルな場を活用したエンターテインメントの多様化 ・燃料価格等の上昇 ・人材の確保、人件費の上昇
機会 ・リアルエンターテインメント需要の回復 |
・IPや商品・サービス等グループリソースとの連携強化 ・効率化の推進、事業の安定基盤強化 ・組織再編による各事業に特化した人材獲得・育成の強化 ・多様な働き方への対応 |
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度は、国内において雇用や所得が改善する一方、原材料価格や燃料価格の上昇、為替の変動による物価上昇等が個人消費に影響しました。また、世界情勢における様々な動きにより、国内外とも景気の先行きについては不透明な状況が継続しました。
このような環境の中、バンダイナムコグループは2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス“Fun for All into the Future”」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3カ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、バンダイナムコグループが中長期で目指す姿に向け、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、グループ従業員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しました。重点戦略の推進を通じ、IP(Intellectual Property:キャラクター等の知的財産)の世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させるとともに、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高めるための取組みを推進しました。
当連結会計年度につきましては、IP軸戦略を核に各地域や事業を横断・連携しALL BANDAI NAMCOで一体となった取組みを強化しました。事業面では、デジタル事業及びトイホビー事業の業績が、利益率の高い商品・サービスのヒット等により大きく伸長したほか、IPプロデュース事業とアミューズメント事業も好調に推移し、全ての事業が前年同期比で増収増益となりました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高1,241,513百万円(前期比18.2%増)、営業利益180,229百万円(前期比98.7%増)、経常利益186,470百万円(前期比79.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益129,301百万円(前期比27.4%増)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[デジタル事業]
デジタル事業では、ネットワークコンテンツにおいて、「DRAGON BALL」シリーズや「ONE PIECE」等の主力アプリタイトルがユーザーに向けた継続的な施策により国内外で引き続き安定的に推移したほか、新作アプリタイトル「学園アイドルマスター」が好調に推移しました。家庭用ゲームにおいては、「ELDEN RING」の大型ダウンロードコンテンツ「ELDEN RING SHADOW OF THE ERDTREE」や新作タイトル「ドラゴンボール Sparking! ZERO」がワールドワイドでヒットしたほか、「ELDEN RING」のリピート販売が好調に推移しました。また、2025年4月からの中期計画に向けて、クオリティを重視したファンの期待に応えるタイトル開発を目指し、バランスの取れた最適なタイトルポートフォリオの構築、開発体制の強化に取り組みました。
この結果、デジタル事業における売上高は455,633百万円(前期比22.3%増)、セグメント利益は68,527百万円(前期比995.1%増)となりました。
[トイホビー事業]
トイホビー事業では、映像配信の普及等によってグローバル市場における日本IPの人気が拡大していることを受け、国内外で展開カテゴリーの拡大、リアルイベントや店舗によるタッチポイントの拡大、生産体制の強化等をはかったことにより、引き続き好調に推移しました。具体的には、ガンプラ(ガンダムシリーズのプラモデル)やコレクターズフィギュア、一番くじ(キャラクターくじ)等のハイターゲット(大人)層向けの商品が、販売・マーケティングや商品ラインナップの強化により好調に推移しました。また、「ONE PIECE」や「DRAGON BALL」シリーズのトレーディングカードゲーム等のカード商材、ガシャポン(カプセルトイ)、菓子・食品等が商品ラインナップやターゲット層、展開地域の拡大に加え、顧客とのタッチポイントの強化等により業績に貢献しました。今後もトイホビー事業においては、引き続きグローバル展開の拡大と、拡大を支える生産体制や販売網等の強化を推進します。
この結果、トイホビー事業における売上高は596,933百万円(前期比17.1%増)、セグメント利益は102,202百万円(前期比29.9%増)となりました。
[IPプロデュース事業]
IPプロデュース事業では、ガンダムシリーズ劇場公開作品の中で歴代No.1となった「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」や、「ブルーロック」の新作劇場作品の興行収入が業績に貢献しました。また、ガンダムシリーズや「ブルーロック」をはじめ、「ラブライブ!」シリーズ、「転生したらスライムだった件」等のグローバル展開や映像配信、ライセンスビジネスが好調に推移しました。さらに、リアルなエンターテインメント需要の高まりに伴い、ライブイベントやパッケージの販売等が好調に推移しました。IPプロデュース事業では、今後も映像や音楽を通じIP軸戦略の核となる良質なIPの創出を強化します。
この結果、IPプロデュース事業における売上高は90,738百万円(前期比10.0%増)、セグメント利益は11,778百万円(前期比17.2%増)となりました。
[アミューズメント事業]
アミューズメント事業では、国内アミューズメント施設の既存店売上高が前年同期比で105.3%となりました。また、「バンダイナムコ Cross Store」や「ガシャポンのデパート」のようなグループの商品・サービスと連携したバンダイナムコならではの施設やアクティビティ施設が好調に推移しました。業務用ゲームにおいては、新製品や定番機器の販売等が安定的に推移しました。アミューズメント事業においては、グループの商品・サービスの認知を拡大するためのファンとのタッチポイントの役割をさらに強化するとともに、燃料価格の上昇等の外部環境の変化も踏まえ、引き続き効率化に取り組みます。
この結果、アミューズメント事業における売上高は141,485百万円(前期比18.2%増)、セグメント利益は8,438百万円(前期比23.3%増)となりました。
[その他事業]
その他事業では、グループ各社へ向けた物流事業、その他管理業務等を行っている会社から構成されており、これらのグループサポート関連業務における効率的な運営に取り組んでおります。
その他事業における売上高は36,224百万円(前期比11.9%増)、セグメント利益は1,671百万円(前期比69.2%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
当連結会計年度末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ130,798百万円増加し1,102,636百万円となりました。これは主に仕掛品が15,163百万円減少したものの、現金及び預金が66,592百万円、投資有価証券が57,222百万円、有形固定資産が20,491百万円増加したことによるものです。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ37,405百万円増加し309,420百万円となりました。これは主に未払法人税等が17,523百万円、未払金が増加したこと等により流動負債のその他が15,202百万円増加したことによるものです。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ93,392百万円増加し793,216百万円となりました。これは主に自己株式の取得により35,000百万円減少したものの、利益剰余金が89,384百万円、その他有価証券評価差額金が36,189百万円増加したことによるものです。なお、自己株式の消却を実施したことに伴い資本剰余金及び自己株式はそれぞれ9,942百万円減少しております。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の72.0%から71.9%となりました。
②キャッシュ・フローの状況
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|
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
増減額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
88,906 |
187,337 |
98,430 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
10,136 |
△62,004 |
△72,140 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー (百万円) |
△75,237 |
△77,347 |
△2,109 |
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現金及び現金同等物の期末残高 (百万円) |
311,264 |
360,960 |
49,696 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比べ49,696百万円増加し、360,960百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は187,337百万円(前期比110.7%増)となりました。これは法人税等の支払額38,030百万円(前期は44,132百万円)等の資金の減少要因がありましたが、税金等調整前当期純利益が184,122百万円(前期は146,640百万円)、減価償却費が40,216百万円(前期は38,364百万円)となったことにより、全体としては資金が増加したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は62,004百万円(前期は10,136百万円の獲得)となりました。これは主に有形・無形固定資産の取得による支出が42,437百万円(前期は34,909百万円)であったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は77,347百万円(前期比2.8%増)となりました。これは主に配当金の支払額が39,918百万円(前期は45,998百万円)、自己株式の取得による支出が35,000百万円(前期は17,240百万円)であったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
生産高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
78,522 |
△11.7 |
|
トイホビー事業 |
35,993 |
18.0 |
|
IPプロデュース事業 |
37,831 |
48.1 |
|
アミューズメント事業 |
16,577 |
69.7 |
|
合計 |
168,924 |
9.2 |
(注)1.上記金額は製造原価によって表示しております。
2.上記金額には商品化権使用料が含まれております。
3.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
受注高(百万円) |
前年同期比(%) |
受注残高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
8,845 |
△20.3 |
2,174 |
△48.6 |
|
トイホビー事業 |
53,800 |
11.2 |
20,054 |
7.3 |
|
IPプロデュース事業 |
1,550 |
10.6 |
3,442 |
8.8 |
|
アミューズメント事業 |
114 |
△86.0 |
114 |
△62.3 |
|
合計 |
64,311 |
4.2 |
25,786 |
△2.3 |
(注)上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
販売高(百万円) |
前年同期比(%) |
|
デジタル事業 |
450,088 |
22.9 |
|
トイホビー事業 |
574,837 |
17.0 |
|
IPプロデュース事業 |
75,615 |
10.5 |
|
アミューズメント事業 |
134,324 |
13.2 |
|
その他 (注)2 |
6,647 |
13.6 |
|
合計 |
1,241,513 |
18.2 |
(注)1.上記金額はセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
3.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) |
||
|
金額(百万円) |
割合(%) |
金額(百万円) |
割合(%) |
|
|
Apple Inc. |
108,143 |
10.30 |
- |
- |
(注)販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。また、経営者の問題認識、今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
中期計画の成果と課題について
当社グループは、2022年4月からグループの最上位概念となる「パーパス“Fun for All into the Future”」と新ロゴマークの導入を行うとともに、3カ年の中期計画をスタートしました。中期計画においては、「パーパス“Fun for All into the Future”」のもと、当社グループが中長期で目指す姿に向け、世界中のIPファン、あらゆるパートナー、株主、グループ従業員、そして社会と常に向き合い、広く、深く、複雑につながる存在を目指し「Connect with Fans」を中期ビジョンに掲げ、重点戦略として「IP軸戦略」「人材戦略」「サステナビリティ」を推進しました。重点戦略の推進を通じ、IPの世界観や特性を活かし、最適なタイミングで、最適な商品・サービスとして提供することでIP価値の最大化をはかる「IP軸戦略」をさらに進化させるとともに、「IP軸戦略」のグローバル展開を強化し、ALL BANDAI NAMCOでの一体感と総合力を高めるための取組みを推進しました。
本中期計画期間においては、IP軸戦略を、ALL BANDAI NAMCOで一体となり、ワールドワイドで事業や地域を横断した取組みを推進したことにより、定番IP商品・サービスや、各事業の主力カテゴリーの売上が伸長したほか、北米や中国を中心にグローバル展開の拡大をはかりました。また、グループ各社のデータの接続と集約を行うデータユニバース構想を推進し、複数事業においてデータの活用にも着手しました。一方で、新規IP創出や新規事業への挑戦、各事業の拡大及び事業を支えるコーポレート機能を担う人材の採用・育成については、2025年4月からの中期計画において、一層強化する必要があると考えています(「人材戦略」及び「サステナビリティ」については、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください)。
中期計画に基づいた様々な取組みを推進した結果、中期計画最終年度の2025年3月期においては、中期計画策定当初に掲げた計数目標 連結売上高1兆1,000億円 連結営業利益1,250億円 ROE12%以上に対し、連結売上高1兆2,415億円、連結営業利益1,802億円、ROE17.3%となり、全てにおいて目標を上回る実績となりました。また、中期計画期間中の平均営業利益は1,291億円となり、2018年4月からの前中期計画期間中の平均営業利益824億円に対し、大きく伸長することができました。当社グループでは、2025年4月からの中期計画においても、環境変化やヒット商品・サービスの有無に影響されづらい収益基盤を厚くすることを目指します。
新たな中期計画の策定について
当連結会計年度においては、2022年4月からの中期計画の成果と課題を踏まえ、中長期での持続的な成長を目指し、新たな中期計画の策定に取り組みました(中期計画の詳細については「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」をご参照ください)。そして、中期計画を推進するにあたり、財務基盤やガバナンス体制、グループ従業員が新たなことにチャレンジできる成長環境の構築等の強固な経営基盤の強化と、IP価値最大化の推進を目的に、当社の取締役体制やユニット体制等の変更を行うことを決定しました。また、当社グループに対するステークホルダーからの理解促進を目的に、中長期での企業価値向上と長期利益の創造に向けた資本政策に関する考え方を開示しました。
協業・アライアンスを推進する「CW360」の設置について
中長期ビジョン「Connect with Fans」を掲げる2025年4月からの中期計画において、成長投資を含めた外部パートナーとの協業・アライアンスをさらに推進するため、“360度全方位のFansとつながっていきたい”という想いをこめて当社内に新たな部署「CW360」を新設しました。「CW360」においては、グループ全体の視点で、外部パートナーと様々な形でつながり、さらに新たな領域と各事業が接続することで事業の成長を後押しし、グループの長期的な成長につなげていくことを目指してまいります。また、「CW360」による、外部パートナーとのプロジェクトや協業等の機会を、次世代を担う人材育成の場としても活用していきます。
株主還元について
当社は、経営を取り巻く環境や成長に向けた戦略投資に関する方針を踏まえ、様々な角度から検討を行った結果、2025年4月よりスタートした中期計画において、株主還元に関する基本方針を一部変更することとしました。
<新たな株主還元に関する基本方針>
当社グループの競争力を一層強化するとともに、株主への適正な利益還元を経営の重要施策と位置づけ、総還元性向50%以上を基本方針とする。
・DOE(純資産配当率)3.60%を下限とし、長期的に安定的な配当を実施する。
・資本コストを意識し、適宜自己株式の取得を実施する。
当連結会計年度の期末配当金は、新たな基本方針を適用し、ベース配当11円に業績連動配当49円を加え、1株当たり60円となります。また、2024年12月10日に1株当たり11円の中間配当を実施しておりますので、年間配当金は1株当たり71円となります。さらには、保有資産の有効活用により資本効率の向上をはかるとともに、環境変化に対応し株主還元を含めた機動的な資本政策を実行することを目的に、当第4四半期連結会計期間に自己株式の取得を行いました。取得した自己株式の総数は7,056,300株、取得価額の総額は34,999,814,138円となり、配当及び本自己株式取得を踏まえた総還元性向は62.7%となります。なお、当社では、2025年4月30日付で保有する全自己株式のうち10,000,000株の消却を行っております。当社グループでは、中長期での持続的な成長に向け、より強固な基盤をつくり、最大の財産であるグループ社員、多彩な事業が自由闊達に挑戦できる環境を整備してまいります。
財政状態につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、主として内部資金により充当することとしており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は360,960百万円となっております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
翌連結会計年度のキャッシュ・フローの見通しにつきましては、営業活動で得られるキャッシュ・フローは、当連結会計年度に比べ営業利益の減少及び法人税等の支払いの増加が見込まれるため、当連結会計年度を下回る見込みであります。また、投資活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ設備投資等の資金需要の減少が見込まれるため、当連結会計年度より下回ることを見込んでおります。さらに、財務活動により使用するキャッシュ・フローについては、当連結会計年度に比べ配当金の支払いの増加が見込まれるものの、自己株式の取得を実施した当連結会計年度より下回ることを見込んでおります。翌連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高については、営業活動で得られるキャッシュ・フローが、投資活動及び財務活動により使用するキャッシュ・フローを上回ることが見込まれるため、当連結会計年度末に比べて増加となる見込みであります。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
重要な契約は次のとおりであります。
1.当社は、2024年5月20日開催の取締役会の決議に基づき、2024年9月30日付で、欧州地域の子会社の組織再編を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。
2.当社は、2025年2月5日開催の取締役会の決議に基づき、2025年4月1日付で、アミューズメントユニットにおける組織再編を実施いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に 記載のとおりであります。
3.その他の重要な契約
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契約会社名 |
相手先名 |
国名 (地域) |
契約内容 |
契約期間 |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
㈱ソニー・インタラクティブエンタテインメント |
全世界 |
プレイステーション(全機種)対応ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
2014年11月20日から 2019年3月31日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
任天堂㈱ |
全世界 |
①「Nintendo Switch」用ソフトの開発、ダウンロード販売の被許諾 |
2016年2月26日から 2019年2月25日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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日本 |
②「Nintendo Switch」用ソフトのパッケージ版販売被許諾 |
2016年2月26日から 2019年2月25日まで 以後1年ごとの自動更新 |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
MICROSOFT LICENSING, GP |
全世界 |
「Xbox One」及び「Xbox Series」用ソフトの開発、製造、販売の被許諾 |
2020年6月1日から |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Valve Corporation |
全世界 |
STEAMの開発、製造、販売の許諾契約 |
定めなし |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Apple Inc. |
全世界 |
iOS搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
1年間 (1年ごとの自動更新) |
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㈱バンダイナムコエンターテインメント |
Google Inc. |
全世界 |
Android搭載端末向けアプリケーションの配信及び販売に関する契約 |
定めなし |
当社グループは市場変化に迅速に対応し、より収益性の高い魅力ある製品・サービスを提供するために、積極的な研究開発活動を行っており、デジタル事業、トイホビー事業を中心に、新素材や新技術を取り入れた安全かつ高付加価値・高品質・低コストの製商品開発に取り組んでおります。
具体的には、デジタル事業においては、基礎研究としてはネットワーク分野、ゲームコンテンツ分野等における研究活動を行うとともに、各種技術を用いた製商品の研究開発を行っております。トイホビー事業においては、キャラクターマーチャンダイジングを推進するための新商品開発等に取り組んでおります。
なお、当連結会計年度における研究開発費をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
金額(百万円) |
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デジタル事業 |
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トイホビー事業 |
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IPプロデュース事業 |
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アミューズメント事業 |
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その他 (注)2 |
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合計 |
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(注)1.上記金額は、販売費及び一般管理費に含まれる研究開発費のセグメント間取引の相殺消去後の数値であります。
2.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない事業セグメントであります。
また、このほかに、主な開発部門で発生した新規ゲームコンテンツの開発等に係る支出額は、デジタル事業が63,687百万円、アミューズメント事業が6,073百万円であります。なお、ゲームコンテンツ制作費の会計処理については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。